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心大血管疾患理学療法診療ガイドライン

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 614 42 巻第 7 号 614 ~ 622 頁(2015 年) 理学療法学 第 42 巻第 7 号. 講 座 シリーズ 「エビデンスに基づく理学療法 ―理学療法診療ガイドラインを読み解く―」. *. 連載第 11 回 心大血管疾患理学療法診療ガイドライン 舟 見 敬 成 1). はじめに. 評価指標である。収縮期血圧は心収縮能を反映するが, Frank-Starling 機序で静脈環流量にも影響を受ける。拡. 本稿は,班長の松永篤彦先生(北里大学)をはじめ,. 張期血圧は心収縮期に拡張した大動脈のリコイルを反映. 内山 覚先生(新東京病院),井澤和大先生(神戸大学),. するため,動脈硬化の影響を受けやすい。. 木村雅彦先生(北里大学),熊丸めぐみ先生(群馬県立 小児医療センター),櫻田弘治先生(心臓血管研究所附 属病院),田畑 稔先生(豊橋創造大学),渡辺 敏先生. 「Q2:運動耐容能に関する指標はなにがありますか?」 ˙ O2)や嫌気性代謝閾値 「A:最高酸素摂取量(peak V. (聖マリアンナ医科大学病院)の諸先生が中心となって. ˙ O2 at anaerobic threshold),運動耐 の酸素摂取量(V. 作成された理学療法診療ガイドライン第 1 版(日本理学. 容時間(exercise tolerance time)や 6 分間歩行距離(6. 1). 療法士協会) を心血管理学療法学会のガイドライン・. minutes walking distance:6MWD)がある。」. 用語作成担当の舟見がより簡潔にまとめたものである。. 心肺運動能力の評価指標である最高酸素摂取量は,心. また,これらの指標をもとに実際の臨床における運用方. 機能障害の重症度,心肺運動機能の回復程度や機能レベ. 法についても簡単にまとめてみたので,参考にしていた. ルの評価指標であり,生命予後の予測や理学療法の効果. だきたい。. 判定の判定指標となる。嫌気性代謝閾値の酸素摂取量. 理学療法評価(指標)の推奨グレード 1.理学療法士が測定または評価し得るもの(理学療法 評価)(表 1) 「Q1:患者を評価する際の一般的なモニタリングに関 する指標として,なにがありますか?」. は,最高酸素摂取量と同様に心肺運動負荷試験によって 測定され,急性期や重症例の心肺機能評価指標として有 効である。また,有酸素運動の運動処方を作成する際は, 嫌気性代謝閾値時の酸素摂取量を指標にして,運動強度 を設定される。運動負荷試験における運動耐容時間の延 長は,最高酸素摂取量の増加を意味する。6 分間歩行試. 「A:体格(height, weight, body mass index:BMI). 験は最大酸素摂取量の推定を目的とした評価で,呼気ガ. や心拍数(heart rate:HR),血圧(blood pressure:. ス分析による心肺運動負荷試験に比べて簡便な方法とし. BP)がある。これらの指標は,心大血管リハビリテー. て,心肺運動負荷試験の実施できない状況(場所,機材,. ションの効果判定としても広く用いられている。」. 身体機能)でよく利用される。. 体格は身長,体重,体格指数(BMI),体組成(体脂 肪率,除脂肪体重),ウエスト周囲径などを指し,年齢 や性別なども考慮した研究が多くなされている。心拍数. 「Q3:身体機能に関する評価指標はなにがあります か?」. は運動時の酸素摂取量との相関がよく運動能力の指標と. 「A:骨格筋筋力(muscle strength)の代表値として. してよく用いられる。さらに心拍数×収縮期血圧=二重. 膝伸展筋力と握力がよく使用される。また,バランス. 積は心仕事量のよい指標とされている。血圧は,心ポン. 機能(balance function)のファンクショナルリーチ. プ機能や循環血液量および末梢血管抵抗などを反映する. (functional reach)と片足立ち(片脚立位),柔軟性. *. Clinical Practice Guideline for Physical Therapy of Cardiovascular Disease 1) 総合南東北病院リハビリテーション科 (〒 963–8563 福島県郡山市八山田 7–115) Yoshinari Funami, PT: Department of Rehabilitation, Southern TOHOKU General Hospital キーワード:心大血管疾患,診療ガイドライン,理学療法. 評価としての立位体前屈(ante flexion of the trunk) がある。」 膝伸展筋力は下肢筋力を代表するのみならず,全身の 筋力を推定するうえで重要な評価指標である. 2)3). 。握力. 値は全身の骨格筋力や体力の推定や筋力低下の経過を確.

(2) 心大血管疾患理学療法診療ガイドライン. 615. 表 1 理学療法(評価)の推奨グレード 質問項目 Q1. Q2. 評価(指標). 推奨グレード. 一般的なモニタリングに関する指標. A. ⅰ)体格(BMI). A. ⅱ)心拍数(HR). A. ⅲ)血圧(BP). A. 運動耐容能に関する指標 ˙O ) ⅰ)最高酸素摂取量(Peak V 2. A~B A. ˙ O at AT) ⅱ)嫌気性代謝閾値の酸素摂取量(V 2. A. ⅲ)運動耐容時間. A. ⅳ)6 分間歩行距離(6MD) Q3. Q4. Q5. Q6. B. 身体機能に関する指標. A~B. ⅰ)骨格筋筋力(膝伸展筋力,握力). A. ⅱ)バランス機能(ファンクショナルリーチ,片足立ち). B. ⅲ)柔軟性(立位体前屈). B. 日常生活活動(ADL)に関する指標. B. ⅰ)基本的 ADL(BI,FIM). B. ⅱ)手段的 ADL(老研式活動能力指標,FAI). B. ⅲ)運動能力. B. ⅳ)身体活動量. B. ⅴ)運動習慣. B. 健康関連 QOL,抑うつ・不安に関する指標. A. ⅰ)健康関連 QOL. A. ⅱ)抑うつ・不安. A. 予後に関する指標. A. ⅰ)死亡率または生存率(期間). A. ⅱ)再入院率または再入院回避率(期間). A. ⅲ)心事故発生率または回避率(期間). A. 推奨グレードについて A:信頼性,妥当性のあるもの.B:信頼性,妥当性が一部あるもの. C:信頼性,妥当性は不明確であるが,一般的に使用されているもの(但し, 「一般的」には学会, 委員会等で推奨されているものも含む).(鈴木重行:理学療法診療ガイドライン 2011 の概要. 理学療法学 42,2015.72–77 より引用). 認,障害の予測を行うなどに多用されている 4)5)。ファ. と し て, バ ー セ ル イ ン デ ッ ク ス(Barthel index:. ンクショナルリーチは,動的バランス能力の指標であ. BI) や 機 能 的 自 立 度 評 価(functional independence. り,立位で 90 度前方に両腕を伸ばし,バランスを維持. measure:FIM)があり,手段的 ADL(instrumental. しながらできるだけ遠くへ手を伸ばす能力を測定する。. activity of daily living:以下,IADL)として,老研. 片足立ちは,平衡機能の評価指標であるほか,下肢や体. 式活動能力指標や Frenchay activities index(FAI). 幹筋力も反映される。高齢者の心臓リハビリテーション. がある。また,日常生活活動を遂行する際に必要な運. 効果指標には,ADL に影響を与える因子として,下肢. 動能力や身体活動量,運動習慣も必要な指標である。」. 筋力ばかりではなく,転倒事故発生に大きく関与するバ ランス機能の評価が重要である. 5). 。柔軟性とは骨格筋と. 日常生活活動において個人が社会参加する場合,交通 機関の利用や電話の対応,買い物,食事の支度,家事,. 腱の伸張能力を示し,体力構成要素のひとつである。静. 選択,服薬管理,金銭管理など,社会生活に対応する複. 的柔軟性は,関節または関節群の運動可動範囲,動的柔. 雑な生活実行能力が求められ,これらは IADL と呼ば. 軟性は関節可動域における動きやすさとされている。. れる。. 「Q4:日常生活活動(ADL)に関する指標はなにがあ りますか?」 「A:基本的 ADL(basic activity of daily living:BADL) . 「Q5:健康関連 QOL,抑うつ・不安に関する指標は なにがありますか?」 「A:健康関連 QOL には包括的尺度として,Sickness.

(3) 616. 理学療法学 第 42 巻第 7 号. 表 2 病態の把握ならびに理学療法の効果判定のために参考とする指標 質問項目 Q1. 評価(指標). 推奨グレード. 心機能評価に関する指標. A~C. ⅰ)X 線写真所見(CTR). C. ⅱ)冠動脈造影検査(冠動脈病変評価). B A. Q2. ⅲ)心エコー所見(形態,運動,血流,圧) ˙ E vs V ˙ CO Slope) 運動時の換気機能に関する指標(V 2. A. Q3. 自律神経活動に関する指標(NA,心拍変動). A. Q4. 神経体液性因子に関する指標(BNP,NO,TNF-α ,IL-6,CRP). B. Q5. 冠危険因子に関する指標(脂質代謝,糖代謝,血圧,喫煙). A. Q6. 骨格筋に関する指標(骨格筋筋力,持久力). B. impact profile(SIP)6),Nottingham health profile 7). (NHP) ,Medical outcomes study short-form 36(SF-. 生存(率)を評価する方法と,複数の集団を長期間観察 しイベント発生率を比較する方法がある。. 8). 36) などがあり,特異的尺度として Minnesota living 9) with heart failure questionnaire(LHFQ) ,Seattle 10) angina questionnaire(SAQ) ,Quality of life after 11). myocardial infarction questionnaire(QLMI). など. がある。. 2.病態の把握ならびに理学療法効果判定のために参考 とする指標(表 2) 「Q1:心機能評価に必要な指標はなにがありますか?」 「A:心エコー所見は非侵襲的に心臓の形態や構造の. 抑うつや不安を量的に評価する尺度としては,Beck. 評価が可能であり,冠動脈造影検査は冠動脈の病態な. 12) depression inventory(BDI) ,Zung self-rating. らびに治療経過の把握として用いられる。また,胸. 13). depression scale(SDS) ,Center for epidemiologic 14). studies depression scale(CES-D) ,Hospital anxiety 15). 部 X 線写真所見は循環器診療の基本的な画像検査で ある。」. and depression scale(HADS) ,Spielberger state-. 心エコー所見は非侵襲的に心臓の形態として壁や弁膜. 16) trait anxiety inventory(STAI) ,Manifest anxiety. の運動を描出するのみならず,血流や圧の変化,組織局. 17). scale(MAS). などがある。」. 包括的心臓リハビリテーションや運動療法の効果とし. 所のバイアビリティ評価にも用いられる。冠動脈造影検 査は,運動療法を行う際の病態ならびに治療経過の把握. て健康関連 QOL を測定・評価する際に利用されてきた. のために用いられている。胸部 X 線写真は循環器診療. 尺度は,疾患の種類による限定を受けない包括的尺度. (診断,疾患管理)における基本的な画像検査の代表で. と,それぞれの疾患を有する患者に特有の事項を含んだ. あり,肺うっ血の程度や胸水の有無と程度,心陰影の大. 疾患特異的尺度に大きく分類される。抑うつは,気分障. きさや形を確認し,急性および慢性の心不全の重症度な. 害の一種であり,抑うつ気分や不安・焦燥,精神活動の. らびに経過を評価するために用いられる. 18)19). 。. 低下,食欲低下,不眠症などを特徴とする。一方,不安 は心配に思ったり,恐怖を感じたりすること,または恐 怖とも期待ともつかない,なにか漠然として気味の悪い 心的状態である。. 「Q2:運動時の換気機能に関する指標はなにがありま すか?」 ˙ E vs. V ˙ CO2 「A:心肺運動負荷試験で評価できる V slope がある。」. 「Q6:予後に関する指標はなにがありますか?」. 運動時の換気亢進は,呼気分時換気量(expiratory. 「A:予後に関する指標として,死亡(率)または生. minute volume:VE) が 一 回 換 気 量(tidal volume:. 存(率)(期間)(mortality, cardiac death),死亡に 発展する心血管イベント発生を臨床的に把握するも. TV)と呼吸数(respiration rate:RR)の積であること ˙ E vs. V ˙ CO2 slope に から,心肺運動負荷試験における V. のとして,再入院率または,再入院回避率(期間). よって評価される。この指標は,心不全重症度に相関す. (readmission)や心事故発生率または回避率(期間). ることが知られ,予後予測因子としてのカットオフポイ. (event free survival)がある。」. ントは 34 である。. 死亡(率)は死因を問わない全死亡(率)と,心筋梗 塞や心不全,不整脈などを契機に起こる心臓死亡(率) に分けて評価される。代表的には 1 年,3 年,5 年,10 年などの一定時間を経過した時点での死亡(率)または. 「Q3:自律神経活動を評価する指標はなにがあります か?」 「A: 血 漿 ノ ル ア ド レ ナ リ ン(noradrenalin: 以 下,.

(4) 心大血管疾患理学療法診療ガイドライン. 617. NE)濃度や尿中 NE 排出量,心拍変動解析,圧受容体. 「Q6:骨格筋と運動耐容能には関係がありますか?」. 反射感受性,変時性反応(ΔHR/ΔNE)などが用いられ. 「A:骨格筋筋力および持久力低下は運動耐容能低下. る. 20–22). 。 」. を惹起するため,関係性が認められる。」. 交感神経緊張亢進の機序として,骨格筋をはじめとす. 骨格筋は,廃用性変化ならびに好気性代謝にかかわる. る末梢組織から交感神経中枢への求心性刺激の増加や,. type I,type IIa 線維の減少により運動耐容能低下を導. 圧受容体反射の感受性低下などが推測されており,また. くため,心大血管疾患患者においてもレジスタントレー. 臨床的には糖尿病の関与も大きい. 20). 。. ニングの導入が標準化されつつあり,筋力,筋持久力を 含めた骨格筋の指標は重要視されつつある。有酸素運動. 「Q4:神経体液性因子を評価する指標はなにがありま すか?」. やレジスタンストレーニングによる骨格筋の血流改善効 果は概ね支持されており,嫌気性代謝閾値や筋力を向上. 「A:心臓に影響する神経体液因子は,心臓刺激因子 と心保護因子のふたつに大別でき,心臓刺激因子に は,ノルエピネフリン,レニン・アンジオテンシン・ アルドステロン,バソプレシン,エンドセリン,種々 のサイトカインなどがあり,一方で,心保護因子の代 表は,BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド),ANP(心. させる仕組みのひとつである. 28–30). 。. 理学療法介入の推奨レベルとエビデンスレベ ル(表 3) 「Q1:心大血管疾患の運動処方にはどのような構成要 素が必要ですか?」. 房ナトリウム利尿ペプチド),アドレノメデュリン,. 「A:運動処方には,①運動の種類,②運動の強度,. 内皮由来弛緩因子(NO),アデノシン,アディポネク. ③運動の継続時間,④運動の頻度,⑤身体活動度の増. チンなどがある。」. 加に伴う再処方の 5 つがある。特に①運動の種類につ. 心不全患者に対する運動療法によって最高酸素摂取量. いては,有酸素トレーニングと骨格筋トレーニング. の増加と同時にこれら BNP の減少が得られた報告もあ. に大別されており,理学療法介入の主要な手段であ. るが,運動療法の直接効果というよりも,むしろ運動が. る。②運動の強度についても,運動機能障害を有する. 可能か否かの判断に有用性が高いと考えられる. 23)24). 。. 症例への配慮や合併症および高齢者への配慮が必要で ある。」. 「Q5:冠危険因子を評価する指標はなにがあります か?」 「A:脂質代謝として低比重リポ蛋白(low density lipoprotein:以下,LDL)コレステロール値や中性脂. 「Q2:有酸素トレーニング(持久力トレーニング)の 効果はありますか?」 「A:一定時間運動負荷が持続するタイプの持続的ト 31)32). と,運動負荷が間欠的に行われる間. 肪値(triacylglycerol:TG),高比重リポ蛋白(high. レーニング. density lipoprotein:HDL)コレステロール値がある。. 欠的トレーニング. 糖代謝として血糖値や 75  g ブドウ糖負荷試験時の血. 量や心機能および筋力を改善させる効果的なトレーニ. 糖値,血清インスリン値やインスリン抵抗性を示す. 33)34). がある。いずれも,酸素摂取. ング方法である。」. HOMA-IR 値がある。また,高血圧や喫煙も重要な冠. 持続的トレーニングは,散歩やサイクリングなどが代. 危険因子である。」. 表的なものである。間欠的トレーニングは,インターバ. 脂質代謝の異常は,自覚症状を伴うことなく血管内皮. ルトレーニングやサーキットトレーニングなどが代表的. 機能低下を惹起し,LDL コレステロールが血管内膜へ. なものである。. 侵入し,粥腫が形成されアテローム性動脈硬化の進展を 助長し,心大血管疾患の発症リスクを高める因子であ る. 25–27). 。糖代謝の異常は,骨格筋機能や身体活動状態. 「Q3:骨格筋トレーニングは,どのような種類があ り,どのような効果がありますか?」. の影響を受けやすく,糖尿病の診断がつく前段階の耐糖. 「A:中等度から高強度のレジスタンストレーニング. 能異常状態であっても,血管内皮機能は低下し,動脈硬. は,左室機能の低下や重篤な不整脈を生じることな. 化を進展させる冠危険因子のひとつである。高血圧症. く実施可能である. は,動脈硬化を進展させる冠危険因子のひとつであり,. トレーニングに加えて,補完的に呼吸筋(吸気筋). 血圧値の上昇に伴い心大血管疾患発症率も上昇する。喫. ト レ ー ニ ン グ(inspiratory muscle training: 以 下,. 煙は,心大血管疾患にとって有病率や死亡率を上昇させ. IMT)の併用が推奨される。」. 35–37). 。運動療法やレジスタンス. る冠危険因子である。また,喫煙は血管内皮機能の障害. 骨格筋トレーニングの中で,レジスタンストレーニン. をもたらす。. グでもっとも多かったのは,固定式のウェイトトレーニ ングマシンを用いた運動であり,その他として,重錘,.

(5) 618. 理学療法学 第 42 巻第 7 号. 表 3 理学療法介入の推奨グレードとエビデンスレベル 質問項目 Q2. 推奨グレード エビデンスレベル. 内容 有酸素トレーニング(持久力トレーニング). Q3. A. ⅰ)持久的トレーニング. エビデンスレベル 2 ~ 4. ⅱ)間欠的トレーニング. エビデンスレベル 2. 骨格筋トレーニング. Q4. A~B. ⅰ)レジスタンストレーニング. エビデンスレベル 1 ~ 3. ⅱ)呼吸筋トレーニング. エビデンスレベル 1. 生活指導(ADL 指導,疾患管理・教育,運動習慣). A エビデンスレベル 2. Q5. 心理・社会的問題への介入(健康関連 QOL). Q6. A. ⅰ)包括的尺度. エビデンスレベル 2. ⅱ)疾患特異的尺度. エビデンスレベル 2. ⅲ)抑うつ・不安. エビデンスレベル 2 ~ 3. 運動器疾患に対する介入. A エビデンスレベル 2. Q7. 糖尿病に対する介入. A エビデンスレベル 2. Q8. 高齢者に対する介入. Q9. 腎不全に対する介入. A エビデンスレベル 1 B エビデンスレベル 2. 弾性バンド,サイクルエルゴメータであった。報告の多. か?」. くは,有酸素運動と筋力トレーニングを併用しながら行. 「A:心大血管リハビリテーションによって,包括的. うことであり,有酸素運動のみと比較して,筋力・筋持. 尺度および疾患特異的尺度で示した健康関連 QOL の. や QOL に対する効果が報告さ. 改善や,抑うつや不安の軽減に関しても効果が認めら. 久力に対する効果 れている. 33–35). 38–40). 。慢性心不全患者のうち吸気筋力(最大. れる。」. 吸気口腔内圧:以下,PImax)が低下しているものを対. 心血管疾患例では SF-36 によって測定された健康関. 象として IMT を加え,PImax が改善すること,また運. 連 QOL は,一般人と比較してかなり低い値を示すこと. 動耐容能についても,換気能力の改善のみならず,末梢. が明らかとなっている. 血流の増大や呼吸困難出現までの時間延長も作用して改. ンは,健康関連 QOL を改善する. 善が得られるとしている. 41)42). 。. 46). が,心臓リハビリテーショ 47). 。また,疾患特異. 的尺度を用いて健康関連 QOL を評価している研究は, Minnesota living with heart failure questionnaire を用. 「Q4:生活指導(ADL 指導,疾患管理・教育,運動 習慣)も行うべきですか?」 「A:心血管疾患の再発予防には,運動療法のみなら ず食事療法や服薬管理,禁煙指導,ストレスマネジメ ントといった生活指導(患者指導)が重要である。」 心臓リハビリテーションにおける患者教育は特に喫 煙. 43). 康関連 QOL の改善は,長期間での運動介入 での運動介入. ,短期間. 48). ,生活の中での歩行を中心とした運動. と教育プログラムの併用 ンストレーニング ニング. 38). 39). ,有酸素運動 49),レジスタ. 50). ,有酸素運動+レジスタンストレー. 40). などにおいて有効であることが示されている。. や体重管理に対しての効果が高い。しかしなが. ら,運動療法単独と比べて患者教育を加えたほうがより 効果的であるとする報告は少なく,その効果はほぼ同様 の結果であり,どちらがより有益なのかは示されていな い. いた研究が多く散見される。疾患特異的尺度を用いた健. 44)45). 。. 「Q6:運動器疾患を有する場合に気をつけなければな らないことはなんですか?」 「A:運動麻痺など疾患特有の機能障害や筋力低下, 認知機能低下によって日常活動性の低下。それに伴う 日常活動量の低下に気をつけること。」. 「Q5:心理的・社会的問題への介入効果はあります. 運動機能障害を有する症例では,運動麻痺など疾患特.

(6) 心大血管疾患理学療法診療ガイドライン. 619. 有の機能障害や筋力低下,認知機能低下によって日常活. 生リスクが高くなる。また,中等度の腎機能障害なら. 動性が低下しやすい。. びに透析を要する末期腎不全のいずれも,運動療法に あたっては水分出納や電解質の管理ならびに倦怠感な. 「Q7:糖尿病を合併している場合に気をつけなければ ならないことはなんですか?」. どの自覚症状にも注意し,運動量を調節する配慮が必 要である。」. 「A:糖尿病の合併症,特に神経障害の影響を強く受. 心腎連関と称されるように,血液循環の駆動源である. けることに留意する必要がある。また,筋力低下やう. 心臓と濾過排泄ならびに体液量の調節を行う腎臓とはき. つ状態の把握も重要である。」. わめて密接な関係にある。循環器科的な治療に関して. 糖尿病神経障害は,症状を自覚しない糖尿病発症早期. は,腎機能障害に伴い(造影剤使用や全身麻酔の禁忌か. から合併する場合が多く,狭心症に伴う胸痛は,内臓関. ら)積極的な PCI や手術が制限を受け,また,腎機能. 連痛であり,自律神経を介して自覚症状が出現するた. 障害によって生じる貧血も心血管疾患患者の大きな予後. め,無症候性の心筋虚血を起こす糖尿病患者はけっして. 規定因子であることから,CKD を併存する循環器疾患. 稀ではない。握力は年齢とともに減少し,女性の糖尿病. 患者の予後は不良であるとされている。. 患者や最高酸素摂取量が低い糖尿病患者は,さらに握力 が低値である. 51). ことから,糖尿病患者は,筋力低下に. 診療ガイドラインの実際の使い方の一例. ついて配慮が必要である。糖尿病合併症例において,入. 心大血管疾患の理学療法を進めるうえで,診療ガイド. 院時のうつ症状は,5 年心関連死亡率で心疾患重症度に. ラインは多くの有益な示唆を与えてくれる。実際の事例. 関する変数を調整した後も有意な関連を示し,左室駆. を通じて,ガイドラインの運用について考えてみたい。. 出率や糖尿病合併を同様に独立した予後予測因子であ. 症例プロフィールと臨床経過は表 4 を参考。. る. 52). 。. 本症例は拡張型心筋症および慢性呼吸不全の増悪によ り,心不全が悪化した 80 歳代後半の男性である。. 「Q8:高齢者に対しては,どのような点を配慮すべき でしょうか?」. <理学療法介入> 「高齢者に介入するときに注意することはなにか?」. 「A:高齢者には,低い筋力水準,低い ADL,歩行障. ⇒『高齢者の入院や臥床は合併症の頻度や重症度を助長. 害,サルコペニア,認知機能低下,バランス障害,起. するため,可及的速やかに離床し,合併症を予防する必. 立性低血圧,不安・抑うつ,低栄養など種々の問題を. 要があると記載されている。よって,Dr とのカンファ. 合わせもつ症例が多く,若年の心血管症例に対する理. レンスや心不全症状に準じて介入しよう(理学療法介入. 学療法に加えて様々な配慮が必要になってくる。」. Q8)』. 人口の高齢化とともに,心血管疾患を有する症例も高 齢化の一途をたどっている。入院や臥床は,合併症の頻 度や重症度を助長するため,可及的速やかに離床し合併 症を予防する必要がある. 53)54). 。. 「病態の把握には,カルテからどんな情報をまずとれば いいか?」. 高齢心疾患例に運動療法を施行した際の効果をみる. ⇒『病態の把握や効果判定のための情報を収集してみよ. と,高齢者の体力水準は若年者より低いものの,トレー. う(病態把握 Q1,Q4,Q5)』. ニングによる改善に関しては若年者と差を認めず,運動. ⇒心機能も低いし,BNP も高い。呼吸状態にも注意し. 耐容能,筋力,バランスともに改善する。また,トレー. ていく必要がありそうだ。不整脈はないが,心機能から. ニングに参加した群では参加しなかった群より,冠危険. 考えると起きても不思議はない。モニター管理をしなが. 因子は是正され,心疾患の再発や再入院,総死亡の減少. ら二次的合併症予防と離床を行っていこう。冠危険因子. も報告されており,その結果として医療費も抑制されて. で問題となる指標はなさそうだ。. いる。不安や抑うつは心疾患患者の予後を悪化させる が,高齢者の不安・抑うつの改善に運動療法は有効であ る. 55). 。すなわち,高齢者においても運動療法は有効で. あり,トレーニングに参加することを推奨すべきである。. 「理学療法評価としてなにをモニタリング指標として評 価したらいいのか?」 ⇒『ガイドラインにある指標をモニタリングしてみよう. 「Q9:腎不全を合併している場合に気をつけなければ ならないことはなんですか?」. (理学療法評価 Q1,Q4)』 ⇒『立位・歩行が可能となったら筋力やバランスも評価. 「A:腎機能障害は中等度であっても,脳血管疾患,. してみよう(理学療法評価 Q2,Q3)。また,骨格筋と. 虚血性心疾患,心不全,高血圧性心疾患,不整脈の発. 運動耐容能は関連性があるので,骨格筋力のトレーニン.

(7) 620. 理学療法学 第 42 巻第 7 号. 表 4 症例プロフィールと臨床経過 一般情報 患者情報. 80 歳代後半 男性(身長・体重:157 cm・45 ㎏ BMI:18.3). 主訴. 呼吸困難感. 診断名. 心不全(拡張型心筋症),慢性閉塞性肺疾患. 現病歴. 拡張型心筋症,慢性閉塞性肺疾患,心不全で当科外来経過観察中.一週間前より右 下肢の浮腫を認め,徐々に呼吸困難感を自覚し救急にて当院搬送.胸部 X 線写真で 心拡大,胸水貯留みられ心不全増悪の診断で入院.翌日よりリハ処方.. 既往歴. 心不全の増悪にて 7 年間で 2 度入院あり.. 社会的情報. 長男夫婦,孫夫婦,ひ孫の 6 人暮らし.家庭内の役割としてひ孫の子守り.. 身体所見. BP:118/77 mmHg KT:36.1℃ Noria-Stevenson:wet & warm ADHF:CS II. 検査所見 心エコー. LV wall motion:diffuse moderate to severe hypo,EF38.0% valves:MR moderate to severe,TR mild to moderate,AR trivial / AS(-) E/A:2.17,Dct:140 msec,E/e’:26.1,IVC:19 mm. X 線写真. 心拡大,両側肺野の透過性低下,胸水貯留あり.CTR:63.0%. ECG. reg. SR(HR68 bpm). 血液検査値. CRP:0.36 mg/dl,CRE:1.07 mg/dl,Alb:3.4 g/dl,Hb:12.2 g/dl BNP:881.7 pg/ml. 理学療法評価. 体重 45.0 ㎏ ⇒ 44.5 ㎏,BI:50 ⇒ 100,FIM:77 ⇒ 124. 初期⇒最終. 握力:15/10 ㎏ ⇒ 18/15 ㎏,下肢筋力(% BW):31.1/26.7 ⇒ 44.9/33.7. CPX. AT:7.3 ml/kg/min,15 Watt,71 bpm Peak:10.0 ml/kg/min,36 Watt,89 bpm ˙ O /HR:4.4 ˙ E/V ˙ CO Slope:60.5,Peak V V 2 2 ˙ ˙ ⊿ VO2/ ⊿ LOAD:2.83,VO2 Tc:37 sec. グも行っていこう(病態把握 Q6)』. を,日ごろの臨床場面において参考にしていただけると. ⇒『運動療法が可能となったら運動耐容能も評価してみ. 幸いである。. よう(理学療法評価 Q2),その際に病態の把握に参考と ˙ E vs. V ˙ CO2 slope も重要だね(病態把握 Q2)』 なる V. 現状と今後の展望 理学療法士が測定または調査し,評価し得るもの(理 学療法評価指標)の多くは,推奨グレード A と判定さ. 「心大血管疾患の運動処方および介入に注意することは. れ,心大血管リハビリテーションを担う医療チーム内. なんだろうか?」. で,理学療法士にその専門性が求められていると考えら. ⇒『理学療法介入の推奨レベルを参考に介入してみよう. れる。有酸素トレーニングや筋力トレーニングなどの運. (理学療法介入 Q2 ~ 4)』. 動療法を主体とした介入の多くは推奨グレード A,エ. ⇒『モニタリング指標を基に,理学療法効果や心不全の. ビデンスレベル 2 と判定された。ただし,二次予防を目. 病態を把握し,自分の行っていることが患者さんをよく. 的とした疾患管理や生活指導の介入内容に,運動指導を. しているのか,それとも悪化させているのかをみてい. 主体的に取り入れた報告はきわめて少なく,理学療法士. こう』. が医療チーム内で専門性を活かすうえでも大きな課題が. <結果>. 残されていると思われた。. 1 ヵ月の入院ではあったが,労作時の息切れの軽減や. また,第 1 版では,心大血管リハビリテーションの対. 骨格筋筋力の向上も図られた結果,ADL,FIM ともに. 象者の疾患や病態,さらには急性期,回復期および慢性. 改善され,自宅退院に至った症例である。退院に際して. 期といった病期に分けた検討を行っていない。今後は,. は,体重測定や塩分制限などといった自己管理を指導. 虚血性心疾患,慢性心不全,心臓外科術後ならびに血管. し,家庭内役割としてひ孫さんの子守りを継続していた. 疾患等に分けて,理学療法評価と理学療法介入の位置づ. だくよう説明した。. けとそのエビデンスを検討する必要がある。さらに,病. 以上,高齢心不全患者を介入する流れを簡単にまとめ. 態や病期によって,理学療法評価の内容(項目),評価. てみた。このように,臨床思考の中で根拠のある評価や. 時期(タイミング)およびその判定基準も異なってくる. モニタリング指標がまとめられているこのガイドライン. ことから,今後は,理学療法士としての専門的な視点で.

(8) 心大血管疾患理学療法診療ガイドライン. まとめる必要がある。 文 献 1) 日本理学療法士 協 会 診 療 ガ イ ド ラ イ ン.http//www. japanpt.or.jp/academics/establishment_guideline2011/ (2015 年 7 月 11 日引用) 2) Mandic S, Tymchak W, et al.: Effects of aerobic or aerobic and resistance training on cardiorespiratory and skeletal muscle function in heart failure: a randomized controlled pilot trial. Clin Rehabil. 2009; 23: 207–216. 3) Seki E, Watanabe Y, et al.: Effects of a phase III cardiac rehabilitation program on physical status and lipid profiles in elderly patients with coronary artery disease: Juntendo Cardiac Rehabilitation Program (J-CARP). Circ J. 2008; 72: 1230–1234. 4) Izawa K, Hirano Y, et al.: Improvement in physiological outcomes and health-related quality of life following cardiac rehabilitation in patients with acute myocardial infarction. 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表 1 理学療法(評価)の推奨グレード 推奨グレードについて A:信頼性,妥当性のあるもの.B:信頼性,妥当性が一部あるもの. C:信頼性,妥当性は不明確であるが,一般的に使用されているもの(但し, 「一般的」には学会, 委員会等で推奨されているものも含む).(鈴木重行:理学療法診療ガイドライン 2011 の概要. 理学療法学 42,2015.72–77 より引用)質問項目 評価(指標) 推奨グレードQ1一般的なモニタリングに関する指標Aⅰ)体格(BMI)Aⅱ)心拍数(HR)Aⅲ)血圧(BP)AQ2運動耐容

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