1 【第1問】 X株式会社(以下、「X社」という)に勤務するAさん(58 歳)は、妻Bさん(55 歳)との2人暮らしである。X社 は65 歳定年制を採用しているが、再雇用制度が設けられており、その制度を利用して同社に再雇用された 場合、最長で70 歳まで勤務することができる。Aさんは、65 歳になって定年退職した後に他社で再就職す る場合と再雇用制度を利用してX社に勤務し続けた場合における雇用保険からの給付や公的年金制度から の老齢給付について理解したいと思っている。 また、Aさんは、最近、若手社員の間で話題になっている確定拠出年金の個人型年金について知りたいと 思っている。 そこで、Aさんは、ファイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。 Aさんの家族に関する資料は、以下のとおりである。 〈Aさんの家族に関する資料〉 (1) Aさん(本人) ・昭和35 年1月 10 日生まれ ・公的年金の加入歴 昭和55 年1月から昭和 57 年3月までの大学生であった期間(27 月)は、国民年金に任意加入していな い。 昭和57 年4月から現在に至るまで厚生年金保険の被保険者である(過去の厚生年金基金の加入期間 は代行返上されている)。 ・全国健康保険協会管掌健康保険の被保険者である。 ・昭和57 年4月から現在に至るまで雇用保険の一般被保険者である。 ・確定給付企業年金(基金型)の加入者である。 (2) Bさん(妻) ・昭和38 年6月 16 日生まれ ・公的年金の加入歴 昭和57 年4月から昭和 61 年 12 月まで厚生年金保険の被保険者である。 昭和62 年1月から平成 14 年9月まで国民年金の第3号被保険者である。 平成14 年 10 月から現在に至るまで厚生年金保険の被保険者である。 ・全国健康保険協会管掌健康保険、雇用保険に加入している。 (3) 子ども(2人) ・長男(30 歳)と長女(28 歳)がおり、いずれも結婚して独立している。 ※妻Bさんは、Aさんと同居し、現在および将来においても、Aさんと生計維持関係にあるものとする。 ※Aさんと妻Bさんは、現在および将来においても、公的年金制度における障害等級に該当する障害の状態 にないものとする。 ※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
2 《問51》 Mさんは、Aさんに対して、Aさんの 65 歳以後の老齢厚生年金および雇用保険からの給付につい て説明した。Mさんが説明した以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙 に記入しなさい。 「Aさんが、X社の再雇用制度を利用して65 歳以後も厚生年金保険の被保険者として同社に勤務し、かつ、 65 歳から老齢厚生年金を受給する場合、老齢厚生年金は、在職支給停止の仕組みにより、その一部また は全部が支給停止になる場合があります。 65 歳以後の在職支給停止の仕組みにおける支給停止調整額は( ① )円(平成 30 年度価額)であり、 仮に、Aさんの65 歳以後の標準報酬月額を 30 万円、直近1年間の標準賞与額の総額を 78 万円、老齢厚 生年金(報酬比例部分)の額を150 万円とした場合、Aさんの老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給額は月 額( ② )円となります。 一方、Aさんが65 歳の誕生日でX社を退職し、雇用保険の被保険者資格を喪失した場合、Aさんは、離 職の日の翌日から起算して1年を経過する日までに公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしたうえ、失 業していることについての認定を受けることにより、雇用保険の( ③ )の支給を受けることができます。 ( ③ )の額は、算定基礎期間が1年以上である場合、最大で( ④ )日分の基本手当の額に相当する額に なります」 解答 65 歳以後の在職支給停止の仕組みにおける支給停止調整額は
(①
460,000)
円(平成30 年度価額)で あり、仮に、Aさんの65 歳以後の標準報酬月額を 30 万円、直近1年間の標準賞与額の総額を 78 万円、老 齢厚生年金(報酬比例部分)の額を150 万円とした場合、Aさんの老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給額は 月額(②
110,000)
円となります。 一方、Aさんが65 歳の誕生日でX社を退職し、雇用保険の被保険者資格を喪失した場合、Aさんは、離職の 日の翌日から起算して1年を経過する日までに公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしたうえ、失業して いることについての認定を受けることにより、雇用保険の(③高年齢求職者給付金)
の支給を受けることが できます。(③ 高年齢求職者給付金)の額は、算定基礎期間が1年以上である場合、最大で(④
50)
日分の 基本手当の額に相当する額になります」 解説 「老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給額は月額(②110,000 )円」 基本月額=150 万円÷12 か月=125,000 円 総報酬月額相当額=標準報酬月額30 万円+直近1年間の標準賞与額総額 78 万円÷12 =365,000 円 支給停止額=(総報酬月額相当額+基本月額-46 万円)×1/2 =(365,000 円+125,000 円-46 万円)×1/2=15,000 円 老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給額=基本月額-支給停止額 =125,000 円-15,000 円=110,000 円3 《問52》 Mさんは、Aさんに対して、確定拠出年金の個人型年金の仕組みについて説明した。 Mさんが説明した以下の文章の空欄①~⑧に入る最も適切な語句または数値を、解答用紙に記入しなさ い。 「確定拠出年金は、拠出された掛金が加入者ごとに明確に区分され、将来の年金受取額が加入者の運用 指図に基づく運用実績に応じて変動する年金制度です。確定拠出年金には、掛金を基本的に企業が拠 出する企業型年金と加入者自身が拠出する個人型年金があります。 個人型年金では、実施主体である( ① )が、個人型年金規約の作成、加入者の資格の確認、掛金の収 納等の業務を行っています。加入対象者は、原則として、( ② )歳未満の公的年金加入者です。 加入者は、年1回以上、定期的に掛金を拠出しますが、1年間の掛金の総額は加入者の種別に応じて定 められた拠出限度額を超えることはできません。Aさんが個人型年金に加入する場合、拠出することができ る掛金の額は、最大で年間( ③ )円が限度となります。 加入者は、加入申出時に、( ① )より業務委託された複数の運営管理機関のなかから、自己に係る運営 管理機関を指定し、当該運営管理機関から、運用方法の提示や個別運用商品のリスク・リターン特性等の 情報提供を受けたうえで、運用方法を選択し、かつ、運用方法に充てる額を決定し、運営管理機関に対して 運用指図を行うことになります。購入する運用商品の配分比率の変更や預替えは、少なくとも( ④ )カ月に 1回行うことができます。なお、拠出した掛金は、( ⑤ )控除として所得控除の対象となります。 給付には、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金があります。 老齢給付金を60 歳から受け取るためには、通算加入者等期間が( ⑥ )年以上必要です。通算加入者 等期間が( ⑥ )年に満たない場合は、受給開始可能な年齢が繰り下げられますが、遅くとも 65 歳から支 給を受けることができます。有期年金である老齢給付金を年金で受け取る場合は、5年以上( ⑦ )年以下 の期間で、運営管理機関が定める方法で支給されますが、一時金として一括で受け取ることも可能です。 老齢給付金を年金として受け取る場合は雑所得として所得税の課税対象となり、一時金として一括で受 け取る場合は( ⑧ )所得として所得税の課税対象となります」
4 解答 個人型年金では、実施主体である
(①
国民年金基金連合会)
が、個人型年金規約の作成、加入者の資 格の確認、掛金の収納等の業務を行っています。加入対象者は、原則として、(②
60)
歳未満の公的年金加 入者です。 加入者は、年1回以上、定期的に掛金を拠出しますが、1年間の掛金の総額は加入者の種別に応じて定め られた拠出限度額を超えることはできません。Aさんが個人型年金に加入する場合、拠出することができる掛 金の額は、最大で年間(③
144,000)
円が限度となります。 加入者は、加入申出時に、(①国民年金基金連合会)より業務委託された複数の運営管理機関のなかか ら、自己に係る運営管理機関を指定し、当該運営管理機関から、運用方法の提示や個別運用商品のリスク・リ ターン特性等の情報提供を受けたうえで、運用方法を選択し、かつ、運用方法に充てる額を決定し、運営管理 機関に対して運用指図を行うことになります。購入する運用商品の配分比率の変更や預替えは、少なくとも(④
3)カ月
に1回行うことができます。なお、拠出した掛金は、(⑤小規模企業共済等掛金)
控除として 所得控除の対象となります。 給付には、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金があります。 老齢給付金を60 歳から受け取るためには、通算加入者等期間が(⑥
10)
年以上必要です。通算加入者 等期間が(⑥ 10)年に満たない場合は、受給開始可能な年齢が繰り下げられますが、遅くとも 65 歳から支給 を受けることができます。有期年金である老齢給付金を年金で受け取る場合は、5年以上(⑦
20)
年以下の 期間で、運営管理機関が定める方法で支給されますが、一時金として一括で受け取ることも可能です。 老齢給付金を年金として受け取る場合は雑所得として所得税の課税対象となり、一時金として一括で受け取る 場合は(⑧退職)
所得として所得税の課税対象となります」5 《問53》 Aさんが、65 歳の誕生日でX社を退職して再就職しない場合、Aさんが原則として 65 歳から受給する ことができる公的年金の老齢給付について、次の①および②に答えなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位 とすること。また、年金額の端数処理は、円未満を四捨五入すること。 なお、計算にあたっては、以下の〈条件〉と〈資料〉の計算式を利用し、年金額は、平成30 年度価額に基づい て計算するものとする。また、資料中の「□□□」は、問題の性質上、伏せてある。 ① 老齢基礎年金の年金額はいくらか。 ② 老齢厚生年金の年金額(本来水準による価額)はいくらか。 〈条件〉 (1) 厚生年金保険の被保険者期間 ・総報酬制導入前の厚生年金保険の被保険者期間:252 月 ・総報酬制導入後の厚生年金保険の被保険者期間:261 月(65 歳到達時点) (2) 平均標準報酬月額および平均標準報酬額(平成 30 年度再評価率による額) ・総報酬制導入前の平均標準報酬月額:37 万円 ・総報酬制導入後の平均標準報酬額 :59 万 6,000 円(65 歳到達時点) (3) 妻Bさんは、老齢基礎年金、老齢厚生年金の繰上げ受給は行わないものとする。 〈資料〉
6 解答 大学生 国民年金に未加入 厚生年金被保険者期間 総報酬制導入前 総報酬制導入後 27 月 252 月 37 万円 261 月 59 万 6,000 円 ① 老齢基礎年金の年金額 Aさんは基礎年金加入期間480 月の内 27 月未加入だったので、加入期間は 480 月-27 月=453 月 779,300 円 ×453 月 480 月= 735,464.3 … 円 → 735,464 円 ② 老齢厚生年金の年金額(本来水準による価額) ⅰ)報酬比例部分の額=(a)+(b) = 平均標準報酬月額×