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H23 農作物技術情報 第5号 果樹(H )

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Academic year: 2021

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農作物技術情報

第5号 果 樹

発行日 平成23年 7月27日 発 行 岩手県、岩手県農作物気象災害防止対策本部 編 集 中央農業改良普及センター 県域普及グループ (電話 0197-68-4436) 「いわてアグリベンチャーネット」からご覧になれます パソコンからは「http://i-agri.net」 携帯電話からは「http://i-agri.net/agri/i/」 携帯電話用 QR コード

◆ 7月は高温で推移しました。りんごは見直し摘果を実施し、花芽の充実を図りまし

ょう!

◆ ぶどうは品質向上のため、適切な着果管理を!

りんご

1 生育状況

定点観測結果(表1)による果実肥大(横径)状況を県平均でみると、春先の低温で開花が遅れた ことにより平年をやや下回りますが、昨年よりは進んでいます。しかしながら、7月中旬まで高温で 推移したため、7月後半になり果実生育はやや停滞傾向にあります。

2 管理作業

(1)摘果の見直し、誘引、徒長枝の整理 仕上げ摘果がほぼ終了し、これから見直し摘果になります。着果の多い部分や病虫害果、傷果など を摘果して行きます。「ふじ」では、生育不良果が見えてきますので、随時摘果します。 樹体管理では、枝の誘引、徒長枝の間引きなどを行い、樹冠内部の日光や薬剤のとおりを良くしま す。また、台風などに備えて、支柱との結束の確認、園地の排水対策を行いましょう。 表1 県内の定点観測ほ場における果実肥大(横径)状況(7月11日現在) 本年 (H23) 前年 (H22) 平年 前年比 (%) 平年比 (%) 本年 (H23) 前年 (H22) 平年 前年比 (%) 平年比 (%) 本年 (H23) 前年 (H22) 平年 前年比 (%) 平年比 (%) 50.6 54.2 56.1 93 90 48.2 53.6 56.1 90 86 45.5 46.9 49.6 97 92 47.2 44.1 51.2 107 92 51.7 44.9 52.1 115 99 45.1 44.6 46.1 101 98 51.7 54.3 54.8 95 94 52.8 50.4 55.0 105 96 45.2 45.5 49.0 99 92 50.6 49.3 57.6 103 88 49.9 54.8 57.2 91 87 49.9 48.1 50.4 104 99 55.8 57.3 55.8 97 100 54.1 57.0 58.0 95 93 49.9 47.9 49.2 104 101 56.2 56.3 60.1 100 94 56.7 53.1 60.2 107 94 49.1 46.3 53.4 106 92 52.0 57.3 59.1 91 88 50.0 55.1 57.9 91 86 51.3 52.3 51.8 98 99 51.8 49.2 52.6 105 98 49.1 49.2 54.4 100 90 41.6 42.1 47.0 99 89 56.3 48.9 56.7 115 99 52.6 53.6 56.6 98 93 47.3 44.5 48.4 106 98 52.8 51.6 54.9 102 96 53.1 49.4 54.0 107 98 48.2 46.4 48.6 104 99 56.5 48.9 56.2 116 101 52.4 48.9 54.3 107 97 47.2 40.3 48.9 117 97 52.7 47.6 52.3 111 101 50.5 47.5 54.1 106 93 48.0 44.0 48.6 109 99 47.5 44.8 53.1 106 89 54.3 50.9 50.9 107 107 43.0 43.4 47.9 99 90 52.0 46.4 47.0 112 111 53.8 45.9 48.4 117 111 48.0 45.1 43.2 106 111 48.3 47.8 50.7 101 95 48.5 48.8 51.4 99 94 42.8 42.0 44.3 102 97 50.3 46.2 53.0 109 95 47.9 47.1 54.0 102 89 45.2 43.9 47.1 103 96 52.1 50.0 54.3 104 96 51.8 50.4 54.6 103 95 46.8 45.1 48.3 104 97 ※ 県平均値に農研センターのデータは含まれていない 岩手町一方井 盛岡市三ツ割 紫波町長岡 花巻市中根子 北上市立花 奥州市前沢区稲置 奥州市江刺区伊手 県平均値(参考) 二戸市金田一 軽米町高家 洋野町大野下長根 岩泉町乙茂 宮古市崎山 陸前高田市米崎 一関市花泉町金沢 一関市大東町大原 農業研究センター 市町村地区 (単位:mm) ふ じ つがる ジョナゴールド

注意!

■この記事は発行年月日時点の内容のまま公開していますので、ご覧 になった時点の法規制(農薬使用基準等)等に適合しなくなった内容 を含む可能性がありますから、利用にあたってはご注意下さい。

(2)

(2)早生種の着色管理 ア 早生種の葉摘み開始時期は、収穫予定の10~20 日前です。 イ 果そう葉を中心に、最初は軽く2~3枚程度摘みます。 ウ 陽光面の着色が進んだら、葉や枝カゲをつくらないように玉回しを行うとともに、適当な強さに 葉を摘みます。必要以上の葉摘みは、逆に着色が進まないので避けます。 エ 着色適温は15~20℃です。残暑で最低気温が 20℃を越える日が続く場合は、いくら葉を摘んで も着色が進み難くなりますので注意してください。 (3)落果防止剤の散布 収穫前落果しやすい「つがる」や「きおう」には、落果防止剤を上手に使用して落果を抑えましょ う。使用法は表2のとおりですが、登録内容を確認のうえ使用してください。特に「きおう」の内部 裂果で早めに熟す果実の取り扱いは、農薬安全使用基準に違反しないよう厳重に注意してください。 (4)新規落果防止剤(商品名:ヒオモン水溶剤)について ヒオモン水溶剤の落果防止効果の発現は比較的早く、その効果は散布後2~3週間程度は持続する と考えられており、ストッポール液剤と同等の効果は期待できると思われます(表3、4)。 登録内容は表2のとおりですが、希釈倍数によって効果に差が出ると考えられますので、効果を確 認しながら使用回数を検討する必要があると思われます。 図1 りんごの着色の模式図 デ ン プ ン 糖 アントシアニン(赤い色) <着色の条件> ① 果実に糖があること! ② 果実に紫外線が当たること ③ 果実が 10~20℃の温度に遭 うこと 紫外線 光合成 摘葉 デ ン ン 早 生 種 の 過 度 な 葉 摘 み は 控 えましょう 表2 落果防止剤の登録内容(一部抜粋) 使用方法 使用時期 本剤の使用回数 散布量・濃度等 ストッポール液剤収穫予定日の25日前~7日前 1回 300~600L/10a1,000~1,500倍 (1)落下防止効果は散布後5~7日目から 始まり、3~4週目まで持続する。 (2)展着剤は不要。 (3)登録上の使用回数は2回以内である。 マデック 収穫開始予定日の25日前及び15日前 2回 300~600L/10a6,000倍 (1)持続性が弱く、落果が始まると止める 力はない。 (2)展着剤を加用する。 ヒオモン水溶剤 収穫開始予定日の21 ~4日前 2回以内 1,000~2,000倍 300~600L/10a 2回使用する場合は、収穫開始予定日の 21~14日前に1回目の散布を行い、薬効 を確認してから必要に応じて1回目の散 布7~10日後に2回目の散布を行う。 りんご 対象作物 商品名 使用基準 使用上の留意事項

(3)

なお、本剤の特性は未確認の点も多いため、本県における効果的な使用法については、現在岩手県 農業研究センターにて検討中です。 (5)夏期せん定(わい性樹) ア 樹勢の強い樹を対象に、8月下旬~9月上旬にかけて行います。 イ 側枝の上面から発生している30cm 以上の直上枝を間引くほか、30cm 以下の新梢でも枝量と混 み具合をみて日光、薬剤が通る程度に適宜間引きます。 ウ なお、過大な夏期せん定は樹勢を弱めるため、紋羽病の発病誘因となることがありますので、発 病の恐れのあるところでの夏期せん定は最小限にとどめてください。 (6)日焼け果:昨年は猛暑により日焼け果が多発しました。根本的な対策はありませんが、農業温暖 化ネットの内容を一部抜粋しましたので、参照ください。 ア 一般的に日焼け果の原因は、1日の極端な高温により発生するとされ、気温が高いときに、直射 日光が当たると発生します。果実温度が 40~45℃を超えると危険とされますが、気温が 30℃以上 になった場合に直射日光があたると、果実温度が 40℃を超える可能性があります。 午前より午後の方が気温や樹体温度が高くなるため、西日が当たる部分に発生しやすくなります。 葉や果実からの蒸散による気化熱で樹体温度は下がりますが、樹が水ストレス(水分不足)を受 けると気孔が閉鎖し、蒸散しにくくなりことから、樹体温度や果実温度が高くなります。そのため、 日焼け果発生の間接的な原因となります。 イ 対策:寒冷紗被覆、灌水、散水などがあります。 (ア)寒冷紗の被覆 樹冠に寒冷紗を被覆して、果実への直射日光低減し、果実温度を低下させることにより、日焼 け果発生を低減できます。寒冷紗の遮光率が高いほど温度抑制効果も高く、日焼け軽減効果も高 くなります。一方、寒冷紗被覆した果実の方が、収穫が遅れ傾向があります。 (イ)灌水 灌水により、樹体内の樹液流動が促され、蒸散により樹体温度が低下します。しかし、灌水施 設が必要となります。 処理日~収 穫予定3日 ~収穫 予定日 ~収穫予 定2日後 7日前 1,000倍 1回 328 1.2 3.7 4.3 21日前 1,000倍 1回 353 0.3 6.5 7.9 21日前さらに10日後 2,000倍 2回 238 2.1 2.5 2.5 7日前 1,000倍 1回 233 3.0 4.3 4.3 21日前 1,000倍 1回 254 0.0 0.4 1.6 無処理 - - - 216 3.2 31.9 50.5 2006(岩手農研) ヒオモン水溶剤 ストッポール液剤 表3 ‘きおう’におけるヒオモン水溶剤の落果防止効果  累積落果率(%) 供試薬剤 希釈倍率 処理回数 処理日 (収穫予定日前日 数) 全着果数 (果) 処理日~収 穫予定3日 ~収穫 予定日 ~収穫予 定4日後 7日前 1,000倍 1回 380 0.3 1.3 2.1 21日前 1,000倍 1回 497 0.0 3.2 8.1 21日前さらに10日後 2,000倍 2回 375 0.3 1.6 2.1 ストッポール液剤 7日前 1,000倍 1回 383 0.5 2.4 3.1 無処理 - - - 433 0.9 3.5 14.8 ヒオモン水溶剤 表4 ‘つがる’におけるヒオモン水溶剤の落果防止効果  2005(岩手農研) 供試薬剤 処理日 (収穫予定日前日 数) 希釈倍率 処理回数 全着果数(果) 累積落果率(%)

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3 病害虫防除

夏期は、斑点落葉病、褐斑病、果実腐敗性の病害(輪紋病、炭そ病等)、ハダニ等の発生に要注意 です。よく観察して適期防除を行いましょう。 早生品種の収穫が近づいていますので、8月の薬剤散布は、安全使用基準の収穫前日数をよく確認 して、間違いの無いよう注意しましょう。除草剤についても同様です。

ぶどう

1 生育状況

紫波町赤沢の定点調査結果(表5)における「キャンベルアーリー」の生育では、結実率は開花期 は天候に恵まれたものの乾燥状態であったため、平年をやや下回りました。なお、7月15 日時点の 新梢長、節数は、概ね平年並、房長、果径は平年よりやや小さい状況です。

2 管理の要点

(1)摘 粒 果房の形を整え、品質を向上するため、着粒の多い密着房、裂果粒、病虫害果粒を中心に摘粒を実 施します。 《1房当たり粒数の目安》 キャンベル、ナイアガラ・・70 粒 サニールージュ、ノースレッド・・60 粒程度 紅伊豆、ハニーブラック・・30~40 粒 安芸クイーン・・25~30 粒 (2)摘 房 果実の糖度や着色など品質を向上し、樹体の養分の消耗を防ぎ、翌年の花芽の充実を良くするため、 適正着房数を目標に摘房を実施します(表6参照)。 「キャンベル」では、最終的には一坪(3.3m2)当たり、新梢数20 本、着房数 27~30 房が基準と なります。樹勢が弱い場合は、1房当たりに必要な葉数を参考に、葉数に応じて着房数を制限して下 さい。 「紅伊豆」、「ハニーブラック」、「安芸クイーン」などの大粒種では、樹勢をコントロールする目的 で1新梢2房としている場合がありますが、そのまま着色期以降までおくと、着色や糖度の上昇が遅 れ品質を損なうばかりではなく、樹体が凍寒害の被害を受けやすくなりますので、着色開始を目途に 最終房数としていきます。 「サニールージュ」は大粒種に分類されますが、粒径は中粒種に近いため着房数、目標収量とも「紅 伊豆などの」大粒種と「キャンベルアーリー」などの中粒種の中間程度が適当と考えられます。 表5 ぶどう(キャンベルアーリー)の生育状況 新梢長 (cm) 節数 (葉数) 房長 (cm) 果径 (mm) 本年(H23) 40.8 130.9 17.0 11.8 15.1 平年差・比 -5.5 104% 105% 80% 96% 前年差・比 0.7 100% 102% 81% 90% 前年(H22) 40.1 131.2 16.7 14.6 16.8 平年(平均)値 46.3 126.0 16.2 14.7 15.7 (紫波町赤沢) 調査年次 結実率(%) 7月15日調査時点

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(3)新梢管理 棚面を明るくして果房の着色を向上し、樹勢をコントロールして養分の浪費を防ぐため、勢力の強 い新梢を中心に間引きや摘心を行います。 硬核期以降(7月下旬以降)に実施しますが、(1)赤色系品種、(2)紫色系品種、(3)白色系品種の順 に棚面を明るくするようにします(図2参照)。 短梢栽培では、葉数確保のため副梢についても基部から2~3枚の葉を残して摘心していきます。 しかし、混み合っている場合は適宜間引いてください。

3 病害虫防除

病害虫の発生状況に応じて防除を実施しますが、収穫が間近になってきております。農薬の使用基 準(収穫前日数、散布濃度、使用回数)に十分留意してください。 薬剤によっては、果粉の溶脱、果面の汚れなど品質を損ねることがありますので、薬剤を選択する 際は注意してください。 次号は8月25日(木)発行の予定です。気象や作物の生育状況により号外を発行することがあります。 熱 中 症 防 止 ■日中の気温の高い時間帯を外して作業を行うとともに、休憩をこまめにとり、作業時間を短くする等作業時間の工夫を行うこと。水分をこ まめに摂取し、汗で失われた水分を十分に補給すること。気温が著しく高くなりやすいハウス等の施設内での作業中については、特に注 意。 ■帽子の着用や、汗を発散しやすい服装をすること。作業場所には日よけを設ける等できるだけ日陰で作業するように努めること。 ■屋内では遮光や断熱材の施工等により、作業施設内の温度が著しく上がらないようにするとともに、風通しをよくし、室内の換気に努める こと。作業施設内に熱源がある場合には、熱源と作業者との間隔を空けるか断熱材で隔離し、加熱された空気は屋外に排気すること。

6月1日~8月31日は

農薬危害防止運動期間です

● 近隣住民・周辺環境に配慮しましょう ● 農薬散布準備、作業中・後の事故に注意しましょう ● 農薬の保管・管理は適切にしましょう 表6 ぶどうの収量構成要素 新梢数 目標収量 (本/坪) (房/坪) (房/新梢) (kg/10a) キャンベルアーリー 20 27~30 1.35~1.5 2,200 紅伊豆等 15 10~12 0.67~0.8 1,200 サニールージュ 19 16.2 0.85 1,700 品種 着房数 A.赤色直光着色品種(紅伊豆等) B.黒色及び散光品種(キャンベル、デラウエアなど) C.白色品種(ナイアガラなど) D.副梢葉(房の付近1~3枚) 図2 適度な棚の明るさを示す葉の配列模式 図(土屋、1956)

参照

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