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JW の預託を受けていただく整備事業者等からも 強い要望があり こうした告知活動を行ないま した 5 百万台 登録抹消車両 自動車リサイクル法の目的を簡単にまとめま すと 2 つになります 使用済み自動車 ( 廃車 ) の 適正処理を通じて資源循環型社会の構築を進め るのが一つ もう一

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Academic year: 2021

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1.自動車リサイクル法の目的 ただいまご紹介いただきました中谷です。今 から話をする内容はすでにご存知の部分がある かと思いますが、おさらいのつもりでお聞きい ただければと思います。 さて、自動車リサイクル法です。1月1日から スタートしましたが、国民の方々にお伝えする ために、ポスターを作りまして、テレビタレン トの水野美紀さんを起用しました。ドクター・ リサイクルというキャラクターとの掛け合いで 告知をする内容となっています。ポスターに加 えて、去年の11月から施行をはさんで2月まで、 テレビコマーシャルをいくつか流しました。こ の制度は、一般の人達にリサイクル料金をお預 けいただくことが一つのポイントでありますの で、こういう告知は重要です。リサイクル料金

自動車リサイクル法の

現状と促進センターの役割

当日廃振センターでは7月5日にJW懇話会を開催し、「日本の自動車リサ イクル法の現状と促進センターの役割」について(財)自動車リサイクル促 進センターの中谷義雄専務理事にご講演いただきました。講演では、今年1 月1日から施行された自動車リサイクル法の目的や制度の特徴を分かり易 くご説明いただくとともに施行後6ヵ月を経過した現状報告などをお話し いただきました。ここでは、その講演内容を紹介します。

産廃源流

連載

(財)自動車リサイクル促進センター

専務理事

中谷 義雄

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の預託を受けていただく整備事業者等からも、 強い要望があり、こうした告知活動を行ないま した。 自動車リサイクル法の目的を簡単にまとめま すと2つになります。使用済み自動車(廃車)の 適正処理を通じて資源循環型社会の構築を進め るのが一つ。もう一つは、使用済み自動車の適 正処理を通じて環境保全に寄与することであり ます。もし、廃車が不適正に処理されますと、 野積みされたり不法投棄され、大変な環境汚染 の原因になります。これを防いで美しい日本の 風土を守り、次の世代に引き継ぐことは私達の 責務であります。 2003年の全世界の自動車保有台数は8億3,700 万台です。国別に見ると、一番多いのはアメリ カで2億3,000万台です。日本が二番手で7,400 万台、三番手がドイツで、以下、イタリア、フ ランスと続いていきます。日本にはベースとし て7,400万台の自動車が保有されています。これ に毎年新規登録される車両が500万台強ありま す。もう少し正確に言いますと570~580万台く らいだと思いますが、これが毎年、市場に入っ てきます。同時に毎年、使用済みとなって市場 から出て行く車がほぼ同じ 500万台あります。この500 万台のうち100万台が輸出 にまわり、残りの400万台が 国内処理の対象になります。 従いまして、国内処理に向 かう400万台の使用済みの 車 両 、 ELV ( End of Life Vehicle)が単なるごみとし て不適正に処理されますと 大変な資源の無駄使いとな ります。 先ほど自動車の保有台数 を申し上げましたが、それ とは別に生産台数を見てみますと、2004年には、 全世界で約6,400万台の車が生産されました。こ れを国別に見ますとアメリカが最大で1,200万 台、それに続くのが日本で1,050万台となってい ます。日本は自動車大国と言って間違いありま せん。この自動車大国が新しい資源を次々と輸 入して、それを使って大量の新車を生産し続け 日本の自動車市場 5百万台

74百万台

新規登録車両 使用開始 自動車保有台数 使用済み 5百万台 登録抹消車両 1百万台 4百万台 輸出 国内処理 世界の自動車保有台数(2003 年) (単位:百万台) 1.米国 230 2.日本 74 3.ドイツ 49 4.イタリア 38 5.フランス 36 全世界計:837 百万台 世界の自動車生産台数(2004 年) (単位:千台) 1.米国 11,989 2.日本 10,512 3.ドイツ 5,570 4.イタリア 5,071 5.フランス 3,066 全世界計:63,956 千台

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ることは、まず、第一に経済原 則に合いません。二番目に限り ある地球資源を濫用することは 道義的にも許されない状況にあ ります。従いまして使用済みに なった車を3Rの精神に基づい て、いかに削減し、再使用し、 そしてリサイクルするかが大変 重要で、時代の要請となってい ます。 さらにはELVの不適正処理は 大変な環境汚染を引き起こしま す。最終処分場不足と処理コス トの高騰により、不適正処分が日本全国で見ら れるのは事実です。もっとも最近では減ってき ています。環境省の調査によりますと日本全国 の不法保管や不法投棄として把握している台数 は平成16年9月の段階で21.8万台ありましたが、 平成17年3月には14万台まで減りました。35.9% 減です。この理由の一つは世界的なクズ鉄価格 の高騰でこれまで不法保管や不法投棄されてい たものが、動き出した事実があります。それか ら自動車リサイクル法が1月1日から始まるとい うことで、それ以前のものをクリーンにするこ とを環境省が自治体に要請して、かなり自治体 が努力したため改善したこともあります。しか し、14万台といっても突然今後新たに大規模な 不法投棄が発見されることもあります。三重県 四日市市や青森・岩手県境の不法投棄の例もあ ります。それから、クズ鉄の価格が高騰してい るから減ってきましたが、逆に将来価格が下が ればどうなるかを考えますと、必ずしも安心で きません。そういうことから自動車リサイクル 法の目的が「使用済み自動車を適正に処理する ことで資源循環型社会を構築し、あわせて環境 の保全に寄与する」という点であることをもう 一度強調しておきたいと思います。 2.ジャパンモデルとその特徴 日本の自動車リサイクル法は一般に「ジャパ ンモデル」と呼ばれています。それは、このシ ステムが自動車のリサイクルを先行させている ヨーロッパのシステムとは異なるユニークな仕 組みを数多く含んでいるからであります。これ から7点の特徴を説明しますが、これで大体、日 本の自動車リサイクル法がご理解いただけると 思います。 1点目は自動車メーカーの義務です。特定3品 目の引き取り義務をメーカーの責任として明確 に規定しました。特定3品目はASR(Automobile Shredder Residue)と言われるシュレッダーダス ト、爆発物であるエアバッグ、地球温暖化やオ ゾン層破壊の原因となるカーエアコン用のフロ ン類です。これは二つのことを意味します。一 つは、この3品目が使用済みの車を解体、破砕処 理する上で一番、経済原則にあわない難しい品 目です。この品目をメーカーが責任を持って取 り除けば、残りのモノは放っておいても経済原 則で理論的には動くはずという考え方です。ド ELV の不適正処理は日本全国で見られる

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イツなどではメーカーが全車両を 引き取りますが、日本では3品目で す。もう一つの意味は、こうする ことで廃車の処理をメーカーが独 占しないことになります。日本で は解体や破砕業などを営む事業者 の方、法律的に言いますと既存の インフラを活用するという表現になりますが、 今までの業を営む方のビジネスを自動車メーカ ーが独占的に奪うのではなく共存していこうと するものです。 特徴の2点目は、リサイクル料金に関するもの で、まず3品目を処理するための料金を自動車ユ ーザーが負担し、かつそれを前払いします。先 行して実施された家電リサイクル法では、廃棄 時徴収になっています。これだと使用済みとな ったものを捨てるのになぜ、追い銭を払うのか という心理的な抵抗が消費者にはありまして、 なかなか正しいルートで処理されないことがあ ります。それを防ぐために自動車リサイクル法 では前払い方式を採用しています。新車の場合 には購入時に、今、走っている車は1月1日以降、 最初の車検時に預託してもらいます。既販車で 車検を受けずに廃棄する場合には廃棄時徴収に なりますが、基本的には新車購入時、車検時に お支払いいただくことになります。 特徴の3点目ですが、リサイクル料金は促進セ ンターや法律が決めるものではありません。自 動車メーカーが独自に決めることになっていま す。かつ前払いのリサイクル料金は自動車本体 価格には含まない別立ての料金として表示され ます。特定3品目の明細も表示されます。例えば 2000年のトヨタカローラを例にとりますと、商 品価格以外に、フロン類は2,050円、エアバック が1,950円、ASRが5,840円、資金管理料金・情 報管理料金が510円、これを全部あわせて10,350 円と表示されます。出来る限り透明にユーザー の方にお示しして、理解をした上で預託してい ただきます。これについてはもう一つ仕組みが ありまして、メーカーが実際に処理した費用が 表示価格に比べて高かったのか低かったのかを 公表する義務をメーカーに負わせています。6 月に今年の1月~3月の実績がそれぞれのメーカ ーから発表されています。ちなみに各メーカー のコストはもっと高くて、それぞれ2~3割赤字 であると公表されています。表示料金がコスト よりも高ければ経済産業省が指導してリサイク ル料金を下げさせます。 リサイクル料金をユーザーが払うという話を しますと「拡大生産者責任はどうなっているの か、ドイツではメーカーが全部払っている」と いう話をよくされます。たしかにドイツではリ サイクル料金はなく、メーカーが負担していま す。しかし考えてみて下さい。メーカーが負担 するということはメーカーにとってのコストで すので当然、それは販売価格に反映されること になり、結局はユーザーが負担していることに なります。しかもいくらユーザーが負担してい るのかさっぱり分りません。これと日本のやり 方とどちらが良いのか。透明性においては明ら かに日本の方式のほうが、支払う側からすれば わかりやすい仕組みです。ドイツ方式の方がは るかにシンプルですが、ジャパンモデルはあえ て難しい道を歩んでいると言えます。なぜそう しているかと言いますと透明性を重視するため 明示されるリサイクル料金の例 フロン類 2,050 円 エアバック 1,950 円 ASR 5,840 円 資金管理料金・情報管理料金 510 円 トヨタカローラ (2000 年車) 合計料金 10,350 円

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であることを強調しておきます。 特徴の4点目は電子マニフェスト制度で、廃車 処理の情報を電子媒体で一元的に管理します。 使用済みの車を引取業者が引き取って、フロン 類回収業者に引き渡して、フロン類回収業者が フロンを抜いて、解体業者に渡します。解体業 者が部品取り、解体して、破砕業者に渡します。 そこで破砕して、破砕くずをメーカーが引き取 る一連の流れを夫々の事業者の方々にパソコン で報告していただく仕組みです。 私どものデータベースには1億台の車のデー タがあります。全部の車台番号と登録番号を記 録しています。車の大きさでASRの料金が違い ます。エアバックもいくつ付いているかで違い ますし、エアコンの有無もありますので料金が 違いますが、全部登録されてリサイクル料金が 払われているかが分かる仕組みになっています。 そこへ引取業者がいつ引き取って、いつ誰に渡 して、渡された方がいつ引き取ったか、誰に渡 したかが情報管理センターに集まってきます。 それを一元管理することでプロセスの中でELV がどこかで滞るとか、消えていくことを防ごう としています。ついでに申し上げますと、各事 業者が次の工程に何日以内に渡さなくてはいけ ないかが法律で決まっています。例えば、解体 業者は車を引き取ってから120日以内に解体処 理を終わって次の工程に引き渡すことなどが決 まっています。もし、期限を過ぎて物が動かな いと私どもから事業者に動いていないとの案内 をします。それから10日経っても動かない場合 には自治体に遅延報告を出します。47都道府県 等にこの車が、この事業者で止まっているとい う報告をします。私どもには警察権はありませ んので、後は自治体にお任せします。 特徴の5点目ですが、自動車リサイクル法は車 両の登録制度と密接につながっています。新車 の時にリサイクル料金を払わないと新車登録で きない仕組みになっています。それから自動車 リサイクル施行前の車で、リサイクル料金を払 っていない車は払わないと車検は通りません。 廃車が適正に処理をされた場合、車両重量税の 残りが最終消費者に還元されますが、国土交通 省に保管されている自動車の情報と密接に結び ついていることで社会的な定着が進むというこ とが一つの特徴です。 6点目、これは大変ユニークだと思いますが、 離島対策や不法投棄対策で自治体を支援するこ とになっています。リサイクル料金の一部で剰 余金が発生する可能性があります。例えば解体 されて部品取りをして、プレスして輸出される ものがあります。そうすると日本国内でASRの 処理が発生しないことになり、そのコストが発 生しません。これが剰余金として残ります。あ 自動車リサイクル法 PR ポスター

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るいは中古車が輸出された時に、最終所有者が リサイクル料金の返還を求めることができます が、求めない場合も剰余金として残ります。こ の剰余金を使って離島の廃車処理を行います。 日本では数百の小さな島があります。典型的な 例が宮古島や石垣島などです。こういうところ では廃車処理の設備がなく本土に持ってこなく てはいけません。海上運賃を負担する人がいな いために島に使用済み自動車が野積みされてい るという現場もあります。自治体がこれを処理 しようとしてもお金がないのでうまくいきませ ん。こういう所とタイアップして、離島の問題 を解決します。 あるいは不法投棄されているものについても、 基本的には自治体がやることですが側面から私 どもが支援します。この場合コストの2割を自治 体が負担し、8割を私どもが負担します。 最後に、自動車リサイクル促進センターの活 用です。リサイクル料金として前払いされたお 金は10年、15年預からなくてはいけません。現 存する自動車メーカーのすべてが、10年、15年 先に存続している保証はありません。また、イ ンポーターは本国の指示で撤退することもあり 得ます。ですから、メーカーや国でもない、第 三者機関である私どもがお預かりします。それ から情報を一元的に管理します。最後に離島対 策・不法投棄対策で自治体を支援します。この 三つを自動車リサイクル法で指定された指定法 人として私どもの財団が担うことになっています。 3.自動車リサイクルシステムの流れ まず物の流れ、すなわち廃車の流れですが、 フロン類の引渡し 最終所有者 再利用部品 廃車 廃車 廃車の流れ 金の流れ

自動

車メ

ー カ

ー ・

支払い 支払い請求 ASRの引渡し 新車所有者 リサイクル料金 の預託 金属等 有用部品 有用部品 市場・ 市場・ 金属等市場 金属等市場 引渡し 引渡し 解体業者 解体業者 エアバッグの引渡し フロン類回収業者 フロン類回収業者 廃車 破砕業者 破砕業者 引渡し 引渡し registration 廃車受け渡し報告 情報の流れ JARC 資金管理 JARC 情報管理    廃車引取業者廃車引取業者 フロン回収料金支払い エアバッグ回収料金支払い 解体車両

自動車リサイクル制度の全体図

電子マ ニ フ ェ ス ト

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販売店や整備業者が廃車を引き取りまして、フ ロン類回収業者、解体業者、破砕業者へと流れ ますが、この過程の中でフロン類、エアバック、 ASRはメーカーに引き渡されます。 次にお金の流れです。ユーザーが私どもにリ サイクル料金を預託します。私どもが預かって、 何年後かにそのクルマが廃車となり処理が完了 したときにメーカーから請求が回ってきます。 私どもが適正処理が完了したことを確認して預 かっているお金をメーカーにお支払いします。 メーカーはフロン類回収業者や解体業者にお金 を払っていきます。 次は情報の流れです。一連の処理の流れが電 子マニフェストで私どもに集中的に流れてきま して、管理します。 こういうスキームになっています。 4.リサイクル率の達成目標 現在、自動車のリサイクル率は80%になって います。一部は中古部品として再活用され、一 部はマテリアルとして再利用されています。 80%というのは個別商品のリサイクル率として は決して低いレベルではない。しかし20%は埋 立に回っていますので、さらにリサイクル率を 高めるために、2015年には95%に持っていくこ とを自動車メーカーがコミットしています。こ れを達成するためにはリサイクル技術のさらな る向上に努めなくてはいけませんし、あるいは 再利用可能な材料にシフトする必要するもあり ます。 例えば、あるメーカーがポテトをつぶして固 めて強度をつけてバンパーをつくる。これが使 用済みになればつぶして埋めれば土に戻るだけ です。これはリサイクル可能な材料にシフトす ることの一例です。こうした努力をメーカーは やっていくことになります。 5.ジャパンモデルは他国に適用できるか 自動車リサイクルでは、技術は他の国へ移転 可能です。しかし自動車リサイクルの仕組みや 制度の移転は出来ないと思っています。こうし た仕組みは車検制度や、すでにある社会のほか の仕組みと結びついていますし、あるいは国民 の理解度のレベルの中で出来てくるものです。 ですからジャパンモデルは日本の社会的、文化 的な背景から出来あがった仕組みであり、そのま ま他の国へ持っていって機能するとは思いません。 国民の意識について申しますと、例えば私は14 年間カナダにいましたが、カナダは環境に関し ては後進的です。あれだけ大きな国土でふんだ んな地下資源があると環境意識はそれほど育ち ません。日本は全てのものを輸入に頼っていま す。狭い国土の中で多くの人口を抱えています。 こういう中で環境に対する意識が生まれてくる のではないでしょうか。 6.施行後6ヵ月間の実績 自動車リサイクルシステムの6ヵ月の実績に ついてご報告します。まず、リサイクル料金の 預託状況ですが、合計の預託台数は約2,000万台 となっています。おそらく今年いっぱいで4,000 万台の預託が新車も含めて完了するでしょう。 預託金額は1,870億円で、1台あたりの平均は 9,400円~9,500円になります。ただ、1,870億円 はコンピューター上の金額です。例えば、6月の 新車登録の時に預けていただいたリサイクル料 金が私どもに入るのは7月末になります。そうい うタイムラグの関係で1月~6月にキャッシュと して入金されたのは1,391億円になります。廃車 の処理が完了してメーカーに払い渡したのは、 件数では215万件で、金額は53億円となっていま す。次は運用についてです。お預かりしたお金 でメーカーに渡した金額の残りを運用すること

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になっています。元本確保が大前提で、リスク はとらない運用を行ないますので、結果として 国債の比率が高くなります。運用金額は1,286 億円ですが、1,015億円が国債、その他政府保証 債、地方債、社債となっています。繰り返しま すが運用と言いましても、安全を第一に国債も 満期保有が前提となっています。これが資金の 流れです。 次が工程別引取・引渡報告です。これは電子 マニフェストに係るものです。一番重要なのは 引取報告件数ですが、1~6月で約120万台となっ ています。自動車リサイクル法に基づいて引取 業者に引き渡された台数です。ここで引き取ら れたものが次の工程に順番にまわっていきます。 6ヵ月で120万台ですから、単純に12ヵ月としま すと240万台です。先ほど国内処理は400万台と 申し上げましたが、これに比べるとペースはス ローだと言えます。これには、いくつかの要因 が考えられます。昨年の11、12月に駆け込みの 廃車処理が発生しており、その影響があります。 また、さきほど100万台が輸出に回るとしました が、実は正確な統計はないのです。先日テレビ 東京の「ガイアの夜明け」という番組で中古車 輸出を取り上げていました。日本の中古車は質 が良いということで、海外からの引きあいが強 いことを報道していました。ですから現実には、 輸出に回る台数はもっと多いかもしれません。 もう一つは自動車リサイクル法がない時には販 売店で引き取られた廃車はすぐに解体にまわっ ていましたが、今はそういう車のオークション があり、そこに流れるものがありまして、そこ から解体業者に回っていくものもあり、廃車の 流れに変化が出てきているという見方をしてい ます。道草を食って結局帰ってくるのか、それ とも輸出されるのか、実態をつかんでみたいと 思っています。 事業者登録状況ですが、6月末で12万事業者が 私どもの自動車リサイクルシステムへの登録を 終えております。当初は8万くらいを想定してい ましたが5割増しとなっています。 7.「想定外」の事項 施行から6ヵ月が過ぎました。おおむね順調に 立ち上がったと思っていますが、日々いろいろ な問題と格闘しています。あるものは想定内の 問題であり、あるものは想定外の問題でありま す。想定外の事項について3点ほど申し上げます。 1点目は初期におけるコールセンターの混乱 です。自動車リサイクル法の立ち上げによって コールセンターを用意し、主として登録事業者 からの問い合わせの窓口を作りました。当初、 予算ベースではオペレーターを25名と想定して おりましたが、問合せが殺到し、これを処理す るために大増員をかけて対応しました。事前に 説明会を何回も開催しましたが、結局、事業者 の方々が理解されるまでに至らず、いくら掛け てもつながらないという苦情がありました。1 講演する中谷義雄専務理事

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日当たりで処理できるのは2,000件くらいです が多い日で8,000件の問い合わせがありました。 今では1日2,000件を下回る問い合わせ件数で安 定しています。最初はパソコンを買ったけれど も動かないという問い合わせも多くありました。 想定外と言えばFAX利用の低さがあります。 自動車リサイクルシステムでは、廃車の移動報 告をパソコンで行なうことを基本としています が、どうしてもパソコンを使わない人のために FAXでも移動報告できる体制を組みました。当 初、事業者数で3割くらいはFAXで報告が来るこ とを想定しておりました。1~5月の実績を見ま すと、全ての移動報告件数は約799万件でしたが、 このうちFAXによる移動報告は約2万件で比率 は0.25%です。当初想定した以上にパソコンへ のシフトが進んでいます。 次にコンピューターシステムです。膨大なコ ンピューターの仕組みを自動車メーカーと私ど もが作りました。これは中規模の銀行のシステ ムと同程度のものです。大変な仕組みで、絶対 うまくいかないと多くの人達が心配していまし たが、車検場でリサイクル料金を預託する仕組 みに2回ほど不具合が生じたこと以外は、幸いに も大きな問題もなく順調にきています。 これまでのところ順調に立ち上がったとはい え、自動車リサイクル法が社会的に完全に定着 するまでにはまだまだ時間がかかります。これ からも一般ユーザーや事業者の協力を得て、資 源循環型社会の構築や環境を守るために、引き 続き努力していきたいと思います。 質疑応答 Q シュレッダーダストは自動車会社に引き取 らせるということですが、最後は車体業者か ら自動車メーカーに戻るようで、メーカーご とには、どのように振り分けているのでしょ うか。あと、特定3品目以外のものの処分に関 しては、以前掛かった排出料などが掛かるの でしょうか。 A 破砕くずをメーカーが引き取る。実務とし てはメーカーが指定した所に破砕業者は渡し ます。先ほど触れませんでしたが、競争原理 を働かせることが、ジャパンモデルのもう一 つの特徴です。 自動車メーカーがそれぞれにリサイクル料 金を決めるというのも競争原理です。あるメ ーカーは高く、あるメーカーは低いという事 で競争原理が働きます。質問に戻りますが、 破砕くずを処理するのに自動車メーカーが2 つのチームに分かれて競争する仕組みとなっ ています。トヨタ、本田のグループと日産、 マツダなどのグループに分かれてそれぞれが 全国にASRを引き取るネットワークを作りま した。あるところは両方から指定を受けてい ます。破砕くずが集まりますと電子マニフェ ストの情報に基づいて、どこのメーカーの車 台番号何番のクルマが入ってきたかが分かる 仕組みになっています。10台分の破砕くずの 処理が完了しますと10台の内訳全部が、電子 マニフェストの一部として分かり、それが自 動車メーカーに情報として流れる仕組みにな っています。 特定3品目以外は、先ほどの話の中で市場原 理で流れると言いましたが、そのとき「理論 的には」という言葉を付け加えました。バッ テリーやタイヤについて申しますと、バッテ リーはバッテリー製造業者の処理ルートにの っていく。タイヤは、タイヤメーカーが処理 責任を持っていると理解しています。タイヤ とかバッテリーはタイヤ交換、バッテリー交 換などの補修事業で発生するものの方が多く、

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バッテリーメーカー、タイヤメー カー、タイヤ輸入業者が中心とな って処理することになっています。 その場合ユーザーがお金を払うこ とになるかと言う質問ですがそれ は市場原理で決まります。廃棄バ ッテリーに市場価値があれば、廃 棄する人にお金が入ってくるでし ょうし、処理にコストが掛かると なれば、お金を払ってバッテリー を渡すことになるでしょう。状況 は市場価値によって決まります。 有償か逆有償かは自動車もそうで すし、タイヤでもバッテリーでもそうだと思 います。 Q 今現在リサイクルは80%で、2015年頃に 95%に上がるということですが、リサイクル 率がここまで高まった時に、現状のASRの処 理量は将来的には少なくなると思います。そ こまで見越した上でASRを処理してくれる業 者さんは、選定されているのでしょうか。 A 自動車リサイクル法では、車両重量の20% に相当するASRを、10年かけて段階的にその 70%を再資源化し、それによって自動車全体 のリサイクル率を95%まで引き上げようとし ています。従いまして、現在の段階で、10年 先までの処理能力が整っているかといえば、 まだ十分ではないでしょう。 各自動車メーカーはこれから2015年に向け て体制を段階的につくっていくことになりま す。 Q 95%という数字が出てきたのですが、マテ リアルリサイクルとしての数字ですか、サー マルリサイクルも含まれていますか。 A サーマルリサイクルも含まれています。全 部利用して熱源として再利用するものも95% の中に含まれています。 Q 自治体へ処理が滞っている場合にアラート を出す方法とその頻度、それに対する自治体 のアクションが自動車リサイクル促進センタ ーにあるのかの3点についてお願いします。 A 遅延が発生したときは、遅延発生報告を自 動的に自治体に流します。その後は、自治体 のアクションになります。自治体が調査をし た結果、本来のルート以外に流れているとか、 不法保管や不法投棄されていることが分かっ た場合には、ペナルティーとして業の許可を 直ちに取消すなどの罰則規程が法律にありま す。私達促進センターには、警察権はありま せん。遅延情報を自治体に伝えるのが役割で す。 最新データを示し自動車リサイクル法の現状を説明

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