科 目 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度 経 常 収 益 6,801,032千円 6,053,753 5,827,315 5,332,580 5,471,409 経 常 利 益 702,639千円 879,358 1,280,421 762,603 1,436,622 当 期 純 利 益 636,628千円 832,667 830,514 701,894 1,291,756 出 資 総 額 3,336百万円 3,333 3,318 3,301 3,280 普 通 出 資 総 額 1,836百万円 1,833 1,818 1,801 1,780 優 先 出 資 総 額 1,500百万円 1,500 1,500 1,500 1,500 出 資 総 口 数 42,738千口 42,665 42,367 42,037 41,617 普通出資総口数 36,738千口 36,665 36,367 36,037 35,617 優先出資総口数 6,000千口 6,000 6,000 6,000 6,000 純 資 産 額 6,639百万円 7,769 8,446 9,565 11,007 総 資 産 額 344,728百万円 349,398 354,668 357,958 357,869 預 金 積 金 残 高 330,089百万円 334,268 339,181 341,676 340,695 貸 出 金 残 高 184,575百万円 175,396 164,125 160,646 150,954 有 価 証 券 残 高 89,984百万円 98,269 97,675 99,597 97,123 単 体 自 己 資 本 比 率 6.95 % 7.86 8.92 9.38 10.04 普通出資に対する配当金 (出資一口当たり) 18百万円 17 17 17 17 0.5 円 0.5 0.5 0.5 0.5 優先出資に対する配当金 65百万円 66 48 48 48 役員数 15 人 15 12 12 12 うち常勤役員数 6 人 6 6 6 6 職員数 364 人 355 335 327 312 会員数 48,210 人 47,734 47,480 47,348 47,100
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主要な経営指標の推移
利 益 残 高 出 資 平成27年度の日本経済は、政府の推し進めるアベノミクスの「新3本の矢」や日本銀行による異次元緩和により、景気 は輸出関連型大企業を中心として緩やかな回復基調が続いておりましたが、年央から年度末にかけて、中国経済の減速、 原油価格の下落、さらには欧州の金融不安等から、円高・株安の動きが強まり、景気の先行きは不透明感を増しております。 また、平成28年1月には、日本銀行が「物価安定の目標2%」の早期実現を目指して、マイナス金利の導入を決定しま した。これにより、市場金利は急激に低下し、代表的な長期金利の指標である10年物国債利回りを△0.1%程度の水準 まで押し下げることとなりました。 このような中、当金庫は、平成26年度より「新3ヵ年中期業務計画」をスタートさせ、融資基盤の拡充・貸出金利息の 維持・増強に努めるとともに、信用コストの削減に取り組んでおります。平成27年度は、本計画の2年目として、お取 引先とのリレーションの強化、事業性評価にもとづく課題解決型営業の推進にもとづく貸出金残高の維持に努めるとと もに、融資実行後の中間管理やコンサルティング機能の発揮による取引先に対する経営支援の強化に取り組みました。 経常収益は、資金需要の低迷や他金融機関との競合激化による貸出金利息の減少、加えて市場金利の低下による有価 証券利息配当金や預け金利息の減少により資金運用収益は減少しましたが、不良債権処理費用である貸倒引当金の戻し 入れが多額になったことにより、対前年比1億38百万円増加の54億71百万円となりました。 一方、経常費用は、預金保険料の減少および事務委託費等の削減による物件費の減少と一般貸倒引当金が戻入益と なったこと等により、対前年比5億35百万円減少の40億34百万円となりました。 その結果、経常利益は対前年比6億74百万円増加の14億36百万円となりました。遊休資産の価値低下に伴う減損損 失2百万円の計上、繰延税金資産の取崩による法人税等調整額94百万円の計上等により、当期純利益は12億91百万円 となりました。平成27年度の事業概況
平成27年度の決算状況
預 金 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度 3,391 3,416 3,406 預り資産 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度 235 227 210 貸 出 金 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度 1,641 1,606 1,509
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預金の状況
平成27年度は、定期預金の推進や給与振込先口座・年金受給口座の獲 得などの取引基盤の拡充に努めるとともに、ボーナス用定期預金「しまな み海道2015」、退職金専用定期預金「ハッピーライフ」、がん検診応援定 期預金「ふせがんと」の発売や地方公共団体預金の獲得等により預金増強に 努めました。 その結果、期末残高は3,406億円(年間減少額9億円、対前年比△ 0.28%)、期中平残では3,452億円(年間減少額8億円、対前年比△ 0.23%)となりました。 預金者別でみると、個人預金は21億72百万円(対前年比△0.75%)の 減少、法人預金は11億92百万円(対前年比2.14%)の増加となりました。■
預り資産の状況
預り資産の状況については、保険商品は個人年金保険や終身保険など の販売推進を図ったものの、個人年金保険の満期到来により対前年比5億 31百万円減少し、期末残高は200億10百万円となりました。また、個 人向け国債等の公社債は、満期償還や中途換金等が販売額を上回り、対前 年比11億32百万円減少し、期末残高は7億35百万円となりました。投 資信託につきましては、日経平均が上半期は高値で推移したことによる売 却が増加したことにより、対前年比52百万円減少し、期末残高は2億91 百万円となりました。預り資産全体では、対前年比17億15百万円減少し、 210億36百万円となりました。■
貸出金の状況
平成27年度は、個人ローン・住宅ローンの推進のほか、法人担当渉外 係による事業性融資、保証協会付融資を推進するとともに、地公体融資へ の積極的な取り組みにより貸出金の増強に努めましたが、資金需要の低迷 や他金融機関との競合激化等により、期末残高は1,509億円(年間減少額 96億円、対前年比△6.03%)、期中平残では1,578億円(年間減少額53 億円、対前年比△3.24%)となりました。 なお資金使途別では、設備資金は58億28百万円(対前年比△6.92%) の減少、運転資金は38億64百万円(対前年比△5.05%)の減少となりま した。■
資金運用の状況
資金運用の状況については、安全性に留意した運用に努めた結果、有 価証券の期末残高は971億23百万円(年間減少額24億74百万円、対前 年比△2.48%)、預け金の期末残高は1,043億42百万円(年間増加額 126億95百万円、対前年比13.85%増)となりました。貸出金が減少し たことにより、余資運用全体は増加しましたが、市場金利の低下により 有価証券への再投資は厳しい状況となり、比較的パフォーマンスの良い 「信金中央金庫」への預け金を中心に運用を行いました。 (単位:億円) (単位:億円) (単位:億円) 有価証券 平成 25 年度 平成 26 年度 平成 27 年度 976 995 971 (単位:億円)業務の概要
平成28年度につきましては、日銀によるマイナス金利の導入により、金融機関の貸出金利競争は一段と激化し、市場金利の低下 による余資運用収益についても減少が見込まれ、収益環境は更に厳しさが増すものと予想されます。 また、政府が推し進める「地方創生」への取組みは、各市町村が策定する「地方版総合戦略」は計画段階から実行段階へ移って きており、信用金庫へは引き続き、中小企業の起業・創業、事業承継、成長分野への進出等の支援に努め、「地方版総合戦略」の 実行を通じて、地方創生、地方活性化に向けた取組みが強く求められています。 こうした中、当金庫におきましては、「新3ヵ年中期業務計画」の最終年度を迎え、課題である貸出取引を中心とした収益力強化 に引き続き取り組むとともに、お取引先の経営支援に役職員が一体となって取組んでまいります。 なお、具体的には、以下のような施策を実践してまいります。 【重点施策:1】貸出金残高の維持 ・お取引先と当金庫とのリレーション強化 ・事業性評価をした上での課題解決型営業の推進 ・小口融資の推進と個人向けローンの推進強化 ・新商品の開発ならびに有効活用 【重点施策:2】信用コストの抑制 ・中間管理やコンサルティング機能向上によるお取引先の業績向上支援
平成28年度の事業の展望と課題
自己資本比率の算出方法を定めた「信用金庫法第89条第 1項において準用する銀行法第14条の2の規定に基づき、 信用金庫及び信用金庫連合会がその保有する資産等に照ら し自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断する ための基準(平成18年金融庁告示第21 号)」が平成 25年 3月8日に改正され、平成 26 年3月31日から改正後の 告示が適用されたことから、平成 25 年度から新告示に基 づく開示を行っております。 なお、当金庫は国内基準を採用しております。 平成28年3月末の国内基準による自己資本比率は、前期 末に比べて0.66ポイント良化し10.04%となりました。 内部留保の確保による自己資本の増加とリスク・アセットの減少により自己資本比率は上昇しました。国内基準で健全とされ る4%を上回っており、引き続き健全性・安全性の向上に努めるとともに、「経営健全化計画」のもと、適正な収益確保により さらに内部留保を高め、自己資本比率の向上を目指します。自己資本比率
用語解説
▶自己資本比率 金融機関の健全性や安全性を示す客観的な基準として、 「自己資本比率」が使われます。 この自己資本比率とは、「信用リスクアセット」及び 「オペレーショナル・リスク相当額を8%で除して得た 額」に対して「自己資本総額」がどれくらいあるかを示す 指標のことで、この比率が高いほど経営の安全性が高いと 言えます。 ▶オペレーショナル・リスク オペレーショナル・リスクとは、システム障害や不祥 事、事務ミス等により損失を被るリスクのことであり、オ ペレーショナル・リスク相当額の計算に当たっては、①基 礎的手法、②粗利益分配手法、③先進的計測手法の3つの 手法があります。当金庫では、基礎的手法を採用しており ます。 オペレーショナル・リスク相当額の 合計額を8%で除して得た額 (コア資本に係る基礎項目−コア資本に係る調整項目) ●コア資本に係る基礎項目 出資金・準備金・剰余金等 一般貸倒引当金の一定額・経過措置によりコア資本 に含まれる再評価差額金等の一定額や負債性資本調 達手段の一定額 ●コア資本に係る調整項目 コア資本から控除するもので、無形固定資産・繰延 税金資産の一部・他の金融機関向け出資等の一部 ■ 平成26年3月31日より、自己資本比率は以下のように算出されることになりました。 8% 9% 10% 8.92% 平成25年度 10.04% 平成27年度 9.38% 平成26年度 ■ 自己資本比率の推移(注)自己資本比率の算出方法を定めた「信用金庫法第89条第1項において準用する銀行法第14条の2の規定に基づき、信用金庫及び信用金庫連合会がその 保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準(平成18年金融庁告示第21号)」が平成25年3月8日に改 正され、平成26年3月31日から改正後の告示が適用されたことから、平成26年度、平成27年度においては新告示に基づく開示を行っております。 なお、当金庫は国内基準を採用しております。 項 目 標準的手法 平成 26 年度 経過措置による不算入額 平成 27 年度 経過措置による不算入額 コア資本に係る基礎項目(1) 普通出資又は非累積的永久優先出資に係る会員勘定の額 8,024 9,239 うち、出資金及び資本剰余金の額 4,801 4,780 うち、利益剰余金の額 3,363 4,590 うち、外部流出予定額(△) 65 65 うち、上記以外に該当するものの額 △ 75 △ 66 コア資本に係る基礎項目の額に算入される引当金の合計額 651 308 うち、一般貸倒引当金コア資本算入額 651 308 適格旧資本調達手段の額のうち、経過措置(自己資本比率改正告示附 則第 3 条第 7 項)よりコア資本に係る基礎項目の額に含まれる額 2,430 2,160 土地再評価額と再評価直前の帳簿価額の差額の 45% に相当する額のう ち、経過措置(自己資本比率改正告示附則第 5 条第 5 項)によりコア 資本に係る基礎項目の額に含まれる額 303 269 コア資本に係る基礎項目の額 (イ) 11,409 11,978 コア資本に係る調整項目(2) 無形固定資産(モーゲージ・サービシング・ライツに係るものを除く。)の 額の合計額 16 67 22 34 うち、のれん及びモーゲージ・サービシング・ライツに係るもの以外の額 16 67 22 34 その他のコア資本に係る調整項目の額 - - - - コア資本に係る調整項目の額 (ロ) 16 22 自己資本 自己資本の額((イ)-(ロ)) (ハ) 11,393 11,955 リスク・アセット等(3) 信用リスク・アセットの額の合計額 112,472 110,784 資産(オン・バランス)項目 111,630 110,350 うち、経過措置によりリスク・アセットの額に算入される額の合計額 △ 698 △ 777 うち、無形固定資産(のれん及びモーゲージ・サービシング・ ライツに係るものを除く。)に係るものの額 67 34 うち、他の金融機関等向けエクスポージャー △ 170 △ 216 うち、上記以外に該当するものの額 △ 595 △ 595 オフ・バランス取引等項目 830 429 CVA リスク相当額を 8% で除して得た額 9 3 中央清算機関関連エクスポージャーに係る信用リスク・アセットの額 1 1 オペレーショナル・リスク相当額の合計額を 8% で除して得た額 8,912 8,248 リスク・アセット等の額の合計額 (ニ) 121,384 119,033 自己資本比率 自己資本比率((ハ)/(ニ)) 9.38% 10.04% (単位:百万円)
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単体自己資本比率
(単位:百万円・%) 区 分 平成 26 年度 平成 27 年度 金融再生法上の不良債権(A) 21,947 19,387 破産更生債権及びこれらに準ずる債権 8,211 7,842 危険債権 12,999 11,197 要管理債権 736 347 保全額(B) 20,048 17,547 貸倒引当金(C) 8,444 7,632 担保・保証等(D) 11,604 9,915 保全率(B)/(A)(%) 91.35 90.51 担保・保証等控除後債権(未保全額)に対する引当率 (C)/((A)-(D))(%) 81.64 80.58 (単位:%)
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不良債権比率の推移
科 目 平成 26 年度 平成 27 年度 不良債権比率 13.54 12.77■
金融再生法開示債権の状況
(単位:百万円) 1. 金融再生法開示債権 2. 金融再生法開示債権保全状況 区 分 平成 26 年度 平成 27 年度 破産更生債権及びこれらに準ずる債権 8,211 7,842 危険債権 12,999 11,197 要管理債権 736 347 正常債権 140,077 132,366 合 計 162,024 151,753 用語解説 1.「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」とは、破産手続開始、更生手続開始、再生手続開始の申立て等の事由により経営破綻に陥っている債務者に対する債権及びこれらに準ずる債権です。 2.「危険債権」とは、債務者が経営破綻の状態には至っていないが、財政状態及び経営成績が悪化し、契約に従った債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権です。 3.「要管理債権」とは、「3ヵ月以上延滞債権」及び「貸出条件緩和債権」に該当する貸出金をいいます。 4.「正常債権」とは、債務者の財政状態及び経営成績に特に問題がない債権であり、「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」、「危険債権」、「要管理債権」以外の債権をいいます。 資産の健全化に向けた取り組みにつきましては、引き続き、先行きのリスク顕在化に備えた厳格な資産査定を行う とともに、積極的な不良債権の処理に努めております。 平成27年度末の金融再生法上の不良債権比率は、不良債権額が19,387百万円と前期比2,560百万円減少したこ とから、12.77%と前期比0.77ポイント良化しました。 なお、不良債権については、全てが損失につながるわけではなく、一部は担保・保証等により回収が見込めるほか、 万一に備えて個別貸倒引当金を引当てております。これらによる保全額は17,547百万円となっており、不良債権額 の90%を超える高い水準でカバーしています。 今後も不良債権の発生防止に努め、さらなる資産の健全化を図っていきます。資産の健全化への取組み
(単位:百万円) 科 目 平成 26 年度 平成 27 年度 貸 出 金 償 却 額 - - 科 目 平成 26 年度 平成 27 年度 期中増減 期中増減 一般貸倒引当金 651 △ 40 308 △343 個別貸倒引当金 8,154 162 7,524 △630 合 計 8,806 121 7,832 △ 973