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開門調査を求める佐賀地裁判決 控訴断念を求める戦い 1. 佐賀地裁判決下る 既に報道等でご存知のとおり 2008 年 6 月 27 日 佐賀地裁は 諫早湾 潮受け堤防 の撤去を求めた有明海訴訟の判決において 堤防撤去の請求は棄却したものの 国に 対して 5 年間にわたる開門調査の実施を求めました 判

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【目次】 ●開門調査を求める佐賀地裁判決〜控訴断念を求める戦い・・・・・・・・・・・・・・・ 2〜5 ▼第7回漁民ネット総会の報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6〜 12 ●この夏もまた異変が。。。水門開放が急務! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 〜 17 ●諫早湾開門から始まる、安心な農業、豊かな漁業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 〜 19 ●目指すは、干拓地農業と有明海漁業の共存 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 〜 21 ●物販からのお知らせ〈 Tシャツ在庫一掃セール〉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 〜 23 ◆ Information/ 編集後記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24

有明海訴訟 / 佐賀地裁 , 諫干開門命じる!

〜農水省は、ただちに控訴を取り下げ、

      水門を開放せよ!

(控訴断念を求めて農水省前でアピール行動)

有明海漁民 ・ 市民ネットワーク

漁民ネット通信

第 32 号(2008 年 9 月号)

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●開門調査を求める佐賀地裁判決

         〜控訴断念を求める戦い

 

既に報道等でご存知のとおり、2008 年 6 月 27 日、佐賀地裁は、諫早湾・潮受け堤防 の撤去を求めた有明海訴訟の判決において、堤防撤去の請求は棄却したものの、国に 対して 5 年間にわたる開門調査の実施を求めました。  判決は、有明海の環境変化との因果関係については、高度の蓋然性をもって認定す るのは困難としていますが、諫早湾内及びその近傍の環境変化については、相当程度 の蓋然性が立証されていると認定しています。そして、中長期開門調査の有用性を認め、 これを実施しない国の姿勢を「立証妨害であり、信義則に反する」と厳しく指摘しました。  判決内容は、仮処分決定における抗告審や公調委決定をも踏まえたものとなっており、 控訴審で簡単に覆るような構造にはなっていません。  判決後、佐賀・熊本・福岡の 3 県をはじめ、漁民市民のみならず学会や法曹界、海外 まで各方面から、判決を厳粛に受け止めて開門調査の実施を求める声が上がり、マス コミ各社も同様の社説を展開しました。長崎県をはじめとする開門反対派は四面楚歌 の様相を呈し、危機感を募らせていきました。

2. 控訴阻止を勝ち取る戦い

 私達漁民ネットも、国に控訴させないように、あらゆる手だてを尽くして戦いました。 東京の支援者と共に、毎朝農水省前でビラを配りました。約 2000 枚ものビラは一時間 も満たない間になくなり、農水省職員の関心の高さが感じられました。農水省前や国 会前では、毎日座り込みを続けました。農水省前では、慣れないマイクを片手に、大 臣室に届くように必死に窮状を訴えました。国会では、閉会中のため議員の往来は今 一つでしたが、自民党から共産党まで党派を超えて、支援の声に励まされました。農 水省などとの直接交渉も度々行い ましたが、大串博志衆議院議員や 仁比聰平参議院議員をはじめ、多 くの議員が駆けつけ、鋭い追及や 心強いメッセージを頂きました。 交渉では、農水省官僚に対して、 必死に私達の想いをぶつけました。 開門できないという農水省の言い 分に合理的根拠がないことを明ら かにし、農水大臣との面談を求め て執拗に戦いました。

1. 佐賀地裁判決下る!

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7 月 3 日の交渉では、私達の強い要求を受けて、若林農水大臣との面談も実現しまし た。15 分という制約の中、大臣は官僚の書いたメモを読むかのような答えに終始して いましたが、漁民の実状を直接訴えた意義は大きいと思います。官僚との交渉において、 私達の声が大臣まで届けられずに握り潰されていた実態が明らかとなっていましたか ら。この日はまた、共産党・市田委員長との面談や民主党・菅代表代行、筒井 NC 農水 大臣との面談もありました。その後も、洞爺湖サミットで集まる海外メディアに向けて、 有明海の悲劇をアピールしに行ったりと、多くの活動をしてきました。

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 中でも、農水大臣が控訴判断の期限とした 10 日は本当に長い一日でした。前日 9 日 午後の 3 時間に及ぶ交渉で、再度の若林大臣との面談を要求しましたが、10 日朝の交 渉で面談の時間は取れないとの報告を受けました。(※余談ですが、交渉に出てきた農 村振興局次長が、隣の瀧戸室長に小声で「有明海異変ってどういう意味?」と聞いてい たのには、心底びっくりしました。こういう人たちがこの国の政策を作っているのです。) 前日までの情報から、控訴するかどうかは行政訴訟を管轄している法務省との協議を踏 まえて決定すること、その法務省が控訴に難色を示していること、農水省内でも控訴断 念の声が高まっていること、もはや農水マターではなく官邸マターとなっていること、 最終的には首相判断に持ち込まれる可能性もあること、が判っていましたので、11 時 過ぎには首相官邸前でアピール行動を行い、その後も農水省前や官邸前で行動を続けま した。  3 時過ぎに農水大臣が首相官邸に来る という情報でしたが、結局、町村官房長 官への電話だけで首相への報告に代えて しまいました。自らの控訴決定によって 内閣支持率低下を恐れた福田首相が、判 断を農水大臣に差し戻したようです。こ れは、控訴と開門拒否が国民世論に反し ていることを首相自身が感じているから に他なりません。その後の農水省内での 協議は 19 時過ぎまでかかり、佐賀地裁へ 控訴の手続きを行いました。控訴の報告を受けて、私達も 21 時過ぎに記者会見を行い、 長い一日が終わりました。一日を終えて、「こんな低レベルな大臣・政治家たちに我々 の運命が預けられていたのかと知って愕然とした」という漁民の発言が、本当に切なく 響きました。

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3. 国の控訴決定に抗議する!

 控訴決定を受けた 11 日は、農水省前で大抗議集会。弁護団の堀さんをはじめ、熱の こもった抗議がたくさん聞かれました。  開門調査を進言したという佐賀県出身の今村・岩永両副大臣、更には福岡県出身の 鳩山法務大臣の意見もありながら、結局は、「水門開放はできない」として、国は控訴 しました。開門できないという農水省の主張は、私達との交渉の中で既に論破され、 合理的根拠を失っていますが、国の誤った情報に支配された「地元の声」を控訴理由 にした不当かつ破廉恥な決定と言わざるを得ません。「地元の声」の実態は、次のエピ ソードからも明らかです。長崎市内で行われた自民党のパーティーの席で、「農業漁業 の両立は可能。利害を超えて開門の検討を。」という佐賀県選出の広津素子議員の挨拶に、 長崎県選出の農水政務官で自らが干拓農地取得の疑惑の渦中にある谷川弥一議員が「理 屈じゃないんだから黙ってたほうがいい」と苦言を呈したというエピソードです。 農水大臣談話では、こうした不正義をカムフラージュするかのように、開門調査のた めの環境アセスメントを行うとしていますが、全く矛盾したペテンに他なりません。 そもそも、開門調査の可否は、2003 年 12 月に両論併記で報告された開門調査検討会議 の場で検討されているのです。諫干開始にあたっても自らの都合に合わせたアセスメ ントで漁民を騙し、答申を尊重すると約束したノリ第三者委の見解も蔑ろにし、今ま た司法の開門要請に対して被告である国自らがアセスメント行うと言われても、それ は単なる先送りの誤魔化しに過ぎないことは明白です。  私達は、そうした開門アセスには捕らわれずに、当事者として直接的に、控訴取り 下げと水門開放を要求していきます。  国の控訴決定は確かに厳しいものですが、佐賀地裁判決を受けて直ちに控訴するつ もりだった農水省が、各方面の批判を受けて、「開門調査を含め今後の方策について検 討する」と、開門拒否一辺倒ではいられなくなったことは、私達の活動の成果でもあ ります。漁業不振の現状からは、もう時間がない切羽詰まった所にきていますが、辛 抱強く活動を続けていけば、必ずや水門開放を実現させ、有明海再生の光が見えてく ると思います。秋には国会も再開され、諫干問題も熱く議論されることでしょう。追 い込まれた国を転換させるのは、私達の行動如何にかかっています。総選挙〜政権交 代も近い政治情勢の中、国の控訴に怯むことなく活動を続けていきましょう。

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▼第 7 回漁民ネット総会の報告

 有明海漁民 ・ 市民ネットワークでは、2008 年度の定期総会を、6 月 15 日、 福岡県大牟田文化会館第一研修室において行いました。当日は、会員 41 名の 参加がありました。まずはじめに、松藤代表から、大牟田のノリ漁の現状と 根気強く頑張ろうという挨拶があり、続いて中田・前田両副代表の挨拶、来 賓で佐賀有明の会の川崎会長から祝辞をいただきました。事務局から年間活 動報告、会計報告、監査報告、活動方針、次期役員体制の報告を行い、全会 一致で了承されました。役員では、ご本人の都合により 松本基督さんが抜けて、新たに長崎県小長井漁協の松永 秀則さんが加わりました。  休憩を挟んでの意見交換では、小長井・大浦訴訟の動 き(松永さん)や諫早現地の状況報告(時津さん)、この 間の国会行動の到達点(羽生)等が報告され、活発な議 論が交わされました。当時は、佐賀地裁勝訴判決前であり、 重苦しい雰囲気ではありましたが、希望を失わず前向き に頑張っていこうという決意は固めることができまし た。また、具体的な課題の一つとして、ホームページ 未更新の問題が指摘されました。  場所を移しての二次会でも、メンバー相互の情報交 換が活発に行われ、昨年以上に実りある一日となりま した。運動の主軸が有明裁判にある中、漁民ネットを 継続してきた意味と成果が再確認できました。    以下に、活動報告、活動方針、会計報告、役員体制を記します。 ( 松藤代表) (新しく世話人になった松永さん)

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●有明海漁民市民ネットワーク 2007 年度の活動・諫早問題の経過

2007/6/12 自民党が、有明海特措法の見直しを見送り 2007/6/22 佐賀有明の会が参議院選挙に向けた公開討論会を開催 2007/7/25-27 諫干農地 入植者説明会(時津さん、菅波らが抗議活動) 2007/8/3 諫干農地 入植者募集開始 2007/8 諫早湾内赤潮により、小長井などでアサリ大量死 2007/9/3 入植者募集締め切り 結果は62件 面積で1.5倍 2007/9/10 長崎公金差し止め訴訟結審 2007/9/12 ー 13 弁護団上京、民主党昼食会など国会まわり(安倍首相突然の辞意表明) 2007/10/29 弁護団上京 国会まわり 2007/11/14 公共事業チェック議連勉強会で諫干問題追及 2007/11/20 諫干完工式に対して、海上および「道具屋」前での抗議行動 2007/11/25 公共事業チェック議連 諫干現地視察 2007/12/25 諫干農地入植者決定 (個人 29、法人 16、計 45) 2008/1/25 佐賀地裁 結審 (→判決は 6/27) 2008/1/28 長崎公金差し止め訴訟判決、「信用できない」と指摘しながら住民敗訴 2008/1/29 金子知事「諫干の農業用水は本明川の水」と発言、その後、訂正 2008/1/28-29 長崎地裁判決をうけて、国会まわり、報告集会 (松永さん・平方さん・松坂さんが上京) 2008/2/20 弁護団上京 国会まわり 2008/3/6  公共事業チェック議連勉強会(佐々木先生、高橋先生が上京) 2008/3/18 公共事業チェック議連勉強会(松永さん、平方さん、中田さん、経塚先生が上京) 2008/3/31 諫干工事終了、4/1 から正式に営農開始 2008/4/1-3 東京でのアピール行動 4/1 数寄屋橋で街頭宣伝、座り込み、農水省交渉 4/2 環境省交渉、院内集会、 (松永さん、平方さん、吉田さん、中田さん、松本正明さん、大鋸幸弘さん、 大鋸豊久さん、森永さん、中島さん兄弟、前田さんが上京) 2008/4/11 小長井・大浦提訴へ向けての結団集会、記者会見 2008/4/12 干潟を守る日、諌早集会 2008/4/30 小長井・大浦漁民が、開門と損害賠償を求めて提訴 2008/5/8-9 公共事業チェック議連勉強会、国会まわり ( 松永さん、平方さん、松藤さん、土井さん、野中さん、宇野木先生、 経塚先生が上京) 2008/5/22-23 公共事業チェック議連勉強会、国会まわり (松永さん、平方さん、田中さん、宇野木先生、経塚先生が上京) 2008/6/2-3 公害被害者総行動デー、 (松永さん、平方さん、川崎さん、篠塚さん、宇野木先生が上京) 2008/6/12 公共事業チェック議連勉強会、国会まわり   (松永さん、平方さん、宇野木先生が上京) 2008/6/15 大牟田 漁民ネット第7回総会

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●一年間の主な活動経過と到達点

1.入植者募集、完工式、営農開始などの国側の動きに対するアピール行動  昨年度、農水省側は、諫干農地への入植者募集 及び審査、干拓農地の完工式などを行い、12 月に 入植者が決定(その後辞退者あり)、順次営農が開 始され、4 月から正式に諫干農地での農業が開始さ れる状況となった。  これに対して、我々は、諫干が有明海の漁業を 瀕死の状況に追いやっていることをアピールし、 事業の問題性を訴えてきた。特に、11 月 20 日の完 工式に対する海上での抗議行動では、沿岸四県の 多くの漁民が参加し、特に大浦の漁民が「有明海 SOS!」の巨大メッセージや海上での抗議行動 の中心となり、底力を見せた。 また、4 月の営農開始に合わせた東京でのアピー ル行動、座り込みにも多くの漁民や関係者が上京し、 あらためて諫干の問題を東京で訴え、有明海の問 題がまだまだ終わっていないことをアピールした。 特に、この間、公共事業チェック議連などの国 会議員に対して、繰り返し足を運び訴えてきたこ とが、着実に国会議員の中での理解者をひろげ、 あらためて委員会の質問などにつながってきた。 2.諫干農業と有明海漁業の両立、開門の「政治決断」をもとめる国会対策  現地では、干拓地での農業が実際に開始されるという新しい局面を迎えたが、逆に、そのこと によって諫早湾干拓事業の矛盾が明らかになってきた。最大のポイントは、調整池の水質問題で ある。特に、昨年からは、調整池で発生するアオコに毒性があることも明らかになり、調整池を 農業用水に使うことの正当性が完全に破綻している。 これに対して、我々は、調整池に代わる別の水源を確保することが十分可能であることを示し、 公共事業チェック議連の勉強会の場などで、農水省側を追及してきたが、農水省側は完全に回答 不能の状況に陥っている。 この間の我々の主張は、「干拓農地の農業と有明海漁業を両立させるために開門が必要」とい うことであり、これに対しては、与党側からも賛同する声が出てきており、もはや、「開門」へ の政治決断を勝ち取るまで、あと一息のところまで押し込んできた。 有明海の漁業をめぐる状況は、極めて深刻であり、もはや一刻の猶予もないことは明らかだが、 この間の、国会議員、研究者、弁護団などとの協力関係の広がりには、諫干問題の運動の歴史の 中でも目を見張るものがあり、我々の取り組みの成果として確認しておきたい。 3.小長井・大浦の漁民がついに国を訴えて立ち上がる  ついに、小長井・大浦の漁業者が、開門と損害賠償を求めて国を提訴した。これは、農水省側 にとっても脅威であり、そうであるからこそ、漁協などを通じた訴訟妨害の圧力がかけられてきた。

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●情勢と今後の運動方針

営農が開始されたことにより、今後さらに、事業の問題性が、現実のかたちで次々に露呈す るに違いない。それは、アオコなどの調整池の水質問題、農地での地盤沈下、排水問題、従来か らの農家との競合の問題など、様々な点が考えられる。 また、有明海の漁業をめぐる環境についても、赤潮、浮遊物などの状況や、あるいは漁業を 基盤とした地域社会の状況(廃業などの実態などについても)が、刻々と変化していくことが予 想される。 今後、それらの状況を迅速かつ的確にとらえ、マスコミや国会議員などにも訴える中で、一 日も早く、開門を政治決断させる運動に全力で取り組みたい。  開門によって、まずは有明海異変の状態を緩和させ、漁業の再生へのきっかけをつかんだ上で、 諫干問題の根本的な解決による、宝の海、有明海の再生を目指していかなければならない。 以上から、本総会では下記の通り、従来からの「基本方針」及び「獲得目標」を掲げて闘い 続けることを確認する。 【基本方針】   1.漁民を中心に市民・研究者・法律家・国会議員など広範なネットワークを強化する。   2. 漁民・市民の枠を超え、漁連・漁協の枠を超え、漁業種別の枠を超えて、有明海再生の 目的のために心を一つにし、組織の拡大強化に務める。   3.変化する情勢に的確かつ即座に対応できる組織作りと闘いを進める。   4. 「漁民・市民の科学」による調査活動を軸にして、国会対策・地元宣伝活動を通して有 利な情勢を積極的に切り開く。   5.共通する目的達成のため漁連・漁協を含む他団体との友好協力関係を追求する。 【獲得目標】   1.<「開門」の政治決断を勝ち取ろう!>      干拓地農業と有明海漁業の両立を可能とする道は「開門」以外になく、また「開門」が 現実的に十分可能なものであることを政治の場で明らかにしていく   2.<国に諌干主因説を認めさせよう!>      科学論争・対農水省直接交渉・国会論戦・裁判等を通した諫干主因説の公的認定   3.<潮受堤防を撤去させよう!>     潮受堤防撤去・第三水門設置など有明海再生代替案の本格実施による干潟・潮汐潮流の   原状回復  以 上  しかし、これに対しても、弁護団の迅速な対応、さらにそれを受けて、国会議員が委員会で農 水大臣に姿勢を質すなど、我々の側の体制も強化されてきている。  小長井・大浦については、諫干事業による漁業被害の因果関係論でも国側は否定出来ないはず であり、小長井・大浦の漁民の裁判闘争を、我々としても全力で支援していくことが重要である。

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(2008年5月31日現在)

収入

1,626,976.−

支出

695,545.−

残金

931,431.−

<内訳> *印は現地支出 (収入) 前期繰越 1,383,170 会費収入 69,000 カンパ 124,164 キャラバン隊助成金残り 50,000 銀行利息分 642 合計① 1,626,976 (支出) 6月10日 漁民ネット総会会場費(大牟田労働福祉会館) 4,830 2007年 6月10日 漁民ネット総会会場設備費 2,730 6月10日 漁民ネット懇親会費 135,800 6月10日 漁民宿泊費(7名分) 47,600 6月18日 ネット総会欠席者へ資料送付 860 11月15日 調整池アオコ水の調査のため熊本保健科学大・高橋教授へ送付* 740 11月17日 消耗品購入(調査記録用CD-R)* 1,380 11月18日 調整池アオコ水の調査のため熊本保健科学大・高橋教授へ送付* 850 11月20日 調整池アオコ水の調査のため熊本保健科学大・高橋教授へ送付* 850 11月21日 11月25日チェック議連諫早・視察向け資料コピー* 260 11月20日の諫早完工式・掲載紙購入* 650 11月20日の諫早完工式・掲載紙購入* 390 11月20日の諫早完工式・掲載紙購入* 630 11月23日 消耗品購入(用紙・クリップ・糊等)* 933 11月24日 諫早完工式・掲載紙コピー* 110 消耗品(インクカートリッジ・用紙)* 1,149 11月25日チェック議連諫早・視察向け資料コピー* 4,500 11月27日 消耗品購入(記録用DVD購入)* 1,300 11月29日 11月25日チェック議連諫早・視察に関する記事等のコピー* 1,500 11月30日 11月25日チェック議連諫早・視察に関する記事等のコピー* 976 11月25日チェック議連諫早・視察に関する記事等・東京スタッフ等に郵送* 2,530 12月14日 調整池調査のため、水・牡蠣を熊本保健科学大・高橋教授へ送付* 850 12月17日 11月20日・完工式での油代の支給の際の送金手数料(大浦へ) 840 11月20日・完工式での油代の支給の際の送金手数料(有明町へ) 840 11月20日・完工式での油代の支給の際の送金手数料(早米ヶ浦へ) 710 12月18日 次号漁民ネット通信添付用振替票送付(日本宅送へ) 240 12月26日 配布資料のコピー代として(大鋸豊久さん)* 10,000 12月27日 11月20日・完工式での経費に関しての書類送付(陣内さんへ)* 80 2008年 1月5日 現金書留封筒購入(2枚) 40 1月8日 11月20日・完工式での油代の支給の際の送金手数料(荒尾へ) 560 11月20日・完工式での油代の支給の際の送金手数料(長洲へ) 500 松本基督さんへネット通信再送(戻ってきたため) 120 1月15日 漁民ネット通信印刷・配達委託費送金(送金手数料含む) 120,587 2月15日 消耗品購入(記録用DVD購入)* 1,480 2月16日 消耗品購入(記録用DVD購入)* 1,360 2月20日 調査用、養殖牡蠣を小長井にて購入* 2,000 2月21日 調査のため、養殖牡蠣を熊本保健科学大・高橋教授へ送付* 1,060 2月25日 森裁判資料送付(羽生さん⇒高峰弁護士) 1,580 3月3日 3月6日院内集会向け資料コピー 4,715 3月6日 3月6日院内集会向け資料コピー 8,316 院内集会勉強会旅費(佐々木先生) 12,000 3月17日 3月18日院内集会向け資料コピー 4,271 (パタゴニア助成金残金の17,775.− は含まず)

2007年度 漁民ネット会計報告

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3月22日 公害弁連現地視察資料コピー* 780 3月25日 消耗品購入(CD-R・環境モニタリングデータ記録のため)* 980 3月27日 西日本新聞記事データベース更新料(送金手数料含む) 2,180 3月28日 環境モニタリングデータ送付(時津さん⇒東京など)* 940 3月30日 消耗品購入(CD-R・環境モニタリングデータ記録のため)* 1,960 3月31日 環境モニタリングデータ送付(時津さん⇒東京など)* 700 4月1〜3日東京行動向け資料作成代(中田さん) 2,200 4月1日 両替手数料 200 漁民用昼食代 2,276 漁民上京経費(3000/日)8名3日分・1名2日分 78,000 4月8日 弔電代(西田健司世話人ご尊父葬儀) 2,929 4月22日 供花代(西田健司世話人ご尊父葬儀) (送金手数料含む) 16,170 4月24日 5月8日院内集会向け資料コピー 3,024 4月28日 5月8日院内集会向け資料(農水省反論資料)送付(吉川⇒宇野木先生) 140 5月6日 5月8日院内集会向け資料コピー 19,731 5月8日 消耗品購入(領収書・封筒) 380 5月9日 漁民上京経費 4名分2日分 30,000 5月20日 5月22日院内集会向け資料コピー 4,035 5月22日 5月22日院内集会向け資料コピー 28,203 院内集会勉強会旅費(宇野木先生) 10,000 5月23日 漁民上京経費 3名分2日分 18,000 5月31日 開門パンフレット印刷代(増刷・1000部) 90,000 合計 695,545 (繰り越し) 収入(合計①) 1,659,986 − 支出(合計②) 695,325 差額 964,661 <パタゴニア助成金について> (2007年11月20日諫早干拓工事完工式での抗議運動の際の経費のために使用) 500,000 2007年 11月12日 ブルーシート3枚購入 20,400 マジックインキ大 2本購入 516 11月14日 ブルーシート4枚購入 27,200 11月19日 プラボード (メッセージパネル用) 299 11月20日 ペンキ及びローラー刷毛3本 42,800 11月21日 1,010 12月17日 漁業者油代(大浦) 120,000 漁業者油代(有明町) 140,000 漁業者油代(早ヶ浦) 110,000 2008年 1月8日 漁業者油代(荒尾) 10,000 漁業者油代(長洲) 10,000 支出総額 482,225 助成金総額− 支出総額=差額 17,775 繰越内訳 地元繰り越し 384,781円 吉川保管分 38,315円 郵便振替口座 526,110円 繰り越し合計 949,206円 (内、17,775円はパタゴニア助成金) パタゴニア助成金総額

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有明海漁民・市民ネットワーク       2008 年 6 月 15 日

次 期 世 話 人 役 員 名 簿

(代 表)  松藤 文豪 (新大牟田漁協) (副代表)  中田 猶喜 (島原漁協)        前田 力  (荒尾漁協) (世話人)   長崎県 松本 正明 (有明町漁協)        橋本 武  (有明町漁協)        松本 秀光 (有明町漁協)        吉田 訓啓 (島原漁協)        松永 秀則 (小長井漁協)   佐賀県  大鋸 幸弘 (大浦漁協)   福岡県   西田 竜治 (大和漁協)        西田 秀一 (大和漁協)        西田 健司 (大和漁協)        田中 和利 (中島漁協)        堤  義秀 (両開漁協)   熊本県   西川 幸久 (荒尾漁協)        末次 伸一 (荒尾漁協) (事務局)  大鋸 豊久  地元対策        陣内 隆之  広報(漁民ネット通信)・統括・国会対策        菅波 完   事務局長(全体統括)・広報(HP)        時津 良治  会計(地元会計)・地元対策        花輪 伸一  国会対策        羽生 洋三  調査研究        松坂 昌應  地元対策        矢嶋 悟   統括・広報(HP)        吉川 多佳子 組織・会計(全体・東京会計) (会計監査) 出口 真          桐ヶ谷 真知子 (顧 問)  宇野木 早苗(元東海大学教授)       宮入 興一 (愛知大学教授)       錦織 淳  (弁護士)

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●この夏もまた異変が。

。水門開放が急務!

 営農が開始されて初めての夏を迎えた諫早湾。潮受け堤防で締め切られ、潮流が 弱くなった諫早湾〜有明海では、この夏もまた被害に見舞われました。  営農開始により COD の値が更に上昇した調整池では、有毒なアオコが大発生。長 崎県が観光の目玉と宣伝する潮受け堤防道路では、ユスリカの大群で車の運転にも支 障を来すほどに。 (8 月 8 日、長田桟橋付近樋門前) (8 月 13 日、調整池 ・ 北部排水門前) (ユスリカ) (ユスリカの大群、8 月 13 日、潮受け堤防道路展望所)

 

8 月 3 日行ったアオコシンポでは、熊本保健科学大学の高橋徹先生から、 アオコの毒性について、次のような解説もありました。 「調整池で確認されているミクロキスティス・エルギノーサは青酸カリの数十倍の 急性毒性をもち、アメリカ国防省が生物化学兵器の材料に指定しているミクロシス チン(MC)という毒素を産み出します。ブラジルでは MC によって 50 人以上が死 亡する事故が起こっており、世界各地で問題になっています。 MC は急性毒性だけ

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でなく、慢性肝炎や肝ガンを引き起こす事も知られています。また、MC は分子量 が比較的小さく、植物の根毛や気孔から内部に入り、野菜への残留が確認された研 究報告があります。海に出た場合、海水を濾過する二枚貝に蓄積したり、プランク トンを通して海産動物へ濃縮することも確認されています。さらに、アオコには MC 以外にも強力な神経毒などを産み出す多くの種類が知られています。」  一方、堤防の外では赤潮が広がり、貧酸素により魚介類が多数死滅しました。 (8 月 13 日、北部排水門前海域) (8 月 13 日、潮受け堤防より小長井沖を望む)→ (8 月 11 日、佐賀県太良町(多良)波瀬の浦港。ピンク色に染まった海) 熊本県立大学の堤裕昭先生は、今年の観測結果から、以下のような解説をしています。 「公式的には、貧酸素は干潟のすぐ沖合で発生し、それが潮汐によってさらに沖合に 拡大する(もらい貧酸素)と説明しているが、実際には諫早湾から有明海奥部(佐賀県、 福岡県、熊本県北部の海域)の水深10〜15mの海域全体で、海底からの酸素消費によっ て底層水の貧酸素が起きている。特に、諫早湾から有明海奥部の西側における酸素 消費が大きくなっている。つまり、これらの海域でも、自前の貧酸素水が発生している。 この貧酸素水を引き起こすためには、大量の有機物の海底への堆積が必要となるが、 当初考えていた赤潮プランクトン由来だけで説明することは難しい。調整池からの 排水に含まれる有機物がどれだけ影響を与えるのか?評価する必要がある。」

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 そして、この夏は初めて潮受け堤防前面海域に青潮の発生も確認されました。 元中央水産研究所の佐々木克之先生によれば、「一般には、下層水が無酸素で、陸か ら海へ風が吹き、下層水が湧昇することによって青潮となる。青潮が発生するには、 無酸素水で硫化水素が含まれていることが必要で、硫化水素が酸化されて硫黄粒子 ができて、光の反射で白く光り、海の色と合わさってエメラルドグリーンのような 色になる。」とのことです。実際の調査データを次ページ以降に紹介しますが、特に 北部水門前のS1地点で明瞭に表れているように、13 日未明から急激に無酸素状態 になり、同時に塩分が高く水温が低くなっています。写真を提供していただいた坂 田輝行さんによれば、風は調整池から有明海方向に帽子が飛ぶほどに強く吹いてい たとのことで、堤防前の表層水が風で湾口部方面に流され、それを補う形で底層か ら沖合の海水が入ってきたことが窺えます。このため、堤防前の底層水が湧昇現象 を起こして青潮になったのではないかと推測されます。東京湾では、以前からこの 青潮によってアサリが大量斃死していますが、いよいよ有明海にも青潮が来たかと 思うと、末期症状を迎えつつあるのかなと心配になります。  まさに水門開放待ったなし!です。海水交換を回復することで、アオコの発生も なくなり、調整池の水質も向上します。海域の潮流を回復できれば、貧酸素も抑制 されるでしょう。 (8 月 13 日、小長井海岸に死滅した魚が多数打ち上げられた) (酸素を求めて赤潮の海面を必死に泳ぐカニ) (佐賀県太良漁港の泥干潟には底生生物の死骸が)

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(8 月 15 日、潮受け堤防前面に広がる青潮:写真提供 坂田輝行さん)

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●諫早湾開門から始まる、安心な農業、豊かな漁業

 以上、見てきたように、水門開放は一刻の猶予もない緊急課題となっています。農 水省は開門に後ろ向きですが、もはや彼らの言い分に合理的根拠は何もありません。  次ページに主な論点の比較を示しましたが、今こそ農業と漁業を共栄のために開門 が急務です。  調整池は、基準値を大幅に上回る水質悪化で、有毒なアオコも大発生していますが、 海水交換することで、アオコもなくなり、水質も格段に向上します。もちろん、開門す れば、調整池の水は農業用水には使えなくなります。しかし、有害なアオコ毒素の蓄積 が心配される調整池の水を農業用水に使用するよりも、代替水源のきれいな水を使用し たほうが、消費者が求める食の安全にも応えられます。20 〜 21 ページに漁民ネットが 作成したパンフ「目指すは、干拓地農業と有明海漁業の共存」の内容を掲載しましたが、 このように具体的な代替水源は幾つもあります。中でも下水処理水の利用は、十分な水 量を確保できることが判っており、中央浄化センターから新干拓地の揚水機場までの距 離も約 4km しかないことから、パイプラインを敷設しても大した費用はかからないと 思われます。4 案の中でも、ため池設置と並んで、有効かつ現実的な案であると思います。  そして、実際の開門に当たっては、現在のマイナス1mの水位管理を変えないこと から始める段階的開門→もぐり開門(水門下部の開度を徐々に大きくする)→常時開 門と、実際に応じて順応的に管理する方法で、問題は生じません。水位管理を変えな いことから始めるので、防災上は、今からでも開門可能です。  開門によって、防災、特に背後地の湛水を心配する人もいますが、農水省のデータ から背後地の湛水被害を調べたところ、潮受け堤防閉め切り前の 15 年間では 7 回の被 害だったのに、閉め切り後の 11 年間は 17 回と増えていました。つまり、元々諫干は背 後地の湛水対策にはなっていなかったのです。結局は、排水ポンプの設置やクリーク の拡張、樋門整備などの対策が必要で、水位を変える開門への対策として、これらの 諸対策が進むことにもなり、本来的な地元利益に繋がるのです。  また、「一気に全堤防を開けるとヘドロとの関係でダメージが大きく、予算的にも困 難なので、まず 1km ほど開ける」ことを望む声も一部にありますが、堤防撤去と比較 するならば、堤防撤去の方が予算は安く効果も大きいですし、水門全開ということなら、 次の4点の誤解があります。第一に、今でもヘドロは出ている(特に大雨時は常時全 開同様に一気に出ている)ことを忘れていること。第二に、一気に出さないための工 夫が段階的開門であることを理解していないこと。第三に、1km ほど開ける第三水門 設置は、一気に全開するための対策費 630 億円よりも巨費がかかることを理解してい ないこと。第四に、第三水門設置案は「一気に全開」の対案として位置づけられるも のではない(共に流れを良くする目的)ことを理解していないことです。  ともあれ、開門なくして有明海は良くならない、開門しても問題は生じない、農業 用水の代替水源は確保できるのですから、ただちに開門を決めるべきです。

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▼開門の問題点は、技術的工夫や施設の整備ですべてクリアできる! 論点 農水省 漁業者 濁りと漁場環 境 大量の海水の出入りによる排水門の近 傍の速い流れやそれに起因する濁りの 発生等により、海域の漁場環境や漁船 航行等漁業への影響が生じるおそれが ある。 段階的開門⇒もぐり開門⇒常時開門とい う開門方法の技術的工夫や捨石工範囲 の拡張によって、濁りや洗掘による底泥土 砂流出も防止可能。 調整池塩分 調整池内の大量の淡水生物が死滅し、 一時的に、調整池・海域とも水質悪化や 悪臭発生などが生じる。 段階的開門を経ることで魚類は河川に回 避。開門中に洪水が出ても一般河川河口 と同様に汽水化するだけ。 費用・期間・ 予期し得な い被害 以上の影響を防止するための対策には 多くの費用と長い年月を要し、可能な限 りの対策を行ったとしても、予期し得ない 被害が発生するおそれがある。 もぐり開門は短期開門と同様の準備期間 と費用で可能。常時開門に必要な施設 (捨石工とポンプ)工事は、もぐり開門中で も可能。「予期し得ない被害」は公共事業 一般に想定される類。 背後地防災 開門により調整池水位に干満が生じる ため、潮受堤防の防災機能の維持が困 難となり、洪水時の湛水被害や常時の 排水不良が生じる。 高潮予測時は閉門。もぐり開門は水位制 御が容易なので、降雨予報時は事前に水 位を低下させることが可能。たとえ常時開 門中の満潮時に急な豪雨があっても、締 切前の大潮潮位 2.5m を下回る 2.19m が 調整池水位の上限だから、防災上問題な し。湛水や常時排水はポンプ増強で対応 可能。 灌漑用水 干拓農地ではかんがい用水がなくなり、 また、調査が長期に及ぶ場合、潮遊池 を水源としている背後地ではかんがい用 水が不足する。 漁業者側提案の4代替案で対応可能。健 康被害をもたらし、周辺住民に不快感を 与える調整池水には問題があるから、むし ろ代替案の採用が必要である。 潮風害・塩 害 調整池の塩水化により、旧干拓地の水 源となっている既設堤防の背後にある潮 遊池等への塩水の浸入や潮風害による 背後地農地への塩害が生じるおそれが ある。 防潮ネットや旧樋門の改修で防止。 水門の安全 性 排水門の近傍で生じる速い流れによっ て、排水門基礎の洗掘が起こり、排水門 の安全性に影響を及ぼすおそれがあ る。 もぐり開門では洗掘は生じない。常時開門 でも生じないか、捨石工の拡張で防げる から、水門の安全性に問題はない。 開門の影響 の抽出 実際の海域では、気象、海象等の多くの 要因が複雑に影響することから開門によ る海域への影響のみを抽出することは 困難である。 絶え間ない変化の中から法則性を見出す のが本来の自然科学。開門によって、海 域環境や漁獲に変化が現れれば、成果も 明らか。 開門調査の 目的 地形条件、境界条件が潮受堤防建設前 とは全く異なり、新たな環境の場での調 査となることから、潮受堤防が海域の環 境に及ぼした影響を見ることにならな い。 築堤前の第一の環境に対して現在が第 二の環境とするなら、開門は第三ではなく 第 1.5 番目の環境と言えるから、調査の目 的は果たせる。 開門調査の 成果 水位制限を行っての海水導入では、短 期開門調査と同程度の成果しか期待で きない。 短期開門調査時でさえ、調整池の水質改 善や有明海各地での漁獲復活の兆しが あった。それより水位が高くなるもぐり開門 や常時開門の成果は、計り知れないほど 大きい。

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2008.5.22 発行:有明海漁民・市民ネットワーク

農業用水は調整池に代わる別水源を確保

安心、安上がりの中長期開門計画

段階的開門

●農業者は、水質・アオコ・風評被害の不安から、解放されます。 ●漁業者にとっては、海水導入の条件が整います。 高来浄化センター 諫早中央浄化センター ①河口堰等の設置 ②ため池の設置 ③下水処理水の再利用 ④河川余剰水の利用  短期開門調査時より長い日数をかけて、海水導入・排水量を徐々に増加させながら濁り を慎重に沈めます。底泥は、現在と同様、排水と一緒に少しずつ流れ出していきますから、 農水省が当初予定したような 400 億円もの底泥浚渫費用は不要です。  海水導入量を更に段階的に増加させますが、ゲートの振動を生じない開度幅で実施する ので安心。流速もまず、短期開門時の 1.6m/s 以下で開始。次第に 1.6m/s を超え、徐々 にスピードアップしますが、万が一問題が生じれば、いつでも 1.6m/s に戻します。短期 開門時には 3.8m/s の流速、大雨の大潮時にはそれ以上の流速が出ていたと思われるので、 3m/s を超えても問題はないでしょう。

もぐり開門

農  水  省 漁 業 者 側 開門による被害 水門周辺 1.6m/s 以上の流速で洗掘⇒漁業被害、水門施設安全性低下 実績は 3.8m/s 以上の流速⇒漁業被害や水門施設の安全性に問題なし 開門のための対策 被害防止に 600 億円以上の費用と3年の工 期⇒それでも予期せぬ被害 1.6m/s 以上の流速が出ても問題がなかった ⇒農水省の対策案は過剰 開門の効果 被害の出ない制限的開門では、開門の効果が短期開門時と変わらない 水位変動を短期開門の 20㎝ではなく 120㎝ にすることが可能⇒効果も自ずと異なる 常時開門はもっと大きな効果 予期せぬ被害 短期開門時の湾内魚介類に被害 段階的開門を採用したのは予期したから実際に被害は出ていない 流速問題に係る争点

目指すは、干拓地農業と有明海漁業の共存

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常 時 開 門

環境回復傾向が進行する うちは、そのまま、もぐ り開門を継続します。  常時開門とは、「非常時」以外は原則全開にする開門方法です。高潮が来て調整池水位 より諫早湾潮位が高くなると予想される時は閉門します。  予報が外れて急に諫早大水害と同じ量の雨が降り、それが大潮満潮と重なってしまっ た時は、調整池水位は最大 2.19m までの上昇が予測されます。− 1m 管理をしていても、 その時は 2.01m まで上昇します。その差が問題ならば、ポンプ場(約 150 億円)を新設 しましょう。恒久的な湛水対策にも資するのですから。  流速も最大 6m/s くらいになりますが、しかしその流速が発生するのは、水門の周辺だ けで、そこは既に護床工と呼ばれるコンクリートで固められています。いまの護床工では 面積が足りず、洗掘が心配ならば、必要な範囲で捨石工を施しましょう。それも安上がり の転石工(10 億円?)で十分です。常時開門をやるには 600 億円もかかるという、農水 省の宣伝はあまりにもオーバーです。「鳴門の渦潮」並みの流速は水門の周辺だけなので すから。それも大潮のわずかな時間だけ。それに対して今でも長いこと降り続く大雨を長 時間排水する時には、速い流速が長時間続きますが、その汚濁排水が海面に浮上する頃に は、流速も落ちて、湾内をゆっくりと流れていきます。それを考えれば、常時開門を実施 できないはずがないのです。  すでに調整池に干潟が一部再生し水質は改善 しています。常時開門を行えば、湾内潮流は 5 割が回復しますから、湾内で頻発していた赤潮 や貧酸素は消滅し、底質も改善に向かい、湾内 タイラギや魚類が復活します。短期開門の際に 出現した潮目が示唆するのは、常時開門は有明 海の流れをも変えて、もっと大きな好影響を広 範囲にもたらすということ。調整池や諌早湾か ら流れ出る底泥もいずれは浄化され、有明海の 底質悪化に歯止めがかかります。  いつ大雨が降りだしても、計算上いつでも安全水位に下げることが可能な範囲なら、最 高水位は 0m でも 1m でも問題ありません。これを中期間続ければ、調整池内の海水交換 が短期開門より格段に捗り、一部で干潟が再生し、他方で湾内の水質や潮流も改善に向か い始めるでしょう。だから…… 農 水 省 NGO 2001 年 2003 年 浚渫 400 0 0 護床工拡張強化 330 422 10 生物保護 0 1 1 ポンプ設置 9.9 200 150 ゲート改造 50 0 0 樋門改修等 0.6 2.2 1 防風ネット 0 5 0 侵入防止ブイ等 0 0.6 0 計 790.5 630.8 162 こうして開門を長期間続けることによって、 有明海異変からの本格的な立ち直りが始まります。 短期開門を上回る環境改善が図れます しかし、環境回復傾向が失速し、かつ回復程度が不十 分な時は、常時開門を検討します。もぐり開門によっ て、その検討に必要な実測データも集まっています。 常時開門に要する費用試算比較  (億円) 海水導入量と流速増大の模式図 常時開門 段階的 開門 もぐり開門

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〈有明海漁民 ・ 市民ネットワーク〉

 東京事務局:〒 171-0032  東京都豊島区雑司が谷 3-11-4-205  SY スタジオ内  TEL 070-5074-5985(菅波)  FAX 03-3986-6490  E-mail [email protected]  郵便振替 /00120-3-250346  口座名 有明海漁民・市民ネットワーク  年会費 / 漁民 1000 円、 市民 3000 円  ホームページ(ブログ)  http://blog.goo.ne.jp/gyomin-net

《漁民ネット通信》

 第 32 号 2008 年 9 月発行  編集発行:有明海漁民 ・ 市民ネットワーク  編集担当:陣内隆之  年数回発行

【国に控訴取り下げと開門を求める署名にご協力ください!】

 よみがえれ!有明訴訟原告団、有明海漁民・市民ネットワーク、諫早干潟緊急救 済本部など6団体は、諫早湾の開門を命じた佐賀地裁判決に国が従い、開門調査を 実施することを求める要請書への署名を募集しています。  署名の目的は、賛同者を集めていく過程で、諫干〜有明海問題を広く知っていた だくことにあります。みなさん自身の言葉で実状を訴え、多くのみなさんの理解を 得て頂きたいと思います。同封の署名用紙は、足りなくなったらコピーして使って ください。また以下の送り先にお問い合わせ頂ければ、追加の署名用紙を郵送します。 ぜひ、署名へのご協力をよろしくお願いいたします。

【カンパのお願い】

ここ数ヶ月、資料作成や漁民の度々の上京 行動などにより、活動費が不足しています。 開門に向けた活動も、ここ一年が正念場に なります。特に、市民そして企業のみなさ まには、活動費のカンパをよろしくお願い 申し上げます。 郵便振替 /00120-3-250346  口座名 有明海漁民・市民ネットワーク  ◎要請書の送り先  諫早干潟緊急救済東京事務所  〒 171-0032   東京都豊島区雑司ヶ谷 3-11-4-205   SYスタジオ内  FAX 03−3986−6490

 http://www.isahaya-higata.net/

▼みんなで COP10 韓国へ行こう!

 湿地保護の国際条約ラムサール条約の締 約 国 会 議 が、10 月 に 韓 国 で 開 催 さ れ ま す (COP10)。その前には NGO による世界会 議も開かれます。そこで、NGO 会議や韓国 の湿地干潟を訪れるエコツアーを企画してい ます。 (日程) ・8 日間 10/22(水)〜 10/29(水)  セマングム干拓など韓国の干潟の現場を視  察します。NGO 会議にも参加します。 延泊等の調整は可能です。 詳しくは、以下にお問い合わせください。 <ラムネット / エコツアー担当:陣内隆之>  090-8179-2123  [email protected] 地元の方々との交流もできます。 この機会に韓国の干潟を訪ねてみませんか?

参照

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