コンクリート構造物の
塩害劣化対策と電気防食技術の動向
(電気防食とエルガード協会の役割)
日本エルガード協会
大井コンテナ埠頭(国内最大施工実績)
桟橋下面
塩害とは?
1)塩化物イオンによる鉄筋不動態皮膜の破壊 2)鉄筋の発錆 3)鉄筋の断面欠損,かぶりコンクリートのはく落 コンクリート 保護膜 (不動態皮膜)不動態皮膜の破壊
塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 鉄筋 塩分 塩分(1) 潜伏期 塩分がコンクリート内部へ浸透 (2) 進展期 鉄筋の腐食が進行 (3) 加速期 ひび割れ、錆汁が発生 (4)劣化期 はく離、はく落が激しくなる 劣 化 が 目 に 見 え な い 劣 化 が は っ き り と わ か る 膨張圧
塩害劣化の進行過程
ひび割れ発生 腐食生成物 かぶりのはく落 コンクリート 鉄筋 健全 潜伏期 進展期 加速期 劣化期 供用期間 塩害による 劣化 部材の 性能低下破
壊
耐
力
低
下
コンクリート標準示方書 維持管理編 含有塩分量 1.2 ㎏/m3 鋼材腐食開始 鉄筋腐食量 10 mg/cm2 コンクリートに腐食 ひび割れ発生
塩化物イオンはどこから
~国内で問題となった順番~
① 除塩不足の海砂による塩害(内在塩分)
(山陽新幹線等での問題が切っ掛け)
② 海洋飛来塩化物
(暮坪陸橋が最初に問題になった)
③ 凍結防止剤
(
1991年のスパイクタイヤ禁止後に,
散布量が大幅に増加した)
塩 害 劣 化 事 例
~国内では,内在塩分が最初,
でも,世界的には凍結防止剤~
アメリカにおける凍結防止剤による塩害
荒廃するアメリカ(1980年代)
橋梁下面
飛来塩化物による塩害
(暮坪陸橋の例)
山形県西川田郡温海町地内 単純PCポストテンションT桁橋 144m(5スパン) 海面上約8m,冬季には強い季節風に より波しぶきを受ける 昭和40年(1965) 環 境 : 橋 長 : 橋梁形式 : 所 在 地 : 建設年次 :土木施工1994.7より
年次 1965(昭和40年) 1975(昭和50年)~ 1980(昭和55年)~ 1981(昭和56年)~ 1991(平成3年)~ 1992(平成4年)~ 1997(平成9年)~ 1998(平成10年)~ 内容 竣工 塩害劣化の顕在化 調査・対策の検討 第1次補修工事 塩害再劣化の顕在化 第2次補修工事 架け替え工事 新設橋梁竣工
および対策の変遷(抜粋)
塩害劣化(1次補修前) 塩害再劣化(補修10年後)
暮坪陸橋の損傷状況(外観)
シース管の欠落
暮坪陸橋の損傷状況(PC鋼材)
PC鋼線の破断架け替え工事完了までの対策(1991~1992)
沖合の入出荷施設 プラットホーム 下面の損傷状況
もはや鉄筋の
機能は消滅?
桟橋の塩害劣化事例
RCフォロースラブ端部の塩害
橋 台
エルガード協会の役割
⇒電気防食技術を
インフラの維持管理に役立てる。
腐食に必要なものは?
Fe+H
2O+-O
1
22
→
Fe(OH)2(水酸化第一鉄)水
酸素
塩害なのに腐食反応に
塩化物がない?
塩害劣化はなぜおこる?
⇒
塩害腐食のメカニズム
コンクリート中の鉄筋の状態は?
⇒
不動態皮膜
に守られている
鉄筋コンクリートが成り立つための3つの条件の1つ ⇒コンクリートは強アルカリ性であるので鉄筋が錆びるのを防ぐ不動態皮膜
水
酸素 コンクリート = 高アルカリ水
酸素⇒
塩化物
は不動態皮膜を
破壊
塩
⇒
水、酸素
が
鉄
と接触 =
さびる
塩害のメカニズム
表面被覆 ⇒腐食因子(塩分・水分)の遮断 断面修復工法 ⇒劣化部復旧および塩分除去 脱塩工法 ⇒電気化学的作用による塩分除去 電気防食工法 ⇒電気化学的作用による腐食進行の停止
各種塩害劣化対策補修工法の目的
塩分 塩分 酸素 塩分 塩分 酸素 塩分 塩分 酸素
新設から表面塗装
塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分
補修対策表面塗装
塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分
断面修復工法
塩化物イオン濃度が大きい箇所を除去 断面修復材で復旧マクロセル腐食現象
マクロセル腐食電流 Clー 補修した部分 補修してない部分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 塩分 腐食マクロセル腐食電流
マクロセル腐食現象
マクロセル腐食現象と自然電位
切出し暴露供試体(10年)2010/9/17調査
特徴 工法 概念図 大きな直流電流を流 し、塩化物イオンをコ ンクリート外部へ抽 出し低減する 防錆 理論 表面被覆工法 脱塩工法 電気防食工法 断面修復工法 劣化部や塩化物イオ ンの多いコンクリート を全面的にはつりと り断面修復を行う 小さな直流電流を流 すことにより、鉄筋 の電位差をなくし鋼 材の腐食を電気化 学的に抑制する コンクリート表面を 被覆することにより 劣化因子である塩 化物イオンなどの侵 入を抑制する ○構造物を傷めない ○塩化物イオンが多く ても鉄筋腐食抑止可能 ○施工後の維持管理に より鉄筋の防食効果を 確認できる ○継続通電と維持管理 が必要 ○美観が向上する ○はつり取りが多く、構 造物を傷める ○施工時、耐荷力確保 が必要の場合あり ○マクロセル腐食発生 の場合あり ○安価 ○美観が向上する ○塩化物イオンが多く、 はつり取り不十分のた め再劣化の事例が多い ○加速期、劣化期には 適用できない ○構造物を傷めない ○施工後通電は不要 ○鋼材の水素脆化など に注意 ○塩化物イオンが多い と十分な脱塩ができな い場合がある ○施工期間が長い 対象:進展期以降の構造物
電気防食の原理と
コンクリートへの電気防食とは?
犠牲陽極による電気防食 (流電陽極方式) 塗被覆【目的】コンクリート中の鉄筋へ電気を流し、
塩害などによる鉄筋腐食を防止する
鋼管杭 電流 陽極材 直流電源 桟橋 塩 塩 塩 塩 塩電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位の高低 差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 電位 差 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 陽極 アノード部 カソード部 カソード部 陽極 防 食 電位差0 + - 劣 化 因 子
電気防食
無防食
PC(ポステン)大型供試体
電気防食
無防食
鉄筋表面状態(表面処理後)
観察結果(12年経過後)
1991年施工の擁壁の状況
非電気防食部
(17年前と比較して劣化が大きく進行)
電気防食部
非電気防食部(はく落)と 電気防食部(塗膜撤去) 電気防食部 (塗膜の剥れがあるが,非常に健全) 電気防食部のはつり後状況 電気防食部
電気防食の利点
1) 再劣化しない 2) 多量の塩分が存在する環境でも防食可能 3) 塩分を含有するコンクリートの除去が不要 4) 鉄筋の防錆処理が不要 5) 防食効果の確認が容易腐食反応
を
直接制御
する防食方法
電気化学的に
JSCE-CP 指針(案)-45 解説表 2.2.1 各種電気防食方式の特徴 陽 極 材 の 形 状 陽 極 材 の 設 置 方 法 陽 極 材 の 種 類 電 源 方 式 チ タ ン メ ッ シ ュ 導 電 性 塗 料 導 電 性 モ ル タ ル チ タ ン 溶 射 な ど 外 部 電 源 面 状 陽 極 方 式 防 食 対 象 面 全 体 に 面 状 陽 極 を 設 置 す る 亜 鉛 板 亜 鉛 溶 射 な ど 流 電 陽 極 線 状 陽 極 方 式 防 食 対 象 面 に 一 定 間 隔 で 線 状 陽 極 を 設 置 す る チ タ ン グ リ ッ ド チ タ ン リ ボ ン メ ッ シ ュ な ど 外 部 電 源 点 状 陽 極 方 式 防 食 対 象 面 に 棒 状 陽 極 を 点 状 に 挿 入 し , 設 置 す る チ タ ン ロ ッ ド な ど 外 部 電 源
電気防食の方式(通電方式)
外部電源方式 流電陽極方式
陽極(チタンなど) 直 流 電 源 鉄 筋 防 食 電 流 鉄 筋 防 食 電 流 陽極(亜鉛など)外部電源方式と流電陽極方式
外部電源方式
電源装置が必要⇒電気代がかかる
耐用年数が長い(陽極材で異なる)
通電電流で防食効果がコントロールできる
流電陽極方式(犠牲防食方式)
電源が必要ない⇒陽極が消耗する
耐用年数に限度がある
発生電流量に限度がある⇒
防食効果が不十分な場合がある
20071205-4
電気防食の方式(陽極の形状)
面状陽極
線状陽極
エルガードシステムの陽極材
チタンメッシュ陽極 (面状陽極) チタンリボンメッシュ陽極 (線状陽極) 点状陽極V型にすることで削孔量低減→コスト減 従来のチタンリボンメッシュ 新開発のチタンリボンメッシュRMV 断面図 陽極被覆モルタル チタンリボンメッシュRMV陽極 ディストリビュータ 鉄筋 陽極被覆モルタル チタンリボンメッシュ陽極 ディストリビュータ 鉄筋 断面図
エルガード協会の役割
⇒電気防食技術を
インフラの維持管理に役立てる。
② 電気防食技術の発展に貢献する
各種技術開発
例えば,
エルガードチタンメッシュ
RMV
線状陽極設置間隔の仮設試験装置
等々
リボンメッシュ間隔:200mm 200 鉄筋D32@100 リボンメッシュ間隔:300mm 300
線状陽極の設置間隔(FEM解析例)
橋梁床版を想定した FEM解析例 0 赤色100mV以上 100仮設通電試験装置(モルタル被覆前) 【多数の陽極設置間隔で配置】
仮説通電試験の例
(任意の陽極設置間隔で試験)
エルガード協会の役割
⇒電気防食技術を
インフラの維持管理に役立てる。
③ エルガード工法の施工・維持管理
技術者の育成
電気防食の構成
陽極材 照合電極 陽極被覆材 ディストリビュータ 直 流 電 源 鉄筋直流電源装置設置工 配 線 配 管 工 陽 極 設 置 工 排流端子・照合電極設置工 下 地 処 理 施 工 前 処 理 START END ・メッシュ ・リボンメッシュ ・パネル ・RMV 各陽極材で 陽極設置 方法が異なる 他の施工手順は 同一
電気防食施工時の品質管理
通 電 試 験 仮 通 電 試 験 陽 極 間 導 通 確 認 試 験 モニタリング機器作動確認試験 鋼 材 間 導 通 確 認 試 験 通電開始 各施工段階での 確認試験 陽 極 鋼 材 間 絶 縁 確 認 試 験 順不同東京・大阪
で開催実務講習
→認定試験
合格率
70~80%
2004年
54
名
2005年
41
名
2006年
38
名
2007年
51
名
2011年現在 合格者登録者404名
コンクリート電気防食管理技術者認定制度
日本エルガード協会主催2008年
56
名
2009年
51
名
2010年
53
名
2011年
60
名
「コンクリート構造物の電気防食Q&A」
◆監修
福手 勤
東洋大学教授 (元国土交通省 国土技術政策総合研究所副所長)蒔田 實
(財)土木研究センター参与 (元建設相 土木研究所地質化学部長) ○日本エルガード協会編 新建新聞社 発行RC道路橋 北海道開発局 RC覆道 青森県 PC道路橋 青森県 PC道路橋 青森県 PC道路橋 JR東日本 PC鉄道橋 国土交通省 PC道路橋 国土交通省 新設PC道路橋 東京港埠頭公社 RC桟橋 横浜市 PC桟橋 三重県 PC道路橋 電力会社 揚油桟橋 八幡浜市 RC桟橋 JR西日本 RC鉄道橋 国土交通省 RC桟橋 JR西日本 RC鉄道橋 今治市 RC桟橋 民間 新設PC桁 民間住宅 RCガレージ 日本道路公団 橋梁 沖縄総合事務所 PC道路橋 民間 RC倉庫 2011年3月末 現在
約15万m2
施工実績
http://www.elgard.com/にリスト掲載大井埠頭
桟橋下面への施工事例
(チタンメッシュ陽極)
側面
底面
チタンリボンメッシュ陽極
桟橋下面へ施工事例
(チタンリボンメッシュ+パネル陽極方式)
杭 梁 (パネル) 床版下面 (リボンメッシュ)揚油桟橋への適用事例
施工面積3,750㎡ 防食回路15回路
PC橋への適用事例
(チタンメッシュ陽極方式)
張出部 側面 底面PCボックス桁梁への適用事例
(チタンメッシュ陽極方式)
PC橋梁への適用事例
(チタンリボンメッシュ陽極方式)
側面
底面
(はく落防止対策併用)
橋梁への施工事例
(チタンリボンメッシュ陽極方式)
樋門
水門
ロックシェッドへの適用事例
(パネル陽極方式)
建築物(施工後
20年)
柱側面 梁側面
日本における凍結防止剤塩害対策
チタンリボンメッシュ方式の電気防食
桁端部,狭隘部の電気防食
RMV陽極による電気防食設置完了状況
ディストリビュータ設置位置
エルガード協会の役割
⇒電気防食技術を
インフラの維持管理に役立てる。
④ 電気防食のライフサイクルマネージメント
*劣化予測・
LCC算定ツール
表面Cl-濃度 13kg/m3 見掛の拡散係数 1.167cm2/年 かぶり 7cm 鉄筋径 D19 施工面積 300m2 対策工法 適用時期 潜伏期 進展期 加速期 脱塩+ 表面被覆 ○ ○ 電気防食 ○ ○ ○ 断面修復 (全面) ○ ○ 【対策工法の施工間隔】 対策工法 施工間隔 表面被覆 10年 脱塩 7.4年 電気防食 配線:20年,陽極:40年 断面修復(全面) 42.4年 【対策工法と適用時期】 -6 -4 -2 0 2 4 6 0 10 20 30 40 材令[年] 鉄筋位置の塩化物イオン濃度[kg/m3] 潜伏期 進展期 加速期 劣化期 腐食ひび割れ発生 23.6年 腐食開始 7.5年 耐荷力の低下 28.0年 90 80 70 鉄筋の残存断面積率[%] (100) 【対象モデルの劣化進行予測】
【試算結果】 4時間作業 6時間作業 8時間作業 施工 規模 10~500m2 作業 時間 8時間:通常 6時間:潮間75% 4時間:潮間50% 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 2 4 6 8 10 作業時間(時間/日) 施工 コ ス ト[リボ ン 方式 (8時間/日)に 対す る 比] メッシュ方式 リボン方式 パネル方式 施工面積:300m2 0.4 0.8 1.2 1.6 2.0 2.4 0 100 200 300 400 500 施工面積(m2) 施工 コ ス ト[リボ ン 方式 (300m 2 )に 対す る 比] メッシュ方式 リボン方式 パネル方式 リボン方式(新設時) 【試算条件】
0 1 2 3 4 5 6 7 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 供用年数[年] 施工 コ ス ト [電気防食シ ス テ ム 設置に 対す る 比] 脱塩工法+表面被覆工法 脱塩+被覆材塗布 被覆材塗替 電気防食工法 電気防食システム設置 配線配管類取替 陽極・配線配管類取替 断面修復工法 全断面修復 再全断面修復 陽極耐用年数; 40年での試算
LCC ;40年) ●電気防食工法は,潜伏期~加速期 の対策として有用 0 1 2 3 4 5 電気防食工法 脱塩+表面被覆 電気防食工法 脱塩+表面被覆 断面修復工法 電気防食工法 断面修復工法 供用期間を通しての施工コスト [電気防食システム設置費に対する比] 潜伏期 進展期 加速期 予防保全への適用 90 100 63 83 90 74 90
陽極耐用年数延長の効果は,進展期が最も大きい 供用期間 適用陽極 耐用年数 防食 期間 放置 期間 LCC の比較(陽極耐用年数;40 年と 100 年) 潜伏期 竣工 7 年後 50 年 40 年 18 年 25 年 50 49 100 年 100 年 40 年 68 年 100 63 100 年 進展期 竣工 20 年後 50 年 40 年 20 年 10 年 50 43 100 年 100 年 40 年 70 年 100 57 100 年 加速期 竣工 23 年後 50 年 40 年 27 年 0 年 52 52 100 年 100 年 40 年 77 年 71 64 100 年
エルガード協会の役割
⇒電気防食技術を
インフラの維持管理に役立てる。
⑤ インフラの維持管理と電気防食
電気防食の役割の明確化
維持管理レベルをどうするか。
いつ補修するのがよいか。
補修方法は何がよいか。
コストの考え方は?
構造物ごとの
LCCと全体の予算
アセットマネジメント
計画的な維持管理に 電気防食が役立つ○荒廃するアメリカと現在の日本
維持管理に関わる最近の動向
アメリカの経験を日本で生かすためには,
何をなすべきか?
国土交通省:「道路橋の予防保全に向けた有識者会議」資料より
と言われ、
落橋や橋の通行止めが頻発
した。
1981年には、欠陥橋梁が45%に達した。そ
の後、維持管理に力を入れたが、
2006年時
「荒廃するアメリカ」の原因
1921~1940年に建設された構造物が、1980
年代に、
同時期に大量に
高齢化した。
維持管理の
予算が十分に投入されなかった
。
塩害(凍結防止剤の大量散布)がその一因。
(
1960年代に施行された冬季交通網確保政策)
最近では,
2005年12月ペンシルバニア州道の
跨線橋が塩害による鉄筋腐食で崩壊
現在の日本も一歩手前?
橋梁
以下のようなことが起こる?
塩 塩 塩 塩 塩 塩 桟橋 塩分による劣化劣化してからの対処では
桟橋 橋梁 塩 塩 塩 塩 塩 塩 塩 塩
同時期
に多く
の構造物に対処する必要? 大量の劣化した構造物を供用しながら
撤去・更新? 同時期に 多く 供用しながら 予算的にも物理的にも対処難しくなる 供用不能?維持管理レベル Ⅱ 維持管理レベル Ⅲ
事後保全から予防保全へ
事後保全
予防保全
○性能低下をある程度許容 ○劣化が生じた後に対症療法的 に大規模な対策 ○性能低下を予防 ○損傷劣化が軽微な時期に対応 ○計画的な維持管理
事後保全から予防保全へ
★計画性の確保
健全な状態の継続性
社会的信用度の向上
必要予算の平準化
★消極的維持管理活動
→競争に勝つための積極的手法
★「コスト」
→「投資」
★維持管理戦略のシナリオ
※エルガード技術講習会 福手顧問講演資料より
1) 道路橋の予防保全に向けた提言 (2008.5.16) ・道路橋の予防保全に向けた有識者会議 2) 橋梁の維持管理の体系と橋梁管理カルテ作成要領(案) 3) 橋梁定期点検要領、点検の制度化、データベース化 4) 土木研究所内CAESAR(シーザー)の設置 5) 塩害橋梁維持管理マニュアル(案) 6) 各自治体のアセットマネジメント
橋梁の維持管理の動向
早期発見・早期対策の 予防保全システムへ移行 http://www.pwri.go.jp/caesar/index-j.html (独)土木研究所 構造物メンテナンス研究センター (CAESAR:シーザー)1) 港湾の施設の維持管理計画書作成の手引き発刊 2) 港湾の施設の維持管理技術マニュアル発刊 3) 維持管理に関する専門技術者の育成 →海上・港湾構造物維持管理士資格の創設 ◆港湾の施設の技術上の基準・同解説の改定(平成19年7月) ○施設設置者による維持管理計画の策定を標準化 予防保全の考え方
維持管理計画の策定 点検診断 総合評価 対策工(工法・時期) LCCの削減・維持管理業務の合理化 港湾の施設の維持管理技術マニュアル より 保存性能評価と将来予測
データベース
・点検・予測
・対策 入力・参照 入力・参照 入力・参照 ライフサイクルマネジメントシステムライフサイクルマネジメントに基づく維持管理の流れ
外観上のグレード 標準的な工法 Ⅰ-1(潜伏期) 表面処理(予防的) Ⅰ-2(進展期) 表面処理、断面修復、 電気防食、電気化学的脱塩 Ⅱ-1(加速期前期) 表面処理、断面修復、 電気防食、電気化学的脱塩 Ⅱ-2(加速期後期) 断面修復 Ⅲ(劣化期) FRP接着、断面修復、外ケー ブル、巻立て、増厚 維持管理編(2007年制定)119頁、解説 表10.4.3 より引用
Federal Highway Administration(FHWA) コメント
FHWA Position on Cathodic Protection Systems April 23, 1982
「塩害で損傷を受けたコンクリート構造物の
腐食を停止できる唯一の技術
は電気防食である」
FHWA Position on Cathodic Protection Systems Revisited
May 24, 1994 「塩害により損傷し掛けかえが必要な段階に至る前の橋梁にお いても、電気防食は延命策として有効である。剥離は生じていな いが明らかにコンクリート中に塩分が入っている橋床版の補修 方法として、電気防食は強く推薦する工法である」
崩壊するアメリカにおける評価
直接的に鉄筋 腐食を停止1) 再劣化しない 2) 多量の塩分が存在する環境でも防食可能 3) 塩分を含有するコンクリートの除去が不要 4) 鉄筋の防錆処理が不要 5) 防食効果の確認が容易
腐食反応
を
直接制御
する防食方法
電気化学的に
信頼性が高い
経過年数8年~25年で第1回目補修をした88橋について 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 経過年数 経過年数 88橋の内、 53橋(60%)が再補修 経過年数は平均10年 26橋(49%)は断面修復 25橋(48%)は補修・補強 1橋(2%)は表面被覆 1橋(2%)は電気防食 1回目の補修で、
電気防食
を行った 3件は再補修無し
エルガード協会の役割
⇒電気防食技術を
インフラの維持管理に役立てる。
①陽極の耐用年数はどの程度でしょうか。またチタン表 面に貴金属を焼付け塗布したものを陽極材とするの は何故ですか。 ②アルカリ骨材反応の疑いのある構造物への適用の可 否および制限はありますか。 ③電気防食と補強工事の併用はできますか。 ④潮位の影響を受ける箇所への適用は可能ですか。 ⑤防爆仕様での適用は可能でしょうか。 ⑥CO2排出削減効果はありますか。 ⑦電気防食の材料費と施工費の内訳は? ⑧電気防食を適用できないケースはありますか。 ⑨電気防食がうまくいかなかった事例はありますか。 ⑩電気防食工法に関する技術資格はありますか。 等々