平成 24 年度
二国間オフセット・クレジット制度の
実現可能性調査
「太陽光発電出力の安定化を達成するための
ハイブリッド発電システム」
(インドネシア)
報 告 書
平成 25 年 3 月
日立造船株式会社
I. MRV 方法論(案)
和文要約
1. 先行承認済み方法論 ... 2 2. 方法論概説 ... 2 3. 適用可能要件 ... 3 4. 適格性要件 ... 3 5. 算定方法オプションの選択フローチャート ... 3 6. バウンダリー ... 4 7. リファレンスシナリオ ... 5 8. GHG 排出量・削減量 ... 5 9. モニタリングパラメータ ... 6英文
0. PRECEDENT APPROVED METHODOLOGIES ... 71. TITLE OF THE METHODOLOGY ... 7
2. SUMMARY OF THE METHODOLOGY ... 7
3. ELIGIBILITY CRITERIA ... 8
4. SELECTION OF CALCULATION METHOD ... 9
5. NECESSARY DATA FOR CALCULATION ... 10
5.1 CALCULATION METHOD 1-1:LARGE-SCALE GRID / DETAILED DATA ... 10
5.2 CALCULATION METHOD 1-2:LARGE-SCALE GRID / DEFAULT DATA ... 11
5.3 CALCULATION METHOD 2-1:SMALL-SCALE GRID / DETAILED DATA ... 11
5.4 CALCULATION METHOD 2-2:SMALL-SCALE GRID / WITHOUT DETAILED DATA... 11
5.5 CALCULATION METHOD 2-3:SMALL-SCALE GRID / DEFAULT DATA ... 12
5.6 CALCULATION METHOD 3-1:OFF-GRID ... 12
6. TERMS AND DEFINITIONS ... 13
7. PROJECT BOUNDARIES ... 13
8. REFERENCE SCENARIO ... 13
8.1 CONNECTION TO GRID ... 13
8.2 OFF-GRID ... 13
8.3 THE PROPOSED PROJECT ... 13
9. REFERENCE EMISSIONS AND CALCULATION ... 13
9.1 CALCULATION METHOD 1-1:LARGE-SCALE GRID / DETAILED DATA ... 14
9.2 CALCULATION METHOD 1-2:LARGE-SCALE GRID / DEFAULT DATA ... 14
9.3 CALCULATION METHOD 2-1:SMALL-SCALE GRID / DETAILED DATA ... 15
9.4 CALCULATION METHOD 2-2:SMALL-SCALE GRID / WITHOUT DETAILED DATA... 15
9.5 CALCULATION METHOD 2-3:SMALL-SCALE GRID / DEFAULT DATA ... 16
9.6 CALCULATION METHOD 3-1:OFF-GRID ... 17
10. PROJECT EMISSIONS AND CALCULATION ... 17
II. 概要編
1. 調査実施体制 ... 4 2. 事業・活動の概要 ... 4 3. 調査の内容 ... 6 4. 二国間オフセット・クレジット制度の事業・活動についての調査結果 ... 8 5. 持続可能な開発への貢献に関する調査結果 ... 17III. 詳細編
1. 調査の背景 ... 2 1.1. ホスト国の新メカニズムに対する考え方 ... 2 1.1.1. 日本とインドネシアの政府間協議 ... 2 1.1.2. 現地カウンターパートの新メカニズムに対する考え方 ... 3 2. 調査対象事業・活動 ... 4 2.1. 事業・活動の概要 ... 4 2.1.1. 事業・活動の採用技術 ... 4 2.1.2. 事業・活動サイト ... 7 2.1.3. 事業・活動の概要 ... 8 2.2. 企画立案の背景 ... 9 2.3. ホスト国における状況 ... 12 2.3.1. 電力事情 ... 12 2.3.2. エネルギー政策 ... 16 2.3.3. 再生可能エネルギー政策 ... 17 2.4. CDM の補完性 ... 18 2.5. 事業・活動の普及 ... 21 3. 調査の方法 ... 22 3.1. 調査実施体制 ... 22 3.2. 調査課題 ... 23 3.2.1. インドネシア全土での太陽光発電の導入計画とその進捗状況 ... 23 3.2.2. 本システムが関連する Feed-in Tariff や排出係数などの情報収集 ... 23 3.2.3. 対象地域の現況把握 ... 23 3.2.4. 現地での参考データの収集 ... 23 3.2.5. 事業の実施形態 ... 23 3.2.6. バイオ燃料の動向 ... 23 3.3. 調査内容 ... 24 3.3.1. インドネシア全土での太陽光発電の導入計画とその進捗状況 ... 24 3.3.2. 本システムが関連する Feed-in Tariff や排出係数などの情報収集 ... 31 3.3.3. 対象地域の現況把握 ... 33 3.3.4. 現地での参考データの収集 ... 44 3.3.5. 事業の実施形態 ... 49 3.3.6. バイオ燃料の動向 ... 50 4. 調査結果 ... 574.2.1. 計算式 ... 58 4.2.2. CDM 方法論との関係 ... 60 4.3. MRV 方法論適用の適格性要件 ... 61 4.4. 算定方法オプション ... 63 4.4.1. 算定方法オプションの選択 ... 63 4.4.2. 大規模グリッド ... 64 4.4.3. 小規模グリッド ... 67 4.4.4. オフグリッド ... 69 4.5. 算定のための情報・データ ... 69 4.6. デフォルト値の設定 ... 72 4.7. 事業固有値の設定方法 ... 76 4.8. リファレンスシナリオの設定 ... 77 4.9. バウンダリーの設定 ... 78 4.10. モニタリング手法 ... 79 4.11. 温室効果ガス排出量及び削減量 ... 81 4.12. 排出削減量の第三者検証 ... 83 4.13. 環境十全性の確保 ... 83 4.14. その他の間接影響 ... 84 4.15. 利害関係者のコメント ... 85 4.16. 事業・活動の実施体制 ... 86 4.17. ハイブリッド発電システム設備検討 ... 88 4.18. 資金計画 ... 94 4.18.1. 資金調達方法 ... 94 4.18.2. キャッシュフロー分析における諸条件 ... 94 4.18.3. キャッシュフロー分析の結果 ... 95 4.18.4. 国際協力銀行(JBIC)や日本貿易保険(NEXI)等による制度金融 ... 96 4.19. 日本製技術の導入促進方策 ... 98 4.20. 今後の見込み及び課題 ... 99 5. 持続可能な開発への貢献に関する調査結果 ... 100
略語 英語、インドネシア語 日本語
APROBI Asosiasi PROdusen Biofuel Indonesia インドネシア・バイオ燃料製 造協会
ASEAN Association of South‐East Asian Nations 東南アジア諸国連合 BAPPENAS Badan Perencanaan Pembangunan
Nasional (National Development Planning Agency)
インドネシア国家開発企画 庁
BaU Business as Usual 特別の追加対策がない場合 BOCM Bilateral Offset Credit Mechanism 二国間オフセット・クレジッ
ト制度(JCM と同義) BMKG Badan Meteorologi, Klimatologi, dan
Geofisika (Agency for Meteorology, Climatology and Geophysics)
気象気候地球物理庁
BPPT Badan Pengkajian dan Penerapan Teknologi
インドネシア技術評価応用 庁
CDM Clean Development Mechanism クリーン開発メカニズム CER Certified Emission Reductions 認証排出削減量
CO2 Carbon dioxide 二酸化炭素(炭酸ガス)
CPO Crude Palm Oil 粗パーム油
DOE
Designated Operational Entity
CDM の指定運営機関 DGEDirectorate General of Electricity
エネルギー局EEA
European Environment Agency
欧州環境庁 EPC Engineering Procurement andConstruction エンジニアリング・資機材調達・建設工事 GDP Gross Domestic Product 国内総生産
GHG Green House Gas 温室効果ガス
HSD High Speed Diesel ディーゼル油 IDR Indonesian Rupiah インドネシアルピア IMO International Maritime Organization 国際海事機関 IPCC Intergovernmental Panel on Climate
Change
気候変動に関する政府間パ ネル
IPP Independent Power Producer 独立系発電事業者
JCM Joint Crediting Mechanism 二国間オフセット・クレジッ ト制度(BOCM と同義) JICA Japan International Cooperation Agency 独立行政法人国際協力機構
JV Joint Venture 共同企業体
MEMR Ministry of Energy and Material
Resources エネルギー鉱物資源省
MOF Ministry Of Finance 財務省
MOPS Mean of Platts Singapore シンガポール市場価格(中 値)
NCCC
(DNPI) National Council Climate Change(Dewan Nasional Perubahan Iklim)
インドネシア国家気候変動 評議会
NREEC New and Renewable Energy and Energy Conservation
新・再生エネルギー・省エネ ルギー局
PCS Power Conditioning System 直流交流変換装置
Pertamina Perusahaan Tambang Minyak Negara インドネシア国有石油会社 PPA Power Purchase Agreement 電力購入契約
(Persero)
RUPTL Rencana Usaha Penyediaan Tenaga
Listrik PLN 電力長期計画
UNFCCC United Nations Framework Convention
1.
1.
1.
1.
調査
調査の
調査
調査
の
の背景
の
背景
背景
背景
1.1.
1.1.
1.1.
1.1.
ホスト
ホスト
ホスト
ホスト国
国
国
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新
新
新メカニズムに
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方
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1.1.1. 1.1.1.1.1.1. 1.1.1. 日本日本日本と日本ととインドネシアとインドネシアインドネシアのインドネシアのの政府間協議の政府間協議政府間協議 政府間協議 外務省、経済産業省、環境省主催で開催された公開セミナー「我が国が提唱する二国間オフ セット・クレジット制度について」(平成 24 年 8 月 24 日、東海大学交友会館東海の間にて開催) によれば、二国間オフセット・クレジット制度(JCM/BOCM)の目的は、日本の技術、製品、 システム、サービス、インフラ等を発展途上国に適用し温室効果ガス(GHG)を削減すること であり(図図図図 1.1)、クリーン開発メカニズム(CDM)と比較してモニタリング方法など簡単な仕 組みで適用し易くし、GHG 削減に対する実効性を上げることを狙いとしている。 図 図 図 図 1.1 二国間二国間二国間二国間オフセット・クレジットオフセット・クレジットオフセット・クレジット制度オフセット・クレジット制度制度の制度ののの概要概要概要概要 (出所)環境省作成資料「二国間オフセット・クレジット制度に関する環境省の取組について」 環境省作成資料「二国間オフセット・クレジット制度に関する環境省の取組について」によ れば、 「同制度は、2013 年からの運用開始を目指し、今後これらの相手国との間でモデル事業の実施、 キャパシティ・ビルディング及び共同研究を推進すると共に、他の関心のある諸国との間でも 政府間協議を進める」 という政府決定がなされており、本実現可能性調査のホスト国であるインドネシアとは、2011 年 11 月 25 日の日尼(インドネシア)政府間文書において、 「双方は、オフセット・クレジット・メカニズムの構築に向けた議論の進展を歓迎し、イン ドネシア側の国家気候変動評議会(DNPI)及び日本側の在インドネシア日本国大使館の間の緊 密な連携の下、気候変動に関する国際連合枠組条約の原則及びカンクン合意に沿って同メカニ ズムに関する相互理解を深めるため及び温室効果ガス削減への具体的行動を促進するため、現 在進行中の諸活動に立脚し、モデル事業、キャパシティ・ビルディング及び共同調査の特定と実施を通じて、官民にわたる協議プロセスを拡大していく」 とあり、インドネシアと政府間文書で本制度の協議推進に合意している。 二国間協議はインドネシアをはじめ各国とすでに進められているが、本公開セミナーによれ ば、本制度について否定的な国は現状ないと報告されている。 1.1.2. 1.1.2.1.1.2. 1.1.2. 現地現地現地カウンタ現地カウンタカウンターカウンターパートのーーパートのパートのパートの新新新メカニズムに新メカニズムに対メカニズムにメカニズムに対対対するするする考する考考え考えええ方方方 方 インドネシア環境省では、温暖化に関連して、①緩和(mitigation)、②適応(adaptation)の 2 つの政策を策定している。また、GHG 排出インベントリも担当している。現在、2020 年の国家 目標(BaU 比で 26%削減、先進国援助の下では 41%削減)を達成するため、国家開発計画庁 (Bappenas = National Development Planning Agency)が中心となって基本計画を策定している (draft 段階)。排出削減量の第三者検証については DOE(指定運営機関)が設立されており、必 要な第三者検証を実施することが可能である。ただし、インドネシアとして CDM 承認済みは 130~140 件であるが、登録は 60 件、CER(CDM クレジット)発行は 10 件であり、残りは途中 であり、やはり従来 CDM の実施はスムーズではないと思われる。なお、本 FS で提案する方法 論に関しては、複数の現地専門家に説明して賛同を得ることができた。これらのインドネシア国 内の動向を反映して現地カウンターパートである PLN (インドネシア国営電力会社)は太陽光 発電の導入やバイオ燃料の利用について積極的であり、ニアス島を統括している PLN 北スマト ラについても本 FS の提案内容に大変興味を持ち真剣に検討をいただいている。
2.
2.
2.
2.
調査対象事業
調査対象事業・
調査対象事業
調査対象事業
・
・
・活動
活動
活動
活動
2.1.
2.1.
2.1.
2.1.
事業
事業
事業・
事業
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・活動
活動の
活動
活動
の
の概要
の
概要
概要
概要
2.1.1. 2.1.1.2.1.1. 2.1.1. 事業事業事業・・・・活動事業 活動活動活動のののの採用技術採用技術採用技術採用技術 1) 再生可能エネルギー有効活用技術 世界最大の島嶼国であるインドネシアでは、4 大島を中心に PLN による系統整備と電力の供 給網が整備されているが、その他の離島(約 75 万島)では個々の島々毎に、ディーゼル発電機 を中心としたアイランドグリッドが構築されている。離島地域の電化率は 40%程度にとどまり、 今後の経済成長とともに電力需要が急速に増加すると見込まれる。 離島の電力の 24 時間安定供給には、ディーゼル発電機が有効であるが、GHG の排出量も多 くなる。そこで、再生可能エネルギーと組み合わせたハイブリッド発電システムを導入するこ とにより GHG 排出量の削減と電力の安定供給を両立するシステムの導入を提案する。 図 図 図 図 2222....1111 にハイブリッド発電システム概念図を示すが、具体的には、太陽光発電システムと中 規模ディーゼル発電機(数 MW)をほぼ 1:1 で組み合わせたシステムであり、昼間使用される 電力を、太陽光発電システムにより供給し、ディーゼル燃料の使用量と GHG 排出量を削減する。 図 図図 図 2.1 ハイブリッドハイブリッドハイブリッド発電ハイブリッド発電発電発電システムシステムシステムシステム概念図概念図概念図 概念図CO
2reductions
2) 電力安定化制御技術 太陽光発電システムの弱点は、日射量の変化に伴い発電電力が変化する点である。このよう に発電電力の変動が激しい電源をグリッドに系統連系すると、周波数変動や電圧変動というよ うな擾乱をグリッドに与える。従来、太陽光発電システムの出力を安定化させる為には、大容 量の蓄電池等高価な設備の追加が必要とされてきた。これに対し、本システムでは、太陽光発 電システムの発電電力を計測して、その電力に応じてディーゼル発電出力を増減し、これらの 総発電電力が一定となるように制御することで電力の安定化を図っている。これにより、蓄電 池などの高価な電力変動緩和用装置を最低限にして、より多くの太陽光発電システムを小規模 系統に導入する事を可能とする。 3) 本システムの構成 図 2.2 にハイブリッド発電システムの構成図(概要)の一例を示す。発電設備としては、太 陽光発電設備とディーゼル発電機からなり、それぞれの定格出力はほぼ 1:1 である。太陽光発 電パネルはパワーコンディショナ(PCS)により直流から交流に変換され変圧器を経由してグ リッドと連系している。ディーゼル発電機も変圧器を経由してグリッドと連系している。 制御装置は、太陽光発電設備の発電電力を計測装置で計測し、望ましい総発電電力(この値 が本システムの出力する発電電力となる)から太陽光設備の発電電力を差し引いてディーゼル 発電機の発電出力を計算し指令する。 監視装置は、本システムの発電電力、電力量、ディーゼル発電機の燃料流量などを自動的に 計測し、データとして保存するとともに MRV 方法論のモニタリング項目のデータとして CO2 削減量計算に利用する。 図 図 図 図 2.2 ハイブリッドハイブリッドハイブリッドハイブリッド発電発電発電発電システムシステムシステム構成図システム構成図(構成図構成図((概要(概要概要概要))))
4) 本システムの技術的特長 ① 発電電力安定化と導入可能な太陽光発電電力の最大化を両立 ソフトウェア/運用面 離島などの小中規模のアイランドグリッドに太陽光発電システムを導入する場合、系統 の安定性を保つために、太陽光発電設備の出力変動幅が制限される。出力変動幅とは、太 陽光発電設備が、内燃力発電機が追従できないような、急峻な出力変動(ほぼ瞬時の出力 変動)をした場合にも、系統周波数面で許容できる瞬時の出力変動幅のことである。 九州電力資料「離島における風力・太陽光発電設備の連系について」(www.kyuden.co.jp /library/pdf/company/liberal/bid/h120924.pdf)を見ると、離島需要の昼間、夜間の最小需要電 力のおよそ 10%以下の許容出力変動幅であると言える。また、文献「離島等独立系統にお ける新エネルギー活用型電力供給システム安定化対策実用化可能性調査報告書」によれば、 ・ 周波数調整源であるディーゼル発電機の台数が少なくなる断面 ・ 並列しているディーゼル発電機の上げ下げ余力が小さくなる断面 ・ 需要変動が大きくなる断面 ・ 太陽光発電の出力変動が大きくなる断面 ・ 風力発電の出力変動が大きくなる断面 この 5 つの断面で周波数変動が大きくなると考えられ、この断面で系統周波数を許容でき るかどうかで太陽光発電電力の導入量が制限される。 しかしながら、本システムは太陽光発電を安定化した上でベース電源としての利用を想 定しているので、上記の 5 つの断面での周波数変動による制限は受けない。従って、離島 でのベースロード需要に匹敵する規模の太陽光発電電力を導入できる可能性がある。 ハードウェア面 本システムで採用する太陽電池モジュールは、CIS 太陽電池を想定し、インドネシアの 様な高温地域でも発電効率の低下が少ない特長があり、地域の特性に合った太陽電池とし て普及が期待される。また、ディーゼル発電機としては、バルチラ社(フィンランド)の 低負荷対応ディーゼル発電機を想定している。この発電機は、連続運転可能な負荷帯が A 重油使用という条件であれば 10%から 100%と非常に広いため、より多くの太陽光発電電 力を導入できる点が特長である。 ② 蓄電池設備の最小化 本システムは、ディーゼル発電機の出力制御部に、3)で説明した日本で開発した制御ソフ トウェア技術を適用する事により、蓄電池などの高価な電力変動緩和用装置を最低限にす る(理想的には蓄電池を使わない)。
2.1.2. 2.1.2.2.1.2.
2.1.2. 事業事業事業・・・・活動事業 活動活動活動サイトサイトサイトサイト
ニアス島(Nias Island, インドネシア語 Pulau Nias)はスマトラ島北部の西側沖約 140km に浮 かぶ島であり(図 2.3)、北スマトラ州最大の面積(約 5,500 km2)に 2010 年時点で約 76 万人の 人口を擁する。しかしながら、主要な産業はなく、農業を中心に自給自足の生活を送り、イン ドネシア国内でも貧困地域とされている。 ニアス島では、人口の増加に伴い電力需要が増大し続けており、電力の供給能力は 20 MW で あるがまだまだ需要に追いついていない。インドネシア全体の電化率が 71%であるにもかかわ らず島全体の電化率は約 47%にとどまっている。そのため、天然ゴム製造など産業の成長ポテ ンシャルが大きいものの、電力不足という問題により、投資が滞ってしまっている。 図 図図 図 2.3 本調査本調査本調査本調査のののの評価対象評価対象とする評価対象評価対象とするとするとする事業事業事業事業サイトサイトサイト サイト
2.1.3. 2.1.3.2.1.3. 2.1.3. 事業事業事業・・・・活動事業 活動活動活動のののの概要概要概要概要 本事業では、ニアス島に数 MW クラスの太陽光とディーゼルエンジンのハイブリッド発電シ ステムを導入し、電力供給事業を行うものとしている。 本システムを導入しなかった場合には、化石燃料による発電の増設・焚き増しが想定される。 従って、本システムの導入により、太陽光発電の実施相当量について化石燃料の燃焼をすべて 回避することができ、また、ディーゼルエンジン発電の実施相当量について発電効率等の向上 による化石燃料の燃焼量削減が可能となる(図図図 2222....4444)。 図 CO2排出量は、その両者により削減されることになり、それに伴い、CO2削減量を本事業により得られ るクレジットとみなすことができる。 なお、ディーゼルエンジン燃料としては、第一段階として化石燃料を利用することを計画するが、さら に、バイオ燃料を利用することも可能である。この場合、バイオ燃料使用に伴う CO2 排出量はゼロとみ なされる。 図 図図 図 2.4 本本本本システムシステムシステム導入システム導入による導入導入によるによる COによる 2削減削減削減削減 < < < <ディーゼルディーゼル発電ディーゼルディーゼル発電発電発電>>>> <ハイブリッドシステム<<<ハイブリッドシステムハイブリッドシステムハイブリッドシステム>>>> ディーゼル 太陽光 CO2 排出量が す べ て 回 避 さ れる 発電量 時間 発電量 時間 性能向上に伴い CO2 排出量が削 減される
2.2.
2.2.
2.2.
2.2.
企画立案
企画立案
企画立案
企画立案の
の
の背景
の
背景
背景
背景
①太陽光発電事業の可能性 本調査の外注先であるみずほコーポレート銀行が、現地のカウンターパートである EcoPower より、PLN がニアス島で 4MW の太陽光発電設備を設置する計画があることを把握した。 ②太陽光発電事業の適性 図 図図 図 2222....5555 にインドネシア(ジャカルタ)での月別の平均日射強度データを示す。インドネシアは 赤道付近の熱帯地域にあり、季節によらず一定の気温で安定している。日射強度も高く、雨期の 影響を差し引いても、年間通じてほぼ一定の出力が得られるメリットがある(年間合計の出力ベ ースでは日本の 1.4 倍程度)。 従って、気候的には太陽光発電事業の適地であると言うことができる。 図 図 図 図 2.5 インドネシアのインドネシアのインドネシアの平均インドネシアの平均平均日射強度平均日射強度日射強度日射強度 (出所)ISCCP のリモートセンシングデータにより作成 ③再生可能エネルギー政策の遅れ 表 表表 表 2222....1111 にインドネシアにおける再生可能エネルギーのポテンシャルを示す。インドネシアにお ける再生可能エネルギーのポテンシャルは多大であり、中でも太陽光発電は、しばしば評価され る水力や地熱と比べてもそのポテンシャル量は際立って大きい。それにも関わらず、開発比率は 約 0.001%にとどまっている。 表 表表 表 2222....2222 にインドネシアにおける太陽光発電事業の障壁および今後の展望について示すが、開発 の遅れの理由としては、開発コスト面や再生可能エネルギー支援策が乏しいことなどが挙げられ る。しかしながら、それら事業化の障壁に関しては次第に解消の動きがみられている。従って、 JCM/BOCM事業として追加的インセンティブが得られれば、それがさらなる追い風となって事業化 の条件をクリアし、状況が大きく変わる可能性がある。表 表表 表 2.1 インドネシアにおけるインドネシアにおけるインドネシアにおけるインドネシアにおける再生可能再生可能再生可能再生可能エネルギーエネルギーエネルギーエネルギーのポテンシャルのポテンシャルのポテンシャルのポテンシャル 発電種別 ポテンシャル量 既開発量 開発比率 水力 75,000 MW 3,508 MW 4.7 % 地熱 27,600 MW 1,197 MW 4.3 % バイオマス 49,800 MW 445 MW 0.9 % 太陽光 太陽光 太陽光 太陽光 1,200,000 MW 12 MW 0.001 % 風力 9,300 MW 1.1 MW 0.01 % (出所)海外電力調査会(2011) 表 表表 表 2.2 インドネシアにおけるインドネシアにおけるインドネシアにおけるインドネシアにおける太陽光発電事業太陽光発電事業太陽光発電事業太陽光発電事業のののの障壁障壁および障壁障壁およびおよびおよび今後今後今後の今後のの展望の展望展望展望 内容 障壁 今後の展望 発電 コスト 太陽光発電システムの製造コストは従来高 く、その一方で、PLN(国有電力会社)の買取 価格は抑えられている。これには、PLN が買 取コストを回収するための売電単価(図図図図 2222....6666) が飽和していることが影響している。 すなわち、支援策なしには発電事業がコスト 的に成り立ちにくい。 太陽光発電モジュールなどの製造コストは年々劇的に 低下しており、その水準は家庭用、業務用、事業用へ とシフトしつつある(図図図図 2222....7777)。 従って、支援策・クレジット収益込みの太陽光の買取価 格と、太陽光発電のコストがバランスする点を、今後見 出しうると考えられる。 グリッド と の 接 続 太陽光発電は原理的に昼間のみの発電であ る点に加え、曇天・雨天等天候にも発電量が 左右される不安定電源である。 そのため、接続するグリッドの安定供給という 観点からの供給制約がある。 発電量を平準化するための技術開発が進められてい る。蓄電池の利用、PCS(パワーコンディショニングシス テム)の活用に加え、本調査において適用を検討する ハイブリッドシステム(ディーゼルエンジンとの併用)が 利用可能となってきている。 支援策 再生可能エネルギー促進の支援策が従来乏 しかったところ、インドネシア政府は、税制優 遇措置(2010~)、PLN(国有電力会社)の買 取価格簡素化(2009~)といった政策を導入 している。 2009年の第 2 次ユドヨノ政権発足に伴い省庁 再編が行われ、新・再生可能エネルギー及び 省エネルギー総局が設置された。 しかし、いまだ事業化・普及に十分なレベルと は言えない。 インドネシア政府は、2020 年までの GHG 排出削減目 標として、BaU 比▲26%(自己努力)・▲41%(国際支 援を活用)という数値を掲げており(2009)、その中に再 生可能エネルギーの推進が位置づけられている。 2025 年における再生可能エネルギーの目標は 7%か ら 15%に変更がなされ(2006)、さらには「ヴィジョン 25/25」(2009)において 25%まで引き上げられた。 従って、現在は政策転換期と位置づけられ、さらなる再 生可能エネルギー促進策が整備される可能性が高い (従来の水力・地熱中心から太陽光にも拡大)。 投資 環境 10 MW未満の発電施設への海外からの投資 を制限する「Negative Investment List」が大 きな障壁となっている。 また、地場銀行は新規技術への融資を渋る傾 向が強いと評価されている。 投資制約については、「2007 Investment Law」の改正 により改善がなされる可能性がある。 また、ファイナンスについても、ソブリン債による保証や 邦銀による融資など、投資を加速させる方法は十分に 検討しうると考えられる。
0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07 0.08 1 9 9 4 1 9 9 5 1 9 9 6 1 9 9 7 1 9 9 8 1 9 9 9 2 0 0 0 2 0 0 1 2 0 0 2 2 0 0 3 2 0 0 4 2 0 0 5 2 0 0 6 2 0 0 7 2 0 0 8 2 0 0 9 米 ド ル /k W h 0 100 200 300 400 500 600 700 800 ル ピ ア /k W h 米ドル/kWh ルピア/kWh 上昇期 飽和期 図 図 図 図 2.6 インドネシアのインドネシアのインドネシアのインドネシアの平均販売電力単価平均販売電力単価平均販売電力単価平均販売電力単価(((PLN)( )) ) 0 50 100 150 200 250 300 350 400 450 500 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 発 電 コ ス ト (米 ド ル /M W h) 2,000 kWh/kWp 1,500 kWh/kWp 1,000 kWh/kWp 図 図 図 図 2.7 太陽光発電太陽光発電太陽光発電太陽光発電のコストのコストのコスト予測のコスト予測予測 予測 (出所)IEA (2010)
2.3.
2.3.
2.3.
2.3.
ホスト
ホスト
ホスト
ホスト国
国
国
国における
における
における
における状況
状況
状況
状況
2.3.1. 2.3.1.2.3.1. 2.3.1. 電力電力電力事情電力事情事情 事情 (1)電力事業関連組織 図 図図 図 2.8 に、インドネシア電力事業関連組織について示す。エネルギー鉱物資源省(MEMR:Ministry of Energy and Mineral Resources)は、インドネシアの資 源・エネルギー分野全般を管轄しており、エネルギー鉱物資源大臣のもと、石油・ガス総局、電 力総局、鉱物・石炭総局および新・再生可能エネルギー・省エネルギー総局の 4 総局等から構成 されている。 インドネシアでは 1961 年に電力公社 PLN が設立され、1994 年には政府 100%保有の国有電力 株式会社へ移行した。エネルギー鉱物資源省の管轄の下に、全国の発送配電業務を独占的に行っ てきた。1980 年代後半から電力需要が急増してきたため、政府は民間企業による発電事業(IPP) を認め、外国資本による IPP が 1992 年から多数参入を始めた。送電と配電は PLN が優先してお り、発電は競合状態にある。 図 図図 図 2.8 インドネシアインドネシアインドネシア電力事業関連組織インドネシア電力事業関連組織電力事業関連組織 電力事業関連組織 ①発電 ジャワ・バリ地域では PLN 直営の火力・水力発電所等に加えて、PLN の子会社であるインド ネシア・パワー社とジャワ・バリ発電会社が、スマトラ地域では北および南スマトラ発電事業所 が、その他の地域では 9 箇所の地域支店(発・送・配電および営業の垂直統合型)あるいは PLN の子会社である PLN バタム社、PLN タラカン社が担当している。
②送変電および給電指令 ジャワ・バリ地域ではジャワ・バリ送電・給電センター(P3B Java-Bali)が、スマトラ地域で はスマトラ送電・給電センター(P3B Sumatra)が、他の地域では 9 箇所の地域支店あるいは PLN の子会社である PLN バタム社、PLN タラカン社が担当している。 ③配電・営業業務 ジャワ・バリ地域では 5 箇所の営業・配電支店が、スマトラ地域では 7 箇所の地域支店が、 その他の地域では 9 箇所の地域支店あるいは PLN の子会社である PLN バタム社、PLN タラカ ン社が担当している。また PLN の子会社は、発電のインドネシア・パワー社およびジャワ・バ リ発電会社、特定エリアの電力供給を行う PLN バタム社および PLN タラカン社、通信事業を 行う ICON+社等がある。 原則として、10MW 未満の設備は、各地域の PLN(ニアス島ならば PLN 北スマトラ)が導入可 否を決定する。その投資戦略に基づき、各地域の PLN が本部に予算申請する。 (2)電力系統 図 図図 図 2.9 にインドネシアの送電系統を示す。インドネシアにおいては、グリッドを通じた送電は すべて PLN が行うこととなっている。主要な送電系統は、ジャワ・バリ、スマトラ、スラウェシ、 カリマンタンの大規模各島で分かれており、大規模電源もこれら大規模 4 島に集中して立地して いる。 それ以外の島々(17,508 の島が存在)については、小規模なアイランドグリッド(island grid)、 または自家発電を基本とする電力供給体制が組まれている。なお、インドネシア全体の世帯電化 率は 71 %にとどまっており、特にジャワ島やスマトラ島などの主要都市部周辺を除いた地域(山 間部、離島などの僻地)での電化率が低い。本調査において対象とするニアス島の電化率も 40 % にすぎない。 図 図 図 図 2.9 インドネシアインドネシアインドネシアインドネシアのののの送電系統送電系統送電系統送電系統
本調査では中規模の島をサイトとして、アイランドグリッドへの接続および直接供給での発電 を評価するため、将来的に、単なる化石燃料代替ではなく、新たな供給能力増強に資することを 考えうるという意義がある。 島嶼部のグリッドは、四大島に近い小島では海底ケーブルにより四大島のグリッドと接続をし ている。今回の事業サイトであるニアス島とスマトラ島とは、その距離は 140km 程度あり、グリ ッド間連系の対象にはならない。 離島同士が隣接している場合は、いくつかの島を海底ケーブルで接続し、一つのグリッドを形 成することもある。マルク諸島における島嶼間連繋の計画があるが、整備には 10 から 15 年を要 する模様である。 太陽光発電とその他の発電方式を組合せたハイブリッド発電システムは、モロタイ島(マルク 諸島)で 600kW、ブナケン島(スラウェシ島北部近く)で 335kW、ギリ・トラワンガン島(ロン ボク島近く)やランポン州(スマトラ島南東部)にも導入されているが、本提案内容のような太 陽光発電の出力変動を平準化する高度なシステムはインドネシアにおいて見つけることはできな かった。 (3)新電力法について 2009年 9 月に「新電力法」が国会で可決され、これまでは PLN が電気事業を独占的に行ってい たが、本法で中央・州政府に電気事業の許認可権を付与することが盛り込まれた。地方政府と直 接 IPP 契約を行う場合は、PLN と契約をする必要は無い。 表 表 表 表 2.3 旧電力法旧電力法旧電力法と旧電力法ととと新電力法新電力法新電力法の新電力法ののの比較比較比較 比較 (出所)海外電力調査会(2011)
(4)電源開発計画 図 図図 図 2222....10101010 にインドネシアの電力重要と負荷率のトレンドを示す。インドネシアの販売電力量は堅調に 増加し、2000-09 年の間に約 1.8 倍にもなっている。インドネシアでは第一次クラッシュプログラ ム(06~09 年)、第二次クラッシュプログラム(10~14 年)を発表し、電源の増強・多様化を進 めてきた。クラッシュプログラムとは、第一次にて石炭火力、第二次にて再生可能エネルギーを 主なターゲットとして、それぞれ 1 万 MW の発電所導入を政府が計画したものである。第一プロ グラムは当初予定の 40%の量の石炭火力発電所導入を完了した。第二次プログラムについては当 初予定より遅れており現在取組中である。第三次プログラムは現在検討中の段階である。 このように電源開発は想定通り進んでおらず、需要の伸びに発電能力が追いついていない。特 に 2008-09 年頃にかけて、国内で供給力不足が発生し、供給制限が行われた。それにより、2008 年の負荷率は 80 %を超える結果となった。 今後、さらなる経済成長に伴う電力需要の増加が見込まれており、インドネシア政府の電力供 給事業計画(RUPTL2010)によれば、年平均伸び率が 9.2 %となり、2019 年には現状の倍近い量 となることが予想される。これに伴い、計画では、脱石油と石炭利用の増加が構想されており(同 国では 2004 年に石油輸入国に転じ、2009 年 1 月には OPEC を一時的に脱退した)、インドネシア 全体の GHG 目標遵守(2020 年において BaU 比▲26 %または▲41 %)のためには、一層の再生可 能電源開発が望まれるところであろう。 0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 1995 2000 2005 2010 2015 2020 需 要 電 力 量 (億 k W h) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 負 荷 率 (% ) 販売電力量 負荷率 高 高 高 高いいいい負荷率負荷率負荷率負荷率 年平均伸 年平均伸 年平均伸 年平均伸びびび率び率率率9.2% ((((予想予想予想予想))))というというという高成長という高成長高成長高成長 図 図図 図 2.10 インドネシアインドネシアインドネシアのインドネシアのの電力重要の電力重要電力重要と電力重要ととと負荷率負荷率負荷率 負荷率 (出所)PLN および RUPTL2010
2.3.2. 2.3.2.2.3.2. 2.3.2. エネルギーエネルギーエネルギー政策エネルギー政策政策政策 2006 年 1 月には「国家エネルギー政策に関する大統領令」( 2006 年第 5 号)を制定し、2025 年までの目標を示した。図図図図 2.11 にインドネシアの一次エネルギーの変遷と目標を示す。それによ ると、省エネルギーを推進するとともに、石炭、天然ガスおよび再生可能エネルギーの開発を推 進し、一次エネルギー供給量に占める石油の比率を大幅に低下させ、2025 年には 20%以下にす る予定である。 図 図図 図 2.11 インドネシアインドネシアのインドネシアインドネシアののの一次一次一次エネルギ一次エネルギエネルギエネルギーーのーーののの変遷変遷変遷変遷ととと目標と目標目標目標 インドネシアでは政策として新エネルギー、再生可能エネルギーの導入を進めているが、地熱 発電と水力発電の優先順位が高く、太陽光はそれに次ぐ位置づけとなっている。 既存の発電設備については、石油使用量を削減するという政府方針のもと、石油による発電か ら石炭・ガス発電へのリプレースメントを推奨している。ディーゼル発電設備の導入は、効率化 が見込めるリプレースであれば可能であるが、単純な新規導入は原則として禁止している。
2.3.3. 2.3.3.2.3.3. 2.3.3. 再生再生再生可能再生可能可能エネルギー可能エネルギーエネルギーエネルギー政策政策政策政策 インドネシアでは、今後、新・再生可能エネルギーを拡大させる方針であり、2006 年の「国家 エネルギー政策」で 2025 年の数値目標を 17%に定め、さらに 2010 年の「ヴィジョン 25/25」で は 25%に大きく上方修正した。 図 図図 図 2222....12121212に、インドネシアにおける各エネルギー源の導入割合の計画を示す。この計画によると、 太陽光発電の導入量は現在微少であるが、2025 年には 2.0%まで増やす計画となっている。 図 図 図 図 2.12 インドネシアにおけるインドネシアにおけるインドネシアにおけるインドネシアにおける国家国家国家国家エネルギーエネルギーエネルギーエネルギー計画計画計画計画
(出所)MEMR 17.000 Islands, One Demand Indonesia’s Market for Decentralized PV Applications
PLNでは、「1000 islands solar power project」というプロジェクトを推進している(図 2.13)。 これは、電化率向上のためにインドネシア全土の 1,000 地域に太陽光発電を導入する計画であり、 実際には候補として 852 地域が挙げられており、ブナケン島のプロジェクトが最先鋒(親プロジ ェクト)である。ニアス島もその中に含まれるが、その詳細な計画は未定である。2011 年の導入 目標は 100 地域であったが、35 地域にとどまっている。ディーゼル発電による燃料消費量を削減 することでコスト負担(輸送費も含む)を減らすことが大きな目的である。東部は日照条件が良 いこともあり、重視されている。
図 図 図 図 2.13 インドネシアインドネシアインドネシアインドネシア太陽光発電導入太陽光発電導入太陽光発電導入太陽光発電導入ロードマップロードマップロードマップロードマップ (出所)PLN 資料 現在、インドネシアでは 1MW クラスの太陽光発電設備としては、2013 年にバリに 2 プラント、 ヌサテンガラに 1 プラントが稼働予定で、インドネシア政府の予算で現在建設中である。15 kW クラスの太陽光発電設備としては 128 基が存在している。
2.4.
2.4.
2.4.
2.4.
CDM
CDM
CDM
CDM
の
の
の
の補完性
補完性
補完性
補完性
以下のように、本調査での方法論に基づく JCM/BOCM 事業は、CDM 事業を補完する。 ◎適用可能な方法論が存在しない 「4.2.2. CDM 方法論との関係」で述べるように、ハイブリッドシステムに適用できる方法論は CDMには存在しない。 ◎追加性の概念にマッチしない これまで太陽光発電は、設備費が非常に高く、なかなか海外においてビジネスケースとみなさ れてこなかった。図 2.14 に示すように、一定の想定下では、CER 売却による年間収益は初期投資 額の 0.4-0.5 %程度であった。このため、クレジットの売却益が事業性評価に与える影響は、初期 投資費や電力買取価格などの事業の基本要素の変動が事業性評価に与える影響と比較して小さい ものであったと言うことができる。y = 0.0046x 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0 10 20 30 40 50 60 初期投資額(億円) C ER 売 却 益 (億 円 /年 ) y = 0.0043x 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 0 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1000 初期投資額(億円) C ER 売 却 益 (億 円 /年 ) 図 図 図 図 2.14 CDM ののの太陽光発電事業の太陽光発電事業太陽光発電事業太陽光発電事業におけるにおけるにおける初期投資額における初期投資額初期投資額初期投資額とと年間とと年間年間 CER 収益年間 収益収益収益とのとのとのとの関係関係関係 関係 (上:小規模 CDM、下:通常 CDM)(出所:UNFCCC の個別事業情報、2013/2/25 現在)1
1 小規模 CDM については方法論 AMS-I.D および I.F、通常規模 CDM については方法論 ACM0002 を
適用した案件を対象とした。なお、建設コスト原単位は 3.5 億円/MW、CER 価格は 10 ユーロ(1,200 円)を想 定している。CER 価格は 2013 年現在 1 ユーロ未満だが、概ね CDM 事業の開発開始時点における判断を 想定して、2009-10 年の一般的な水準とした。
従って、CDM の追加性実証・評価ツールに定められた投資分析においては、クレジット収益の 有無を示すことの意義がさほど高くない。 近年の太陽光発電の設備費低下は著しく(「2.2 企画立案の背景」参照)、有効化審査から事業 実施までのタイムラグを見越した投資分析上の感度分析の変数幅を、保守的に、大きいものとせ ざるを得ない(但し、実際の事業判断は今後の見通しコストではなく現段階のコストを想定する)。 すると、クレジット収益が無くても、感度分析上は事業実施可能な領域も結果に含まれる可能性 があり、プロジェクトシナリオがベースラインシナリオとみなされ追加性が無いものと判断され るおそれがある。 また、CDM の追加性実証・評価ツールの適用に際しては、ステップ 3(障壁分析)よりもステ ップ 2(投資分析)が重視されていたのが実態であり、本 JCM/BOCM で設定する技術的な適格性 要件を、障壁分析の中で用いることが困難である。 ◎事業計画のタイムスパンとマッチしない CDM事業登録されるまでの時間は長く、登録に成功する場合でも 1 年前後、さらに少なくない 割合の事業はさらに長い開発時間を要している。 上記のように太陽光発電の設備費低下スピードを鑑みると、計画の前提条件およびそれに基づ く事業性評価が CDM 化プロセスの中ですぐに古いものとなってしまう問題点があった。 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% ~100日 ~200日 ~300日 ~400日 ~500日 ~600日 ~700日 ~800日 ~900日 ~1,000日 有効化審査開始から登録までに要する日数 案 件 数 の 割 合 小規模(登録済または発行済) 小規模(有効化審査中) 通常規模(登録済または発行済) 通常規模(有効化審査中) 図 図 図 図 2.15 CDMCDM のCDMCDMののの太陽光発電事業太陽光発電事業太陽光発電事業が太陽光発電事業ががが有効化審査開始有効化審査開始有効化審査開始有効化審査開始からから登録からから登録登録登録までにまでにまでにまでに要要要する要するする日数する日数日数日数 (出所:UNFCCC の個別事業情報、2013/2/25 現在)2
2 小規模 CDM については方法論 AMS-I.D および I.F、通常規模 CDM については方法論 ACM0002 を
結果として、グリッド接続の太陽光発電だけを取ってみても、全世界で登録された案件数が 12 件(通常規模)・39 件(小規模)にとどまり、風力発電の 754 件(通常規模)・235 件(小規模)、 水力発電の 565 件(通常規模)・620 件(小規模)に比べると極めて少ない。 有効化審査を実施して登録まで到達した割合(登録率)は、グリッド接続についてみれば、12 % (通常規模)、25 %(小規模)にしか至らず、他の再生可能エネルギー事業についての 4 割前後よ りも極めて低い。 通常のビジネスでは、成果が得られないリスクが 8~9 割程度もあれば、リターンの期待値が小 さいと捉え、自社開発コストを支払ってまで CDM を実施しないと判断される。 また、ハイブリッドシステムは皆無である。
2.5.
2.5.
2.5.
2.5.
事業
事業
事業・
事業
・
・
・活動
活動の
活動
活動
の
の普及
の
普及
普及
普及
表 表表 表 2222....4444 に本事業・活動の普及と展開を示す。既存のコア技術である太陽光発電システムの大規 模グリッドへの接続は、現時点では大規模グリッドの発電電力に対し太陽光発電システムの発電 電力は、ごくわずかであるため、大きな問題なく接続可能である。ただし、将来的に太陽光発電 の導入が進むと大規模グリッドにおいても接続に問題が発生する可能性がある。ニアス島のよう な離島等の中小規模グリッドへの太陽光発電システムの接続は、2.1.1 事業・活動の採用技術で述 べたように昼間、夜間の最低需要に対して 10%程度、系統自体が脆弱な場合、全く導入できない 場合もある。また、仮に導入できたとしても高価な蓄電池など電力を安定化する装置が必要であ る。 本事業・活動で採用するハイブリッド発電システムは、ディーゼル発電で太陽光発電の出力を 安定化しベース電源として導入することで供給能力の増大と CO2排出量/化石燃料削減および低 コスト化を図ることができる。また、将来的には大規模グリッドへも展開し石炭、原子力の代替 エネルギーとしての利用が可能である。 表 表 表 表 2.4 事業事業事業・事業・・・活動活動活動活動のの普及のの普及普及普及とととと展開展開展開 展開 技 術 軸 既存のコア技術の融合 太陽光・ディーゼルハイブ リッド発電(ベース電源) 既存のコア技術 太陽光発電システム 大規模グリッド 接続 中小規模 グリッド接続 自家発電・無電化 地域 市場/適用軸 太陽光発電導入 (系統連系) 太陽光発電導入 (供給能力の増大と CO2 排出量/化石 燃料削減および低コスト化) 太陽光発電導入 ( 石 炭 、 原 子 力 の代替) 太陽光発電導入困難インドネシアでは、電力供給の不足解消と GHG 対策の観点から、再生可能エネルギーの開発 に注力してきている。前述の通り、PLN は 2014 年までに全国 1,000 カ所の島で太陽光発電を導 入する計画を策定しており、このようなサイトに本システムを導入することは十分に可能である。 従って、本事業・活動は、今後、インドネシアの国内政策と連動した普及を期待することがで きる。
3.
3.
3.
3.
調査
調査の
調査
調査
の
の 方法
の
方法
方法
方法
3.1.
3.1.
3.1.
3.1.
調査実施体制
調査実施体制
調査実施体制
調査実施体制
本調査の実施体制を図図図図 3333....1111 に示す。 図 図図 図 3.1 調査実施体制調査実施体制調査実施体制調査実施体制 日立造船(株) ソーラーフロンティア(株) (株)みずほコーポレート銀行 【インドネシア】 Differ / Eco Power ●プロジェクト統括 ・技術的評価 ・MRV 方法論の検討 等 ●外注 ・技術的評価 ・MRV 方法論の検討 等 ●外注 ・政策・市場調査 ・事業性評価 ・CO2 削減評価 等 ●外注 ・現地調整 ・アポイントの取得 ・現地調査サポート 等3.2.
3.2.
3.2.
3.2.
調査
調査
調査
調査課題
課題
課題
課題
ここでは、本業務で実施した調査活動における課題とその調査方法の概略を示し、詳しい調査結果は 次節に示すものとする。 3.2.1. 3.2.1.3.2.1. 3.2.1. インドネシアインドネシアインドネシア全土インドネシア全土全土全土でのでのでのでの太陽光発電太陽光発電の太陽光発電太陽光発電ののの導入計画導入計画導入計画とその導入計画とそのとそのとその進捗状況進捗状況進捗状況 進捗状況 現地でのヒアリングや文献調査により、インドネシア政府や PLN の政策・方針を把握する。 インドネシア全土での太陽光発電設備の導入状況を調査する。 既設の太陽光発電設備を調査し、設備の状況や問題点などを調査する。 3.2.2. 3.2.2.3.2.2.3.2.2. 本本本システムが本システムがシステムがシステムが関連関連関連する関連するするする FeedFeed----in TariffFeedFeed in Tariffin Tariff やin Tariffやや排出係数や排出係数などの排出係数排出係数などのなどの情報収集などの情報収集情報収集 情報収集
現地でのヒアリングや文献調査により、Feed-in Tariff 制度の状況を把握する。 同様に、排出係数の値や設定方法に関する情報を収集する。 3.2.3. 3.2.3.3.2.3. 3.2.3. 対象地域対象地域対象地域の対象地域ののの現況把握現況把握現況把握 現況把握 ニアス島の気象情報を入手し、最適な事業サイトを選定する。 既設のディーゼル発電設備の状況、運転方法などを調査する。 島内の交通・輸送インフラの状況を把握する。 3.2.4. 3.2.4.3.2.4. 3.2.4. 現地現地現地での現地でのでのでの参考参考参考参考データのデータのデータの収集データの収集収集 収集 現地の日射量およびその変化速度を把握するため、サンプリング周期 1 秒での日射データの 計測を実施する。可能な限り、長期間のデータを収集する。 現地の電源品質を把握するため、電源波形を計測し、電源周波数変動を確認する。 3.2.5. 3.2.5.3.2.5. 3.2.5. 事業事業事業の事業ののの実施形実施形実施形態実施形態態態 現地でのヒアリングや文献調査により、事業実施形態の種類およびその問題点などを把握す る。 3.2.6. 3.2.6.3.2.6. 3.2.6. バイオバイオバイオ燃料バイオ燃料燃料の燃料のの動向の動向動向動向 ディーゼルエンジンの燃料としてバイオ燃料の使用を想定し、現地でのヒアリングや文献調査に より、バイオ燃料の普及状況、供給事業者、関連補助金などの調査を行う。
3.3.
3.3.
3.3.
3.3.
調査
調査
調査
調査内容
内容
内容
内容
3.3.1. 3.3.1.3.3.1. 3.3.1. インドネシアインドネシアインドネシア全土インドネシア全土全土全土でのでのでのでの太陽光発電太陽光発電の太陽光発電太陽光発電ののの導入計画導入計画導入計画とその導入計画とそのとそのとその進捗状況進捗状況進捗状況 進捗状況 1) インドネシア全土での太陽光発電の導入計画 図 3.2 に PLN による太陽光発電施設の設置計画を示す。この図は、1,000 島への太陽光発電導 入計画の具体的なサイトを図示したものである。なお、PLN の計画にはニアス島も含まれている。 図 図 図 図 3.2 PLN におけるにおけるにおける太陽光発電施設における太陽光発電施設太陽光発電施設太陽光発電施設ののの設置計画の設置計画設置計画 設置計画(出所)MEMR 17.000 Islands, One Demand Indonesia’s Market for Decentralized PV Applications
2) インドネシアにおける太陽光発電事業
太陽光発電については、既設の発電設備が少なく、また、全て小規模事業である(表 3.1、図 3.3、図 3.4)。
このうち、ブナケン島(No.1)を母体として、PLN の「1000 島における PV プロジェクト」 が開始された(実際には 852 地域であり、離島に限らない)。その初年度として、2011 年には
電化率の低い東部 100 島への PV 導入を目標とした「100 島における 100%太陽光エネルギー」 計画が実施されたが、実現した地域は 35 地域にとどまっている。今後も、電化率の低い地域を 中心とした導入が進められることが想定される。 表 表 表 表 3.1 インドネシアにおけるインドネシアにおけるインドネシアにおける太陽光発電事業インドネシアにおける太陽光発電事業太陽光発電事業太陽光発電事業リストリストリストリスト3333 No. サイト 出力 (kWp) COD (予定含) 状況 0 Nusa Penida 255 2009 運用中(当初オフグリッド、蓄電池故障のため途中より グリッド接続、風力とのハイブリッド) ※現地調査 1 P Bunaken 335 2011/2/6 運用中(オフグリッド、蓄電池有) ※現地調査 2 G Trawangan 200 2011/2/28 運用中(グリッド接続) ※現地調査 3 Banda Naira 100 2010/12/17 運用中(グリッド接続) 4 Raja Ampat-Saonek 40 2010/12/23 運用中(オフグリッド、蓄電池有) 5 P Derawan 170 2011/3/31 運用中(オフグリッド、蓄電池有) 6 Tomia 75 2011/3/1 運用中(グリッド接続) 7 Sebatik 340 2012/3 運用中 8 Milangas 85 2011/10/14 〃 9 Lembata 200 2011/9 〃 10 Tarempa 200 2012/5 〃 11 Moro 200 2012/4 〃 12 Tua Pejat 150 2012/4 〃 13 Simalepet 40 2012/4 〃 14 Pulau Karanrang 200 2012/5/17 〃 15 Pulau Balanglompo 200 2012/5/28 〃 16 Pulau Kabaena Dongkala 400 2012/6/16 〃 17 Pulau Tanakeke 200 2012/5/27 〃 18 Morotai 600 2012/4 〃 19 Tahalupu/kelang 100 2012/5/7 〃 20 Nusa Ela 75 2012/7/8 〃 21 Panjang 115 2012/5/7 〃 22 Elwaki/Wetar 100 2012/7 運用直前 23 Wonreli/Kisar 100 2012/7/20 運用中 3
図図図 3.3 インドネシアにおける図 インドネシアにおけるインドネシアにおける太陽光発電事業インドネシアにおける太陽光発電事業(太陽光発電事業太陽光発電事業((1)( )))3333
3) インドネシア全土での太陽光発電事業の例(第 3 回現地調査) 計画に沿って建設された太陽光発電施設の調査を実施した。表 3.2 にその概要を示す。 各施設の詳細な調査結果は次頁以降に示す。 表 表 表 表 3.2 調査太陽光発電施設概要調査太陽光発電施設概要調査太陽光発電施設概要調査太陽光発電施設概要
項目 Nusa Penida Gili Trawangan Bunaken 備考 稼働開始年 2007 年 2011 年 2010 年
出力 60kWp 600kWp 335kWp 現在出力
PV メーカ BP Solar SUNTEC,Len Chint BP Solar:アメリカ (英 BPSolar は 2011 年撤退) SUNTEC:中国 Len:インドネシア Chint:中国 PV パネル出力 150W,160W 220W,180W 125W,235W,190W PV パネル種類 多結晶シリコン 多結晶シリコン, 単結晶シリコン 多結晶シリコン
PCS メーカ SMA LEONICS OPS SMA:ドイツ
LEONICS:タイ OPS:オーストラリア その他 80kW 風力発電設備 を併設。 PCS が塩害で故障し た経緯がある。対策: 建屋を密閉しエアコン で冷却。 鉛蓄電池 900kWh を 併設し 3 時から 18 時の電力を供給して いる。
① Nusa Penida 太陽光発電 図 3.5 に Nusa Penida 太陽光発電施設の写真を示す。 施設は山頂の傾斜地に位置しており、30kWp の太陽光パネルを 2 ヶ所に分けて、高さ 1m 程度 で 18°程度傾斜して設置されている。傾斜の目的は、表面の汚れを雨で流すことと思われる。設置 方法は、コンクリート基礎上に金属フレームを組み、パネルはボルト締結されている。配線は地 中で接続しており、整地の状態は良好で草木の背丈も低く管理されている。周囲には金網の柵が 施され、部外者の侵入を防いでいる。 なお、導入当初、本施設には蓄電池が併設され、平準化ののちにオフグリッドにて近傍の集落に電力 を供給していた。しかし、運用開始後数年間で蓄電池が故障したため、グリッドへの接続に切り替えられ た。 図 図図 図 3.5 Nusa Penida 太陽光発電設備太陽光発電設備太陽光発電設備太陽光発電設備
② Gili Trawangan 太陽光発電 図 図図 図 3.6 に Gili Trawangan 太陽光発電施設の写真を示す。 施設は丘陵地に 2011 年 200kWp、2012 年 400kWp と 2 期に分けて建設されている。高さ 1m 程 度で 18°程度傾斜して設置されている。設置方法は、コンクリート基礎上に金属フレームを組み、 パネルはボルト締結されている。配線は地中で接続している。建設から年数も少なく、まだ草木 はあまり生育していない。特に 2012 年の工事部分での用地の崩れが気になった。傾斜地にあるた め土地の段差部分の排水が不十分で崩れたことが原因と推測されるが、太陽光発電設備の設置に あたり、雨水対策、周囲環境破壊の防止等も十分配慮が必要であることが分かった。周囲には金 網の柵が施され部外者の侵入を防いでいる。 図 図 図 図 3.6 Gili Trawangan 太陽光発電設備太陽光発電設備太陽光発電設備太陽光発電設備
③
Bunaken
太陽光発電
図 図図 図 3.7 に Bunaken 太陽光発電施設の写真を示す。 施設はほぼ平地に 2010 年 5kWp の実験設備、2010 年 335kWp の主力設備、2011 年 15kWp のル ーフトップの試験設備と 3 期に分けて建設されている。主力設備の設置高さは 2m 程度で 15°程度 傾斜して設置されており、パネル下面に人が入ることができメンテナンス性が非常によい。パネ ル下の日の当たる部分には芝生程度の草が茂り良好な環境を形成している。草木の保守は草刈り 機で行っている。設置方法は、コンクリート基礎上に金属フレームを組み、パネルはボルト締結 されている。配線は 50cm 程度浮かせたアルミ製の配管の中を通し、草刈時等切断されないよう に配慮している。また通路に沿ってパネル列に合わせ給水蛇口が用意されており、太陽光パネル の汚れを洗浄するとのことであった。建設から年数は少ないが、低い草木が生育し管理状態も良 い。周囲には金網の柵が施され、部外者の侵入を防いでいる。本施設はバッテリーを併設してお り、毎日 3 時〜18 時までは太陽光とバッテリーのみで電力を供給している。それ以外の時間帯は ディーゼル発電機を稼働している。太陽光+バッテリーシステムとディーゼル発電機の切り替え は手動で行っている。バッテリーシステムには鉛蓄電池を使用しているが、水量を 3 日毎にチェ ックしておりメンテナンスも行き届いている。太陽光発電施設のモデルケースとして見学者も多 い。 本発電所も、太陽光+バッテリーシステムとディーゼル発電機のハイブリッド発電システムで はあるが、本調査で提案しているシステムとは全く異なるシステムであった。 図 図図 図 3.7 Bunaken 太陽光発電設備太陽光発電設備太陽光発電設備太陽光発電設備3.3.2. 3.3.2.3.3.2.
3.3.2. 本本本システムが本システムがシステムがシステムが関連関連関連する関連するするする FeedFeedFeedFeed----in Tariffin Tariff やin Tariffin Tariffやや排出係数や排出係数排出係数排出係数ななどのななどのどの情報どの情報情報収集情報収集収集収集 1) Feed-in Tariff インドネシアでは、2009 年から Feed-in Tariff 制度が導入され、PLN は再生可能エネルギーの購入 義務を負うこととなった。Feed-in Tariff 制度の導入目的としては、以下が挙げられている。 インドネシア全土における再生可能エネルギー導入量の拡大 再生可能エネルギーへの投資の促進 再生可能エネルギー産業の成長および雇用の創出 電化率の向上(特に離島や僻地) 2012年 11 月現在の買取価格を表 3.3 に示す。インドネシア政府は、水力、バイオマス、地熱の 3 つ の発電電力に対して、PLN に買取義務を課している。更に、2013 年初頭には太陽光および風力への拡 張が検討されている。なお、地熱を除いて、発電出力 10MW 以下は固定買取価格であるが、10MW を 超える場合は PLN との交渉価格となる。 また、電力購入契約(PPA)期間は 15 年×2 期の 30 年となっているが、2 期目の買取水準はその時の 状況に応じて決められる事となっている。 2012年 11 月の第 3 回現地調査において、PLN やエネルギー鉱物資源省(MEMR)/NREEC から も、太陽光発電が含まれた新しい Feed-in Tariff 制度が近々決定されるとの情報を得た。インドネシア政 府は、海外の太陽光パネルメーカーから調達する場合の買取価格を約 2500Rp/kWh、国内の太陽光パ ネルメーカーの製品を使う場合は約 2800Rp/kWh 程度で検討を進めており、他の再生可能エネルギー と比較して、最も高くなる見通しとなっている。なお、立地係数(Location Factor)は従来通り乗じられる 見込みである。本事業では日本製の太陽光パネル導入を計画しているため、約 2500 Rp/kWh が適用さ れることになる。 2) グリッド排出係数 第 1 回~第 3 回の現地調査において、排出係数を扱う機関および精通する機関と面談し、情報収集と 意見交換を行った。具体的な訪問先を以下に示す。 MEMR下の NREEC(新・再生エネルギー・省エネルギー局) MEMR下の DGE(エネルギー局) BPPT(面談者は CDM Facilitator) SUAR(DOE となるべく UN 申請中) MRV方法論における算定方法オプションおよびグリッド排出係数のデフォルト値(大規模グリッド:政府 公表値、小規模グリッド:0.8 tCO2/MWh)を利用することの妥当性および保守性について議論し、問題な い旨の意見を得た。 また、排出係数を求めるための個別の発電データは、PLN からの入手は困難であり、IPP の場合はな おさら困難なものとなるため、方法論の簡略化の意味でもデフォルト値の使用が推奨された。 なお、グリッド排出係数は、最終的にはインドネシア国家気候変動評議会 NCCC(DNPI)が承認する ものだが、データ自体は MEMR/DGE が作成している。
表 表 表 表 3.3 インドネシアのインドネシアのインドネシアのインドネシアの Feed-in Tariff 制度制度制度(制度(2012 年(( 年年 11 月現在年 月現在月現在)月現在))) 発電種別 FIT 単位 連系方式 立地係数(電力購入場所による) 備考 水力(10MW 以下) 656 × F Rp/kWh 中圧 F = 1 Jawa, Bali F = 1.2 Sumatera, Sulawesi F = 1.3 Kalimantan, Nusa Tenggara F = 1.5 Maluku, Papua
Ministerial Regulation No. 04/2012 注: 低圧 380V/220V 中圧 20kV 高圧 150kV 1,004 × F Rp/kWh 低圧 バイオマス(10 MW 以下) 通常のバイオマスおよびバイオガス
975 × F Rp/kWh 中圧 F = 1 Jawa, Madura, Bali, Sumatera F = 1.2 Sulawesi, Kalimantan, Nusa Tenggara F = 1.3 Maluku, Papua 1,325 × F Rp/kWh 低圧 バイオマス(10 MW 以下) 都市ごみのガス化、嫌気発酵処理 1,050 Rp/kWh 中圧 1,398 Rp/kWh 低圧 バイオマス(10 MW 以下) 都市ごみ埋立地のメタンガス利用 850 Rp/kWh 中圧 1,198 Rp/kWh 低圧
地熱 10 Cents US$/kWh 高圧 Sumatera
11.5 Cents US$/kWh 中圧
11 Cents US$/kWh 高圧 Java, Madura, Bali 12.5 Cents US$/kWh 中圧
12 Cents US$/kWh 高圧 South Sulawesi, West Sulawesi, South East 13.5 Cents US$/kWh 中圧
13 Cents US$/kWh 高圧 North Sulawesi, Central Sulawesi, Gorontalo 14.5 Cents US$/kWh 中圧
15 Cents US$/kWh 高圧 Nusa Tenggara 16.5 Cents US$/kWh 中圧
17 Cents US$/kWh 高圧 Maluku, Papua 18.5 Cents US$/kWh 中圧
太陽光 検討中 国内メーカ 2500Rp/kWh、海外
メーカ 2800Rp/kWh で検討中
風力 検討中
3.3.3. 3.3.3.3.3.3. 3.3.3. 対象地域対象地域対象地域の対象地域ののの現況把握現況把握現況把握 現況把握 1) ニアス島の概況と気候情報 ニアス島の概況と気候情報を表表表 3333....4444 にまとめた。ニアス島の Gunungsitoli 気象観測所でのヒアリングに表 て、ニアス島はほぼ赤道上に位置し、乾季と雨季があるが、島内では北部の方が日照条件に優れている との情報が得られた。 また、2004 年末のスマトラ島沖地震、2005 年 3 月のニアス島沖地震により甚大な被害を受け、特に北 西端および西海岸を襲った津波の影響は、今も色濃く残っている。 表 表表 表 3.4 ニアスニアスニアスニアス島島島の島ののの概況概況(概況概況(((2010 年年年年)))) 項目 数値 面積 5,500 km2 人口 約 76 万人 降水量(年間) 3,022 mm 降雨日数(年間) 254日 平均日照率 49% 雨季の平均日照率 28% 相対湿度 87 - 92 %RH 平均気温 20.8°C 平均最高気温 30.7°C 平均風速 4~5 knot/時 (出所)PLN 北スマトラ