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平成 29 年 3 月 27 日 ( 月 ) 平成 28 年度第 4 回中国研究会速記録 於財務省第 1 会議室 ( 西 456) 財務総合政策研究所国際交流課

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平成29年3月27日(月)

平成28年度第4回中国研究会速記録

於 財務省 第1会議室(西456)

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午後2時00分開会 ○長房国際交流課長 では、時間になりましたので、ただいまより財総研平成28年度第4 回中国研究会を開催いたします。 あらかじめのお断りでございます。本研究会でご議論いただきました内容につきまして は、発言をいただいた皆様のご了解を得た上で議事録として取りまとめまして、当研究所 のホームページに発表資料とともに公開する予定でございます。 それでは、ここから議事進行を國分座長にお願いしたいと思います。座長、よろしくお 願いいたします。 ○國分座長 今回が第4回目ということで、今年度の最終回となります。 本日のテーマは、外交、政治、日中関係であり、まず初めに早稲田大学の教育・総合科 学学術院の青山瑠妙教授に報告をいただき、その後、私が報告をさせていただきます。そ れぞれご報告いただいて、その後質疑応答を行いたいと思います。それでは、まず初めに 青山教授から「中国の外交戦略」というタイトルで発表をお願いします。 ○青山教授 早稲田大学の青山と申します。本日はこのような機会をいただきまして、誠 にありがとうございます。 いただいたお題は「中国の外交戦略」なのですが、そもそも中国に外交戦略があるかど うかというのは、中国自身も恐らく答えられない問題になります。しかし、実際、中国の 対外行動を一つ一つ丁寧にひもといていくと、中国の対外戦略のようなものが浮かび上が ってくる可能性もあります。ですので、本日は直近の中国の外交行動についてお話しさせ ていただき、その中から中国の対外戦略の動きや特徴について、私なりの見解をご紹介さ せていただければと思っております。 まず中国にとって2017年というのは、非常に重要な1年であるということを指摘する必 要があります。中国党・政府の文献において多く出てくる言葉は、一つの国家、一つの政 党、一つの核心というものであり、これは中国の至上の課題として掲げられています。一 つの国家というのはご承知のとおり、現在、台湾、香港で、中国は難しい局面に直面して います。一つの政党というのは、中国共産党のガバナンス能力、そして、政権をどのよう に維持していくのかという課題になります。一つの核心というのは、習近平が今後、どれ

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だけ党内の支持基盤を固めることができるのかということです。中国はこの3つを至上の 政策課題として掲げていて、習近平自身も2017年1月の冒頭の発言においては、2017年は 我が党と国家の歴史上において特別に重要な意味を持つ1年であり、そして、その中でも、 国家政治安全の確保、特に政権の安全、制度の安全を第一に据えなければならないと発言 しています。 中国の党大会が今年の秋に予定されており、それに向けて中国国内政治はかなり流動的 な部分があります。私は在外研究でアメリカから戻ってきたばかりですが、アメリカで中 国の外交を語る際には、スタビリティという言葉がずっと言われており、要は中国の今年 の政権運営上のキーワードは安定と言われています。しかし、安定イコール中国の対外政 策がソフト路線に転じるということではないということも、我々が中国を考える上で念頭 に入れる必要があるのではないかと思います。 つまり、中国国内において、習近平政権の業績として挙げられているものは、1つは反 腐敗、もう1つは外交。習近平政権からすると、外交では大きな成果をおさめている。で すので、今年も外交の成果を示す必要があり、そうした中で、多分、強硬な部分と柔軟な 部分、譲歩する部分と譲歩しない部分、2つの可能性を同時に持ち合わせ、今後の外交を 運営していくのではないかと個人的には思います。しかし、安定を重視するとはいえ、結 局、現政権にとっては、重要な問題において譲歩する可能性は極めて小さいのではないか と思います。 今、世界の国際情勢が大きく変化していまして、ヨーロッパにしても、アメリカにして も、アジアにしても、大きな変化が見られますが、中国から見たときには、現在、中国を 取り巻く国際環境に関して、中国にとって重要な変化は2つあるのではないかと思います。 1つ目の変化は、オバマ政権からトランプ政権への移行です。オバマ政権の対中政策で は、戦略的再保証というものが1つのキーワードになって対中外交が展開されていました。 要は、中国と海洋問題、あるいはほかの問題において、対立しながらも同時に中国との協 調関係も構築していくというのがオバマ政権のスタンスです。そういう意味では、オバマ 政権で米中関係を考えたときに、シンボリック的に指摘され、よく米中両国が言っている

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成果は2つあります。1つは温暖化問題において、米中が協調して協力してやってきたこ とです。もう1つは、メディアでそこまで取り上げられていないのですけれども、サイバ ー攻撃の問題です。これはシンボリックな政策としては前面に打ち出してはいないのです けれども、サイバー問題に関し、米中両国の間では事務レベルにおける交渉を通じ、中国 からある程度の譲歩は得られたとされており、これは米中両国が前面に押し出している、 いわゆるシンボリック的な成果であります。 また、海洋問題において中国は2012年に防空識別圏を設置したり、その後、南シナ海に おいて人工島の埋め立てを強硬に推し進めていたり、航行の自由作戦をめぐって、中国と アメリカは相当対立しているということなのですけれども、オバマ政権の米中関係で考え たときに、オバマ政権の戦略的再保証は、2つの意味で成功していません。1つは、そも そもアメリカの国内においては、中国に戦略的再保証を与えても、中国のこれまでの対外 政策が変わるという保証はどこにもない。しかも、恐らく変化していないという、アメリ カ国内のフラストレーションが結構高まっていた。そうした中で、オバマ政権、あるいは クリントン政権からアメリカ政府が採択してきた中国に対する関与政策は失敗したではな いかという議論につながっていくわけです。 もう一つは、中国が安心できていないことが挙げられます。中国はそこまで戦略的に保 証されていると思っていないので、中国の対外行動は何一つ変わっていません。そこで、 ポストオバマ政権に期待を寄せていたところ、出てきたのはトランプ政権でした。 トランプ政権の対中政策に関しては、現段階において、評価を下すのは非常に難しい。 他方、台湾問題などでいろいろ問題がありましたけれども、既定路線には戻りつつあるよ うな気はします。ただ、例えば国務長官や国防長官の構成から言うと、トランプ政権は対 中政策に関しては、恐らく中国の軍事的拡張には毅然とした態度、そして強硬に対抗して いく可能性もあります。ただし、アメリカ国内において、トランプ自身に政権運営の能力 がどこまであるのか、中東の問題がどのように動くのか、北朝鮮の問題がどのように動く のか、それによって対中政策が相当変化する可能性があります。このように、米中関係に 関しては非常に不確実的な部分が多く、中国は、現在は静観、非常に冷静に対応している という状況です。

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もう1つの変化として、中国を取り巻く国際環境は、中国からすると非常に悪化してい ることが挙げられます。例を挙げますと、THAADの問題があります。中国は韓国に対 しても非常に強圧的な行動に出ていますが、その背景には、中国からみて、中国を取り巻 く国際環境が非常に悪化しているという危機意識が強くあります。中国からすると、1980 年代のレーガン政権でアメリカが打ち出したスターウォーズ計画が旧ソ連に与える影響と 同じようなインパクトを、恐らく現在のTHAADが中国に対して与えているのではない でしょうか。中国が一番危機意識を持っているのは、THAADのドミノ効果です。韓国 の次は日本だったり、東南アジア諸国であったり、THAADがいろいろな国で導入され てしまうと、中国としては、自国を取り巻く国際環境が悪化してしまうという懸念が強ま っています。よって、中国は、現在、特にオバマ政権からトランプ政権に変化した現段階 においては、中国を取り巻く国際環境が著しく悪化していると認識しています。 冷戦後における中国の対外戦略は、常に4層構造から成り立っていますが、米中関係は 中国にとって格別に重要であり、中国は恐らく対米関係に関しては妥協を見せつつも、協 力の関係をどうにか構築していきたいという政策をとるのではないかと思います。 アジア外交に関しては、日本との関係、南シナ海の問題がございます。日中関係は國分 先生よりご説明があろうと思いますので、ここでは割愛させていただきます。アジア外交 のもう1つの柱である南シナ海の問題に関しては、現段階において、中国は積極的な外交 を展開しています。1つは、COCの枠組みを中国は昨年から2017年の前半までにまとめ たいというふうに言っており、夏までにどういう成果が得られるのか、まだ不明ではあり ますけれども、中国自身はこの枠組みを2017年中に完了させたいとの意欲を見せています。 アジア外交に関してもう1つ、中国が現在取り組んでいる政策は、メコン川/瀾滄江、 メコン川の上流のうち、中国側の部分は瀾滄江と称されていますけれども、瀾滄江/メコ ン流域の国々との協力関係を再構築するという目的で、瀾滄江とメコン川流域のサミット が昨年中国で開かれました。今後、積極的にこの協力メカニズムを推し進めていくという 形で、中国は現在、アジア外交に関しては積極的な展開を見せています。 多国間協力に関しては、オバマ政権からトランプ政権に移行したということは、中国に とって危機であると同時に、中国からするとチャンスでもあります。今年の中国指導部の

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勉強会において、複数回にわたり取り上げられたテーマは、グローバルガバナンスです。 ですので、中国は今後もグローバルガバナンスにおいてリーダーシップを発揮しようとい うように活動を展開するのではないでしょうか。そうした中で、例えばAIIBだったり、 BRICSだったり、そういった枠組みを利用して、中国は積極的に発信していくのでは ないかと思います。 習近平政権の対外戦略に関しては、その主軸となるのは一帯一路構想です。一帯一路構 想はスタートして3年あまりたっています。中国は、まず2015年に具体的な政策を打ち出 しました。地図を見ていただきたいと思いますけれども、上のほうが英語の地図で、「エ コノミスト」で発表されているものであり、恐らく日本のメディアに関しても、欧米のメ ディアに関しても、このような地図になっているのと思います。実は、2015年5月に中国 が公布した新しい一帯一路構想の具体的な政策の中で、上の陸のルートと下の海のルート に加え、もう1つのルートがつけ加えられました。それは、中国から太平洋島嶼国を結ぶ 新しいルートであり、これは2015年の新しい一帯一路構想の中に含まれていました。以上 から、一帯一路構想は、中国のグローバル戦略として見ることができるのではないかと思 います。 一帯一路構想において、中国の政策、インフラ、貿易は、いろいろなところから注目さ れているのですが、それに加えて中国がさらに重視しているのは、金融面の協力、そして、 民心という言葉を使っていますけれども、シンクタンク間の協力関係の構築にも中国は力 を入れています。シンクタンクに加え、メディアの協力もそこに含まれており、こうした 構想を中国は積極的に展開している。 そもそも一帯一路構想は、海洋問題をめぐって中国が直面している、いわゆる圧力、危 機を軽減させるために、中国の西側、あるいは南側に外交重点をシフトさせたという戦略 的な狙いがあります。現段階における一帯一路構想の中で、中国が昨年あたりから特に重 視して取り組んでいる地域は、中東地域、ヨーロッパの中でも中欧と東欧諸国です。 対外政策は、中国の経済政策ともリンクしています。これは中国では第二の改革開放と も言われていて、中国の西部大開発とセットで、今後、展開していく予定になっています。 中国は昨年、一帯一路に関する中国政府の評価が公表されています。中国からすると、

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一帯一路が打ち出されてから2016年で3年たっています。30あまりの国家と地域が中国と 一帯一路の協力関係を結んでおり、現在、64カ国が一帯一路に参加していると中国は公表 しています。最も一帯一路に協力的だと中国で評価されているのが5カ国ありまして、1 位はロシアであり、85点の点数がつけられています。2位はカザフスタンで81点、3位は タイで74点、4位はパキスタンで72点、5位はインドネシアで71点です。中国からすると、 一帯一路に積極的に協力している国々が存在している一方で、他方において、32カ国との 間の一帯一路に関する協力を今後強化する必要があると言っております。64カ国のうち32 カ国ということなので、要するに半分は、まだ今後さらに展開する必要がある。まだそこ までは進んでいないと中国自身が評価しております。 つまり、一帯一路が進められているが、まだ多くの課題を抱えているといえます。一帯 一路はクリスマスツリーとよく言われているのですけれども、これは、オーナメントをそ こにかければ、一帯一路のプロジェクトになる。だから、何でも一帯一路の構想の一部に なれると批判されているのですが、そもそも一帯一路の対象エリアは政治的なリスクをは らんでいるところであったり、インフラ建設に関して経済的に生産性がとれないところで もあったりします。中国から言えば、自国の経済が減速しており、また資本流出もなかな か止まらない状況にありますので、そうした中で、一帯一路構想は大きな課題も抱えてい ます。 習近平の対外政策をどのように見ることができるのかについて触れますと、私は「ミダ スの手」と表現しています。「ミダスの手」というのは、習近平が触れたところが金にな るということであり、つまり、習近平の外遊によって、そこで一帯一路に関し、中国とそ の国との関係が進むということです。ただし、中国の国内において、反腐敗キャンペーン が進行している中、結局、胡錦濤政権と違い、国内、特に地方に関して、積極的に一帯一 路にかかわるという姿勢がなかなか見られないという状況です。よって、一帯一路は、結 局、習近平自身によって大きく前進したり、あるいは習近平が行かないところはなかなか 前進しないという状況です。 習近平政権の対外政策に関して、よく議論になる大きな問題は、中国の対外政策は習近 平政権になってから強硬になったのか、それとも、そもそも胡錦濤政権の時代から中国の

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対外政策はすでに強硬に転じていたのかという問題です。つまり、中国の対外政策は習近 平政権になってから強硬になったと見るならば、それは属人的で一時的なものというふう に見ることができるのですけれども、他方、もし胡錦濤政権の時代からそういった兆候が 見られると捉えるならば、中国の対外政策、あるいは中国の政治の中で、現在の強硬的な 姿勢が内包されているというような認識につながるわけです。 中国の対外政策における転換点を捉えることは、中国の今の対外政策を観察する上で非 常に難しいことです。中国の対外政策を見ると、海洋政策に関しても一定の連続性があり、 習近平の現在の対外政策の土台は、全て胡錦濤時代に構築されていると見ることができる のではないかと思います。ただし、習近平政権になってから、中国の対外政策を中国の言 葉で表現するならば、より積極的になったと言っているのですけれども、これまで胡錦濤 政権では躊躇してきた政策を、習近平政権になってから大胆に採用することになったとい う側面もあります。例えばジブチで、中国の初めての海外での軍事拠点を今現在、建築中 ですが、胡錦濤政権の時代においては、海外で軍事拠点を構築するということは相当躊躇 していた部分がありました。それが習近平政権になってから、大胆にそういった政策に転 じたと見ることができます。 ですので、中国の今後の対外政策の方向性は、恐らく経済的には対外開放というものを 引き続き重視していく。いわゆるグローバリズムというものを引き続き主張する、そのス タンスには恐らく変化はないのではないかと思います。しかし政治的には、共産党政権を 今後も固持し続けて、強化していくことになります。軍事的には、今後も中国は軍の建設 に力を注ぐという形にはなると思います。経済的にはリベラル、政治的には民主化という 流れをとるという、西側諸国が望んでいる方向性にはなりません。むしろ経済的には開放 していくのですけれども、政治的には共産党政権を固持する。軍事的にも、中国も今後、 力を入れるという流れになるのではないかと思います。 最後に、世界情勢に関して一言触れさせていただきますと、アジアに関しては、恐らく 3つのピボットが存在していたのではないかと思います。オバマ政権に関しては、アジア 回帰という政策が採択されていた。これがトランプ政権になってから、TPPについての 希望はないとは思いますが、軍事同盟については、日本との同盟関係を相当重視するとい

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う姿勢を、今後はとるのではないかと思います。このアメリカのアジアピボットという問 題に加え、中央アジア、ヨーロッパ、アラブ諸国、アフリカの、中国の一帯一路の動きと 関連した、中国の西側を重視するピボットと、さらにロシアが特にウクライナ問題を契機 として、アジア重視という姿勢も顕著に見られるようになったことによるロシアのアジア ピボットというものもどのように展開するのか。この3つのピボットが今後、どのように 展開するのかということが、アジアの今後の地域情勢を大きく左右するのではないかと思 います。 私に与えられた30分が参りましたので、以上とさせていただきます。ありがとうござい ました。 ○國分座長 どうもありがとうございました。 それでは、議論を行いたいと思います。関委員からお願いします。 ○関委員 3つお伺いします。1つ目は、外交の面においては、中国は譲歩できるものと できないものがあると。中国側の立場に立ちますと、中国の核心的利益に触れるかどうか というのが分かれ目になるかと思いますが、現段階で中国の言う核心的利益は具体的にど のようなものなのか、または、前政権と比べ、何か変わるところがあるかないかというこ とを確認したいと思います。 2つ目、米中関係に関しては、よく新政権が誕生してから、政権前半には中国には強硬 策をとるのだけれども、後半になると、財界の声が高まるせいなのか、経済利益重視とい う形で軟化する。これは共和党なのか民主党なのかは関係なく、大体繰り返されるという 説がありまして、今回のトランプ政権もそのまま当てはまるかどうか。 3つ目は、習近平政権になってから、オバマ大統領に対して新型大国関係を提案しまし た。一説によると、アメリカはあまり乗る気がなくて、中国の片思いで終わってしまった と言われました。しかし、先日の米国務長官が訪中した際、「アメリカ側が使っている表 現は、中国が提案する新型大国関係と極めて似ている」と中国側が報道しています。今の トランプ政権の対中関係においては、新型大国関係についてどう考えているのか、もしわ かったら教えていただきたいと思います。 ○内藤委員 いろいろとありがとうございました。特に一帯一路構想について少し伺いた

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いのですが、先ほどのご報告の中では、中国から見た一帯一路、あるいは中国にとっての 一帯一路という話を多くお聞かせいただいたのですが、一方で、周辺国、関係国からみた 一帯一路の現時点の評価、そして対応状況ということについて教えていただきたいと思い ます。例えば投資効率の悪さや、採算性の悪さなども既に指摘されていますが、中国と今 後、緊密な関係を築く上で本当にこのままでいいのかというところについては、かなり問 題が出てきていると思いますが、関係国、周辺国の受けとめ方や対応について教えていた だきたいというのが1点です。次に、ロシア、カザフスタン等々、一帯一路に関する中国 の評価・順位がつけられているということですけれども、主にどういったことを根拠にこ の点数がついているのかな、という点にも少し興味があったものですから、もしわかれば 教えてください。 それから、一帯一路との関係性で言えば、AIIBの位置づけが興味深いです。一帯一 路を今後AIIBとどのようにリンクさせていくのかについて、私自身も非常に興味を持 っています。一帯一路とAIIBとの関係と、それに対する国内の関係部署、例えば財政 部の立場や、人民銀行の立場について、それぞれの政策によって一帯一路とAIIBの関 係にも微妙に影響があると思いますけれども、その辺についてももし現時点でわかること があれば教えていただければと思います。 ○高原委員 大変明瞭なご説明でわかりやすく、どうもありがとうございました。 2つお伺いしたいのですが、1つは、今後の行動についてはどういうことが考えられる かということです。外交戦略があるかないか、なかなか中国人自身もわからないというこ ともおっしゃったのですけれども、今後数年間に、特に海洋方面ということになりますが、 何を狙って、何をする可能性があるのかということについて教えていただきたい。これが 第1点です。 第2点としましては、経済を含む内政と対外政策の関係について、どのように見ていら っしゃるのか。一帯一路との関連で経済の減速が大きな課題となっているというお話があ ったのですけれども、経済の減速が対外政策全般に対してどのような影響を及ぼすのかと いうことを伺いたいと思います。 ○國分座長 それでは、ここまでで一旦お答えいただいてよろしいでしょうか。

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○青山教授 ご質問ありがとうございました。非常に難しい質問で、お答えできるかどう かわかりませんが、まず関先生からのご質問についてお話いたします。中国の核心利益と は何かということなのですが、これは実は非常に重要な問題です。私自身も中国の文章、 「人民日報」であったり、トップの発言であったり、「解放軍報」だったり、いろいろと 調べましたけれども、いろいろなバージョンがありました。ということは、結局、中国政 府の中では、核心利益とは何かという質問について明確な答えは出していないということ になるのではないかと思います。そうすると、相当厄介な問題でして、中国と接触したと き、交渉するときに、これが核心問題といきなり言われると、核心問題になってしまう、 核心利益になってしまうという可能性があります。 ただ、他方において、核心利益に確実に含まれるものとして、全てのバージョンに共通 している要素もあります。それが1つは、台湾、香港と、チベットと新疆というのは本当 は別個の問題ですけれども、中国の文脈で語られたときには同じであり、いわゆる国の統 一という問題がございます。2番目に核心利益として挙げられているのは、海洋問題、領 土の問題がよく言われています。3番目は、もしかすると中国にとって一番重要かもしれ ないのですが、政権を認めてもらうこと。つまり、中国共産党の正統性を認めるというこ とが、特に習近平体制になってから、強調されるようになりました。ですので、多分その 3つ―3つといっても、恐らく4つ、香港、台湾と、民族と、海洋問題、領土問題と、中 国共産党の政権の問題という4つになるのではないかと思います。 米中関係ですけれども、おっしゃるとおり、前半は結構対立する、後半になると経済利 益重視というパターンがあります。これまでの流れで見ると、そういった流れはあるかも しれないのですが、実はオバマ政権の終わりごろになると、財界の中から中国に対する批 判の声が上がっていました。中国の国営企業に対して優遇政策を与えていて、中国国内で 外国の企業の活動が制限されたり、差別されるといった問題は、オバマ政権の後半あたり から相当指摘されています。トランプ政権になってからまだ100日もたっておらず、なか なか今後のことは予測しづらいところはありますが、現在の流れに関しては、恐らく財界 の中国への不満が引き続き残っているということと、中国に対して経済的な不満で言えば、 中国のアメリカでの投資の問題、例えば買収の問題をもう少し精査する必要があるという

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ことがあります。アメリカの国益を損なわない形で、中国のアメリカでの投資がなってい るかどうかといった問題があります。 ただ、トランプ自身が選挙中に、中国の為替レートの問題や、貿易赤字の問題に関して は、相当強く批判しているので、今後は選挙中に行ってきた批判をどういう形で政策に反 映していくのかという問題もあります。中国からすると、現段階においてはアメリカとの 貿易戦争を警戒しており、アメリカとの貿易戦争になった場合は、双方にとって不利益に なると、李克強総理も何回も何回も、外遊先でも中国国内においても繰り返し言っていま す。この問題はどこまで今後続くかわからないのですが、恐らくトランプ政権の前半に関 しては、米中の貿易問題からは目が離せないのではないかなと思います。恐らく経済問題 は関先生のほうが詳しいと思いますので、もし間違えていたらぜひご指摘いただければと 思います。 3番目に、新型大国関係の問題です。確かにオバマ政権において、アメリカは新型大国 関係という言葉をほとんど取り合わない形で米中関係を推し進めてきたという経緯があり ます。今回のアメリカの国務長官の訪中に関して、相互の利益を尊重する、対立しないと いった、中国自身が米中関係についてよく言っているキーワードをアメリカがそのまま使 用したということで、実は、アメリカから相当批判が出てきています。つまり、国務長官 が中国に譲歩し過ぎということで相当批判が上がっているのです。オバマ政権も当初、中 国の核心利益を尊重するという一文を米中の共同文書に書き加えたという経緯があり、そ の後、アメリカ国内からの批判に対応する形で、その後は核心的利益を尊重するという一 文を入れないようにしました。ですので、トランプ政権は、今回はそういった形で新型大 国関係に似たような言葉を共同文書に入れたとはいえ、今後も引き続き入れるかどうかは、 まだ見ていく必要があるかもしれません。 内藤先生からのご質問で、一帯一路に関して、周辺諸国の受けとめ方はどうなのかとい うことなのですが、一帯一路はアフリカまで拡大されているので、恐らく中国の投資に関 しては歓迎するという傾向があります。しかし、中国の投資に関して、さまざまな意味に おいて批判もそれぞれの国から出ているということも事実です。そもそも採算性の問題が あり、2番目に環境への配慮は十分なされているのか、例えば中央ヨーロッパや東欧諸国

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の中で、EUに加盟している国もありますので、そうした中国との協定に関しては、EU の投資協定には合致しているかどうかといった問題がありまして、それぞれの国で共通し た課題はというところまではいっていないと思いますが、いろいろな国からいろいろな批 判売阿クレームが出ているというのも事実でございます。 中国側の点数はどのようにつけられたのか、正直よくわかりませんが、ただ、ロシアに 関して言えば、中国がよく言っているのは、ロシアのユーラシア経済同盟と中国の一帯一 路とを結合した形で、共同で推し進めていくという文言が上海協力機構のサミットの文書 の中に明示されています。中国は、今後はロシアと中国が共同でユーラシア経済同盟と一 帯一路を推し進めていくという点を評価して、ロシアを高く評価しているのではないかと 推測いたします。しかし、ユーラシア経済同盟は経済ブロックを築き上げようとしている ものでして、一帯一路はコネクティビティ、つまりルートそのものを構築するということ に力点が置かれていますので、2つの構想が本当に結合できるかどうかという根本的な問 題があります。ただ、中国としては、政治的かつシンボリック的な意味を重視していて、 ロシアを高く評価しているのではないかと思います。 AIIBと一帯一路との関係なのですが、恐らく関係していると思います。特にAII Bと一帯一路の構想がほぼ同じ時期に公表されているので、もともとの構想の中では、相 当リンクした形で動いていましたけれども、ただし、現段階においては、AIIBに関し ては、中国の主導のもとで設立された国際機関であるとはいえ、中国の一存で全てのプロ ジェクトを決めることができるというわけではないので、AIIBと一帯一路が完全にリ ンクした形で動くということは恐らく難しい。中国の一帯一路に関しては、中国国内に設 置されている新シルクロード基金というものがございまして、主にそこの運用で一帯一路 を動かしていくのではないかと思います。 高原先生の質問ですが、今後の中国の行動ですが、恐らく既定路線でいくと思います。 海洋問題に関しては、どこまで拡張するのかというのは、予測するのは非常に難しいので すが、国連海洋法条約の問題だったり、国際法に関してグレーゾーンの分野においては、 中国は今後、譲歩しないでしょう。引き続き強硬な姿勢をとるのではないかと思います。 だから、国際法、あるいは国連海洋法条約で相当に明確な基準があった部分に関しては、

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そこまで強く出ることはないと思います。ただし、グレーゾーンの部分に関しては、中国 は引き続き強硬に出るのではないかと思います。グレーゾーンに関しては、いわゆるEE Zの中で軍事行動ができるのかどうかというところ、そしてドローンは国連海洋法条約あ るいは国際法においてどのように扱うのかといった分野に関しては、中国は譲歩せずに今 後も行動していくのではないかとは思います。 2 番 目 に 、 経 済 原 則 が 一 帯 一 路 の 中 で ど の よ う に 作 用 す る の か と い う ご 質 問 で し た が・・ ○高原委員 経済を含めた内政が対外政策にどう影響するのかということですね。一帯一 路に限りません。 ○青山教授 経済を含めた内政に関しては、恐らく胡錦濤政権においては非常に明確であ り、これは地方政府の動きや、大手の国有企業の動きを見ればいいと思います。ただ、習 近平体制になってから、いろいろな意味で中国国内の行政が麻痺していて、そこまで活発 に動いていないように思います。なので、地方政府の対外活動に関して、経済的なインセ ンティブはそこまで現段階においては強く作用していないのではないかと思います。ただ、 国有企業に関しては、それも中国では習近平・李克強体制においては、国有企業の改編を 現在推し進めているので、改編後はどういう展開になるかよくわかりません。注目すべき ところは、今の国有企業の再編と改編の動きが成功できるかどうかであり、それによって、 今後、中国の一帯一路、あるいは対外活動にどのようにコミットするのかということを見 るしかないのかもしれません。 ○國分座長 瀬口委員、質問をお願いします。 ○瀬口委員 今、アメリカの中で短期的に一番心配されているのは北朝鮮の問題ではない かと思います。この問題が譲歩可能な重要課題なのか、譲歩が難しい重要課題なのかによ って、米中の反応がガラッと変わる可能性がある。特にもうじき行われると言われている 首脳会談で、中国が譲歩しない場合には、米中関係が最初から暗礁に乗り上げる可能性が あり、このリスクを中国はどのように判断するのか。その辺についてどのように見ていら っしゃるのか。これが譲歩可能という問題に入り得るのかどうかというところについてお 伺いしたいと思います。

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○青山教授 北朝鮮問題に関しては、確かにアメリカにおいてはアジア情勢の中で一番注 目されている問題でして、結論から申し上げますと、恐らく中国はある程度譲歩するとは 思います。ある程度という限定つきではありますけれども。それはなぜかというと、中国 に関しては、今の安全保障環境を一番悪化させているのはTHAADの問題でして、TH AADの配置に関しての引き金、あるいは口実を与えているのは、北朝鮮のミサイル発射、 核開発の問題です。中国からすると、THAADが中国にとって一番重要な問題でして、 そこで北朝鮮に対しては、ある程度圧力をかけることになるのではないか、あるいは、ア メリカにある程度譲歩する余地があるのではないかとは思います。 ○國分座長 よろしいでしょうか。 それでは、今、議論にあったような内容も含め、私が報告させていただきます。先ほど あった核心的利益の問題は昔から議論になっています。中国は、自国の利益を語るときは 核心がたくさんあるのですが、ただ、「核心」というのは本来は一つなのです。今回、習 近平を政治の「核心」として位置づけましたが、それは唯一のリーダーという意味ですね。 さて、中国の現状を理解する方法はいろいろあると思いますけれども、何といっても政 治が重要です。権力維持、私はこれが究極の核心的利益だと思います。つまり主権や独立、 そして政治体制も含めた政権の維持、そこが核心的利益だと私は一貫して思っております。 その観点からすると、台湾、チベット、南シナ海、東シナ海なども入るのです。 その政治体制の安定化のために経済成長があるということだと思います。経済成長があ るということがどのように成り立つのかというと、従来は国際協調路線という形で外交を できるだけ開放していくということでやってきた。つまり、核心利益としての現体制の維 持が基本であり、結局、内政が全てに優先する。内政の延長線上に外交があるのだろうと 私は一貫して思っています。 問題は、今言ったようなバランスが崩れかけているというのが現状ではないかと思って います。経済成長があるという前提でこのバランスが成り立っていた。経済成長によって 政権の安定性を保つ、政権の正統性がある。このような考え方が始まったのが1992年の社 会主義市場経済ですが、これを一言で言うと、共産党独裁による市場経済です。つまり政 治の介入を認めた形の市場経済ということになります。中国自身がまだ発展途上国である

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という前提と、だからこそ経済成長が十分にこれからあり得るのだと、そしてそれは開放 することによって可能なのだと、これが鄧小平路線だったのです。 ところが、現在、鄧小平という名前がほとんど出てきません。もちろん社会主義市場経 済という言葉もあまり出ないのですが、これは実質的に鄧小平路線の終えんではないかと 思います。中国はもはや発展途上国ではないというのと、経済成長を前提にした権力の正 統性というか、つまり社会主義市場経済というのはいろいろな点で限界にきているわけで あります。当初は中国を成長させるのに非常に有効でした。中国は発展途上国であり、開 放することで先進的なものを入れることによって経済成長を遂げていくのだという形で、 改革開放を進化させたのであります。ただ、そこにあった半面は閉じたわけですね。それ が政治面で、政治の民主化は後回しにするということだったのです。 ただ、共産党が政治指導する市場経済ですから、それが結局、政治腐敗を生んできまし た。かつてもこれをどうするかという問題になったのですが、江沢民時代に政治腐敗がさ らに拡大してしまった。共産党の幹部がほとんど赤いブルジョワのようになっていく中で、 この人たちも人民の一部だという形で、江沢民時代に「三つの代表」という概念を出しま したが、それが政治腐敗をさらに進める結果になった。党の独裁体制、政治独裁をやるこ とで、市場経済プロセスの中に徐々に問題をはらんできたのだと思います。つまり、政治 が経済の健全な発展を阻害するという要素が出てきたわけです。その最大のネックになっ ている問題が共産党そのものです。その共産党をどうするかというテーマに、習近平政権 が直面しているということになるのです。 本来は、党と政府、党と国家というのは分離するべきです。普通の国家では、言うまで もなく党が肥大化して政治体制の最上位に行くようなことはありえず、国や政府が上に来 て、憲法体制を維持していくという形態です。これが中国の場合、結局、天安門事件で失 敗したわけです。80年代にこういう考え方はかなり出ていましたが、結局、失敗しました。 問題は、どうやって普通の国家体制に持っていくかです。習政権も共産党が腐敗している ということを認めているだけではなく、相当深刻な問題を持っていると認識しているよう です。 6中全会が昨年秋にありましたが、そこで習近平が信じられないほど赤裸々に共産党に

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対する批判を展開し、一言で言えば、共産党がいかに腐っているか、それを延々と公に語 っていました。形容する言葉がほかにないぐらい、つまり政党の体をなしていないという ことを事実上、去年の6中全会で認めていました。反腐敗闘争の目的というのはそこにあ るわけで、共産党そのものが問題組織である以上、これをどうするかということは、まさ に「依法治国論」だったわけですね。依法治国というのは、法によって国を治める。つま り依法治国論の最大のターゲットは共産党であって、法によって党を縛る。法というのは 何かというと、もともと憲法体制ですから、国家の重要性が出てくるわけです。習近平は 「4つの全面」という標語を多用しますが、この中にもある「依法治国」、つまり党をど うやって取り締まるかという問題が本質的にあるわけです。これに関連して国家監察委員 会をつくるという話が出ていますけれども、これも国家の側です。つまり、党の中央規律 検査委員会の中ではもう腐敗を撲滅できない。つまり自助努力ではできない。 このような習近平のやり方というのは、ある意味では政治改革の一歩のようにも見える のですが、これを進めるためには権力がないとどうしようもないわけです。権力がないと 何もできないということは、胡錦濤時代にまさに典型的に示されました。胡錦濤が徹底的 に江沢民派にいじめられたのは周知の事実です。結局、習近平は胡錦濤時代のような集団 指導制をやったら大変なことになる、また邪魔されるということで、彼はとにかく最初か ら江沢民派を中心とした既得権益グループに対して攻撃を仕掛けた。そのときに習近平は、 胡錦濤、李克強などと組んだわけです。これで江沢民派をある程度、例えば周永康や、薄 熙来や、軍の長老などを叩いてきたわけです。ところが、それが大体勝負がついてきたか という瞬間に、今度は組んできた習近平が胡錦濤、李克強とおかしくなってきた。おかし くなってきたというのは、恐らく政策的な内容ではなくて、19回党大会以降へ向けた権力 の配置、人事の配置、それをめぐって起こっているということだと思います。結局、権力 を固めないと何もできないという中国政治の現実です。 これがなぜ大事かというと、実は毛沢東が文化大革命でやったことと全く同じなのです。 習近平が最初に戦ったのは、特に宣伝機構と公安と軍です。ここを潰さないと、中国の権 力機構の中枢はとれないのです。文化大革命のときもここを最初に取り合った。ご承知の ように、例えば毛沢東は軍では林彪を登用した。公安も人事を替えた。宣伝機構では毛沢

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東の奥さんの江青などが出てきました。それでも、毛沢東は権力を取り切れず、共産党組 織に食い込めないというので、最終的に学生を動員して紅衛兵運動をやった。これが文化 大革命ですけれども、もちろん習近平は学生動員などとてもできません。もう社会は大き く変わった。全くそういう社会状況ではない。多様化して、多元化して、社会そのものは かなり普通になってきているという状況の中で、動員などできない。そうすると、いわば 反腐敗闘争によって幹部を威圧するという形で、結局、公安を取り合うというのは、そこ が幹部の情報を持っていますから。文化大革命も同じパターンでした。だから、江沢民派 の周永康が仕切っていた公安機構の権力争奪戦が最も熾烈だったのです。 さらに、権力の確立との関連で人民解放軍の改革もやっていますけれども、これも中身 はよくわかりません。陸軍は今、230万人ですけれども、30万人減らす。大変な作業です。 だから、時々デモなどが起こっています。4総部を廃止したということは、従来の総参謀 部や総政治部などいろいろあったのですが、これがなくなってしまったことを意味する。 人民解放軍は一体どこに行ってしまったのだろうと思います。新しく組織替えをして、陸 海空に加えてロケット軍・戦略支援部隊ができました。ロケット軍は特に核とミサイルで すね。どうも見ていると、空軍、ロケット軍、それと戦略支援部隊(宇宙・サイバー)に 力点を置き始めたということで、軍の先取りを始めたということだと思います。 同時に組織を変えて、中央軍事委員会の中を制度化して、15の部局に分けたということ は、もともと国防部の軍事系統は空っぽですから、国防部のような役割を果たしていると いうよりは、多分その上を行くのでしょう。中央軍事委員会は党と国家の両方にあります が、人民解放軍の組織そのものがそちらのほうに移行しているのかなという傾向もちょっ と見えます。ということは、これも推測のまた推測ですが、党の軍隊から少し国軍の側に 変えてきているかなと。人民解放軍は People's Liberation Army ですから、もともと陸 軍なのですが、これを少し変えてきているなという感じがします。

いずれにせよ、先ほど申し上げたように、政治改革の兆候が少しは見えるけれども、党 の独裁体制の基本は依然として何も変わりません。それは習近平の権力確立作業と直結し ています。いずれにしても、この秋の党大会でどういう新布陣になるかというところなの ですが、ただし、今見える姿は、一言で言えば、習近平時代の継続ということだと思いま

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す。李克強さんが全人代で6回ぐらい習近平を「核心」と呼んでいて、習近平大会と言っ てもいいと思いますが、李克強さんも立場上言わざるをえない状況なのだと思います。い ずれにしても、習近平体制を確立するというプロセスにあって、5年かかってもまだ権力 を完全に取り切れていないかなという感じはします。つまり面従腹背というか、皆、自分 の今後のポストがありますから、何も言わない、あるいは黙っている、おべっかを使う、 こういう状況が非常に見えるわけです。 今度は党主席の復活があるとか、そのような議論もちょっと出ていますが、党主席が復 活したら、党がさらに肥大化するわけですから、そのようなことをしてどうするのかなと。 長期的にはプーチン化というか、プーチンは大統領になったり首相になったり、いろいろ やっていますけれども、習も何かこのような形を狙っているなという感じが見えないこと はない。ということで、ポスト習の指導者が誰かはよくわからないし、彼がしばらく自分 でやるということでしょう。 ただし、問題は経済です。これまでこの研究会でもずっと議論してきましたが、大事な ことは経済の鈍化にどう対応するか。成長が鈍化するということは、権力の正統性がなく なるということですから、そうなるともう押さえつけるしかないということを政治上では やっているわけです。中国共産党は歴史の正統性があるのだとか言っても、誰も聞いてく れないような状況になっていますから、そうすると、経済が豊かではないと立ちいかない のです。 た だ し 、 成 長 率 が 6.5% 前 後 を 目 標 と す る と い う 話 で す け れ ど も 、 軍 事 費 に つ い て は 7%前後です。これも実際の数値はよくわかりません。軍事の側面は、中国の場合は全く 聖域であって、これは一貫して毛沢東時代から変わらないと思います。毛沢東時代、文化 大革命の大混乱の最中でも、核開発の部分だけは絶対に聖域で、文革が入るのを阻止しま した。つまり、大国化の志向性は一貫していると考えたほうがいいので、鄧小平ラインだ ろうが、胡錦濤ラインだろうが、一貫しているということではなかろうかと思います。で すから、これからも基本的な傾向は変わらない。しかも軍事的な透明性は、この体制の中 ではほぼ望めない。我々が一番望むのは体制の透明性ですから、そこがあれば、少しでも 我々の懸念は緩和するわけですけれども、今の状況の中ではそれはあり得ないと考えなけ

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ればならない。 中国のニューエコノミーの部分は非常に頑張っています。しかし、国有企業がのさばり 過ぎていて、国有企業の改革が停滞し始めている。停滞し始めている最大の理由は、習近 平政権が既得権益の人たちとある程度妥協していかなくてはいけないということです。い ずれにしても、そこに手をつけていかない限りは、中国の市場経済化というのが進まない ことはわかっています。でも、できない。山積みの問題がここにたくさんありますし、成 長率を上げるために、また最近、住宅バブルが起こってきているようでありますが、それ をどのように制御するのか。 いずれにしても、中国経済の実態そのものには、非常に不透明性があります。この研究 会でも数回、議論をしたと思いますけれども、外貨が激減しているという状況ですね。3 兆ドル台だったのが2兆ドル前後になってしまった。これはどうしてかと言われれば、人 民元の下落を防止するためであるのと、また海外への流出も激しいということです。変動 相場制も、とても今は導入できる状況ではなさそうです。 このような内政状況が外交に大きな影響を与えているのではないか、というのが次の議 論になります。外交については、今、青山さんから詳細な議論がありましたので、ポイン トだけ幾つかお話しします。トランプ政権そのものがどうかと言われますと、現時点では、 トップの政治任用の対象となる約500人のうち、約50~60人が指名されただけだと聞いて います。どういう政権の全貌になるのかがよくわからないということで皆さんが議論して いますが、選挙中に言っていたことが現実の中で変わるというのは、ご承知のようによく あることです。ただ、日米関係は非常に強固な形になってきていると思います。 台湾政策は、「一つの中国」の変更を示唆してみたけれども、それも軌道修正して、元 に戻ってしまったということです。これも多分、政策が十分に練られていなかった部分も あるのかもしれません。 もう一つの中国に対する「為替操作国」も最近はほとんど言わなくなってきています。 人民元の下落を防止するために外貨をたくさん使っているのに、そんなことを要求しても、 とても中国がいま対応できるわけがない。実態が少しわかってきている面があるのかなと いう感じもします。

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アメリカ外交というのは、これもよく皆さんが言うことですけれども、実務の側面と同 時に理念の側面があるわけですが、トランプ外交の最大の特徴というのは理念の側面がほ とんど出てこないということです。そうすると、中国に対してどのような形で接していく のか。恐らく人権とか民主という話はほとんど出てこないのでしょうが、そうすると、ア メリカ外交の伝統とは大きく変わることになります。経済と安全保障の中でディールがあ ると、どういうことになるのでしょうか。 南シナ海のことについて触れますと、お配りした資料の「ダイジェスト:1/3」。これ は防衛省のホームページに公開されているものです。中国は西沙諸島については70年代に 奪取したわけですけれども、その中のウッディー島に大きな滑走路をつくった。もう1つ は南沙のファイアリークロス礁、ここにも巨大な3,000メートル級の滑走路をつくった。 問題は、右上のほうのフィリピンに一番近いスカボロー礁の埋立工事を始めたことです。 巨大な三角形をつくって、南シナ海の制海権のみならず、制空権を得ようという意味なの か、このあたりが問題になっています。フィリピンやベトナムがこれで怒ったわけですね。 先ほど申し上げたように、まだアメリカの政権自体が完全に移行されていませんので、 今の太平洋軍も基本的にはオバマ政権時代と人も変わっていません。米軍は航行の自由作 戦を続けていると言われています。それによって中国の動きを抑止しようとしているので す。 先頃の全人代の政府活動報告では、外交についてはほとんど最後の1ページか2ページ しかないのですが、なんと「新型大国関係」とは書いていないのです。そういうニュアン スの言葉は若干あるのだけれども、最後に「新型国際関係」と書いてあるのです。「新型 国際関係」と「新型大国関係」は意味が違います。どういう関係かというと、新型大国関 係は米国と対等に渡り合うという意味ですが、新型国際関係というのは今の国際秩序体制 が不平等だから変えろという現状変更の立場なのです。この2つの関係については、実は 山のような議論があるのです。結局、一言で言うと、最終的にはどうも力点は、新型国際 関係にあるらしいのです。要するに、今の国際秩序体制が不平等なので中国の言うような 形に変えなさいと、だから、新型大国関係を通じて新型国際関係に変えていきたいと、こ ういう意味らしいのですね。実は、そこらあたりの議論の整理は中国でもまだできていな

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くて、両論の中で議論を展開しているようです。 THAADは、韓国でこれから大統領が代わるとどういうことになるのか。ただ、もう 政府が正式に決めたことですので、アメリカとの間で進めるはずだとは思いますが。この ことから、中韓関係が非常に悪化しているのはご承知のとおりです。 トランプ政権の北朝鮮問題への対応についてですが、アメリカが北朝鮮と中国、どちら のほうが重要な問題と考えるかということによって大きく違うんだと思います。北朝鮮の 問題が先だとすれば、中国の協力が必要になる。トランプ政権は選挙の時代から一貫して、 北朝鮮問題は中国にやってもらうと言ってきました。中国が北朝鮮に圧力をかけるべきだ という話なのですが、ただ、中国を北朝鮮への圧力に使う場合、多分、アメリカは中国と はある程度の妥協をするということになります。こういう関係性で見たほうがいいだろう と私は思っています。 ただ、中国が北朝鮮をほとんど抑えられなかったというのは歴史的に証明されているわ けです。これは毛沢東時代から一貫しているという研究まであるのですが、北に対してほ とんど影響力を持つことが実際はできなかった。確かに、中国を議長国とする6者協議は 結局あまり成果がなく、北朝鮮に振り回され続けた。 AIIBや一帯一路については、結局、目的は何なのかという点が大事だと思います。 もともと中国の資金を使ってアフリカ援助等を随分やったけれども、結局、どういう効果 があったのだ、見返りがないではないか、回収がないではないか、あるいは中国の評判が 悪いではないか等々で、商務部がかなり批判されるという事態が何年か前にありました。 そうした中で中国の経済成長が鈍化するとともに、国内の経済成長に資するようなアイデ アはないのかという指摘がなされ、そこで出てきたのがAIIBです。これは財政部が言 い出したのですが、その中心にいた楼継偉さんが理由は定かではありませんが、急きょ退 任してしまいました。 AIIBはご承知のように、多くの国が入りましたが、これは最近どうも影が少し薄く なってきていて、長期的な話になってきました。中国は第三世界だけを援助するためにつ くったのかと言われると、必ずしもそれが主目的ではなく、恐らく自身の経済成長が中心 の目的だったのかなと思います。

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一帯一路というのはその点でいくと、中国のインフラも含めたものになっている。もと もと財政部に対抗するように、人民銀行がシルクロード計画から作り出したものです。こ の5月に巨大な国際会議が予定されています。中国の外貨も急激に減る中で、海外からの 投資を呼び込もうとするところに思惑があるように見えます。その意味で、これもやはり 中国経済をいかに活性化させるかを目的として、国際プロジェクトに結び付けるところに 目的がありそうです。 対日関係は、習近平政権が江沢民派を打倒したということが1つの大きな要素だと思い ます。これは属人的な要素も相当あると思います。江沢民個人の過去の複雑な思いが日中 関係に相当影響を与えてきたというのは事実です。江沢民は叔父さんに養子に入ったこと になっていますが、実の父親は日本軍の協力者であったと言われています。周恩来、鄧小 平時代は、日中関係は比較的よかったわけですし、胡錦濤さんときも悪くなかった。そう いう点でいくと、江沢民が長年権力の中枢にいた、あるいは主流派をずっと揺さぶってき たということがあり、その過程で日本が格好の材料になってきた。彼の属人的な要素もあ りますが、もう1つ大事なのは、その時代にでき上がった1つのシステムです。日本とい う1つの攻撃対象を叩くという形で中国共産党の政治体制をつくり上げていくというシス テム、これができ上がっているということです。それは江沢民という個人を離れて、シス テム化されていった。それはつまり、中国共産党の指導を正統化するための体制システム そのものの中に日本が組み込まれてしまった。その結果として、国民の中にも日本に対す るマイナスのイメージづくりが浸透してしまったということです。システム化されている 以上、これを壊すというのはなかなか大変な作業です。 ただし、属人的な要素で言うと、私がこれまで見ている限り、習近平はそれほど激しい 反日的な姿勢を示していないと言えます。歴史問題も抑えています。ただし、軍事的なあ る種の拡張主義は変わりません。これは先ほども述べたように、恐らく一貫した話でしょ う。権力を固める過程の中で、軍にも配慮してかそれを容認した形になっている。ですか ら、ここには両面性があるわけですが、これは別に一人の人間がやっていてもおかしくは ないということになるのだろうと思います。 いずれにしても、先ほど申し上げたように、システム化されている中に対日政策が組み

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込まれているという部分はなかなか厄介であって、東シナ海で何か偶発的事件でもあった りすると、それが一挙に顔を出してくるという側面があります。ですから、やはり安全保 障のメカニズムはきちんとつくらなければいけないということです。もちろん日米の同盟 関係というのは我々にとってのまさに核心的利益でありますけれども、中国ともきちんと 交渉できる範囲のところはやらなくてはいけません。 いずれにしても、今年は党大会があるので、ほとんど外交は大きく動かないだろうと思 います。党大会が過ぎて、全般的に習近平体制が落ち着いていかないと、なかなか対外的 な関係性も持ちにくいという部分があると思います。 さて、このあたりで私の報告を終えて、討議のコーナーに入りたいと思いますが、よろ しいでしょうか。 ○関委員 きょうの國分先生の発表を伺いまして、実は習近平は政治の面においても結構 改革派なのだという強い印象を受けました。政治改革を進めたいのだけれども、周りに足 を引っ張られてなかなかできていない。若干、同情するような印象も受けました。とはい っても、権力の集中が相当進んでいて、仮に秋の党大会をクリアして、順調に第2期に入 ると、本当に彼は力を持って政治改革をやろうとするのか、そのとき、どのようなことを 進めようとしているのか。例えば今のところは三権分立という議論は、メディアに出てい るのは大体批判の対象になって、特に司法の独立性に関しては論外というような状況です けれども、これは変わる可能性があるかどうか。 法治という言葉も胡錦濤の時代から強調されるようになったのですが、rule of law の 意味で使われるのか、rule by law の意味で使われるのか、現段階はどうなっているか、 最終目標としては何を目指しているのか。 もう1つのセンシティブな問題ですが、現在、解放軍は党の軍隊です。最終的にはこれ を国軍化するかどうかという議論は今のところ全くタブーになっていますが、2期目に入 ってから雰囲気が少し変わっていくのか。 政治改革において欠かせないのは、メディアの改革、もう少し言論の自由を認めること です。恐らくここにいる専門家の皆さんも感じていることかと思いますが、前政権の時代 と比べてメディアへの統制はむしろ強くなっているように思います。

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習近平が総書記に就任した当初、一部の日本の新聞を含めて、メディアでは、彼は80年 代の台湾の蒋経国のように、民主化を積極的に進めるという期待がありましたが、今のと ころこのような動きは全く見られていません。2期目に入ると変化する可能性はあるでし ょうか。 ○高原委員 ご説明いただきまして、大変ありがとうございました。2つありまして、1 つは、権力闘争の今後の展望をどのようにごらんになっているのか。もう1つは中台関係 について、今後、どういう展望をお持ちか。この2つです。 ○田中委員 私から2問。1つは、去年3月の全人代前に、やはり同じように習近平総書 記を「核心」にしましょうということで一気に空気が盛り上がり、そこから急にしぼんで しまって、変な文書が出たりとか、いろいろなことがあり、なかなか難しいのかなという のが昨年3月の全人代前後の印象でした。ところが、そこから急にまた機運が盛り上がっ て、秋口には「核心」と呼ばれるまでに一気にいきました。このわずか半年ぐらいのとこ ろで大逆転が起こったわけですけれども、そのメカニズムは何だったのかなと。短期間で 盛り返したのは一体どういうことか。その途中で『胡錦濤選集』の発刊とかがありました けれども、いろいろなものがどのように影響をしているのか、お考えをお伺いしたいのが 1点です。 2つ目は、今、どちらかといえば中国は、自由貿易体制の守護神とか、グローバリズム の守護神というポーズでやっているわけです。しかし党大会までの間で難しい局面は、香 港返還20周年をきれいな形で乗り切れるのかという点です。これはもともと、20年の間に もう少し民主化を進めるという話だったと思うのですけれども、必ずしもそのようにはな っておらず、そういう中で、香港の中でもフラストレーションがたまっており、元宗主国 であるイギリスにしても、ちょっと話が違うではないかというところがあると思うのです ね。イギリスもこれまではどちらかというと中国にべったり寄っていた政権だったので、 あまりそういう面については言わなかったのですけれども、EU離脱を契機に政権交代が 起こり、米国や欧州との関係が変わっていく中で、中英関係も含めて、香港返還20周年の 記念式典をきれいに波乱なく乗り切れるかどうか、7月1日が1つのヤマのような気がす るのですけれども、その辺をどのように見ていらっしゃるか、この2点です。

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○近藤委員 先ほどのお話の中で大体は理解したのですけれども、1つは、南沙諸島とか 尖閣の問題もそうですが、これは核心的なものとして絶対譲れないというのが、個人的に はちょっと不思議な思いがあって、なぜそこまでやるのか。基本的には、中国の経済を考 えていけば、外資等とうまくやっていくという場合には、大前提になるのは平和ですよね。 軍事行動というのは平和の基盤を脅かしているわけですから、そうすると、外国は中国を ある意味、危険視するわけですね。そうすると、中国が望むような経済の情勢にはならな い。でも、その危険を冒してまで、なぜここにこだわるのか。先ほどお話があったとおり、 中国の政策というのは大体全部、内政から来ていますから、中国国内の人民解放軍とか、 軍事のいろいろなバランスの関係で、こういう核心的な利益までいってしまった。本来、 この問題というのは、そんなやり方ではなくて、もっと平和的に持っていけば、経済との バランスがとれるわけですけれども、今はそのバランスをとろうとする傾向が全く見られ ない。私は逆に、経済とのバランスで、軍事的な核心利益も変わる可能性があるのではな いかと思うんですけれども、ご意見をお伺いしたい。 もう1点は、先ほどお話があったとおり、共産党の集団指導体制そのものに問題がある というのが、今回の習近平のやってきたことの1つの成果ですけれども、そうすると、当 然の話として、集団指導体制をやめる。今、核心になっていますから、なおさらその傾向 が強いですけれども、そうすると、今年の秋までの間に何らかの党組織とか、行政機関も そうですけれども、随分変革があり得る可能性もあるのではないかと思います。先ほどの お話では、そのようなことは全然ないだろうということなのですけれども、逆にあるのか なという印象を持っているので、もう一度ご意見をお伺いしたいと思います。 ○瀬口委員 2つありまして、1つは、党の正統性の問題なのですけれども、経済成長の 減速によって党の正統性が失われていくという方向だという見方は、私もそのとおりだと 思います。今、中国の中で国民が一番欲しているのは、多分、経済成長から徐々に、環境 だとか、所得の格差の縮小だとか、社会保障の充実、医療・介護の充実による生活基盤の 安心・安全の強化、このようなものが重視されるようになってきています。成長率が低下 しても、もし党がこうした庶民の望みをかなえて、みんなが満足するレベルまで生活基盤 等を改善することができれば、党の正統性はある程度は維持できる可能性があるのではな

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