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学生を最初に見た時の印象は? まずは 私が指導にいくというよりも 準備運動や補強トレーニングなどを見学しました その時はあまり言わなかったですけれど 正直専門的に考えられたものではなかったですね 一つ一つの動作を見ると確かに専門家が考えたようなものですけれど 一つ一つが切り貼りなんです 例えば体幹ト

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Academic year: 2021

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箱根V2最有力、青学大はなぜ強い?

トレーナー中野氏が

重視する基礎の徹底

2015 年 12 月 11 日(金) 11:10 “青学旋風”を陰で支える中野氏に、 強さを生み出したトレーニングの秘密 聞いた【スポーツナビ】 今年1月の箱根駅伝を制し、一躍学生長距離界のトップランナーとなった青山学院大。“3代 目・山の神”ことキャプテンの神野大地を中心に、スピードと強さを兼ね備えた分厚い選手層を 誇り、来年1月の箱根駅伝でも優勝候補の筆頭と目されている。 “青学旋風”を巻き起こす原動力となったのが、2年前から取り組む体幹トレーニングだ。指導 するのは、テニスのクルム伊達公子(エステティックTBC)ら多くのトップアスリートから 支持されるフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一氏。青学が箱根を制する1年前の20 14年3月から指導を始め、現在は月1回の講習会のほか、合宿に同行するなどしてチームを 陰で支えている。 中野氏は「すごく特殊なことをしていると思われますが、本当に基礎的なことを徹底させただ けなんです」と言う。では、いかにして強い青学はつくられたのか。中野氏に聞いた(取材日: 11月10日)。

一つ一つが“切り貼り”だった体幹トレ

――そもそも青学を指導し始めたきっかけは? 今スポーツをやっている人なら誰でも体幹が重要と分かっています。でも、体幹トレーニン グをどうやったらいいかという具体的な方法は分からないし、サッカー選手の体幹トレーニン グと同じでいいのかどうかも分からない。ただ、「体幹トレーニング」で調べればたくさん出 てくるから、それを片っ端からやっているわけです。それを(原晋)監督が疑問に感じていて、 どうしたらいいんだろうと思った時に、彼がアディダスの担当の方に「トレーナーで誰かいな いか」と声を掛けて、アディダスさんからお話をいただいて、というのがきっかけです。

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――学生を最初に見た時の印象は? まずは、私が指導にいくというよりも、準備運動や補強トレーニングなどを見学しました。 その時はあまり言わなかったですけれど、正直専門的に考えられたものではなかったですね。 一つ一つの動作を見ると確かに専門家が考えたようなものですけれど、一つ一つが切り貼りな んです。例えば体幹トレーニングのメニューも、トレーナーは、この時期にはこの部分の筋肉 を作って、この筋肉ができ上がってきたら次にこの筋肉を作ってと“期分け”をしてプログラム していきます。でも、本人たちがインターネットや本で見たものは、最初にやるプログラムと 後にやるプログラムが全部混在しています。だから結局、成果が出ないんです。そこで、年単 位で考えられた計画的な体幹トレーニングを提案しました。そして、それだけでなく体幹トレ ーニングと連動した準備運動というのも並行して提案していきました。 ――期分けとは具体的にどういったものですか? これは他の種目はまた違う作り方をするので間違えないようにしてほしいのですが、マラソ ンの場合は、体幹の中でも「インナーユニット」と言われる、一番深層のインナーマッスルで 構成されている部分をまずしっかり作ることが重要です。インナーユニットがしっかりついて きたら、今度はその外側のアウターユニットをつけてあげる。ただ、走る時に体幹だけができ てくると、ロボットみたいな走りになってしまいます。そうするとスピードが出ないので、3 つ目の段階として、「バイアス」という言い方をするのですが、体にねじれをかけるトレーニ ングをします。(自己流では)ねじれの動きとアウターとインナーが全部混在してしまってい ます。 アウターは見えるので、動いている・動いてないも分かるんですけれど、インナーは奥なの で見えません。ですから、正しく動けているか動けてないかすごく不安になるんですよ。また、 アウターは動きが大きくなるんですけど、インナーはすごく小さいので「こんな小さな動作を して何になるんだろう」というイメージになってしまう。学生がどうしても「筋肉を追い込め ば追い込むほど強くなる」というイメージを持っているところを、インナーの重要性を説明し、 そこを作って動かすということを説明するのが一番大変ですね。 ――細かい動きを理解させるために工夫したことは? 筋肉図を使って絵を見せて、「こういうふうについている筋肉」というのをイメージさせて やらせることです。青学の学生は頭がいいので、筋肉名で覚えるんですよ。ストレッチの時も 「ふくらはぎ」とかしないで、「腓腹筋」「ヒラメ筋」といった具合に全部筋肉名を使います。 一般のトレーナーが知っているレベルの筋肉名は全員知っています。あれだけの数の筋肉名を

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言える大学駅伝チームは青学だけじゃないかと。私も解剖学的な筋肉名でしか彼らと会話して いませんね。

与えるのではなく、考えさせる

原監督(上段中央)からは最初に教わったのは、

考えさせるトレーニングだった【写真は共同】

――学生チームを指導するのは初めてという ことですが、プロを教える時と違いはありますか? プロは、お金を払ってトレーナーを雇っているわけじゃないですか。選手はトレーニング以 外に試合、対戦相手、ゲームの戦略、サーブの種類などいろいろ考えなければいけないことが ある。それでトレーニングまで考えていられないから、「トレーニングの時間になったらとり あえず私の体を鍛えて。言われたメニューだけをやるから」という感じで来る選手が多いので 私もずっとそのようなスタンスでいました。 私が最初青学に入った時も、同じアスリートなのでそういう感じでいこうと思っていました。 しかし最初に原監督に私が教わったことは、ここにいる子たちはプロのアスリートではなく学 生なんだと。要は教え、与えるものではなく、自分たちで考えさせてやってくれと言われたん ですね。「確かにそうだな」と思いました。本当に構えて座って言われたものをやるとなると、 学生もやる気にならないし、やっぱりやらされているという感じが強くなってしまいます。 ――具体的にはどのように指導したのですか? 例えばこういう腕振りをしたいと思った時に、「どの筋肉を鍛えたらこの動きができるよう になると思う?」と言ってヒントを少し与えながら、筋肉の絵を見せつつ自分たちで考えさせ ました。5〜6人のグループを作って、グループでディスカッションする。それで「この筋肉 じゃない?」などとみんな言い合うわけです。それで「そこは違う、そこも違う」とずっと探 させる。だんだんと考えていくと分かるようになって、私の答えと合うようになります。そし て「そこを腕振りではなく、筋力トレーニングで鍛えるためにはどうしたらいいと思う?」と 言って、各グループにトレーニングを考えさせる。最終的に1時間くらいやっていくと、みん なが答えを導き出せるようになっていきます。そして「明日からそのメニューをやるよ」と言 うと、「やれ」と命令しなくても自分たちでやるようになるわけです。

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――教える上で難しいことは? 私が入った1年目は、一番の基礎を教えているんですけど、そこはもう教え切ったし、ビデ オにも撮っているので、もう上級生が新しく入ってきても教えられるだろうと思って、新しい 1年生には私たちからあまり教えないで、今の学生たちに教えさせたんですね。そうしたらや っぱりちょっとできていないところがあって、今の1年生が少し遅れているんです。まだちょ っと手放すのが早かったのかなというのは、正直反省点ではありますね。

箱根V2最有力、青学大はなぜ強い?

トレーナー中野氏が重視する基礎の徹底

肩甲骨を動かす重要性

体幹の強化だけでは推進力は生まれないと

中野氏は指摘する【写真:アフロスポーツ】

――選手の走りはどう変わりましたか? 一番は体幹が安定してきたということです。体幹を安定させることはどこの大学もしている と思います。ただ、青学のトレーニングで1つ重要なところなのですが、体幹だけができてい くだけだと、推進力が生まれません。結局、肩甲骨が動かないとだめなんです。 ――なぜ肩甲骨の動きが重要なのですか? 体幹が安定していて肩甲骨が動いていると、頭と体幹が動かないで肩甲骨だけが動いてまっ すぐに進みます。でも体幹がついているけど肩甲骨が動かない選手が腕振りをすると、体が全 部持っていかれてしまうんです。そうすると骨盤から(フォームが)ブレてきてしまうので、 足がどうしてもブレて、膝や股関節などが痛くなってしまいます。なので、肩甲骨周りを動か すことを徹底的に意識して、嫌というほどウオーミングアップに組み込んでいます。体幹がし っかりついてくると体が安定して肩甲骨が動いて走る。これは当たり前のことなんだけど、そ れをみんな知らないでやっている。だから準備運動やストレッチもやってはいますが、体幹ト レーニングと連動したものをやっていないし、そもそも体幹トレーニングも違っています。

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――中野さんのトレーニングをもっともマスターできている選手は? やはり故障期間が長かった久保田(和真)でしょうか。私が来た年はほとんど走れていなか ったので、補強トレーニングをするしかない。体幹トレーニングをひたすらやり続けてきたと いうこともありますが、そういう意味では頑張ってきたと思います。一色(恭志)もそうです ね。彼はもともと持っているものは強かったのですが、体幹を使うだけしかしていなくて、ロ ボットみたいに走っていました。今はバイアスがかかりひねりが入った力強い走りになってき た。そこは一色が大きく変わったところではありますね。

故障者ゼロが一番うれしい

高校時代から実績のある一色も、中野氏の

トレーニングでより力強い走りに変わった

【写真:日本スポーツプレス協会/アフロスポーツ】 ――今後、青学が走りの強さを維持していくためには 何が必要だと考えますか? 選手によってそれぞれ違います。ただ、私が出してきたメニューは長距離ということを前提 にしていて、短い距離で爆発的な強い力をひねり出すことが優位な体作りをしてきていません。 箱根駅伝の距離(20キロ程度)を走ることを目安に考えているので。長い距離ではインナー マッスルが重要になってきます。長い距離でアウターマッスルを使ってしまうと、アウターの 方が酸素を過剰に使われてしまうので、エネルギーも早く使われてしまうんです。もちろんア ウターもゼロではないんですけれど、インナー優位に持っていくことが長距離には必要です。 短距離の場合はアウター優位で持っていくことが重要で、この中間点にしていくことが非常に 難しいですね。 ――最後に青学の選手への期待を込めて、一言お願いします。 私が選手たちに何かを教えていると周りの人は思っているかもしれませんが、私や一緒に青 学をサポートしている弊社のトレーナーたちも含め、私たちが教えたことの3倍も4倍も学生 から教えてもらうことの方が多いんです。いつも「中野さんのおかげで」と言ってくれてとて もうれしいのですが、それ以上にみんなから成長させてもらっています。

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あとはけがをしないでほしいということですね。10月は初めて全く走ることができないレ ベルの故障者がゼロだったんですけれど、大学スポーツで故障者ゼロってほとんど無いんです よ。私たちが入ってきた時も故障者だらけでした。でも、他大学に比べて故障者がものすごく 少ないのは、やっぱりみんながしっかりやってくれているということ。故障者がゼロになった のは、トレーナーとしては一番うれしいことですね。 (取材・文:小野寺彩乃/スポーツナビ)

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