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倒産予測モデルとサンプル選択の問題(小倉榮一郎教授退官記念論文集)

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倒産予測モデルとサンプル選択の問題

後  藤  實  男 1.初  め  に  本稿では,倒産予測モデルの構築におけるサンプル選択の問題を取り上げる、 これまでの倒産予測モデル研究においては,サンプル選択の問題はほとんど検 討がなされてきていない。Beaver(1967)やAltman(1968)などの初期の 倒産予測モデル研究において採用されたpaired sample designと呼ばれる サンプル選択方法が無批判に踏襲されてきた,といえる。  しかし,比較的最近になって,このようなサンプル選択方法がモデルのパラ メータの推定やモデルによる予測にバイアスをもたらすことが指摘されるよう になった。このバイアスについて,実際にモデルを構築することにより実証的 な検討を行なったのがZmijewski(1985)の研究である。  以下では,倒産予測モデルとpaired sample designについて若干の説明 を行なった後で,このZmijewski(1985)の研究の概要を紹介する。続いて, このパィアスは倒産予測モデルにとって無視できない意味を持つ,という彼の 結論を吟味し,その結論が持つ意義について検討する。最後に,サンプルの選 択に関する問題を倒産予測モデルの第三の問題として位置づけ’ることにより, その重要性を強調する。 H.倒産予測モデル研究とpaired sample deskgn  倒産予測モデル研究は,Beaver(1967)をもって嗜矢とする。 Beaver(1967) は,数多くの財務比率を取り上げ,それぞれの比率にどれほどの倒産予測能力 があるかを検討した。彼の研究は,財務比率の倒産予測能力を問題にし,その

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 298  小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号) ために体系的な統計学的検討を行なった最初の研究であったが,その検討は1 変量毎に行なわれ,多変量を同時に分析するものではなかった。  多変量倒産予測モデルを初めて展開したのはAltman(1968)の研究である。 Altman(1968)は判別関数(discriminant function)を統計学的分析のフ レイムワークとして用いることにより,次のような5つの財務比率を変数とす る判別関数モデルを導出している。  判別関数技法とは,多変量解析法と呼ばれる統計学的技法の1つであil t 「……2つ以上の群(母集団)から取り出した多変量のデータ(間隔尺度)に もとづいて,所属不明の新しいサンプルをそのいずれかの群(分類尺度)に判 別しようとする手法である(奥野忠一,他著,r多変量解析法』日科技連, 1971年 259頁)。」    Z =e. 012X,+O. 014X,十〇. 033X,十〇. 006X,+O. 999X,       Z :倒産の可能性を示す総合得点       Xi:運転資本/総資産      X2:留保利益/総資産      X3:利息および税控除前利益/総資産      X、:持分時価/総負債      X,:売上高/総資産  このモデルは,33社ずつの倒産企業サンプルと非倒産企業サンプルを95%の 精度で分類することに成功している。  Altman(1968)の研究を契機として多数の多変量倒産予測モデル研究が現 れるようになった。これらの中で,判別関数技法ないしはそれと類似の技法に 基づくモデルとして,Meyer and Pifer(1970), Deakin(1972), Edmister (1972), Blum(1974), Sinkey(1974), Altman, Haldeman, and Narayanan (1977)などを上げることができる。  これらの研究は,新たに開拓された学問領域である倒産予測モデル研究を発 展・充実させるという意図を持つものである。そこでは,比率値の時系列推移 を示す変数などのより有用な倒産予測指標や,判別関数モデル構築に伴う統計

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      倒産予測モデルとサンプル選択の問題  299 学的な問題点の検討などが行なわれてきている。  これらの研究に対して,比較的最近の傾向として,倒産の可能性を確率を用 いて予測しようとするモデルが現れるようになってきた。これらの研究の代表 的なものとしては,Santomero and Vinso(1977), Martin(1977), Ohlson (1980)などを上げることができる。  判別関数モデルは,それぞれの企業について倒産するあるいはしない,と予 測対象企業を2分類するものである。確率予測モデルは,倒産の可能性の程度 を確率を用いて表現する。確率予測モデルが提供する情報を用いることにより, 予測対象企業の倒産リスクがどの程度深刻なものであるかを判断することがで きるようになる。  これらの研究のうちMartin(1977)とOhlson(1980)は,10gitと呼ば れるより精緻な技法を財務比率に適用することにより,倒産の確率を計算しよ うとするものである。logit技法は,正規性や等分散性などの仮定ないし前提 に立脚する判別関数技法に比べて,これらの仮定ないし前提を必要としないと いう点で実践的適用可能性に優れている,といわれている(Ohlson(1980), pp.111−113,などを参照して欲しい)。 logit技法は,より有用と考えられる 確率予測情報を導出しうることと実践的適用が容易であることなどの長所が着 目され,財務諸表分析などの会計上の問題に対し適用されるようになっている。  これらの倒産予測モデルの歴史的発展プロセスを踏まえ,倒産予測モデル研 究における倒産企業と非倒産企業のサンプル選択手続ぎについて検討してみよ う(倒産予測モデル研究の発展プロセスについては,拙著, r企業倒産分析と 会計情報』千倉書房,平成元年2月,第II部を参照して欲しい)。  本稿で検討するZmijewski(1985)では,多くの倒産予測モデルが取り上げ られ,そのサンプル選択手続きが表2−1のように要約されている(Zmijewski (1985),TABLE 1, P.61)。同表で,倒産企業サンプルと非倒産企業サンプ ルのサイズが同じ研究においては,paired sample designと呼ばれるサンプ ル選択手続きが用いられている(Altman et a1.(1977)でeま, paired sample designに基づき同数の倒産企業サンプルと非倒産企業サンプルが選択された

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      倒産予測モデルとサンプル選択の問題  301 が,一部の倒産企業サンプルはデータに不備があったため分析には用いられな かった)。  paired sample designによるサンプル選択手続きは,その原型となった Beaver(1967)では次のように説明されている(Beaver(1967), PP.73−75)。 まず,分析の対象とする企業グループないし業種についてこれまでに倒産した 企業を調査し,倒産直前までの財務諸表データが利用できる企業を選択する。 Beaver(1967)の研究では,研究時点までの11年間に倒産した企業が倒産企 業サンプルとして選択されている。  非倒産企業サンプルの選択は,倒産企業と非倒産企業の1対1のペアを作る ことにより行なわれる。つまり,倒産企業のそれぞれにつき,同じ業種に属す る非倒産企業から最も資産規模が近い企業を1社ずつ選択することにより,倒 産企業サンプルとサイズが同じ非倒産企業サンプルを得ることができる。  また,分析に用いる財務諸表データは,ペアをなす倒産企業と非倒産企業で 同じ年度のものが用いられる。このように,ペアをなす倒産企業と非倒産企業 で業種,資産規模,財務諸表データの年度を揃えるのは,これらの相違が比率 値に影響を及ぼすのを避けるためである,とされている。  表2−1から明らかなように,Beaver(1967)以後の多くの研究においても, ペアを作る基準は必ずしも同じではないにしろ,paired sample designが採 用され続けてきたわけである。 III. paired sample des且gnによるバイアスとZmijewski(1985)の研究  比較的最近になって,paired sample designに基づくサンプル選択に対し, モデルのパラメータの推定やモデルによる予測がバイアスのかかったものにな る,というモデル構築の根幹に関わる問題点の指摘が行なわれるようになった。 このバイアスは,paired sample designにより選択されたサンプルがランダ ム・サンプルではないことに由来している。  ほとんどの多変量解析などの統計学的技法は,母集団からランダムに取られ たサンプルを用いること(exogeneous random sampling design)が適用

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 302 小:倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号) の前提となっている(Zmijewski(1985), P.60)。それゆえ, paired sample designは,この統計学的技法適用の前提に矛盾し,結果がバイアスを伴った ものになる。  このバイアスのうち,2種類のバイアスがこれまで明確な形で指摘され検討 が加えられてきている。その1つは,倒産企業と非倒産企業の全体のサンプル ・サイズに対する倒産企業のサンプル・サイズの割合を,現実の企業母集団に おける倒産企業の割合(倒産企業構成比)よりも過度に大きくすることからも たらされるバイアス(choice・based sample bias)であり, Manski and Lerman(1977)およびPalepu(1983)などによって検討されてきている。  exogenous random sampling designによれぽ,まず,母集団からラン ダムにサンプルを選択し,それぞれのサンプル企業について,独立変数と従属 変数の観測値が得られねばならない。paired sample designにおいては,サ ンプルの選択に先立ってそれぞれの企業の従属変数(倒産・非倒産の状態を示 す変数)の値と独立変数(業種,企業規模など)の値を観察し,その値に基づ いてサンプルとしての採否が決定される。  choice−based sample biasは,この手続きにより,従属変数の値に応じて それぞれの企業がサンプルに組み入れられる確率が異なってくる,という点に 原因がある。上で述べたように,倒産企業であればほぼ100%の確率でサンプ ルとして採用されるのに対し,非倒産企業であれば,はるかに低い確率でしか 採用されない。  第二のバイアスは,完全なデータを持つ企業だけをサンプルとして採用する ことから生じるバイアス(sample selection bias)であり, Heckman(1979), Poir三er(1980), Maddala(1983)などによって検討されてきている。  もし,企業母集団において完全なデータを持つ企業がランダムに分布してい ないならば,この分布の歪みによってパラメータの推定やモデルによる予測が バイアスを伴ったものになる。一般に,倒産企業が完全なデータを持つ確率は, 非倒産企業に比べて相当小さいと考えられる。これは,企業母集団における倒 産企業の構成比を過小評価する要因ともなる。

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      倒産予測モデルとサンプル選択の問題  303  これらのバイアスを取り上げてきた研究の多くは,上で言及したいくつかの 研究を含め,理論的あるいは統計学的にバイアスの存在を指摘するにとどまっ ている。これらのバイアスが現実の倒産予測モデルにとってどれほどの重要性 を持つかについての実証的な検討は行なわれてきていなかった。この実証的な 検討を現実に倒産予測モデルを構築することにより行なったのが,Zmijewski (1985)の研究である。以下,彼の研究を概観しておくことにしよう。 IV. Zmijewski(1985)の硫究の概要  1) サンプルとデータ  分析に用いた企業母集団は,米国証券取引所(American and New York Stock Exchanges)に1972−1978年の期間上場されていた全企業のうち, SICコードが6000未満の企業である。倒産企業は,当該期間中に破産申請を行 なった企業であり,非倒産企業は破産申請を行なわなかった企業である。この 期間中の企業母集団は,2082−2241社,倒産企業は全部で129社,倒産企業 のうち完全なデータが利用可能であったのは81社であった。それぞれの年度の 母集団における倒産企業の構成比は,0.49−0.94%である。完全なデータが 利用可能な非倒産企業は,全部で1600社であった。  Zmijewski(1985)は,完全なデータが利用可能な倒産企業81社と非倒産 企業1600社をそれぞれランダムに40社の倒産企業と800社の非倒産企業,およ び41社の倒産企業と800社の非倒産企業に分け,前老の840社のサンプルを用 いてパラメータの推定を行ない(estimation sample),後者の841社のサン プルを用いて予測精度の検討を行なう(prediction sample)ことにしている。  なお,これらの企業については,証券取引所に上場されている日数が調査さ れ,財務諸表データ(SEC 10−K report)が収集された。  2) choice・based sample biasの検討  choice−based sample biasが問題となるのは,最尤推定法によるlogitな いしprobit関数の推定においてである。判別関数の推定においては,このバ イアスは定数項にのみ影響を及ぼすため,母集団における倒産企業の溝成比を

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 304  小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号) 判別基準点の決定に反映せしめることにより解消することができる。  Zmijewski(1985)が確率予測モデルとして取り上げているprobit関数は 次のようである。

   P(B=1) ==P(BXi >O) (1 a)

     BT‘=ao+aiROA+a2FINL+a3LIQ+u (l b)

   P(B* 〉 O) =P(一 za 〈 ao+aiROA+a2FINL+a3LIQ) (1 c) ただし,      P(・):・が生起する確率      B  :倒産企業であれば1,非倒産企業でれぽ0の値をとる変数      ROA :純利益/総資産(資本利益率)      FINL:総負債/総資産(レバレッジ)      LIQ :流動資産/流動負債(流動性)      as  :正規分布をとる誤差項  (1)式(1a,1b,1c)が適切に倒産の確率を表現しているとすると,一 般性を失うことなく誤差項Uの分布として標準正規分布を用い,次の尤度関数 を最大化することによってprobit関数のパラメータa。, a、,α2, a3を推定 することができる。    L*=Σ(B)1n〔φ(H)]+Σ(1−B)ln[1一φ(H)コ    (2)      fl == ao+ aiROA+ a2FINL + a3LIQ ただし      ¢:標準正規分布の累積密度関数  Zmijewski(1985)は, probitモデルにおけるchoice・based sample bias の検討を,パラメータ推定用サンプル(estimation sample)から,倒産企業 の構成比が異なる6つのサブ・サンプルを構成することにより行なっている。    サブ・サンプル1:倒産企業 40社  非倒産企業 40社       (倒産企業構i成比O.500)    サブ・サンプル2:倒産企業 40社  非倒産企業100社       (倒産企業構i成比0,286)

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       倒産予測モデルとサンプル選択の問題  305    サブ・サンプル3:倒産企業 40社  非倒産:企業200社        (倒産企業構成比0.167)    サブ・サンプル4:倒産企業 40社  非倒産企業400社        (倒産企業構成比0.091)    サブ・サンプル5:倒産企業 40社  非倒産企業600社        (倒産企業構成比0.069)    サブ・サンプル6:倒産企業 40社  非倒産企業800社        (倒産企業構成比0.048)  ここで,サブ・サンプルに組み入れる非倒産企業は,ランダムに選択されて いる。これらのサブ・サンプルを用いてパラメータを推定し,予測精度検討用 サンプル(prediction sample)を用いて予測精度の比較を行なうことにより, choice−based sample biasの検討を行なうことができる。  なお,Zmijewski(1985)は, choice−based sample biasを補正する手段 としてのWESML(Weighted Exogenous Salnple Maximum Likelihood Probit)と呼ばれるprobit推定技法の有効性の検討も行なっている。WESML とは,次の尤度関数を最:大化することにより,probit関数のパラメータの推 定を行なうものである。    L* =[POP/SAMP] Z (B) ln[di(ff)]      +[(1−POP)/(1−SAMP)] 2] (1−B) ln[1一¢(H)] (3) ただし,      POP =母集団における倒産企業の構成比      SAMP:サンプルにおける倒産企業の構成比  (3)式から明らかなように,サンプルにおける倒産企業構成比が母集団のそ れに近づくにつれて,WESML尤度関数は(2)式の尤度関数に近づくことに なる。  この検討の結果は,表4−1と表4−2のようであった(Zmijewski(1985), TABLE 3, P,69, TABLE 5, P.71)。なお,これらの表のサブ・サンプル 1−6のすぐ下の2行には,それぞれのサブ・サンプルに含まれる倒産企業と

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 308 小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号) 非倒産企業の数(倒産企業数:非倒産企業数), および倒産企業構成比(括弧 内の数字)が示されている。  probitモデルの推定結果を示す表4−1については,各サブ・サンプル別の 係数は,probitモデルとWESML probitモデル問でおおむね類似している。 しかし,probitモデルについては,サブ・サンプルごとの係数は相当異なっ ており,変数別の係数値とサブ・サンプルの倒産企業構成比との間のピアソン 相関係数は,相当強い相関の存在を示している。この相関から,バイアスの存 在を認めることができる。

 一方,WESML probitモデルについては,変数ROAについてのみ強い

相関が認められる。それゆえ,choice・based sample biasは, probitモデル に強く現われ,WESML probitモデルにおいては相当弱まると考えることが できる。  各サブ・サンプルについて推定されたprobitおよびWESML probitモデ ルを用いてprediction sample(倒産企業41社,非倒産企業800社)の倒産 予測を行なった結果は,表4−2に示されている。ここでの予測は,probitな いしWESML probitモデルによって計算される各企業の倒産確率に基づき, その値が予測基準点(cutoff probability)O.5より大であれぽ倒産,小であ れば非倒産と予測されたものとみなしている。  この予測結果は,バイアスの存在を明確に示している。probitモデルによ る倒産企業の予測精度は,サブ・サンプルにおける倒産企業構成比が減少する につれて低下し,非倒産企業の予測精度は逆に上昇している。それぞれの予測 精度とサブ・サンプルの倒産企業構成比との相関係数は,0.895と一〇.947で あり,非常に強い相関の存在を示している。WESML probitモデルについて は,予測精度と倒産企業構成比の間に明確な関係を認めることができず,相関 もそれほど大きくない。  平均倒産確率とは,各モデルによって計算された倒産確率のprediction sample全体での平均である。 probitモデルでは,サブ・サンプル1の平均 倒産確率は18.7%,サブ・サンプル6では4.9%であり,倒産企業構成比との

(13)

       倒産予測モデルとサンプル選択の問題  309 相関係数は0.995である。WESML probitモデルでは,平均確率の値は3.2 %から2.6%と明確な傾向は認められず,相関係数も0.601に過ぎない。また, それぞれのモデルについてのカイ自乗統計量も,これらの傾向を反映している。  これらのことから,probitモデルについては,倒産企業の倒産確i率を過大 評価し(overc工assification),非倒産企業の生存確率(1一倒産確率)を過小 評価する(underclassification)・ミィアスを読み取ることができる。このバイ アスは,サブ・サンプルの倒産企業構成比が母集団のそれより大きければ大き いほど顕著である。  choice・based sample biasの最後の検討は, probitモデルによる予測倒 産確率に基づき7グループに分けた企業ポートフォリオについて,予測倒産企 業構成比と現実の構成比を対比するものである。予測倒産企業構成比は,それ ぞれのポートフォリオ内の各企業の予測倒産確率の合計であり,この当てはめ の良さ(goodness−of−fit)を示す統計量は,自由度6のカイ自乗分布を取る。  このテストによれぽ,probitモデルでは,予測倒産企業構成比と現実の構 成比が同じであるという帰無仮説は,四つのサブ・サンプル(有意水準は0.01) で棄却されているが,WESML probitモデルでは,一つのサブ・サンプル (有意水準は0.05)でしか棄却されていない。また,probitモデルで棄却さ れていないサブ・サンプルは,倒産企業構成比が母集団の構成比に近いサブ・ サンプル5と6である。  これらの結果から,choice−based sample biasはサンプルの倒産企業構成 比が母集団のそれに近づくにつれて減少することがわかる。また,WESML probitモデルが,このバイアスを完全には除虫しえないとしても,相当軽減 しうることは明らかになっている。  表4−2の下段2行では,probitモデルによる予測結果とWESML probit モデルによるそれとを対比している。サンプルの倒産企業構成比が母集団のそ れに近づくにつれて2つのモデルによる予測結果が同じになる傾向が認められ る。  3) sample selection biasについて

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 310 小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号)  第二のバイアスは,sample selection biasである。これは,完全なデータ を持つ企業だけをサンプルとして採用することから生じるバイアスであった。 不完全なデータしか利用できない企業がランダムに分布していないとすると, 完全なデータだけを利用することにより,不完全なデータが持つ情報,ないし は入手可能ではないデータが持つ情報を無視する結果,モデルの係数の推定や モデルによる予測がバイアスを伴ったものになる。  もし,すべての企業について,なんらかの共通のデータが利用可能であれば, それを用いて企業が完全なデータを持つ確率を予測するモデルを構築すること ができる。2変量(bivariate)probitアプローチは,この予測確率を元のモ デルに組み入れる試みである。  2変量probitアプローチは,次のように定式化することができる。(4)式 が倒産の確率を適切に表現しているものとする。

   P(B == 1) =P(B¥’ >O) (4 a)

     B*“ =ao+aiROA+a2FINL+a3LIQ+uB (4 b)

   P(B*’ >O) == P(一uB〈 ao十aiROA十a2FINL+a3LIQ) (4 c) ただし,UBは2変量probitアプローチにおける誤差項であり,他の変数は 前述の(1)式と同様である。次に,(5)式が完全なデータを持つ確率を適切に 表現しているものとする。

   P(D=1)=P(D“>O) (5a)

     1)*=bo+b,LIST+UD       (5b)

   P(D*>O)=P(一u.〈b,+b,LIST) (5 c)

ただし      D  :完全なデータであれぽ1,不完全なデータであれぽ0の値          をとる変数      LIST:CRSP Daily Return File tlこリストされている(証券取          引所に上場されている)日数      UD :正規分布をとる誤差項  ここで,(4)式が完全なデータを持つ企業サンプルに基づいて推定されるの

(15)

      倒産予測モデルとサンプル選択の問題  311 であれば,B*の期待値は,(6)式のようになる。      E(B*)=E(a。+aiROA+a2FINL+a3LIQ)

         +E(u.ID*>O) (6)

E(UB【D*>0)の値は, MBとUDの共分散に依存している。 UBとUDの共分 散がゼロであれば,    E(u.) =E(u. 1 D* 〉 O) ==O である。しかし,UBとUDの共分散がゼロでなけれぽ,    E(u. 1 D* 〉 O) #O であり,推定されたモデルはバイアスがかかったものとなる。  それゆえ,UBとUDの共分散がゼロでなければ,つまり,不完全なデータを 持つ企業がランダムに分布していなければ,複雑な計算が必要とされるものの 2変量probitアプローチによる(4)式の推定がなされねばならない。この推 定のための尤度関数には,完全なデータを持つ倒産企業,不完全なデータを持 つ倒産企業,完全なデータを持つ非倒産企業,の3つのサブ・サンプルに対応 する要素が反映されねばならない。  本節冒頭で述べた企業母集団を用いて,1972−1978の各年度について(4)式 を推定した結果は,表4−3(TABLE 6, pp.78−79)のようであった。ここ では,sample selection biasを明確にするために,(1)式のprobitモデル を推定した結果も併せて表示している。  この表によれば,1変量probitと2変量probitによる倒産予測モデルの 推定結果は,類似している点が多い。係数値の絶対値が小さいLIQ(流動資 産/流動負債)を別として,係数の符号はすべて共通している。二つのモデル を年度別に見ても,係数の符号はLIQを別として共通している。  2変量probitにおける完全データ予測モデルは,比較的良好な結果をもた らしている。完全データの確率は,CRSP Daily Return Fileセこリストされ た日数の増加関数であり,この関係は,すべての年度について明確に認めるこ とができる。分類の精度は,完全データ・グループで52.3−54. 6%,不完全 データ・グループで82.5−83.5%,全体で71.7−72.7%であり,ある程度

(16)

野司N.︾    ゆ。っO.寸 一㊤cq.Ni   O①oQ.cqI 一①O.マー   一寸◎o.oう一 σD=Dαつ    OQO卜.N 寸㊤QQ.一1   ¢マQQ.O一 ㊤O卜.Nl   ㊤一QO.NI O◎う寸.oつ ゆお.NI oっ@oっ.oう一 ゆ。つ一.oう    寸寸卜.σつ りり。つ.寸一   N①卜.oつ1 肖卜一.oう一   ト鶉.寸i     臼Z一国     くO餌     照石製

     癒迷

翼冷髄醒−催︵寸︶   謡ρoa醐懸N 小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号) ⑩oQ.O寸− 爲.OoうN 一.①O O◎.①① 寸.①N ◎う nO.O 肩当,寸 マ①QQ.N1 αDソ〇一.寸1 ㊤頃.oうcq一 寒.oっ◎Qoっ ¢.①① ⑪.①① O.O寸 NN一.Ol お①.寸 卜頃ゆ.oう一 お㊤.寸1 ON.Ooっl oう g.Oコ eq D①① ①.①① 一.oっN ①ゆめ。っー ト◎Q.9 0っ D①① ①.①① 一.Φ O卜N.O一   一囲O.O Ooっ︾.寸    OON.寸 目卜①.Ni   Φ寸①.Ol O嵩.寸1   ①N寸.噂1 QO?D①oう一 ①卜.卜α〇一 〇っ D①① ①.①① 目.oっN 苺.Ooっ一 ゆ﹃ゆ2 ︾.①① O.①① O.Ooう 卜OO.O    NOO.O N◎DO.寸    ◎o鴎①.博 のの一.oう一   ト頃卜.寸1 目。つΦ.寸一   Oトト.寸1 ①eq.cqN− 2.卜雲 ㊤.①① ①.①① ㊤.◎QN Φ鴎O.OI ⑩①N.桝 O卜㊤,鴎l oOX.αう一 週麟鞍Q輔毬遡殺  珊虚握蝋皿ヤタ

    鋒畑

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(17)

313 倒産予測モデルとサンプル選択の問題 。ゆ黒姫遡更Qω而三8哨ぢΦ︻①の三更の.嘱錨迷認駆Qu。無迷竪さ§潟§.蛭︵§、§︶覧

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(18)

 314 小倉栄一郎教授退官記念論文集(第255・256号) の精度で完全データの予測が可能であることが示されている。  最も興味深い結果は,表4−3の最下段のsample selection biasの尺度の 推定値である。この尺度は,UBとUDの相関係数であるが,その値は一〇.303 から一〇,719と相当強い負の相関の存在を示している。  負の相関は,高い倒産確率を持つ企業が低い完全データ確率を持つことを意 味している。それゆえ,不完全データを理由として分析から除外される企業は 高い倒産確率を持ち,このパィアスを考慮にいれなければ,モデルは倒産確率 を過小評価することにつながっていく。  表4−3での分類結果も,このバイアスの存在を示している。倒産企業の分類 精度を1変量probitと2画面probitのモデル間で比較すると,どの年度を 見ても2変量probitの分類精度が上回っているか,もしくは同じ水準にある。  これらの結果からみて,倒産予測モデルにおいてはsample selection bias が存在することは明らかである。 V.Zmijewski(1985)の研究の意義とpaired sampie designの問題点  Zmijewski(1985)の研究の意義は,既に指摘したように,これまで採用 されてきたサンプルの選択方法がもたらすバイアスを,現実にモデルを構築す ることにより実証した点にある。彼の研究によれぽ,2つのバイアスが存在す ることは明確に示されている。このバイアスがパラメータの推定値やモデルに よる分類の精度に及ぼす影響はそれほどでもないこと,も併せて指摘されてい る。  しかし,彼が行なった,サンプルの選択方法がパラメータの推定値とモデル による予測に及ぼす影響についての検討は,若干の問題を伴っている。それは, probitないしWESML probitモデルの予測精度を,倒産企業と非倒産企業 の誤分類の割合を用いて評価している点である。  Zmijewski(1985)の予測精度の検討においては,モデルによる予測倒産確 率をあたかも判別関数モデルの判別得点であるかのように取り扱っている.彼 は,分類基準点0.5を用いて,それより大きい予測倒産確率が与えられたサン

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      倒産予測モデルとサンプル選択の問題  315 プルは倒産と予測され,それより小さい予測確率が与えられたサンプルは非倒 産と予測されたものとみなしている。  確率による倒産予測は,企業倒産の可能性の強さを確率を用いて表現しよう とするものである。これに対し,判別関数モデルは,予測対象企業を倒産・非 倒産のいずれかに2分類するものであり,判別得点は,倒産確率とは質的にま ったく異なった情報である。  単純化していえぼ,確率予測モデルは,不確実性を明示的に取り扱うモデル であり,判別関数モデルは,不確実性を取り扱うことができない,いわば確実 性を前提にしたモデルである。それゆえ,判別関数モデルについては,予測と 実際を比較して,正しい予測・誤った予測(誤分類)を識別することができる。 しかし,確率予測モデルについては,予測倒産確率0%と100%を別にして, 正しい予測・誤った予測が存在しない。例えば,確率10%で倒産すると予測さ れた企業が倒産したとしても,それは誤った予測とはいえない。確率10%の事 象が生起することは,当然ありうることとして受け入れられねばならない。  それゆえ,確率予測モデルについては,その予測精度を判定するために,確 率予測モデルの特質に応じた尺度を工夫する必要がある。誤分類の割合は,判 別関数モデルに対する予測精度の尺度でしかないため,確率予測モデルの予測 精度を的確に表現しうるとは考えられない。  Zmijewski(1985)においては,誤分類の割合についての検討が,2つのバ イアスの存在とその影響の大きさの有力な根拠となっている。したがって,よ り適切な予測精度の尺度を用いた場合には,異なった結果がでるのではないか, という疑i義が持たれる。  もっとも,彼の検討においては,誤分類の割合だけではなく,モデルのパラ メータの推定値(表4−1,表4−3),尤度関数に基づく指標(表4−1の一2×lo9− likelihood,表4−3の尤度関数の対数値),平均倒産確率(表4−2),ρ(uB, uD) (表4−3)などが用いられている。これらの検討については,上の誤分類の割 合のような問題が無いため,バイアスに関する証拠として受け入れることがで きる。

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316 小倉栄一郎教授退官記念論文集(第255・256号)  さて,彼の検討には上に述べたような問題点があるが,誤分類の割合を用い た検討を考慮に入れないとしても,choice−based sample biasと sample selection biasが存在し,モデルの推定と予測の精度に影響を及ぼしうるこ とは明らかにされている。したがって,彼の研究には,倒産予測モデルの構築 においてサンプルの選択方法に十分留意することが必要であることを明確に示 した,という意義を認めることができる。  サンプルの選択方法については,Beaver(1967)とAltman(1968)の研 究以来,ほとんど掘り下げた検討が行なわれてきていなかった。H節において 指摘したように,多くの研究において,paired sample designが盲目白勺にと いってよいほど採用され続けてきている。  忌明においても指摘したが,1970年代の末以降,このようなpaired samPle designの問題点を指摘する研究が現われるようになってきた。しかし,これ らの研究は,主としてEconometricaや∫ozzrnal Of EconOmetricsなど計量 経済学の問題を取り扱う雑誌に掲載されたこともあって,会計学の領域,特に 実際に倒産予測モデルの構築を試みる研究においては,ほとんど顧みられるこ とがなかった。  Zmijewski(1985)の研究は,この問題の指摘がなされていることを会計学 の領域の研究者に周知させるとともに,そのモデルに及ぼす影響が無視できな いものであることを実証的な検討によって示した。それゆえ,これ以後の倒産 予測モデル研究においては,少なくとも,彼が取り上げた2つのバイアスの問 題を無視することが許されなくなったといえる。  ところで,彼は,choice−based sample biasとsample selection bias の2つのバイアスを取り上げただけである。Paired sample designには,こ の2つのバイアス以外のバイアスをもたらす要因が存在している。それは,倒 産企業と非倒産企業の1対1のペアをつくる際に,非倒産企業の業種や規模な ど(独立変数の値)を観察し,その値に基づいて非倒産企業サンプルとして採 用するかどうかを決める,という手続きである。  exogenous random samplingが多変量解析技法適用の前提とすると,こ

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      倒産予測モデルとサンプル選択の問題  317 の手続きはexogenous random samplingの前提に矛盾することは明らかで あり,モデルのパラメータの推定やモデルによる予測にバイアスをもたらす要 因となる。サンプルの選択手続きに基づくバイアスを取り上げるのであれば, このバイアスについても検討を加えることが必要である。この・ミイアスをも検 討対象とすることにより,paired sample designつまりサンプルの選択方法 の問題点の全容を視野に入れることが可能になる。  それゆえ,彼の研究は,上の2つのバイアスについて検討することが目的で あったわけであるが,サンプルの選択方法,ないしはpaired sample design の問題点についてより体系的に検討することの必要性を一般に認識せしめる契 機となる,という期待を持つこともできる。 V互.結 び  本稿では,倒産予測モデルにとって非常に重要ではあるが,これまで掘り下 げた検討が行なわれてこなかったサンプルの選択に関する問題を取り上げた。 サンプルの選択方法がモデルに重要な影響を及ぼすことを示すために,choice− based sample biasとsample selection biasについての実証的な検討を試 みたZmijewski(1985)の研究を取り上げ,その概要を紹介するとともに, この研究が倒産予測モデル研究にとってどのような意義を持つか,について考 察した。  倒産予測モデルについては,財務的データの利用に関する会計学的な問題 (この問題については,拙著,『企業倒産分析と会計情報』 千倉書房,平成元 年2月,第1部および第皿部を参照して欲しい),および,統計学的技法の適 用や結果の解釈に関する統計学的な問題(Eisenbeis(1977), Pinches(1980) などを参照して欲しい)などが存在していた。  後者の統計学的な問題としては,サンプル・サイズ,欠測値,サンプルの帰 属グループの誤りなど(Pinches(1980), PP.436−439),サンプルに関連 する問題も取り扱われている。しかし,本稿で取り上げたサンプルの選択に関 する問題特にpaired sample designについてはなんの検討もなされてき

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318 小倉榮一郎教授退官記念論文集(第255・256号) ていなかった。  本稿での検討から明らかなように,サンプルの選択に関する問題は,倒産予 測モデルのパラメータの推定,および,モデルによる予測にバイアスをもたら す重要な要因となっている。したがって,この問題は,その倒産予測モデルに 対する重要性からして,上の二つの問題に続く第三の問題として位置づけるべ きである。   この間日の重要性は,Zmijewski(1985)の研究を契機として会計学の領域 で認識されたばかりに過ぎない。問題の存在が認識されたばかりで,問題の全. 容が解明されているわけではないし,まして,モデル構築における具体的かつ 有効な解決策が提示されてきているわけではない。今後,一層のかつ早急な検. 討がなされるべき検討課題であるといえる。 引 用 文 献        外国文献 1. E. 1. Altman, Financial Ratios, Discriminant Analysis, and the Prediction of Corporate Bankruptcy, The/ournalげFinance, vQ1.23 No.4, September  1968, pp.589−610. 2. E. 1. Altman, R. G. Haideman, and P. Narayanan, ZETA Analysis: A new model to identify bankruptcy risk of corporations, Journal of Banfeing and’ Finance, vol. 1, June 1977, pp. 29−54. 3. W. H. Beaver, Financial Ratios as Predictors of Failure, EmPirical Research in Accounting: Selected Studies 1966, SuPPIement to vol. 4, Journal of Accounting’  Research, 1967, pp. 71−111. 4. M. Blum, Failing Company Discriminant Analysis, Journal of Accounting  Research. vol. 12, Spring 1974, pp. 1−25. s. E. Deakin, A Discriminant Analysis of Predictors of Business Failure. Journal of Accounting Research, vol. 10, Spring 1972, pp. 167−179. 6. R. O. Edmister, An Empirical Test of Financial Ratio Analysis for Small Business Failure Prediction, Journal of Financial and(∼uantitative Anal二ysis, vol. 7, March 1972, pp. 1472−1493. 7. R. A. Eisenbeis, Pitfalls in the Application of Discriminant Analysis in Business, Finance, and Economics, The Journal of Finance, vol. 32 No. 3.  June 1977, pp. 875−900. s. J. J. Heckman, Sample Selection Bias as a Specification Error, Econometrica,

(23)

倒産予測モデルとサンプル選択の問題 319   voL 47, January 1979, PP.153−161.        ロ9.G. S. Maddala, Limited−Dependent and(?”alitative Variables in Econometrics,   Cambridge, Cambridge University Press,1983. ユ0.C, F. Manski and S. R. Lerman, The Estimation of Choice Probabilities   from Choice Based Samples, Econometrica, voL 45, November 1977, pp.1977−   1988. ユ1.D・Martin, Early Warning of Bank Failure,ノ’ournal of Banking and Finance,   vo1.1,0ctober 1977, PP.249−276. ユ2.P. A. Meyer and H. W. Pifer, Prediction of Bank Failure, The/ournalげ   Finance, voL 25 No.4, September 1970, pp.853−868. ユ3.J. Ohlson, Financial Ratios and the Probabilistic Prediction of Bankruptcy,   Journal of Accounting Research, voL 18, Spring 1980, PP。109−131. 14。K. Palepu, Sampling Issues in Dichotomous State Prediction Literature,   Working Paper, Graduate School of Business, Harvard University,1983. 15.G. E. Pinches, Factors Influencing Classification Results from Multiple   Discriminant Analysis, Journal Of Busine∬Research, vo1.8,1980, PP.429−456・ ユ6.D. J. Poirier, Partia10bservability in Bivariate Probit Models,ノburnal(ゾ   Econometrics, vol.12, January 1980, pp.209−217. 17.A。 Santomero and J。 Vinso, Estimating the Probabllity of Failure for   Conlmercia!Banks and the Banking System,ノbπ77zα1(ゾBanfeing and Finance,   vo1.1,0ctober 1977, PP.185−205. 18.J. Sinkey Jr., A Multivariate Statistical Analysis of the Characteristics of   Problem Banks, The/burnal of Finance, vol.30, March 1975, pp.21−36. 19.M. E. Zlnijewski, Methodological Issues Related to the Estimation of Finan・   cial Distress Prediction Model, Studies on Current Econometric Issues in   Accounting」Research, Sul)Plement to vol,22,ノb麗〃zαJ of Accounting Research,   1985,pp.59−82. 国内文献 1.奥野忠一,他三名, 『多変量解析法』 目科技連,1971年. 2.後藤実男, 『企業倒産分析と会計情報』 千倉書房,1989年.

参照

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本文のように推測することの根拠の一つとして、 Eickmann, a.a.O..

けることには問題はないであろう︒