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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析(山﨑一眞教授退職記念論文集)

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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析 183

ヘドニック・アプローチによる

滋賀県住宅地の地価形成要因分析

.はじめに 本論では,滋賀県における住宅地地価の空間的分布を観察することを通じて, 地価に有意な影響を与える不動産特性がヘドニック・アプローチによってどの 程度捕捉され得るのか,またその場合に具体的にどの要因が価格差を決定づけ るうえで重要となるのかを定量的に整理する。 不動産の価値評価に関して,国土交通省の不動産鑑定評価基準では次のよう に記されている。 不動産の価格は,多数の要因の相互作用の結果として形成されるものであ るが,要因それ自体も常に変動する傾向を持っている。したがって,不動 産の鑑定評価を行うに当たっては,価格形成要因を市場参加者の観点から 明確に把握し,かつ,その推移及び動向並びに諸要因間の相互関係を十分 に分析して,前記三者(不動産の効用,相対的稀少性,不動産に対する有 効需要)に及ぼすその影響を判定することが必要である。[国土交通省 ( )p.] 具体的に価格形成要因は,一般的要因,地域要因及び個別的要因に分けられ るとされているが,その中でも住宅地域に関する要因の主なものは表 でまと めてある。個別要因は独立ではなく相互に相関を持つと考えられる。 こうした多くの要因ゆえに,一般的に住宅地地価を含む不動産はユニークな 商品であるという側面を持つ。すなわち,自然的特性としての不動産,再生産 不可能性,土地やその形状といった個別性,加えて人文的特性としての用途の 多様性ゆえに,同一の不動産というものは存在せず,それぞれは完全に差別化

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184 山 一眞教授退職記念論文集(第 号) 平成 ( )年 月 された財といえるのである。 表 記載にあるような要因それぞれの重要度を再整理したうえで定量化する ために,本論ではヘドニック・アプローチ(hedonic approach)を採用する。 ヘドニック・アプローチでは住宅地の価値を地域のアメニティ,環境質,利便 性,規模等のような「特性(characteristics)」の合成物であると考える。この 場合,共通の客観的性質を示す特性のレベルに依存して住宅地地価が決定され ると考えることから,共通の客観的特性に基づく金額換算が可能となる。 概念的には,観測・非観測な情報分析を通じて,住宅地需要者が一定の予算 一般的要因 地域要因 個別的要因 Ⅰ 自然的要因 .地質,地盤等の状態 .土壌及び土層の状態 .地勢の状態 .地理的位置関係 .気象の状態 Ⅱ 社会的要因 .人口の状態 .家族構成及び世帯分離の状態 .都市形成及び公共施設の整備の 状態 .教育及び社会福祉の状態 .不動産の取引及び使用収益の慣 行 .建築様式等の状態 .情報化の進展の状態 .生活様式等の状態 Ⅲ 経済的要因 .貯蓄,消費,投資及び国際収支 の状態 .財政及び金融の状態 .物価,賃金,雇用及び企業活動 の状態 .税負担の状態 .企業会計制度の状態 .技術革新及び産業構造の状態 .交通体系の状態 .国際化の状態 IV 行政的要因 .土地利用に関する計画及び規制 の状態 .土地及び建築物の構造,防災等 に関する規制の状態 .宅地及び住宅に関する施策の状 態 .不動産に関する税制の状態 .不動産の取引に関する規制の状 態 Ⅰ 宅地地域 .住宅地域 ( )日照,温度,湿度,風向等 の気象の状態 ( )街路の幅員,構造等の状態 ( )都心との距離及び交通施設 の状態 ( )商業施設の配置の状態 ( )上下水道,ガス等の供給・ 処理施設の状態 ( )情報通信基盤の整備の状態 ( )公共施設,公益的施設等の 配置の状態 ( )汚水処理場等の嫌悪施設等 の有無 ( )洪水,地すべり等の災害の 発生の危険 ( )騒音,大気の汚染,土壌汚 染等の公害の発生の程度 ( )各画地の面積,配置及び利 用の状態 ( )住宅,生垣,街路修景等の 街並みの状態 ( )眺望,景観等の自然的環境 の良否 ( )土地利用に関する計画及び 規制の状態 .商業地域 略 .工業地域 略 Ⅱ 農地地域 略 Ⅲ 林地域 略 Ⅰ 宅地 .住宅地 ( )地勢,地質,地盤等 ( )日照,通風及び乾湿 ( )間口,奥行,地積,形状 等 ( )高低,角地その他の接面 街路との関係 ( )接面街路の幅員,構造等 の状態 ( )接面街路の系統及び連続 性 ( )交通施設との距離 ( )商業施設との接近の程度 ( )公共施設,公益的施設等 との接近の程度 ( )汚水処理場等の嫌悪施設 等との接近の程度 ( )隣接不動産等周囲の状態 ( )上下水道,ガス等の供給・ 処理施設の有無及びその 利用の難易 ( )情報通信基盤の利用の難 易 ( )埋蔵文化財及び地下埋設 物の有無並びにその状態 ( )土壌汚染の有無及びその 状態 ( )公法上及び私法上の規制, 制約等 .商業地 略 .工業地 略 Ⅱ 農地 略 Ⅲ 林地 略 IV 見込地及び移行地 略 表 不動産の価格を形成する要因 ※国土交通省 不動産鑑定評価基準( 年)p.より抜粋

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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析 185 制約のもとで効用最大化が図れる土地を選択し,一方住宅地供給者は自らの利 潤最大化が図れる場合に住宅地の供給を行うというものである。そうした結果 として成立する均衡価格を想定するのがヘドニック・アプローチである)。こ のようなアプローチは不動産市場分析でよく使われる手法である一方,社会資 本等の非市場の経済評価や,日本銀行調査統計局( )のように品質調整法 として活用されることも多い)。 .ヘドニック・アプローチを用いた不動産市場分析における 先行研究と理論モデル . 先行研究 ヘドニック・アプローチは不動産市場分析でよく使われる手法である。GIS (Geographic Information System:地理情報システム)に基づく地理・空間デー タの整備やアクセシビリティの向上により,実証分析はすでに日本において広 範に行われているが,その対象となるエリアは首都圏を対象とするものが多 い)。 たとえば,清水( )は,リクルート社刊行の「週刊住宅情報」における 年の抹消日価格情報(取引価格の代理変数)を用い,マンション価格関数 の推計を行っている。そして「築後年数」および「最寄り駅までの距離」で非 連続点が存在することを確認している。また沓澤( )は東京都区部の 年地価公示データ(住宅地)を用い,住宅価格に犯罪発生率がどの程度影響を 及ぼすのかを検証している。そして侵入窃盗や非侵入窃盗が多い住宅地におい ては地価を押し下げる効果があることを示した。清水・唐渡( )は空間的 自己相関に注視した数種の推計法を用い,東京都区部の 年地価公示(住宅 地)による地価関数の推計結果を検討している。 )より詳細な経済理論的背景については清水( )を参照。 )品質調整法の場合,商品はそれを構成する特性に分解され,かつ価格は性能によって決 定されると考え,新商品の旧商品対比での品質向上相当分を,計量手法を用いて推計する ことになる。経済理論的および実証的問題は白塚( )でも整理されている。 )GIS 活用の展望については,第 節まとめで課題として触れている。

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186 山 一眞教授退職記念論文集(第 号) 平成 ( )年 月 なお最近では,弾力的な関数形態に対応して利用可能な公示地価データの最 も効率的な利用のためにノンパラメトリックな計算や空間的な自己相関性の誤 差修正項のような洗練された統計技術を使った分析もされている[清水・唐渡 ( )]。 . ヘドニック・アプローチの理論モデル 実証分析に先立ち,Epple( )の議論に沿って,住宅地地価の諸特性を 取引する暗黙的な市場を想定したうえで,需要・供給両サイドの市場均衡価格 曲線としてのヘドニック関数を導出していく。 地価を形成する特性の n 次元ベクトルを z=( , ,…, ),ヘドニック価格 関数を (z)=( , ,…, ), 住宅地需要者の効用関数を (z, ; α)とする。 はニュメレール(価値尺度財),α=(α , α , …, αα)は需要者個人のテイスト パラメータのベクトルである。需要者 の 所 得 を で 表 す と 予 算 制 約 式 は =(z)+ となる。なお同時分布関数を ( ,α)と表しておく。予算制約式 のもと,需要者が z, について効用最大化行動をとると,次のように定式化 される。 max z (z, ) s.t. =(z)+ ( ) この場合,最適化のための 階条件(FOC)は以下の式で表せる。 z= (zz −(z);α) (z −(z);α)= (z, −(z);α) ( ) ここで zはヘドニック価格関数の 階微分のベクトルである, z, は特 性(ベクトル)およびニュメレールの 階微分を表している。 需要者の効用水準が の下でのビッド関数(bid function)を θ(z; , )と すると (z, −θ)= が成立し,これを微分することで次式が得られる。ビッ ド関数は増加する凹関数である。

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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析 187 θ = / > θ =( − + )/ < ( ) 需要者の効用はヘドニック関数とビッド関数との接点において最大化されるた め,以下の式が成立することになる。 θ(z* ; * , )=(z* ) θ(zz *; *, )= (z*) ( ) 図的にはヘドニック関数がビッド関数のエンベロープ・カーブとなる。 次に供給サイドの行動を定式化していく。供給者は自らの供給行動を決定す る 際,住 宅 地 地 価 を 所 与 と し て 利 潤 π を 最 大 化 す る た め に 特 性 の 束 z=( , ,…, )を決定する。 max z π=(z) − ( , z; β) ( ) ここで, は供給する住宅地の数),β=(β , β , …, ββ)は個々の供給者を特徴 づけるパラメータベクトルで (β)という分布関数を持つとする。 ( , z; β) は供給者の費用関数である。供給者が および z をコントロールできるよう な短期経済を想定した場合,利潤最適化のための FOC は次のようになる。 z= ( , z; β)z (z)= ( , z; β) ( ) これは供給者が,各特性の限界的な価値と土地 単位当たり特性の限界費用 が等しくなるように供給活動を行うこと,および土地の市場価値が任意のキャ ラクターベクトルを有する供給者の土地供給限界費用に等しくなるように行動 することを意味する。なおこの場合の最大利潤は β に依存することになる。 オファー関数(offer function)を φ(z, π)とすると π= φ− ( z β)が )自社所有の宅地を相当数有する不動産会社がイメージしやすいだろう。もちろん個人で 所有する宅地を売却する場合は = ということになる。

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188 山 一眞教授退職記念論文集(第 号) 平成 ( )年 月 成立する。これを微分することで次が得られる。 φz= z > φπ= > ( ) すなわちオファー関数は増加する凸関数である。市場均衡は, (z* )=φ(z* π* ) z (z* )=φ(zz * π*) ( ) のようなオファー関数のエンベロープ・カーブとなる。需要者・供給者とも条 件が合致した場合,ビッド関数とオファー関数は市場がクリアとなるヘドニッ ク関数を挟んで接することになる。これを示したのが図 である。 このようにヘドニック・アプローチでは z=( , , …, )の特性を持つ住 宅地に対する需要と供給が合致するところで市場均衡価格が決定される。すな わち,ヘドニック価格は需要者サイドの ( , α)と供給者サイドの (β)に依 存して決定されることになる。 ただ, ( , α)や (β)がわからない以上,一般的に (z)は未知であり, 需要サイドと供給サイドの同時推定から市場均衡価格を導くことになる。その 図 特性 z に関するビッド関数,オファー関数,市場均衡

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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析 189 場合同時方程式バイアスにより一致性が得られないといった指摘や,関数型に おける様々な問題が清水・唐渡( )で指摘されている。 .実証分析 . ヘドニック・アプローチの実証モデル 前節で検討してきたように,ヘドニック推計式はその理論上,特定の関数形 まで想定するものではない。そのうえで実証分析においては関数形の選択に際 し極力客観性を確保するために,ダミー変数以外の全ての変数について,①線 形,②フルログ型,③セミログ型,④両側 Box-Cox 型,⑤片側 Box-Cox 型の パターンがよく推計される。なお,①∼③は Box-Cox 変換項の特殊ケース と見ることができる。様々な形で原データを変換することで,推計式のフィッ トが良くなることが多い)。これは,データを変換した場合に変換後のデータ がより正規分布に近づく場合に生起する(特に OLS 等の統計学の手法では, データが正規分布でないと分析できない手法が多く存在するため)。一般的な 実証モデルは以下のような形になる。 (θ) =γ +∑ =γ (λ) + ∑ = +γ +∑=δ + ( = , , …, ) (θ)!" # ( θ − )θ θ≠ ln θ= ( ) (λ)!" # ( λ − )λ λ≠ lnλ λ= ここで , , はそれぞれ 期における第 ポイントの住宅地の第 番 目の特性,第 期の時間ダミー,誤差項を示す。Box-Cox 変換を行っている のは = から までであり, + から までは質的ダミーであるため無変 換である。 定性的な特徴を表すものについては,ダミー変数で対応することになる。モ

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190 山 一眞教授退職記念論文集(第 号) 平成 ( )年 月 デルの各変数はヘドニック変数(hedonic variables)と呼ばれ,価格鑑定地点の 横断的な違い,つまり住宅地市場で重要な違いを計測する。各ヘドニック変数 の価値のインパクトは,ヘドニック変数 単位当たりの市場均衡価格に与える 影響で決定されることになる。説明変数の採択に当たっては,ダミー変数を含 めた各種特性値から,符号条件が合わないものや統計的に有意でないものを逐 次除外する方法を併用する。 なお, については若干の留意が必要である。ある一定期間貯蔵されたデー タベースならば,そのデータに基づく OLS は純粋に横断的な残差項か,純粋 に時間的な残差項のいずれかの最小値を必ずしも意味するものではないという ことになるからである。ただ,本論で扱うデータは地価公示および地価調査の 鑑定データ(前者は 月 日時点,後者は 月 日時点)であるので,時間的 な残差が問題となるウェイトは小さいと考えてよいだろう。 ①から⑤の全てのパターンを網羅的に分析するには紙幅が足りないため,ま た関数変換が容易で通常の OLS を利用できるという利点から,次節では①, ②,③の関数形について, つの推計モデルを用意した上で,滋賀県の公示地 価データを用いた分析を行うことにする。 . 滋賀県住宅地地価ヘドニック関数の推計 本節では滋賀県住宅地地価データを用いたヘドニック関数の推計を行う。 データは土地情報総合システム)から入手した 年 月 日時点の地価公示 データである。図 は滋賀県内の地価公示調査地点と地価分布を示している。 ポイント(丸いドット)が大きなほど㎡あたりの地価が高く評価されているこ とを示す。容易に想像できるように県庁所在地である大津市や都市化が進む草 津市の地価が高くなっている。輸送量の面で優れている琵琶湖線 (JR 西日本) の中でも新快速が停車する駅で近江鉄道と接続する彦根市や近江八幡市も高い 評価を受けている。また最寄り駅が JR 以外では八日市(東近江市)が比較的 高い。やはり複数路線のターミナル駅として位置づけられるエリアである。 )土地情報総合システム http://www.land.mlit.go.jp/webland/

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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析 191 各データの記述統計は表 に示される。地積に関して,全国の平均住宅延べ 床面積を住宅生産団体連合会の報告書記載の ㎡とし,指定建蔽率を滋賀県 データ平均の . %とした場合,逆算した地積が .㎡となり,滋賀県調 査におけるメディアンの ㎡は妥当な広さといえよう(すなわち地価公示の ポイント選定に関して中庸性が確保されていると考えられる)。どの指標も歪 度から右の裾が長い分布になっている。異常値は地積,最寄り駅からの距離, 指定容積率に見られる。 なお,街区及び画地が整然とし,植生や眺望,景観等が優れ良好な近隣環境 を形成しやすいという意味で,建蔽率 %以下かつ容積率 %以下,さらに 前面道路幅員が m 以上を満たす地点は 地点( .%)であった。 図 滋賀県内地価公示調査地点と地価分布 (データ出所)土地情報総合システム

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192 山 一眞教授退職記念論文集(第 号) 平成 ( )年 月 表 は滋賀県地価公示データから抽出できる量的変数の相関係数表である。 これを見る限り,使用データに関しては格別強い相関関係にあるものは見当た )琵琶湖線(びわこせん)は,西日本旅客鉄道(JR 西日本)東海道本線のうち,米原駅∼ 京都駅間と北陸本線米原駅∼長浜駅間の愛称である。 )本推計での対象となる新快速停車駅は,米原,彦根,能登川,近江八幡,野洲,守山, 草津,石山,大津,山科の 駅である。 変数 平均 メディアン 最大値 最小値 標準偏差 歪度 尖度 PLP:住宅地の 地価(円/㎡) . . . . AC :地積 (㎡) . . . . DS :最寄り駅 からの距離(m) . . . . BC :指定建蔽 率(%) . . . . FR :指定容積 率(%) . . . . WIDTH:前面道 路幅(m) . . . . . DIST:大津駅 までの距離(㎞) . . . . . . ライフライン GAF:都市ガス敷設率 .% SEF:下水道敷設率 .% CHOKU :市街化調整区域率 .% BIWAKO:最寄り駅が琵琶湖線)沿線の割合 .% RAPID :最寄り駅が新快速停車駅)の割合(筆者計算) . % 道路付け方位 N :北の割合 .% N_E :北東の割合 .% E :東の割合 .% E_S :南東の割合 .% S :南の割合 .% S_W :南西の割合 .% W :西の割合 .% N_W :北西の割合 .% 接道道路種別 ROAD_CITY :市道の割合 .% ROAD_PREF :県道の割合 .% ROAD_PRI :私道の割合 .% ROAD_O :町道その他の割合 .% 表 滋賀県地価公示データの記述統計( 年) ※サンプル数 (データ出所)土地情報総合システム

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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析 193 らなく,多重共線性(multicollinearity)の心配はないようだ。地価公示データ には量的データと質的データが含まれるので,推計にあたっては表 のように 適宜量的変数とダミー変数に区別した。 PLP AC DS BC FR WIDTH PLP − . − . − . − . . AC − . . . . − . DS − . . − . . BC − . . − . FR − . − . WIDTH . 表 滋賀県地価公示データの相関係数 変数 内容 被説明 変数 PLP:住宅地の地価(円/㎡) 公示地価(住宅地に限定) 説 明 変 数 量 的 変 数 AC :地積(㎡) 住宅地一区画の面積 DS :最寄り駅からの距離(m) 住宅地から最寄り駅までの距離 BC :指定建蔽率(%) 住宅地面積に対する許容建築面積の割合の 最大値 FR :指定容積率(%) 住宅地面積に対する許容延べ床面積の割合の最大値 WIDTH:前面道路幅(m) 住宅地が面する道路の幅員 DIST:大津駅までの距離(㎞) 大津駅(県庁所在地であり県の中心地とし て想定)までの路線距離 ダ ミ ー 変 数 ︵ 質 的 変 数 ︶ GAF・SEF:都市ガス・下水道未整備 ダミー 未整備ならば ,整備ならば CHOKU:調整区域ダミー 住宅地が市街化調整区域内ならば ,そうでないなら BIWAKO:琵琶湖線ダミー 最寄り駅が琵琶湖線(JR 西日本)ならば ,それ以外ならば RAPID:新快速ダミー 最寄り駅が琵琶湖線であり,しかも新快速 の停車駅ならば ,そうでないなら N,N_E,E,S_E,S,S_W,W:道路付 け方位ダミー 道路付け方位を つに分けダミー変数化 (北・北東・東・南東・南・南西・西) ROAD_CITY,ROAD_PREF,ROAD_PRI: 道路種ダミー 前面道路の種類を市道・県道・私道に分け ダミー変数化 表 推計に使用する変数

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194 山 一眞教授退職記念論文集(第 号) 平成 ( )年 月 . 推計結果 推計では 年地価公示( 月 日現在),滋賀県内全 地点のうち用途地 域が住宅地である 地点を対象とした。㎡あたり地価を被説明変数とし, の変数(うち はダミー)を対象として行った。DIST を除く全てのデータは 国土交通省の土地総合情報システムから入手した。表 には線形,ログ型を含 んだ 本の推計結果が掲載されている。セミログⅠ型では量的な説明変数のみ 対数化し,セミログⅡ型は被説明変数のみ対数化している。以下では基本モデ ルと考えてよいであろう全変数を使用した線形タイプについての結果を主に述 べていく。 自由度修正済み決定係数――(表では Adjusted R )によると %の説明力を 持つことになり,全体として良好な結果が得られたといえよう。個別の変数に ついて以下で述べていく。 線形全変数使用 線形(逐次除外法) フルログ型 セミログⅠ型 セミログⅡ型 説明変数 係数 t値 係数 t値 係数 t値 係数 t値 係数 t値 (定数項) , . *** *** *** *** *** 量 的 変 数 AC − . − . ** − . − . ** − . − . *** − . *** − . − . *** DS − . − . *** − . − . *** − . − . *** − . *** − . *** BC − . − . − . − . *** − . − . − . *** FR . . WIDTH . . *** *** *** *** *** DIST − . − . *** − . *** − . − . *** − . *** − . − . *** ダ ミ ー 変 数 GAF − . − . *** − . *** − . − . *** − . *** − . − . *** SEF − . − . CHOKU − . − . *** − . *** − . − . *** − . *** − . − . *** BIWAKO . . *** *** *** *** *** RAPID . . . . * ** ** N . . N_E . . E − . − . S_E . . S . , S_W . . W . . ROAD CITY . . . . *** *** ROAD_PREF − . − . ROAD PRI . . . . *** *** Adjusted R . . . . . 対数尤度 − . − . , − . . AIC . . . . . SBIC . . . . . 表 地価公示( 年)データセットでの推計結果 被説明変数:PLP,サンプル数 (注 )***は %,**は %,は %水準で有意であることを示す。 (注 )セミログⅠ型は量的な説明変数のみ対数化し,セミログⅡ型は被説明変数のみ対数化している。 (注 )Adiusted R は自由度修正済み決定係数,AIC,SBIC はそれぞれ赤池,シュワルツの情報基準量を表す。

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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析 195 AC :地積 係数が− . であり %水準で有意である。地積が大きな土地ほど割り引 かれた評価を受け,㎡あたり 円のディスカウントとなることがわかる。一区 画に電気,ガス,上下水道といったライフラインを敷設することを考えると, 規模が大きなほど単位コストが削減できることから予想される結果であるとい えよう。 DS :最寄り駅からの距離 係数が− . であり %水準で有意である。駅から離れるほど公共交通の利 便性が悪くなるため地価が下がるのは予想された通りである。その下落幅は mあたりにつき平均 . 円ということが示された。たとえば 区画面積をデー タメディアンの ㎡とすると,駅からの距離が m 離れるにつき, 円地 価が下落することに相当する。また,全地点平均の mを考えると㎡あた り 円の下落に相当する)。 BC :建蔽率,FR :容積率 有意な係数が得られなかった。建蔽率が低いほどまた容積率が低いほど日照 条件や緑化率が改善されると期待されるのでマイナスの効果を見込んでいた が,係数はマイナスであるものの %水準でも有意ではない。土地面積の有効 活用という意味でのプラスの効果と相殺されたのかもしれない。なお,フルロ グ型およびセミログⅡ型では有意に負となり期待された結果となった。 WIDTH:前面道路幅 係数が . であり %水準で有意である。前面道路幅が広いほど駐車場 への車両の入出が容易となる。また採光の面でも有利なのでこの結果は妥当と いえよう。 m 未満では将来セットバックの必要性を考慮せねばならないこ とも理由として考えられる。たとえば全地点平均の . メートル(表 より) )この変数が地価に対して単純な線形関係にあるとは経験的に想定しづらい。あまりに駅 から離れるとバス圏に入るような距離帯では,地価勾配が変動する可能性が高いため,課 題として非線形性を考慮すべきであろう。清水( )第 章では中古マンション価格関 数推計に際し,定数項ダミーと係数ダミーを用い つの変化断面を仮定した上で,探索的 な分析を行っている。

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196 山 一眞教授退職記念論文集(第 号) 平成 ( )年 月 をセットバック境界値である メートルと比較した場合,㎡あたり平均的に 円の差が生じることになる。なお,道路幅が広すぎると幹線道路として車 両の通行量が増加し住環境の面でマイナスになるという観点もありうる。ただ し今回の住宅地を対象とした場合,こうした観点のウェイトは低いとみてよい だろう。 DIST:大津駅までの距離 サンプル地点から最寄り駅までの距離に,そこから大津駅までの路線距離を 加えたものである。県の中心までのアクセシビリティの代理変数と考えられる。 係数が− . であり %水準で有意である。大津駅までの距離が ㎞離れる につき ㎡あたり平均 円下落することが示された。なお,時間ではなく距 離を選択したのは,時間だと複数路線を活用する場合の乗り換え時間や新快速 の通過待ちを考える場合,出発時刻により大きく変動する不都合を避けるため である。 GAF:都市ガス未整備ダミー 推計対象地点においてはガス供給施設が備わっているのはほぼ半分である。 係数が− であり %水準で有意となった。ライフラインの一つであるガ スが供給される土地のほうが高い評価なのは予想されることであり,本推計に より未整備地は ㎡あたり平均的に 円評価が低いことがわかった。たと えば地積を全地点メディアンの ㎡とした場合 ),ガス整備地と未整備地の 土地価格差額は 万円にのぼることがわかる。 SEF:下水道未整備ダミー 下水道未整備地点は整備地点に比べ低い評価となることが予想される。係数 はマイナスであるものの有意性は得られなかった。 CHOKU:調整区域ダミー 係数が− であり %水準で有意である。市街化調整区域内の地価はそ うでない地価に比べ㎡あたり平均 円低くなっている。地積をメディアン )右に裾が長い地価分布となっているので単純平均をとると一部の大規模敷地に引っ張ら れるため,メディアンで考えた。なお,単純平均では ㎡である。

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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析 197 の ㎡とした場合,これは 万円の差となる。新たに建築物を建てたり,増 築することが出来ない土地であることや,土地を購入するにあたり金融機関で の借り入れが困難であることが,こうした差額となって表れていると考えられ る。 BIWAKO:琵琶湖線(JR 西日本)ダミー 滋賀県は東海道新幹線を除く鉄道路線が 本ある )。乗降客数,便数が圧 倒的に多い琵琶湖線が最寄り駅である地点は鉄道利用の利便性で大きなアドバ ンテージを有しているとみなすことができる。結果は予想通り,係数は であり %水準で有意であった。琵琶湖線利用エリアの地価はそうでないエリ アに比べ㎡あたり平均 円高い評価となっている。地積をメディアンの ㎡とした場合,これは 万円の差となる。 RAPID:新快速ダミー 琵琶湖線には新快速という快速列車の種別の一つが運行しており,滋賀県内 主要地域のみならず,京都,大阪,神戸といった大都市へのアクセスを容易に している。こうした新快速が停車する駅が最寄り駅となっている地域は,琵琶 湖線による利便性の享受に加えさらにアドバンテージを有し,地価に反映され ると考えられる。しかしながら推計では係数はプラスであるものの有意とは なっていない。ただし,線形(逐次除外法),フルログ型,セミログⅡ型では 有意に正となり期待された結果となった。 N,N_E,E,S_E,S,S_W,W:道路付け方位ダミー 日照の観点から道路付けが南に近いほど地価の増大が見込まれる。本推計で は方角を つに分割したうえで方位ダミーを用意したのだが,どの地点も有意 な結果は得られなかった。この結果は方位を 分割(東西南北)あるいは 分 割(南北)しても同じであり,どのモデルでも有意とはならなかった。住宅が 密集する大都市とは異なり,どの方位の道路付けでも一定の日照が確保される ためと考えられる。 )琵琶湖線,湖西線,北陸本線,草津線(以上 JR 西日本),近江鉄道三線(本線・多賀線・ 八日市線),京阪鉄道石山坂本線,信楽高原鉄道の 路線。

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198 山 一眞教授退職記念論文集(第 号) 平成 ( )年 月 ROAD_CITY,ROAD_PREF,ROAD_PRI:道路種ダミー 前面道路の種類を市道,県道,私道,その他(町道等)に分け道路種ダミー を用意したのだが,どの種別も有意な結果は得られなかった。なお,フルログ 型とセミログⅡ型では市道および私道において正で有意となり,私道の係数の 方が大きなことが示された。私道負担や位置指定型である場合の廃止手続コス トを考えると,この結果は解釈が困難である。 . 追加的分析 前節までは 年の地価公示データを用いた推計結果について評価してきた が,類似の鑑定データとして地価調査データもある )。そこで,追加的分析 として, 年地価公示データセットおよび 年, 年の地価調査データ セットを用いて,それぞれ タイプの推計モデルを検証していく。 各データセットの記述統計は表 に示される。 年 月からの景気後退 ) を反映して, 年の地価平均は前年より下落している。下落比率は地価公示 で . %,地価調査で− . %であった。 )地価公示と地価調査の差異は,調査ポイント,評価時点(地価公示は毎年 / 時点, 地価調査は毎年 / 時点),法令根拠,実施機関の点であるが,実質的にほぼ同様の公 的な土地評価制度とみなしてよい。なお,わかりやすくまとめたものとしては『滋賀県の 地価の概要について』(http://www.pref.shiga.jp/c/tochitai/chika/chika_index.html)を参照のこ と。 )内閣府の景気動向指数研究会が発表した暫定値に基づく。

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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析 199 次に表 に準じ, 年地価公示, 年・ 年地価調査のデータセットを用い た推計結果を表 に示す。 変数 PLP:住 宅地の地 価 (円/㎡) AC : 地積(㎡) DS :最 寄り駅か らの距離 (m) BC :指 定建蔽率 (%) FR :指 定容積率 (%) WIDTH: 前面道路 幅(m) DIST:大 津駅まで の距離 (㎞) 地 価 公 示 年 平均 . . . . . . . メディアン . 最大値 最小値 . 標準偏差 . . . . . . . 年 平均 . . . . . . . メディアン . 最大値 最小値 . 標準偏差 . . . . . . . 地 価 調 査 年 平均 . . . . . . . メディアン . 最大値 . 最小値 . . 標準偏差 . . . . . . . 年 平均 . . . . . . . メディアン . 最大値 最小値 . 標準偏差 . . . . . . . 表 地価公示・地価調査データの記述統計( 年・ 年) (データ出所)土地情報総合システム (注 )地価公示は毎年 / 時点,地価調査は毎年 / 時点の鑑定価格であり,あ る意味半年次の時系列データととらえることができる。 (注 )地価公示,地価調査とも住宅地データのみを抽出。サンプル数は,地価公示で は ( 年), ( 年)であり,地価調査は 年, 年とも である。 (注 ) 年地価公示は表 より再掲載(斜体)

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200 山 一眞教授退職記念論文集(第 号) 平成 ( )年 月 線形全変数使用 線形(逐次除外法) フルログ型 セミログ 型 セミログⅡ型 説明変数 係数 t値 係数 t値 係数 t値 係数 t値 係数 t値 (定数項) . . *** *** *** *** *** 量 的 変 数 AC − . − . *** − . − . *** − . − . *** − . *** − . − . *** DS − . − . *** − . − . *** − . − . *** − . *** − . *** BC − . − . *** − . *** − . − . *** − . *** − . − . *** FR . . *** *** *** *** WIDTH . . *** *** *** *** *** DIST − . − . *** − . *** − . − . *** − . *** − . − . *** ダ ミ ー 変 数 GAF − . − . *** − . *** − . − . *** − . *** − . − . *** SEF − . − . ** − . ** − . ** CHOKU . . BIWAKO . . *** *** *** *** *** RAPID − . − . N . . N_E . . E − . − . S_E . . S . . S_W . . W . . ROAD_CITY . . . . *** *** ROAD_PREF − . − . ROAD_PRI . . . . * *** ** *** Adjusted R . . . . . 対数尤度 − . − . − . − . − . AIC . . . . . SBIC . . . . . 表 地価公示( 年),地価調査( ・ 年)データセットでの推計結果 データセット: 年地価公示,被説明変数:PLP,サンプル数 一線形全変数使用 線形(逐次除外法) フルログ型 セミログⅠ型 セミログⅡ型 説明変数 係数 t値 係数 t値 係数 t値 係数 t値 係数 t値 (定数項) . . *** *** *** *** *** 量 的 変 数 AC − . − . * − . − . ** − . − . *** − . *** − . − . *** DS − . − . *** − . − . *** − . − . *** − . *** − . *** BC − . − . − . − . *** − . − . *** FR , . *** *** ** WIDTH . . * ** ** *** DIST − . − . *** − . *** − . − . *** − . − . − . ダ ミ ー 変 数 GAF − . − . *** − . *** − . − . *** − . *** − . − . *** SEF − . − . CHOKU − . − . *** − . *** − . − . *** − . *** − . − . *** BIWAKO . . *** *** *** *** *** RAPID − . − . ** − . *** − . * N − . − . N_E − . − . E . . S_E − . − . S − . − . − . − . * S_W − . − . − . − . *** − . − . *** W − . − . − . − . *** ROAD_CITY . . . . *** ROAD_PREF . . − . − . * ROAD_N − . − . ROAD_PRI . . . . *** Adjusted R . . . . . 対数尤度 − . − . . − . . AIC . . . . − . SBIC . . . . . データセット: 年地価調査,被説明変数:PLP,サンプル数

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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析 201 全ての推計タイプの――が約 .から .と良好なフィットを示している。地価 公示と地価調査の各年度の推計タイプを比較すると,AIC および SBIC で評価 した場合,被説明変数が原数であるものではセミログⅠ型が優れている。一方, 被説明変数が対数化されているものでは 年地価公示のデータセットでフル ログ型が支持される以外,セミログⅡ型が優れているといえる )。 次に表 の 年地価公示と 年地価公示の推計結果を, .節同様,線形全 変数使用モデルで比較してみる。量的変数に関して,AC と DS は係数が小 さくなった一方,WIDTH と DIST は増大した。ダミー変数では,GAF と BI-WAKOの係数が小さくなった。地積,最寄り駅までの距離,道路幅,ガス敷 )派生的分析として建蔽率 %以下かつ容積率 %以下が満たされる地点を優良住環境 ダミーとして定義し推計してみたところ,マイナスで有意となったのが地価調査データ セット( , 年)を用いた推計であり,公示地価データセット( 年, 年)では有意 とならなかった。また, 年と 年のデータを統合し時間ダミーあるいは時間ダミー×量 的説明変数のクロス項を加えた推計も行ったが,有意な結果は得られなかった。 表 つづき 線形全変数使用 線形(逐次除外法) フルログ型 セミログⅠ型 セミログⅡ型 説明変数 係数 t値 係数 t値 係数 t値 係数 t値 係数 t値 (定数項) . . *** *** *** *** *** 量 的 変 数 AC − . − . * − . − . ** − . − . *** − . *** − . − . *** DS − . − . *** − . − . *** − . − . *** − . *** − . *** BC − . − . − . − . * − . − . *** − . − . *** FR . . *** *** *** *** WIDTH . . * ** ** *** DIST − . − . *** − . *** − . − . *** − . *** − . − . *** ダ ミ ー 変 数 GAF − . − . *** − . *** − . − . *** − . *** − . − . *** SEF − . − . CHOKU − . − . *** − . *** − . − . *** − . *** − . − . *** BIWAKO . . *** *** *** *** *** RAPID − . − . * − . ** − . * N − . − . N_E − . − . E − . − . S_E − . − . S − . − . S_W − . − . * − .− . − . ** − . − . ** W − . − . − . − . ** ROAD_CITY . . . . *** *** ROAD_PREF . . ROAD_N − . − . ROAD_PRI . . . . *** *** Adjusted R . . . . . 対数尤度 − . − . . − . . AIC . . . . − . SBIC . . . . . データセット: 年地価調査,被説明変数:PLP,サンプル数 (注 )***は %,**は %,*は %水準で有意であることを示す。 (注 )セミログⅠ型は量的な説明変数のみ対数化し,セミログⅡ型は被説明変数のみ対数化している。 (注 )Adiusted R は自由度修正済み決定係数,AIC,SBIC はそれぞれ赤池,シュワルツの情報基準量を表す。 (注 )ROAD_N は道路種が国道であることを示すダミー変数。

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202 山 一眞教授退職記念論文集(第 号) 平成 ( )年 月 設に関するウェイトを高めた一方,県中心までの距離と琵琶湖線に関するウェ イトが低くなっていることがうかがえる。この結果は地価調査の 年と 年の 比較においてもほぼ同一だった(県中心までの距離のみ逆にウェイトが高く なった)。 地価公示,地価調査の各年を含めた全てのモデルで係数が有意となった量的 説明変数は地積,最寄り駅までの距離,大津駅までの距離の つであり,前面 道路幅も つの推計結果を除く全てで有意となった。ダミー変数ではガス敷設 ダミー,琵琶湖線ダミーの つが全ての推計モデルで有意となり,調整区域ダ ミーは 年地価公示データセットを用いた推計を除いた全てで有意となっ た。なお,私道ダミーについては多くの推計モデルで,プラスで有意となった のだが,なぜ私道の評価が高いのか解釈は難しい。 .まとめ 本論では,滋賀県における住宅地地価の空間的分布を観察することを通じて, 地価に有意な影響を与える不動産特性がヘドニック・アプローチによってどの 程度捕捉され得るのか,またその場合に具体的にどの要因が価格差を決定づけ るうえで重要となるのかを実証分析してきた。 前節では地価公示ならびに地価調査のデータセットを用い,それぞれ線形, 対数線形を含めた つのモデルを用意し,探索的に推計を行ってきた。どの推 計モデルもフィットは良好で,価格を形成する要因としては,地積,最寄り駅 までの距離,大津駅までの距離,前面道路幅,ガス敷設ダミー,琵琶湖線ダミー が重要であり,それぞれのモデルで定量化がなされた。 理論的に整合性のある符号条件が得られ,さらに定量化がなされたことは, 市場価格(厳密には鑑定価格)を不動産鑑定士のような専門家ならずとも知り 得るという意味で意義深いといえよう。 本論ではデータ整理や属性情報を視覚化させた主題図(図 )の作成を,GIS を活用して行ってきた )。これはコンピュータ上に地図情報やさまざまな付

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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析 203 加情報を持たせ,作成・保存・利用・管理し,地理情報を参照できるように表 示・検索機能をもったシステムである。土地利用の状況や敷地形状,面積や標 高,勾配といった空間データへのアクセスが容易になってきたことから,不動 産市場の計量分析において極めて重要なツールとして活用が期待される。 さらに近年,コンピュータの発展にともなって膨大なデータの扱いが容易に なると同時に, 年には国土地理院のウェブサイトから基盤地図情報のダウ ンロードが可能となり,土地,施設や道路の地理情報の管理,都市計画等に主 に利用されている。本論に関しては,公共機関や公園までの距離,ネットワー ク解析といった更なる高度な分析が可能となり,新たな価格形成要因が導出で きる可能性が高い。こうした分析は今後の課題となる。 経済学では不動産市場の計量分析といった限られた領域でしか活用されてい ないため,マクロ経済モデルやマクロ計量モデルに導入し,政策効果の波及や フィードバック効果の検証に GIS を活用していくといった新たな分析を模索 していきたい。 [本論は,滋賀大学経済学部学術後援基金の助成を得て行われた研究成果の一 部である。] である。(http://supermap.jp/index.html) !

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204 山 一眞教授退職記念論文集(第 号) 平成 ( )年 月 参考文献 沓澤隆司( )『住宅・不動産金融市場の経済分析』,日本評論社 清水千弘( )『不動産市場分析』,住宅新報社 清水千弘・唐渡広志( )『不動産市場の計量経済分析』,朝倉書店 白塚重典( )「ヘドニック・アプローチによる品質変化の捕捉―理論的枠組と実証研究 への適用―」,『IMES Discussion Paper Series ―J― 』,日本銀行金融研究所

国土交通省( )『不動産鑑定評価基準』

住宅生産団体連合会( )『調査結果の要約および考察(平成 年度版)』http://www.judanren. or.jp/activity/chosa/index.html

日本銀行調査統計局( )『 年基準企業物価指数におけるヘドニック法の適用』 Epple, D.( ),Hedonic Price and Implicit Markets: Estimating Demand and Supply Functions for

Differentiated Products, Journal of Political Economy, ( ),pp. ― .

Geltner, D. M. and Miller, N. G.( ),Commercial Real Estate Analysis and Investments, Prentice Hall.

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ヘドニック・アプローチによる滋賀県住宅地の地価形成要因分析 205

The analysis of the land value by the Hedonic approach:

The residential quarter in Shiga Prefecture as a subject

Masaaki Tokuda

Abstract

In the main subject, spatial distribution of the residential quarter land

price in Shiga Prefecture is observed, and the following two points are

analyzed quantitatively.

1. Degree by which estate characteristic of having significant affection on

land price is caught with hedonic approach to

参照

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を,松田教授開講20周年記念論文集1)に.発表してある

(野中郁次郎・遠山亮子両氏との共著,東洋経済新報社,2010)である。本論

学位授与番号 学位授与年月日 氏名 学位論文題目. 医博甲第1367号

ISSUE

(出所:総務省 統一的な基準による地方公会計マニュアルに一部追記 平成 27

〔追記〕  校正の段階で、山﨑俊恵「刑事訴訟法判例研究」

平成 30 年度は児童センターの設立 30 周年という節目であった。 4 月の児―センまつり