招待論文
超短光パルスを用いた高速光伝送技術の現状と将来展望
中沢
正隆
†a)廣岡
俊彦
†Recent Progress and Future Prospects for High-Speed Optical Transmission
Technology Using an Ultrashort Optical Pulse Train
Masataka NAKAZAWA
†a)and Toshihiko HIROOKA
†あらまし 本論文はピコ∼フェムト秒領域(10 × 10−12∼100 × 10−15秒)の超短光パルスを用いた高速光伝 送技術について,その現状と将来展望を報告する.まず,超高速光伝送の全体像についてのキーテクノロジーを 概観し,その後送信部,光ファイバ伝送路,受光部について詳細を述べる.送信部では超高速光源としてのモー ド同期レーザ・パルス圧縮・波形整形技術,伝送用ファイバ部ではフェムト秒パルスを伝搬させる分散マネージ ファイバ伝送路・高次分散補償技術,また受光部ではテラビットOTDM 信号の多重分離技術について中心に述べ る.最後に時間領域の光フーリエ変換を用いた無ひずみ伝送技術並びに光の位相を利用したDPSK や DQPSK などの高速・長距離化技術について報告する. キーワード フェムト秒パルス,超高速OTDM 伝送,モード同期レーザ,EDFA,高次分散補償
1.
ま え が き
総務省の統計によれば,我が国のブロードバンド通
信の加入者は
2005
年
9
月末で
2143
万件に達し,今後
更に伸びていくものと予測されている.中でも
FTTH
(
Fiber To The Home
)は急激な伸びを示して
398
万
加入となり,
2004
年末からは
FTTH
の純増数が
DSL
(
Digital Subscriber Line
)の純増数を上回って,ます
ます高速化が進んでいる.また,
9000
万加入を有する
携帯電話にはディジタルカメラやテレビ機能が装備さ
れ,インターネットを通じて各種端末から音声,デー
タ,画像など多彩な情報の交換を行っている.このよ
うに大量のデータを素早く伝送・処理するためには高
速な光通信技術と光信号処理技術が重要であり,通信
ネットワークを支えるキーテクノロジーになっている.
図
1
は光産業協会(
OITDA
)において
2010
年を
予測した情報ネットワークの階層図である
[1]
.アクセ
ス系(
User Access Link Network
)では
150 Mbit/s
の
FTTH
や 高 速 モ バ イ ル が 中 心 と な り,地 域 網
†東北大学電気通信研究所,仙台市
Research Institute of Electrical Communication, Tohoku University 2–1–1 Katahira, Aoba-ku, Sendai-shi, 980–8577 Japan
a) E-mail: [email protected]
では
OADM
(
Optical Add Drop Multiplexer
)で
150 Mbit/s
を束ねた
10
∼
40 Gbit/s
の波長多重リン
グネットワークが重要な役割を果たしている.更に
国際通信網(
Integrated Global Network
)では,高
速の
TDM
(
Time Division Multiplexing
)と
WDM
(
Wavelength Division Multiplexing
)を併用した長
距離ネットワークが張りめぐらされている.このよ
うな状況下では,国内においてもテラビット級の高速
図 1 光産業協会(OITDA)の光ロードマップ委員会にお いて 2010 年を予測した情報ネットワークの階層図 Fig. 1 Information network model for the 2010s predicted by the optoelectronic technology roadmap committee at OITDA.
図 2 超高速光ネットワークの実現のための各種要素技 術.大容量高速ノード(Ultrahigh capacity/high speed node),超高速トランスポート(Ultrafast photonic transport) ,及びネットワーキング(Net-working)に分けてその重要技術を示している Fig. 2 Important technology required for
ultrahigh-speed optical networks. Key technologies are ultrahigh capacity/high speed node, ultrafast photonic transport, and networking.
大容量光通信基幹網が不可欠である
[2]
∼
[4]
.ネット
ワークのノードにおける信号処理を考えると,
1
チャ
ネル当りのスピードを高速化したシステムの方が波長
制御は容易になり,電力消費も減る.また,チャネル
数を
N
とすると,
WDM
は
N
倍のコストがかかる
のに対して,
TDM
方式では
√
N
のコスト増に抑え
られることも経験的に知られている.最近では光
–
光
制御による高速化・低消費電力化も期待されており,
光通信の高速化はますますその重要性を増している.
図
2
に超高速光ネットワークの実現のために重要な各
種の要素・基盤技術を大容量高速ノード(
Ultrahigh
capacity/high speed node
),超高速トランスポート
(
Ultrafast photonic transport
)
,及びネットワーキン
グ(
Networking
)に分けて示す.これらの技術が成熟
するにつれ,光の特徴を生かした高速ネットワークが
実現するもの思われる.
光通信では昔からの
“
のろし通信
”
を高速にしたも
のが主流であり,煙の長さ(数
m
?)に相当する光デー
タの
1
ビットは
40 Gbit/s
の場合
10 ps
(ファイバ中
で長さ
2 mm
)程度にまで細くなってきている.もし
ピコ秒∼フェムト秒の高速な超短パルス列(長さ数十
ミクロン)を容易に発生させることができれば,これ
らを高速に変調し,時間的にも多重化することにより,
未曾有の超高速通信が可能となる.このようなシステ
ムを安価に実現するためには様々な基礎開発が必要で
あり時間のかかる話である.しかし既に
40 Gbit/s
シ
ステムが実用化されている現状では次のターゲットは
160 Gbit/s
であろう.我が国は世界に先駆けフェムト
秒テクノロジー研究機構(
FESTA
:
Femtosecond
Sci-ence and Technology Association
)の研究プロジェ
クトにおいて高速のデバイス技術を中心にこの分野を
けん引してきた.海外特に
EU
でもここ数年研究が
活発化し始め,
UPC
(
Ultrafast Photonics
Collabo-ration
)
,
FASHION
(
Ultra-Fast Switching in
High-Speed OTDM Networks
),
TOPRATE
(
Terabit/s
Optical Transmission Systems based on Ultrahigh
Channel Bitrate
)
,
COBRA
(
Communication
Tech-nology Basic Research and Applications
)といった
プロジェクトが活動し,
160 Gbit/s
以上の伝送技術が
着実に進展しつつある.更には
160 Gbit/s
伝送の現
場実験もヨーロッパ・日本から報告されるに至ってい
る.本論文ではこれらを含めて超短パルスを用いた高
速光通信技術の現状と将来像について述べる.
2.
では
超高速光パルス伝送のためのキーテクノロジーを概観
し,
3.
では送信部,伝搬,受信部について詳細を述べ
る.
4.
及び
5.
では,それぞれ時間領域の光フーリエ
変換を用いた無ひずみ伝送技術並びに光の位相を利用
した高速・長距離化技術について報告する.
2.
超高速光パルス伝送のためのキーテク
ノロジー
光 時 分 割 多 重(
OTDM
:
Optical Time Division
Multiplexing
)は超短光パルス列を光領域で時間多
重する技術であり,これにより電子回路の動作限界
を超えた伝送速度を実現することができる.
TDM
で
あるためシステムの同期が容易であり,従来の伝送方
式との親和性も高い.システムの制御性向上の観点
から見た超高速
OTDM
あるいは
ETDM
(
ETDM
:
Electrical Time Division Multiplexing
)伝送の重要
性を図
3
に示す.比較的低い伝送速度で波長多重の数
を増やすと全伝送容量は増えるものの各データ間の
同期はとれておらず,その分ノードにおける波長制御
が複雑になる.しかし,
1
チャネル当りの伝送速度を
上げてチャネル数を減らすことができれば,システム
の制御性を著しく向上させることができる.最近で
は
100 Gbit/s
近い高速
ETDM
伝送が報告されてお
り
[5]
,
2010
年ごろには
160 Gbit/s
の
ETDM
システ
ムが報告される可能性もある.
この高速化とともにシステムの伝送距離を延ばした
図 3 システムの制御性向上の観点から見た超高速 OTDM・ ETDM伝送の重要性
Fig. 3 Importance of ultrahigh-speed OTDM and ETDM transmission as regards the improve-ment of system controllability.
図 4 光伝送における各種変調フォーマットの分類と多
様化
Fig. 4 Optical transmission modulation formats and their wide variety.
り,マージンを稼ぐために変調のフォーマットも多様
化してきている
[6]
.その様子を図
4
に示す.まず第
1
に高速
TDM
システムでは長距離伝送の性能の良さか
ら
NRZ
より
RZ
信号を使うようになり,更には個々
のパルスの位相をチャープさせたり(
C-RZ
:
Chirped-RZ
)
[7], [8]
,反転させる(
CS-RZ
:
Carrier Suppresed
RZ
)
[9]
技術が生まれた.これらは分散マネージソリト
ンの定常解を伝送信号として用いたり,位相の正負を
利用して波形ひずみをキャンセルしたり,周波数利用
効率を向上させようとするもので,高速・長距離伝送
に向いている.周波数利用効率の向上を目指した変調
フォーマットとしては,ほかにも
VSB
(
Vestigial Side
Band
)
[10]
やデュオバイナリー(
DB
:
Duobinary
)方
式
[11]
が提案されている.
VSB
は変調信号の側波帯
の一部を削除し帯域の狭さく化を図るものであり,
DB
は光の強度変調と位相変調を併用し
1
,
0
,
−1
の
3
値
に符号化するものである.
CS-RZ
や
DB
はビットごと
図 5 各種伝送方式による 160 Gbit/s 伝送実験の変遷 (OOK から DPSK へ)Fig. 5 Evolution of 160 Gbit/s transmission experi-ments in various transmission schemes (from OOK to DPSK).
に位相を反転させる変調(
Phase-alternating Binary
)
であるが,位相は帯域の狭さく化に利用され情報伝送
には用いていない.それに対し最近では
RZ
信号に差
動位相変調を施した
RZ-DPSK
や
RZ-DQPSK
方式
が注目を集めている.
図
5
にはこのように多様化したフォーマットを用
いて
160 Gbit/s
を中心とする超高速伝送実験がど
のように移り変わっているかを示す.図より最近で
は
OOK
(
On-Off-Keying
)から
DPSK
(
Differential
Phase-Shift-Keying
)に移り,周波数の利用効率やシ
ステムのマージンを大きくする努力が払われている様
子が分かる.なお同図は単一偏波を用いた伝送(
SP
:
Single-Polarization
)と偏波多重を用いた伝送(
AP
:
Alternating-Polarization
)に分けて示している.偏
波多重は隣接するビットの偏波を直交させるものであ
り,パルスのすそがビットスロットの外に及んでいて
も隣のパルスとは重ならないため,同じ伝送速度でも
幅の太いパルスを用いて伝送が可能である.
ここで超高速パルス伝送の送信部,伝搬,受信部
における技術的な重要項目をそれぞれ
(1)
,
(2)
,
(3)
として図
6
に示す.まず
(1)
送信部としては,高速
RZ
伝送を行うためにピコ∼フェムト秒領域でのジッ
タの少ない光パルス光源が重要である.このために
は,モード同期レーザ(
Mode-locked Lasers
)あるい
は
EA
(
Electro Absorption
)変調器を用いるのが一
般的である
[12]
.
OTDM
伝送は,フェムト∼サブピコ
秒パルスを
1
ビットとする
10
∼
40 Gbit/s
の信号を時
図 6 超高速パルス伝送の送信部,伝搬,受信部のキーテ クノロジー (1) 送信部 (2) ファイバ伝送部 (3) 受 信部
Fig. 6 Key technologies for transmitters, propaga-tion, and receivers in ultrahigh-speed pulse transmission. (1) Transmitter, (2) Transmis-sion fiber, (3) Receiver
間領域で時分割多重化するのが主流であり,光源とし
ては
10
∼
40 GHz
のフェムト秒パルス光源が必要とな
る.しかし現状ではレーザから直接
500
フェムト秒以
下の
10
∼
40 GHz
のパルスを発生させることは難しい.
そこで光パルスの圧縮と波形整形が重要な技術となる.
通常,数ピコのパルスをフェムト秒に圧縮するには,分
散減少ファイバ
DDF
(
Dispersion Decreasing Fiber
)
中でのソリトンの断熱圧縮効果が用いられる
[13]
.こ
のとき,分散減少が一様でない場合,あるいは入射す
るパルスがソリトンパルスからずれている場合には,
非断熱的な圧縮が起こり,パルスの裾野に波形ひず
みを生じてしまう.これを除去するために,波形整形
用の
DI-NOLM
(
Dispersion-Imbalanced Nonlinear
Optical Loop Mirror
)が開発されている
[14]
.
次に
(2)
伝送路として重要なのは,分散補償を施
した光ファイバ伝送路(
Dispersion-managed Optical
Fiber Transmission Line
)である.例えば,
400 fs
の
ガウスパルスのスペクトル幅はおおよそ
9 nm
と広
いため,従来無視できていたファイバの高次分散が
問題となってくる.この問題を抑制できるフェムト
秒パルス伝送用零分散
–
分散フラットファイバ伝送路
は,
SMF
(
Single-mode Fiber
),
DSF
(
Dispersion-shifted Fiber
)と
RDF
(
Reverse-dispersion Fiber
)
の組合せにより実現している.この
RDF
は
DSCF
(
Dispersion Slope Compensation Fiber
)と比較し
て偏波分散(
PMD
:
Polarization Mode Dispersion
),
損失,非線形性
(n
2/A
eff)
が小さいという長所を有
している
[15]
.特に,ファイバのわずかな複屈折に基
づく偏波分散には伝送路全体を通して特に注意を払う
必要がある
[16]
.更にこのような超短パルスを伝送す
るには広帯域で分散の少ない
EDFA
(
Erbium-doped
Fiber Amplifier
)が必要となる.
最後に
(3)
受信部として重要なのは,伝送後のデー
タの超高速光多重分離(
Ultrafast Optical
Demulti-plexing
)である.数百
Gbit/s
の光伝送信号を直接受
信できる光デバイスや電子デバイスは現状では存在
しない.そこで光領域で多重分離を行うわけである
が,それには光
AND
回路を用いて高速データから所
望の信号を打ち抜く方法がよく使われる.その技術
としては
NOLM [17]
や
4
光波混合
[18]
,あるいは半
導体の対称マッハツェンダ干渉計(
SMZ
:
Symmet-ric Mach-Zehnder Interferometer
)
[19]
が用いられて
いる.
3.
フェムト秒パルスを用いたテラビット
/
秒
OTDM
伝送
3. 1
超高速
OTDM
光源とソリトン効果による
GHz
帯フェムト秒パルス圧縮
本節では,今までに報告されているフェムト秒パル
スを用いた超高速伝送について,
1.28 Tbit/s OTDM
伝送を例にとりそのポイントを説明する.その実験系
を図
7 (a)
と
(b)
に示す
[20]
.
(a)
は送信及びファイバ
線路部,
(b)
は多重分離・受信部を示す.まず
(a)
にお
いて,波長
1.55 µm
再生モード同期ファイバレーザを
用いてパルス幅
3 ps
,繰返し
10 GHz
の光パルス列を
発生させる.このレーザはソリトンレーザとして動作
しており,そのパルスは
SN
比の非常に高い
sech
型を
したトランスフォームリミット(
Transform-limited
)
な波形である
[21]
.このパルス列を
LiNbO
3強度変
調器を用いて
10 Gbit/s
で変調する.その後
EDFA
により信号光をピーク強度
1 W
程度まで増幅し,分
散フラット
–
分散減少ファイバ(
DF-DDF
)に入射す
る
[13]
.この分散減少ファイバの入射部分での分散は約
10 ps/km/nm
,出射部分においては約
0.1 ps/km/nm
となるように設計されている.このファイバにおける
ソリトンの断熱圧縮効果により,信号光のパルス幅を
(a)
(b)
図 7 フェムト秒パルスを用いた 1.28 Tbit/s OTDM 伝送の実験系 [20].(a) は送信・伝 送部,(b) は多重分離を中心とした受信部を示す
Fig. 7 Experimental setup for 1.28 Tbit/s OTDM transmission using femtosec-ond pulses. (a) Transmitter and transmission line, (b) Receiver includ-ing an optical demultiplexer [20]. PC: Polarization controler, BPF: Band-pass filter, DF-DDF: Dispersion-flattened dispersion-decreasing fiber, DI-NOLM: Dispersion-imbalanced nonlinear optical loop mirror,DCF: Dis-persion compensation fiber, PD: Phtoto-detector, ATT: Attenuator, ED: Error detector
200 fs
以下まで狭くさせることができる.
しかし,
GHz
帯パルス圧縮においては入力パルスの
繰返しが増すとモード間隔が広くなり,パルス幅(帯
域)が一定の場合には
1
本当りの縦モードのパワーが
増す.このときレーザの縦モードの線幅が数
kHz
と
狭い場合には誘導ブリルアン散乱(
SBS
:
Stimulated
Brillouin Scattering
)が誘起され,パルス圧縮が不安
定になる.このため
DDF
による安定なソリトン圧縮
のためには,
SBS
発生のしきい値と基本ソリトンパル
スの繰返し周波数の関係に十分注意を払わなければな
らない.
ここで
SBS
と繰返し周波数との関係について述べ
る
[22]
.基本ソリトンの生成に必要な平均パワーは,
以下のように与えられる.
P
aveN=1= 0.776
λ
3π
2cn
2|D|
∆τ
BA
eff(1)
D
は分散値,
λ
は波長,
n
2は非線形屈折率,
∆τ
はパ
ルス幅,
B
は繰返し周波数,
A
effは実効コア断面積
である.簡単のためにこの平均パワーが光スペクトル
の半値全幅
∆ν
の中の
M (= ∆ν/B)
本のモードに均
等に分配されていると仮定すると,縦モード
1
本当り
のパワー
P
0は以下のように
|D(z)|B
2に比例する.
P
0=
P
aveN=1M
= 2.463
λ
3A
effπ
2cn
2|D| B
2(2)
この
P
0が
SBS
のしきい値を超えると入射した光のパ
ワーが後方に散乱され,圧縮が不安定になる.一方,
SBS
のしきい値を与える条件は,
Smith
によって求め
られており,以下のように与えられる
[23]
.
g
BP
0(0)L
eff/A
eff= 21
(3)
ここで
g
Bは
SBS
の利得(
5
× 10
−11m/W
)
,
L
effは
有効相互作用長である.式
(2)
より
P
0は
B
2に比例
図 8 DDFによる光ソリトンパルス圧縮における SBS 発 生のしきい値とパルスの繰返し周波数の関係 [22] Fig. 8 Relationship between SBS threshold power
and repetition rate in soliton pulse compres-sion using DDF [22].
しパルス幅によらないことから,繰返し周波数の増大
に伴い
SBS
の影響が大きくなることが分かる.この
様子を図
8
に示す.この図では
SBS
が発生する繰返
し周波数は約
25 GHz
であり,
10 GHz
のパルス圧縮
は安定であるが,
40 GHz
では不安定になることを示
している.この
SBS
の効果を低減するには縦モード
線幅を太くするとよいことが知られている.そこで縦
モード線幅の比較的太いピコ秒モード同期半導体レー
ザを用いて実現した繰返し
40 GHz-100 fs
パルス圧縮
の結果を図
9
に示す
[22]
.
(a)
は入出力光波形の自己
相関波形であり,
(b)
は圧縮後のパルススペクトルで
ある.
(a)
より
40 GHz-100 fs
の安定なパルス圧縮が
実現していることが分かる.この場合平均入力パワー
は
216 mW
であり,ソリトンの振幅
N
を計算すると
約
0.93
となり,理論どおりほぼ
N = 1
の基本ソリト
ンになっている.
しかし理想的なパルス圧縮からずれるとパルスの
すそ野の部分にひずみを発生することがある.そこ
で圧縮後に見られるパルスの不必要なすそと光スペ
クトル上のスパイクを除去するために,信号光を
DI-NOLM [13]
に入射させ,波形整形を行うことが重要に
なる.その後,この光回路からの
10 Gbit/s
出力信号
をプレーナ光波回路(
PLC
)を用いて
1.28 Tbit/s
ま
で多重化した後,伝送ファイバへ入射する.多重化に関
しては,
10 Gbit/s
の信号を
PLC
を用いて
64
多重し,
更に偏波多重により図
7 (a)
に示すように
1.28 Tbit/s
のデータとして分散マネージ伝送路に送り出している.
(a) Input and output autocorrelation waveforms
(b) Output spectrum (TBP=0.33)
図 9 縦モード線幅の比較的太いピコ秒モード同期半導体
レーザを用いて実現した繰返し 40 GHz-100 fs パル ス圧縮.(a) は入出力光波形の自己相関波形であり, (b)は圧縮後のパルススペクトルである [22] Fig. 9 40 GHz-100 fs pulse compression using a
pi-cosecond mode-locked laser diode with a broad longitudinal mode linewidth. (a) Input and output autocorrelation waveforms. (b) Pulse spectrum after compression [22].
3. 2
フェムト秒パルス用分散マネージ伝送路とプ
リチャープによる高次分散補償
図
7 (a)
の伝送路は
SMF
,
DSF
,
RDF
からなり,長
さはそれぞれ
39.7 km
,
4.6 km
,
25.1 km
である.全
長は
70 km
,伝送路の損失は
17.6 dB
である.この伝
送路では
RDF
の分散スロープが
SMF
のそれと逆符
号をもっているため三次分散がほぼ相殺されている.
残留するファイバの三次分散は
−0.0023 ps/nm
2であ
り,
EDFA
を含めた全体の三次分散も
+0.015 ps/nm
2と小さいものであった.しかし,通信に使うフェムト
秒パルスの帯域は
10 nm
近くと広いので,上記の
3
種
類のファイバを用いても四次分散の大きさが問題にな
る.特にシリカファイバでは材料の性質上四次分散の
符号はすべて負であり,ファイバの違いによって四次
分散を相殺させることができない.この伝送路におけ
る残留四次分散は
−0.028 ps/nm
3であった.
そこでそれを補償するために,図
7 (a)
では媒質を
通過することによって生じる高次チャープを相殺する
ため,位相変調(
Pre-chirp
)をあらかじめ入力端で印
加する方法を採用している
[24]
.三次分散の補償には
sine
の位相変調を,また四次の補償には
cosine
の位
相変調を用い,その変調周波数は
OTDM
のクロック
(この場合
10 GHz
)になるように設定している
[25]
.
この原理は,通常周波数の関数として表される分散特
性を,まず一度線形チャープ媒質を通過させることに
より,時間の関数として表現する.次にその状態で伝
送路の分散特性の分だけあらかじめ逆位相で位相変調
(
LN
)する.このパルスを伝送路に通過させると,通
過後には全体の分散を補償することができる.この方
法では入力端であらかじめシステム全体の高次分散を
見込んで
LN
でプリチャープを与えるので,伝送路へ
の入射信号はきれいなフェムト秒パルス列ではないこ
とに注意したい.この方法では伝搬途中でパルスは
ns
まで広がり隣接するデータパルスと重なるが,線形伝
送なので問題はない.またこの伝送路の
PMD
は約
0.05 ps/
√
km
であった.
3. 3
高速
OTDM
信号の光多重分離
伝送後の
1.28 Tbit/s
の
OTDM
信号は速すぎて直
接受光できないので,光領域での多重分離が必要と
なる.図
7 (b)
では,伝送後の
1.28 Tbit/s
信号光は
分散フラットファイバを用いた超高速
NOLM
により
10 Gbit/s
へ多重分離している
[17]
.
NOLM
では,信
号光(
1556 nm
)に波長の異なる制御光(
1533 nm
)を
作用させ,この
2
波の間の相互位相変調(
Cross Phase
Modulation
)を利用している
[26]
.打抜き用の制御光
パルスは,
PLL
(
Phase-Locked Loop
)動作する波長
1533 nm
のモード同期ファイバレーザにより発生させ
ている
[27]
.制御光パルスは低ジッタであることが重
要であるが,上記のレーザパルスのジッタは
100 fs
以
下と非常に小さい
[28]
.
数百
Gbit/s
∼
Tbit/s
の
TDM
信号光の多重分離を
実現するためには,信号光と制御光の間のウォークオ
フ(
Walk-off
)が数百フェムト秒以下で,かつ信号光
に
π
程度の位相変化を起こすファイバ長が必要であ
る.図
7 (b)
の多重分離
NOLM
では,短尺の分散フ
ラットファイバをウォークオフが正と負で交互に入れ
換わるように接続することで,相互作用を
1
タイムス
ロット内に抑え,かつ
NOLM
ファイバ全体での信号
光と制御光の間のウォークオフを数百フェムト秒以下
に抑制している
[17]
.この光スイッチの速度は約
1 ps
である.ここで多重分離用のクロック信号は,図
7 (a)
上部に示すように
OTDM
信号のもととなる
10 GHz
であり,伝送信号波長とは異なる
1542 nm
において入
力端で正弦波変調し,ファイバ伝送路中を直接送って
いる.この実験では偏波分離した
640 Gbit/s
信号か
らの
10 GHz
クロック抽出技術は実現していなかった
が,最近では
320 Gb/s
データからの
10 GHz
クロッ
ク抽出が報告されている
[29]
.
3. 4
伝 送 結 果
図
7 (b)
に示すように,伝送後の光信号はまず偏波
分離回路により二つの
640 Gbit/s
の信号に変換され
る.その後,先に述べた超高速
NOLM
により
128
の
10 Gbit/s
信号に変換される.本来はこの高速多重分
離回路が
128
台必要であるが,この実験では多重分離
のタイミングを
1.56 ps
ずつずらして,
1
台で
128
の
10 Gbit/s
の信号を測定している.図
10
に信号光の伝
送前後の波形を示す.図
10 (a)
,
(b)
はそれぞれ,伝送
(a) (b) (c) (d) 図 10 1.28 Tbit/s-70 km伝送の信号光波形 [20].(a): 伝 送 前( 位 相 変 調 印 加 直 後 ),(b):伝 送 直 後 の 1.28 Tbit/s 信 号 波 形 (c) と (d):伝 送 後 の 1.28 Tbit/s信号を偏波分離した後の 640 Gbit/s 信号光Fig. 10 1.28 Tbit/s data patterns after 70 km trans-mission [20]. (a) Input waveform (after phase modulation), (b) Transmitted wave-form, (c) and (d) Polarization-demultiplexed 640 Gbit/s signals.
図 11 時間領域光フーリエ変換による無ひずみパルス伝送の原理.光フーリエ変換(OFT) は受信端で行う
Fig. 11 Principle of distortion-free pulse transmission using time-domain optical Fourier transformation (OFT). OFT is carried out at the receiver end.
前の位相変調印加後と,
70 km
伝送直後の
1.28 Tbit/s
信号光の波形である.伝送前の信号は
3.2
で述べたよ
うに,伝送によって生じるであろう高次分散ひずみを
あらかじめ見込んでいるため,あたかも雑音のように
見える.しかし
(b)
から分かるように,伝送後には大
変きれいで
SN
比の高い波形が得られていることが分
かる.図
10 (c)
,
(d)
は伝送後の
1.28 Tbit/s
信号光を
偏波分離した
640 Gbit/s
信号光である.伝送後のパ
ルス幅は
400 fs
であり,伝送に伴うパルス広がりはわ
ずか
20 fs
であった.誤り率を測定した結果,受光強度
−21 dBm
以上においてすべてのチャネルで
1
× 10
−9以下の誤り率を得ている.このことから,フェムト秒
パルスを用いたテラビット
/
秒
OTDM
伝送が原理的に
可能であることが分かる.それゆえ,この超高速技術
を
160
∼
640 Gbit/s
の伝送に実用化を踏まえてフィー
ドバックすることにより,実用性の高い超高速システ
ムが実現できるものと期待される.
4.
時間領域光フーリエ変換による超高速
無ひずみパルス伝送技術
伝送速度が
40 Gbit/s
以上になると,伝送信号の光
パルス幅は数ピコ秒と狭くなるため,光ファイバのわ
ずかな波長分散や偏波分散による波形ひずみが伝送特
性を著しく劣化させる.また伝送ファイバの分散値は
温度や環境の変化に伴い時間的に変動し,そのわずか
な変化が伝送特性に影響するため,適応等化や光
3R
(
Retiming
,
Reshaping
,
Regeneration
)という技術
が必要とされることになる.
最近我々は,伝送信号のパルス波形にひずみが生じ
てもそのスペクトルの包絡線形状が保存されることを
利用して,光のフーリエ変換による波形無ひずみ伝送
技術を提案している
[30]
.すなわち,伝送信号として
はフーリエ変換限界(
Fourier Transform-limited
)パ
ルスを用い,伝送後も無ひずみなスペクトルの包絡線
形状を,時間領域光フーリエ変換によって,時間軸上
のパルス波形に変換することにより,入力波形を出力
端でひずみなく再生する方法である.この方法はスペ
クトルの成分ごとに位相補償を行う技術ではなく,時
間領域において光フーリエ変換を行う新たな伝送方法
である.ただし,この無ひずみ伝送はそのひずみ量が
1
ビットのタイムスロットの内に収まる場合のみ有効
であることに注意したい.
関連する技術として,これまでに「時間
–
レンズ」
を用いた偏波モード分散(
PMD
:
Polarization-mode
Dispersion
)やジッタの補償などの波形処理が提案さ
れている
[31]
∼
[34]
.時間レンズは,レンズ回折にお
ける空間から波数へのフーリエ変換作用とのアナロジ
より,時間から周波数へのフーリエ変換として理解す
ることができる
[35]
.
4. 1
無ひずみ光パルス伝送の原理
時間領域光フーリエ変換を用いた無ひずみパルス伝
送の原理を図
11
に沿って説明する.光ファイバ中の
パルス
u(z, t)
の伝搬は,伝搬定数を
β(ω)
とすると,
次の方程式で記述される
[36]
.
(
−i)
∂u(z, t)
∂z
=
∞ n=1i
nD
n∂
n∂t
nu(z, t),
(4)
β(ω) = β
0+
∞ n=1D
nω
n(5)
ここで
u(z, t)
はパルスの電界包絡線の複素振幅を表
し,
β(ω)
は搬送波周波数の周りでテイラー展開され
ている.
D
n= β
n/n!
であり,
β
nは
n
次の分散を表
す.式
(4)
をフーリエ変換すると
(
−i)
∂U
∂z
=
∞ n=1D
nω
nU
(6)
となる.ただし
U (z, ω) =
∞ −∞u(z, t) exp(iωt)dt
(7)
である.式
(6)
を積分すると
U (z, ω) = U (0, ω) exp [iφ(ω)] ,
φ(ω) =
∞ n=1D
nω
nz
(8)
を得る.すなわち,伝送路の線形伝搬によってパル
スが時間的に複雑な波形ひずみを受けても,スペク
トル形状は位相変化
exp[iφ(ω)]
を除いて,その包絡
線
U (0, ω)
は完全に保存される.したがって,もし
U (0, ω)
を
“
時間軸上
”
に再生することが可能であれ
ば,
U (0, ω)
は入力波形であるのでひずみのない伝送
ができることになる.ここで入力パルスとして
TL
パ
ルスを用いると,
U (0, ω)
から時間波形
u(0, t)
そのも
のを完全に再現することができることになる.時間波
形にはひずんだ位相変化を伴うが,光パルスの包絡線
は保存されている.すなわち位相変化
exp[iφ(ω)]
がい
くら複雑に変化しても,光検出器では時間領域の信号
の包絡線のみを検出するので,そこでのひずみは付加
されない.これにより伝送用ファイバの分散
β(ω)
に
一切依存しない波形無ひずみ伝送を実現することがで
きる.
4. 2
時間領域光フーリエ変換
伝送用ファイバ中で線形ひずみを受けた時間波形か
らその周波数スペクトルを時間軸上に再生させる光
フーリエ変換回路(
OFTC
:
Optical Fourier
trans-form circuit
)は,図
11
に示すように光位相変調器
(
PM
)と二次分散媒質(
D
)によって実現できる.時
間波形
u(z, t)
,スペクトル
U (z, ω)
を有する伝送後の
光パルスを
OFTC
に入力すると,その出力パルスの
時間波形
v(t)
は以下のようにして求められる.
u(z, t)
はまず位相変調器(チャープ率
K
)によって線形に
チャープされる.
u
chirp(t) = u(z, t) exp(iKt
2/2)
(9)
ここで
t
2に比例するパラボラの位相変調をパルスに
印加することが理想的な光フーリエ変換を行う上で重
要である.次に
u
chirp(t)
は分散値
k
,長さ
L
(分散
量
D = k
L
)をもつ二次分散媒質を伝搬する.この
とき出力
v(t)
は
u
chirp(t)
を用いて
v(t) =
i
2πD
∞ −∞u
chirp(t
) exp
−
i
2D
(t
−t
)
2dt
(10)
と 畳 込 み 積 分 の 形 で 表 さ れ る .こ こ で 分 散 量 を
D = 1/K
に設定すると,式
(10)
は
v(t) =
i
2πD
exp(
−iKt
2/2)
×
∞ −∞u(z, t
) exp[i(t/D)t
]dt
=
i
2πD
exp(
−iKt
2/2)U (z, t/D)
(11)
と簡単な形になる.式
(11)
の積分は
u(z, t
)
のフーリ
エ変換をしていることに注目したい.このため分散媒
質を通過後のパルス波形
v(t)
は,光フーリエ変換前の
スペクトル
U (z, ω)
に比例していることが分かる.こ
のとき周波数
ω
と時間
t
は,
ω = t/D
で関係づけら
れており,
D
が時間
(t)–
周波数
(ω)
変換尺度になって
いる.更に,スペクトルの包絡線形状が伝送路におい
て不変であるという性質から,
v(t)
は式
(8)
及び
(11)
より
v(t) =
i
2πD
U (0, t/D) exp(
−iKt
2/2+iφ(t/D))
(12)
と表される.したがって,入力スペクトル
U (0, ω)
の
形状が
OFTC
の出力において時間軸上に完全に再生
できることになる.
例として,入力パルスがガウス型の
TL
波形
u(0, t) =
A exp(
−t
2/2T
2 0)
である場合を考えよう.このスペク
トルは
U (0, ω) =
2πT
2 0A exp(
−T
02ω
2/2)
であり,
フーリエ変換によって周波数と時間を入れ換えても波
形の関数形が変わらないことを用いる.ここで時間
–
周波数変換尺度を
|D| = T
02に選ぶと,式
(12)
は
v(t) =
i
sgn(k
)
A exp(−t
2/2T
02)
× exp(−iKt
2/2 + iφ(t/T
2 0))
(13)
図 12 時間領域光フーリエ変換による 10 GHz-2.5 ps 光パルスの無ひずみ伝送実験 [30]. 伝送路は二次分散=0 ps/nm/km,三次分散=0.057 ps/nm2/kmに設定した全長 197 kmの分散マネージファイバである.下部の破線内に光フーリエ変換回路を示 すが,大きなチャープ率を得るために 10 GHz を 40 GHz に MUX し,その信号 で 10 GHz の光フーリエ変換を行っている
Fig. 12 Distortion-free transmission experiment with a 10 GHz-2.5 ps optical pulse using time-domain OFT [30]. The transmission line is a 197 km-long dispersion-managed fiber with an average dispersion of 0 ps/nm/km and an average dispersion slope of 0.057 ps/nm2/km. The optical Fourier transform circuit is outlined by a dashed line. 10-GHz OFT is realized by using a 40-GHz signal that is up-converted from the 10-GHz clock signal, so that a larger chirp is obtained.
となる.したがって,二乗検波を行う光検出器の出力
I(t) =
|v(t)|
2は
I(t) = A
2exp(
−t
2/T
02)
(14)
となり,
|u(0, t)|
2に完全に一致する.すなわち,時間
–
周波数変換尺度を
|D| = T
02と選ぶことにより,出力
端において伝送前の波形が完全に再生されることにな
る.
|D| > T
02の場合には同じ形の波形であるがパル
ス幅は広がり,
|D| < T
2 0の場合にはパルス圧縮伝送
が可能となる.
4. 3
光フーリエ変換による
10 GHz-2.5 ps
光パ
ルス列の無ひずみ伝送実験
ここでは
LN
位相変調器と二次分散ファイバ(
SMF
)
を用いて簡便な
OFTC
を構成することにより,三次
分散を有する伝送路でのピコ秒パルスの無ひずみ伝
送の一例について述べる.その実験の構成を図
12
に
示す
[30]
.モード同期ファイバレーザからの
10
GHz-2.5 ps
の
TL
ガウス型パルスを,二次分散がゼロ,三
次分散が
0.057 ps/nm
2/km
(
β
3= 0.093 ps
3/km
)の
長さ
197 km
のファイバ中を伝送させる.
10 GHz
ファ
イバレーザの出力は
3.1
で述べたように
sech
型の
TL
パルスであるが,本実験では波形がガウス型と
なるよう
3 nm
の光フィルタでスペクトルをガウス型
に整形している.伝送ファイバは
SMF 33 km
,
DSF
149 km
,
DCF 15 km
で構成されている.各ファイバ
の長さは,
SMF
及び
DSF
の異常分散が
DCF
の正
常分散によってちょうどキャンセルするよう設定し,
意図的に三次分散のみが残留する伝送路を構成して
いる.伝搬後の光パルス信号を図
12
の破線部内に示
す
OFTC
に入力し,
40 GHz
の正弦波位相変調(変
調度
M = 1.41π
,
K =
−0.28 ps
−2)を印加した後,
分散量
D = 1/K =
−3.57 ps
2(
k
=
−22.3 ps
2/km
,
L = 160 m
)の
SMF
に入射し,光フーリエ変換を行
う.ここで変調器の繰返しを
40 GHz
に逓倍したのは,
チャープ率を大きくとるためである.
図
13 (a-1)
,
(a-2)
に
197 km
伝 送 後 の 信 号 波 形
u(z, t)
及びスペクトル
U (z, ω)
をそれぞれ示す.時
間波形
(a-1)
には三次分散
(β
3)
によるリプルが見ら
れ,パルス幅が
4.3 ps
まで広がっている.一方,伝送後
のスペクトル形状
(a-2)
はひずみが見られずもとのガウ
ス波形であり,式
(8)
に示した
|U(z, ω)|
2=
|U(0, ω)|
2の関係を満たしている.細かい線スペクトルは
10 GHz
の繰返しを表す縦モードである.次に
OFTC
の出力に
おける信号波形
v(t)
及びスペクトル
V (ω)
を図
13
(b-1)
,
(b-2)
にそれぞれ示す.図
13 (b-1)
を見るとパル
ス幅は
2.4 ps
と入力にほぼ等しい大きさに戻り,リプ
図 13 無ひずみパルス伝送実験結果 [30].(a-1),(a-2) は 197 km 伝送後のパルスの時 間波形及びその周波数スペクトルを,(b-1),(b-2) は光フーリエ変換後の時間波 形及びその周波数スペクトルをそれぞれ示している
Fig. 13 Experimental results for distortion-free pulse transmission [30]. 1), (a-2) Pulse waveform and the corresponding spectrum after 197 km trans-mission. (b-1), (b-2) Optically Fourier transformed waveform and the corresponding spectrum.
ルがほとんど抑制されている.これは時間波形のすそ
にわずかな振動が残留しているが,
OFTC
において位
相変調がパラボラではなく正弦波で近似されているた
めである.また,光フーリエ変換によって時間と周波
数が入れ換わった結果,同図
(b-2)
のスペクトルには
時間領域のパルスに存在したリプルが生じていること
も分かる.今回の実験では,フーリエ変換にパラボラ
変調の代わりに正弦波変調を用いたため一部に波形ひ
ずみが残留したが,簡便な正弦波変調でも波形ひずみ
の除去には大変有効な方法であることが分かる.更に
動作範囲を広げタイムスロットいっぱいにするために
は理想的なパラボラ位相変調の実現が望まれる.また,
160 Gbit/s-120 km
伝送にこの方法を適用し,ファイ
バの分散が時間とともに変化してもスペクトルの形状
が変化しない限り波形変化が起こらず,適応等化が同
時に実現できることが示されている
[37]
.
5.
超高速伝送の最近の展開と
DPSK/
DQPSK
による高速長距離伝送の出現
最近は,
80
∼
100 Gbit/s
単一チャネル
ETDM
伝
送,
40 Gbit/s
× 4
の
160 Gbit/s OTDM
伝送,
4
×
160 Gbit/s WDM/TDM
伝送,あるいは
320 Gbit/s
伝送に関する光サンプリング及び
EAM
(
Electro
Ab-sorption Modulator
:電界吸収型変調器)による光多
重分離等,様々な高速光技術が報告されている.また
それに付随して,
160 Gbit/s
システムの高次分散補
償・クロック再生・
Add-Drop
多重回路,
80 Gbit/s
シ
ステムの偏波分散補償や
MQW-EAM
による波長変
換,
80 Gbit/s
に及ぶ
SiGe
技術,
InGaAsP/InP
モー
ド同期半導体レーザのパルス発生技術,
SOA
(
Semi-conductor Optical Amplifier
)を用いた
160 Gbit/s
Add-drop
多重回路,対称マッハツェンダ(
SMZ
)干
渉計による
336 Gbit/s
信号の多重分離などの先端技術
にも大きな関心が寄せられている.高速信号の長距離
伝送には光
3R
も重要である.
Watanabe
らはパルス
図 14 160 Gbit/s OTDM-DPSK伝送の構成と受光部の詳細 Fig. 14 160 Gbit/s OTDM-DPSK transmission setup and the details of the
receiver.
波形整形部,光カースイッチを用いた光ゲート部,波長
変換部からなる光
3R
装置を報告している
[38]
.特徴的
なことは,
160 Gbit/s
の高速の動作を高非線形光ファ
イバを用いて実現している点である.これらの技術の
詳細についてはここ
2
∼
3
年の
OFC
(
Optical Fiber
Communication Conference
)並びに
ECOC
(
Euro-pean Conference on Optical Communication
)の国
際会議論文集を参照されたい.
最初に述べたように,従来の光伝送技術では光の
On-off
を 用い て いた が ,最 近 では 光 の位 相を 用 い
受信側で遅延検波を行う
DPSK
(
Differential Phase
Shift Keying
)技術が盛んに利用されている
[6]
.図
14
は
160 Gbit/s DPSK-OTDM
(
40 Gbit/s
× 4
)伝
送の構成と,その折に用いられている
DEMUX
後の
40 Gbit/s
受光部とそのアイパターンを示す.
DPSK
の送信部には
40 GHz
のパルス列を強度変調する代わ
りに,パルスの振幅はすべて
1
のままかつ隣り合う
二つのパルスの位相差を
0
と
π
の
2
値で位相変調し,
情報をのせる.このように変調したパルス列をファイ
バ中を伝搬させた後,図
14
に示した
DPSK
受光回
路で位相変調信号を強度変調信号に変換してデータを
受信する.すなわち,復調部では
1
ビット遅延(
1 bit
Delay
)をしたマッハツェンダ干渉計を通過させること
により,位相変調信号を強度変調信号に変換している.
図にあるように,
0π0ππ000
の信号を
1
ビット遅延し
て受光すると,マッハツェンダ干渉計の両アームから
は
1110100
とその逆の
0001011
の信号が出力される.
そこで,バランス光検出器(
Balanced Detector
)を
用いて正の側のアイパターンと負の側のアイパターン
を同時に表示すると,図
14
の写真に示すようにアイ
開口が倍の大きさをもって開くことになる.これによ
り従来法に比べて
3 dB
の
SN
比改善が図られ,大き
なマージンが確保される.このため従来の伝送方式に
比べて安定でかつ長距離の伝送が実現できるといわれ
ている.またその分低い光パワーでの伝送が可能とな
り,非線形光学効果の低減も可能である.このため最
近では図
5
に示したように,
DPSK
に関する伝送技術
が研究の中心になってきている.
その一例 として
HHI
と富士 通が行った
DQPSK
(
Differential Quaternary Phase Shift Keying
)技
術を用いた
1.28 Tbit/s-240 km
並びに
2.56
Tbit/s-160 km
伝送 実 験 に つ い て 簡 単 に 述 べ る
[39]
.そ の
実 験 構 成 を 図
15
に 示 す.
10 Gbit/s
を 基 本 と し て
ま ず
80 Gbit/s DQPSK
信 号 を 作 り 出 し ,そ れ を
1.28 Gbit/s
まで多 重化して 伝送して いる.この 際
640 Gbit/s
までは単一偏波で多重化し,
1.28 Tbit/s
には偏波多重を利用している.また,
2.56 Tbit/s
伝送
の場合も最終段は偏波多重を行っている.この伝送は
DPSK
なので位相を
4
値用いており,このため基本速
度は
320 Gbaud
で
640 Gbit/s
を実現している.これ
を
80 km
スパンの
240 km
伝送を行った後,受信部にお
いては,
40 GHz
動作の
NOLM
により,
320 Gbit/s
の
信号から
80 Gbit/s DQPSK
信号(繰返しは
40 GHz
)
を多重分離している.クロック抽出は両方向動作の
図 15 1.28及び 2.56 Tbit/s OTDM-DQPSK 伝送の送信部,ファイバ部,及び受信部 の構成 [39]
Fig. 15 Setup of the transmitter, fiber link, and receiver in 1.28 and 2.56 Tbit/s OTDM-DQPSK transmission [39].
図 16 1.28 Tbit/s-240 km 及 び 2.56 Tbit/s-160 km OTDM-DQPSK伝送の誤り率特性 [39] Fig. 16 Bit error rate measurement for 1.28
Tbit/s-240 km and 2.56 Tbit/s-160 km OTDM-DQPSK transmission [39].
EA
変調器を利用して
320 Gbit/s
の
OTDM
信号か
ら
10 GHz
のクロックを抽出し
[29]
,その信号を
4
逓
倍して
NOLM
による
DEMUX
信号として
40 GHz
ファイバレーザを動作している.
2.56 Tbit/s
伝送では
640 Gbit/s
信号から
40 GHz
のクロック抽出を行って
いる.このようにして得られた伝送実験の結果を図
16
に示す.このようにして先に述べた
On-Off-Keying
の
みを利用した
1.28 Tbit/s-70 km
の伝送を
240 km
に,
またエラーフロアはあるものの
2.56 Tbit/s
で
160 km
まで拡大することに成功している.
6.
む す び
超短光パルスを利用した
1 Tbit/s
級の
OTDM
伝
送並びに
160 Gbit/s
の各種伝送技術について,その
将来展望を踏まえて報告した.超高速光通信を支える
電子デバイスの高速化に関してはその特性向上が近年
著しく,
100 Gbit/s
で動作する各種デバイス
[5]
が実
現されつつあり,やがて
160 Gbit/s
の
ETDM
伝送
も可能になるものと考えられる.光デバイスに関して
も,実用性を考慮した低エネルギー動作や,フィール
ドテストの結果を踏まえたより厳しい特性改善が求め
られるであろう.超高速光伝送技術は,ネットワーク
の高速化だけではなく,ノードのバックプレーンの簡
素化,超高精細画像のリアルタイム伝送,超高速コン
ピュータ間の接続など,様々な分野での産業発展に貢
献するものと思われる.今後
OTDM/WDM
による
160
,
320
,更には
640 Gbit/s
の伝送速度をもつ超高
速伝送システムの基盤研究,そして将来の超高速全光
ノードの実現に向けての研究がいっそう進展すること
に期待したい.
文
献
[1] 光テクノロジーロードマップ報告書—情報通信分野(2000 年改訂版),資料番号 12-001-2,March 2000. [2] 山林由明,鳥羽 弘,中沢正隆,“時分割多重超高速光 伝送の現状と将来展望,”レーザー研究,vol.27, no.4, pp.231–239, 1999.[3] M. Nakazawa, K. Suzuki, E. Yoshida, T. Kitoh, and M. Kawachi, “160 Gbit/s soliton data transmission over 200 km,” Electron. Lett., vol.31, pp.565–566, April 1995.
[4] I. Kaminow and T. Li, ed., Optical Fiber Telecom-munications IV A and B, Components (A) Systems and Impairments (B), Academic Press, 2002. [5] P.J. Winzer, G. Raybon, and M. Duelk, “107-Gb/s
optical ETDM transmitter for 100 G Ethernet trans-port,” ECOC2005, Post deadline paper Th4.1.1, Glasgow, U.K., Sept. 2005.
[6] A.H. Gnauck and P.J. Winzer, “Optical phase-shift-keyed transmission,” J. Lightwave Technol., vol.23, pp.115–130, Jan. 2005.
[7] N.S. Bergano, C.R. Davidson, M. Ma, A. Pillipet-skii, S.G. Evangelides, H.D. Kidorf, J.M. Darcie, E. Golovchenko, K. Rottwitt, P.C. Corbett, R. Menges, M.A. Mills, B. Pedersen, D. Peckham, A.A. Abramov, and A.M. Vengsarkar, “320 Gb/s WDM transmission (64× 5 Gb/s) over 7200 km using large mode fiber spans and chirped return-to-zero signals,” OFC’98, Post deadline paper PD12, San Jose, CA, Feb. 1998.
[8] A. Hasegawa and M. Matsumoto, Optical Solitons in Fibers, Springer, 2003.
[9] Y. Miyamoto, A. Hirano, K. Yonenaga, A. Sano, H. Toba, K. Murata, and O. Mitomi, “320-Gbit/s (8×40-Gbit/s) WDM transmission over 367-km zero-dispersion-flattened line with 120-km repeater spac-ing usspac-ing carrier-suppressed return-to-zero pulse for-mat,” OAA’99, Post deadline paper PDP4, Nara, Japan, June 1999.
[10] T. Tsuritani, A. Agata, K. Imai, I. Morita, K. Tanaka, T. Miyakawa, N. Edagawa, and M. Suzuki, “35 GHz-spaced-20 Gbps × 100 WDM RZ transmis-sion over 2700 km using SMF-based dispertransmis-sion flat-tened fiber span,” ECOC’00, Paper 1.5, Munich, Ger-many, Sept. 2000.
[11] K. Yonenaga and S. Kuwano, “Dispersion-tolerant optical transmission system using duobinary trans-mitter and binary receiver,” J. Lightwave Technol., vol.15, pp.1530–1537, Aug. 1997.
[12] M. Nakazawa, “Special Issue on Ultrashort optical technologies and their applications,” IEICE Trans. Electron., vol.E81-C, no.2, pp.93–94, Feb. 1998.
[13] K.R. Tamura and M. Nakazawa, “Femtosecond soli-ton generation over 32-nm wavelength range using a dispersion-flattened dispersion-decreasing fiber,” IEEE Photonics Technol. Lett., vol.11, no.3, pp.319– 321, 1999.
[14] K.R. Tamura and M. Nakazawa, “Spectral-smoothing and pedestal reduction of wavelength tunable quasi-adiabatically compressed femtosecond solitons us-ing a dispersion-flattened dispersion-imbalanced loop mirror,” IEEE Photonics Technol. Lett., vol.11, no.2, pp.230–232, 1999.
[15] K. Mukasa, Y. Akasaka, Y. Suzuki, and T. Kamiya, “Novel network fiber to manage dispersion at 1.55µm with combination of 1.3 mm zero dispersion single mode fiber,” ECOC’97, vol.1, pp.127–130, Edin-burgh, U.K., Sept. 1997.
[16] H. Kogelnik, R. Jopson, and L.E. Nelson, “Polarization-mode dispersion,” in Optical Fiber Telecommunications IV B, ed. I. Kaminow and T. Li, ch. 15, Systems and Impairments, Academic Press, 2002.
[17] T. Yamamoto, E. Yoshida, and M. Nakazawa, “Ul-trafast nonlinear optical loop mirror for demultiplex-ing 640 Gbit/s TDM signals,” Electron. Lett., vol.34, pp.1013–1014, 1998.
[18] T. Morioka, S. Kawanishi, H. Takara, and M. Saruwatari, “Multiple-output, 100 Gbit/s all-optical demultiplexer based on multichannel four-wave mix-ing pumped by a linearly chirped square pulse,” Elec-tron. Lett., vol.30, no.23, pp.1959–1960, 1994. [19] 田島一人,中村 滋,上野芳康,“対称マッハツェンダー
型 全光 ス イッチと 超 高速 全 光信 号 処理 ,”信 学 論(C), vol.J84-C, no.6, pp.435–450, June 2001.
[20] M. Nakazawa, T. Yamamoto, and K.R. Tamura, “1.28 Tbit/s-70 km OTDM transmission using third-and fourth-order simultaneous dispersion compensa-tion with a phase modulator,” Electron. Lett., vol.36, no.24, pp.2027–2029, 2000.
[21] M. Nakazawa, E. Yoshida, and K. Tamura, “Ideal phase-locked loop operation of a 10 GHz erbium-doped fibre using regenerative modelocking as an op-tical voltage controlled oscillator,” Electron. Lett., vol.33, no.15, pp.1318–1319, 1997.
[22] K. Hagiuda, T. Hirooka, M. Nakazawa, S. Arahira, and Y. Ogawa, “40-GHz, 100-fs stimulated-Brillouin-scattering-free pulse generation by combining a mode-locked laser diode and a dispersion-decreasing fiber,” Opt. Lett., vol.30, pp.670–672, March 2005. [23] R.G. Smith, “Optical power handling capacity of low
loss optical fibers as determined by stimulated Ra-man and Brillouin-scattering,” Appl. Opt., vol.11, pp.2489–2494, 1972.
[24] M.D. Pelusi, Y. Matsui, and A. Suzuki, “Fourth-order dispersion suppression of ultrashort optical pulses by second-order dispersion and cosine phase
modulation,” Opt. Lett., vol.25, pp.296–298, 2000. [25] T. Yamamoto and M. Nakazawa, “Third- and
fourth-order active dispersion compensation with a phase modulator in a terabit-per-second optical time-division multiplexed transmission,” Opt. Lett., vol.26, pp.647–649, May 2001.
[26] 山本貴司,吉田英二,中沢正隆,“超高速非線形光ループ ミラーによるサブテラビット TDM 光信号の多重分離,” 信学論(C-I),vol.J82-C-I, no.3, pp.109–116, March 1999.
[27] E. Yoshida and M. Nakazawa, “Wavelength tunable 1.0 ps pulse generation in 1.530-1.555µm region from PLL, regeneratively modelocked fiber laser,” Elec-tron. Lett., vol.34, pp.1753–1754, 1998.
[28] E. Yoshida and M. Nakazawa, “Measurement of the timing jitter and pulse energy fluctuation of a PLL regeneratively mode-locked fiber laser,” IEEE Pho-tonics Technol. Lett., vol.11, no.5, pp.548–550, 1999. [29] C. Boerner, V. Marembert, S. Ferber, C. Schubert, C. Schmidt-Langhorst, R. Ludwig, and H.G. We-ber, “320 Gbit/s clock recovery with electro-optical PLL using a bidirectionally operated electroabsorp-tion modulator as phase comparator,” OFC2005, pa-per OTuO3, Anaheim, U.S., March 2005.
[30] M. Nakazawa, T. Hirooka, F. Futami, and S. Watan-abe, “Ideal distortion-free transmission using opti-cal Fourier transformation and Fourier transform-limited optical pulses,” IEEE Photonics Technol. Lett., vol.16, no.4, pp.1059–1061, 2004.
[31] M. Romagnoli, P. Franco, R. Corsini, A. Schiffini, and M. Midrio, “Time-domain Fourier optics for polarization-mode dispersion,” Opt. Lett., vol.24, no.17, pp.1197–1199, 1999.
[32] L.F. Mollenauer and C. Xu, “Time-lens timing-jitter compensator in ultra-long haul DWDM disper-sion managed soliton transmisdisper-sions,” Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO 2002), post dead-line paper CPDB1-1, Long Beach, USA, 2002. [33] L.A. Jiang, M.E. Grein, H.A. Haus, E.P. Ippen, and
H. Yokoyama, “Timing jitter eater for optical pulse trains,” Opt. Lett., vol.28, pp.78–80, 2003.
[34] T. Sakano, K. Uchiyama, I. Shake, T. Morioka, and K. Hagimoto, “Large-dispersion-tolerance optical sig-nal transmission system based on temporal imaging,” Opt. Lett., vol.27, pp.583–585, 2002.
[35] B.H. Kolner, “Space-time duality and the theory of temporal imaging,” IEEE J. Quantum Electron., vol.30, no.8, pp.1951–1963, 1994.
[36] G.P. Agrawal, Nonlinear Fiber Optics, 3rd ed., Aca-demic Press, 2001.
[37] T. Hirooka, M. Nakazawa, F. Futami, and S. Watanabe, “A new adaptive equalization scheme for 160-Gb/s transmitted signals using time-domain op-tical Fourier transformation,” IEEE Photonics Tech-nol. Lett., vol.16, no.10, pp.2371–2373, 2004.
[38] S. Watanabe, F. Fuami, R. Okabe, Y. Takita, S. Ferber, R. Ludwig, C. Schubert, C. Shumidt, and H.G. Weber, “160 Gbit/s optical 3R-regenerator in a fiber transmission experiment,” OFC2003, Post deadline paper PD16, Atlanta, Georgia, U.S.A., March 2003.
[39] H.G. Weber, S. Ferber, M. Kroh, C. Schmidt-Langhorst, R. Ludwig, V. Marembert, C. Boemer, F. Futami, S. Watanabe, and C. Schubert, “Single-channel 1.28 Tbit/s and 2.56 Tbit/s DQPSK trans-mission,” ECOC2005, Post deadline paper Th4.1.2, Glasgow, U.K., Sept. 2005.
(平成 18 年 1 月 24 日受付,4 月 14 日再受付)