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太陽光を利用した光エネルギー蓄積材料の育成と長残光特性

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Academic year: 2021

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Title

太陽光を利用した光エネルギー蓄積材料の育成と長残光特

性( はしがき )

Author(s)

山家, 光男

Report No.

平成14年度-平成15年度年度科学研究費補助金 (基盤研究

(C)(2) 課題番号14550037) 研究成果報告書

Issue Date

2003

Type

研究報告書

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/676

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

研究成果概要

1.iまじめに われわれの生活の中でいかに蛍光体が広く利用されているかは回りを見渡せばよくわか る.蛍光灯、テレビ、コンピューターのディスプレー、駅や人のよく集まるところの表示 板など数え切れない.これは人が光を通していろいろな情報を得て、生活しているからに ほかならない.太陽光はもとよりいろいろな人工光源を使って、昼夜問わず活動し、その 消費エネルギーは膨大なものになっている.照明や表示に関する省エネ対策の1つと-して、 もし日中に太陽光を蓄積(蓄光)し、夜間に光を徐々に放出すれば、自然エネルギーの有 効利用が可能となる.このような観点のもとで新規蓄光材料としてユ」コピュームイオン添 加バリウムケイ酸塩結晶を育成し、残光特性を鮒定し、それらの結果より光エネルギーの 蓄積・・放出のメカニズムを提唱した。 2.実験結果 1at%のEu2◆を添加したBa2SiO.とBa3SiOsはBaCO,とSiO2の化学皇論組成をもつ粉末を室温 でプレス成型したのち還元雰囲気中で1550℃と1250℃で焼結した。 室温でUVまたは青色の光をBa2SiO4とBa3SiOsの結晶に照射すると、510nJnと590Ⅷに ピークをもつ発光スペクトルが観測された.それらの発光の励起スペクトルは紫外可視光 領域で幅の広いバンドからなる。 Ba2SiO4とBa,SiO5の結晶中のピ⊥ク波長での蛍光寿命は顕著な温度依存性を示す。それぞ れの結晶において、蛍光寿命は400Kおよび350K以下では一定の値0.6〝S と2.7〃Sを 保つが、温度がそれ以上になると急激に短くなる。この原因としてフォノンを介在した非 頼射遷移が挙げられる、。 ′355n鵬のレーザー光を5分間照射し、光を切って3秒後、非常に短い蛍光寿命以外に、 減衰時間が卜104s程度と比較的長く、かつ、広い範囲で分布する長残光成分をもつ.また、 長残光スペクトルの形状は蛍光寿命が約1〝SであるEu2◆の固有発光スペグトルと完全に -敬している.いろいろな温度で測定された長残光強度の減衰曲線は式Ⅰ=a X t-nによく合 っている.室温以下では減衰速度が遅く、その減衰曲線はt ○・3で表される.温度が上昇す

(3)

ると、初期強度が急激に増大し、減衰速度も速くなり、その減衰曲線は383Rではt lに近 い関数で表される.理論式Ⅰ=a X t 1は豊沢らによって、自縄自縛正孔と束縛電子がトンネ ′ル効果により再結合する確率の計算から導かれた.この結果から長残光は電子・正孔の再 結合によらて生じることがわかる. 長残光減衰曲線を時間で積分した全強度は、温度が上昇すると、その残光強度が増加する. また、400K以上では急激に減少する。この減少は蛍光寿命の減少と一敦している。250R 以上での急激な増加は活性化エネルギーを含むアレニクスの式によく合う.この結果より、

Ba3軍鴫の場合、低温で吸収された光エネルギーは電子・正孔のペアーで蓄積され、熱活性

エネルギーを得て、電子または正孔が結晶中を動き回ることが予想される。 3.考察

EuかとDy3+を共添加したSrA1204の長残光減衰曲線が正孔による光伝導の減衰曲線と一致

することや、Dy3+を共添加すると残光輝度が上がることにより、Dy3+が正孔捕獲中心になる

とのモデルが提唱された.しかしながら、今回育成した結晶は活性イオンとしてEu2+だけし

か含んでいないので、Dy3+が正孔描獲中心になるモデルは考えにくい。以前測定した長残光 蛍光体Ca2A12SiO7:Ce3+結晶のESR結果より、低温では電子は酸素空孔に、正孔は最隣接に四 面体AlO4に束縛されることが明らかにされた. 低温では残光が観測されない原因として、Eu2十の紫外光吸収により結晶中に作られた電 子・正孔対は孤立局在して再結合しない.つまりi低温では電子と正孔はお互いに十分離 れた状態にあり、再結合する確率が低いと考えられる.温度が上昇すると、由面体SiO4の ところで自己束縛された正孔がすぐ隣の四面体SiO4にポッビングすることにより結晶中を 動き回り、最後にEu2十サイトにトラップされる.Eu3十の形の正孔と適当に離れた電子の間で トンネル効果による再結合が生じ、Eu2十長残光が観潮される.電子・正孔間の距離によって トンネル再結合確率が決まるのセ、その距離の分布に従い、残光時間も分布する.急激な 長残光成分の増加を引き起こす熱活性化エネルギーは正孔が自己束縛された状態からホッ ピングにより動き回るのに必要な熱エネルギーに対応している.さらに高温(〉400R)にな ると、残光の減衰速度がますます速くなり、残光が観測されなくなる.これは熱エネルギ ーによりEu2十の励起準位から非頼射準位への遷移が起こり、光を放出することなく、熱や格 子振動エネルギーに変わるからである. 4.まとめ 蓄光材料として、AlO4およびSiO4の四面体のネットワーク構造をもつことが重要である ことが推定された。光励起で作らせた電子・正孔対のうち、正孔は四面体SiO4に自己束縛 され、熱活性化エネルギーを得てSiO4の四面体のネットワークを通して結晶中を動き回り、 再びEu2+サイトにもどる。この正孔と電子のトンネリング再結合発光が長残光特性を与える ことになる。

参照

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