Title
Dietary Intake of Vitamin B12 and Folic Acid Is Associated with
Lower Blood Pressure in Japanese Preschool Children( 内容と審
査の要旨(Summary) )
Author(s)
玉井, 裕也
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(医学) 甲第921号
Issue Date
2013-03-25
Type
博士論文
Version
none
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/48067
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 審 査 委 員 玉 井 裕 也(岐阜県) 博 士(医学) 甲第 921 号 平成 25 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当
Dietary Intake of Vitamin B12 and Folic Acid Is Associated With Lower Blood Pressure in Japanese Preschool Children
(主査)教授 湊 口 信 也 (副査)教授 近 藤 直 実 教授 鈴 木 康 之 論 文 内 容 の 要 旨 高血圧は脳卒中・心筋梗塞・心不全など様々な疾患の大きな危険因子である。小児において成人 ほど高血圧は多くは見られないが,小児期の高血圧が成人期の高血圧と関連することから,小児期 の高血圧を予防することが,小児期のみならず成人期の高血圧の予防に寄与すると考えられる。 高ホモシステイン血症は高血圧や循環器疾患の独立した危険因子であると数多く報告されている。 血中ホモシステイン値はビタミン B6, B12,葉酸という 3つのビタミンによって制御されている。 これらのビタミンが血圧と関連する可能性が示唆されているが,現在まで成人集団を対象とした研 究からの報告にとどまっている。 本研究の目的は,小児においてビタミン B6, B12,葉酸の摂取量と血圧との間に関連があるかを 検討することである。 【対象と方法】 本研究は愛知県内の 2 つの幼稚園に通う 3 歳から 6 歳までの 533 人の園児を対象に行われた 横断研究である。 2006 年に,園児の身長・体重,生活習慣や健康状況などについてのアンケート 調査,平日 2 日休日 1 日を含む 3 日間の食事記録,そして血圧の測定が行われた。 533 人のう ち 459 人が本研究への参加に同意し,血圧値と 3 日間食事記録が得られた 418 名のデータを最終 的に解析することになった。ビタミンを含む食事摂取量は, 3 日間食事記録から五訂増補日本食品 標準成分表に基づいて算出した。各ビタミンの摂取量ごとに対象者を四等分し,各群での血圧値(収 縮期血圧・拡張期血圧)を共分散分析により比較検討した。なお解析においては,総エネルギー摂 取量, 年齢, 性別, BMI で調整した。 【結果】 ビタミン B12 摂取量と収縮期血圧および拡張期血圧は統計学的に有意に負の関連がみられた(そ れぞれ P = 0.001, P = 0.006 )。ビタミン B12 摂取量の下位 25% 群に比べ上位 25% 群では平 均収縮期血圧が 6.6 mmHg,平均拡張期血圧が 5.7 mmHg 低かった。また,葉酸摂取量と収縮期血圧 も統計学的に有意に負の関連がみられた( P = 0.004 )。葉酸摂取量の下位 25% 群に比べ上位 25% 群の平均収縮期血圧は 4.1 mmHg 低かった。ビタミン B6 の摂取量と血圧との間には有意な関連は みられなかった。さらに,ナトリウム・カリウムの摂取量,幼稚園の違い,両親の喫煙状況などで も調整し解析を行ったが,上記と同様の結果が得られた。 また,対象者を葉酸摂取量の上位 50% 群と下位 50% 群の 2 群に分け,ビタミン B12 摂取と [ ]
血圧の関連についてそれぞれ解析したところ,葉酸摂取量上位 50% 群でビタミン B12 摂取量と収 縮期血圧および拡張期血圧との間に有意な負の関連がみられた。同様に対象者をビタミン B12 の摂 取量の上位 50% 群と下位 50% 群の 2 群に分け,葉酸摂取と血圧の関連についてそれぞれ解析し たところ,ビタミン B12 摂取量上位 50% 群で葉酸摂取量と収縮期血圧および拡張期血圧との間に 有意な負の関連がみられた。 【考察】 ビタミン B12 摂取と収縮期血圧および拡張期血圧との間に,また葉酸摂取と拡張期血圧との間に 負の関連が観察された。ビタミン B12 摂取と血圧との関連についての研究は本研究が最初である。 また葉酸摂取と血圧との関連の小児における報告も本研究が初めてである。 5mmHg の血圧低下は 9% の心血管疾患リスクの低下と, 14% の脳卒中リスクの低下,および 7% の全死亡リスクの低下をもたらすと報告されており,本研究で観察された血圧値の低下は意味 があるものと考えられる。また,近年の欧米各国では食品への葉酸添加が義務付けられており,葉 酸が十分に摂取されているため,本研究のように葉酸摂取の多い群と低い群で血圧値を比較すると いう研究を行うことは困難になっている。しかしながら,本研究では葉酸摂取の多い群でビタミン B12 と血圧との関連が強く観察されたことから,葉酸添加の義務づけられた国においてもビタミン B12 と血圧との関連がみられることが期待される。 本研究で解析に用いた血圧値は 1 回の測定に基づくものであり,真の血圧値と解析に用いた血圧 値とは乖離があると考えられる。しかしそのような測定誤差はランダムに起こり,ビタミン摂取量 に依存したものではないと考えられ,解析結果を歪めているとは考えにくい。また本研究の解析に 用いた身長・体重は親の申告による値を用いているが,実測値が得られた対象者に限り解析したと ころ同様の結果が得られ,申告値による解析の結果の信頼性は高いと考えられる。 【結論】 小児においてビタミン B12 および葉酸の摂取と血圧との間に負の関連があることが示唆された。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 申請者 玉井裕也 は,小児を対象とした横断研究により,ホモシステインの代謝に係るとされ るビタミン B12 および葉酸の摂取量は,血圧値と負の関連性を示すことを明らかにした。また,ビ タミン B12 摂取は葉酸摂取と血圧との関連に対し,また葉酸はビタミン B12 摂取と血圧との関連に 対し,それぞれ修飾作用を有することが示唆された。本研究の成果は,小児においてもビタミン B 群の摂取が血圧に影響を与える可能性を示すもので,栄養疫学の発展に少なからず寄与するもので あると考えられる。 [主論文公表誌]
Yuya Tamai, Keiko Wada, Michiko Tsuji, Kozue Nakamura, Yukari Sahashi, Kaori Watanabe, Keiko Yamamoto, Kyoko Ando, and Chisato Nagata:Dietary Intake of Vitamin B12 and Folic Acid Is Associated With Lower Blood Pressure in Japanese Preschool Children