Title フラビウイルスNS3タンパク質のRNAヘリカーゼに関する研究( 内容の要旨 )
Author(s) ANDI, UTAMA
Report No.(Doctoral Degree) 博士(農学) 甲第206号 Issue Date 2000-09-08 Type 博士論文 Version URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/2547 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
氏 名(国籍) 学 位 の 種 類 学 位 記 番.号 学位授与年月 日 学位授与 の 要件 研究科及 び専攻 研究指導を受けた大学 学 位 論 文 題 目 審 査 委 貞 ANDIVTAHA (インドネシア共和国) 博士(農学) 農博甲第20.6号 平成12年9月8日 学位規則第4■条第1項該当 連合農学研究科 生物資源科学専攻 岐阜大学 フラビウイルスNS3タンパク質のRNAヘリ カーゼに関する研究 主査 岐 阜 大 学 教 授.高見澤 副査 静 岡 大 学 教 授 田 原 副査 信 州 大 学 教 授 細 野 副査 岐 阜 大 学 助教授 発 裕 孝 義 浩 一康 明 正 論 文 の 内 容 の 要 旨 フラビウイルスは(+)一本鎖RNAウイルスであり、ヒトに対し様々な病気を 引き起こす。フラビウイルスの中でも日本脳炎ウイルス(Japaneseencephalitis ViruS,JEV)や黄熱ウイルス(Ye皿owfeverviruS,YFV)に対してはワクチ ンが存在するが、ワクチンは動物を使用し製造するため、動物由来成分の混入 や製造用動物の安定供給などの問題が残されている。また、デングウイルス (DengueviruS,DV)等の他のフラビウイルスはワクチン、治療薬など積極 的な治療法は存在しない。これら感染症問題の解決策の一つとして、ウイルス の複製・増殖に必須なウイルス蛋白質であるNS3蛋白質の機能解析からのア ブロ」チが注目されている・。NS3蛋白質の機能解析はウイルス増殖桟橋の理解 と共に、痔異的阻害剤など治療薬開発への応用が期待される。本論文ではJEV のNS3蛋白質を用いてその生化学的活性の解析と、蛋白質の保存されたDEAH (Asp-GluTAla-His)モチーフの活性への機能を解析した。 刀‡ⅤのNS3蛋白質(以下JEVNS3)はそのアミノ酸配列からプロテアーゼ、 RNAヘリカーゼ及びrmseとRNA結合活性を有すると推測され七いる。ま た、N末端例の約1/4はプロテアーゼ、C末端例の約3/4はRNAヘリカーゼ、
mse及びRNA結合活性と推測されている。本論文ではJEVNS畠のRNA
ヘリカーゼ活性を証明するために、NS3の.C革端の約3/4をコードするCD
をプラスミドpET--21bにクローニングして大腸菌BL21(DE3)pIusSに発現さ せ(発現蛋白質はJEV NS3/helと命名)、∴アフィニティーレジンで精製した。 JEV NS3/helを32pで標鼓した2本鎖RNA基質に反応させたところ、2本鎖 訃払基質は1本鎖に巻き戻された。つまり、JEV NS3はRNAヘリカーゼ括-28-性を有することが確認できた。 JEVNS3は7つの保存されたモチーフを有しているが、これらのモチーフは
酵素活性に畢要な役割を担っていると考えられる。そこで、モチーフⅠⅠ(DEAH
=Asp-GluJua-His)の機能解析を行った。人工的変異を導入することにより モチーフの各アミノ酸を置換し、ATPase、RNAヘリカ「ゼ及びRNA結合活 性に対する影響を検討した。DEAHモチーフのAsp及びGluをそれぞれAla に置換した・ところ、ATPase及びRNAヘリカーゼ活性は完全に消失したが、RNA 結合活性は殆ど変化しなかった。AspとGhlは、ATPase及びfmヘリカー ゼ活性に必須であるが、RNA結合活性に影響しないことが判明した。DEAH モチーフのAlaをCys,GbT及びSerに置換すると、ATPase活性が維持され たのに対し、RNAヘリカーゼ活性は完全に失われた。この結果より、Alaは Åmねse活性には必須ではないが、RNAヘリカーゼ活性には必須であることが 判明した。一方‥細a部位の変異蛋白質のRNA結合活性は野生型蛋白質とほ ぼ同様で、AlaはRNA結合には関与しないと示唆された。JEV NS3のDEAH モチーフのHisを疎水性アミノ酸に置換した場合、ATPase活性はほぼ完全に 消失したが、Ab、Glu、Asn及びGhに置換するとATPase活性は比較的維持された。.しかし、変異蛋白質はmヘリカーゼ活性を示さなかった。こ?
ことより、HisはAbと同様にATPase活性には必須ではないが、RNAヘリカ ーゼ活性には必須であると判明した。 審 査 結 果 の 要 旨 本論文はウイルスの複製・増殖に必須なウイルス蛋白質であるNS3蛋白質の機能解 析に関するものであり、1)フラピウイルスである日本脳炎ウイルス触IeSe en曙正成飴vinB,JW)のNS3蛋白質のRNAヘリカーゼ活性の証明、2)●NS3蛋 白質に保存されているモチ「フⅡ仁肥AH=Asp御用s)の摸能解析、から構 成されている。」鷹ⅣのN発蛋白質(以下鷹ⅣN道)はそのアミノ酸由列からプロテアーせRNA
ヘリカーゼ及びきれに伴うNmseとRNA結合活性を有すると推卸されている。また、
N末端側の約1/4はプロテアーゼ、C末端側の約3/4はRNAヘリカーゼ、血e 及びRNA結合活性と推測されている。児VN駕のプロテアーゼ、NTR娼e及びRNA 緯合活性は確認されているが、RNAヘリカーゼ活性は証明されていない。そこで、児V NS3のRNAヘリカーゼ活性を証明するために、NS3のC末端の約3/4をコードする d)NAをプラスミドpEト∼1bにクローニングして大腸菌斑21の助Sに発現さ せ(発現蛋白質はJEVNS3/hdと命名)、アフィ土ティーレジンにより精製した。皿VNS3几elを2本鎖RNA革質に反応させたところ、2本鎖RNA基質は1本鎖に
巻き戻された。つまり、皿VN㍊はRNAヘリカーゼ活性を有することが確認できた。
2本鎖RNA基質が全部巻き戻されたものを100%とすれI£JEVNS3他のRNAヘ リカーゼ活性は約卸%であり、JEVNS3と同じぬHサブファミリーRNAベリカ ーゼであるC型肝炎ウイルス蜘CviruS,HCV)NS3やワクシニアウイルス Ⅳ血血血,ⅤⅤ)NPHⅡ蛋白質に比云聴かったが、DVNS3のRNAヘリカーー29-ゼ活性に比べ圧倒的に強かった。JEVNS3伽1のRNAヘリカーゼの諸性質はこれま でのDE汝H蛋白質とほぼ同様であった。また、JEVNS3/Ⅰ肥1のNme活性も確認 し、その諸性質もこれまで報告されたDBとH蛋白質と基本的に同様であった。