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髄液のレオロジーと交通性水頭症

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Academic year: 2021

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96 (31) 氏名(生年月日) 本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

ヨシ ダ シゲシ

吉田 滋(昭和24

医学博士 乙第845号 昭和62年10月16日 学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者) 髄液のレオロジーと交通性水頭症 (主査)教授 喜多村孝一 (副査)教授 :丸山 勝一,教授 柴田 収一

論文 内 容 の 要 旨

目的 交通性水頭症の病態生理に髄液相対粘度の変化が, どのように関与しているかを明らかにするため,まず 髄液のレオロジー特性の分析を行ない,かつ交通牲水 頭症における髄液相対粘度を測定し,さらに髄液相対 粘度に影響を与える因子を検討した. 方法

1)30症例の髄液のshear rateとshear stressの相

関を回転粘度計を使用して37℃にて測定した. 2) 175症イ列をnormal(N=27), central nervous system disorders without hydrocephalus(CNS, N= 42),normal pressure communicating hydrocephalus

(NH, N=57), high pressure communicating

hydrocephalus(HH, N=29), obstructive hydroce-

phalus(OH, N=20)の5群に分け,それぞれの髄液 相対粘度を毛細管粘度計を使用して29℃にて測定し た. 3)上記175症例より任意に選んだ113症・例について 髄液蛋白濃度をLowryの変法で,111症例について髄 液細胞を一般臨床検査法で測定し,相対粘度との相関 係数(r)と回帰直線を求めた. 結果 1)30症例すべての髄液において,shear rateと shear stressの関係は原点を通る直線関係になった.‘ このことは髄液のレオロジー特性はNewtonianであ ることを示す. 2)正常髄液相対粘度は0.999±0.010(mean±SD) であった,normal, CNS, OH群間に有意の差はなかっ た,NH群において,髄液相対粘度の上昇が認められ (1.020±0.014),norma1, CNS, HH, OH群等との 間に有意の差があった(p〈0.05).HH群において, 髄液相対粘度はさらに上昇し(1.050±0.025),nor- mal, CNS, NH, OH群雄との間に有意の差があった (p<0。05). 3)髄液相対粘度と髄液蛋白濃度の間には,有意の正 の相関関係があり,相関係数r=0.9603,回帰直線y= 0.0003x+1.0004, p<0.005であった. 髄液相対粘度と髄液細胞数の間にも,有意の正の相 関関係があり,相関係数r=0.5011,回帰直線y= 0.0002x十〇.9705, p<0.005であった. 考察と結論 髄液のレオロジー特性はNewtonianであり,流動 に対する抵抗は粘度に正比例して増大する,交通性水 頭症における髄液相対粘度の上昇が,どの程度髄液循 環障害に関与しているかは不明である.しかし髄液化 学成分の変化は単に水頭症と髄液循環障害の二次的な 結果ではなく,髄液相対粘度を上昇させることにより, 髄液循環障害を助長している可能性がある.すなわち 髄液rheologyは髄液循環障害と髄液化学変化を相互 に結ぶ接点である. 一760一

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論 文 審 査 の 要 旨

髄液のレオロジー特性を分析し,shear rateとshear stressの関係が原点を通る直線関係にあるこ とから,その特性はNewtonianであることを知った.また,髄液相対粘度と髄液蛋白濃度および細胞 数それぞれとの間の相関係数回帰直線をもとめ,有意の正の相関関係を証明した. 交通性水頭症の病態生理究明にあたり,きわめて価値の高い論文である. 主論文公表誌 髄液のレオロジーと交通性水頭症 東京女子医科大学雑誌 第57巻 第8号 820~825頁(昭和62年8,月25日発行) 副論文公表誌

1)頭頂部congenital dermal sinusの1例 脳神経外科 7(6)609~613(1979)

2)Computerized tomography in acute severe head trauma(急性重症頭部外傷におけるコ ンピューター断層撮影法)

Neurol Med Chir 19(1)17~27(1979)

3)Intrafalcial sinus tract masqerading as con- genital parietal dermal sinus-Report of

three cases一(先天性皮膚洞に似た大脳鎌内 の南面索状物一3例の報告一)

小児の脳神経 9(4)249~256(1984)

4)Anew model of focal cerebral ischemia: validation and utility(局所脳虚血の新しい

モデルー正当性と有用性一)

Bull Clin Neurosci 50 69~75(1985)

5)Dialysis disequilibrium syndrome in

neurosurgical patients(脳神経外科患者にお

ける不均衡症候群)

Neurosurgery 20(5)716~721(1987)

参照

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