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移植拒絶心における In-111 標識リンパ球と I-125 標識抗ミオシン抗体の診断的鋭敏性の比較 : ラット腹腔内異所性移植心モデルを用いて

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(1)

原  著 〔東女医大誌 第64巻 第1号頁 54∼61 平成6年1月〕

移植拒絶心におけるIn−111標識リンパ球と1−125標識

抗ミオシン抗体の診断的鋭敏性の比較

一ラット腹腔内異所性移植心モデルを用いて一

東京女子医科大学 放射線医学教室(主任:重田三子教授)        オオ    タ     ヨシ    コ

       太  田  淑 子

(受付 平成5年9月20日) Myocardial Uptake of In・111 Lymphocytes and I・125 Antimyosin Antibody in       Early Detection of Cardiac Allograft Rejection in Rats

       Yoshiko OHTA

Depζrtment of Radiology(Director:Prof. Akiko SHIGETA)      Tokyo Women’s Medical College   We investigated whether In・1111ymphocytes(Lym)or I・125 antimyosin antibody(AM)was a more sensitive radiopharmaceutical for detecting cardiac rejection in comparison with.histopathologic findings. Wistar−King rats received abdominal heart grafts from Lewis rats by means of Ono−Lindsey’s technique and were sacrificed on days 7−14 after transplantation on oral admistration of cyclosporine A(5mg/kg body ratio/day). The transplanted and native hearts were removed 24 hr after simultaneous injection of both radiotracers,we玉ghed, and counted by gammacounter with dual energy windows. Uptake ratios of transplanted/native heart uptake宙ere calculated. The severity of histologic rejection was graded according to Billingham’s classification.Uptake ratios were 3.5±0.30f In・111 Lym and 2.2±0。40f I−125 AM(pく0。01)in.moderate rejected group(n:10),8.6±:2.9,4.3±0.7 (Pく0・901)in severe rejected group(n:6), respectively.   These results suggest that In−111 Lym is a more reliaりle and sensitive radiotracer for detecting early rejection of the transplanted heart in this rat modeL          緒  言  諸外国においては,心不全の末期患者の治療法 として心臓移植が普及している.移植後の急性拒 絶反応の診断法として,最初に心筋生検法1)が導 入されたが,侵襲的な診断法である.移植心の拒 絶反応の診断については数多くの非侵襲的な診断 法が報告されている2).電気生理学,免疫学,生化 学的な診断法,あるいは,核医学,MRI3)による画 像診断法が挙げられるが,心筋生検法ほどには確 立,普及しておらず,拒絶反応の診断は未だに心 筋生検法によって行なわれている..  核医学における急性拒絶反応の診断には心プー ルシンチグラフィによる心機能からの評価法4), Ga・67クエン酸5)6), Tl−201 C17)8), Tc−99m標識ピ ロリン酸9),In−111標識リンパ球, In・111標識抗ミ オシシ抗体等による心筋イメージング製剤を用い た画像による評価法がある.  急性拒絶反応における拒絶機構1のは,移植心由

来の抗原がマクロファージに取り込まれ分解さ

れ,その表面に表現されてTリンパ球に提示され

る.認識したTリンパ球は自ら分泌したインター

ロイキンー2とマクロファージから分泌されたイン

(2)

ターロイキンー1により活性化し,ヘルパー,ある いはキラーTリンパ球へと分化,増殖していく.

ヘルパーTリンパ球はBリンパ球の抗体産生細

胞への分化・増殖に,キラーTリンパ球は心筋細

胞の融解に関与していくと考えられている.病理 組織学的には単核細胞浸潤,単核細胞による心筋 細胞融解の形で捉えることができる.  In−111標識リンパ球11)∼13)は単核細胞の浸潤度 を,1琵111標識抗ミオシン抗体14)∼17)は障害を受け た心筋細胞に集積することから心筋細胞の融解度 を表現し,病理組織学的変化を画像化することが 可能である.しかし,二つの放射性医薬品のうち, どちらがより早期に,より確実に急性拒絶反応を

描出するかについての検討は未だ行われていな

い.本研究はラット腹腔内異所性移植心モデルに In−111標識リンパ球(Lym)と1−125標識抗ミオシ ツ抗体(AM)を同時に投与し,得られた組織サン プルの光顕学的組織所見と両者の放射活性の対比

から診断的鋭敏性を検討した.さらにmicro−

autoradiographyを行い1−!25標識AMの障害心

筋における局在についての検討も行なった.

        対象と方法

 1.対象  donorにLewis rat(Lew/Crj)を, recipientに

Wistar−King rat(WKAH/Hkm)を用いOno−

Lindsey法18)に従ってラット腹腔内異所性移植心

モデルを作製した.donorの下大静脈からヤング

補液(5ml)を注入し心拍を停止し,開胸しdonor、 心を剥出し,その静脈系を絹糸にて結紮した後,

肺動脈と上行大動脈とともに切断しdonor心を

摘出した.

 recipientの腹部大動脈と下大静脈を露出し止

血鉗子にて血行を遮断した.腹部大動脈とdonor

心の上行大動脈,下大静脈と肺動脈をそれぞれ8尋 縫合糸(ネスプレン)にて端側吻合した.移植日 から放射性同位元素(RI)標識化合物を投与する 日まで,サイクロスポリンA(5mg/kg体重/日) を連日経口投与した.異系移植に用いたラットは 13匹であり,雄性,9∼10週齢,平均体重は329.6±

25.5gであった.対照として同系移植ラット

(Wistar−King rat)4匹(10∼12週齢,平均体重 396.5±69.Og)を用意した.  2.方法  1)組織内放射活性の測定

 異系移植群に対しては,移植日を0日とし,6

∼14日目(平均11.6±2.8日)に尾静脈よりIn−111

標識Lymと1−125標識AM(各740kBq)を静注し

た.対照群に対しては15∼30日目(平均22.8±7.9 日)に静注した.静注から24時間後に右室腔内よ り虚血,屠殺した.移植心と自己心を摘出し,心 臓の短軸面にて割面を入れ,心臓中央部の連続す る切片(3mm厚)の一つは病理標本作製に,もう 一つは組織内放射活性測定に用いた.右室と左室 壁からは移植術に伴う物理的な影響を除くために 心内膜側から,また中隔については心筋生検が右 室側にて行われることから右直話からサンプルを 採取し,一つの心臓から3個のサンプルを得た. 各サンプルの重量と放射活性を測定した.

 放射活性の測定にはdual windowのエネル

ギー設定の可能なガンマウエルカウンター

(ARC−2000, Aloka社)を用いた.相互の放射活

性が測定に際して影響しあわないように,win−

dow幅はIn−111は168∼257kev,1−125は32∼60

kevに設定した.単位組織重量当たりの放射活性

に各ラットの体重と投与量の補正を加えた%kg

dose/g={(kBq in organ/g)÷(kBq(dose)/kg body weight)×100}19)にて集積率を求めた.  さらに自己心に対する移植心の集積比率(移植 心集積率/自己心集積率)と拒絶反応の重症度との

対比,In−111標識Lymと1−125標識AMの集積比

率の比較から両者の診断的鋭敏性について検討し た.  2)リンパ球の分離20)とIn411標識  acid−citrate−dextrose(ACD)液(1ml,10:1 vo1/vo1)の入った10m1注射器にて, Wistar−King rat(体重330g)の右室内腔から採血(10ml)する. ポリスチレン遠心管(50mD(住友ベークライト)

にFicoU−Paque液(Pharmasia)15mlを入れ,そ

の上に採血した血液を重層し,360gにて30分間

(25℃)遠心した(KC90, Kubota).最上層のリン ・.《球の層を,15mlの遠心管(栄研)に採り0.9%

NaCl−ACD(7:lvo1/vol励こて2回遠沈洗浄し

一55一

(3)

た(600g,10分間,25℃).得られた沈渣をplatelet−

free−plasma(PPP)1mlとNaCl・ACD 2mlに溶

解し,8mlのFico11−Paque液に重層し遠心した

(360g,30分間,25℃).2回目の比重遠心分離は リンパ球中の1血小板を,さらに除くことを目的に

行った.リンパ球の層をNaCl・ACDで2回, PPP

llnlで1回,次いでNaCl−ACDで1回の計4回の

遠沈洗浄を行った(600g,10分間,25℃).得られ た沈渣はNaCl−ACD(1ml)に溶解し,キレート剤 であるトロボロン(東京化成工業)を結合させた In−111Cl(Medi−physics)15MBq(NaCl−ACDに てpH 6。5に調整)と混合し,室温にて20分間イン キュベートした.600g,10分間遠沈し非結合のIn−

111を除去し,沈渣はPPP lmlにて遠沈洗浄し

た.インキュベーションの前後の放射活性を測定 し計算された標識率は60∼80%であった.標識後,

直ちに心移植モデルの尾静脈よりIn−111標識

Lymを投与した.

 3)抗ミオシン抗体の1・125標識  抗ミオシン抗体(Centcor)にiodogen法を用い て1−125を標識(37MBq/1mg protein)した.  4)病理組織学的検討

 心臓組織(3mm厚)を4%ホルマリンにて固定

し,パラフィン包埋後,切片(5μm)を作製し,

HE(hematoxylene・eosin)染色とMasson染色を

施した.急性拒絶反応の重症度はBillingham分

類21)22)に従い,下記の4段階にて分類した(図1).  ①拒絶反応なし,②軽度拒絶反応:血管周囲へ の単核細胞浸潤,③中等度拒絶反応:血管周囲か

ら間質への単核細胞浸潤と限局した心筋細胞融

解,④高度拒絶反応:間質への高度な単核細胞浸 潤と心筋細胞融解.  自己心と移植心から得られた各組織を光顕学的

類検討し,拒絶反応の重症度によって4群に分類

した.

 5)Microautoradiography

 ラット腹腔内異所性移植心モデルに1−125標識

AMを3。7MBqを尾静脈より静注し,24時間後に

自己心の右心室内腔より脱血,屠殺し移植心を摘

出した.組織を4%パラホルムアルデハイド

(0.0375Mリン酸緩衝液に溶解)にて6時間の固

定を行い,OCT compound(Miles Scienti丘と, Elkhart, Ind,)に包埋,液体窒素内にて急速凍結 した.クライオスタットにて凍結切片(3μm)を 作り,ネオプレン処理したスライドグラス上に載

せ,さらに1%PBS緩衝液にて洗浄,風乾した.

Dip法にて乳剤を塗付した.1:1.5の比で乳剤

(NM−M2, Konica)を水に溶かし乳剤瓶に入れ, その中にスライドグラスを30秒間浸し,静かに引 き上げた.一連の操作は43℃温浴内にて行なった.  言 葦雲

言遷 §§

甚§ コヒ 16・ 14 12 10 8 6 4 2 0 p《0.001       p《0.001  P《0.01  ns     pく0.05   p《0.01 「一一一一「 「一}「 一一「 Con量rol   Mild   Modera電e  Severe  (n:12)    (n=8}    (n=10》     (n=6)    Degree o響Relection mean±SD 匠1・125AM 図2 拒絶反応の重症度と1−125標識AMの集積比率との関係 拒絶反応が高度になるにしたがい1−125標識AMの集積比率は高くなる.

(4)

さらに30分間風乾し,暗箱内に乾燥剤とともに密 閉し,一80℃冷凍庫に4∼6週間保管した.現像は

Konidol X(Konica)に5分間浸し,0.1M酢酸

にて洗い(15秒間),Koni丘x』(Kon量ca)にて定着 した(5分間).水洗後,カルノア液にて後固定し, HE染色を施し,脱水,封入し,光学顕微鏡にて鏡 検した.  6)統計処理  拒絶反応の重症度別に分類した各回について,

In−111標識Lymと1・125標識AMのそれぞれの

集積比率(移植心集積率/自己心集積率)を平均±

SDにて算.出した.群間比較にはone−way

ANOVAとSheffe法を用いた.

         結  果  異系移植を行った13匹のうち,屠殺する時点で 移植心のi拍動が微弱,ある.いは停止しているラッ  曾 繧8 身=

F9

二焉 二z 輸一 、 015 9£ 董童 。留

16 で4 12 10 8 6 4 2 0 pく0.001         P《O.001  pく0.05      p《0.Q1

一一一

  nS  p《0.05

「一「 「一一

mean±SD

国ln・羽1 Ly躍1.    Control   Mild  Modera重e  Severe     (n;吊2》     〔n二8》     〔n;10)     (n=6)        Degree of Relection 図3 拒絶反応の重症度とIn−111標識Lymの集積比率との関係 託_ 響驚 ;£ §婁 塁薯 」、 …◎ 立碧 ち§ 室藷 彰》 豊

9

号 14 12 10 8 6 4 2  ns  ns p《0.01 P《0.001 @   1 mean±SD 團ln・川lym 図Io125  AM o   Control   Mild  Moderate  Severe   (n:12}     (n=8)     (n=10)      (n=6}      Degree of Relection 図4 1・125標識AMとIn−111標識Lymの集積比率の比較 中等度拒絶反応群と高度拒絶反応群において2つのRI標識化合物の集積比率の間に 有意差を認める.

一57一

(5)

Control

Mild

.超

Moderate         Severe

    図l Billingham分類(HE染色,×200)

Control

Mild

      Moderate      Severe

         図5 1・125標識AMのmicroautoradiogram 心筋細胞融解が進行するにしたがい,融解された心筋細胞上の銀粒子の数が増えている.

(6)

ト,および移植心と消化管や腹壁との癒着が強い

ラットは対象から除外し,8匹(組織サンプル24

個)について検討した.同系移植の4匹には移植

心に軽度の癒着を認めたが,拍動の異常は見られ なかった.異系移植の24個の組織サンプルはBil− lingham分類に基づき,8個が軽度拒絶反応群,10 個が中等度群,6個が高度群に分類された.右室, 左室壁,中隔から組織を採取しているが,部位に よる重症度の差は見られなかった.同系移植の12 個の組織サンプルの組織所見には異常は見られな かった.  1.In・111標識■ymの集積比率(図2)  同系移植された対照群の集積比率は1.0±0.5で あり,自己心と移植心の集積率は同じであった. 軽度群は1.6±0.5,中等度群は3.5±0.3,高度群 は8.6±2.9であった.対照群と軽度群の間に有意

差は見られなかったが,軽度群と中等度群(p〈

0.05),中等度群と高度群(p<0.01)の間には有 意差を認めた.単核細胞浸潤の進行とともにIn・

111標識Lymの集積が強くなった.

 2.1・125標識AMの集積比率(図3)

 対照群の集積比率は1.0±0.7,軽度群は1.4± 02,中等度群は2.2±0.4,高度群は4.3±0.7で あった.軽度群と中等晶群(p<0.05),中等度群 と高度群(p<0.01)の間に有意差を認めた.1−125

標識AMは拒絶反応の重症度を描出すると考え

られた.

 3.In・111標識Lymと1・125標識AMの集積

比率の比較(図4)

 軽度群ではIn−111標識Lymと1−125標識AM

の集積比率に有意差はみられなかった.中等度群

と高度群では有意にIn−111標識Lymの集積比率

が高く(p<0.01,p<0.001),1−125標識AMより も診断的鋭敏性が高いことが示唆された.

 4.Microautoradiography(図5)

 対照群の心筋細胞の上には1−125標識AMの存

在を示す銀粒子の分布は見られなかった.中等度 から高度群へと心筋細胞融解が強くなるほど,心 筋細胞上の銀粒子の数が増加した.1−125標識AM が障害を受けた心筋細胞に集積することから,1−

125標識AMは心筋細胞の融解度を描出している

ことが確認された.          考  察  心筋ミオシンは心筋細胞の主たる構築成分であ り,ミオシン重鎖と軽鎖のサブユニット構造から なる筋原線維を構成する心筋に特異的な蛋白であ る.虚血や炎症反応により心筋細胞は代謝障害を 受け,その細胞膜は破壊され,細胞内の筋原線維 は露出される.ミオシン軽鎖は血中に流出するが 重鎖は細胞内に残るため,ミオシン重鎖に対する 抗体は障害を受けた心筋細胞に結合する.  Khawら23)24)によって開発されたモノクローナ ル抗ミオシン(重鎖)抗体(Fab)は, In−111標識

抗ミオシン抗体として,急性心筋梗塞の部位診

断25),心筋炎26)27),心筋症28)における心筋障害の診 断に臨床応用されている.また,近年ではdoxor−

ubicinの心毒性による心筋障害の診断にも有用

であるとの報告29)30)もなされている.Fristら14) は,心臓移植後7日から9年目の患者を対象にIn−

111標識AMシンチグラフィーと右室心筋生検法

を行い,病理組織診断を診断基準とした場合のIn−

111標識AMのsensitivityとspeci且cityが80%

であると報告している.本研究では組織内放射活

性と病理組織所見との対比,およびmicroauto・

radiographyより1−125標識AMが拒絶反応の重

症度を描出することのみならず,心筋細胞の融解 度を描出していることを確認した.また,Fristら ば心不全により血液中に残存する放射活性が高い 場合には,シンチグラム上,心臓全体の集積が高

くなり偽陽性となる可能性があり,RI標識AM

の読像時には留意する必要があると述べている.

 核医学検査には,被験者の血液細胞にRIを標

識し,細胞の体内動態を画像化する方法がある. 1977年にThakerら31)はIn−111標識白血球を用い て膿瘍を,1981年にはSegalら32)は炎症性消化管 疾患を描出した.1978年にGoodwinら33)はIn−111 標識血小板を用いて深部静脈血栓を描出した.In−

111標識Lymについては1978年にLavenderら34)

がHo母gkin病の部位診断に用いた.心臓移植後

の急性拒絶反応への応用については,1982年に

Lerchら35)はラット腹腔内異所性移植心モデルを

用いて移植心の拒絶反応の画像化を行なってい

一59一

(7)

る.シンチグラムからコンピュータにて計算され た集積比率(移植心集積度/自己心集積度)は7.7± 1.9であったと報告している.また,Rosenbloom ら12)は,イヌの胸腔内同所性移植心モデルを用い

てln−111標識Lymシンチグラフィを行なってい

る.シンチグラムにおける移植心への集積度を血 液との比で表わすと,初回免疫抑制療法を施行し ている時の集積比は0.7±0.8であり,血液中より も移植心の放射活性が低かった.免疫抑制療法を 中止すると5.7±3.5と高くなり,治療を再開する と0.5±0.8に低下した.撮像と同時期に施行した 心筋生検による組織診断より得られた単核細胞の 浸潤度と一致したと報告している.本研究のIn−

111標識Lymが拒絶反応の重症度を描出すると

の結果と一致した.

 本研究,および過去の報告から1−125標識AM

が心筋細胞の融解度を,In−111標識Lymが単核細 胞浸潤度を表現していることが示唆され,さらに, In−111標識Lymが,より早期に,より確実に拒絶 反応を描出しうると考えられた.臨床応用におい ても有用であると考えられるが,以下の問題点が

あげられる.(1)心筋層にln・111標識Lymが集

積する機序は,特異的な反応であるが,拒絶反応 以外の疾患,例えば,心筋炎においても認められ

る.(2)拒絶反応が軽度な場合にはRI標識Lym

あるいはAMの心筋層への集積が少なく,血液

プールの放射活性のほうが高くなるために,シソ チグラム上での心筋層と血液プールとの鑑別が難 しくなる.その場合にはTc−99m標識赤血球によ

る心プールシンチグラムとのサブトラクション

や,Tl・201Clとの2核種同時収集SPECTの導入

が問題を解決すると考えられた.          結  論  ラット腹腔内異所性移植心モデルにIn−111標識

Lymと1−125標識AMを同時に投与し,移植心へ

の集積度の比較により,2つのRI標識化合物の

診断的鋭敏性について検討し以下の結果を得た.

 1)L125標識AMが急性拒絶反応における心筋

細胞の融解度を描出することが,集積比率と

microautoradiographyの結果より示唆された.

 2)In−111標識Lymは単核細胞の浸潤度を描出

することが示唆された.

 3)1−125標識AMとIn−111標識Lymの集積比

率の比較からIn−111標識Lymがより早期の拒絶

反応を描出しうると考えられた.  稿を終えるにあたり,御指導御校閲を賜わりまし た放二線医学教室重田帝子教授,日下部きよ子教授, 秋庭弘道非常勤講師,日本心臓血圧研究所循環器外科 小柳 仁教授,北村昌也助手,同研究部今村伸一郎助 手,東京医科歯科大学第2内科,廣江道昭講師に感謝 いたします.また,放射性同位元素標識において協力 していただいた核医学部技師 金谷和子さんに感謝 いたします.  本研究の要旨は第64回米国心臓病学会学術集会 (1991年,米国),第50回日本医学放射線学会学術集会 (1992年,千葉)にて発表した.          文  献  1)Billingham ME:Djagnosis of cardiac rejec・   tion by endomyocardial biopsy. Heart Trans−   plant 1:23−30, !980  2)Kemkes BM, Schutz A, Emgelhardt M et al:   Noninvasive methods of rejection diagnosis   after heart transplantation. J Heart Lung   Transplant 11:S22}231,1992  3)Aberne T, Tscholako促D, Finkbeiner W et al:   Magnetic resonance imaging of cardiac trans−   plant:The evaluation of rejection oξcardiac   allograft with and without immunosupPression,   Circu玉ation 74:145−156, 1986  4)1翌atum J正, Thompson JA, Prasad U et al:   Radionuclide detection of abnormal ventriclar   filling patterns in rejection of human allografts.   Clin Nucl Med 14:175−178,1989  5)Meneguetti JC, Camargo EE, Soares J et al:   Gallium−67 imaging in human heart transplan−   tation. J Heart Transplant 6:171−176,1987  6)Silver MA, Grusk BB, Dmebay GL et al:   Gallium−67 scann圭ng is not useful in detecting   cardiac allograft rejection. J Heart Transplant   7:65, 1988  7)McKillop JH, Golis ML:Thalhum・201   myocardiahmaging in patients with previous   cardiac transplantation. Clin Radio132:   447−449, 1981  8)Eitcher J, Jerreros, J, Serrena A et a藍:20エTl   myocardial imaging in cardiac rejection epi−   sode. Eur J Nucl Med 11:368−370,1986  9)McKillop JH, McDoougall R, Goris MC et a1:   Failure to diagnose cardiac transplant rejec。   tion with Tc−99m・PYP images. Clin Nucl Med   6:373−377, 1981

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参照

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