小特集・マイクロコンピュータとその応用
u.D.C.る81.323-181.48:る81.527.72]‥[ム81.54‥仏012・ト932・4]
マイクロコンピュータの計装システムへの応用
Application
of
MicrocomputerstoProcess
ControISYStemS
「日立ユニトロール∑シリーズ+は,従来の電了一式工業計器と新たに導入したマイ クロコンピュータとを使用し,総合的な計装システムとして構成した計測制御装置 である。 この中でマイクロコンピュータは,高度な機能をもっている集fナ計器として独立 して使用されるほか,通信機能を活用し,相互,又は上位の制御用計算機と結合し て,階層的な制御システムを構成する中核として使用される。 本稿では,「日立ユニトロール∑シリーズ+に使用されるマイクロコンピュータと, その応用例について紹介する。 口
緒
言 マイクロコンピュータ技術の飛躍的な進歩は,プロセスの 計装制御システムに大きな変化をもたらした1)。マイクロコ ンピュータによる分散形の計装制御システムは,従来の個々 の音寅算器や調節計などによるアナログ計装の機能の限界を超 えるものとして,また制御用計算機による集中形の制御方式 の欠点を補うものとして,その用途は急速に広がりつつある。 「日立ユニトロール∑シリーズ+2)・3)はマイクロコンピュー タを1台の集/合計器として用い,これを分散配置し互いに通 信回線で結合して,計装制御システムを構成するものである。 この集合計器は,単にアナログ計器の集合体にとどまらず, 高級な制御機能をもち,また,アナログ利子卸の機能だけでは 表I DSC-23形マイクロコンピュータの仕様 中央処理装置,記 憶装置,電源及びデバイスカードを一体化し,コンパクトに実装Lた高速高性 能の処理装置である。 項 且 仕 様 主 記 億 装 置 語 長 16ビット 容 量 16,32K語 サイクルタイム l.4/1S 演 算 部 命 令 数 基本47 演算レジスタ 2 ベースレジスタ 3 インデックスレジスタ 3 アドレス修飾 二重修飾機能あり 演 算 時 間 加 算 3.5/JS 乗 算 30/∠S 除 算 40/JS 入 出 力 制 御 転 送 速 度(DMA) 400K語/s ′′ (PCMA) 2K語/s 入出力装置数 64 割 込 レ ベ ル 数 2 要 因 判 定 ベクタリング(ハードウェアによる)注:DMA=Dj「ect Memory Access
PCMA=Processo「Cont「Olled Memo「y Access
石田正浩*
横川信幸*
田崎春二*
∫5ん∫dα 〟d5αんJγO yoた0んα紺α八b占址y加たf 了もぎα丘iS〟祉乃ノ才 なく,シーケンス制御の機能も併せもつ集約された計測制御 装置である。 ソフトウェアは,通常のコンピュータのソフトウェアと異 なり,新たに開発された専用の制御用言語Softless Cont・ r。11。r(以下,SLCと略す)を■用いることにより,計装エン ジニアが従来の制御用機器を扱うときと同様な方法で容易に 制御系の記述,変更が可能な構成である。 臣I DSC-23形マイクロコンビュ⊥タ 「日立ユニトロール∑シリーズ+のディジタル制御部として 使用するDSC-23形マイクロコンピュータの概要を表1に示 す。本機は,中央処理装置,主記憶装置,デバイスカード及 び電源がコンパクトに一筐体内に実装されており,従来の盤 計器と同等の設置条件で運転することができる。 機能として,乗除算演算のファームウェアによる高速化, 強力なオペレーティングシステムによる速い応答,計装シス テム用に開発されたS LCによる容易な70ログラミングなど の特長をもち,また,命令体系が制御用計算機HIDIC80と 統一されているため,一貫した大規模計装制御システムの構 成も容易である。 田 「日立ユニトロール∑シリーズ+ 「日立ユニトロール∑シリーズ+は,従来のアナログ計器も 包含する新しい計測制御システムであるが,ニこではマイク ロコンピュータを中核とするディジタル制御について述べる。 3.1 制 御 性(1)Direct
DigitalControl(以下,DDCと略す)
従来から,アナログ計器で行なわれてきた制御方式のほか にアナログ演算の機能を超える,より高級な制御機能として, (a)音寅算パラメータの自動変更 (b)非線形制御,サンプル値制御 (c)任意伝達関数法 などの制御を行なうことができ,更に特殊な機能が要求され る場合には,新たな演算アルゴリズムをブロックとして追加 することにより,容易に機能の拡張が可能である。(2)DDCとシーケンス制御
特に,バッチプロセスの制御では,DDCとともにシーケ * 日立製作所那珂工場 39380 日立評論 VOL.59 No.5=97了-5) 磁気ディスク CRT T/W データハイウェイ CRT
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プロセス 図l分散形DDCシステム 複数台のDSC-23形マイクロコンピュータがデータハイウエイにより相互に データ交換を行なうことができる。 ンス制御を行なう必要がある。DSC-23形マイクロコンピュ ータは,同一一の機器でDDCとシーケンス制御とを同時に処 理できるので,危険分散の観点からプロセスを主体に制御系 を区分することができ,計装利子卸システムの]哩想的な分散化 を図ることができる。 3.2 運転操作方式 運転操作方式には,アナログオペレーション方式と,コン ソールオペレーショ ン方式が用意されている。(1)アナログオペレーション方式
従来の調節計の演算部をマイクロコンピュータに移したも ので,操作表示部はアナログ計器と同一である。そのため, アナログ計器とi昆在して使用する場合にも,アナログ計器と 同一の操作で対応でき,運転員に違和感を与えることがない。(2)コンソールオペレーション方式
操作表示部をオペレーターズコンソールに集約した方式で,CRT(Cathode Ray Tube)使用の高度な表示機能により,
より高度な運転管理を行なうことができる。 C T 0 0 爪ル T 2 0 nU P【1 缶 応 反
試
l⑳ --1-▲甲 DDC (温度) ---一一-:一 t -⊥ ■ ‖ム升盟閑
シーケンス (オン・オフ) ■一■■■-●■■■ ■ ● C〉-1調節弁 CRT 注:CRT プロセスディスプレイ T′′′w タイプライタ ST ステーション H旧IC80 制御用計算機 3.3 信頼性・保守性・安全性(1)危険分散
マイクロコンピュータは,1台当たり最大32ループとし, スタンドアロン構成であるため,相互干渉がなく, ̄ガーの障 害時にも故障の局所化が可能である。他`方,相互のデータ交 換などのために,データハイウエイが用意されており,階層 構成のト【タルコントロールシステムを容易に実現すること ができる。一例を図=こ示す。 (2)信頼性と安全性 厳重な品質管理,使用部品のデイ レーティ ング,S LCに よるバグの入りにくいソフトウェアなどにより高い信頼惟を, また,ループコントローラの概念を導入し,ループごとの入 出力,電源を絶縁し,更にCRT月]高圧バリヤを含む本質安 全方式により高い安全性を確保している。 (3)故障診断 マイクロコンピュータの機能を有効に活用することにより, 充実した故障診断を行なうことができる。 一 ■■■l l l 一 l l ▲▼▼ 川ほム升 …覗 V-213 電磁弁 ポンプ言完㌫
図2 計装フローシート 反応缶の計装フローシートと調節弁の弁関度特性を示す。 40 冷却水 100% 址当 岩匡 壮 弁操作信号 20mATIC・-001 (反応缶内温) 指示変化 TIC-002 (ジャケット温度) 指示変化 シーケンス 移行条件
寅吉妄運営妄
童
喜・
慧昌諾 昌三
E ∈ ト ト ̄ l 工手呈 待機 昇 温 反 応 熟 成 冷 却 待機 01 02 03 04 05 01 出力 出力仙 出力 二島孝ホ fこ ∃i 草 燃 01 DOOOl 〉-211 分党之≠%三ぢカ杉欠杉ク‡杉%クククク方 02 DOOO2 〉【212 ㍑壬之不 クク%クク%仰 クククククク批ク% 03 DOOO3 〉一213 ㌢;%杉 クタカ汝杉クク彬 欠りクククククククククク 卜 ヽ ̄ ヤ\ 04 DO384 Tm-111 05 DO385 Tm一 112 胡▲ h =ヽ 「ヽ :ゝ l 七、 八 06 lNOO2 X-112 07 lNOO3 X-113 08 lNOO4 ×-114 09 州005 X-115 注:*リンケージフラグ シーケンス制御とDDCとの接続信号 図3 タイムチャート 昇温スタート信号により,昇温から待機ステッ プまで自動う重転される。 (a)オフライン診断 テストプログラム,プロセス入出力装置(PI/0)テスタに より,動作の診断を行ない,診断結果はデータ タイプライタ(ASR),PI/0テスタに表ホされる。
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)ナ ・◎・-冷却水似口十+
-Ⅰ/0 モジュール 寸 l _--一-J顎
マイクロコンピュータの計装システムへの応用 381 (b) オンライ ン診断 ウオッチドブタイマ,パリティ,アドレス,タイムアウトなどのチェック,Read after Write,強制ON-OFFチ
ェックなどのソナ式により,常時監視を行ない,異常時には, オペレーターズコンソールに苧軍事艮表示するとともに,PI/0 など個別バッケ【ジについては表示灯により故障位置の表 ホを行なう。 【】
バッチプロセス制御への適用
「日、工ユニトロール∑シリーズ+の適用例として,バッチプ ロセスの制御で順調に稼動している制御システムの- 一部を引 用して説明する。 -・般にバッチプロセスに才iいては,アナログ制御,シmケ ンス制御及びこれらの結合が制御機能の中心となる。 本プロセスは,J京料と触楳を反応缶へ仕込んだ後,昇温・反 応・熟成・冷却の各ステップを経て生成物を抜き出し,1バ ッチを終了するバッチプロセスで,製品の種類によって反応 缶内温制御ル【プの設定値変更及び制御モMド切換えが必要 である。図2に計装フローシートを,図3にタイムチャⅥ卜 を示すしつ 4.1 D DC DDCc7)処理内容は,アナログ計器に対応するi寅算アルゴ リズムブロックの組イナせで定められる。音寅算アルゴリズムブ ロックは,比例積分微分(PID)演算,苧竿報設定などの機能ご とのプログラムモジュールであり,これは従来のアナログ計 器の形式名に相当するものである。 S LCには約30桂のアルゴリズムブロックが標準ソフトウ ェアとして絹意されており,従来のアナログ計器と同様の考 え方で制御ルーフ0を構成することができる。図4にS LC方 式で記述した反応缶内i温度をマスタとし,ジャケット温度を スレイブとするカスケード制御ループを示す。本ループでの TIC】001 ルーカ(ッケージ TIC-001 10 FUN27 l 05 上限警報l・INOOll FUN29l15しF。N。7
20スイ芸チ1
FUNOl AiOOl 入力処‡里 積 偏差演算 lINOO3l 25 lFUN251l定数発生
POOOl lINOO4 分分離 ● 40 FUNO8 PiD演算 35 ト スFUNO4l_
ノセッ バイア FUN21 -00 出力処理 0も リミッタ 10 25 2 lFUN25 l定数発生 分離 TIC¶002 ルーカ(ッケージ Tle 15 積分 FUNOl FUN30 A1002 入力処王里 リセットバイ ス 40 スイッチ2 ■ INOO2 20 POOO2 F〕NO7 FUNO8 偏差演算 l PID演算 30 l工NOO5 lFUN25 l35 定数発生 FUNO4 FUN30 l-出力処理 スイッチ2 図4 DDCループスケッチ DDC演算ブロックは,従来のアナログ計器と対応する。 41382 日立評論 VOL.59 No.5(1977-5) ____■;■E■丘I丹花■ 出 力
スチッ1滋2)
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N。.称?芸4)
待 機 昇 温 反 応 熟 成 冷 却 / 01 02 03 04 05 06 07 16 01 02 03 04 (担 06 l 101 0 702 103 l 104 105 01 DOOOl ∨-211 1 1 1 0 l 02 DOOO2 ∨-212 0 1 1 1 1 03 DOOO3 ∨-213 0 1 1 1 1 0 04 DO384 Tm-111 0 0 1 0 05 DO385 Tm-112 0 0 0 0 1 0 06 INOO2 X・112 ll L o 0 0 0 07 INOO3 ×-113 0 0 1 0 08 INOO4 X-114 1 1 0 0 1 09 INOO5 ×-115 0 0 ̄ 0  ̄す 1 15 16臣∃
図5 シーケンスマップ れる。 ■■ ぢ■ .∈已【. 移行 条件Ho.(#3) ステップ(貰2) 条件式 No. 条 件 式 現 次 01 01 02 001 D1001・D1002 02 02 03 002 INOOl 03 03 04 003 D1384 04 04 05 004 D1385+/D1001 05 02 01 005 /D旧01 06 03 05 006 /D1001 07 08 09 20 麒nlヨl巳ヨガ6■ ステップNロ_条件式No.(糾) 条 件 式 01 101 02 102 03 103 04 104 05 105 16 (頚5)シーケンス演算内部で用いる信号 シーケンスマップは,出力マップ,シーケンス移行条件及び修正条件で構成さ i且度制御モードは,シーケンスのステップに対応し次のよう に分類される。(1)昇温ステップ……カスケードのマスタを切r)離し,スレ
イブ単独の走値■芦別御 リンケージフラグINOO2がONのとき(昇i盈中)は,スイッチ モジュールによってカスケード開,すなわちスレイブ側の設 定値は完値に切り替えられる。(2)反応,熟成ステップ……PIDカスケード制御
i温度設定値はリンケージフラグINOO3(熟成時ON)のパター ンを条件とし,スイ ッチモジュールにより反応i温度設定値, 又は熟成i息ノ要設定値が選択される。(3)冷却ステップ‥‥・・PID制御を停止し,強制冷却
リンケージフラグINOO5がON(冷却中)のとき,固定値がHl 力される。 __L記の利子卸において,PID演算は外部リセット付PIDモジ ュールを使用し,ループが切り離されている間,及び昇温時 に積分動作で出力が飽和しないよう,また,スイッチを切r) 替えてコントロール出力を出す場合に,「H力値がバンプレス に切り替わるようにしてし-る。リンケージフラグは,シ【ケ ンス制御部とDDCとの間の交換情報であり,図3,4,5 におけるINOOlはDDCよりシ【ケンスに妻度す情報を意味し, INOO2∼INOO5はシーケンスよりDDCにj度す情報を意味する。 図4のループスケッチをS LCの文法に従って機械的にコー ディングしテープを作成すれば,S LCにより自動的に計装 ループを構成することができる。 4.2 シーケンス制御 シーケンス制御動作の記述には,マップ方式と称する空欄 記述方法を使用している。プロセスの特性と運転方式からタ イムチャート,インタロックシートなどを作成して,その内 谷を書式に従ってまずシーケンスマップに転記する。そのマ ップを参照して,SLCの文法に従いテープを作成すれば, SLCにより自動的にシ【ケンス制御70ログラムを作成する・ ことができる。 図5に図3のタイムチャートの内容を記述したシーケンス マップを示す。シーケンスマップは,シーケンスのステップ に対応した出力のパターン,次ステップに移行するために必 要な条件などを‥覧表に書き表わしたものである。本マップ 42 の内容によりン【ケンスの動作を説明する。 シーケンスのステップが02(昇i且)にあるとき,シーケンス 処王翼移行条件No.02及び05に対応するステップ移行条件判定 が行なわれる。すなわち,ステップ移行条件テーブルを参照 Lて移行条件No.02(現ステップ02より二大ステップ03への移行 条件を示す)に対応する条件式No.002の条件の判定(INOOlが ONか?‥‥‥・‥反応缶内温度が規定値に達したか?)が行なわ れる。条件成立のときはステップは03に移行し,不成立のと きはもう▲・つの移行条件,条件式No.005に対応する条件の成 立・不成▲\工判定が行なわれる。どちらの条件も不成立である ときは,ステ、ノブは02にとどまり,ステップ02に対応する出 力パタ【ンが汁1力される。出力No.のDOOOl∼DOOO3はシー ケンスバルブ操作出力であり,DO384,DO385はソフトウェ アタイマ起動信号,INOO2二INOO5はシーケンスよりDDCへ の交換情報である。修正条件式は,同一ステップ内において もプロセスの条件により操作出力を変更する必要のある場でナ に,JHプJパターンの修止,条件式の修正などを行なうための ものである。例えば,反応中に異常反応によりi且度が規定値 を超えたときに加熱を中止し,強制冷却する場合などに適用 される。 田 結 言 総合・言十装システム「日立ユニトロール∑シリーズ+におい て,マイクロコンピュータが高い機能をもつ集合計器として 使用されていることについて,プロセス制御の応用例ととも に紹介した。本計装システムは,プロセス制御の複雑化,高 級化する要求に柔軟に対応できるものと考える。 本稿が,計装システム検討にJ祭して多少なりとも役立てば 幸いである。 参考文献1)W.F.Guy:Preprogrammed Multi-Loop
Controllers,Inst-rumentation TecllnOlogy Vol.22 No.11(1975)
2)†ニi添ほか:仝電子式制御システム日立ユニトロール∑シリー ズ、H立評論,58,169(昭51-3)
3)佐藤ほか:新しいディジタル計測制御,日立評論,58,