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都市ガス供給管理システムの開発

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Academic year: 2021

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特集・制御用計算機とその応用

U・D・C・る81.323/.324:る58.5.011.5る:[るる2.7る4:る21.る4〕

都市ガス供給管理システムの開発

Development

of

Dispatch

ControISYStem

for

CitY

Gas

近年,都市ガスの製造・供給管理は供給規模の拡大に伴い,製造プラントの大形 化,配送庄の高圧化,天然ガスへの転換など複雑化の一途をたどっている。従来か らこの分野では汎用機中心の大規模なシステムが見られたが,今回日立製作所は, 制御用計算機によるシステムを,西部瓦斯株式会社及び東邦瓦斯株式会社の協力を得 て開発した。主要な機能としては,広域分散データの収集・監視,需要予測,製造・ 供給計画立案,各種事故シミュレーション,遠隔供給所のマンマシンコミュニケーシ ョンサポート及び遠隔整圧所の制御が挙げられる。データ処理の部分には既開発の連 続系向け問題向き言語を使用し,その上にこれらの機能を実現する標準ソフトウェ アアーキテクチャを構築しているので,拡張性に富んだシステムとなっている。 この論文では,都市ガス製造・供給管理のもつ自動化ニーズとこれらを満たす主 要機能について,既に納入し順調な運転を続けている二つのシステムを例にとり述 /ヾる。 l】

言 都 ̄J†Jか、スは,仲用効率が高く公害のないクリーンエネルギ ーとして脚光を浴びており,その供給規模は拡大の方向にあ る。製造プラントや各種供給設備を有効かつ円滑に運用し, 需要家への安定供給を確イ米するためには,計算機による自動 化が不可欠となってきている。 日立製作所では,このような二Ⅶズにこたえるため,西部 血斯株式会社及び東邦瓦斯株式会社の協力を得て制御用計算 機を用いた都市カナス製造供給管理システムを開発したので, 以下に報告する。 なお,この論文で触れる化学プラント用計算機の階層構成, 問題向き言語については,後述の参考 ̄文献を参照されたい。 呵

供給管理システムの位置づけ

都市ガス製造供給管理分野での供給管理システムの位置づ けを,図1により化学プラントでの典型的な計算機システム 構成であるMIS(ManagementInformation

System卜SCC

(Supervisory Computer

Control)-DDC(Direct

Di如tal

Control)との対比によr)述べる。供給管理システムは,機能

的にはSCCに相当する管理レベルと,DDCに相当する操作 レベルの一部の役割をもつが,大きく異なるのはプラントあ るいは工場単位の管理・操作ではなく,地理的な広がりのあ る一地域内に散在する製造・供給要素を対象にした管理・操 作を行なう点である。したがって,遠方監視制御装置との結 合があり,この部分は電力系統や上■F水道などを対象とした システムに類似している。 都市ガス分野でもMISが用いられているから,供給管理 システムは,上位のMISと下位の遠方監視制御装置との間 を埋める部分をサポートすることになり,上位とのデ【タベ ース的結合と下位とのセンサベース的結合の二面性を満足 しなければならない。更に,導入順序が遠方監視制御装置, MIS,供給管理システムとなることが多いので,上位・下 位との取合について柔軟性をもつことが肝要となる。これら

機能は,1台の計算機によって実現される場合もあるが,そ

長谷川邦夫*

寺本和義*

吉原郁夫**

三井善夫***

松尾嘉幸****

日比野和雄*****

仇5egαぴα此れよo TeγαmOJo g¢ヱ〟yOぶんJ yoぶんgんαrαJん〟0 〟言g5址∼ y()ざゐ`0 〟αfぶ〟O yOぶんfy比丘右 〃古ムi花0 方αg以0

れ自体垂直方向に機能分担させた複数台の計算機による階層

構成をとることもある。 田

主要業務内容と自動化ニーズ

都市か、ス製造供給管理の主要業務は,図2に示すような作 業から成り立っており,供給センタ【あるいは主力工場のコ ントロールセンターで行なわれる場合が多い。 操作レベルのものとしては,遠方監視装置のメータ読取り あるいは電話連絡によるデータの収集,供給操作方針に基づ MIS SCCシステム DDCシステム 計装設備 MIS 供給管王里 システム 遠方監視 制御装置 注:略語説明 MIS(Managemen=nformat10n System)

SSC(Supe…SOry Computer Control)

DDC(Direct Dig舶IConlroり 図I 供給管理システムの位置づけ 都市ガス供給管理システムの機 能的な位置づけを示す。上位の計画レベルシステム,下位の操作レベルシステ ムとの柔軟性のある結合のほかに,DDC的な機能を必要とする。 * 日立製作所人みか工場 ** 日立製作所システム開発研究所 *** 日立製作所機電事業本部 **** 日立製作所九州支店 ***** 日立製作所中部支店 15

(2)

556 日立評論 VO+.61No.8=979-8) 関連設備の 新設・点検 計 画 迂・ 内が,今回の自動化の範囲を不す。 長期間 _データの 集計・管理 需 要 量

帳票作成 オペレー ション記発 修理・点検 の予測

l

の 管 理 供給状況の 把握と近い 将来の予測 メータ読取 電話連絡 製造プラント のロード決定 供給設備の 遠隔操作・ 指 示 現場作業者 へ 指示連絡 図2 都市ガス製造・供給管理の主要業務 都市ガス供給状況の把 握と需要量の予測を中心とLて,遠隔操作にまでわたる都市ガス製造・供給管 王里の主要業務を示す。 く製造プラントのロード決定及び供給設備の遠隔操作あるい は操作指示などがある。-一一方,管理・運用レベルのものとし ては,収集データに基づく帳票作成,重要操作のオペレーシ ョン記録をはじめとして,過去の運転実績や収集データに基 づく需要予測・供給状況の把握などがある。需要予測・供給 +犬況把握は供給管理独自の業務であり,中心となる業務であ る。通常運用時はもとよ-),プラントの停止,導管の析才員な 供 給 状 況 監 視 どの事故や点検のため設備の停止などによる条件の変化に対 応した円滑な運用が要求される。対象が大規模・複雑になる に従い,以下に述べるような問題点が畏頁在化してくる。

(1)収集データの同時惟,帳票データの誤差

人手によるデータ収集は同時性の維持が難しく,帳票に記 載する各種積算の誤差の原因となる。

(2)運用コストの低i成

時間帯により大きく変動する需要を満たしつつ,製造・供 給設備の運用コストを低く抑えることが難しくなってくる。

(3)供給二状況の把握

時々刻々変化する供給二状況を的確に把握し,異常を検出す るために時間を要する。

(4)事故や点検時の影響摘出

事故や点検に伴う設備停止の影響を事前に摘出して対策を 立てるに当たり,設定条件を複雑にできない。

(5)長期間のデータ管理

設備計画や点検計画の立案に必要な長期間データの均質な 保存及び検索が難しい。 このような問題点を解決するため,計算機を導入した自動 化システムが必要とされている。 【】

開発システムの処理内容

前章で述べた自動化ニーズを制御用計算機HIDIC 80によ り実現するために開発した供給管理システムの処理内容につ いて,図3により説明する。

(1)分散データの収集

広範囲に分散しているデータを収集するために必要であり, 信号う煉との通信・取込データ・の処理を行なう。信号源との通 信は,対象となる通信設備の種類に応じて入換えが可能であ り,データ処理部分には連続系用問題向き言語DAS(Data Acquisition

System)を用いているので,ほとんどすべての

操作問い合せ 操 作 記 録 供 給 状 況 アラームメッセージ 「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄1 1モデルあるいはパラ

l■--;メ ̄タの修正●変更;

l(汎用機による〇)l +_._._______+ 司機による〇)「一  ̄r ̄ ̄r+ l I

】I--○桝

□鮒”

ピク ツス ロ イ フテ 成 作 票 帳 パ ー タ 過 去 実 績 値 実 績 値 保 存 日 報・ 月 報 遠 隔 制 御 内 容 決 定 一--1 1 需 要 予 測 ・モデル式による。 ・類似日検索による。 製 造 計 画 供 給 計 画 シミュレーション 計画・実績比較 オペレーションガイド 処 理 結 果 処 理 結 果

注‥⊂コ処理⊂コ印字くっ表示⊂⊃データ

図3 供給管理システム機能ブロック国 分散している入力データの収集から遠隔操作による制御に 至る供給管王里システムの機能体系を示す。 16

(3)

供給管理対象に適用が可能である。なお,DASについては

後述の参考文献1)を参照されたい。

(2)供給状況監視

各点の圧力,流量などを常時監視し,供給状況のCRT

(Cathode Ray Tube)表示,各種アラーム(圧力,流量など

アナログデ”タの上下限オーバ,バルブオン・オフなどディジ タルデータのパターンアラーム)のメッセージ印字を行なう。

(3)帳票作成・実績値保存

収集データから日報,月報などの帳票類を作成するほか,補 助記憶装置内に需要量実績,製造供給操作履歴を保存する。 補肋記憶装置内の保存実績値は,磁気テープなどのデータ保 有メディアとの間で授受を行ない,大容量データの保存・検 索が可能となるよ_うにしている。保存メディアは,磁気テm プのほか,カセットテープ,フロッピディスクを選ぶことが できる。

(4)需要予測

需要予測は,通常モデル式により時間単位まで求める。モ デル式は,オペレータmズコンソールからキーインされた気 象的条件,社会的条件に過去数日間の需要量実績値を加味し て,当日の需要量予測値を求めるものである。モデル式及び モデル式で使用するパラメータは,過去の実績値から汎用機 を用いた統計処理によって求められている。 モデル式による需要量予測のバックアップとして,過去実 績値をCRTに表示し,条件が類似している臼の実績を当日 の予測値とする類似日検索の機能も備えている。 都市ガス供給管理システムの開発 557

(5)製造計画・供給計匝i

l時間単位で求められた需要量予測値に対する供給を,円 滑に行なうためのプラント運転計画,ホルダ運転計画などを 立案する。立案に当たっては,プラントロード変更▲最小・特 定時刻ホルダ貯留量一定範囲内,圧送機運転時間最小などの 制約条件を付ける。結果は,需要量予測値と合わせてオペレ ーションガイドとしてタイプライタに印字される。また,計 画値と実績値の問の偏差を監視し,一一定幅を超えた場合にア ラーム表示を行なう機能を設けることもある。

(6)シミュレーション

事故や点検に伴うプラント,ホルダの停止及び導管閉鎖の 影響を事前に知るために設けられた機能である。オペレータ ーズコンソールから条件を設定し,結果をCRTあるいはタイ プライタに出力する。この処理は,実際のオペレーションガイ ドを作成する製造計画,供給計画とは絶縁した形で行なわれ るので,実際とは大きく異なる条件を設定することも可能であ る。プラントホルダの停止の影響は,予測需要量と設定製造 量の受払い計算によって求めたホルダ貯留量として得られ, 導管閉鎖の影響は,「ハーデイ・クロス法+による管路綱計算 によって求めた主要点の圧力,ラ充量として得られる。

(7)遠隔制御

供給二状況監視の結果から,整圧所に対する遠隔制御を行な うものである。誤動作を防_lLするため操作内容が決定した段階 でCRTを通じてオペレータに操作量の確認を求め,オペレ ∬タか操作量を変更することを可能としている。操作記録は, HIDIC80中央処理装置 コンソール入出力タイプライタ 紙テープリーグ 磁気ディスク カセットテープ タ イ プ ラ イ タ カラーディスプレイ装置 キ ー ボ ー ド 通信制御 装 置 モデム 通信制御 装 置 プロセス入出力装置 モデム タ イ プラ イ タ 「 ̄ ̄ ̄ ̄■■■■■■■ ̄■■■■ ̄■■  ̄ l 遠 方 監 視 装 置  ̄ ̄■■- ̄ ̄「

L一手-一事…丁∴∴一一f-+

ガバナステーション 日本電信電話公社回線 モデム オペレーターズコンソール 通信制 御 装 置 HIDIC O8中央処理装置 タ イ プ ラ イ タ プロセス入出力装置

「 ̄ ̄「㌻盲

l 監 視  ̄ ̄ ̄■ ̄ ̄-「 装 置 l

L ̄ ̄丁●丁 ̄∵∴ ̄ ̄千…+

ガバナステーション 日本電信電話公社回線 モデム 通信制御 装置 HIDIC O8中央処理装置 タ イ プラ イ タ 70ロセス入出力装置 オペレーターズコンソール

「 ̄ ̄毒 ̄言 ̄盲甫す壷

L--f--f∵∵-ガバナステーション  ̄`■ ̄ ̄1

†--+

図4 分散型システムのハードウェア構成例 供給所ごとにインテリジェント機能をもたせることに より,機能の分散を図るとともに供給所での機能の充実を図ったシステム構成例を示す。 17

(4)

558 日立評論 VOL.61No.8(197g-8) すべてタイプライタに記録される。

(8)遠隔マンマシンコミュニケーション

遠隔の供給所などの現場に,オペレーションガイドを印字 したり,供給状況を表示するための機能であり,中央で得ら れるものと同一のオンライン情報を得ることができる。 8

適用例と成果

HIDIC80による供給管理システムの適用例を図4,5に 示す。 図4に示した例は,遠隔供給所のデータ収集,マンマシン コミュニケーションのサポートを含む形で実現されたもので, 中央のシステムとは通信アダプタを介して日本電信電話公社 回線によって結ばれている。末端システム側では,タイ70ラ イタ及びオペレーターズコンソールにより,中央と同様な帳 票,オペレーションガイドの印字及びデータの表示を得るこ とができる。通信装置及び入出力装置の管理用として,マイ クロコンピュータHIDIC O8が使用されている。 図5に示した例は,遠隔データの収集,遠隔設備の制御を 遠方監視制御装置によ-)中央で集中して行なう形で実現され たもので,フロロセス入出力装置やデータ交換入出力装置によ って遠方監視制御との結合が行なわれている。図6に,オペ レータズコンソールを示す。 図7は,供給管理システムの主要機能である需要予測の運 用実績を表わしている。対象としているのは,日単位の需要 量であり,予測値の実績値に対する誤差を百分率で表示して ある。なお,予測値決定の重大な要素である平均気温の予測 値と実績値の誤差の統計的性質も合わせて示してある。同図 中の例1,例2は,いずれも当初予想した以上の精度を実現 している。 HIDIC 80 中央処王里装置 コンソール入出力タイプライタ 紙テ…ブリーダ 磁気ディスク 磁気テープ タイプライタ タイプライタ カラーディス プレイ装置 キーボード 「一一一+ プロ セス 入出力装置 TM・′TC(遠 方 監 視 制 御 装 置)

データ交換 入出力装置

「llll

Ⅷl

■ 一

Ⅶn

-Tl1-・

-「-■+ 製造工場,ホルダステーション及びガバナステーション 図5 集中型システムのハードウェア構成例 既に遠方監視制御装 置による中央監視方式が確立Lている場合には,データの]受受を一括Lて行な うことができ,集中型システムを構成したほうが効果的である。 1S 図6 オペレーターズコンソール例 カラーディスプレイ装置を組み 込んで,カラフルな図形,文字によりオペレータとのコミュニケーションツー ルとLてし、る。 予測需要量書芸蓑=(予即直一笑績植)実方針直1100(%) 輝度(日)-十◆頻度(日) 予刊気温誤差=実売昌平均気温予想平均気温 20 】0 0 10 20 30 40 50 60 l l J l l 例2: 期間:昭5`I】14--423 _15

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J r l 区17 需要予測モテリレの運用実績 需要量予測の誤差を二つの例につ いてヒストグラムで示す。なお,需要量予測と気温予測の誤差の平均,標準偏 差を合わせて示す。 l司 結 言 制御用計算機を用いた都市ガス製造供給管】聖システムにつ いて,ソフトウェア構成及び適用成果を中心に述べた。 今後,需要予測の高精度化及びパラメータの自動修正,ハ ードウェア構成の多様化による適用範囲の拡大などに取り組 んでゆきたい。 最後に,この都市ガス製造供給管理システムの開発,適用 に当たり,多数の貴重な御意見と御指導をいただいた西部瓦 斯株式会社及び東邦瓦斯株式会社,並びに適切なアドバイス をいただいた東京ガスエンジニアリング株式会社の関係各位 に対し深く感謝する次第である。 参考文献 1)長谷川,四元,三井:化学プラントにおける計算機制御シス 2) 3) 4) テムi日立評論,58,451∼456(昭51-6) 温井,ほか5名:都市ガス工場計算機制御システム,日立評 論,60,493∼498(昭53-7) 東京瓦斯株式会社:都市ガス生産供給のトータルコントロー ルシステム,日科技連,ENGINEERS,1975/11月号 東邦瓦斯株式会社供給部:供給自動管理システムについて, 中部電気協会,ひかりとねつ,1978/12月号

参照

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