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企業の社会活動プログラムをめぐる社会的業績の測定 : 事例研究(1)(会計学) 利用統計を見る

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企業の社会活動プログラムをめぐる社会的業績の測

定 : 事例研究(1)(会計学)

著者

滝野 隆永

著者別名

Takino Takanaga

雑誌名

経営論集

5

ページ

215-236

発行年

1976-12-05

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005897/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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企業 の社会活動プロ グラムをめ ぐる

社会的業 績の測定

事 例 研 究(1) 滝 野 隆 永 序 §I 空気汚染 の低減 策 をめぐる社会的業 績の測定 レ 社 会 コス ト に関 する2 種 の概念2 に1974 年答 申の説 明:空気 汚染 に関 する社会 コスト測定上 の問題点3.1973 年答 申の ケース・スタデ ィ4. 要約と若干 の批判 §2. 貧民 労働者 に対 する教育訓練 による地位向上策 をめぐる社会的業 績 の測定 し1. 教育 ・訓練計画 の効果測 定に関 する現行会計制度 の問題点2. 教育 ・訓 練プ ログラムの対内的並びに対 外的効果 の測定3. 要約 と若 干の批 判 §3. 人的資源会 計の社会 会計目的へ の利用1. 人的資源会計 の伝 統的会計 との重 要な相違点2. 人的資源 会計の人 的投資価値 の測定に関 する問題 点3. 人 間資源 会計の社会会計 目的 への利用に関する問 題点4. 要約 と若 干の結論 序 我 々は既に, 「社 会的 活動 のプ ロ グ ラ ムを めぐる社 会的 業 績の測 定 」 とい うテ ーマの下にA.A.A. 社会 コスト委 員 会の1973 年お よび工974年 の答申 を 中 心 としT , 企業 の自主的 な意 思 の下に 行 な われる正規 の社 会的 活 動 に関 す るプロ グラムの 立 案な ら びに実 績 の評 価 と社 会監 査に おい て対 象 と さ れる べ き一 般的 な企業活 動 にお計 る社 会的 業 績 を測定 するた めに, 社 会的 コスト と 便益 に関す る新 しい 測定 概 念 が必要 で あ り, そ の具体的 な 適用 例 と して, 米 国 企業の実態 調査に 基づ き, 主 として 前者 す な わち, 自 主的 な社 会的 プ1==・グ

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216 ラ ムに関 連 した内部的 な情報 シ ステ ムの実 態 にっ い て分 析 し検討 を加 えた。 こ の給果, 米 国企 業 の社会的 業 績の測定 に関 す る ケ ース・ スタデ ィによる と, その大 部 分 は自 主的 な社会 プ ロ グラ ムの編成 とそ の実行管 理 とに関 連す る直 接的 な コ ストと直接的 な便益 の測定 に専 ら力 を注 乱 間接 的 な イ ンプ ッ ト なら びに ア ウトプ ットの測定 にっい て はJ 今一 つ進 んだ研 究 が行 な われて い ない 。 の みなら ず直接的 な社 会的 業績 の測定 にっい て も, インプ ットの測 定 に 関 して は, 企業 会計, 管理 会 計, 更 に一 般的 な経営管 理 との関連 注の下 に 可 成 り研 究 が進 んでい るか, ア ウト プ ットの社 会的 効果 に 関 する研究 は, あ ま り進 んでい ない こ とが判 った。 そこ で, 本稿 に おい て は, 社 会監 査 におい て対 象 とさる べ き一般 的 な企業 活 動 を対 象 とする社 会的 業 績 の測定 に関 す る研究 は次 の 機会 に ゆずる事 にし, 主 とし て, 自主的 な社会 活動 プ1==・グラ ムに=関 連 す るプ ロ ジェ クト別 の 計画立 案 とそ の実 績 の評価 に関 する イ ンプ ットと ア ウトプ ットの測定 に っ い て,A.A.A. 答申 の示 す ケー不・ス タデ ィを中 心に, その間 接的 な コス ト及 び便 益 の測定 も含 めて, 具 体的 に研究 を進 めたい と考 え る。A.A.A. は1973 年 と1974 年 の社会 コスト委員 会 お よ び1975 年 の社 会業 績 会 計 委員 会 の各 答申 におい て次 のプ ロ ジ ェ クト別 の具 体 例に より, 社会的業 績 の イ ンプ ット並 びに ア ウトプ ット の測定 ならびに 評 価に 関 する ケ ース・ヌ クテ イを展 開 してい る。 し1973 年 答申Appendix 事 例No.1 (空気汚染 の低減策) 事 例No.2 (貧民労働者に対 する教育訓練による地位向上策)1974 年 答申partIV 社 会的 業 績 測定 に関 す る問題 の抜奉 事 例No.1 (空気汚染の低減策) 事 例犬No.2 (雇傭機会の均等化 をめざす積極的な社会活動プFtグラム) 事 例No.3 (工場閉鎖の社会的効果)\ 十 十 事 例No.4 (人的資源会計の社会目的への利用)1975 年 答申partIV 企業 の慈 善事 業 への貢 献 を示 す ケース・ スタ ディ 本 稿 では以 上 の事 例研究 中, 次 の三 種の プ ロジ ェ クト別 の社会活 動 計画を め ぐ る社会的 業 績 の測定 に関 する問題 を とり あげ る こ とに す る。

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§1 §2 §3 企業の社会活動プログラムをめぐる社会的業績の測定217 空 気 汚 染 の 低 減 策(73 年No.1,74 年No.1 ) 貧 民 労 働 者 に 対 す る 教 育 訓 練 に よ る 地 位 向 上 策 (73 年事例No.2 ) 人 的 資 源 会 計 の 社 会 会 計 目的 へ の利 用 (74 年No.4 ) §I 空気汚染の低減策をめぐる社会的業績の測定1)1. 社会 コストに 関 する2 種の概 念1974 年答 申 は, 具体的 な社 会的 業 績 の測定 に関 す る事 例研 究 に先立 って, 社 会的業 績 会計 で とり あげる べ き社 会 コスト の概 念 とし て, 次 の2 種 類 が存 在 するこ とを指摘 してい る。 ニ(a) 例 えば労 働者 の雇 傭よ 自主的 な社会活 動 プロ グラ ム, や 他の利 害集団 ,( 事業,個人,一般大衆) に対 して も派生的 な便益 を付与 す る あ る種 の汚染抑 制 プ ロ グラ ムの場 合 の如 く, そ の会 社 におい て支 出又 は発 生 し た もので あるが, 他の利害集 団に 対 する 便益 を付与 す 名た めに行 な われ た 企業 活動 の コス ト(b) 例えば そ の事業 の提 供す る財 貨・ サ ービスの生 産 と消費 に関 連 して発 生 する環 境破壊 と健康 侵害, その企業 に よる 公共 道 路又 は公共 財産 の使用 の 場 合 の如く, 社 会的 に 影 響 を受 けつっ ある利 害集団以 外 の企業 体 が社会 的損 失 の削減又 は予 防 のた めに 行 な う社 会的 活 動に おい て支 出 ない し発生 し たコ ス ト 以上2 種 の社 会的 コストの う ち, 前者(a)は, 社会的 な コスト であ るとい う よ り 払 代替的 な尺 度 として用い ら れるが故 に社 会会 計が対 象 と す べ きコスト で あり, 後者(b)はある 事業 が社 会的 活動 を行 な った結果 生 ずる対 外的 な経 済価 値 の消 費 を意味し てお り, 経 済学 上 の概 念 と一 致 する社 会 コス ト概 念 であ る と答申 は説 明してい る が, 要 するに社 会経 済的 立場 から みると(a)の社 会 コスト は積 極的 に社 会的 便益 を付 与 す るこ とを 目的 とす る社会活 動 に 関 連 して費 消 され る コストで あっ て, か かる社 会 コス ト並 びに 便益 の測 定 は主 とじて企業 の内 部管理的 立場 から 要請 され るのに対 し,(b) の社会 コスト は, 企業 が環 境に対 し て現に影 響 を及 ぼ し てい る か又 は 将来及 ぼすお そ れの ある社 会的 損失 の削 減又 は予防 を 目的 とす る社会活 動 に関 連 して費消 さ れる コス トで あっ て, か か る社会 コスト並 びに 便益 の測定 は主 と して社会 監査 の 立場 から要 請 される

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218 ・・ ・。 性質 を有 する もの と解 され, 狭 義 の社 会経済的 な意味 に おけ る社 会 コスト は 後者 だけ に限 定 される とお もわれ る が, 企業 も含 めた広義 の社 会経 済的立 場 か ら, その社 会的 業績 を測定 し よう とする際 に は,(b) の みな らず(a)の 社会 コ ス ト を もそ の対象 とすべ きこ とはい うまで も ない 。2.1974 年 答 申の 説明 :空 気 汚 染に 関 する社 会的 コスノト測定 上 の問 題点1974 年 の答申 に よる と, 社 会 コス ト を最 も科 学的に 測定 す る た めに は, 対 象 となる モデル と 明確 な相関 性 を もってい る測 定尺 度 を用 い る必 要 か おる。 例 えば, ある種 の呼 吸器 病 と空気 汚染 の濃 度 との相関 々 係を測定 する ために は, しば しば多 重回 帰分析 及 び重 相関 分析 の モ デルを利 用 す るこ とが多い 。 し かし ながら 無数 の変化 す る条 件 の下に, その 相関 関 係 を正 確 かつ 網羅的 に 測 定 す るこ とは極 めて困 難 で あり, 又, コスト もかか る との べ, 空 気汚染 め 低 減策に 関 する社 会的 コスト の測定 をめ ぐる問題 と して次 の7 点 を指摘 してV ヽる。 ① 空 気 の自然的 並 びに人 為的 汚染 は数多 く又,多 岐 に亘 って 居る の みな ら ず, 汚 染要 因 たる 化学 物 質 の 複合 物 が どの よ う犬な性 質 を もってい るかは未 だに十分 に理 解 されてい ない の みな らず, 極 めて複雑 な形で そ れぞ れから み あ ってい る 。 ③ たとえ それ ぞれ の空 気 汚染 に関 す る多数 の マイ ナス 効果 を列挙 す るこ とは 出来 る とし て も, 例 えば予 期し ない 病気 の発生 の 如 く, 有 機的 並 びに 無 機的 な面 におい て数 え きれない 別 の波及的 効果 が生 ず ること を否定 す ること が出来 ない 。 ③ 空気 汚 染 の効果 は多 種多 様 な時 間 間隔 を経 て発 生す る。 例 えば, 眼や 呼吸 器に対 す る刺 激の如 く, 即時 発生 す る場合 もあ れば, ジェ ット 機 の流出 物 から生 ず る空 気汚 染 と日光 の 分解 が極地 の氷河 を溶 かした り, 地上 の気候 に及 ぼ す影響 の如 く長 斯的 な時 間間 隔 の ズレ の生 じ た後に 発生 す るの では な い かと推定 され る場 合 もある。 ④ 空気 汚 染濃 度の 影響 は温 度 ・ 標高 ・風 向 き・降 雨量 ・湿度 ・建物 の 構 造 ・住民 の特 徴 ・草本等, 無数 の要 因, 無 数 の環境 条 件 ならびに 両者 の無数 の相 互作用 に より影響 を うけ る。 ⑤ 空気 汚染 の濃 度並 び に諸 要因 は, こ れ を一時 点 に おい て, 捕 えよ うと

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企業の社会活動プログラムをめぐる社会的業績の測定m し て も, 時 間 的 並 び に 空 間 的 に 広 い 範 囲 に 亘 っ て常 に 変 化 し て ゆ く 状 態 に あ る の で 捕 え よ う が な い 。 ⑥ 空 気 汚 染 濃 度 の 研 究 に 必 要 な資 料 は パ ラ パ ラ で か っ 不 正 確 で あ り, そ の 所 在 をつ き と め る こ と が難 し く, 又 首 尾 一 貫 し てい な い 。 ⑦ 近 年 長 足 の進 歩 を 遂 げ た 統 計的 な モ デル や コ ンピ ュ ー タ の 能 力 を 駆 使 し て も, 現 実 の 間 題 が 余 り に 複 雑 す ぎる た めに 役 に 立 た な いI。 上 述 の如 く種 々困 難 な 問 題 か お る が, 空 気 汚 染 の人 体 へ の 影 響 度 を分 析 す る 手 法 と して , 多 重 回 帰 分 析 モ デ ル を 使 用 す る人 々 が 多 い と答 申 は 指 摘 し た 後 , か か る 多 重 回 帰 分 析 モ デ ル の 適 用 に 際 し て, 次 の7 項 目 の 制 約 条 件 を 頭 に 入 れる 必 要 が あ る と 注 意 し て い る 。 ① 基 準 と な る 従 属 変 数 (3^ ) の 選 択 は 真 の利 害 関 係 者 に 及 ぼ す 影 響 度 を 示 す重 要 な代 用 品 と して の 役 割 を果 す 。 例 え ば, 空 気 汚 染 の ぜ ん 息 そ の 他 の 疾 病 や色 々 な 弊 害 を ひ き起 す 影 響 度 を 示 す代 替 的 な基 準 変 数 と し て は 生 産 高 の 損 失。 汚 染 処 理 コ ス ト, 稼 得 高 の 損 失 等 が 用 い ら れ て い る 。 こ の場 合 , も し測 定 し易 い とい う理 由 だ げ に よ っ で 測 定 基 準 を 選 択 す る と 重 大 な 誤 謬 を 犯 す お そ れ か お る 。 例 え ば, 病 気 の 弊 害 を 測 定 す る 基 準 と して 病 気 に よ って 失 わ れ た 所 得 の 減 少 額 を 採 用 し た 場 合 , 病 気 に よ っ て 受 け た家 族 の 精 神的 な 苦 悩 等 の 心 理 的 な 要 因 が 無 視 さ れ る とい う 結果 を 招 く 。 ⑨ 独 立 変 数Xi, … …,Xm の 選 択 は問 題 に な っ て い る 基 準 と な る 従 属 変 数 に 影 響 を及 ぼ す 主 要 な変 数 を す べ て 網 羅 してい る こ と が 前 提 と さ れ て い る 。 空 気 汚 染 に 関 す る 独 立 変 数 と して は, 一 般 に 汚 染 要 素 た る 各 種 の 硫 黄 化 合 物 , 温 度け 湿 度 , 風 向 き と そ の 速 度 , 人 口の 密度 と居 住 様 式 の 特 徴 , 生 活 慣 習, 所 得 水 準 , 医 療 の 経 緯 等 が 用 い ら れ てい る 。 ③ 明 細 を示 す モ デ ル と し て は 次 に 示 す 線 型 的 な多 重 回 帰 方 程 式 が 適 す る 。y =f(xi, … …, χm )―召o十BxXi 十… … 十TOχ-\r

こ の方 程 式 は 変 数 効 果 が ふ え る こ と を前 提 に し てい る か に変 数 の 二 次 的 な 組 み合 わ せ に よ る 相 互 作 用 的 な 効 果 は 無 視 さ れて い る 。 非 線型 モ デ ル の 方 が 更 に 優 れ た 資 料 を提 供 して く れ る 可 能 性 が あ る が, こ の モ デ ル の パ ラ メ ー タ ーの 見 積 り は 非 常 に 誤 謬 を 犯 す 可 能 性 が 大 きい の で, 繰 返 して 使 用 す る サ ン プ リ ン グ 調 査 に 用 い る 場 合 に は 余 り に 不 安 定 に 過 ぎ る

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220 きらい がある。 ④ モデルのパラノ ーターを見積 る方法 としてはよく用いられる最小ご自乗 法 が手頃である。この方式は見積る重合 モデルのパラメーターよりもむしろ 自乗される際に基準となる独立変数の見積り誤謬 の極小化をはかった方が妥 当 であるとい う考え方を暗に前提におく考えである。 ⑥ 仮説を立てるとい う目的のために は,一連の変数をテストしてみるこ と,す なわち,残差の予測量誤差にっい て色 々仮定してみること( 例えば,正 規性,等分数,重相関性など)が必要であるが, かかる誤謬の仮定, 特に時系 列資料における自動的な相関性に関する誤謬を仮定す ることは非常に厄介な 場合 が多い。 犬 ⑥ 各 々の空気汚染濃度に関する色 々な影響度を比較検討する際に作意を 要するのは, 各独立変数が直交性をもってい ることを必要 とするという点 で ある。 もし非直交比の場合には非常に厄 介な問 題をひ き起す。しかし残念な がら,空気汚染に関する回帰分析 の調査におい ては殆 んどの場合,直交性を もたない 場合が多い。 ⑦ 基準となる従属変数並びに全独立変数に関するサンプル資料は有用で あり, かつ,合理的ない し是認出来る程度の正確性をもって測定されること が前提とされる。 答申 はこの多重回帰モデルの性格にっい て更に敷術して次の如く説明を加 えてい る。 もし変数をサ ンプル観察の ヴェクトルとい う形で画き出すことが 出来ると仮定 すると, かかる一連の独立変数 のヴェクトルは一 つのヴェクト ルがその組に属する別のヴェクトルと線型的 な結合関 係を示す場合には常に 多重共 線性をもってい るとい うことが出来 る。 ところ で,二つ以上の独立変 数 が完全に又は可成り多重共線性に近い状態にある時には非直交性となる。 もし多重回帰分析におい て非直交 比を有 する時にはBJ とい う部分的な重 合係数をもっBJ サンプルの見積 り値が明らかに不正確であるという証拠を 示していることになり, かっ,若しくは,測定誤差の生ずる確率が極めて高 く。 サンプ リング調査の ために繰返 して使用するには 極めて不安定であると 考えられる。この結果, 個々の独立変数の相対的な重要性の比較は困難又は 不可能となる。例えば, ガス状の炭化水素 と窒素化合物とは空気汚染資料中

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企業の社会活動プg グラムをめぐる社会的業績の測定221 高 度 の 相 関 性 を 有 し てい る の で, そ れ ぞ れ の 影 響 度 を 別 々に 切 り離 し て 測定 す る こ と は 極 め て 厄 介 な 仕 事 と な る。 か か る 非 直 交 性 の シス テ ムに おい て は, 回 帰 係 数 の 見 積 値 の 設 定 は実 際 上 全 く 恣 意 的 に な る 可 能 性 が 多 い 。 従 っ て, か か る 係 数 は 個 々 の変 数 の 相 対 的 な 効果 を比 較 す る 際 に は役 に 立 だ ない 。 次 に, こ れ と関 連 す る もう 一 つ の 厄 介 な 問 題 と し て 多 重 共 線 性 を 有 す る変 数 に関 し て 予 測 能 力 を 超 え た不 当 な 外 挿 法 を 適 用 し た 結 果 生 ず る お そ れ の あ る リス クに っ い て 答 申 は 次 の 如 く 例 示 して 説 明 して い る 。 例 えば , 自 動 車 と ト ラ ッ クの エ ン ジ ンか ら 流 出 す る 炭 化 水 素 の 汚 染 を コ ン ト=3i―ル す る と 同 時 に 都 市 に お け る ガ ス 状 の炭 化 水素 の 濃 度 が 窒 素 化 合 物 と 高い 相 関 性 を有 して い る とい う 資 料 に 基 づ き, 高 水準 の 窒 素 化 合 物 も大 幅 に へ ら す こ と を 目的 と す る 処 置 に 関 し て, そ の 人 体 の 健康 に 及 ぼ す 影 響 力 を予 測 する た め に 重 合 回 帰 モ デ ル を 適 用 す る の は, 前 述 め 如 く, ガ ス 状 の 炭 化 水 素 と窒 素 化 合 物 に 及 ぼ す 効果 と を 別 々 に 測 定 す る こ と が で き ない 非 直 交1生を 示 す 資料 に 基 づい て 不 当 な 外 挿 法 を 適 用 す る こ とに な る 故, 合 理 的 で ない 。 結 論 と し て 答 申 は, こ の 外, 前 に 述 べ た種 々 の問 題 点 を併 せ 考 え る と, し空 気 汚 染 の人 体 並 び に そ の 環 境 に 及 ぼ す 各 効 果 を 別 々 に 測 定 す る こ と は 殆 ん ど 困 難 の よ う に 思 わ れ る の で, 結 局, 長 期 に 亘 る変 化 を 条 件 に 入 れ た 上 で, 空 気 汚 染 の要 因 た る 化 合 物 と そ の 濃 度 を 種 々変 え て み る方 法 に よ り, コ ント ロI ル す る実 験 を試 み る 以 外 に 方 法 は ない 。 し か し な が ら , か か る実 験 は コ ス ト も か か り, 又 , 実 験 に 従事 す る 人 々 か ら 反 対 も う け やす い 。 従 っ て , 近 い 将 来 に おい て 空 気 汚 染 に 関 す る 社 会 的 コス ト を 測 定 し よう と す る試 み は 結 局 徒 労 に 帰 す る の で は ない か と, そ の 見 通 しに っ い て 悲 観 的 な 見 解 を 述 べ て い る。 3 。1973 年 答 申 の ケ ー ス ・ ス タ デ ィ 工 場 の空気 汚染 流 出高 を1975 年 末 までに40%切 り下げる計画をめぐる社会的 コストの測定-1973 年答申に示 されてい る具体的 な問題の提起から,代 替案の提案,およ びその選択に至るプロセスにっい て要約して説明しよう。A 問題の提起 ① この会社は法律上,1975年末までに, ある工場 の廃棄物に よる空気汚 染 水準を40%引き下げるごとを要請されてい る。 ② 若 し会社がこの汚染水準の引き下げを1975年末 までに達成することが

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222 出来 なかっ た場合, 次 の2 年 間(76年と77年)につい て, 各年 毎に 辱500,000 の罰 金 が課 され,1977 年 末 までに実 行 しな かっ た時に は政 府から工 場 閉鎖命 令 が下 さ れる こ とに なってい る。 ③ 工 場 設 備の1975 年 末以 降 の耐用年 数 は10 年 間 と予 想され, そ の10年 間 の 予 想利益 は1975 年末 の現在 価 値に 割引 く と合 計で56 百 万 ドル とな る。 ④ 工 場 を売却 処分に付 し た場 合 の見 積 り処 分 価値 は,1975 年 末時点に お い て は35 百万 ドル,1977 年末 時点 に おい て は30 百 万 ド ル であ り,1976 ∼1977 の2 年 間 の見 積 り利益 は16百 万 ドル で ある。 ⑥ 工 場 ガスの流 出に よる社 会的 コスト は, そ の周 辺 の社会 にお ける健康 維 持 と医療 の ための コスト並 びに, 空 気 浄 化 の た めに 必 要 な コスト が考えら れる6 これら 汚染に よる社会的 コスト は汚 染 度10 %に 対 して年 間2 万 ドル で あ り,1975 年 末 から1985 年 末 まで の10 年間 の こ の コス ト を1975 年末 の現在 価 値 で 割引 く と14 百万 ド ルに なる。B 課 題に 対 応する ため の代 替 案 < ①1975 年 末に おけ る工 場 閉 鎖 ト-)1985 年 末 までの10 年間 の利 益(現在価値)56 百 万 ドル (十う1975 年 末 の工場 売 却収 入35 百 万 ド ル 差 引合 計 日21 百万 ドル ②2 年 間 操業 を続 け,1977 年 末に 閉 鎖 ニ ト ) 年 間50 万 ドル の罰 金 の2 年 分1 百万 ドル 出2 年間 の操 業に よって得 ら れ る利益(現在価値)16 百万 ドル (十・)1977 年末 の工 場 売却 収入30 百万 ドル ニ 差 引合 計 (十■)45百 万 ドル ③1975 年 末 までに流 出高を40 %削 減 する ための汚 染物 廃棄装 置の購入H 汚 染物 廃棄 装置 の購入代15 百 万 ドル (十')1985 年 末 までの10 年間 の利益(現在価値)56 百万 ドル 差 引合 計 倒41 百万.ド ル ④ 石 炭燃 料 から 天然 ガスの 使用 へ生産 方式 の転 換(汚染度85%削減) 日 生 産方式 の転換 に要 する設 備 費5 百万 ドル

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H 剛 企 業 の 社 会 活 動 プ ロ グ ラ ムを め ぐ る 社 会 的 業 績 の 測 定223 原料 転 換に よ る燃料代 の増 加(10年間)1985 年 迄 の10 年間 の利益( 現在価値) 35百万 ドル56 百万 ドル 差引合計 ㈹16 百万 ドル C 各対応策の社会的効果 以上は会社自体の立場から みた空気汚染問題に対する損益を示すものであ るが,会社対 応策の社会的効果をも考えあわせる と, ③および④の対応策は それぞれ次に示す社会的効果 を生ずるとい うことが判る。 ③の対応策……空気汚染度り40 %削減による社会的 コストの節約効果 14 百 万 ド ル × ●& 4 ● 1 ●●●丿 4 … …‥・剛56 百 万 ドル ④の対応策……空気汚染度の85%削減による社会的 コストの節約効果 14百万ドル×D 代替案の選択と結論 ?§11 ・‥j・…… …二… 雨1,190 百方 トづレ 以 上の よう な分析 結果 が出 た場 合, 会社 は恐ら く, 会社 自体 として, 最 も 利 益 効果 の 高い ② 案, もしく は, 利益 効果 と しては 大差 が な く, 社 会に対 し て も多少 貢献 出 来 る とい う理 由 から ③案 を選択 する 可能性 が大 きい 。 しかしな がら ④案 は 会社 自体に与 え る利益 効果 は少 ない が, 社 会 に対 して 莫 大 な便益 を与 える こ と を考え 併せる と, 会社 として は, この資 料 を もって , 政 府 と交渉 し, ④案 の選 択に 関連 して, 政 府 から財政 並 び に その 他 の面 で の 支援 を得る よ うに 働 きか ける のが最 も得 策であ り, か くし て, 空 気 汚染 等 の 環 境改善 の問 題 は一 企業 内 で独 自に解 決出来 る問 題 では な く社 会全 体 の立場 から 正しい 評 価 と正 しい 処 置 をとる ことが 出来る よう な体 制 を確 立 す るこ と が先 決問題 で あ る と力 説 してい る点 に注 目したい 。4. 要約 と若 干 の批 判1974 年の 答申 は, 空 気 汚染 の人 体 に及ぼ す影 響( マイナスの社会的アウトプ ット)を測 定 しよう と する際 に一 般に 多 重回 帰分析 モデル が 利用 されてい る が, 汚染 要因 の 複 雑 ながら み合い, 汚 染影 響度に関 する波 及的 効果 や時間 の ズ レの存在 並 び に環 境条 件 との相 互 作用 等 の存在 を考 える と, かか る分析 モ デル の適用 に は種 々の困 難 が予想 さ れる と共に, デ ータ を見 積 る際, 各 種の 仮 説 を立てる必 要 が あ,るが, かかる仮 説に基 づ く見 積 り は所 詮 誤 謬 を免 れ得ず,

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224 誤謬 それ自体に仮説をたてて テストして みなければならない という厄介な問 題をひき起す。特に,空気汚染濃 度の影響度を比較し検討するためには各独 立変数が直交│生に近い状態を示すことを必要とするに もかかわらず,実際に は殆 ど非直交 既に近い状態に あるために,回帰係数の見積値の設定が恣意的 になる可能性が多 く,更に,かかる汚染要因の人体 への影響 を別々に測定する ことが出来ない非直交匝を示 す資料を基礎とする限り, これに基づいて, 不 当な外挿法を適用して影響力 を予測することは重大なリス クを犯すおそれが あると指摘 してい る。そして多重回帰分析 モデルの効果性 を疑問視 しており, 結局,長期に亘る実験的研究に よる以外に途はない が, これはコストもかか り,社会的に も問題があるので実行不可能であるとい う見解を示 してい るが, 実際問題 としては,社会的に間題を起 さない領域における実験の結果と照合 しながら,試行錯誤法によって多重回帰分析モデルをより現実の姿に近い モ デルへと漸次修正しゆく努力を試 みる以外にない のではない かと考える。 次に,1973 年のケース・スタデ バこついては会社側の立場に立って汚染開 題の処理案を選択するに際しては通常経営活動面における損益とい う観点か ら処理方策が選択 されるために, たとえ社会的立場からみると汚染を抑制出 来る効果 か大きく, 従うて, 社会的 便益を与える可能性が大きい とおもねれ る処理方策であって 乱 その企業に及ぼす利益貢献度とい う点から みると, 最善の策ではない と判断される処理方策は見送られる 公算が強い。しかし乍 ら, たとえ企業利益への貢献度から みた場合最善の策ではなくて 払 社会的 に大 きな便益を与えることが期待される処理方策を発見した場合に 凪 十分 な資料をそえて,政府と折衝し,企業に とって最善の利益貢献度を与えてく れる処理方策の貢献利益と社会的に大き唸 便益を与える処理方策から得られ る企業に対する貢献利益 との差額はこれを企業にとって, 得べかりし利益 を 犠牲にして社会的便益の増大に奉仕するための機会コストであると考えて, 少く/ともかかる機会コストに相当 する額 ない しそれ以上の補助金を獲得する ことが望 ましい。すなわち, 企業への利益貢献度と社 会に対する便益の提供 とが矛盾する場合これを調整するごとが公害問題の解 決をはかる際に考慮さ る べき最も重要 な前提条件であって, その解決は一企業に委 ねるべきではな く,づ社会全体の問題 として考えなけ れば なるまいO ■ 。 ・

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企業の社会活動プログラムをめぐる社会的業績の測定225 §2 貧民 労働者 に対 する教育訓 練による地位向上策をめぐる 社会的業 績 の測定2)-1973 年 答申 のヶ −ス・スタデ ィNo.2 こ の ヶ'―■ス ・ ス タ デ ィ の対 象 に な っ た 会 社 は, 約4 千 人 め時 間 給 に よる 賃 金 労 働者 を よ う し, 流 れ 作 業 工 程 に よ る 製 造 業 で あ り, 既 に 労 働 組 合 が 結 成 さ れ てお り, 労 働 者 の 不 平 ・ 不 満 は 組 合 の 手 で 或 る程 度 コ ン ト ロ ー ル さ れ て い た が, 欠 勤 率 の 増 加 , 生 産 性 の 低 下 な ら び に 退 職 率 の 増 大 が 最 近 の 悩 みの 種 で あっ た。IE 技 師 の 調 査 に よ る と, 生 産 性 の 低 下 は 設 備 や技 術 に よ る とい う よ り も む し ろ労 働 能 率 の 低 下 に よ る も の で あ る こ と か 判 っ た 。 す な わ ち, 欠 勤 率 は 年 間 平均1% で, 特 に 夏 季 に は \2% に も達 して お り, 又 , 退 職 率 は 次 表 に示 す 如 く, と く に 未 熟 練 労 働 者 の 退 職 率 が 極 め て 高 い とい う 点 に 問 題 が あ っ た 。 ( 労働者 の階層) 現場監督 熟練労働者 未熟練労働者 計 ( 定 員)1001,0002,9004,000( 年間退職者) 000180 0 − 1,090 ( 退 職率)10 %12.5 %34.Wo-27.25 % 会社はこの問 題点 の解 決 をは がる た めに, 従業員 の自主 的 な技 倆並 びに責 任 に関する改善 を促進 す べ く努力 して来 たが, それに も拘 ら ず, 大 部 分 の監 督者 と多数 の熟 練 労働者 を外部 から招聘 せ ざる を得 ない 状態 であ っ た。 以 上が ケース・ スタ デ ィの対 象 会社 の社 会的 なプ コダ ラ ムを実 行 に 移 す前 の状 態を要 約 し たもの で ある が, この 問題点 を克 服す るた めに, 次 に示 す3 種 の改善案 と1973 年 に こ れ を実 施に 移 し た時 に予 想 される年 間 の見 積 り コス ト が提示 され た。a )従業員 の地 位 向上 を めざす専 門職 養成 計画… …見積 り コス ト(阻0,500) 低い階層 の労 働者 の 格上 げ を実 現 させ, これに よって, 監 督者 の内部的 補 充 と熟練労 働者 の増 強 を はか る と共 に退 職率 の減少 とモチ ベ イ ショ ンの改善 等 により, 生産 性 の向上 と欠勤率 の低 減化 をはか る。b )監督者 訓 練 計画 … …見積 り コスト($22,000 ) 部 下の労 働者 との関 連性 をもつ諸 問題 を処理・援 助 して, 彼 等 に満足 感 を 与 えることが 出来 る ように, 監 督 者 の現有 お よび潜在的能 力 の改善 をは かる

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226 と 共 に , 仕 事 の 環 境 と 人 間 関 係 の 改 善 を 通 じ て 欠 勤 率 や 退 職 率 の 低 減 化 を ぱ か る 。C ) 未 熟 練 工 に 対 す る 技 能 訓 練 計 画 … … 見 積 り コ ス ト ($50,000 ) 未 熟 練 工 を 対 象 と す る 技 能 訓 練 を 実 施 し て 彼 等 に 技 能 を 会 得 さ せ , 各 人 の 地 位 向 上 と 生 涯 計 画 を 追 求 す る た め の 足 が か り を 与 え る こ と に よ っ て , 退 朧 率 を 減 ら し て , 外 部 か ら 熟 練 工 を 新 し く 採 用 す る た め に 費 消 し て い た コ ス ト の 節 約 を は か る 。1. 教 育 ・ 訓 練 計 画 の 効 果 測 定 に 関 す る 現 行 会 計 制 度 の 問 題 点 以 上 の 低 階 層 労 働 者 の 格 上 げ を め ざ す 教 育 訓 練 計 画 の 効 果 の 測 定 に 関 し て , 現 行 の 会 計 制 度 に は 次 の2 点 に 関 す る 計 算 を 見 落 す お そ れ が あ る と そ の 欠 陥 を 答 申 は 指 摘 し て い る ○ ・ ㎜ ㎜(1) 欠 勤 率 や 退 職 率 の 減 少 に よ る コ ス ト 節 約 額 を 正 し く 計 算 す る 為 に は , 欠 勤 率 が 高 い 場 合 に は 欠 勤 者 の 仕 事 を 常 に カ バ' ― ■出 来 る よ う に 余 分 の 要 員 を 多 数 準 備 し て お か な け れ ば な ら な い の で , 教 育 訓 練 に よ り 仕 事 に 対 す る モ ラ ル が 向 上 す る と , 欠 勤 率 が 低 下 し , そ の 結 果 生 ず る 人 件 費 の 節 約 額 と 欠 勤 の 結 果 発 生 す る 作 業 時 間 の 延 長 や 仕 損 じ の 発 生 に よ り , 労 働 能 率 の 低 下 を 防 止 出 来 る こ と か ら 期 待 さ れ る コ ス ト の 節 約 額 や 退 職 者 を 補 充 す る た め の 新 規 採 用 に 要 す る コ ス ト や , 仕 事 の 訓 練 と 仕 事 に 習 熟 さ せ る た め に 要 す る 時 間 の 浪 費 , 仕 事 に な れ て い な い 為 に 生 ず る 仕 損 じp ・ ス の 増 大 等 の 労 働 能 率 の 低 下 に よ る 損 失 を 回 避 す る こ と が 出 来 る 。 こ の 結 果 期 待 さ れ る コ ス ト の 節 約 額 を 測 定 す る 必 要 が 生 ず る が , 現 行 の 原 価 計 算 制 度 並 び に 標 準 と の 原 価 差 異 分 析 の 手 法 は か か る 正 し い 労 働 効 率 の 測 定 に 適 し て い な い 。(2 ) こ の プ ロ グ ラ ム は 会 社 に と っ て , 欠 勤 率 や 退 職 率 の 減 少 に よ る 生 産 性 向 上 の 効 果 を 与 え て く れ る の み な ら ず , 労 働 者 に 対 し て も 雇 傭 機 会 の 拡 張 , 技 能 の 改 善 , 地 位 の 向 上 , 給 料 増 大 等 の 便 益 を 与 え て く れ る ほ か , そ の 間 接 的 な 効 果 と し て 地 域 社 会 な い し 社 会 一 般 に 対 し て も 波 及 的 な 便 益 を 与 え る 効 果 を 期 待 す る こ と が 出 来 る が , か か る 労 働 者 が 社 会 一 般 に 及 ぼ す 社 会 的 効 果 ( 便 益 と コ ス ト と の 対 比 ) を 測 定 す る た め に 必 要 な 情 報 を 現 行 の 会 計 制 度 は 提 供 し て く れ な い 。2. 教 育 ・ 訓 練 プ ロ グ ラ ム の 対 内 的 並 び に 対 外 的 効 果 の 測 定

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企業の社会活動プE グラムをめぐる社会的業績の測定227 前 述 の 現 行 会 計 制 度 の 社 会的 業 績 の測 定 に 関 す る 欠 陥 を 克 服 す る た めに, 答 申 は こ の プ コ グ ラ ム の効 果 の 測 定 に っ い て 次 の4 点 に 分 け て 検 討 す べ きで あ る と主 張 し てい る 。(1) 従 業 員 の 仕 事 に 対 す る 態 度 と 意 識 改 善 効 果 の 測 定 (会 社に与 える便益) (2) 製 造 コ ス ト の 節 約 と 生 産 性 向 上 に よ る 直 接 的 な 経 済 的 効 果 の 測定 (会社に与 える便益) (3) 従 業 員 に与 え る 便益 の 測定(4 ) 社 会 一 般 に与 え る 便 益 の 測 定 (1) 従業 員 の仕事 に対 する態 度 と意識 改善 効果 の測定 企業に及 ぼす 最終的 な効果 は究 極的 には金 銭的 な効果 とい う形 で表 現 され る ことに なるで あろ うが, かかる教育 訓 練プ ロ グラ ムの実 施に伴 う 従業員 の 仕事に対 する態 度 と意識 改善 に及ぼ す効果 は, 金 銭的 な 効果 として は, 明確 に 把握す るこ とが で きない場 合が多 く, 又, プ=i グラ ムの実 行 に着手 し た後, 早 期にそ の問 題 点 の所在 を探求し た り, 中 間的 にそ の改 善 効果 を確認 する た めには, 従業 員 の意 識 と態 度に関 する 改善 効果 を取 り扱 う行 動 科学的 な測定 方 法を活用 す るこ とに よ り, 従業員 行動 の 決定 要 因一 欠勤 率, 退職 率, 生 産 性 に 及ぼ す効 果 の大 きさにっい て何ら か の指示 を 得 るこ とが 出来る と 答申は述 ぺ, その代 表的 な測定 方 法 として ①一 般 労働者 と現場 監 督者 を対象 とする,給料, 昇進 の機 会, 仕事の 内容 と人 員数 に関 連 し た 仕事 の満足 感 を測 定 する尺 度 と して開 発 され た,Patriciac.Smith の「 叙 述的 な仕事 の指 標」, ②中級お よび上 級 の管理 職 を対 象 と し, 特に リ ーダ ーシ ップ, モチヴィ ジョ ン, コミ ュニ ケイ ショ ソ, 相互影 響力, 目標設定 等 の組 織並 び に業 績 に及ぼ す 特徴 を取 り扱 うR.Likert の「質問 調 査法」 ③仕事に 対 する モチ ベイ ショ ン効果 を測 定す る た めに, チ ー ムの 仕事 に対 す る態 度, 仕事 への集中 度, 独 立心 ない し創意工 夫, 組 織的 な一 体感, 仕事 に対 す る好 奇心, 仕事 への執 着 心, 専門家 と して の帰 属感 等 を取 り扱 うLandy とGuion が開発 し た「 仕 事 に関 する モチ ベイ シ 。ン効果 の測定 基準」 は, この場 合 の有 力 な武 器 とし て活用 する こと が 出来 る で あろう との べ, そ の一 例 として, 次 に示 す如 く監 督者 訓練計画 の実 施 に莽 う 仕事 に対 する各 人 の意 識の変 化 を示 す 仮設例(A

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228 表)と従業 員全 体の 仕事 に対 する 意識 と態 度 の変 化傾向 を示 す グラフ(B 表) を例示 してい る。 (A 表) 参 加 者SmithJonesBlackLewis 犬Ni χonLovesque 全 員 (371 人 ) 仕事 に対 する挑戦 +2 +1 0 +2 -l +3 +1.75 ** 責任感 監督の才能 特 性 昌 +1 0 +1 +3 0 +1 0 +1 1 +1 0 +2 +1.05 * +0.75 * 印 は , こ の変 化 の生 ず る確 率 が5 % 以 下 ** 印 は 〃10 % 以 下 で あ るこ と を示 す 。 (B 表) 従業員意識の傾向: 指導力・監督力 給料・福利厚生費の受領 予防・安全 共同作業者に対する満足感 づ 社会的な相互影響力 と昇進の機会 モチベイショソ 仕事に対する挑戦力 と責任感 ( 消 極 的)12 ︵ 昨 年 の 実 績 ︶ 3 4 ︵ 来 年 の 目 標 ︶ ︵ 今 年 の 実 績 ︶ +2 +2 +1 +2 +1 +2 +1.46 * ( 積極 的)5 (2) 製造 コストの節 約 と生産 性 の向 上 に よる直接的 な経 済効果 の測定 答 申は1 で の べた行 動 科学的 アプp ―チ の段 階 をへ て, 最終的 に は次 表に 示 す如 く, 前 述の3 種 の教育 訓練 プ ロ グラ ムから期 待 さ れる直接的 な経 済的 効果 の測定 へと進む べ きで ある と主 張 してい る。 か かる経 済的 効果 を測定 し た結果,3 案 は何 れも労働 能 率 の向 上 と欠 勤率 の 低 減効果 を期 待す るこ とが出来 る が, 特に 技能 訓練 計画 は退職 率 の改善 効 果 が大 きい とい う こ とが 判る。 又, 監督者 訓練計 画と技 能 訓練 計画 は1 年 以 内に 投 資額 を上 回 る便益 を獲得 で きる効果 をあげ るこ とが 出来 る とい う こと を示 してい るが, 専 門 職養 成 計画 にっ い て は, 今後, 原 始投 資額 を回 収 出来 るか ど うかにっい て更に 検 討 を要 し よう と述 べてい る○

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企業 の社 会活 動 プロ グラ ムを めぐる 社会 的業 績 の測定2293 種 の 教 育 訓 練 プ ロ グ ラ ム の コ ス ト / 便 益 の 分 析 に よ る 経 済 的 効 果 の 要 約 (1972年11月 ∼1973年10月) 教 育 訓 練 計 画 の 種 類 言 二 響Ty 監 督 者 訓 練 技 能 訓 練 専 門 職 養 成 合 計 A 下 記 要 因 の 変 化 に よ る 期 待 便 益1. 賃 率2. 労 働 能 率 ふ 材 料 使 用 能 率4. 退 職 率5. 欠 勤 率6. 保 全 能 率7. 安 全 欧8. 再 生 加 工 計 △8,000 21,000 4,000 11,000 4,000 − 2,000 14,000 △40,000 80,000 34,000 52,000 27,000 5,000 12,000 10,000 △20,000 8,000 12,000 − 1,000 − − 2,000 △68,000 109,000 50,000 63,000 32,000 5,000 14,000 26,000 48,000 180,000 3,000 231,000 B 下 記 諸 要 素 に 対 す る 投 資 計 画1. 設 備2. 材 料3. 指 導 員 の 消 費 時 間4. 参 加 員 の 消 費 時 間 計 2,500 1,000 4,000 14,500 500 350 16,200 32,950 750 150 3,100 6,500 3,750 1,500 23,300 53,950 22,000 50,000 10,500 82,500 C 純 成 果 の 測 定A 総 期 待 便 益B 総 投 資 額A −B =C 純 成 果 48,000 22,000 180,000 50,000 3,000 10,500 231,000 82,500 26,000 130,000 △7,500 ニ148,500 (3) 従業員に与える便益 の測定 従業員に与える便益 のうち,貨幣価値で示 すことが出来 るものとして,能 率及び地位の向上による給料の増加をあげることが出来 るが, この外,昇進 者の増大・非自発的 廃業の減少・新規に獲得した技能の増大も従業員に対す る便益を示 す指数となる。更に欠勤率の減少もある程度従業員に与えた便益 の指数として有効である外,仕事 の環境並びに生活全般に及ぼす従業員の意 識並 びに態度の変化 も指標になると答申は指摘している。 圃 社会一般に与える便益の測定

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230 社 会一般 に与 える便益 を測 定 す る ために は, 第1 に, プ ロ グラ ムそ れ自 体 の コスト と収 入, 仕事 の創 造, 雇傭 の安 定, 新技能 の 開発等 の直接的 な社 会 的 効果 との対比 に よる方 法, 第2 に, この プ1ニ1グラムの地 域 社会 の生活, リ クリエ イ ショ ン, 家 族 ・友人 関 係, アル コ ール中 毒, 犯罪, 債務不履 行等 に 及ぼ す影 響力 とい う点 から みた間接的 な社 会的効果 の測定 方法 とが考えら れ るが, か かる プ ロ グラ ムの及ぼ す直接的 なら びに間接 的 効果 の測定 よりも更 に 最 も重 要 な ことは,経 営者 が将来 に亘 っ て, か かる 社 会的 に貢献 す る諸 活 動 を続行 して ゆく可能 性 か おる かど うか を確認 する こ とに ある と答 申 は指摘 し, こり 点にっ い て確認 する た めに 次 の二 つ のアプ ロ ―チ が必要 であ ると力 説し てい る。1 ) 新 しい 情 報の測定 方法 と既 存 の経 営者 の報告 制度並 びに 既 に認 めら れ てい る 改善 効果 に関 する測定 方 法 と の統合 化 をは かる こと。 犬 例 えば, 会 計期間中 の経 営者 の責 任領域 の一 部 とし て, 退 職に よる コスト 等 の要 員 の再調達 原 価 を経 営者 に賦 課 し た り, 労働能 率 の差 異分析 に関 して 生 産活 動に 関 する レポ ート の一 部 として欠 勤率 の増 減 に より発生 し た原価差 異 を 明確 に する こ と等。2 ) そ の他 の役に立 つ 情報並 びに測定 方 法 を活 用 す る ことに より, 管理 業 務 の遂 行に関 して何 らか の影 響力 を与 え るこ と。 例 えば, 再 調達 原価 で評 価 され た人的 資源 に対 する 投資 額 を知 る とい う こ と は, 経 営 者 に とっ て人的 資 源 コストに関 する より好 ましい 情 報 を与 えて く れ, 又, も し利 益 獲得に 及ぼ す効果 の測定 に 先立 って, 個人 ない し グル ープ 毎 の改善 効果 を示 す指 標と して前 述 の態 度 と意識に 関 す る調査 結果 が判明 す れば, 比 較的 早い 時点 に こ のプ ロ グ ラ ムの効果 性 に関す る情報 を入 手出来 る こ とに なる。 こ の結果に 比 較的 早 期 に問 題点 を発 見す る た めに役立 つ警告 を 与 えて くれ る とい う利点 もある と答 申 は述 べ, 貨 幣価 値 で示 され た財務的 な 業 績 を測定 する前 に, 行 動 科学的 アプ1=・− チに 基づ く分析 手法 に より可及的 速 やかに, プr=1グラ ムの実 施に 伴 う改善 効果 を把 握 す べ きで ある と力説 して い る点 に 注 目し たい 。3. 要 約 と若 干 の批 判 答 申 は教育 ・ 訓練に よる 従業 員 の格上 げ をめざす プ ロ グ ラムの対 内的並 び

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企業の社会活動プログラムをめぐる社会的業績の測定231 に 対 外 的 効 果 を 測 定 し よ う と す る 際 に, 現 行 の 会 計 制 度 は 欠 勤 率 や退 職率 の 減 少 と こ れ に 伴 う 労 働 効 率 の向 上 に よ る 節 約 コ ス ト に 関 す る 会 社 自 体 に対 す る 間 接的 な効 果 や 労 働 者 に対 す る 直 接 的 な 社 会 的 便 益 並 び に 社 会 一 般 に対 す る直 接的 並 び に 間 接的 な 社 会 的 便 益 の 測定 に 関 し て は あ ま り有 効 で ない ので , こ れ を克 服 す る た め の方 策 と して 経 営 行 動 科 学 的 ア プ ロ ー チ の 適 用 を提 案 し てV ヽる。 先 ず, 労 働 効 率 の向 上 の 会 社 自 体 に 及 ぼ す 間 接 的 な 効 果 を 測 定 す る手 法 と し て, ① 仕 事 の 満 足 感 を測 定 す る た め の 「 叙 述的 指 標 」 ② 組 織 お よ び業 績 に 及 ぼ す 特 徴 を取 り扱 う 「質 問 調 査 法 」 ③ 「 モ チ ペ イIシ 。 ン効 果 を 測 定 す る た め の 測定 基 準 」 を あ げ る 外, 特 に 教 育 ・ 訓 練 計 画 の 実 施 に 伴 う従 業 員 の 態 度 と 意 識 に 関 す る 改 善 効 果 を 測定 す る た め に 個 人 別 の 効果 と 全 体的 効 果 の分 析 手 法 と を そ れ ぞ れ 例 示 し, こ の ア プ ロ ーチ を 終 え た 後 , 会 社 自 体 に 及 ぼ す直 接 的 な経 済 的 効 果 を測 定 しに 両 者 を合 わ せ た 総 合 的 効 果 の 測 定 が 必 要 で あ る と 説 い てい る 。 こ の外 , 従業 員 並 び に 社 会 一 般 に 与 え る 便 益 の測 定 に 際 し て も 同 様 な 行 動 科 学 的 ア プド ー チ の 適 用 を す す め て い る が , 特 に , か か る 社 会 的 ぐこ貢 献 す る プ ロ グ ラ ムの 持 続 可 能 性 に 関 す る テ ス ト が 必 要 で あ る と 説 きJ こ の場 合 , 新 しい 行 動 科 学 的 アプ ロ ー チ と既 存 の 財 務 的 ア プ ロ ー チ と の 統合 と 経 済的 効 果 の 測 定 に 先 立 っ て, 行 動 科 学 的 分 析 手 法 を 適 用 し て, プ1==・グラ ム の実 施 に 伴 う 改 善 効 果 と問 題 点 と を事 前 に 知 る こ と の 必 要 性 を 説い てい る 。 思 う に, か か る プ ロ グ ラ ム の対 内 的 並 び に 対 外 的 な 効 果 を 測 定 す る た め に は, 単 に 伝 統的 な 利 益 貢 献 度 の 分 析 だ け に 頼 る こ と が 出 来 ない の で , 答 申 が 提 案 す る よ う な 比 率 や 叙 述 的 な い し点 数 評 価的 な 指 標 の 助 け を 借 り な け れば な ら な い こ と はい う ま で も ない が , か か る 財 務 的 ア プ ロ ーチ と 行 動 科 学 的 ア プ ロ ―チ と の 統 合 は 必 ず し も容 易 な業 で は な い 。 筆 者 は 著 書 , 経 営 政 策分 析 §n に おい て 設 備 投 資 に 関 す る プ1= ジ ェ クト の 選 択 に 際 し貨 幣 価 値 で は 評 価 し 難い 無 形 要 素 の 分 析 が 必 要 で あ り, こ の 為 に は か か る 無 形 要 素 の定 性 分 析 か ら定 量 分 析 を へ て , 最 終的 に は 貨 幣 価値 に 換 算 す る 手 法 の 必 要 性 を説い た が , 企 業 に 対 す る利 益 貢 献 度 とい う 見 地 に 立 て ば , か か る 無 形 要 素 の 貨 幣 価 値 へ の転 換 は 可 能 で あ る か も し れ ない が, 収 益 性 の向 上 を め ざ す企 業 理 念 と は 無 関 係 の 社 会 的 使 命 の達 成 とい う 理 念 か ら そ の 効 果 を 測 定 し な け れ ば なら

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232 ない 社 会的業 績の測 定基 準 とし て はか かる行 動科学的 アプp ーチに よ り得ら れ た成 果 を示 す資料 と伝 統的 な利 益 貢献 度 を測定 する手段 とし て用 い ら れて い る 財務的 成果 を示 す資 料 と の統合 は極 めて厄介 な問題 を含 んでい る こと を 見 逃 して はな らない。 こ の点 の問題点 を解 明 するた めに は§3 に おい て考察 す る 内部管 理 目的 に 基づ く人 的資 源会計 の考 え方 とそ の測 定 手法 を社 会業 績 の測 定 目的 に利 用 しよ う とする場 合 の問 題点 の研究 が是 非 共 必要 で あ る。 §3 人的資源会計の社会会計目的への利用(1974年社会コスト委員会答申)3) §2 の従業 員 の教育 訓練 プ1==・グラ ムに 関 する 社 会的業 績 の測定 に おい て 従 業 員 並 びに 社 会一般 に 対 す る人 的 資 源に及 ぼ す社会的業 績 を測定 し よう とす る場 合に は, 従業 員 や地域 社 会 の住民 に及 ぼ す社会的 便益 を測 定 する た めに, 人 的資 源会 計的 な思考 が必要 で ある こ とが判 った。 一 般 に, 社 会的 業績 の測定 す な わ ち, 社 会 会計は企業 活 動 の社会 的並 びに 自 然的 環境 に及 ぼ す影響 力 を測 定 し, これ を伝達す るこ と を 目的 とす るが, 先 ず, 社 会に及 ぼ す影響 力 の測 定 は従業員, 顧客レ 仕入 先, 債権者, 株主, 政 府並 び に一 般 大衆 とい う人的 資 源 を直 接 の計算対 象 としな け ればな らない 。 の みなら ず, 自然的 環境 に 及ぼ す 影響 力の測定 に関 して も将 来に おけ る人間 生 活 をそ の対 象 とせ ざ る を得ない ので, 何 れにせ よ, 内部 的並 びに外 部的, 現 在 お よび将来 にお け る人 的 資 源 会計に関 する問題 の解 明 を図 ぶこ とが先 決 問 題 であ るとい える。1. 人的 資 源会 計と伝 統的 会 計 との重 要な 相違点 先 ず人的 資 源会 計の伝 統的 な会 計 との重要 な相違点 にっ い て答 申 は次 の如 く指摘 し てい る。以下 要 約 して 説 明す る。 第1 に 伝統的・な 会計 は人的 資 源 に対 する支 出額 を期間 発生 費用 として考 え てい る が,人 的 資 源会 計に おい て は, か かる支出 は会社 に対 して将来 サ ービ ス を提供 して くれ る可能 性 を有 す る もので ある と考 えて 資産 に 計上 する場 合 か おる。 例 えば,BarryCorporation は, 要 員 の募集, 雇傭, 訓 練, 能 力 開発 に関 連 す る諸支 出 を資産 化 して, 見 積耐 用年 数 に応 じて償却 す る シス テ ムを採用 してい る。

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企業の社会活動プログラムをめぐる社会的業績の測定m 又,ToucheRossandCo.,Montreal は , 人 的 資 源 を 開 発 す る た めに 支 出 し た コス ト な ら び に 機 会 原 価 に 基 づ い て ス タ ッ フ の投 資 額 を計 算 す る シ ス テ ムを採 用 し てい る。 第2 に , 資 産 評 価 基 準 と し て 取 得 原 価 主 義 を 基 調 と す る 伝 統 的 会 計 に 対 し て, 人 的 資 源 会 計 は 再 調 達 原 価 主 義 を と る 場 合 が あ る 。 す な わ ち, 募 集, 雇 傭 , 訓 練 , 及 び能 力 ・熟 練 度 ・ 仕 事 に 対 す る 組 織 的 な 連 帯 胞 の 開 発 を 含 む人 的 資 源 を再 調 達 す る た め に 要 す る コ ス ト に 基 礎 を お く とい う考 え 方 で あ る 。 第3 に 人 的 資 源 会 計 の 特 徴 と し て 未 来 の給 料 を現 在 価 値 に 割 引 い て 測 定 す る 場 合 か お る 。 し か し な が ら, か か る 割 引 は 経 済的 価 値 を 示 す こ と を 意 図 し てい る の か , 或 い は, 長 期 の 賃 貸 契 約 を 資 本 化 す る た め の 資 本 コ ス ト の 決定 を 意 図 し て い る の か, 明 ら か で ない 。 この例 と し て,Abt 社 は 割 引 き さ れ た将 来 の 給 料 で測 定 し た ス タ ヅフ の資 産 価値 を 社 会 的 資 産 と し て 社 会 貸 借 対 照 表 に 計上 し てい る 。2. 人 的 資 源 会 計 の人 的 投 資 価 値 の 測 定 に 関 す る 問 題 点 とこ ろ で , 人 的 資 源 の 価 値 は, 組 織 に お け る人 間 の行 動 に あ る 。 し た が っ て 人 間的 な 組 織 に 関 し て 貨 幣 的 価 値 に よ り測 定 す る た め に は, か か る 人 間 の 行 動 に つ い て 吟 味 す る 必 要 が あ る が, か か る 組 織 に おけ る人 的 資 源 に 対 す る 価 値 の 割 当 に 関 し て,づLikert は 次 の 図 を示 し て 説 明 を 加 え て い る 。Likert に よ る と , 最 終 結 果 を示 す変 数 の 一 つ で あ る 稼 得 収 益 は 組 織 の起 ( 起 因 変 数) ( 媒 介変 数) 認 識 コ ミュ ニ ケイ ショ ン モ チベ イショ ン 意思 決定 コ ントa ール 調整 フィード バ ッ ク ノレー プ

鸞 詮 白)

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234 因 変数 と媒 介変 数 との関数 で ある。 起 因変数 は, 組織 内部に おけ る進 展 要因 とその達 成成 果 を決定 づけ る独立 変 数 で あり, 指 導者 の戦略, 組 織 の機 構 と政 策, 経 営者 の技 倆 と行動 等をい う ○ 媒 介変 数は, 組 織の内部的 な状態 と健全 性 すな わち, 忠誠 心, 態 度, モ チ ペイ ショ ソ, 成果 目標等に対 して 影響 を与 え る外, 組 織全員 の効果 的 な協 同, コミ ュニ ケイ ショ ソ, 意 思決定 に関 する集 積 し た能力に 関 する認 識に対 し て も影 響 を及ぼ す。 以 上 のLikert の アプ ロ ーチ は 起因変 数並 びに 媒 介変数 の測定 を通 じて 将 来 の 収益 を予測 しよう とす る考え方 に立 って い るが,Brummet,Flamholtz お よ びPyle はかか る将来 の収益 は一 旦 獲得 される と割 引 きされ, 人 的資 源 に 対 し ては会 社収益 に対 す る相対的 な貢 献度 を見 積っ て, そ の一 部分 だけ し か割 りっ けら れなく な って しま う可能 性 が ある と批判 してお り, 答 申 も, た とえ, 将来 の予 想収 益 を決定 する こ と が出来 たと仮定 して も, こ れを人 間 そ の 他 の資源に 割 り付け なけ ればな ら ない理 由 は余 り ない と批 判的 である が,Likert 自身 は, こ の行 動科学 的 ア プ ロ ーチ は人 間組 織 の内部 状態 を如実に 映 し 出 して くれ るので, もっ と良い 方 法 が開 発 され る迄, 伝統的 会 計を 補充 す る手 段 として 利用 出来 るの ではない か と述 べて 居 り, この点 に関 する限 り,Likert の 考え方 に賛意 を表 し たい 。3, 人 的資 源 会計の社 会 会計 目的 への利用 に関 す る問 題点 答 申 は, 一般 に, 人的 資 源会 計に関 する諸 論文 は, 各 種 の人 的資 源に関 す る測 定 方法 の経 営者 の意 思 決定 や人 事 に 及ぼ す潜 在的 な 効果 に関 して は徹底 的 に 検 討 が加 えら れてい ない の が実 情で あ る。 し か 仏 か かる行動 科学的 な 結 論 は 必ず し も実用性 があ ると思 われない の みなら ず, 社会 会計的 な 観点 に 立 つ吟 味 がな されてい ない と不 満 を述 べてい る。 又, 人 的資 源 会計に おけ る評 価 基 準 とし て再 調達 原価 ない し現 価に 割引か れ た将 来の給 料 を採用 する として も, これ と 他の資産 や株主 勘定 に関す る伝 統的 な 歴史的 原 価に よる評 価額 と を合 計し た総額は無 意 味 な数値 にな ってし まう とい う問 題 が存す るこ とを答 申 は指 摘 してい る。 前 述 のBarryCorporation は人 間 資 源に関 する投 資額 を歴史的 原価 で評価

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企業の社会活動プログラムをめぐる社会的業績の測定235 し, 他 の 財 務 諸 表 項 目 と合 計 し てい る の で , こ こ で は 評 価 基 準 の 一 貫 旨 が 保 持 さ れ て い る が , 他 の ヶ − ス に お い て は, 両 者 の 評 価 基 準 は 必 ず し も一 貫 し て い ない 。 例 え ば,Abt 社 は, そ の ス タ ッフ の 資 産 価 値 を(a)教 育 訓 練 支 出 マ イ ナス 陳 腐 化 に よ る 下 落 価 値 と(b)現 価 に 割 引 か れ た 将 来 の 給 料 とい う二 つ の 異 な る 方 法 の 適 用 を考 え てい る が, こ の 考 え 方 は 第1 に, ヌ,タ ッ フ 資 産 の 評 価 が二 重 に な る お そ れ か お り, 第2 に , 実 際 の 支 出 コ ス ト と現 価 に 割 引 か れ た 将来 の 支 出 コ ス ト の見 積 額 と を不 当 に 合 計 し て し ま い , 測 定 基 準 の 首 尾 一 貫 性 に 欠 け て い る とい う点 に お い て 誤 謬 を犯 し てい る と 答 申 は 批 判 し てい る 。 レ4. 要 約 と 若 干 の 結 論 最 後 に , 答 申 は 以 上 の べ た 種 々 の点 に 関 す る 考 慮 か ら, 人 的 資 源 会 計 の 社 会 会 計的 利 用 とい う 問 題 に関 し て, 次 の 如 く 結 論 を述 べ て い る 。1 ) 人 的 資 源 会 計 と社 会 会 計 とは 共 に , 伝 統的 に は , 少 く と も, 質 的 な レ ベ ル で し か 考 え 七 い な か っ た 諸 財 産 , 諸 要 素 お よ び諸 変 数 を 計 量 化 し よ う と 試 み てい る 。2 ) 社 会 会 計 の 主 た る関 心 は 組 織 の人 間 に与 え る影 響 力 と 関 連 性 を も っ て 居 り, こ の点 か ら , 人 的 資 源 会 計 シ ス テ ム は 社 会 会 計 シ ス テ ム の 一 部 に 属 す る と 考 え ら れ るoI3 ) 人 的 資 源 会 計 は 人 的 資 源 へ の投 資 額 と将 来 の収 益 性 に 関 す る 各 測 定 尺 度 と は 高 度 の 相 関 性 を 有 す る とい う前 提 条 件 に 立 つ 考 え 方 で あ る が , 社 会 会 計 は 社 会的 責 任 を果 す こ と が 将 来 ぬ 収 益 性 の向 上 を 導 い て く れ る とい う よ う な 前 提 は 全 く頭 に お い て い な い と お も ね れ る 。 こ の 考 え 方 が正 しい と す れ ば, 社 会 会 計的 な 要 求 条 件 を 満 た す べ く, 人 的 資 源 会 計 の 考 え 方 に つ い て 再 検 討 し て みる 必 要 は な い 。4 ) 従業 員 , 顧 客 , 一 般 大 衆 等 に対 す る 受 け と め 方 の 調 査 等 の 人 的 資 源 に 関 す る行 動 科 学 的 測 定 方 法 は収 益 性 の 増 大 に 貢 献 す る か 否 か を 問 わ ず, そ の 測 定 方 法 な い し 人 々 の受 け と め 方 が 好 ま しい か否 か を 決定 す る こ と を 目的 と し て い る か 故 に 社 会 会 計 目的 に も利 用 出 来 る 。 人 間 関 係 とい う 領 域 に お け る 社 会 的 責 任 か お る 組 織 の 目 標 の一 つ と し て 認 め ら れて い る か, 又 は 期 待 さ れ て い る限 り, 人 的 資 源 会 計 に お い て 採 用 さ れ

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236 てい る手法 を社会会 計的 目的 に活 用 する 際, 収 益性 とい う共 通 の きず なを前 提 にしな け ればな らない とい う考 え方 は必 ずし も必要 な条 件で あ る とはお も われない 。 し かしな がら, もし収 益 性 とい う共通 の きずな を前 提 にお かない 限 り, は た して, か かる行 動科学 的 に測 定 した結果 を貨 幣価値 に 翻訳 する こ とが出 来 る だろうか ? と疑問 を投 げ かけ てい る 。 お もうに企業 に おけ る人的 投 資 価値 を評 価し, 測定 して こ れを資産 化 す る ため の手段 として用い ら れてい る人的 資 源 会計 は将来 の収益 に対 する期 待 価 値 とい う観点 が評 価 の ポイ ントで ある か, こ れに対 して, 社会的 使命 の達 成 度 とい う見地 に立 って 評 価す る ことが要 求 さ れる社会業 績 会 計の立 場 におい て は評 価 ポイ ントが異 な る。 犬 従 って, 答申 が結論 として 述 べてい る如 く,人 的資 源会計 が ス ク ヅフ価値 の評 価基 準 として採用 してい る 将来 の収 益に対 する貢献 の可 能性 を示 すser-vicepotential とい う概 念に 基 づ くス タ ッフの再 調道 コス トない し現価 に割 引 か れた将来 の給料 見 積額 を そ のま ま, 社会 的業 績 とし ての資産 価値 に 計上 し ようとす るAbt 社的 思考 に は賛成 し難い が,Likert 等が主 張 す る行 動科 学 的 アプP・−チに よる従業 員, 顧客 並 び に社会一 般 の大 衆に及ぼ す社会 心理 学 的 効果 の測定 に際 して人 的 資 源会 計 の効果 測定 に関 する手法 を社 会的 業 績 に関 する効果 を測定 す るた め の手段 として利用 するこ とは可能 で ある が, た とえ従来,質 的 な差 異 を示 す社 会心理 学的 変 数 として し かとら える こ とが出 来 なか った諸要 素 を計 量化 す るこ とに成 功 して も, 社 会 会計的 立 場 に立 っ た 場 合, 如 何に して社 会的 責 任 の達成 度 とい う見地 から これを経 済的 価値 へ転 換 させ るか とい う点 に問題 が存在 す る ので, 新 しい行 動 科学的 アプ ロ ーチ に よって測定 し た結果 と伝 統的 な 財務的 な ア プ=t −チに よっ て測定 し た結果 と を 統合 し よう とする試 みは所 詮無 理 では ない か と考 え る。1

) ①ReportoftheCommitteeonSocialCosts1974, (A.A.A けheSupplemento £AccountingReview1975 )ppノ70∼74。

⑦ReportoftheCommitteeonMeasurementofSocialCosts1973 (A.A 。A. ;theSupplementofAccountingReview1974 )pp.104 ∼107。2

) ②と同じ,pp.107 ∼113。3 ) のと同じ,pp.84 ∼89.

参照

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