著者
森 彰
著者別名
Mori Akira
雑誌名
経営論集
巻
29
ページ
73-126
発行年
1987-03-23
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005761/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja情 報 ネ ッ ト ワ ー ク
森シ ス テ ム と競 争 阻 害
彰 目 次 はじめに 第1 部 流通行政 と独占禁止法1 独占禁止法と流通2 公正取引委員会 の見解3 米国におけ る競争維持政策 第I 部 マーケティン グの視点から の検討1 流通へ の独占禁止法適用 の問 題点2 マーケティン グ部門 よりの反 論 / 第1 部 情報 概念から の検討1 情報化に より取引が標準化されるか2 情報の利用面で私的独占が発生す るか3 マーケティン グ情報シ ステムと の関わ り4 米国に見る情報 ネット!7 ―ク・シ ステムに対 する評価 第w 部 課題 73 は じ め に 情報ネットワーク・システムの発展は,産業の活性化や効率化に大きく寄 与す る。し かし ながら市場における競争に関し ては,情報ネットワーク・シ ステ みは競争を促進させる側面と競争を阻害する側面の2 つの側面を持つ。 昭和52年に独占禁止法が改正され,昭和53年に公正取引委員会は独占禁止法 の流通業界への適用を重点課題とし て打ち出し た。公正取引委員会は次から 次へと流通業界に対して規制をかけ てきた。 当初は個々の行為毎に規制を行 ってきたが,近ごろは流通の構造 自体に対する規制を考え始めた様である。 独占禁止法ぱもともと製造業 の競争促進を 目的とし て制定された法律であ ると言われている。しかしながら,産業の中で製造業の占める割合は年々低 下し ている。 現在では第三次産業 と言われてい る流通・サ ービス業が産業仝体に占 め る割合は 過 半を占め てい る。 公正取 引委員会 が変 化す る産業構 造に 適応し て ゆ くた めに, 流通 分野を 独占禁止法 の新し い 適用 分野 とし よ うと考 え ても不 思 議 では ない だろ う。 流 通分 野に おけ る独 占禁止 法 の適用が個 々の行為 を問 題 とし てい る うち は 社会的 な 問題 は少 ない と思 われる。し かし , 流通 の構 造 自体を 問 題 とす る場 合は大 き な社 会問 題 とな り, 独占禁止 法 の適用に は社会 科学 的 な検 討が不 可 欠となろ う。 独占禁 止 法 の適用に は公 正取引委員会 の判 断が大 き く影響 す る。 法律 の条 文 の論 理的 解 釈 も重要 ではあ るが, 法律 の条文 と流通 の実 態 とを い かに 整合 的に 対応 さ せる かが大 きな問 題となる。 そ うし た意 味にお い て, 流通分 野に おけ る独 占 禁止 法 の適 用は 法律学 者だけ の問題 では片 付けら れない。 さらに, 流通 実態 と の対応 が 不可 欠であ ること から,公正取 引委 員 会 に大 き な影響を 持ってい る 経済学 の識 者だけ でも問題 の解 決は出来 ない であろ う。 規制 の直 接的 な対 象は 流通 であ り, 流通の研究者や マーケテ ィン グの研究者 は具体的 事実 に即し , さら に流 通・ マ ーケテ ィン グ理論を 援用し こ の問題 に対応 する 必要 があ る。し かし ながら, 公正取 引委 員会が主 とし て問 題 とし てい る側面 は 情報化 社会 におけ る流通構造 であ る。 特に 「企業 間の情 報 ネ ット ワー ク・ シ ステ ムが企 業間 の有 効競争を阻 害す る面 も多い 」 とい う公正 取 引委員会 の 打 ち 出し た仮 説に対し て, 情 報分 野の研究者は これ まで この問 題に 関し て多 くの検討を 行った 様子 は無い。 本研究は 情 報の視 点 から独 占禁止 法の流通分野 に対す る適用 の問 題点を検 討 す る。 まず, 独 占禁止 法の 本質的 な意味を 検討し‥ 公 正取 引 委員 会 のこれ までの活動 の内容を サ ーベイ す る(第i 部)。 つい で, 流通 ・ マ ーケテ ィン グ 分 野から の反 論 の主 た る内容をサ ーベ イす る(第!1部)。 最後 に, 情 報 の分野 からい くっ か の問題 点 のみに関し ての検討を 行 う(第Ⅲ部)。 情 報 の分野 から 検討す べき こ とは 山ほ どあ るが, 本研 究ではそ の内 の問 題 整理 の糸 口とな り そ うな特 定 の問 題 のみを採 り上げ て検討 す るに とどめ る。 こ こで採 り 上げ た領 域は, 法律, 行政, 経済, 産業 構造, 流 通. マ ーケテ ィン グ, 情 報, さらに コン ピ ュータ技術 とい った広 範 な分野 に 渡っ てい るが, 本 研 究では主 とし て情報 の面から 問題点を 明らかにし てゆ きた い。
情 報 ネ ット ワ ー ク ■シ ス テ ム と 競 争 阻 害75
第1 部
流 通行政と 独占禁 止法
1 独占禁 止法と 流 通∧ (1) 流通政策と独占禁止法 犬 ∧ ‥ ‥ づ マ ーケテ ィン グ活動 は社 会的 な活動 でTあ り√お のず から 社会 の 倫理を遵 守 す ることが要 求され る。 バ ーテ ル ズは マーケテ ィン グ活動 におけ る倫理 の う ち, 「強制 の倫 理」 とし ての法的 側面を挙げ てお り, つ ぎ の よ うに説 明し てj1 ) い る。 ニ 「シ ャ ー マ ン反 ト ラ スト 法 は , 法 的 規 準= 法 的 倫 理 の形成 におけ る 重 要 な 道 し る べ で あ っ た 。 そ れ は √ 社 会 が , そ の 文 化 的 価 値 や 非 経 済 的 価 値 を 表 現 す る た め に , ビ ジ ネ ス 参 与 者 へ 義 務 を 強 制 す る 方 法 を 示 し て い る 。 こ の よ う な 法 規 の 形 成 が あ っ て 乱 そ れ は ヨ リ 低 い 行 為 規 準 を 正 当 化 す る も の で は な い 。 し か し 法 律 は し ば し ば 最 低 の 規 準 に な る 。 時 に は そ れ は 法 制 定 に お け る 妥 協 を 表 し て お り ,一法 的 な 再 審 理 や 解 釈 に 従 う も の で あ る 。」2) 流 通 と 関 係 し て い る 法 律 は 多 く あ る 。 そ れ ら の 法 律 に 基 づ い て 政 策 が 立 案 ・ さ れ 実 行 ・ 監 督 さ れ る 。 流 通 政 策 に は い ろ い ろ な も の が あ り , い ろ い ろ な 分 類 が 可 能 で あ る 。 流 通 政 策 に は 企 業 の 発 展 を り な が す 目 的 と , 企 業 の 活 動 に 制 約 を 課 す と い う 目 的 の2 つ の 面 が あ る 。 久 保 村 に ょ れ ば , 競 争 り 維 持 を 目 的 と す る 政 策 と , 流 通 生 産 性 な い し 流 通 効 率 の 向 上 を 目 的 と す る。流 通 近 代 化 政 策 と に 大 別 さ れ 言。 競 争 維 持 の た め り 政 策 と し て は , 「 独 占 禁 止 法 」,「 不 当 景 品 類 及 び 不 当 表 示 防 止 法 」 や 「 大 規 模 小 売 店 舗 法 」 が あ る 。 流 通 生 産 性 向 上 の た め の 法 律 と し て は ,「 中 小 小 売 商 業 振 興 法 」 が あ る 。 ま た , 中 小 商 業 の 近 代 化 , 商 業 立 地 の 適 正 化 , 物 的 流 通 の 合 理 化 な ど 流 通 タ ス テ ム の 効 率 化 に 関 し て は , 通 産 省 の 流 通 シ ス テ ム 化 行 政 を 挙 げ る こ と が で き る 。 さ ら に , 今 後 の 流 通 政 策 が 解 決 す べ き 課 題 と し て 久 保 村 は 「 社 会 環 境 の 破 壊 」, 千生 産 資 源 の 浪 費 」,「 有 効 競 争 の 制 限jO3 つ 聚 挙 げ て い る 。 ■■ ■■■■ ■ ■ ∼ 流 通 政 策 の 面 か ら 見 る と 、 日 本 の 流 通 政 策 は 昭 和30 年 代 以 降> 流 通 近 代 化 ・ 、_ ・.ダ 二 し_ ‥ .__ _ 、‥_ . . ._… …….4) 流 通 シ ろ テ ム 化 , 大 型 店 問 題 , 流 通 寡 占 化 問 題 と い う よ う に 推 移 し て き た 。1 ・ メ ・ い本 研 究 で は こ れ ら の 課 題 の う ち , 有 効 競 争 の 側 面 に と り わ け 流 通 寡 占 化 にySr. ・ 。関 す る領域を 採 り上げ てい る。 競争 政策 に関 連し て と りわけ重要 でめる法 律 は 独占 禁止 法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)であ り, 独占 禁 止 法 と情 報 ネット ワーク・シ ステ ムと の関 わ りに関し て論述す る。 以下 で引 用す る条文 は, 公正取 引委員会 事務局 編 『 独占 禁止 法関 係法令集 (昭和61年 版)』(財)公正取 引協会に よる。 尚, 独占 禁止 法 の所轄 官庁は公 正取 引委員会 であ り, 公正取 引委員会 の活動を採 り上げ て研 究を進 め る。 独占禁止法 の第1 条 に は, この法律 の 目的 が明示 され てい る。 ニ 「 この法 律は, 私的独占, 不当 な取 引制限及 び 不公正 な取引方 法を禁 止し, 事 業 支配力 の過度 の集中を 防止し て, 結合, 協 定等 の方法に よる生産, 販 売 , 価 格, 技 術等 の不当 な制限そ の他一 切 の事業 活動 の不当な拘 束を 排除 す る ことに より, 公正且つ 自由な 競争を 促進し , 事業 者の創意を 発揮 させ, 事業 活動を 盛 んにし, 雇 用及 び国民 実所 得 の水 準を 高め, 以て, 一 般消費 者 の利 益を 確保す るとと もに, 国民 経済 の民主 的 で健全 な発 達を 促進す る こ とを 目的 とす る 。」 ノ 独 占禁 止 法で規制をお こな ってい る内容 は大 別す ると次 の3 つ とな り, 情 報 ネ ット ワー ク・シ ステ ムの視 点から の研究 もこれら の3 つ の側面から検討 す る。 ① 私的 独占 の禁止 十 ② 不 当な取 引制限 の禁止 ③ 不公 正な取 引方法 の禁止 (2) 私的独占の禁止 第2 条5 項 で, 私的 独占を 次 のよ うに 定 めてい る。 「⑤ この法律にお い て私的 独占 とは, 事業 者が, 単 独に, 又は 他 の事業 者 と結合し , 若し くは通牒し , そ の他い かなる方 法を以 て す る か を 問 わ ず, 他 の事業者 の事業 活動を 排除しノ または 支 配する ことに より, 公共 の 利 益に反し て,一 定 の取引分 野におけ る競争を 実質的 に制 限す ることを い う。」 独 占禁 止 法 で禁止 す る「私的 独占 」 とは単 な る独占 の状態 をい うのでは な5 ) く, そ うし た 状態を 作 りだし た り, 維持 す る行為 であ る。 た とえば, 正当 な 競 争 で市場 に1 社し か残らな かった場 合, 経済学 上 は独占 であ るが独占禁止 法 上 は これを 私的 独占 とし て禁 止はし てい ない。 い かな る方 式 であ れ, 他 の
情報ネットワーク・システムと競争阻害77 事 業 者に 対 し て競 争 が で き な くな る よ う な 圧 力 を かけ た り 排m , 支 配 の 意 思 は な くと もト ラス ト や コ ン ツ ェル ン に 代 表 さ れ る よ うに , 外 形 上 で1 つ の6) 意 思 に 従 わざ るを 得 な い 関 係 を 禁 止 し て い る。(3) 不当な取引制限の禁止 第2 条6 項 で は 不 当 な 取 引 制 限 を 次 の よう に 定 め てい る。 「⑥ こ の 法 律 に お い て 不 当 な 取 引 制 限 とは , 事 業者 が 契 約, 協 定 そ の 他 何 等 か の名 義 を 以 てす る かを 問 わ ず, 他 の 事業 者 と共 同 し て対 価を 決 定し , 維 持し , 若し くは 引 き 上 げ , 又 は 数 量 , 技 術 , 製 品 , 設 備, 若し くは 取 引 の 相 手 方 を 制 限 す る な ど 相 互 に そ の 事 業 活 動 を 拘 束 し , ま たは 遂 行 す る こ と に よ り, 公共 の利 益 に反 し て, 一 定 の 取 引 分 野 に お け る競 争 を 実 質 的 に 制 限 す る こ とを い う」。 い わ ゆ る カ ル テル が そ の典 型 であ る。 不 当 な 取 引 制 限 は , 行為 者間に な んら かの意思 の連 絡が 存す る こと力^^要 件と され忍。 (4) 不公正な取引方法の禁止 不公正な取 引方 法は, 第2 条9 項 で 次 のよ うに定 めら れている。 「⑨ この法律にお い て不 公正 な取 引方 法 とは,左 の各 号の一 に該当 する 行 為 であ っ て, 公正な競争を 阻 害す るお それ のあ るもの の うち,公 正取 引委 員 会が指定す る ものを い う」。 上 記 の各 号とあ る の は, 下 記のー) ∼六) で あ る。そし て,一) ∼六) の具 体的 な 行為 とし て16 の行為 の煩型が一 般指定8 ) で定 めら れてい る。 − )不当 に他 の事業 者を差 別的 に取 り扱 うこ と 一般指定 の1 共 同 の取引拒 絶 一般指 定 の2 そ の他 の取引 拒絶 一般 指定 の3 不 当な 差別対 価 一般 指定 の4 取 引条 件の差 別的 取扱 い 一 般指定 の5 事業 者 団体 にお け る差別 的取扱い 等 二)不,当 な対価を もっ て取引す るこ と 一般 指定 の6 不 当廉 売 一般指定 の7 不当 高 価購入 レ三 )不当 に競争 者の 顧客 を 自己 と取 引きす る よ うに 誘 引し, 又は強 制す る こ と 一般指定 の8 ぎ まん的 顧 客誘 引
一 般指 定 の9 不当 な利 益に よる顧客 誘引 ¬ 般指定 の10ト 抱 合せ販売等 四)相手 方 の事業 活動を不当に拘 束す る条件 を もっ て取 引す る こと 一 般指定 の11 不当 な排他条 件 付取 引 一 般 指定 の12 再販売価 格の拘 束 一 般指 定 の13 不当 な拘 束条 件付取 引 五)\自己 の取 引上 の地 位を 不当に利 用し て相手 方 と取 引す るこ と 一 般指定 の14 ①継続し て取 り引 きす る相手方 に対し て, 当該取引に 関わ る商品 または役務以外 の商品 または役 務を 購入さ せ ること ②継続し て取 り引 きす る相手方 に対 し て, 自己 のため に 金銭, 役務そ の他 の経 済上 の利 益を 提供 させ ること ③相手方に不利 益 とな るよ うに取 引条 件を 設 定し , ま たは変 更す ること ④前三 号に該 当す る行為 のほ か, 取 引 の条文 または実 丿 施につい て相手方に不利 益をあ た え るこ と 尚 犬 … ………, ⑤取引 の相手方 である会社に 対し て, 当 該会社 の役員 … …の選任につい てあら かじ め 自己 の 指示に 従 わせ, また は 自己 の承認を受け させ るこ と 六) 自己又は 自己が 株主若し くは 役員であ る会社 と国 内におい て競争関係 にあ る他 の事業 者 とそ の取引 の相手方と の取 引を不 当 に妨害し , 又は当 該事業 者が 会社 であ る場合におい て, そ の会社 の株主若し くは 役員を 会 社 の不利 益 と なる行為を する よ うに, 不当に 誘引し , そ そ のかし , 若し くは強制 す るこ と。 十 レ 一 般指定 の15 ……競争 事業 者に対 す る取引妨 害 っ 一 般指定 の16 競争 会社に対 する内部干渉 づ 従 来, 独占禁 止 法は主 とし て製造分野に対し て適 用さ れ てきた が, 昭和52 年 の独 占禁止 法 の改正 以降, 次第に流通 分野にお け る重 点運 用が 明確 化し つ9 ) ニ づ あ るこ とが 指摘 さ れる。 以 下, 流通 の分野に 限 って公 正取 引委員 会 の活動 を 時系 列的 に見 よ う。
。情報ネットワーク・システムと競争阻害792 公 正 取 引 委 員 会 の 見 解 ニ(1 ) 昭和49年から60 年までの公正取引委員会の活動 昭 和49 年 か ら60 年 ま で の流 通 部 門 に お け る公 正 取 引 委 員 会 の諸 活 動 に 関し10 ) て の活 動 を 時 系 列 的 に 振 り返 っ て み る。49 年9 月 石 鹸 ・洗 剤 な ど を 再 販 価 格 維 持 の 指 定 か ら は ず す50 年6 月 ホ リデ イ・ マジ ッ ク社 に マ ル チ 商 法 の 中 止 を 勧 告51 年10 月 景 品 付 き 販 売 の 許 容 限 度 の 規 制 強 化 に 乗 り出 す 52年53 年53 年53 年53 年53 年54 年55 年55 年56 年56 年56 年56 年57 年57 年57 年57 年57 年 57年58 年58 年58 年58 年 7 月 公正取 引委員 会発足30 年1 月 ス ーパーの協賛金 の実 態 調査に乗 り出す 2 月7 月9 月11 月3 月3 月3 月7 月9 月10 月11 月1 月4 月5 月6 月7 月 10 月4 月6 月7 月9 月 繊 維流通業 界 の不 明朗 な商 慣習 の是 正を 要求 流通 ・サ ービ ス業 への独 占禁 止 法適用政 策の強化を 打ち出す 第二次 独禁 研を 設 置. 流通 系列 化 の理論 研究を 開始 納入業 者 への押し 付け 販売 の朧 い で三 越を 強制立ち 入り検 査 大手レ コード会社8 社を 独 占禁 止法違反 容 疑で立ち 入り検 査 ○ 独禁研『 流通系列 化 に関す る独占禁止 法上 の取扱 』を報告 量 販店 の物 流費問屋 負担 の実 態 調査を 開始 流通業 の買 収 ・合 併 の審査基 準を 決定 不 当な協賛金 な どを 拒 否で きるカル テノ1や結成 の指 針を 提示 大型店 の バイン グ .パ ワーの調査 に乗 り出す 大手 小売業17 社 に不 公 正取 引 の改善を警 告FC 加盟店 の実態 調査を 開始 大手 ス ーパーの押し 付 け販売 ・協賛 金強要 の禁止を 明示 「お とり広 告に 関す る表示 」を 指 定 不公正 な取 引方 法 の一 般 指定を 全面 的に 改正Jg-SR. 店24 社に対し て, 押し 付け 販売 ・協 賛金の独占 禁止法違 反 の基 準を示 す バ イン グ. パ プー実態 調査 結果を 発表 任天堂 の ヤミ再 販 の排 除勧告 小 林コ ーセ ーに排 除 勧告 百貨 店, ス ーパーを 下 請けいじ め で調査 / 繊維 関係50 団体 に取 引公 正化を 要 望 ‥
59年4 月 ○『 企 業間 デ ータ通信シ ステ ムに 関す る調査 結果 』を 発 表59 年7 月POS は系 列化助 長と実 態調査で 指摘59 年lO 月 「寡 占産業, 先端 産業 等 の実態 と競争政 策」を 発表60 年4 月O 「新し い 情報 通信と独占禁止政策」 を 発表(鶴田レ ポート) これら の活動 は公 疋取 引委員会 の数多 くの活動 の うち の一 部 であ る。 し か し な がら , こ れら の活動 から 流通 部門におけ る公正取 引 委員 会 の情報 ネット ワータに 関す る活動 の傾向を かい ま見る ことができ る。 ここに 提示し た活動 の全 てが 情報 ネ ット ワ ークと直接的 に関係し てい るとは 思 われ ないが, ここ に 出てきた, 協賛金 ・押し 付け 販売 ・ヤ ミ再販・費用 の 転嫁 な どは, 高度な 情報 ネット ワー ク・・シ ス テ ムが構 築され れば, コンピ ュ ータ の中 で一 瞬 の内 に 実行 されてし ま う可 能性 もあ る。 そ うし た意 味で, 情報 ネ ット ワー クとは 直接に 関係し てい ない よ うな も ので も, 実は大 きな関係 かお る こ ともあ る。 なお, 上記 の表 の中 で○ の付い てい る活動に関し では以 下にそ の概要を 記す。 (2) 昭和55年(流通系列化) 昭和55 年3 月 に 第2 次独占 禁止法研究会は, 『 流通 系 列化に 関す る独占禁 止 法 上 の 取 扱 』 を 報 告 し た 。 こ れ は あ く ま で も 公 正 取 引 委 員 会 の 内 部 の 事 務 処 理 上 の ガ イ ド ラ イ ン で あ り , こ の と お り に 運 用 さ れ る わ け で は な い 。 し か し な 力'^ら , こ の 事 務 処 理 上 の ガ イ ド ラ イ ン が 公 正 取 引 委 員 会 の 考 え て い る 方 向 の 一 端 を 示 す も の と も 考 え ら れ る 。 こ れ ま で , 公 正 取 引 委 員 会 は , 業 種 , 業 態 , 地 域 , と い っ た 分 類 の も と に , 個 別 企 業 , 業 界 団 体 と い う 単 位 で 独 占 禁 止 法 の 適 用 を お こ な っ て き た 。 こ れ に 対 し て , 今 回 は メ ー カ ー ∼ 卸 ∼ 小 売 と い っ た 流 通 経 路 全 体 を 採 り 上 げ た 。 こ の 報 告 書 の 最 初 の 部 分 で , 「 流 通 系 列 化 」 の イ メ ー ジ を 次 の よ う に 言 っ て い る 。 「(1) 流 通 系 列 化 と は , 製 造 業 者(注1 )が 自 己 の 商 品 の 販 売(注2 )に つ い て , 販 売 業 者 注3 )め 協 力 を 確 保 し , そ の 販 売 に 付 い て 自 己 の 政 策 が 実 現 で き る よ う 販 売 業 者 を 掌 握 し , 組 織 化 す る 一 巡 の 行 為 を 意 味 す る 。 製 造 業 者 が , こ う し た 一 連 の 行 為 に よ っ て , 自 己 の 商 品 を 最 終 需 要 者 に 到 達 さ せ る ま で の 過 程 ( 流 通 経 路 ) を 一 つ の シ ス テ ム と し て 構 築 し よ う と す る こ と を 流 通 系 列 化 と 呼 ぶ こ と も で き る 。 し (注1 ) 「製 造 業者」 とit..流 通系 列化 の主 体 となる ものを総 称す る。 卸売業 者が 該当 す る 場 合に は, そ れを 含む。
情報 ネット ワ ― ク ーシ ステ ムと競争阻 害81 注2 ) 流通系 列化 の対 象 となる 取引をいい , 必ずし も「 商品」 に 限定 され る もので はなく, 「 役務」 の場 合 も有 り得る。 (注3 ) 「 販売 業 者」 と は, 流 通系 列化 の客体 となる卸・小売 業 者をい う。 (2) 製 造 業 者 が 流 通 系 列 化 の た め に 用 い る 具 体 的 行 為 と し て は , 販 売 業 者 の 販 売 価 格 の 決 定 ・ 維 持 , 販 売 業 者 の 取 引 先 ま た は 販 売 地 域 の 指 定 ・ 限 定 等 様 々 で あ る 。 ま た , こ の 場 合 , 製 造 業 者 が 販 売 業 者 に 対 し て , 資 本 参 加 , 役 員 派 遣 等 を 行 っ て い る こ と も 少 な く な い 。」 流 通 系 列 化 自 体 に は 多 く の メ リ ッ ト ・ デ メ リ ッ ト が 考 え ら れ る が , そ れ ら ‥ ‥12 ) ‥ ‥ は 独占禁止 法上 の規制 に直 接に関 連性を 持つ ものではない。 また, 流通系列 13) 化 そ れ 自 体 に 対 し て は , 独 占 禁 止 法 は 価 値 中 立 で あ る と 考 え ら れ る 。 本報告書は,第1 部総論,第2 部各論,第3 部まとめ,及びあ とがきと,4 つに分かれてい るが, 第2 部では,次に挙げる8 つの具体的な公正競争阻 害の類型を示し ている6 ① ② ③ 再 販売価 格維 持行 為……そ れ自体違 法であ る。 一 店一 帳合 制… …そ の行為 の外形 から, 原則 とし て違 法 と判 断され る。 テ リト リー制 …… 伊aえ ば, クロ ーズド・ テリトi; ー制 は, そ の行為 の 外形から原則とし て違法と判断される。オープン・テリト リー制やロケ ーション制も当該事業者が大きい場合などは公正競争阻害性が強い場合 があるといえ る。 ④ 専売店制……次の場合は原則とし て違法となる。 ・併売店を専売店に切り替えさせ, 競争業者を排除する ・有力 な製造業者が流通経路の重要な部分を専売化し, 競争業者にとっ て閉鎖的状態を 生じ させる。 ⑤ 店会制……ケースバ イケースで一概には論ぜられない ⑥ 委託販売制……再販と同様に違反になる場合もあ る ⑦ 払込制……その行為の外形から,原則とし て違法 と判断される6 ⑧ リベ ート……一概に公正競争を阻害するとは判断できない。個 々に判 断されることになる。 これら の8 つの類型は,あくまでも1 つり 例であり, 独占禁止法の適用は 14) 個 々 の 具 体 的 な 行 為 ご と に 検 討 す べ き で あ る と 考 え ら れ る 。 (3) 昭和59年(情報化と競争秩序) ダ 昭和59年5 月に公正取引委員会は『 情報化の進展が競争秩序に与える影響
15) に 関す る調査 』を 発表し た。 こ の調 査 では企業 間 の情報ネ ット ワー ク・シ ス テ ムの実態 を調べ ると共に, 独占禁 止 法で間題 にな りそ うな ポ イント の調査16 ) も行 ってい る。 し こ の調査を ふ まえて, 公 正取 引委員会 は 情報 ネット ワー ク・シ ステ ムに関17 ) し ,基 本的 には次 の様に 考え てい るこ とを 明ら かにし た。 「企業 間におけ るデ ータ通 信シ ステ ムの発 展は, 事業 活動 の効率化, 事務 処理 コ スト の低下が図ら れ, 新たな 情報 の迅 速な利用 が可 能に なるこ とに よっ て, 企業 の競争 力を 強 め ると ともに, 新し い サ ービ スの提供が 可能に なるな ど, 既存 の同業 者間 のみ ならず, 異業 種間 の競争を 活 発化さ鶯 る も の と考えら れる。 このためレ デ ータ通 信の発展を 一 層促進 させ る必要 があ るが, 他方, 情 報 化 の進 展は, 競争政 策 の観点 から の弊害を 伴 うこと も予 想さ れるので, こ れの除去 及び防止に 配慮し , い わば 情報化 の適正 な推進を 図 ることが 肝 要 であ る 。」 こ の基 本的 な見 解に 見ら れる よ うに, 公 正取 引委員会 は, 情 報ネ ット ワ ー ク・シ ス テ ムは「企業 の競争力を 強め るも のであ り, さらに企業 間 の競争を 活発 化 させ るもの」と考え てい る。し かし そ の反面, 市場にお い て競争制限 的 な行為 が生じ る事がない よ う, 独占 禁止 法 の観点から 監視し てゆ くこと が 必 要 と考え てい る。18 ) 監視 の項 目は次の よ うな ものであ る○・ ○ デ ータ通 信産業 の競争 基 盤の整 備 とし ては ア。 通信 回線 サ ーjビ ス部門 へ の民 間 の参 入に よる競争 の実現 イ。 通 信回線利用 の効率 化に よるデゞ タ通 信サ ービ 不 の高度化,多 様化 ウ。 異機 種, 異シ ステ ム間 の接 続 の円滑 化 に よる利用 の拡大 こ・。 合理的 で利 用し や すい 料金 体系 の設 定 オ。 民 間り デ ー タ通信 事業 の発達 ○ 情報シ ステ ムを 企業が形 成 ・運用 す る面 で の警 告 とし て ア。 シ ステ ム構成 員の 自由 な事 業活 動 の制限 シ ステ ムへの加入・シ ステ ムから の脱 退 に対 する不当 な制限 同業 他社シ ステ ムの利 用 の制限 づ ‥ 取 引 の不 当 な拘 束 ‥ ‥つ
情報ネ-Vヽワーク・システムと競争阻害83 イ。 シ ス テ ム の共 同運 営 に 伴 う競 争 制 限 的 行 為 丿 し犬 特 定 企 業 め排 除 し 参 加 者 の 事業 活 動 の制 限 ウ。 系 列 化 の 進 行 ‥ (4) 昭和o 年(情報通信システム) こ の よ う な 基 本 的 な 考 え方 に も とづ き , 公 正 取 引 委 員 会 は 各 種 の実 態 調 査 を 行 づだ 。 そ の 結 果 の一 部は , 一 般 に 刊 行 さ れ て い る。 デ ー タ通 信 産 業 を 中 心 とし た 調 査 の 結 果 は 『 新 し い 情 報 通 信 と 独 占 禁 止 政 策 』 と い う本 七一 般 に19 ) 刊 行 さ れ た 。 こ の調 査 の 詳 細 な 内 容 に 関 し ては 不 明 であ る。 公 正 取 引 委員 会 の調 査 で あ る か ら , 先 に 述 べ た よ うな 独 占 禁 止 法 上 の・問 題 点 を 質 問 とし て設20 ) 定 し てい る は ず であ る。 し かし こ の 報 告 書 を 見 る 限 りそ の 様 な論 述 は 無 い。 (5) 昭和6i 年 (鶴田レ ポート) 以 上 の よ うに 実態 調 査 も行 い つ つ 公 正 取 引 委 員 会 では 引 き つ づ き研 究 を進 め た。 昭 和60 年 度 に は, 貿 易摩 擦 冲 外 国 会 社 に 対 す る 参 入 障 壁 問 題 を も含 め21) て, 流 通 産 業 研 究 所 に対 し て 委 託 研 究 を 出し た 。 こ の 成 果 を ふ まえ て,八 ヽわ22) ゆ る「 鶴 田 レ ポ ート 」 が 発 表 さ れ た 。 産 業 界 は こ のレ ポ ー ト を 公 正 取 引 委 員 会 の新し い ガ イド ラ イン であ る と受 け 取 っ た よ う であ る 。 こ の 鶴 田 レ ポ ート に お い て は , 前 記 の 「情 報 シ ス テ ムを 企 業 が 形 成 ・運 用 す る 面 で の 警 告 」 を 中 心 とし て , 更 に 具 体 的 な 説 明 を お こ た っ てい る。 ・。 ① 流 通 系 列 化 に つ い て ・ 小 売 店 が シ ス テ ム へ 自・由 に 参 加 で き る こ と \ 犬 一 シ ス テ ムか ら の脱 退 の 自 由が 不 当 に 阻 害 さ れ な い こ と △② 返 品 の 慣 行 に つ い て ・ 取 引 に 当 た り, 事 前 に 返 品 理 由, 限 度 , 等 に 関 す る 合 意が 当 事者 間 白 で, で き る だ け 明 確 に 行 わ れ る こ と コ ③ リ。ベ ー ト に つ い て 尚 尚 ・ 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク ・ シ ス テ ムを 推 進し て ゆ く う え で企 業 は 複 雑 な リ ベ ー ト 体 系 を 整 理 し 七ゆ かざ るを 得 な い 。 競 争 制 限 的 な 行 為 の 起 こ ら な い よ う√ 新 規 参 入 抑 制 効 果 が 発 生し な い よ うな 体 系 に す べ き であ る。 ‥ … …・ 又 , 優 越的 地 位 の 濫 用 が お こな わ れ な い よう に 注 意 す べ き であ る。
④ 景品規制 につ い て 情報 ネ ット ワー ク・シ ステ ムの関わ りについ ては 特に ふ れてい ない。 ⑤ 海外企業 に対 す る広 報 活動 の充 実につい て ・ 情報ネ ット ワー ク・シ ステ ムとの関わ りについ ては 特 にふ れてい なV^o ⑥ 情報ネット ワー ク・ シ ステ ム化につ いて 上 ・ 情報ネ ット ワー ク・シ ステ ム化は, 日本 の流 通部門 の効 率化 と競争 を 促進 する 効果を もつ も のと判断し ているが, ・ 競争政 策 上 の観点 から , 私的独占,不当 な取 引制 限, 不公 正 な取 引23) 方 法 の3 つ の点 に 関し て注 意を 喚起し てい る。 これら3 つ の点 に関す る指 摘は重 要であ り, 主要 な部分を 以下 に示 す。 犬「(ウ) 私的 独占 の可 能性 :情 報ネ ット ワー ク化に当 たっ て独 占的 ないし は寡 占的 な企業 が 独自のタ ステ ムを形成す る場合に は, 競争を 行 う前提 となる情 報の収集 に 優れ るとい う点て競争事業 者に比 べ て優位 に立つ と いえ るが, 情報 ネ ット ワー ク化そ の ものも一つ の競争 手段 とし て とら え るなら ば, 独占禁 止法 上 これを問 題視す ることは でき ない と思 わ れる。 し かし , 市場 におけ る 有力 な事業 者が情報 ネット ワー ク化 を通じ て情報 の利用面 におい て何 等 かの形 で排 他的 な行動を と ることに より, 他の事 業 者 の事業 活動を 排 除又 は支 配す る場合に は, 私的 独占 とな るお そ れも 生じ てくる可 能性が ない とは いえ ない。 し た がっ て, こ のよ うな問題を 未然に 防止す る観点 から は, 市場 にお け る有 力な 事業 者に よ り情報 ネット ワー ク化が行 われ るに当 た っては, 可能な限 りオ ープ ン なシ ステ ムとし て構 築されてい くこと が望 まし い と 考 えら れ る。 岡 不当 な取 引制 限 の可 能性:情 報ネ ット ワ ー クを 競争 関 係に あ る事 業 者が共 同し て運営 す る場合 に, シ ステ ムの在 り方な いし は 情報 の管 理 の在 り方にンよっ ては, これを 通じて各 社 の製品 の仕切 り価 格等に 関す る 情報を 交 換す る可 能性 も生ず るこ とが考えら れ る。 鮒 不 公正 な取 引方 法 の可能性a. 情報 ネ ット ワー クへの加入 に伴 う問 題 例え ば, メーカ ーが独 自に 情報ネ ット ワ ー ク化を 行 う場合 にあ っ ては,
情報ネットxyーク. システムと競争阻害85 メー カ ーが 取 引 先 に対 し て当 該 メ ー カ ー の 情 報 本 ッ ト ワ ー クに 加 入 す る こ とを 強 制し た り, 加 入 に 伴 い 過 重 な 負 担 を 課 す 行 為 は 不 当 な 拘 束 条 件 付取 引 , 優 越 的 地 位 の 濫 用 等 の 問 題 と な る お そ れが あ るし , 加 入し な か っ た 者 に 対 し 不 利 な 取 扱 を す る よ うな 場 合 に は 取 引 条 件 等 の差 別 的 取 り 扱 い 等 の 問 題 と な るお そ れ が あ る。b. 情 報 の 収 集 に 伴 う問 題 十 メ ーカ ー等 が 自 己 の 情 報 ネ ッ ト ワ ー クに 参 加し た 取 引 先 に 対 し 提 供 を 望 まな い 情 報 の提 供 を 強 要 し た り√ 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク化 の必 要 性 の範 囲 を 越 え て, 情 報 提 供 を 強 要 す る こ とは , 上 記a と 同 様 の問 題 を 生 じ さ せ るお そ れ が あ る。c. 他 へ の 情 報 提 供 に 伴 う問 題 各 メー カ ー, 卸 , 小 売 が そ れ ぞ れ , 又 は 共 同し て 情 報 ネ ッ ト ワ ー ク化 を 進 め た 場 合, 様 々 な 情 報 が こ れ ら3 者 の 間 を 流 れ る こ とに な る が , こ れ に 伴い , 事 業 者 が 取 引 先 に 対 し て, 当 該 事 業 者 の 商 品 に 関 す る 情 報を 他 へ 提 供 す る こ とを 禁 じ る こ とが 考 え ら れ る が , 情 報 の 他 へ の提 供 禁 止 を 独 占 禁 止 法 上 ど の よ うに 扱 うか に つ い ては , そ の 情 報 の中 身 毎 に そO 不 当 怖 か 吟 晩 寸 芒)諾 夢 が あ る 戸考 身ら 九 ろr \l ¬│−wI'│' /'z- /3'・ ゛/wwy ゛w〃・「' =vd . 収 集し た 情 報 の利 用 に 伴 う問 題 メ ー カ ー等 が 取 引 先 の 販 売 価 格 情 報 を 情 報 ネ ット ワ ー クを 通 じ て 収 集 す る場 合 に お い て は , そ の 情 報 収 集 は よ り迅 速 化 , 効 率 化し , 更 に 情 報 の精 度 が 増 す こ と に な る こ と か ら √ そ の利 用 方 法 に よ っ て は , メ ー カ ー 等 は そ の 価 格 政 策 を 末 端 ま で 浸 透し や す く な り, 従 来 以 上 に , 取 引 先 の 販売 価 格 の 自 由 な 決 定 を 拘 束 す る よ うな 場 合 が 生 じ るお そ れ が あ る。( カ) 情 報 ネ ッ ト ワ ー タ化 を 媒 介 と す る 流 通 系 列 化 , グル ー プ化 の 可 能 性 情 報 ネ ヅト ワ ー ク化 が メ ー カ ー独 自 のシ ス テ ム とし て進 め ら れ る よ うな 場 合 は , 流 通 系 列 化 を 強 化 す る可 能 性 が あ る。 また , 特 定 の情 報 ネ ッ ト17 ー クに 参 加 し た 企 業 に よっ て 新 た な 企 業 集 団 的 な も のが 形 成 さ れ , 今 後 , こ の 集 団 内 の 競 争 が 滅 殺 さ れ , 企業 集 団 間 の 競 争 に 移 行 す る可 能 性 が あ る 。」(6) 問題 の所在 これ ま で 公 正 取 引 委 員 会 の 流 通 に 対 し て 発 言 し て き た 内 容 を サ ーベ イし
てきた。全体的な流れとしては,概略次の様に言えるであろ う。 まず昭和53 年に公正取引委員会は流通分野に対し て重点的に独占禁止法を適用する 意思のあ ることを表 明し たのである。そし て,その後は次のような経過を たどった。 ① 昭和55年時点では, 流通系列化問題を中心とし て独占禁止法の条文を そ のまま流通に適用し 規制を行お うとした。 ② 昭和59年時点では,流通系列化の最大の手段ぱ情報シ ステムであるこ とを認識し,情報システ ムが競争制限的に機能し ない よう警告を発し た。 ③ 昭和60年時点では, 情報システムに関する実態調査をふ まえて,さら に強い警告を出そ うとし たものの,そ の段階では独占禁止法から見て具体的 な競争制限的な事実を発見することが出来なかった ようである。 ④ 昭和61年時点では,流通の分野に独占禁止法を直接的に適用すること は,条文解釈上はできても解決すべき多くの問題かおることを認識し,警告を 行 うのは一時中止し たようである。その代り,今後企業 が採るべき方向を提 案した。そ の提案の中でも,企業間の情報ネットワーク・シ ステムに関し て は,今後 とも検討すべき間題点が多 々あることを強調し てい る。 3 米国に おけ る競争 維持政策 ノ(1) 米国の反トラスト法 日本の独占禁 止 法は 米国 の反ト ラスト 法体系を 見 本とし て作 られ たため, 基 本的には 米 国のそ れ と似た内容 となってい る。 そ うし た意 味 で,米 国の流 通業 界におけ る競争 維持政策を みることは大 きな参 考 とな るだ ろ う。 米 国では競争 維 持政策 は経済 政策 の大 きな柱 であ り, そ の基 礎 どなってい る のが,シ ャー マン 法, クレ イトン 法, 連邦取 引委員会(FTC) 法 の3 法を 基 本 とし た反ト ラ スト 法体系 であ る。 この反 ト ラスト 法体 系 の中 で, 主 とし て24) つ ぎ のよ うな点を 違 法 とし てい る。 ‥ ・シ ャーマン 法 第1 条… …数州間 または外 国 との間 の取 引及 び通商を 制限 す る全 て の契 約, 結合又は共 謀は違法 とす る。 ・シ ャーマン法 第2 条……数 州間 または外国 と の聞の 取 引を 独 占し ,独占 を 企図し , または 独占 のために共 謀す ることは違 法 とする。 ‥・ クレ イト ン 法 第2 条… …差別価 格 の禁止 丿
情報 ネット ワー ク・ シ ステ ムと競 争阻 害87 ・ クレ イ ト ン 法 第3 条 … … 拶P他 的 取 引 契 約 の 禁 止 し ・ ク レ イ ト ン 法 第7 条 … … 合 併 の 制 限 犬 ・ クレ イ ト ン 法 第8 条 … … 役 員 の 兼 任 の 制 限 ‥ \ ・FTC 法 第5 条 … … 不 公 正 な 競 争 方 法 な ら び に 不 公 正 ま た は ぎ ま ん 的 な 行 為 , 慣 行 め 禁 止 \ (2 ) 反 ト ラ ス ト 法 の 適 用 事 例 米 国 に お け る 情 報 化 と 反 ト ラ ス ト 法 と の 関 係 に お い て , こ れ ま で に い く つ か の 事 件 が 発 生 し た 。 こ こ で は , そ れ ら の 数 少 な い ヶ − ス を 取 り 上 げ て , そ の 意 味 す る も の を 検 討 し て み る 。 ■ ■ ■ ■ ■ ① 金 融 の 分 野 ‥ も っ と も 注 目 を 浴 び て い る の が 金 融 分 野 に お け るEFT (ElectronicFunds 25)Transfer: 電 子 資 金 決 済 ) で あ る ‰ こ の 分 野 に お け る 問 題 点 は 金 融 機 関 間 の 合 弁 事 業 が 反 ト ラ ス ト 法 上 ど う 取 り 扱 わ れ る か と い う こ と で あ ろ う 。 一 般 的26 ) な 合 弁 事 業 に 対 し て 独 禁 当 局 は 次 の よ う に 考 え て い る 。 ・ 合 弁 事 業 を 行 う こ と 自 体 が 競 争 を 不 当 に 制 限 し な い か ・ 合 弁 事 業 そ れ 自 体 は 問 題 な い と し て 乱 合 弁 事 業 に 参 加 し て い る 企 業 間 で ヽ什 随 的 にfc ヌ ふ か の 競 蕩 制 限 的 か 塑 約 か 咎 。、で い 、fr い 飛
ミI-J 心 戸- ゛- ㎝- ミ/'-^ ―/to-Li4iHJi・*"*・-*¥ ’− />*.'r-^に-i・/ ∼- ・ふ ’#
・ そ の 合 弁 事 業 が 全 て の 事 業 者 に 対 し て 合 理 的 か つ 無 差 別 な 条 件 で 参 加O 機 会 が 与 え ら れ る べ き あ い 路 独 占 (BOTTLENECKMONOPOLY ) あ る い は 必 要 不 可 欠 な 施 設 (ESSENTIALFACILITY ) に 該 当 し な い か 27) ② そ の 他 ’旅 行 代 理 店 が 導 入 し て い る 予 約 シ ス テ ム , た と え ばTWA の シ ス テ ム で は,TWA の フ ラ イ ト 情 報 が 優 先 的 に 表 示 さ れ る よ う に な っ て い る 。 こ れ は 中 小 の 航 空 会 社 と の 規 模 の 較 差 を 増 大 さ せ る の で 問 題 有 り と の 指 摘 が な さI ・ | 。 。。● れ て い る 。 取 引 デ ー タ の 提 供 シ ス テ ム に お い て は , 会 員 の 資 格 制 限 を 行 わ な い, →l 青 報 の 提 供 だ け に 限 定 す る , 売 買 は 当 事 者 の 自 由 と す る , 取 引 価 格 に 関 す る 情 報 は 集 め な い , と い っ た 条 件 を 満 た せ ば 違 法 に は な ら な い 。 メ ー カ ー と デ ィ ー ラ ー と の 間 の 垂 直 的 な 販 売 情 報 管 理 シ ス テ ム は 流 通 の 効 率 化 を 促 進 す る も の と し て 考 え ら れ , 反 ト ラ ス ト 法 違 反 に な る と は 当 局 も 考 え て い な い 。
(3) 垂直的制限ガイドライン メーカ ーに とって重 要な のは, メーカ ーに よる垂 直的 制限 が どの よ うに 規 制 され る かであろ う。 垂 直的 制 限に は, 専売制↓ 抱 合せ 販売, 再販 売価 格維 持, テ リト リー制, ロ ケーシ ョン制, 利 益譲渡制, 顧客制 限な どが あ る。 再 販 売価 格維持 を除 く非 価格的 制 限に 関し ては,1977 年 のシル ペ ニア 判決以 後。28 ) 当 然違法 (perseillegal)では な くな った。 さらに,1985 年1 月23 日, 米国 司法 省は,( 垂 直的 制 限 ガ イ ド ラ イ ン29)(VRG )」を 発表し た。 この ガ イド ラ インは 企業間 の統合 化の強化(流通系列化) は , 合理化 ・効率化に貢 献し 消費 者利益 の面 から大 きな利益 があ るこ とを 認 め た。 そし て, 参入制 限や 独占 の弊害 さえ 無け れ ばこれを容 認す ると の考え を打 ち 出し た。 従って, 再 販売価 格維持 行為以 外 の, 顧客制限, テ リト リー 制 な どの垂 直的制 限につ いて, 積 極的に 規制を 行 うとい うこ とは殆 どない と 考え られ る。 この ように 米国 では 行政 に よる規制は ここ数年 大 幅に緩和し て い る ようであ る。 し かし ながら √ 行政 の特 色は そ の方 針が振 子の ように 右に 振 れた り左 に振れ た りす る ことであ り, 今後 と も規制 の緩和が 永久的に 続 く こ とはない であろ う。 日本と米 国 の流通を 比較 す るに当 た って 注意す べ きことは, 日本 と米 国で30 ) は 流 通の構 造が かな り異 なる とい うこ とであ る。 垂直的 とい うことは, メー カー∼卸∼ 小売 の間 の系列 化を 意 味す るが, 日本の場合は, 販売 額の面 で, 卸/ 小売 の比率(W /R 比率)はお おむ ね3.98 (1976年)であ るのに対しt: ,米 国 のそ れはお おむ ね1.75(1977年)であ る ことから理 解で きる よう に, 米国 で は卸売業 はそ れほ ど大 きな ウェ イトを 持 ってい ない の であ る。 1) ロバート 。バーテルズ『マーケティ ン グ理論』(RobertBartels,MarketingTheoryandMet αtheory,A.M.A. )昭和51年,嵯峨野書院,281 頁。 幻 旬 田島義博編著『流通の ダイナ ミクス』 誠文堂新光社,昭和59年,196-243 頁。 久保村隆祐「流通政策」(久 保村隆祐 ・荒川祐吉編『商業学』有斐閣, 昭 和58 年(9 刷))511-534頁 。 4 ) 田村正紀「流通シス テ ム論」(田村正紀編『 日本流通研究の展望』千倉書房, 昭和59 年)38 頁。5 ) 笹井昭夫r 独占禁 止法 概説〈改訂版〉』中央経済社,昭和59年,48 頁。6 ) 『 同書』52 頁。
情 報 ネット ワー ク ■システ ムと競争阻 害897 ) 『 同 書 』61 頁 。8 ) 同 書 』67-124 頁 。9 ) 田 島 『 前 掲 書 』207 頁 。10 ) 『 流 通 シ ス テ ム情 報 ガ イ ド ブ ッ ク』 流 通 シ ス テ ム 開 発 セ ン タ ー, 昭 和60 年3 月 を 基 本 とし , そ の 他 の 情 報 を 加 え て 作 成 し た 。11 ) 報 告 書 は , 以 下 の 文 献 の 中 に も 掲 載 さ れ て い る 。 十 野 田 実 『 流 通 系 列 化 と 独 占 禁 止 法 』 大 蔵 省 印 刷 局,1980 年 。 三 輪 芳 朗 『 独 禁 法 の 経 済 学 』 日 本 経 済 新 聞 社 , 昭 和57 年 。 12) 三輪芳朗『同書』223頁。13 ) 『 同書』224頁。14 ) 『同書』226頁。15 ) 公正取引委員会事務局『情報化の進展が競争秩序に 与 え る 影響に関する調 査 一 企業 間デ ータ通信シ ステ ムを中心とし てー 』昭和59 年5 月。16 ) 『伺 書』57-63頁。 こ の中で, 実態調査の結果とし ては次の よう な点 が注目でき る。 ① 「自社シ ステ ム構成員の他社シ ステ ムへ の参加に問題あり」 とし た企業は44% ニ ② 「端末機の共同使用を認めない」 と考えてい る企業 は24 % ③ 「系列化, グル ープ化 の進展があ る」 と考えている企業は53 %17 ) 『 同書』70 頁。18 ) 『同書』71-72頁。19 ) 公正取引委員会事務局経済部調査課編『新しい情報通信 と独占禁止政策』ぎ ょ うせい,昭和60 年8 月。20 ) そ のなかでい くつかの, 重要な点を ここに示し ておこ う。 ① 実態調査 の結果に ょれば, 公正取引 委員会が最 も重 視し てい る「系列化」 に関し ては,「それがかな り問題 となる」 と回答し た 割合は, 情報産業 企業 で,7.1 ‰ 一般企業 で,7.4% と, 一部でし かない(『同書j38-39 頁』。 ② 企業 間デ ータ通信シ ステムが企業間競争に与える影 響でぱ,「 グループ化 ・系 列化の進展」を 挙げ てい るのは53 %にのぼ ってい る。し かし なから,同 時に「競争手段 の増加に よる企業 間競争 の活発 化」は92 ‰ 「 他分野への進 出・参入に よる競争活発化」は50 %となってい る。 すくな くと 乱 回答を寄 せた企業は, 公正取引委員会 が心 配し ているよう な状況が発生し, そ れが社 会的 な問題 とな るとは考えていない よ うである(『同書』95 頁)。21 ) 『 流通構造・取引形態 の国際 比較 と競争政策に関する調査』流通産業研 究所, 昭和61年3 月。22 ) 流通構造・取引形態 の国際比較 と競争政策』流通系 列化国際比較研究会,昭 和61年4 月。23 ) 『同書』31-33頁。
う4522 う りtoi>CSICM 田島義博 ・宮下正房編『 流通の国際比較』有斐閣, 昭和&o 年5 月,147-179 頁。 通商産業 省・産業政策局編『企業情報ネットワ ーク』=r ンピュ ータ・エ ージ社, 昭和60年,56-57 頁。 二こでぱ次の事例が採り上げられている。 ○ ロッキーマウンテン事件, カリフ ォル ニア協会事件…… 自動資金決済機関 から貯蓄機関を排除し た。 加盟を認めることに より解決し た (1977年)。 ○ ネブ ラスカEFT シ ステム‥…・1977年に ネブ ラスカ州銀行協会から, 各銀 行 のATM-y 不テ ムの相 互接続を行うためのジ ョ イント・ベ ンチ ャーの設立に つい て事前相談が行われた。 これに対し 司法省は, ・各 銀行の独自のシ ステムが存在する余地 が残されてい る ・州内のすべての商業銀行が参加でき る な どの望 ましい側面を持ってい る6 しかし ・州内の銀行66 %も参加する ・規模の経済性,ジョ イント・ベンチ ャーの必要性 が認めら れない ・各銀 行のシ ステムは,ジョ イント・ベンチ ャーの政策に 従うことが義務付 け られている な どの反競争的 側面を持ってい る。 前者が後者を上回 ってい るとは言えない ので, その設立 ・運営に対し ては訴訟をしない とは言えない と回答し た。(解 説 の部分は六波羅 昭「情報化 の進展と競争政 策の課題」『ジ ュリ ス ト増刊 号』昭和59 年9 月,216-217 頁 より引用加筆し た) 犬 ○ ハ ートフ ォ―ド・ナシ ョナル銀行……ATM の単独設置 ○ フ ァイナソシ ャル・ イン ターチェンジ……ATM シ ステ ムの共同利用。… ’…1983 年にT 州のあ る貯蓄貸し 付け 組合(M とい うATM 共同シ ステムに既に 加 入し てい る)が, 別のP とい うATM 共同シ ステ ムに 参加することについ て 事前 相談 が行われた。司法省は,p と接続す ることに よる消費者利益の増加は,P とM と の間の競争制限 効果を上回 るとい う考え から, 現状では訴訟を提起し ない 旨の回答を 行った。(解説の部分は 六波 羅「同論文」217 頁 より引用した) 『同書』54 頁。 ニ 『同書』57-58頁。 情報ネットr; ーク・ツ ステ ムを促進す る立場の通商産業 省の報告書懲あ り, 独 占禁止法違反 とはならないことを 強調し てい る。 28) 田島義博 「法 律とアニケテ ィン グ」(田内幸一 ・村 田昭 治編『現 代マーケ テ ィ し/グの基 礎論』同文 舘,昭和59年(第8 版))106-107 頁。 +29 ) 野木村忠那 「欧米諸国にお ける流通系列化 規制 の 動 向」『流通情報』流通経済 研究所,1986 年2 月,2-9 頁。 ヶ ノ30 ) 田島・宮下 編『前掲書』109-146 頁。
情報 ネ ヅト ワー ク・シ ステ ムと競 争阻 害91
第 皿部
マ ーケテ ィン グの 視点 から の 検討
第T 部では,公正取引委員会の見解を時系列的にサーベイし た。 これらO 見解に対し て, 流通や マーケテ ィン グの分野から反論が行われている。 ここ では,それらの反論の内容の整理を行 ‰ 1 流通への独 占 禁止 法適 用の問 題点 (1) 競 争 概 念 独占禁止 法を流 通 分野に 適用 する ときに基 本的に 考え ねば なら ない点を 明 ら かにし よう。 そ れ は公 正取 引委員 会が 考える「競争概 念」 と 流通 ・マ ー ケ テ ィング分野の研 究 者が 考え る 「競争 概念」と の間に は大 き な隔 た りがあ る1) ことである。 石原 は 「競争 概念 」 の差に 関し て次 のよ うに 言 ってい る。 「独占 禁止 政策 とマ ー ケテ ィン グ論 の最大の接点 が 「競争」 概 念 の中 に あ ることは 明か であ ろ う。 し かし, 両者におけ る競争 概 念に は かな り大 き な開きがあ る よ 引こ思わ れ る。 競争 概念ぱ両者 の最大 の接点 であ るに もか かわらず , 否むし ろそ れ ゆえに こそ, 両者の相互理 解を 妨げ る最大 の要因 ともなっ てい る の であ る」。 さらに, 理論的 側 面 よ り独 占禁止 法を 流通分野に適用す る時 の注 意点を 次 ・2) のよ うに挙げ てい る。 ・独占 禁止 法では 価 格競争 を 第一義 的に 考えるが, 価 格 競争が 価 格切下げ に等 置し うる のは品 質 ・属性 を与 件とし た場 合だけ であ る。 品 質 ・属性が一 定 であるとい う前 提は 現実的 ではない。 ・企業 の製品 ラ インでの拡張 の度 合が一定 でない ことから 考え ると, 製品 で 「一 定の取 引 分野」 を 決め る ことは難し い。 また, 企業 間 の競 争は この「一 定 の取引分野」 と呼 ばれ てい る土 俵そ のもの の再構築を め ぐ ってお こ だわれ る のであ る。 ・取引段階 で 「一 定 の取 引分 野」を 決め ることは理屈 の上 では 出来 るが, 現実 の流通 活動を見 れば, 便宜 的 かつ一 時的 なもの でし か ない。 また, 「価 格」に 関し て も, 公正取 引委員会 の理 解は 「店 頭価 格」し か問 題 とし てい ない ようであ る。 マ ー ケテ ィン グの分野 で研究 され てい る「 負担コ ス ト 」 の 概 念 は 全 く 考 慮 さ れ て い な い 。 (2 ) マ ー ケ テ ィ ン グ に 対 す る 理 解 独 占 禁 止 法 と マ ー ケ テ ィ ン グ と の 関 わ り に 見 ら れ る よ う に , 法 は マ ー ケ テ ィ ン グ 活 動 に と っ て 大 き な 制 約 と な る こ と も 多 い 。 ス タ ー ン は , マ ー ケ テ ィ ン グ に 対 す る 政 府 の 規 制 の 欠 点 に 関 し て 次 の よ り4) に 主 張 し て い る 。 ① 政 府 の 規 制 は 次 第 に 抑 圧 的 に な っ て ゆ く 。 ② 一 度 作 ら れ た 規 制 は 持 続 し 次 第 に 増 え る 。 ③ 解 釈 の 仕 方 が ケ ー ス バ イ ケ ー ス と な り , 解 釈 が 一 定 し な い 。 ④ 米 国 のFTC は 検 事 の 機 能 も 判 事 の 機 能 も 持 っ て お り , 公 平 さ は も と も と 期 待 で き な い6 コ ト ラ ー は 「 法 律 は , 不 公 正 競 争 が 何 で あ る か と い う こ と を 明 ら か に し , そ れ を 防 止 す る た め に 設 定 さ れ て い る 。 … … 時 に 貼 , 不 幸 に も , 法 律 の 施 行 が 効 率 性 を 促 進 す る の で は な く , 非 効 参 院 を 保 護 し て し ま う 場 合 か お る 」 と も 言 っ て い5) 。 さ ら に , 「 彼 ら は し ば し ば レ 事 業 や マ ー ケ テ ィ ン グ が ど の よ う に 動 い て い る か に 関 す る 実 戦 的 な セ ン ス を 欠 い て い る 場 合 が あ る 」 と 発 言6) し て い る ○ ㎜ ■ マ ッ カ ー シ ー も , 法 律 は そ の 趣 旨 を 伝 え る た め に 立 法 者 に よ り 漠 然 と し た 言 葉 で 表 現 さ れ る こ と が 多 く , 細 目 に つ い て 明 確 に 説 明 を す る の が 裁 判 所 や7) 行 政 の 責 任 で あ る , と も 言 っ て い る 。8) マ ー ケ テ ィ ン グ , サ イ ド の 対 応 と し て 上 原 は2 つ の 方 式 を 考 え た 。 ① 公 権 力 の 意 図 の 合 理 性 を 自 ら も 認 め た 上 で , そ れ に 効 果 的 ・ 効 率 的 に 順 応 し て ゆ く 。 ト コ ② 公 権 力 の 意 図 の 非 合 理 性 に 注 目 し , 法 の 改 正 な ど を 目 指 す 活 動 を 展 開 し て い く 。 大 き な 間 題 に な る の は , ② で あ る 。 コ ト ラ ー や マ ッ カ ー シ ー が 述 べ て い る よ う に , 公 権 力 を 行 使 す る 正 当 性 が 特 定 の 理 論 に 基 づ き が ち な の が 実 態 で あ るO ニ ー 。 。’ 上 原 は , さ ら に80 年3 月 の 独 禁 研 報 告 に 対 す る 批 判 と し て , 経 済 理 論 と マ 。9) ・− ケ テ ィ ソ ダ 理 論 と の 基 本 的 な 差 異 を 述 べ て い る 。 ま ず , 経 済 理 論 は 水 平 的 競 争 関 係 を 分 析 す る こ と に 主 眼 が 置 か れ て い る の に 対 し て , マ ー ケ テ ィ ン グ
情報ネットワーク・システムと競争阻害93 理 論 では 垂 直 的 シ ス テ ム のあ り方 を 問 題 とし て い る。 ま た, 経 済 理 論 を マ ー ケテ ィン グ の 場 に 適 用 す る時 に 注 意 す べ き こ と とし て , 次 の点 を 挙げ てい る。 ① 経 済 理 論 は,づ 血の 条 件 を一 定 に す れ ば 価 格 の安 い 方 を 選 好 す る とい う 仮 説 に 立 脚し て い る。 これ は 現 実 的 で は な い。 上② 総 じ て経 済 学 の立 場 では , 必 ずし も 実 証 さ れ に くい 仮 説 を 前 提 にし て 政策 論 を 展 開 し てい る。 2 マーケ テ ィング 部門よ りの反 論 犬 フ(1) 公正取引研究フ ォーラム 昭 和55年に 独 占 禁止法研究 会が 提出し た「流通 系列 化に 関す る 独占禁止法 上 の取扱い」 に 対し て, 流通, マ ー ケテ ィン グ部門 よ り多 くの反論 がなされ10 ) だ。 公 正取 引研究 フ ォー ラ ム(事務局・流通経済研究所,世話人・田島義博)は。11 ) 産業 界の立場 から吟 味す るとい う方式 で, ただち に反論 をし た。 独占禁止法 研究 会の提示し た 見解に対し て, フ ォーラムとし て全 体的 に は次 の3 つ の問 題点 を指摘し た ○ ① 流通 には多 面的 な多 くの 目的 が課され, そ れに 対し て多 様な行政施策 が な されてい る。 目的 とし ては, 物 資の円滑 ・効率的 ・迅 速 な流 通 体制 の確 立 といった主 要 な 目的 の外に, 大 型店 の規制, 特定 販売方 式 の規 制, 消費者 の 保護, 雇用 の 確保, 租税 の確 保とい ったいろ いろ な 目的 が課せ られ てい る。 そ の ような多 くの目的 や 行政施策 の中 で独占禁 止 法を 位 置づけ るべ きで,そ れをし ない で競争 政策 の視点だけ で流通を見 るこ とは 妥当 では ない。 ② 「寡占」,「系 列化」 とい った広 い概念を ベ ースとし て 流通過 程への独 占 禁止法の運 用を 考 える のであ れば,いろ いろ な理論 ・学 説があ る ことを認 識し, 関連 する 理論 の複 眼的 な援用に 努力 すべ きであ る。 さら に, 提示され た 見解は, 古典的 な経 済理論を 観念的 に演えきし てい る, 十分 に理 論的拡張 が されない ま まに 産業 組織絵が 適用 されてい る, マ ー ケテ ィン グ論 に対し て の偏見が見ら れ る, と指 摘し た。 ③ 商品 特性, 産業 特性, 市場特 性を捨象し た観念的 な 流通 の姿 を考えて い る。 たとえ ば, 一 体化し なけ れ ば価値が得ら れない 財 とサ ービ スとを分け て考えてい る よ うであ る。
結 論 的 に は , 再 販 売 価 格 維 持 行 為 だ け に 関 し て は 妥 当 で あ る と し た 。 そO 他 の 件 に 関 し て は レ 歴 史 的 事 実 を 見 て い な い , 事 実 を 誤 認 し て い る , 一 般 論 で は 論 ぜ ら れ な い , 概 念 を 混 同 し て い る , 目 的 と 手 段 が す り か え ら れ て い る 。 可 能 性 の な い 事 態 を 想 定 し て い る , 明 確 な 基 準 が 設 定 で き な い , と い っ た 理 犬12) 由 で 独 占 禁 止 法 研 究 会 が 提 示 し た 見 解 を ほ ぼ 全 面 的 に 否 定 し た 結 果 と な っ た 。 (2) 流 通 系 列 化 は 進 み , 競 争 は 阻 害 さ れ る か 流 通 系 列 化 の 典 型 と し て は , 化 粧 品 , 電 器 , 自 動 車 業 界 を 挙 げ る こ と が で き る 。 流 通 系 列 化 の 目 的 は , 時 代 と 共 に 変 化 し て き た 。 最 初 は 「 市 場 開 発 」, 次 に 「 安 定 市 場 の 確 保 」 と 「 価 格 維 持 」 そ し て , 「 排 他 的 流 通 網 の 確 立 」 と 進 ん で 来 た 。 流 通 系 列 化 の メ リ ッ ト と し て は , 次 の よ う な も の が 挙 げ ら れ る 。 ① メ ー カ ー の 指 導 に よ り 中 間 業 者 の 経 営 効 率 を 向 上 さ せ る こ と が で き る ② 流 通 チ ャネ ル 全 体 の 合 理 化 を 推 進 す る こ と が で き る ▽ ③ 市 場 情 報 の 入 手 が 容 易 に な り , 商 品 開 発 の 高 度 化 が 促 進 さ れ る 。 ④ 消 費 者 に 良 質 な サ ー ビ ス を 提 供 す る こ と が で き る そ の反対に,デ メ リット とし ては 次の ような ものが挙げ られ る。 ① 系列集 団内で の価 格競争 が損 なわ れる ② メーカーの優越的 地 位 の濫 用が 発生し やすい ③ 消費者 の選択を 狭 め る可 能性 があ る ④ 流通業 者 の活力 と自主 性を 損 な う可能性があ る 独占 禁止法はあ くまで も流通系 列化 に対し ては価値中 立 であ る。 これらO メリット ・デ メリット とは関 係 な く, 公正競争 が阻 害さ れ る時に 独占 禁止法 と の関 わりが発生す る。 流通 系列化 とい う言葉 は 日本特 有 な言葉 であ るため, 日本特有 のマ ー ケテ ィン グ活 動の様に誤 解 され る こともあ る。し かし 先進諸 国におい ても, 流通13 ) 系 列化に 似た活動は多 か れ少 なかれ 見ら れ る。 例えば, 垂 直的 マ ー ケテ ィこ/ グ・シ ステ ムを挙げ る ことが 出来 る。 垂 直型 マー ケテ ィン グ・シ ステ ム(VMS ) に は, ・企業型 ・契 約型(VC, 小売共同体,FC ) ・管理型
情報ネットワーク・システムと競争阻害9514 ) の3 つ の タ イプ が あ り, 流 通 系 列 化 は 主 とし て契 約 型 お よ び管 理 型 に 対 応 す る と考 え ら れ る。 日 本 の企 業 の流 通 系 列 化 が こ の よ うに 大 き な 問 題 とし て 公 正 取 引 委 員 会 に 採 り上 げ ら れ た 最 大 の 理 由 は , そ れが 不 当 な 参 入 障 壁 とし て の 役 割 を 持 っ てい た り, 企 業 間 の 不 法 な 支 配 ・従 属関 係 を 意 味 す る も ので あ る と考 え ら れ た から で あ ろ ‰ し かし な が ら , 企 業 間 の 強 い 取 引 関 係 は , 田 村 に 言 わ せ れ ば 日 本 型 の 取 引 様 式 の 特 色 とし て の 「疑 似 的 組織 関 係 」 な の で 15) あ る 。 取 引 に は 直 接 取 引 に 関 わ る 費 用 , 間 接 的 に 発 生 す る 各 種 の リ ス ク が あ る。 これら の費用 ・ リス クを 最 少にす るためには, そ の都度市場 で取引を す る よりは, 組織的 ・長 期的 ・ 継続的 かつ 固定 的な 組織型 取 引を行 った方が よ い と思われ る。 そ うし た意 味から す ると, 流通系列化は, この組織型 取引 の 外 から 見た形態に 他なら ない と も考え ら れる。 (3) 合法的な流通系列化 独占禁止 法は流通 系列化 そ の ものを 違 法とし てい るわけ では ない。し かし , 公 正取引委員 会 の発表し てい る各種 の報告 書は, 流通系列 化 自体が違 法 であ る ような イメージ を与 え る。 江 尻は, 流 通系列 化は時代 の要請 であ り, 産業 界 で 流通系列 化を 進 める上で の注意点 を整 理し, 系列化 の理論的正当 性を 明16 ) ら かにし ようとし た。 そ のなか で, 「流通 系列化」 とい う言葉 自体 が不 正 確 であ り, 理論的には 「チ ャネル系 列化 」 とい うべき で, そ の内容は 「チ ャネ ル 組織化」 と「チ ャネル支 配」 であ るとし た。 そし て, チ ャネル系列 化は, 米 国で言われ てい る「垂 直的 マ ー ケテ ィン グ・シ ステ ム」 とほぼ同義 であ る17 ) とし た。 1) 石 原武政「流通独禁政策論」(田村正 紀編『 日本流通研 究の展望』千 倉 書 房, 昭和59年)218-219 頁。2 ) 「同論文」219-327 頁。3 ) バ5, クリソは「 消費者の負担 コストは,商品の代金,交 通費, クレジ ット金利, 買物時間コスト, その他の各種の機会損失を も含むべ きである」 と し た。(バ ッ クリソ『流通経路構造論』千倉書房, 昭和52年,15 頁)4 )LouisL.Stern,"ConsumerProtectionViaSelf-regulation, ”JournalofMarketing,Vol.35 (July,1971 )・5 ) コト ラー『 マーケテ ィン グ原理』258 頁。6 ) 『同書』260 頁。7 )E.J. マ ッカーシ ー『ベ ーシ ッ ク・ マ ―ケティン
グ』(E.JEROMEMcCART-HY ,BASICMARKETING (5ed),RichardD.Irwin,Inc.,1975 )86頁。8 ) 上原征彦「法規制とマ ーケテ ィン グ」(田内幸一 編著『 マ ーケティ ン グ』中央 経済社,昭和60 年)174頁。9 ) 「同論文」175-178頁。10 ) 特集“独禁政策 と流通系列化問題を考え る”『流 通政 策』1980 年3 月 宇野政雄「流通 の役割 と流通の組織」 田島義博「流通系 列化規制と-7 ーケ ティング」 和 田茂穂「流通系列化と独禁政 策につい て」 田内幸一「流通系列化規制に伴 う諸問題」 野木村忠邦「公正競争阻 害性の判断基準について」 片山又一郎「流通論・マ・―ケティン グ論から みた 独禁法問題」 山崎陽久「流通問題へ の独禁法適用上 の諸問題」 青 山芳之「流通系列化 の生成過程とその評 価」 シンポジ ューム“流通と競争”『流通政策』1981年10 月 また, 流通 ・マーケティン グに詳しい弁護士 に より解説されたものとし ては次 の文献がある。 < 川越 憲治『流通系列化 と独占禁止法』ビジ ネス社,昭 和55 年。11 ) 公正取引研究フ ォーラム『 独占禁止法に よる流通規制につい て』財団法人流通 経済研究所,昭和56年。12 ) 『同報告書』6-28頁レ13 ) 田村正紀『 日本型流通シ ステ ム』千倉書房, 昭和61 年,224 頁。14 )P. コト ラー『マーケテ ィン グ原理』518-522 頁。15 ) 田村正紀『前掲書』129-150 頁。16 ) 江尻弘『流通系列化』中央経済社,昭和58 年。17 ) 同書』10-16頁。 犬
第
部
情 報概念 から の検討
公正取 引委員 会は, シ ステ ムへの加入 ・脱退 の不 当 な 制限, 同業 他社シ ス テ ムを利用 す る ことに対 す る不当 な制限, 取 引条 件な ど に関す る不当 な拘 束。 優 越的地位 の濫用,他 の事業 者に対す る不当 な排除や 支 配, 末端価 格情報に も とづい た 販売 価格 の拘 束, 情 報提供 の強制, とい った 事柄に 注目し てい る。 情 報 ネット ワ ー ク・シ ステ ムを活用 するこ とに より, これら の 事柄がさらに 容 易にお こな われ る恐 れは大 き くな る もの と考え た。し かし なが ら, 検討 の 対 象 となった多 くの問題 点に対し て, 実態 から の反論 , マー ケテ ィン グと流 通 の理論 から の反 論お よび論 理構成 の面から の反論 が行 われた。 丿 \情報ネットワーク・システムと競争阻害97 と ころ で , こ れ か ら の産 業 に 大 き な 影 響 を 与 え る 情 報 の 視点 か らり 反 論 は 全 く な さ れ てい ない こと に 気 付 く で あ ろ う。 情 報 シ ス テ ム の 立 場 か ら も数 多1 ) く言 うべ き こ と が あ る と 思 わ れ る。 特 に 以 下 に 記 す る3 点 は , 情 報 シ ス テ ム の 立 場か ら み て, 十 分 検 討 す べ き よ うに 考 え ら れ る。 十 , ① 情 報 化 に よっ て各 種 の業 務 の 標 準 化 が な さ れ る か と りわ け リ ベ ート 体 系 と 物 流 ダ ② ③ 情報の利用面で私的独占が発生する恐れがあるか マ―ケテ ィング情報システムとの関わり 1 情報化により取引が標準化されるか (1) 「標準化と規模の経済性レ パラダイム 公正取引委員会の基 本的な考え方は,昭和40年代 より大きな声 懲唱えられ た流通システ ム化の考え方に大きく影響されてい るようである。 流通システ ム化は,大量生産・大量販売といった高度成長時代の時代的要請を背景とし たものであっ几 いわゆる「流通シ ステム化行政」は, 可能な限り業務を標3) 準化,単 純化, 機械化し 大量流 通の体制を 確立 す ることを 目的 とし てい た。 流 通システ ム化 の考え方に よればパ 青報シ ステ ム化を進 め るにあ た づて業務 の標準イtが不 可 欠であ る。 物 流活動 の方式 を 標 準化し , 機 械的 ・シ ステマテ ィッ クな物 流の体制 を確立す る。 取引条 件を 標 準化し , ほ と んどの取引は コ ン ピ ュー タの中 で 自動的 に処理 される よ うにす る。 さらに , 取引 流通√物流 の2 つの機 能を コント ロ ールす る情報処理 の方式 も標 準イピし , 標 準的 なシス テ ムを構築 す る。 この ように, 流通 の各機 能を 標 準化す る こ とに より, そこ に 規模の経 済性を 働かせ ようと考えた。 規模 の経 済 性が 働け 凪 そし てそれ が より強 く働けば, 大量 の物 資を効 率的に 流通 させ るこ と がで きる。‥こ うす る ことに より, 零 細, 過多, 低生 産性 とみなさ れ てい る日 本の流通 を大き:く 改善し よ うと考 え た。 十 二 公正取引 委員 会は, この様な流通シ ステ ム化 とい う考え 方 だけ を前提 とし て研 究を進 め てい るわけ では ない が, 流通シ ろ テ ム化 の考 え方 が潜在的に大 き な影響を与 えてい る ど考えら れ る。 そ の結果 とし て, 標 準化の促 進は 寡占5) 化 , 独占化に つ なが って い くレ と考え てい て 右不思 議 では ない。 (2) 取 引 条 件 ニ
ところで話を元に戻し て,本当に情報システム化に より取引条件の標準化 が進むと考えて良いのであろ うか6 取引条件が複雑化し た理由を考えればそ の答えが得られるだろ う。 この取引とい う行為に関し て,田村は取引様式 と6) 取引条件の2 つに分けて考えてい る。取引条件の多元性の内容 とし て,品質, 納期,契約慣行,代金決済,企画・提案を挙げ ている。 これらのものは, マ ーケティン グの用語では非価格競争の手段と呼ばれてい るものである。非価 格競争を重視すればするほど, この取引条件は複雑化す る。 たとえば,企画・提案といったものを検討し てみればわかる。 メーカーが 新製品を開発す るに当 たっては,消費者のニーズに関す る情報を正確に把握 す ることが不可欠となる。 メーカーは売れ筋情報を収集し, マーケテ ィン グ ・リサ ーチをおこない, 消費者を対象とし た多 くの調査を行 う。 これらの活 動を通し て消費者 ニーズに関する一部の情報を捉えることはできるが,それ だけ では不十分である。マ ーケテ ィング情報シ ステムの所でも述べるが,1 社で得られる情報には限りがあ る。それを補うために, メーカーは取り引き し ている問屋,小売などに具体的な提案をし てもらって いる。それらの情報 がい かに役にたってい るかは,実態を見れば明らかであ ろ う。 こうし た企画 ・提案といった情報はあとで説明するB 型情報であり, 極めて人間的・定性 的であり標準化にはなじ まない性格を持っている。そうし た意味で, コンピa. ータや通信技術を中心とし た情報システムが高度化し ても,そ う簡単には7) 取引条件は標準化・単純化するとは考えられない。(3) ・ リ ベ ー ト 取引条件の主要な1 つでもあるサペートに関し ても,標準化・単純化され るとは思われない。 リベートに関し,田内は次のように言ってい8)。 「メーカこから問屋に出されるリベートなどは,実に複雑で,極端ないい かたをすれば,出し ている方に もよくわからない くらいな ものなのです。し かし これは,問屋によるメーカー間の価格比較を不可能にすることを 目的と し ているものなのです から,当然のこ とです」。 メーカーは主 とし て非価格競争を指向し てい る。 情報システ ム化が進むに っ れて,取引条件は更に複雑化,高度化し てゆくと考えた方が妥当 であろ う。 情報ネット ワークの普及に より。標準化 の進む面もあ る。それは取引条件の