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就職活動における最適停止問題

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Academic year: 2021

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1997年度日本オペレーションズ・リサーチ学会 秋季研究発表会

1−B−12

就職活動における最適停止問題

中央大学大学院理工学研究科情報工学専攻 深井順司 FUⅨAIJuI厨

下すべき判断は次の4通りである. 仏)その企業の内定を受け入れ,活動を停止する・ 田)その企業を予約し,次の企業の探索を続ける■ げS)その企業を見送り,以前に予約した企業の内 定を受け入れる.そして活動を停止する. 呼C)その企業を見送り,次の企業への探索を続行 する. ここで,現在の時点Jに現れた企業の価値wを カレントオファーとよび,以前に予約した企業の価 値ズをリーディングオファーとよぶ.また,次の企 業の内定を得るまで探索コスト∫がかかり,カレン トオファーWを予約するには予約コストdがかか るものとする.次の利得関数を考える.

隼(ズ,W)‥時点Jでリーディングオファーズをもち,

カレントオファーWを得た状態で,その時点か ら最適行動ルールにしたがって行動したときの 最終時点までに得られる総期待利益.

Ⅴ′(ズ):〃′(ズ,W)のWに関する期待値・

これらより,次の式が導かれる.

(1)γ′い=か′(ズ,W)呵w)

1.はじめに 本研究では,リコールが可能な最適停止問題を 用いて学生の就職活動の最適政策を考える.そこに は半年以上の期間をかけて就職活動を行い,大学生 活の貴重な時間を費やしても自分の希望した企業に なかなか就職できないという厳しい現実がある.そ して内定を獲得しそれを受け入れることを意味する 入社を−■誓約−−する時期,当該企業に対する志望の 程度,それ以降に現れる可能性のある企業の望まし さに依存する難しさを含んでいる.たとえば,志望 順位の低い企業の内定を早い時期に獲得してしまう と就職活動の残りの期間で現れる可能性のある,よ り上位の企業の内定を獲得できないということや, また逆に,いつまでも上位にこだわって内定を受け 入れないでいると,最後まで希望にかなわず徒労に 終わるかもしれない,というようなことである. ここでは,就職期間中に順に採用試験を受け, 採用試験に合格した企業の内定を受け入れるかどう かという意思決定問題を最適停止の問題としてモデ ル化する.そして,内定を辞退することが現実にあ ることを考慮して,相当のコストを支払うことによ ってリコールが可能であるとする.このモデルを使 って,学生の最適な行動ルールを記述し,モデル中 のパラメータをいくつかのケースを与え,導かれた 最適行動ルールについて考察する. A:W,

R‥td−∫十γトー(w),

PS:ズ, PC:−∫+γトl(ズ)

(2)叫(ズ,W)=maX

2.モデル化

就職活動をリコールが可能な最適停止問題にモ デル化する.計画期間をアとする.ただし,1社の

内定を得るまでを1単位とするので,rは内定獲

得数の最大目標値である.時点Jを,開始時点を

J=rとし,最終時点をJ=0ととる.企業の価値 を変数wで表し,0≦W≦1でWはある既知の分布 ダ(w)にしたがって出現するものとする・ ある時点Jにおいて価値wの内定を得たとき,

(3)〟。(ズ,W)=maX

ここで,A,R,PS,PCはそれぞれ上述の判断の 頭文字を表している. これらの式より,(2)式が表す意思決定のグラフ を図1に示す.リーディングオファーズとカレン トオファーWを得たときに,図を見ることで意思 決定を行うことができる. −50− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

W 索コストが大きいと早い時期に停止し,得られる企 業の価値が全体的に低いという傾向が見られる.ま たどちらの場合も,企業の価値は時点Jにほとんど 依存していないことも分かる、 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 ■■王=≡t■ =■■Ⅶ■■■t■t■ 図1(2)式のグラフ 12 3 4 5 6 7 8 91011121314151¢17181920 図3平均価値と割合の分布(∫=0.04)

3.結果

企業の価値wは一様分布に従うものと仮定し, 1ケースについて10万回のシミュレーションを行 った.まず,予約コストをd=0.04とし,計画期 間rと探索コスト∫を変えたときの得られる利得を 図2に示す. 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 ■−■■■■■一・一廿−■1・1ノ、 − 12 3 4 5 6 7 8 91011121314151617柑1920 図4平均価値と割合の分布(∫=0.08) 0 10 20 30 40 計画期間 参考文献

【1】TuyoshiSaito:OptimalStoppingProblemwith

Controlled Recal1,Discussion Paper No.682, InstituteofSocio−EconomicPlanning,1996. 【2]笠原昌幸:就職活動における最適停止問題,中 一 央大学理工学部情報工学科1996年度卒業論文 【3】竹内啓:ストッビングルール一間題の性質−,オ ペレーションズ・リサーチ,第24巻第6号(1979), pp.312−316. 【4】坂口 実:最適停止問題の諸相,オペレーション ズ・リサーチ,第24巻第6号(1979),pp.317−324. [5】生田誠三:最適停止問題とその周辺一逐次決定 過程・,オペレーションズ・リサーチ,第24巻第6 号(1979),pp.330・337. 図2計画期間rと利得vr(0) 横軸が計画期間で,縦軸が得られる利得を表してい る.3本のグラフは各探索コスト∫に対応している. 探索コストが低い順に利得が高いことが分かる.ま た探索コストが非零のとき,計画期間を長くしても, 得られる利得にほとんど変化がないことも分かる. 図3は探索コスト∫:=0.04のときの,何社目で 停止するかの割合(棒グラフ)とそのときに得られる 企業の平均価値(折れ線グラフ)を示すものであり, 図4は探索コスト∫:=0.08のときのグラフである. 横軸は決定を下すまでの企業の数を表している.探 −51一 © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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