著者
奥野 ひろみ
学位授与大学
東洋大学
取得学位
博士
学位の分野
社会学
報告番号
甲第172号
学位授与年月日
2007-04-01
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00003969/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.jaヘ ル ス ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 の 展 開 過 程 に 関 す る 研 究
邑日要
東 洋 大 学 大 学 院 社 会 学 研 究 科 社 会 学 専 攻 博 士 後 期 課 程
451002000S奥 野 ひ ろ み
1.研究の背景と目的 へルスボランティア活動とは保健分野の公共サービス提供集団であり、区市町村保健セ ンターなどの保健行政により設立され、行政を運営の母体とし一般住民によって行われて いる活動である。活動の目的は一般住民の身体的、精神的、社会的に良好な状況をつくり 出すことで、その時々の健康課題に対して活動を展開している。日本における住民の保健 活動への参加の歴史は古く1890年代に開始され、疾患の変化に伴いさまざまな活動を展開 した経緯を持つ活動である。しかし、当初から住民が積極的に活動の運営に参画し実施さ れていたわけではない。感染症が猛威を振るった時代においては、病気を無くすことに焦 点がおかれた疾病管理が主目的であり、行政主導型で住民を専門家の下部組織と位置づけ、 手伝いとしてプログラムが実施されてきた。 2002(平成14)年、国は健康増進法を制定し、健康に関して住民が組織的に活動を展開 することに対して行政が積極的に後押しすることを示した。ヘルスボランティア活動もこ の住民の組織的活動の一つに位置づけられるが、具体的な実施内容が示されているわけで はなく各自治体の倉ll意工夫に任されている。また、これらの活動が地域住民にどのような 効果をもたらしているのかは、明らかにされていない。 一方、政策という視点から捉えなおすと「中央集権」から「地方分権」へという行政 改革の流れ、「福祉国家」という幻想の崩壊による公共性のあり方についての課題、また、 疾病構造の変化などによって保健政策の変化が必要とされる時代となっている。 本研究の目的は、「地域住民の参加による組織的な活動」の視点を中心にすえ、ヘルスボ ランティア活動の運営形態から活動の現状と課題をとらえ、ヘルスボランティア活動の今 日的意義と方向性を明らかにすることである。 本研究は、社会の変遷とヘルスボランティア組織の変遷について、ヘルスボランティア 活動のコミュニティにおける位置づけ、日本のコミュニティの特徴と健康についての関連 性について先行研究から確認を行なった。次に、現行のヘルスボランティア活動の調査を 実施し、結果から課題を整理し考察を行った。 2.社会の変遷とヘルスボランティア組織の変遷一概観(前史を含む)− 1890年代コレラの大発生と自由民権運動があいまって、住民の自主的な衛生組織が各地 で出来上がった。しかし、国の富国強兵政策によって中央集権化が進み、自主的な衛生組 織は行政の下部組織として存在する組織へと移行していった。 1950年代の第二次世界大戦後の混乱期、母子保健の取り組みや、ハエや蚊の駆除など都 市の衛生に対する取り組みが自主的に組織的に開始され、感染症による死亡率の減少、子 どもの健康状態の向上などの成果を挙げることとなった。 1960年から1970年代前半(高度経済成長時代)、経済優先の政策と都市への人口の流入 により、地域社会の共同体が希薄になることとあいまって、地域にあった自主的な保健組 織活動は疲弊していった。1970年後半から1980年代は、高齢化社会の問題が浮上する。 1
国民健康保険費の増大が大きな課題となり、健康増進が重要視される。このことよって、 健康推進員活動などのヘルスボランティア活動を行政が立ち上げ、住民の協力による活動 が開始された。同時期にWHOがプライマリ・ヘルスケアの理念を掲げた。この理念は住 民参加に基づいており萌芽的な活動が開始されるが、住民の主体性を欠き行政の手伝いと しての位置づけが色濃く残った。2000年に「健康日本21」のプログラムが開始され、再び 住民参加の意義が明確に示され、現在に至っている。 3.コミュニティと行政との協働 コミュニティとは、単なる地理的なくくりや同種の集まりといった存在概念ではなく、 住民自治が最適に機能している状態を示す社会的目標概念である。帰属意識を持つ共同生 活圏内で、地域社会の共通課題を適切に処理できるシステム(共通の行動を生み出す意識 体系も含んだ)を、相互作用(協同性)やネットワークによって作り出す営みである。 コミュニティと行政との協働のプロセスは、コミュニティ・メンバー、行政、関係者が 集まり、相手を尊重した話し合いを通して課題のありかについてそれぞれの持つイメージ や具体的な事柄を再構築し、合意形成(了解を得た解決策)を導き出す過程である。この 過程を経ることで「行政と住民との協働」意識が芽生え、それが行動へと結びつく。一方 で、参加したメンバーは「制御感」、「オーナーシップ」、「潜在力への気づき」、「自己効力 感」といった認知を獲得し、「コミュニティのエンパワーメン卜」が図られていく。 ヘルスボランティア活動は保健分野のコミュニティ活動と捉えることができ、保健分野 の専門家は「コミュニティのエンパワーメン卜」のために現場での協働のためのシステム をつくり、プロセスに介入する役割を担っている。 4.コミュニティの特徴 1)集団主義と個人主義 アメリカとの対局として日本を集団主義の「典型」ととらえるのは必ずしも正確ではな く、他のアジアの国々は日本よりも集団主義であるという調査結果が得られている。「国民 性の研究第11次調査(2003年)」、および「社会意識に対する世論調査(2005年)」を用い て、水平的個人主義、水平的集団主義、垂直的個人主義、垂直的集団主義の4分類で日本 人の傾向を確認した。(4分類は、個人が他者と「独立的」か、「相互的」かという次元に加 えて、人びとが相互に「異質的(垂直的)」であることを積極的に認めるか、できるだけ「同 質的(水平的)」であろうとするのかという次元を加えたものである。)日本人の多くは水 平的集団主義的傾向と、やや減少傾向ではあるが潜在的な水平的個人主義傾向が主流であ り、垂直的集団主義は影を薄め垂直的個人主義の台頭の徴候がうかがえた。 このような状況の中での日本の課題は、西欧諸国にある「市民」の創出が疑問視されて いることと、個人の「連帯的自律性」が薄れだしていることである。このことは、ボラン ティア活動全般にとって逆風といえよう。
2 ) ソ ー シ ャ ル ・ キ ャ ピ タ ル ソーシャル・キャピタル(SocialCapital)は社会関係資本と訳され、社会の中の信頼関 係、規範、ネットワークなど社会を円滑に機能させる諸要素の総体をさす。 日本のソーシャル・キャピタルの蓄積は、良好であるという意見とそうとはいえないと いう見解があるが、いづれにしても、社会や経済の効率的な運営のためには自発的な集団 や組織形成が重要であり、家族の枠を超えた他者一般に対して信頼を持つ必要性が指摘さ れている。 3)健康との関連 個人主義一集団主義と健康の関係では、集団主義の場合ソーシャルサポートを提供する 可能性が高く、このことによって心臓疾患が少ない。また、一人当たりの国民総生産が安 定し第一次集団(家族やそれに相当する集団)が密接な社会的絆を築きあげている社会で は、長寿命、自殺率および離婚率、殺人率・麻薬使用者率・アルコール依存症率などに良 好な状態がみられる。一方、個人主義では高い自尊感情や、高い主観的幸福感がみられる。 ソーシャル・キャピタルと健康との関連では、市民同士の信頼度が低くなるほど死亡率が 高く、市民同士の信頼度が高いほど健康感が高くなる。これらの結果から、ソーシャル・ キャピタルが健康に間接的に寄与すると考えられている。 現在の日本で健康的な文化を築くためには、「個人の自律」、「目的指向に基づいた他者と の連帯」、「他者一般との信頼」などの意識と態度を強める必要がある。人びとが健康的な 社会を望むのであれば、地域住民は多様なネットワークに積極的に参加し人間関係のあり 方を身につけることが必要となる。健康分野の行政には地域住民がグループや組織に参加 できる機会を提供することと、多様な組織のネットワークを支援することが求められてい る。この役割の一つとしてヘルスボランティア活動を位置づけることができる。 5.ヘルスボランティア調査 1)調査の目的 へルスボランティア活動は地域の健康に寄与することに加え、健康的な文化を築くこと とコミュニティの再生に寄与することが望まれている。そこで以下の3点を調査の目的と した。1.ヘルスボランティア活動における「行政と住民の協働」の実態を把握する。2.実態 からへルスボランテイア活動は、地域住民の健康面で有用な効果をもたらしているのかを 明らかにする。3.ヘルスボランテイア活動が発展し継続していくための要因を明らかにする。 2)調査課題へのアプローチ 事実探索アプローチと仮説の検証を組み合わせて実施した。 3)調査の種類・対象者・実施結果 (1)区市町村保健センターヘルスボランティア担当者を対象とした調査 全国市町村保健センター要覧(2001年)に掲載されている3,395区市町村保健センター より、1,175区市町村保健センターを系統抽出法で抽出し質問紙郵送法により回答を得た。 3
質問紙への記入は、区市町村保健センターのヘルスボランティア活動担当者へ依頼した。 調査時期は2004年8月である。回収数は606、回収率51.6%であった。 (2)ヘルスボランティアメンバーを対象とした調査 (1)の区市町村保健センターのヘルスボランティア担当者調査の活動分類結果を用いて、 調査対象7市町を選定した。調査票は保健センターあてに送付しヘルスボランティアへの 配布を依頼し、ヘルスボランティア個人から郵送回収した。調査時期は2005年1月∼2月 である。調査数は450人で、回収数は362人、回収率80.5%であった。 (3)地域住民を対象とした調査 へルスボランティアへの調査を実施した同市町の住民を対象とした。ゼンリン住宅地図 を用いて世帯を系統抽出し、各市町500世帯、計3,500世帯に質問紙郵送法によって実施 した。調査時期は2005年3月∼11月である。回収数は1,393人、回収率39.8%であった。 4)結果 (1)活動の実態(区市町村保健センターの調査から) 全国の約85%の区市町村でヘルスボランティア活動が実施されていた。ヘルスボランテ イア活動は活動内容によるクラスタ分析によって、「成人・高齢者サポート型」(12.7%)、 「全体サポート型」(6.8%)、「料理サポート型」(24.5%)、「保健センター事業サポート型」 (56.0%)に分類された。 ヘルスボランティアの活動運営への参加は「成人・高齢者サポート型」、「全体サポート 型」、「料理サポート型」が良好で、いずれも「目標・活動内容はヘルスボランティアと保 健センターで決定する」に近似した結果となった。ヘルスボランティア活動の約半数を占 める「保健センター事業サポート型」は、活動の方向性を決定することにボランティアが 参加せず、「目的・目標は保健センターが決定し、ヘルスボランティアが実施内容を決定す る」に近似していた。 ヘルスボランティアの活動運営への参加が進んでいるグループの特徴は、比較的人口規 模が大きく高齢者率が低い。また、行政側のサポートとして、会議回数やヘルスボランテ ィア向けの研修開催数、広報誌などへのヘルスボランティア活動の掲載回数などが多かっ た。 (2)活動の実態(ヘルスボランティアの調査から) 調査対象とした7市町のヘルスボランティアの活動運営への参加状況から、「参加型運営進展」、 「参加型運営停滞」の2群に分類し、ヘルスボランティアの意識や行動について検証をおこ なった。「参加型運営進展」群は「参加型運営停滞」群に比べてヘルスボランティアの活動へ のメンバーの参加状況が良好で、参加的運営に対する評価、活動に対する満足度が高く、活動の 継続を希望するものが多く、エンパワーメント意識が高かった。ソーシャル・キャピタルの蓄積は2群 とも高いが、参加グループ数、請願行動については「参加型運営進展」群が良好であった。 (3)健康面での効果(住民の調査及びヘルスボランティアへの調査から) 調査対象とした7市町を、(2)活動の実態と同様に「参加型運営進展」、「参加型運営停滞」
の2群に分類し住民などへの健康面での効果について検証をおこなった。「参加型運営進展」 群は、「健康面での成果」、「効果的ヘルスサービス」、「社会的な影響・能力形成」、「健康的 な環境」、「へルスリテラシー(健康に関する知識)」「健康的公共政策」の6項目に良好な 状況がみられた。一方、「参加型運営停滞」の群で良好であったのは「住民からの活動評価」 だけであった。このことから、ヘルスボランティアが運営に深くかかわるグループ運営を おこなっている区市町村での活動は、地域の健康面で貢献していると捉えることができる。 (4)ヘルスボランティア活動が発展し継続していくたの要因(ヘルスボランティア調査 から) 発展継続には、ヘルスボランティアメンバーがエンパワーメン卜される必要が示された。 エンパワーメン卜の要因は、①他人のためにも自分のためにもなる活動が行われており、 そのことに満足できること、②活動の運営(活動運営費も含み)がより民主的で、行政と メンバー間やメンバー間のコミュニケーションが水平的に対等の関係で行われることや、 メンバーの興味を活動に取り入れられること、③民主的な運営や活動の体験から、地域貢 献に対しての意識と行政への信頼が育成されること、④ボランティアメンバーが多くのグ ループに参加しておりソーシャル・ネットワークを持っていることであった。 5)考察 (1)「保健センター事業サポート型」は活動量が少なく、保健センター担当者およびヘル スボランティアメンバーともに活動への積極性が低かった。これは、保健センター担当者 の取り組み姿勢の問題に加えて保健行政全体の取り組み姿勢の希薄さ、地理的条件、財政 的な問題、人口規模の小ささなどが要因と考えられた。 「料理サポート型」はヘルスボランティアのメンバーに活動の決定権、費用の活用といっ た裁量を譲渡し、個々人の裁量を最大限に発揮できるようにしていた。しかし調理という方 法を活用することが多いために、物理的問題や効率性の問題もあり、効果が低いという結果 が生じていると考えられた。また一方で、固定したメンバーになりやすくマンネリ化や惰性 化する可能性が秘められていると考えられた。 「成人・高齢者サポート型」ではヘルスボランティアが運営に深く関わっていた。ボラン ティア人数が多いため、垂直型の官僚的な組織化が進んでいが、このシステムによる弊害を 最小限におさえるように水平的な関係を重視し、ヘルスボランティアメンバーに活動の決定 権や費用の活用といった裁量権を譲渡し、個々人の裁量を最大限に発揮できるようにしてい ると考えられた。しかし、多くが2年任期(再任を妨げない)であるため、活動の継承や 発展のために、繰り返しボランティアメンバーに動機付けが繰り返されるなど、非効率性が 考えられた。 「全体サポート型」は全体の約7%ともっとも少ないが、「成人型」と同様にフラットな 形態をとっており、活動のアウトプットである実施回数や延べ参加者の状況はもっとも良好 で、ヘルスボランティアのエンパワーメン卜が良好であった。また、イベント型のプログラ ムより、1回の参加人数は少人数でも定期的に数種類のプログラムを提供すること、地区の 5
持ち回りより公募による選出という運営形態が、自分の特技を活かしたプログラムを選択で き個々人のやり方を反映しやすいこととなり、ヘルスボランティアのエンパワーメン卜にも 寄与すると考えられた。 (2)ボランティアの運営への参加が良好であることが、住民の健康面への効果とどの ように関連するかであるが、「目標・活動内容はヘルスボランティアと保健センターで決 定する」以上の方法を採択した活動運営は、ボランティアメンバーに対して住民の健康ニ ーズを捉えた企画・運営・実施・評価の場を保障している。この保障がヘルスボランティ アの積極的な活動展開へと結びつき、結果「へルスリテラシー(健康に関する知識)」や、 生活習慣病のいくつかの標準化死亡率を下げるという「健康面での成果」に結びついてい ると考えられる。また、ヘルスボランティアの「社会的な影響・能力形成」も場の保障によ って得られたと考える。住民組織活動の支援が社会的に認知されることは、活動を進める 上での前提としての役割を担っていた。 (3)「エンパワーメン卜意識」を決定づける要因の関連は、「価値探索型」の動機によっ て参加したメンバーが運営に積極的にかかわることによって、もともと持つ交流の多さを 活動の連携などに取り入れ、自らの持つ信頼度の高さによって他のグループとの連携を密 にし、地域貢献意識を成長させ、自らの「エンパワーメント意識」を高めたと考えられる。 6 . ヘ ル ス ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 の 発 展 に む け て (1)健康増進活動(一次予防)の時代へと保健分野が動き出している。これは結果として の有効性が期待されているということでもあり、ヘルスボランティア活動も明確な目標を 示し、結果を出す時期に突入しているといえる。 (2)保健センター担当者は、ヘルスボランティアが住民とかかわるうえで「評価(やって みよう)の段階でもっとも重要である」ということを認識する必要がある。 (3)保健センタースタッフの意識改革として、研修場面での利点の提示や可分性の提示や 仲間(ヘルスボランティア)によるパーソナル・インフルエンスなどの、活動のプラス要 因をより前面に出した研修などによる情報の提供と、複雑性をクリアするためのフォロー アップ体制が必要である。 (4)ヘルスボランティア個々の持つネットワークや人間関係は、活動を通してグループ のネットワークへと広がる。この経過の中でメンバーはエンパワーメントされ活動も活性 化する。この地域の関係性をふまえた運営が、活動そのものを左右する重要な鍵となろう。 (5)住民の役所への信頼とは、「やるといったことをやる気がある」という信頼と考える。 協働によってエンパワーメン卜されたヘルスボランテイアメンバーの、社会的な影響を及 ぼす積極的な行動を十分に受け止められない行政全体の姿が浮き彫りになっている。 (6)へルスボランティアという担い手を定着させるためには、都市部と農村部の人間 関係の文化的特徴を考慮する必要がある。
7.ヘルスボランティア活動の組織形態と今日的意義 運営にコミットメントするヘルスボランティア活動の今日的意義は、ヘルスボランティ アの体験が彼らのエンパワーメント意識を高め、自己実現欲求を満たすことによって、主 観的幸福感や主観的健康感を高めることとなり、ヘルスボランティアの社会的健康に貢献 しているといえる。加えて、身近なボランティア(仲間)という人的資本との交流による 住民への健康面へのサポートにとどまらず、運営段階でのネットワークづくりが地域社会 の協働意識をはく、くみ、信頼できる人間関係をつくりだす。このことが健康的なコミュニ ティ形成に貢献すると考えられる。 日本のヘルスボランティア活動は、近隣や町内会など「インフォーマル」なネットワー クを「セミフォーマル」に発展させた、行政とボランタリー集団のミックス型の活動であ る。事務局機能を行政に残しながら、現場のヘルスボランティアの集団に権限を委譲した 自律的な小集団活動が、現在のところもっとも効果的な組織形態であろう。 ヘルスボランティア活動が組織として活性化し発展するためには、①地域住民の身体的、 精神的、社会的に良好な状況をつくりだすという活動の目的に、自分自身および地域の健 康のためにボランティアをすることを追加すること。②健康に間接的に寄与すると考えら れるソーシャル・キャピタルの蓄積を促進するために、自己完結型プログラムにとどまら ず他の機関との連携や、部分的なサポートを行うボランティアの導入など多彩なボランテ ィアの形態を取り入れること。③行政から委任された組織からボランティア組織に行政職 員が出向するといった、ヘルスボランティアの自立した運営による組織の強化を図ること が望まれる。 7