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市民を対象としたエンド・オブ・ライフ教育のプログラム及び教材開発

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(1)公益財団法人 2015 年度(後期). 在宅医療助成. 勇美記念財団. 一般公募「在宅医療研究への助成」完了報告書. 「市民を対象としたエンド・オブ・ライフ 教育のプログラム及び教材開発」. 申請者:高橋在也 所属機関:千葉大学大学院看護学研究科 提出年月日:2017 年 5 月 31 日. 1.

(2) 研究題目:市民を対象としたエンド・オブ・ライフ教育のプログラム及び教材開発 研究代表者:. 千葉大学. 特任講師. 高橋在也. 共同研究者:. 千葉大学. 教授. 吉本照子. 千葉大学. 准教授. 石丸美奈. 東京女子医科大学. 教授. 長江弘子. 東京女子医科大学. 准教授. 坂井志麻. 東京女子医科大学. 講師. 原沢のぞみ. 東京女子医科大学. 助教. 小池愛弓. 東京女子医科大学. 助教. 渡邉賢治. 亀田医療大学. 教授. 足立智孝. 千葉市あんしんケアセンター磯辺. 主任 CM. 清水直美. マギーズ東京. 看護師. 岩城典子. 研究会議開催日程: (会議名称). (日時). (会場). 事前企画会議. 2016 年 7 月 4 日(月). 千葉市生涯学習センター. 第1回研究企画会議. 2016 年9月3日(土). 千葉市生涯学習センター. 第2回研究企画会議. 2016 年 10 月 15 日(土). 千葉市生涯学習センター. 第3回研究企画会議. 2016 年 11 月 5 日(土). 千葉市生涯学習センター. 第4回研究企画会議. 2016 年 12 月 21 日(水). 東京国際フォーラム会議室 G506. 第5回研究企画会議. 2017 年 1 月 9 日(月). 千葉市生涯学習センター. 第6回研究企画会議. 2017 年 2 月 4 日(土). アットビジネスセンター渋谷駅. 第7回研究企画会議. 2017 年 2 月 22 日(水). 千葉市生涯学習センター. 第1回市民合同企画会議. 2016 年 11 月 5 日(土). 千葉市生涯学習センター. 第2回市民合同企画会議. 2017 年 1 月 9 日(月). 千葉市生涯学習センター. 第1回プログラム. 2017 年 2 月 26 日(土). 千葉市生涯学習センター. 第 2 回プログラム. 2017 年 3 月 5 日(土). 千葉市生涯学習センター. 第 3 回プログラム. 2017 年 3 月 12 日(土). 千葉市生涯学習センター. 第 4 回プログラム. 2017 年 3 月 26 日(土). 千葉市生涯学習センター. 教育プログラム実施日程:. 2.

(3) Ⅰ. 研究の背景 在宅ケアにおいては、病院内でのケア以上に、医療を受ける患者の意思決定支援が重大 な要素となる。従来、意思決定支援の問題は、病院内における主に延命措置を中心とした 治療選択(例えば人工呼吸器を導入するかどうか、導入するとしたらどのタイミングか等) をする患者とその家族の意思決定をどうサポートするかという問題としてクローズアップ されてきた。しかしながら、在宅においては、治療選択という「点」のサポートだけでは なく、より生活全体を「線」で設計しながらどのような治療方針を選び取っていくかを支 援する必要があり、これは、患者の生き方・暮らし方の選択・決定というより包括的な問 題を含み込む。在宅における医療ケアは、生き方全体への支援や助けという側面を避けて 通れず、狭義の医療措置や治療支援だけではこうした生き方全体への包括的支援には達す ることができない。 本研究チームは、今まで、市民の死生観や価値を育てる学習の場づくりに中心的に関わ ってきた。具体的には、2014 年から 15 年にかけて、千葉市生涯学習センターと協働し、 在宅医療やエンド・オブ・ライフケアに関わる題材をもとに市民が「話す」「聴く」「考え る」の3要素を基礎とした教育プログラムの開発・実践を行ってきた1。この目的は、在宅 医療やエンド・オブ・ライフケアに関する知識提供をとおして、プログラムの参加者がみ ずからの死生観や価値を省察するための機会をつくることであった。そうした過程は、市 民が「患者」や「患者の家族」となったときに、主体的に在宅医療やケアを受容・協力す るための基盤となると考えるからである。2年間の試行的なプログラム開発を経て、こう した知識提供と死生観の省察を兼ねた教育プログラムは、市民に対する病や死への準備教 育として効果があり、市民がスムーズに在宅医療やケアを受け入れ、なおかつ主体的に対 処する能力を高めることが期待された2。一方で、知識提供をしつつ死生観の省察のための 丁寧な場を構築するには、より洗練されたプログラム構築と教材開発が不可欠である。 Ⅱ. 研究目的 以上を踏まえて、本研究では以下のことを目的とする。. ①在宅医療やエンド・オブ・ライフに関する厳選されかつ有意味な知識提供と、死生観や 価値を参加者が個性的に省察・涵養する過程の双方を有機的に含みこみ、参加者が主体的 にケアと関わっていく市民となる契機となるようなプログラムの構築を行う。 ②上記プログラムにおける資料教材と、プログラム終了後の自学用の教材を開発する。 実践報告として、千葉大学大学院看護学研究科エンド・オブ・ライフケア看護学編(2016) 『エンド・オブ・ライフケアを支える語り合い学び合いのコミュニティづくり』がある。 2 市民を対象とした死への準備教育の効果を、教育心理学の尺度分析と参加者による自由 記述の内容分析から考察したものとして、高橋在也・岩城典子・長江弘子・石丸美奈・清 水直美・吉本照子(2016)「生き方の理解と支えあいのための場の模索­エンドオブライフ を考える市民参加型プログラムの事例から­」『生命倫理』27 号、159~168 頁。 1. 3.

(4) Ⅲ. 結果. ① 教育プログラムの構築 本教育プログラムにおける参加者の到達目標を、1)みずからの人生の意識化、2)エンド オブライフを考え、 「自分らしい生き方や死に方」を語る力、3)自らの価値観を大切な人(家 族など)と分かち合う力の3つに定めた3。内省の力、思考し言語化する力、他者と共有す る力と言い換えてもよい。これらは、いわば一種のエンドオブライフを生きるためのコン ピテンシーを構成するものであるが、これらの能力を強化するために教育プログラムを開 発すべきであると考えた。 さらに、これらのコンピテンシーは、ばらばらの3つのものではない。これらを体得す る過程は、 「わたしはどう生きていくか」という問いをめぐって参加者思考し、変化もして いく過程であるという仮説を立て、教育プログラムはそれを促進するものとして設計する べきであると考えた。そのための手法として、プログラム主催者による話題提供と参加者 の中のグループディスカッション(話しあい)を4回プログラムで異なるテーマで繰り返 していくのが有効と考えた。それを通して、エンドオブライフに関連して、参加者が「こ れからこう生きたい/これでいいんだと思えた/ここを改善したい/○○を大事にしたい」と いう「気づき」を発見し、それをそれぞれの生活の場に持ち帰っていくということをプロ グラムのデザインとした。(下図参照). 3. 前掲、高橋ほか(2016)参照。 4.

(5) 本研究では、2 回にわたって、エンドオブライフ教育に関心ある市民の方と合同で、教 育プログラムの内容やテーマについて話し合う会議(市民合同企画会議)を持った(2 ペ ージ参照)。その過程で、市民の方(市民企画委員)と本研究共同研究者らが協議し、本研 究で実施する教育プログラムの概要を以下のように決定した。 ・ プログラム名 「市民講座:話すことで気づくエンド・オブ・ライフ∼みんなで考えよう∼」 ・ 実施日 2017 年 2/26、3/5、3/12、3/26(いずれも日曜日)の計4回プログラム。 時間は、13:30-16:30 の3時間。 ・ 対象者(プログラム参加者) エンドオブライフについて関心のある一般市民(30 名程度) ・ 各回のテーマ 第1回:エンド・オブ・ライフをどう生きるか? 第2回:自分の考える生と死 第3回:文学から考えるエンド・オブ・ライフ 第4回:自分らしく生きるとは ・ プログラムの展開方法 話題提供(講義形式)とディスカッション(ワールドカフェ方式)を組み合わせる。 第1回及び第3回終了後に、「宿題」を設定する。「宿題」は、自身のエンドオブライフ について「考える」 「書く」 「話す」アクティビティとする。具体的には、 「最期の時期をど う生きたいかについて、考え、書く」というもの(第1回終了後)、及び「身近な人と自分 の考える「生き方」(最期までどのように生きたいか)について話をしてくる」(第3回終 了後)とした。前述の3つの到達目標を促進する意図をもつ。 4回のプログラムをとおして、参加者が「これまでの日常を振り返り、自分の現状を知 り・見つめ、これからどう生きていきたいかを考える」経験を積み重ねることを目標とし た。 次ページに、具体的なプログラム展開とプログラムの目標について表で示す。. 5.

(6) .

(7) ・参加者の心のニーズに対応する変化 本プログラムの到達目標は前述の通り、エンドオブライフについて意識化し、考え、語 り、共有することであるが、より踏み込んで考察すると、参加者は様々な段階の心のニー ズをもって参加することが予想された。それらは、大まかに以下の3つの段階に分かれる と考えられる。(1)ばくぜんとした不安を解消したい、(2)(エンドオブライフ期の)ケアに ついて具体的に知りたい、(3)考えるための場所、自分を振り返る場所がほしい/話したい、 というものである。後者になるにつれ、いわば本プログラムの到達目標に対応したレディ ネスが高いといえる。本プログラムは、参加者ひとりひとりのニーズに対応したものを提 供するものではないが、それでも、各段階におうじて、次のような変化を期待できるよう なプログラム設計は可能と考える。すなわち、(1)の段階に対しては「不安が和らげられる」、 (2)の段階に対しては「知りたかったことがわかる」、(3)の段階に対しては「自分の考えが 振り返られる/自分の考えが変化する/話してよかったと思う」というものである。各段階 に対応したこうした変化を引き起こすために、以下のような工夫が必要である。すなわち、 (1)の段階に対しては「安心して参加できる場」、(2)の段階に対しては「知識提供」、(3)の 段階に対しては「考えること・話すことのできる時間としくみ」である。 これらをまとめたのが、下図である。. 8.

(8) 本プログラムにおいては、これらのニーズやそれに対応する工夫を厳密に設計しなかっ たが、プログラムの各場面において意識するように努めた。 ②開発した教材について 本プログラムは 28 名の参加者を迎えて、2017 年 2/26、3/5、3/12、3/26 の4回実施さ れた。同時進行で、本研究のもう一つの目的である「教材」の開発を推進した。 教材の骨子は、前述のプログラムで用いた資料と宿題など、本研究が開発したプログラ ムを展開するための部分、及び、エンドオブライフケアについての知識や関連書籍の情報 提供である。本報告書の末尾に資料として、開発した教材の第1版を添付する。 Ⅳ. 考察 本研究で開発した教育プログラムは、話題提供、ディスカッション、 「宿題」から構成さ. れる。このうち前二者が、プログラムの時間内のアクティビティであり、 「宿題」は、参加 者各自が行なってくることを想定している。 「学習」とは、フェイズの異なる2つの段階で 行われると効果的であるとされる。すなわち、デザインされた学習時間(いわゆるプログ ラムにおけるアクティビティの時間)と、生活の中に埋め込まれている学習時間である。 「宿題」は、この後者を促進するためのものであり、半ばデザインされた学習時間ともい える。とはいえ、普段の生活の中で考えることが難しい、 「最期の時をどう生きるか」とい うテーマについて考えたり書いたり、誰かに話してくるという「宿題」内容は、参加者に とっては、生活の中に少しだけ非日常の思考や会話を取り入れる機会となったはずである。 話題提供の内容や順番についても、市民企画委員と共同研究者たちで協議を行なった結 果である。第1日目に「エンドオブライフケアの基礎知識」、第2日目に「地域包括支援と 相談現場からの話題提供」、第3日目に「文学から考えるエンドオブライフ」という構成と なっている。 「エンドオブライフケア」は医療の分野で 2000 年代以降定着してきた概念で、 終末期医療や緩和ケアといった類似概念に比較して、より「ライフ(生活)」をどう生きる かという観点が強調された概念とされる。本研究のプログラムでは、エンドオブライフケ アの基礎知識のみならず、地域での実際のヘルスケア専門職からの提言や観点、さらには 「文学」という媒体を生涯教育に結びつけている点が、包括的ケアとしてのエンドオブラ イフケアの教育プログラムとして挑戦的な点であった。 本研究は、プログラム及び教材開発をアウトカムとしたので、参加者の方のフィードバ ックについては直接扱わなかった。これらの教材がもたらす効果測定については、継続研 究の課題としたい。 * 本研究は、公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団の助成によって実施しました。本研 究報告書及び添付する教材は、その成果です。. 9.

(9) Japan Academy of Integrated Care (JAIC) 編集. 話すことで気づく エンド・オブ・ライフ 市民講座 ガイドブック 第1版 お問合せ 特定非営利活動法人 Japan Academy of Integrated Care (NPO-JAIC)通称:ジェーアイク 電子メール: [email protected].

(10) 目  次. ガイドブックの使い方. 2. 「話すことで気づくエンド・オブ・ライフ」講座の組み立てとねらい 第1日目 ∼エンド・オブ・ライフをどう生きるか∼. 3 5.  宿題. 19. 第2日目 ∼自分の考える生と死∼. 20.  宿題. 27. 第3日目 ∼文学から考えるエンド・オブ・ライフ∼. 28.  宿題. 37. 第4日目 ∼自分らしく生きるとは∼. 38. 資料1:地域でエンド・オブ・ライフを支える考え方. 41. 資料2:エンド・オブ・ライフケアについての推薦図書. 44. 講座を主催される方へ∼場づくりについて∼. 47. 執筆者一覧. 48. −1−.

(11) ガイドブックの使い⽅ このガイドブックは、 「エンド・オブ・ライフ」について語る機会や場を 作りたいと考える方のために、方法と教材を提供するものです。 私たちは、平成 25 年∼28 年にかけて、千葉市生涯学習センターと協同 で「エンド・オブ・ライフケア」について語り合う「市民講座」を実施し てきました。その中で少しずつ発展させてきた内容をこのガイドブックに まとめました。 病院や保健所、地域包括支援センタ ー、訪問看護ステーションなど、市民 と医療者が「人生の最終段階」をどう 過ごすかについて共に考え、語り合う 機会と場づくりの参考となれば幸い です。 執筆者一同. 2. −2−.

(12) 「話すことで気づくエンド・オブ・ライフ」 講座の組み立てとねらい  人生の「終末期」をいかに生きるかは、誰にとっても、大変に大きな、また混迷を伴う テーマだと思います。病院への「お任せ」治療から、自分や家族の価値観・生き方を大事に した治療・ケアのあり方へと、今、終末期ケアの状況は大きく舵を切っています。ますま す、「終末期」の生き方や、支え合いのあり方をどうするか、どう望むかが問われる時代に なっています。  エンド・オブ・ライフ(人生のおわりの時期)について、ひとりひとりが自由に「考え」 「話しあい」「学ぶ」という場が、今まで以上に必要になってきているのではないか?そのよ うに思い、私たちは、「話すことで気づくエンド・オブ・ライフ」というテーマで4日間の 講座のための教材を作りました。   第1日目 ∼エンド・オブ・ライフをどう生きるか∼ 第2日目 ∼自分の考える生と死∼ 第3日目 ∼文学から考えるエンド・オブ・ライフ∼ 第4日目 ∼自分らしく生きるとは∼  それぞれの日のねらいは、各ページの冒頭に掲載してあります。「自分はエンド・オブ・ ライフをどう生きたいか」ということが、4日間とおしての大きなテーマとなっています。 このテーマを、相談支援や地域包括センターの現場の事例、「文学作品」の登場人物の心の 葛藤、毎回の「宿題」をとおして、考えて、言葉にして、話してみるということが、この講 座の骨子です。自分らしく生きるとは」の新しい答えやその手がかりが見つかるならば、望 外の幸いです。. −3−.

(13) −4−.

(14)   第1日目 ∼エンド・オブ・ライフをどう生きるか∼ ねらいのことば  「エンド・オブ・ライフケア」という言葉を聞いたことはありますか。  医療の分野で新しく使われはじめているこの言葉は、今までの「ターミナル・ケア」や 「緩和ケア」という言葉以上に、生活者としての私たちの人生に起こる「死」という出来事 をどう考え、どう支えていくか という発想が含まれています。  第1日目は、この「エンド・オブ・ライフケア」という言葉をキーワードに、考えを深め てまいりましょう。. −5−.

(15) −6−.

(16) の. −7−.

(17) 1. 272.3. 966.0. 1633.6. 2. 114.4. 573.2. 1492.6. 3. 100.9. 401.4. 1033.4. 17.9 12.3. 75.7 53.8. 210.6 139.3. 8 10.. −8−.

(18) Advance Care Planning(ACP). – – – ACP. http://www.ncpc.org.uk/sites/default/files/AdvanceCarePlanning.pdf. −9−.

(19) NHS HP: Advance Care Planning: A Guide for Health and Social Care Staff). ACP :. 2. −10−. 2.

(20) 1. −11−.

(21) −12−.

(22) −13−.

(23) −14−.

(24) Good Death Good Life Good Greif Good Death Good Life Good Greif. −15−.

(25) −16−.

(26) EOL. の. −17−.

(27) 〜話し合い〜  「エンド・オブ・ライフケア」の考え方について、どのようにどのように感じましたか。  後半は、いよいよ皆さんの「話し合い」の時間です。ご自分の興味のあるテーマ、考えて みたいテーマ、他の方の考えを聞いてみたいテーマ、以下の4つからお選びください。同じ テーマを選んだ人同士で集まりましょう。  話のすすめ方は、ファシリテーターが説明をしてくれます。 1.「エンド・オブ・ライフ(ケア)」ってどう思いましたか? 2.「生きる」ってどういうこと? 3.「死」に不安を持つのはなぜ? 4.「(人を)信頼する」「(人を)理解する」ってどういうこと?. 〜共有〜  各テーマでどんな話が出たでしょう?それぞれのテーブルから発表をしてもらいましょう。. −18−.

(28) 2日目に向けての宿題  「最期の時期」をどう生きていけばよいか、あるいはどう生きたいか、あなたはどう考え ますか? 書き出してみましょう。3つにわけて、「問い」をつくってみました。 1.今まで経験したり、あるいは見聞きした死(実際の出来事でも、本・映画・テレビのこ とでも)から、ご自身が学んだことはありますか。. 2.あなたは、最期の時期をどのように生きたいですか?. 3.そのように生きるために、自分自身でできることを考えて、書いてみましょう。. −19−.

(29)   第2日目 ∼自分の考える生と死∼ ねらいのことば  第2日目は、「宿題」で書き出してきた、「わたしは最期の時をどのように生きたいか」 を、グループのなかで話してみましょう。おひとりおひとりの考えがじっくり聴かれあう時 間になると良いと思います。  後半は、「エンド・オブ・ライフ」をめぐる様々な現実の事例を、相談支援 や地域包括支 援センターの現場の方から話題提供してもらいます。.  . −20−.

(30) 〜話し合い〜  小グループになって、書いてきた「宿題」を持ち寄りましょう。  ひとりひとりの経験や思いを、じっくり聴きあいましょう。  意外な個性的な考えが飛び出てきたり、その中に 共通点が出てくるかもしれません。. 〜共有〜  各グループでどんな話が出たでしょう?それぞれのテーブルから発表をしてもらいましょう。. −21−.

(31) 老衰期の胃瘻造設について:地域包括支援センターの現場から 事例 ・患者 Y さん 90歳 女性 ・病名 高血圧 慢性心不全  ・家族構成 夫を亡くし長男家族と同じ敷地内に住む。代々の農家である。 ・今までの生活  代々、農業を営んできた。夫は11年前に亡くなった。  長男家族と同居しており、高齢になってから、農作業はできなくなったが、長男が畑へ連 れていき、小屋で手伝いをしたりしていた。  最近は、うつらうつらすることが多く、自宅で過ごすことが多かった。 ・現在  3月頃から食欲がなくなり、ほとんど寝て過ごしていた。  医者からは、特に異常はなく年だからと聞く。医者は、長男にもそのように説明したが、 食欲低下に対して何らかの対応を希望された。医者は経管栄養を検討している。 ・本人の意思  食欲がないことは、自覚している。しかし、このままでいい。入院はしたくない。  無理に食べたくない。経管栄養のことは、よくわからないけど大変なことはしたくない。 このままでいい。 ・長男の気持ち  老衰で食べられないことが自然なことだとはわかった。しかし、目の前で親が食べられな くなって弱っていくのに何もしないということがつらい。経管栄養をするとで、元気になり 少しでも長生きができるのなら何とかして(それを)やってあげたい。 ・私たち(医師、看護師、ケアマネジャー)の迷い  経管栄養をしなかった場合、一日の食事量は極少量となっており、近いうち死亡すること が予想される。  経管栄養をした場合、胃瘻であれば逆流などがないか新たな観察や検査が必要になる場合 がある。場合によっては、誤嚥のリスクが高くなることもあり、そのための投薬や点滴など が増える可能性がある。中心静脈栄養の場合でも感染予防などの管理が必要になる。カテー テルがあることは、本人の日常生活で動きづらさが出る可能性がある。またいずれにせよ、 カテーテル管理などで、家族の負担が増すことが考えられる。  年齢や状態から、食欲低下に対して検査をすることは、本人への負担が大きい。しかし、. −22−.

(32) 食べられなくなったことに対して経管栄養で対応する方法はあるし、もしかしたら少しは元 気になるかもしれない。リスクはあるが、家族が「生きさせてあげたい」という希望がある のに、選択しないことを促すことはどうなのか。  本人、家族には、「経管栄養で、少し元気になるかもしれない。そしてまた口から食べら れるようになるかもしれない。」と話し、しかし先に述べたリスクもあることを説明した。 その上で一晩、本人と家族で話し合ってもらうようにした。  . 〜みなさんに考えていただきたいこと〜. ・自分が本人の立場だったら…… ・自分が長男の立場だったら…… ・自分が周囲の人の立場だったら(例えば長男の妻など)……. −23−.

(33) −24−.

(34) −25−.

(35) −26−.

(36) 3日目に向けての宿題  3日目は、トルストイの『イワン・イリイチの死』(光文社古典新訳文庫)を題材に、一 緒に話し合いたいと思います。話し合うテーマは、以下の4つです。テーマについて念頭に 置かれつつ、読んできてください。. 1.イリイチは何に苦しんだのでしょうか?. 2.あなたとイリイチとの、共通点、相違点はなんですか?. 3.「イワン・イリイチの死」でトルストイが問いかけたかったことは何だと思いますか?. 4.あなたにとっての死のイメージは?.  . −27−.

(37)   第3日目 ∼文学から考えるエンド・オブ・ライフ∼ ねらいのことば  『イワン・イリイチの死』は、19世紀のロシアのある官僚の「エンド・オブ・ライフ」を 題材とした小説です。遠い昔の異国の話でありながら、登場人物たちの心模様や苦しみは、 どこか私たち自身の悩みに言葉を与えてくれる側面もありそうです。  第3日目は、『イワン・イリイチの死』を題材にしつつ、死にまつわる経験についての 色々な見方を出し合えると良いと思います。. −28−.

(38) −29−.

(39) −30−.

(40) 〜話し合い〜  後半は、「話し合い」の時間です。ご自分の興味のあるテーマ、考えてみたいテーマ、他 の方の考えを聞いてみたいテーマ、以下の4つからお選びください。同じテーマを選んだ人 同士で集まりましょう。  話のすすめ方は、ファシリテーターが説明をしてくれます。 1.イリイチは何に苦しんだのでしょうか?. 2.あなたとイリイチとの、共通点、相違点はなんですか?. 3.「イワン・イリイチの死」でトルストイが問いかけたかったことは何だと思いますか?. 4.あなたにとっての死のイメージは?. 〜共有〜  各テーマでどんな話が出たでしょう?それぞれのテーブルから発表をしてもらいましょう。. −31−.

(41) −32−.

(42) −33−.

(43) −34−.

(44) −35−.

(45) −36−.

(46) 4日目に向けての宿題  最初の宿題で、「自分は最期の時期をどのように生きたいか」を書いていただいたと思い ます 。その後、グループで話し合ったり、「イワン・イリイチ」の人生を振り返る中で、変 化はありましたか?その変化も含めて、「今」の自分は「最後の時期をどう生きたいか」を、 誰か、あなたにとっての「大切な人」に話してきましょう。  「大切な人」は、家族はもちろん、友人でも、あるいは、この話を「話したい」と思える 人、だれでも OK です。  そして、あなたの「語り」の経験を、以下の要領でまとめてみてください。 1.誰と、どのような状況で話をしましたか? ・その方とあなたとの関係 (配偶者・父母・息子・娘・祖父母・兄弟・姉妹・友人・同僚・その他) ・その方の年齢  (     歳代) ・話をした場所  (                 ) ・話をした時間  (     時ごろ ) ・どのくらいの時間(     分くらい ) ・時間は十分でしたか ①十分だった  ②足りなかった ③ちょうどよかった ・時間の長さについて、なぜ、そのように感じましたか 2.その方を選んだのはなぜですか? (話の相手として「その人」を選んだ理由は何でしょう). 3.話が終わって、何を感じましたか?. 4.話を深めるために、何か工夫をしましたか?  . −37−.

(47)   第4日目 ∼自分らしく生きるとは∼ ねらいのことば  「自分は最期の時期をどのように生きたいか 」、話をしてみてどうだったでしょうか。そ れぞれの「語り」のチャレンジの経験を、出し合いましょう。. −38−.

(48) 〜話し合い〜  それぞれの「語り」の経験を書いた宿題をもとにして、話し合うテーマを5つ設けてみま した。ご自分の入りやすい切り口のテーマ、考えてみたいテーマ、他の方の考えを聞いてみ たいテーマをお選びください。同じテーマを選んだ人同士で集まりましょう。  話のすすめ方は、ファシリテーターが説明をしてくれます。. 1、話しの相手を選んだ理由 2、話し合いがすすむ環境とは? 3、良い話し合いになるための準備とは? 4、話し合いで起こる変化とは? 5、自分らしく生きるとは?. 〜共有〜  各テーマでどんな話が出たでしょう?それぞれのテーブルから発表をしてもらいましょう。.  . −39−.

(49) 〜講座を振り返って 〜 この講座を通して気づいたこと・学んだことは、どんなことでしたか?. この講座で得たもので、日常生活で活かしてみたいことはありますか?  . −40−.

(50) 資料1:地域でエンド・オブ・ライフを支える考え方  最期までどう生きるか、その人らしい人生の終え方を共に考え、支える。そのために最も 基本となるのは「本人の意思」そして選択です。  本人の選択のもとに家族と本人がともに考え、どう生きるかについて話し合い、支え合 い、許し合い、癒し合い、ともに地域で暮らし、時を重ねていくのだと思います。  その1日1日の暮らしの中に大切にしていること、大切にしてきたことを伝えることで 「その人らしさ」「私らしさ」という尊厳ある生き方を全うする生き方を実現できると私たち は考えます。  しかしながら、それは、人任せでできるものではなく、私自身がしっかりと「どう生きた いか」を周囲の大切な人に伝え、理解し合うことから始まるのです。そして理解し合い、支 え合う関係の中で生きること、それがきっと自分らしく生きることにつながるでしょう。  大切なのは私自身が選ぶことなのです。誰と暮らし、どう生きることが「私らしい」のか を考え、伝え、理解を得て支えてもらいながら、人生を生き抜くことが大切かと思います。. 引用元:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「〈地域包括ケア研究会〉地域包括ケアシステムと地域マ ネジメント」. (地域包括ケアシステム構築に向けた制度及びサービスのあり方に関する研究事業)、 平成27年度厚生労働省老人保健健康増進等事業、2016年. −41−.

(51) ●相談できる制度や場所について 相談内容. 利用できる制度. 対応窓口. 家 族 の こ と. 介護するために休職したい. 介護休業・介護休暇. 勤務先の人事・労務担当部署. 介護休業給付金. 勤務先所在地管轄のハローワーク. 自 分 の こ と. 介護が必要となる可能性がある. 介護保険制度. 市町村の介護保険担当窓口 地域包括ケア支援センター. 休職を検討したい. 傷病手当金. 会社担当者、協会けんぽ 健康保険組合など. がんの治療で障害が残る可能性がある. 障害年金. 年金事務所、年金相談センター 市町村の国民年金担当窓口. 身体障害者手帳. 市町村の障害福祉担当窓口. 医療費の負担を軽くしたい. 高額療養費制度. 加入している公的医療保険(健康保 険組合、協会けんぽ、国民健康保険、 後期高齢者医療制度)の担当窓口. 税金の還付を受けたい. 医療費控除. 住所地管轄の税務署. 生活が苦しい 生活にかかる経済的支援を受けたい. 生活保護制度. 住所地管轄の福祉事務所. 生活福祉資金貸付制度. 市区町村の社会福祉協議会. お 金 の こ と. インターネットによる情報サイト  介護サービス情報公表システム(厚生労働省)全国版 http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp  WAM NET 独立行政法人福祉医療機構が運営する福祉・保健・医療の総合情報サイト http://www.wam.go.jp/content/wamnet/pcpub/top/  がんと共に働く 知る・伝える・動き出す 国立がん研究センターがん情報サービスセンターが運営するがんと就労についての情報サイト http://special.nikkeibp.co.jp/atclh/work_with_cancer/aboutus/index.html  がん制度ドック がんと診断され、現在の病状・体調・希望に合わせた公的・民間医療保険制度が検索ができ るサイト http://www.ganseido.com/. −42−.

(52)  在宅ケアデータベース 日本ホスピス協会が提供する全国の在宅医や関連サービスのデータベース  住み慣れた自宅で最期まで過ごしたい、そんな患者さんや家族さんを支えるサービスを専 門的に行っている全国の診療所や訪問看護ステーションを探すことができます。 http://www.homehospice.jp/  健康と病いの語りのデータベース:ディペックスジャパン  認定 NPO 法人 健康と病いの語り ディペックス・ジャパンが提供しているサイトです。  がんや認知症の体験談を動画や音声でお届けしています。患者にしか語れない病いの体験 の言葉がある。病気になったとき、自分と同じような体験を聞くことができます。  トピックスに応じて検索もできます。また認知症の介護経験についても体験談を聞くこと ができます。 http://www.dipex-j.org/. −43−.

(53) 資料2:エンド・オブ・ライフケアについての推薦図書  執筆者一同による、「エンド・オブ・ライフケア」に関する推薦図書です。医療の専門書 だけではなく、人生の終わりを意識した生き方、あるいは支え方について考えるのに役立つ 本を集めてみました。. 〜書籍編〜 『生きることばあなたへ』瀬戸内寂聴(著)、光文社文庫  一つ一つのことばの持つ力を感じ、自身を振り返りゆったりとした気持ちになります。生 きている意味について考える機会になりました。 * 『死を見つめる心ーがんとたたかった十年間』岸本英夫(著)、講談社、1973年  本書は、宗教学者である著者が米国留学中に悪性皮膚がんと診断されてからのちに、死と どのように向き合ったのかが記されている。キリスト教の家庭に育った著者は、宗教学者と して死後の世界を認めず、結局死とは「大きな別れ」であるとした。 * 『100分 de 名著 銀河鉄道の夜』ロジャー・パルパース(著)、NHK 出版、2012年  宮沢賢治「銀河鉄道の夜」を、死にゆく友人との別れのプロセスとして新しく描きだす解 説書。著者は、賢治にとって、「死生観」や「別れとしての死を織り込んだ生」の意味は何 か、というのが大きなテーマだったとする。文学から入っていく「エンド・オブ・ライフケ ア」の入門書といえるだろう。 * 『思想のレクイエム 加賀・能登が生んだ哲学者15人の軌跡』浅見洋(著) 、春風社、2006年  石川県が生んだ哲学者たちー西田幾多郎・鈴木大拙といった有名人から無名の女性までー の、人生と思想をコンパクトにまとめた一冊。なぜ「エンド・オブ・ライフ」に関わるかと いうと、実はかれらの多くが、親しい人の死の衝撃や悲しみを見つめることをとおして、哲 学や思想を生み出した、というのが本書のポイント。語り口が穏やかな本。 * 『「がん」になるってどんなこと?』林和彦(著)、セブン & アイ出版、2017年  東京女子医科大学のがん専門医が「がん教育」のために教員免許を取得し、教壇に立って教 えていることを1冊にまとめたもの。著者は中学生のときに父を胃がんで亡くしており、がん とはどういう病気で、治療はどんなことを行うのか。それによってどうなるのか。 がん患者の 家族ができることは何か。 3つの実話に基づいた、わかりやすいストーリーで展開しています。. −44−.

(54) * 『終末期医療、いのちの終わりを受け容れる : 愛する人への最期のケア』 ハンク ・ ダン(著)、足立智孝(監修 ・ 翻訳)、楠瀬まゆみ(翻訳)、河出書房新社、2013年  最愛の家族の最期の治療を決めるとき、あなたなら何を判断材料にするだろう。心肺蘇 生、人工栄養など延命治療の蘇生率とリスクといった医学的問題の解説、さらに命を手放す ための準備を語る本。困難な選択に必要な情報と判断のための考え方を提供する、米国で 20年以上読まれ続ける超ロングセラー。 * 『つながる・ささえる・つくりだす 在宅現場の地域包括ケア』 秋山正子(著)、医学書院、2016年  訪問看護師であり、地域包括ケアの先駆者として知られる著者が、日々の実践を積み重ね て地域包括ケアを実現していった事例や、そのためにつくった「地域をささえ、つなぐ場 所」をナラティブなエピソードをとおして紹介する。地域包括ケアシステムのなかで、在宅 ケアの最前線にいる実践者が果たす役割が具体的にわかる本。 * 『看取りの医者』平野国美(著)、小学館、2011年  終末期医療の訪問医が見届けた感動実話全九話。これまで何百人という患者を看取ってき た医師が、その過程で人間にとって「人にとって最もふさわしい最期の場所とは?」「本当 に幸せな最期とは?」と考えるようなり、看取りの過程で、悩みながら、涙ぐみながらも 知った、せつなくも感動的な最後のカタチを集めた本。 * 『日本で老いて死ぬということ 2025年、老人「医療・介護」崩壊で何が起こるか』 朝日新聞 迫る2025ショック取材班(著)、朝日新聞出版社、2016年  団塊の世代が75歳になる2025年、家でも病院でも死ねなくなる !? 「多死社会」を迎え て病院がパンク、政府は在宅の看取りを推奨するが、訪問医師、訪問看護師、介護福祉士の 数が足りない。今、何をすべきか? 豊富な現場取材をもとに考察する本。 * 『無常の日本思想 花びらは散る 花は散らない』竹内整一(著)、角川選書  「死んだら無になる」その「無」とはどういう意味か。「花びらは散る 花は散らない」こ の言葉が表すのは、意外な死者と生者の関係性。今の時代でも使う日本語を見つめ直すこと で、感受性がみずみずしく蘇ってくる一冊。. −45−.

(55) * 『100万回生きたねこ』佐野洋子(著)、講談社、1977年  100万回死んで、100万回生きた猫のお話。何回死んでも何も感じない、自分しか好き じゃなかったトラ猫が、一匹の白猫に出会い、自分よりも大切に思える存在に初めて気づ く。生ききるために大切なことは何かを考えさせられる絵本。 * 『きみの町で』重松清(著)、朝日出版社、2013年  生きることをまっすぐに考える「こども哲学」から生まれた物語。子どもの視線で書かれ ている本書であるが、これまで当たり前だと思っていたことを、立ち止まって考ていてゆ く、8つの小さな物語。 * 『自分をみつめるもうひとりの自分』柳田邦男(著)、株式会社佼成出版社、2016年  「つらい立場にいる人は、長いものを読むのもつらい」と、一話が見開き2ページ、全部 で33話の小さな本。著者が70年以上を生きてきた人生を一編の長編小説を読み返すような 眼で振り返り、その中から「生きる」うえで支えになった出会いや考え方を拾い集めたハン ドブック。. 〜映画編〜 映画「東京物語」(1953年、配給:松竹、監督:小津安二郎)  このように老い、生きると死も恐れずにいられると感じる映画。親としての自立、個人と して精一杯生き続けること、子どもの生活の理解と幸せへの祈り、これまでの人生の肯定、 老夫婦として突然の別れの受容、等のメッセージが伝わる。 * 映画「湯を沸かすほどの熱い愛」(2016年、配給:クロックワークス、監督:中野量太)  余命数カ月と宣告された主人公が、最期まで、妻として、母として、人として生を全うす る姿から生きることの意味について考えさせられる内容。. −46−.

(56) 講座を主催される方へ∼場づくりについて∼  この講座は、千葉市生涯学習センターと千葉大学大学院看護学研究科とが4年間共同して 取り組んでまいりました成果です。  この取り組みはすべての人々が自分の人生に主体的に向き合う時間と場を提供するという 学習環境の提供を最も重要と考えてきました。  講座といっても何が知識を提供することやこうあればればよいという一般的な方法を伝授 するあるいは習うことを目的としているのではありません。  それぞれの参加者がこの講座に参加することで、自分の生き方について「考える」「文章 に書く」「他者に語る」「他者の考えを聞く」「他者の考えを理解する」ワークを通して、自 分のこれまでの生き方や周囲の人との関係性を振り返り「これでいいんだ」「もっとこうし たい」と気づきを得て、自分の生活の仕方や周囲の人との関係を自分がありたい状況へと自 分から向き合っていこうとする、そんな力を得ることを狙いとして進めています。  このことは市民だけでなく専門家も一人の生活者として、自らの人生に主体的に向き合う 取り組みを進めていくために必要な学習の機会なのではないかと信じています。  エンド・オブ・ライフケアとは他者との関係性を育くみながら、自分の人生に主体的に向 き合い「生と死について学ぶプロセス」です。そのプロセスでは、自分がどう生きてきた か、今後どう生きたいかを考え、意識化する。生きている今を言葉に表現し身近な他者に伝 えていくことをしながら、自分に気がついていくのです。  私たちはこのようにエンドオブラフケアをとらえ、地域社会の中に自分を大事にすること と自分が他者とともに支え、支えられながら生きていることを実感する。そして、エンドオ ブライフを語ることは、「生と死を他者とともに学ぶことである」として、この講座を開い てきました。  自分の人生を豊かに、私らしくあるために、1日一日を大切に生きるために、ともに考え ともに歩む、講座を作る人も参加者も一緒に考えることが最も場づくりに大切なことと考え ています。 . −47−.

(57) 執筆者一覧  このガイドブックは、平成28年度勇美記念財団在宅医療研究助成「市民を対象としたエ ンド・オブ・ライフ教育のプログラム及び教材開発」(研究代表者:高橋在也)による研究 助成によって作成され、以下のメンバーによって共同執筆されたものです。 研 究 代 表 者:千葉大学大学院看護学研究科   特任講師 高橋在也 共 同 研 究 者:東京女子医科大学        教授   長江弘子        東京女子医科大学        准教授  坂井志麻        東京女子医科大学        講師   原沢のぞみ        東京女子医科大学        助教   小池愛弓        東京女子医科大学        助教   渡邉賢治        亀田医療大学          教授   足立智孝        千葉市あんしんケアセンター磯辺 主任 CM 清水直美        マギーズ東京          看護師  岩城典子        千葉大学大学院看護学研究科   教授   吉本照子        千葉大学大学院看護学研究科   准教授  石丸美奈 教材執筆担当 第1日目教材:長江弘子        第2日目教材:清水直美、岩城典子        第3日目教材:足立智孝. −48−.

(58) Japan Academy of Integrated Care(JAIC)編集 『話すことで気づくエンド・オブ・ライフ 市民講座ガイドブック第1版』. 発行:2017年3月31日 印刷:株式会社正文社    〒260-0001 千葉県千葉市中央区都町1-10- 6 お問合せ: 特定非営利活動法人 Japan Academy of Integrated Care(NPO-JAIC 通称:ジェーアイク) 電子メール: [email protected] 〒167-0043 東京都杉並区上荻3丁目6番14号 ホームページ: http://npojaic.org ●本書の一部または全部を許可なく複写複製することはご遠慮ください。.

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