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まえがき(pdf)

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Academic year: 2021

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まえがき

本書は,大学,高専で,「数値計算法」,「数値解析」と名のつく科目の教科書と して書かれたものである.したがって,それ以前に学んでおくべき科目,例えば, 解析学,線形代数学,プログラミング演習などの基礎学力を前提としている.ま た,逆に数値計算法を学ぶことがこれら科目の復習にもなり,ひいては,これら 科目の理解をより一層深めることになれば,という欲張った願いもないわけでは ない.というのは,実際に学んだアルゴリズムをプログラミングし,計算結果を 図示し,それを眺めることによって何かを学び取るということは,これら科目の 講義では行われていない授業形態であるからである. 数値計算法という学問は,プログラミング演習とも数学とも異なり,一種独特の センスが要求される分野である.プログラミング技法と数学の公式さえ知ってい れば何とかなるというものでもなく,ましてや数学的な美しさや厳密性を追求す るものでもない.本書の主旨は数値計算法の真髄を学び取ってもらうことである. 本書は,アルゴリズムを学んだら,必ずプログラムを提示し,そのプログラム による計算結果を図示し,それに解説を加える,というスタイルで一貫している. プログラムはアルゴリズムを実現する手段であるから,手段としての機能を果た していれば言語にこだわる必要はないが,どこでも使え,解説書も豊富な 言語 が適切であると考えた.プログラムは単なる手段に過ぎないが,それを作る過程 は抽象的かつ論理的な思考力を鍛える非常によい場でもあり,プログラミング能 力がなければ,純粋な理論家は別としても,科学技術の現場では何もなしえない

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ま え が き 時世である.たかがプログラミングされどプログラミングである.本書のプログ ラムは比較的短いものばかりなので,是非,解読し,さらにそれを発展させ,よ り高度なものを作ることに挑戦していただきたい. 執筆中,常に念頭を離れなかったのは,最近叫ばれている大学生の学力低下であ る.しかし,それが事実だとしても,高校の教育課程にまで立ち帰って懇切な解 説を加えるのは著者の本意ではないし,また紙幅も許さないであろう.したがっ て,ある程度のレベルを維持しつつわかりやすく書く,ということを心がけたが, これは著者の力量がもっとも問われるところであろう.わかりやすくしたつもり が,冗長で逆にわかりにくなっていないか不安である.そのような記述があった 場合は読者諸氏は寛容な態度で接していただきたい. 本書では,数値計算法の中ではかなり重要な位置を占めているが,紙幅の関係 で除外した部分もある.例えば,固有値問題,偏微分方程式,モンテカルロ法,ス プライン近似,並列プログラミング,などである.これらの部分もいつの日か機 会があれば書いてみたいと思っている. 最後に,執筆の機会を与えてくださった共立出版(株)営業部の木村邦光氏,校 正刷りに根気強く目を通し,誤植を抽出するだけでなく,著者が想像していた以上 に美しい体裁に仕上げていただいた同社編集部の赤城圭氏に感謝する次第である. また,本書を書くにあたって著者が所属する秋田県立大学システム科学技術学 部の同僚から多くのアドバイス,協力を得た.付録の「 言語と数学関数につ いて」の作成にあたっては,廣田千明准教授から多大な協力をいただき,能登谷 淳一助教からは 言語の各種仕様の違いを詳しく教えていただき,作図に関して は中村真輔助手の協力を得た.これらの方々に謝意を表す. 平成¾¼ 年½¼ 月 小 澤 一 文

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