コージェネレーションでネットワークを広げていく「コージェネット」
Vol.9
Autumn 2015
コージェネ財団
特別講演会2015レビュー
エネルギーミックスと
コージェネレーション
コージェネ普及セミナー
これからの日本のエネルギー
~エネルギーミックスと分散型電源~
コージェネ導入事例
東天紅 上野本店
資生堂 久喜工場
曙ブレーキ工業 Ai-City(本社)
特集
[対談]木場 弘子
氏柏木 孝夫
×
Vol.9
Autumn 2015
特 集
コージェネ財団 特別講演会 2015 レビュー
エネルギーミックスとコージェネレーション
鼎談
エネルギーベストミックスに向けた提言
山地 憲治 氏/髙村 ゆかり 氏/柏木 孝夫パネルディスカッション
長期エネルギー需給見通しに見るコージェネへの期待
コージェネ普及セミナー
[ 対談 ]木場 弘子 氏 × 柏木 孝夫
これからの日本のエネルギー ~エネルギーミックスと分散型電源~
コージェネ導入事例
Case1東天紅 上野本店
ジェネスマート導入で停電時のコージェネ能力をフル活用し、
地域の BCP 拠点として貢献
Case2資生堂 久喜工場
エネルギー使用状況変化に適合したベストミックス・コージェネ導入
Case3曙ブレーキ工業 Ai-City(本社)
排熱も発電に利用し発電総合効率 49%を達成
地域住民の災害時の緊急避難所としての機能も
3
22
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エネルギーミックスと
コージェネレーション
コージェネレーション(熱電併給)システムの普及促進を目的とする、コージェネ財団主催 の特別講演会が7月23日、東京のイイノホール&カンファレンスセンターで開催された。 経済産業省が7月に「長期エネルギー需給見通し」を決定したのを受け、「エネルギーミッ クスとコージェネレーション」をテーマに、官民学の有識者や実務家らによる鼎談やパネル ディスカッションを実施。活発な議論が展開された。 ギー ・ 新エネルギー部の木村陽一部長 ︵ 現 中 小 企 業 庁 事 業 環 境 部 長 ︶ は 、 地域で上手にエネルギーを使っていこ うという機運が高まってきている現状 を踏まえ 、 分散型システムの効用につ いて解説 。 エネルギー消費のスマート 化による需給迫の解消や電源設備の 効率化 、 非常時におけるリスクの分散 化 、 エネルギーシステムを軸とした地 方創生に寄与することなどを分散型シ ス テ ム の 効 用 と し て 挙 げ 、﹁ そ の 要 を 担うのが 、 コージェネであることは言 うまでもない ﹂ と明言した 。 さらに木村部長は 、 進行中の電力シエネルギー政策の要を担うコージェネ
経済成長と省エネの両立を実現
取材・構成・文/中村実里、小林佳代●写真/加藤康2
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柏木孝夫 コ ー ジ ェ ネ 財団理事長 コ ー ジ ェ ネ 財 団 は 7 月 23日 、 東 京 ・ イ イ ノ ホ ー ル & カ ン フ ァ レ ン ス セ ン タ ー に お い て 、 コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン ︵ 熱電併給 ︶ システムの普及促進を 目的とする特別講演会を開催した 。 第 4 回 と な る 今 年 の テ ー マ は 、﹁ エ ネ ル ギ ー ミ ッ ク ス と コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン ﹂。 官 民 学 の 有 識 者 や 実 務 家 ら が 登 壇し 、経済産業省が7月に決定した ﹁ 長 期エネルギー需給見通し ﹂ を主題とし ながら 、 コージェネの可能性を模索す る鼎談やパネルディスカッションが行 われた 。 開会挨拶でコージェネ財団の柏木孝 夫理事長は 、 2030年に向けた長期 エネルギー需給見通しで 、 多様なエネ ルギー源の活用と供給体制の確保を目 的に 、 コージェネを1190億 kWh程 度まで導入促進すると明記されたこと に言及 。 分散型電源であるコージェネ の政策上の位置づけが明確化されたこ と を 評 価 し 、﹁ 今 後 、 デ マ ン ド サ イ ド に適切な規模の分散型電源が導入され 、 大規模電源とうまく調和するところに 日本の成長戦略がある ﹂ と強調した 。 ま た 、 来 賓 と し て 挨 拶 し た 、 経 済 産 業 省 資 源 エ ネ ル ギ ー 庁 省 エ ネ ルコージェネ財団
特別講演会 2015
レビュー
特 集
政 策 の 必 要 性 を 強 調 し 、﹁ 省 エ ネ を 進 め 、 省エネ投資を積極的に施策で促す ことが 、 日本にとって強靭な経済基盤 をつくることにつながる 。 どのような ビジョンをもつか 、 ということが一つ の重要なになる ﹂ と提言 。 これを受 け山地所長は 、 目標を達成していくた めの条件として 、 情報活用による行動 変化の促進 、 および都市構造やインフ ラ構造の改革を挙げた 。 続 く パ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン で は 、 ﹁ 長 期 エ ネ ル ギ ー 需 給 見 通 し に 見 る コージェネへの期待 ﹂ と題し 、 意見交 換が行われた 。 経済産業省資源エネル ギー庁熱電併給推進室の戸邉千広室長 、 川崎重工業エネルギーソリューション 本部の森脇健副本部長 、 日本総合研究 所創発戦略センターの井熊均所長が登 壇し 、 コージェネ財団の土方教久専務 理事が進行役を務めた 。 土方専務理事から 、 コージェネの導 入の見通しについて問われた戸邉室長 は 、 コ ー ジ ェ ネ の 強 み と し て 、﹁ 安 定 的に熱と電気を供給できる ﹂ という点 を 挙 げ 、﹁ 分 散 型 シ ス テ ム の 中 で も 大 きなウェイトを占めるものとして認識 している ﹂ と述べた 。 また 、森脇氏は 、今後一層 、コージェ ネ の 導 入 を 推 進 す る た め に 、﹁ 一 般 に は馴染みが薄い 、 排熱から冷熱を生成 できることの広報活動 ﹂ と ﹁ 面的利用 経済産業省 資源 エ ネ ル ギ ー庁 省 エ ネ ル ギ ー ・ 新 エ ネ ル ギ ー部 木村陽 一 部長 土方教久 コ ー ジ ェ ネ 財団専務理事
情報活用
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フ
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構造
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改革が
目標達成
の
鍵
のリアリティについて問うと 、 山地所 長は 、﹁ 電力需要はGDP ︵ 国内総生産 ︶ と非常に強い相関があり 、 一般にGD Pが1%増えると 、 電力需要も1%増 える ﹂ と指摘し 、﹁ 今後 15年間にわたっ て 年 率 1 ・ 7 % の 成 長 を 確 保 し な が ら 、 電力需要をほぼ横ばいにするという見 通しのリアリティには疑問が残る ﹂ と 懸念を示した 。 一方 、 髙村教授は 、 ドイツの例を挙 げながら 、 成長とエネルギー使用を切 り離す ﹁ デカップリング ﹂ を実現する の成功事例を広げていくこと ﹂ に注力 したいとした 。 一方 、 井熊所長は 、 電力の自由化で 先行するドイツにおいて展開されてい る ﹁ シ ュ タ ッ ト ベ ル ケ ﹂ と 言 わ れ る 、 地域の電力 、 ガス 、 熱供給 、 上下水道 などの生活インフラとともに 、 公共交 通などを総合的に提供する事業体の事 例を紹介 。 このシュタットベルケが住 民 か ら 支 持 を 受 け て い る 理 由 と し て 、 地域を支え 、 住民にとって身近な存在 で あ る こ と を 挙 げ 、﹁ エ ネ ル ギ ー 事 業 者を選ぶ基準は 、 価格が全てというわ けではない 。 今後の日本の展開にも参 考になる ﹂ と語った 。 閉会の挨拶で土方専務理事は 、 長期 エネルギー需給見通しで示されたコー ジ ェ ネ 導 入 目 標 の 達 成 に 向 け 、﹁ 財 団 と し て も 微 力 な が ら 努 力 し て い き た い ﹂と決意を述べて 、会を締めくくった 。 ス テ ム 改 革 に 触 れ 、﹁ こ う し た 新 た な 市 場 環 境 、 競 争 の 中 で 、 コ ー ジ ェ ネ に つ い て も 最 終 的 に は 市 場 で 評 価 さ れ 、 需要家に信頼されて導入が進むと いうことでなければ 、 エネルギーミッ クスにおける高い水準も結局は絵に描 いたになってしまう ﹂ と指摘 。 着実 に 推 進 す る た め に 、﹁ 必 要 な 環 境 整 備 や導入の後押しについては 、 政府とし てしっかり取り組んでいく 。 事業者の 方々においても引き続き高効率化や低 コスト化を積極的に進め 、 より一層の 利用拡大に尽力していただきたい ﹂ と 呼びかけた 。 ﹁ エ ネ ル ギ ー ベ ス ト ミ ッ ク ス に 向 け た提言 ﹂ をテーマとする鼎談には 、 実 際に総合資源エネルギー調査会におけ る長期エネルギー需給見通し小委員会 の委員として 、 長期エネルギー需給見 通しの取りまとめに携わった 、 柏木理 事長 、 地球環境産業技術研究機構の山 地憲治理事 ・ 研究所長 、 名古屋大学大 学院環境学研究科の髙村ゆかり教授が 登壇した 。 柏木理事長が 、 長期エネルギー需給 見通しで示されたエネルギーミックス情
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柏木 今回の鼎談では 、 経済産業省が 7月に公表した ﹁ 長期エネルギー需給 見通し ﹂ で示されたエネルギーミック スのリアリティについて考えていきた いと思います 。 こ の 見 通 し で は 、 ま ず 省 エ ネ を 大 前 提 と し て い て 、 電 力 量 は 17% 削 減 し 、 熱 利用まで含めた一次エネルギー消費全 体 で は 13% 削 減 す る と し て い ま す 。 そ の た め の 方 策 と し て は 、 も ち ろ ん コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン ︵ 熱 電 併 給 ︶ シ ス テ ム も 入 っ て い ま す し 、 L E D ︵ 発 光 ダ イオード ︶ 照明やエネルギーマネジメ ン ト シ ス テ ム も 含 ま れ て い ま す 。 こ のエ
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省エネは 、 リアリティがあるでしょう か 。 率直な意見をお聞かせください 。 山地 省エネというのは非常に多面的 で複雑なものです 。 例えば 、 過去の電 力需要とGDP ︵ 国内総生産 ︶ を色々 と分析してみると 、 非常に強い相関が あることが分かります 。 GDPが1% 増えると電力需要もだいたい1%増え る 。 様々な省エネ対策をしたとしても 、 せ い ぜ い 0 ・ 8 % 増 く ら い に 抑 え ら れ る程度なんですね 。 我が国において 、 震災直後からこれ ま で 電 力 量 が 落 ち て い る と い う の は 、 非常にまれな状況です 。 東西ドイツが 統合された後に 、 経済成長しながら電 力量が下がったというケースもありま すが 、 それも非常にまれなことだと言 えます 。 こ う し た 状 況 は 非 常 に ま れ で あ る に も か か わ ら ず 、 今 回 の 長 期 エ ネ ル ギー需給見通しでは 、 今後 15年間にわ た っ て 年 率 1 ・ 7 % の 成 長 を 続 け な が ら 、 電力需要はほぼ横ばいとしていま す 。 マクロ的には 、 ここのリアリティ の裏付けが非常に難しい 。 役所の試算では 、 よく積み上げがな されますが 、 省エネに関する積み上げ に つ い て は 、 い つ も 失 敗 し て い ま す 。 それは 、 電源構成や大規模な産業用の 需要は 、 かなり正確に積み上げられる のですが 、 省エネでは実は何千万世帯 1950年、香川県生まれ。72年、東京大学工学部原子力工学科卒。77年、東京大学大 学院工学系研究科博士課程修了、工学博士。同年、電力中央研究所に入所、同研究所 の経済研究所経済部エネルギー研究室長、研究主幹などを歴任。94年より東京大学教 授(大学院工学系研究科電気工学専攻)、2008年からは同大学エネルギー工学連携 研究センター兼任。10年より現職。国際応用システム分析研究所(IIASA)日本代表理 事、グリーン電力認証機構委員長、グリーンエネルギー認証センター・運営委員会委員 長、エネルギー・資源学会会長なども歴任、現在は日本エネルギー学会会長を務める。 主な著書に「フクシマのあとさき 複眼的エネルギー論」「温暖化とエネルギー」「原子力 の過去・現在・未来」など。 1964年、島根県生まれ。京都大学法学部卒。一橋大学大学院法学研究科博士 後期課程単位修得退学。静岡大学助教授、龍谷大学教授などを経て現職。専門 は国際法、環境法。経済産業省の産業構造審議会、総合資源エネルギー調査会 の基本政策分科会、新エネルギー小委員会などの委員を歴任し、国際環境法学 の第一人者として活躍している。主な編著書に「気候変動と国際協調」「社会環 境学の世界」「地球温暖化交渉の行方」など。 公益財団法人 地球環境産業技術研究機構(RITE) 理事・研究所長 東京大学 名誉教授
山地 憲治
氏
や まじ け んじ 名古屋大学大学院 環境学研究科 教授髙村 ゆかり
氏
た か むら ゆ かりという家庭用や 、 何百万というビル用 が要であり 、 それらのコントロールが 効かないからです 。 ですから 、 マクロ 的に試算せざるを得ないのです 。 よいチャレンジだとは思うのですが 、 具体的に実現していくとなると 、 難し さを非常に感じています 。 髙村 簡単に実現できる数字ではない という点では 、 山地先生と同意見です 。 2030年にどのようなエネルギーの 使い方をする社会になるかという視点 で考える必要があります 。 今までなか なか成し難いとされてきた 、 成長とエ ネルギーの使用を切り離したデカップ リングを実現する政策が必要でしょう 。 実際にドイツでは 、 デカップリング の傾向が見られます 。 これまで 、 なか なか実現できていないですが 、 不可能 ではないということです 。 どのような 省エネバリアがあるかを明確にした上 で 、 そのバリアを取り除いていく施策 が必要だと考えます 。 また 、 省エネを推進し 、 省エネ投資 を積極的に施策で促すこと自体が 、 日 本の強靭な経済基盤の構築につながる と思います 。 それが 、 デカップリング の た め の 施 策 の 裏 打 ち に も な り ま す 。 このように 、 どのようなビジョンを持 つかということが 、 一つの重要なに なると考えます 。 柏木 例えば 、 デマンドありきで構築 してきた今までのエネルギーシステム を見直し 、 デマンドレスポンスを導入 する 。 その上で 、 電力の自由化後には 、 自らが所有する電源からの電力をなる べく多く売れるよう 、 電力使用を平準 化してピークを出さないようにし 、 稼 働率を上げて発電効率も上げる 。 この ようなエネルギーシステムへと変革し ていくことが 、 デカップリングの実現 につながるのではないでしょうか 。 髙村 まさにおっしゃる通りです 。 さ らに 、 熱需要とうまく組み合わせた形 での省エネを推進する施策が十分であ る の か ど う か 、 問 う 必 要 が あ り ま す 。 なぜなら 、 そこにはとてつもないポテ ンシャルがあるからです 。 山地 先進国において 、 エネルギーと 経済はデカップリングの傾向にあると 私も思います 。 ただし 、 電力と経済と なると 、 先進国においてもなかなかデ カ ッ プ リ ン グ の 傾 向 は 見 ら れ ま せ ん 。 エネルギー利用において 、 電化が進ん でいることの表れだと思います 。 柏木 今回のエネルギーミックスでも 、 電力が 28%の割合を占めますね 。 山地 この省エネへのチャレンジをポ ジティブに考え 、 フロンティアとして 推 進 し て い く に は 、 ま ず 一 つ と し て 、 情報をうまく活用して行動変化を促す ことが必要でしょう 。 情報というのは マスに向けて伝えられますし 、 省エネ というのはマスで対策することが大事 なので 、 情報の活用に私は非常に期待 しています 。 もう一つ必要なのは 、 都市構造やイ ンフラ構造の改革です 。 これはお金が だいぶかかるということと 、 規制の問 題がありますが 、 政府も推進する方向 にあると理解しています 。 これら情報 を活用した行動変化の促進と 、 インフ ラ構造の改革によって 、 省エネも大き く推進されるはずです 。 1946年、東京生まれ。70年、東京工業大学工学部生産機械工学科卒。79年、博士号取得。東京工業大学工学部助教授、東京農工大学工学部教授、東京農工大 学大学院教授などを歴任後、2007年より東京工業大学ソリューション研究機構 教授、12年より特命教授・名誉教授。11年よりコージェネ財団理事長。経産省の 総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長などを歴任し長年、国のエネル ギー政策づくりに深くかかわる。現在、同調査会の省エネルギー・新エネルギー分 科会長、基本政策分科会委員などを務める。総務省が2014年11月に立ち上げた 「自治体主導の地域エネルギーシステム整備研究会」の座長も務める。主な著書に 「スマート革命」「エネルギー革命」「コージェネ革命」など。 コージェネ財団 理事長 東京工業大学 特命教授・名誉教授
柏木 孝夫
か し わ ぎ た か お多消費の産業や 、 中小企業など 、 収益 性や国際競争力などへの影響が大きい 事業者への負担を緩和していく対応策 も必要でしょう 。 サ ー チ ャ ー ジ の 負 担 は 、 2 0 1 2 ∼ 2 0 1 3 年 こ ろ が 最 も 高 か っ た 。 こ れ らの買い取り価格が一番高い設備がF ITを〝卒業〟する2030年を超え たあたりから 、 サーチャージは急激に 下がります 。 もちろんサーチャージのコストは低 減したいし 、 そのための政策をとるべ き で す 。 そ の 一 方 で サ ー チ ャ ー ジ は 、 我 々 が 純 国 産 で あ る 再 生 可 能 エ ネ ル ギーを手に入れ 、 将来のエネルギーコ ストを下げる一つのドライバーであり 、 一種の社会的な投資であるという点も 考慮する必要があるでしょう 。 そうし た意義も評価すべきだと思います 。 柏木 山地先生はどのようにお考えで しょうか 。 山 地 エ ネ ル ギ ー 基 本 計 画 に は 、﹁ 再 生可能エネルギーを最大限に導入する とともに 、 国民負担の抑制と最適な形 で両立する ﹂ といった内容が書かれて います 。 やはり 、 国民負担の問題は非 常に深刻ですよね 。 買い取り期間がお よそ 20年間も続くことを考えると 、 国 民負担がそんなに簡単に 、 目に見える 形で減っていくということは 、 私は考 えていません 。 ま た 、 国 民 負 担 と な る の は サ ー チャージだけではなく 、 電力系統の安 定化コストもあります 。 太陽光発電は 、 昼間のピークカット に貢献するとされますが 、 その導入拡 大が進むことで 、 むしろ発電量が減る 夕方に需要のピークが移ることも考え られます 。 そうすると 、 太陽光発電に よるピークカット効果は大幅に減るで しょう 。 そうしたことも含めて冷静に 考えなければなりません 。 あまり高い 期 待 を し て い る と 、 悲 劇 的 な 結 論 に なってしまうと思います 。
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柏木 今回のエネルギーミックスでは 、 再生可能エネルギーを最大限に取り込 み 、 全電源の 22∼ 24%程度にまでする 目標も掲げられています 。 これを実現 するとなると電力コストの上昇が懸念 されます 。 また 、 原子力発電には様々なメリッ トがありますが 、 安全性の問題もある ことから 、 電源構成では 20∼ 22%程度 にとどめるとされています 。 東日本大 震災前の 30%程度に比べて大きく低減 することになります 。 つ ま り 、 再 生 可 能 エ ネ ル ギ ー に は 、 原子力発電を上回る電力量が求められ るということです 。 再生可能エネルギーの普及促進には 、 FIT ︵ 固定価格買い取り制度 ︶ とい う劇薬が投入されています 。 2030 年に 22∼ 24%にするとなると 、 FIT のサーチャージ ︵ 賦課金 ︶ による国民 負担が大幅に増加します 。 この点を髙村先生は 、 どのようにお 考えですか 。 髙村 再生可能エネルギーの国民負担 、 サーチャージの低減は 、 必要なことだ と思います 。 再生可能エネルギーの発 電コストを下げていく努力や 、 政策が 必要です 。 同時に 、 一部のエネルギーガ
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( 山地氏 )いましたが 、 実際には日本の一次エネ ルギー需要の中で熱需要の占める割合 は非常に大きい 。 ですから 、 省エネの 観点からは 、 そこをどうするかが極め て重要です 。 エネルギーミックスの議 論 の 中 で 私 自 身 も 分 か っ た の で す が 、 どこに熱需要があるのかということが 明確に把握されていません 。 各ガス事 業者は 、 その管内においては把握して いるのかもしれませんが 、 まずは国と してきちんと把握することが 、 大きな 課題ではないかと思います 。 また 、 再開発などで都市インフラの 投資をしている地域では 、 特に自治体 を中心にその熱需要に対応する施策を 打ち出すということが進んできていま す 。 名古屋の駅前開発もその一つです 。 自治体が 、 地域でどのような対策をと るかが 、 政策上は非常に重要なだと 考えます 。 政府として 、 これをどのよ うにサポートできるかも 、 検討すべき 課題の一つだと考えます 。
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柏木 少し話題を変えましょう 。 電力 自由化が進み 、 総括原価方式から市場 原理に移行する中で 、 従来の効率の劣 る高コストなピーク対応の電源は使わ れなくなり 、 おそらく電源不足に陥る ことが予想されます 。 そうなると自然 の流れで 、 従来のピーク対応の電源の 代替として 、 省エネ効果も期待できる コージェネなどの分散型電源の導入が 進むでしょう 。 髙村 電力自由化は 、 需要家が電力を 選択できるようにすることが 、 一つの 大きな命題です 。 他方で 、 公平な競争 条件の確保と同時に 、 どのようなエネ ルギーの使い方をしていく社会を目指 すのかという視点から 、 望まれる電源 、 の 場 合 は 、 資 源 も 分 散 し て い る の で 、 分散型にならざるを得ないという面も あります 。 分 散 型 の 大 き な メ リ ッ ト の 一 つ は 、 オンサイトで需要地に設置できること です 。 コージェネの場合は 、 さらに熱 が 使 え る と い う メ リ ッ ト も あ り ま す 。 熱需要と電力需要のバランスというの も 、 電源の需給バランスと同じで 、 細 かい評価が求められます 。 また 、 電気はより広域に利用した方 が合理的ですから 、 今回の1190億 kWhというコージェネの導入目標値に も 、 いわゆる電源的な運用が含まれて います 。 これは非常に重要なことです 。 柏木 コージェネが一定の割合を占め ていくためには 、 余剰電力の取引市場 が充実することが必要であるというこ とですね 。 山地 そういうことです 。 髙村 長期エネルギー需給見通し小委 員会では 、 電源構成に議論が集中して あるいは発電の形態に対して 、 市場で 競争できるようになるまでの環境整備 や施策も必要だと考えます 。 例えば 、 コージェネの場合 、 発電さ れた電気はもちろん使いますが 、 その 余剰の部分を系統に流していけるよう なルールあるいは仕組みをきちんと作 る こ と が 必 要 で す 。 価 格 的 に は 当 面 、 競争力が劣るかもしれませんが 、 望ま れる社会のエネルギー利用の観点から コージェネの普及を推進するのであれ ば 、 システム改革の中でそうした施策 が求められるだろうと考えます 。 山地 分散型エネルギーというと 、 再 生可能エネルギーを思い浮かべる人も 多いと思います 。 再生可能エネルギー地域
の
中
で
お
金
が
回
り
、
よ
り
よ
い
快適
な
都市
づ
く
り
に
つ
な
が
る
施策
が
必要
で
、
コ
ー
ジ
ェ
ネ
や
熱導管
の
整備
は
、非常
に
重要
で
す
( 髙村氏 )柏木 熱の問題に関連して 、 自治体が 主導する地域のエネルギーシステムは どうあるべきか 、 山地先生はどのよう にお考えになりますか 。 山地 熱を利用する側には色々な要求 があるわけですから 、 そこを供給側と いかにマッチングさせるかということ が課題です 。 そうすると 、 先ほど話し た情報活用とインフラ改革は 、 熱利用 でも非常に重要になります 。 熱はあま り長距離を輸送できませんから 、 需要 の場所と熱の発生場所をうまく組み合 わせるインフラが必要です 。 そういう 意味では 、 やはり地方自治体の役割が 極めて重要になってきます 。 髙村先生がおっしゃったように 、 ど んな熱がどのように使われているのか ということは 、 私たち研究者もだいぶ 調査研究してきたつもりですが 、 なか なか把握しきれていません 。 そうした 情報について 、 今はセンサーも発達し てきていますし 、 情報処理も非常に速 くなってきていますので 、 熱の発生と 需要を情報活用によってうまくマッチ ングしていけるのではないかと思って います 。 柏木 今は 、 自治体のエネルギーイン フラ開発に対して 、 総務省で補助金を 出しています 。 ローカル ・ アベノミク スの地域活性化策は 、 一言でいうと公 共事業です 。 景気は一時的によくなり ますが 、 さらに持続可能性があるかど うかが問われていると思います 。 新たな合理的なエネルギーシステム の構築は 、 そうした持続可能な公共事 業になり得ると私は考えています 。﹁ パ イ プ ラ イ ン & ワ イ ヤ ー & フ ァ イ バ ー ﹂ という熱 、 電力 、 情報通信の統合イン フラを整備する 。 ゴミ焼却炉と市庁舎 を熱導管でつなぎ 、 蓄電池システムや 燃料電池を導入する 。 こうした街づく りによって 、 コンパクトシティ化も可 能です 。 熱を合理的に使っていくため に 、 私はこのような絵を描いています 。 髙村 柏木先生のおっしゃる通り 、 一 過 性 の 補 助 金 や 公 共 事 業 で は な く て 、 地域の中でお金が回り 、 よりよい快適 な都市づくりにつながる施策が必要で 、 コージェネや熱導管の整備は 、 非常に 重要です 。 熱の面的利用を含むこうし たインフラ構築は 、 市場原理だけでは 進 ま な い こ と も あ る と 思 い ま す の で 、 国や自治体が開発主体に導入考慮義務 や導入義務を課すという形で積極的に 導入を進める施策をとる必要がありま す 。 こうした規制だけでなく 、 支援す る仕組みも必要でしょう 。 特に 、 エネルギーインフラの構築は 長期にわたることを考えると 、 短期的 なコストに着目した市場原理だけでは 、 なかなか進まないと考えます 。 山地 ガスも電力も 、 システム改革や 自由化で総合エネルギーサービス産業 を目指すということで推進しています ので 、 需要側にとっても 、 経済合理性 を追求した統合的なインフラ形成が望 ましいと思います 。 ガスや電気といっ た従来の垣根を取り払い 、 視野を広げ て考えることが 、 社会全体として望ま しいインフラ形成になるはずです 。 柏木 エネルギーベストミックスに関 して 、 省エネから 、 原子力 、 再生可能 エネルギー 、 コージェネ 、 そして熱供 給のあり方まで 、 この鼎談で多面的に 提言できたと思います 。 本日はありが とうございました 。
経
済
合
理
性
を
追
求
し
た
統
合
的
イ
ン
フ
ラ
開
発
を
自然
の
流
れ
で
、従来
の
ピ
ー
ク
対応
の
電源
の
代替
と
し
て
、
省
エ
ネ
効果
も
期待
で
き
る
コ
ー
ジ
ェ
ネ
な
ど
の
分散型電源
の
導入
が
進
む
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( 柏木 )長期エネルギー需給見通しに見る
コージェネへの期待
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土 方 7 月 に 経 済 産 業 省 が 決 定 し た ﹁ 長 期 エ ネ ル ギ ー 需 給 見 通 し ﹂ で は 、 多様なエネルギー源活用の一環として 、 家庭用燃料電池システム ﹁ エネファー ム ﹂ を含むコージェネレーションへの 期待が明記されています 。 2030年 に1190億 kWh程度の導入という数 値目標も盛り込まれました 。 戸邉さん 、 これらの見通しの背景な どについて説明していただけますか 。 戸邉 これまでのコージェネの導入ト レンドを踏まえた導入量のほかに 、 新 たなコージェネの活用による追加的な 導入量を想定して目標とする数値を算 出しました 。本
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パネルディスカッション
経済産業省 資源エネルギー庁 熱電併給推進室長戸邉 千広
氏
とべ ちひ ろコスト的に見ると 、 コージェネは石 油火力発電よりも安く 、 LNG ︵ 液化 天然ガス ︶ 火力発電と同等のレベルに あります 。 耐用年数を過ぎた既存電源 をコージェネがリプレースしていくと 考えて数値を出しています 。 追加的な導入量の内訳の一つとして 考えているのが都市再開発などで進む エネルギーの面的利用 。 2017年に 実用化が予定されている業務用燃料電 池 の 普 及 、 余 剰 電 力 を 系 統 電 力 に 売 電 し 活 用 す る 取 り 組 み の 進 展 、﹁ エ ネ ファーム ﹂ の低コスト化による普及拡
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川崎重工業 エネルギーソリューション本部 副本部長森脇 健
氏
もりわ き た けし の利用が進んでいるため 、 コージェネ が普及しやすいという事情があります 。 それに比べると 、 温暖な日本では熱に 対する意識がやや低いと感じます 。 コージェネの熱は夏には冷熱にして 使い 、 冬にはそのまま暖房用に使うこ と が で き ま す が 、 実 際 の と こ ろ 、 こ の よ う に 熱 か ら 冷 熱 が つ く れ る と い う こ と を 理 解 し て い る 方 が 意 外 と 少 な い 。 我 々 が 営 業 活 動 を し て い る 間 に も 、﹁ 熱 か ら 冷 熱 が で き る の で す か ﹂ と聞かれることがしばしばありま す 。 冷 熱 に も 生 か せ る と い う こ と を 、 もっと広報していくことが必要だと痛 感しています 。 大なども織り込んで見積もっています 。 エ ネ ル ギ ー シ ス テ ム 改 革 が 進 む 中 、 電気 、 ガス 、 熱の垣根 、 あるいは地域 を越えてアライアンスを組んだり 、 市 場に参入したりする動きが出てきてい ます 。 需要側でも効率的にエネルギー を消費するエネルギーマネジメントシ ステムが普及しつつあります 。 こうし た環境の変化をうまくとらえ 、 電気と 熱の両方を高効率で安定的に供給でき るというコージェネのメリットを最大 限に発揮して分散型電源の中核として 成長していってほしいと考えています 。 土方 森脇さん 、 メーカーの立場から 見て 、 コージェネのさらなる普及を図 るための条件 、 課題などがあったら指 摘していただけますか 。 森 脇 我 々 川 崎 重 工 業 は 現 在 、 ガ ス タ ー ビ ン コ ー ジ ェ ネ 、 ガ ス エ ン ジ ン コ ー ジ ェ ネ を 製 造 ・ 販 売 し て い ま す 。 技術開発を進め 、 年々 、 発電効率を改 善してきました 。 川崎重工は世界最高 レベルの発電効率を誇り 、 ガスエンジ ンでは 50%超を目指しています 。 コージェネは発電効率の向上ととも に普及が進んできました 。 ここからさ らに普及させるためには 、 発電時に発 生する熱をどう利用するかがになる と思います 。 現段階はユーザーにおけ る熱の需要がどれくらいあるのかを把 握することも難しい 。 まずはそこから 見極めていくことが大事です 。 日本に比べ寒冷なヨーロッパでは熱土方 戸邉さん 、 国はコージェネ普及 に向け 、 どのような環境整備 、 制度設 計を実施していくお考えですか 。 戸邉 現在 、 熱電併給推進室では様々 な対応を取っています 。 コージェネを 導入する際に補助金を支援する政策も 講じています 。 ただし 、 これはあくま でも短期的な政策であり 、 未来永劫続 けられる政策ではありません 。 長い目 土方 コージェネが生み出す熱を利用 するためには 、 インフラ整備も重要で すね 。 森脇 おっしゃる通りです 。 特に熱導 管の敷設は非常にコストがかかり 、 民 間企業で負担するのは難しい 。 複数の企業でコージェネの面的利用 を検討した際も 、 熱導管に費用がかか ることがネックになって成立せず 、 結 局 、 面的利用から単純にコージェネを 導入する話にとどまってしまったケー スがあります 。 熱導管に関しては 、 ユーザーの負担 を軽くできるシステムの整備が必要だ と思います 。
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本
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日本総合研究所 創発戦略センター 所長井熊 均
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いくま ひとし で見れば市場での競争が基本になると 考えています 。 もちろん 、 市場原理にすべてを委ね るわけではありません 。 例えば地域で エネルギーの面的利用を進め省エネを 実現しようとしたものの 、 コストがか かり難しいという場合などは 、 しっか り支援をすることが必要だと思ってい ます 。 土方 コージェネを含む分散型エネル ギー普及に関して 、 日本が参考にすべ き な の が ド イ ツ の シ ュ タ ッ ト ベ ル ケ ︵ 都 市 公 社 ︶ で す 。 自 由 化 さ れ た エ ネ ルギー市場の中で一定のシェアを獲得 していて 、 地域が受ける恩恵も大きい ようです 。 井熊さん 、 そのあたりのことを説明 していただけますか 。 井熊 ドイツは欧州の中で最もエネル ギー市場の自由化が進んだ国です 。 か つての8大電力会社は4大電力会社に 集約されました 。 一方で 、 エネルギー を 軸 に 地 域 住 民 の 生 活 を 支 え る シ ュ タットベルケも全体の 20%ほどのエネ ルギーを供給しています 。 そのシェア は近年 、 増しています 。 シ ュ タ ッ ト ベ ル ケ の 存 在 に よ っ て 、 地 域 も 大 き な 恩 恵 を 受 け て い ま す 。 デュイスブルクのシュタットベル ケの例で見ると 、 ユーザーが大手電力 会社で電気を買った場合 、 地域に循環 する資金は全体の 10%に過ぎませんが 、 シュタットベルケで電気を買った場合 は 30%に上ります 。 地域に発電所を持 ち 、 直接間接の雇用を生み出す上 、 場いうレベルで 、 そこそこのコスト競争 力を持っていること 。 加えて 、 熱供給 もできるというメリットもあります 。 もう一つの理由は市民がシュタット ベルケに価格以外の価値を見出してい ることです 。 シュタットベルケは電力 、 ガス 、 熱というエネルギー供給のほか 、 公共交通 、 水道 、 通信などのサービス も手掛け 、 総合的に地域を支える存在 となっています 。 市民の間で ﹁ 地域に 根ざし 、 地域社会を支えている会社か らエネルギーを買おう ﹂ という意識が 浸透しているのです 。 自由化すると 、 なんでもかんでも価 格で決まってしまうという印象があり ますが 、 実際は 、 それ以外の価値も含 めて判断され選ばれている 。 大いに参 考になります 。 合によっては地元で材料を買うことな どもあるからです 。 ド イ ツ 全 体 で の シ ュ タ ッ ト ベ ル ケ の 売 り 上 げ は 11兆 円 。 電 力 各 部 門 の 重 複 を 差 し 引 く と 6 兆 円 で す 。 6 兆 円 の う ち 、 差 し 引 き し た 20% 分 の 1兆2000億円が 、 大手電力会社の みから供給されるよりも地域に多く対 流 し て い る 計 算 に な り ま す 。﹁ 地 方 創 生 ﹂ を掲げる日本にとっても重要な選 択になり得ると思います 。 土方 市場が自由化され 、 自由に選択 できる中で 、 住民がシュタットベルケ から電力を買っている理由は何なので しょうか 。 井熊 二つの理由が考えられます 。 一つは 、 シュタットベルケの電力料 金が大手電力会社より2 ∼ 3%高いと 家庭の1割にまで普及させようと考え て い ま す か ら 、 こ こ か ら 加 速 度 的 に 普 及 台数を伸ばしていかなくてはなりませ ん 。 それには 、 早急にさらなる価格の 低減を実現する必要があります 。 販売 台数を増やし 、 量産効果でさらに価格 を低減するという好循環を回すのです 。 今は少数にとどまる集合住宅向けの エネファームの普及拡大も不可欠です し 、 海 外 展 開 も 進 め る べ き で し ょ う 。 市場拡大によって量産効果を高めると 同時に 、 技術開発によって低コスト化 を実現する 。 産官学一体になって取り 組んでいきたいと思います 。 一 方 、 業 務 用 で は 2 0 1 7 年 に 発
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土方 少し話は変わりますが 、 戸邉さ ん 、 家庭用も含めて燃料電池コージェ ネに対してはどんな期待を持っていま すか 。 戸邉 家庭用燃料電池コージェネのエ ネファームは2009年に発売されま した 。 当初300万円だったものが今 は150万円を切るまで価格が下がっ てきています 。 ただ 、 国は2030年に530万台 、 コージェネ財団 専務理事土方 教久
ひじ か た のりひ さところです 。 戸邉 規制に関しては安全が大前提で す 。 今後 、 事業を進めていく中でデー タを取りながら適切な規制を定めてい きたいと思っています 。 電気事業法に ついても 、 検討会をつくり 、 水素社会 に向けて法体系をどう整備していくか 、 調査に動き始めたところです 。 の実証運転を開始したことを発表した ところです 。 水素社会を実現するには法整備が必 要です 。 例えば 、 今は ﹁ ためる ﹂ こと に厳しい規制があります 。 発電事業に ついて定めた電気事業法は水素を扱う ことを前提としていません 。 水素社会 を念頭に 、 適切な法整備が求められる く る ﹂﹁ は こ ぶ ﹂﹁ た め る ﹂﹁ つ か う ﹂ というキーワードで次の時代を見据え た技術開発を進めています 。 これらの キーワードを実現するための技術開発 、 製品開発を進め 、 社会に貢献したいと 考えています 。 5月にも 、 明石工場で水素と都市ガ スの混焼による低NOxガスタービン 電 効 率 の 高 い 固 体 酸 化 物 型 燃 料 電 池 ︵ S O F C ︶ を 市 場 投 入 す る 予 定 で す 。 そ こ か ら は 、 業 務 用 に つ い て も エ ネ ファームと同様に量産化や技術開発で 価格低減し普及を図るという取り組み をしていくことが求められます 。 土方 燃料電池コージェネが普及すれ ば 、 次世代クリーンエネルギーの本命 とも目される水素の活用が進み 、 水素 社会の実現にも近付きます 。 森脇さん 、 川崎重工は水素の技術開発も進めてい ますが 、 水素社会の実現に向けて 、 何 が必要だと思いますか 。 森脇 我々川崎重工業は 、 水素を ﹁ つ
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土方 コージェネの問題を考える上で 、 もう一つ 、 大きなキーワードとなるの が ス マ ー ト コ ミ ュ ニ テ ィ で す 。 コ ー ジェネはスマートコミュニティの中核 的な役割を担う設備として期待されて います 。 井 熊 さ ん 、 日 本 総 研 は 海 外 で も ス マートコミュニティ構築を手掛けてい ます 。 進状況はいかがですか 。 井 熊 近 い と こ ろ で は 今 年 、 タ イ の ﹁ アマタ ・ サイエンスシティ ︵ ASC ︶﹂ の事業が着工されます 。 タイの大手工 業団地デベロッパーであるアマタと協 業し 、 既存の工業団地の隣接地に新た に高度産業集積都市を開発するという プロジェクトです 。 日本企業がグロー バ ル に 生 産 ・ 開 発 拠 点 を 整 備 す る 中 、 それらの活動を支援するサービスを提 供したいと考えています 。 私はスマートコミュニティとは 、 そ こで働く人 、 生活する人を徹底的にI CT ︵ 情報通信技術 ︶ でサポートする システムだと思っています 。 中心を成 すのはエネルギーマネジメントシステ ム で す 。 将 来 的 に は 工 業 団 地 に コ ー ジェネを導入し 、 需給調整システムを 整備していきたい 。 日タイ共同でプロジェクトを進め始 めたところですが 、 インフラ整備 、 環 境マネジメントなどを徹底し工業団地 の付加価値を高めるという点で 、 日本 に対する期待は非常に大きいと感じて います 。 土 方 海 外 で の 取 り 組 み が 日 本 に フ ィ ー ド バ ッ ク さ れ 、 日 本 で の コ ー ジェネやスマートコミュニティの普及 を加速することにもつながりそうです 。 今後に期待が持てますね 。 いろいろな切り口からコージェネの 将来性を議論していただきました 。 長 期エネルギー需給見通しに明記された コージェネ普及の数値目標を絵に描い たにしないよう 、 我々財団もお役に 立ちたいと思っています 。 本日はどう もありがとうございました 。木場 柏木先生とは9年ほど前 、 経済 産業省が主催するシンポジウムで一緒 に全国を回った経験があります 。 それ から 10年足らずですが 、 東日本大震災 や東京電力福島第一発電所の事故を経 て 、 エネルギーを取り巻く環境は大き く変わりました 。 今日はじっくり 、 そ の辺のお話をお聞きしていきたいと思 います 。 まずはエネルギーミックスについて です 。 現実的かつバランスの取れたエ ネルギー需給構造の将来像を検討する ため 、 今年1月から経済産業省の長期 エネルギー需給見通し小委員会で有識 者の方々が ﹁ 2030年時点の望まし い 電 源 構 成 ︵ エ ネ ル ギ ー ミ ッ ク ス ︶﹂ を議論してきました 。 この小委員会は先日 、 ベストミック