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懸垂前振り上がり開脚抜きかつ水平位で懸垂 の技術につい て 学籍番号 13A0079 学生氏名神本雄也 <はじめに> 体操競技は 難易度 美しさ 安定性などを基準とし 採点を行いその得点を競う競技である 男子は 床 鞍馬 つり輪 跳馬 平行棒 鉄棒の6 種目 女子は 跳馬 段違い平行棒 平均台 床の

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(1)

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13A0078

学生氏名 神本 達也

1. はじめに 近年、日本の体操はリオデジャネイロ五輪において団体、 個人で金メダルを獲得するなど世界トップレベルの活躍を みせている。そこで、本研究テーマである、「懸垂前振り伸 身背面とび越し懸垂(伸身トカチェフ)」(以下伸身トカチ ェフとする)は鉄棒の手放し技であり、これからのルール において発展性が高く、連続技につなげることによって加 点ももらえるため、鉄棒の演技構成においてD スコアの底 上げにつながると考えられる。そこで本研究テーマに伸身 トカチェフを取り上げた。本研究を通して伸身トカチェフ を技術的に分析し、様々な視点から考察していく。 2. 研究方法 実験は、日本体育大学において「伸身トカチェフ」を行 っている選手の中で、未熟練者1 名、熟練者 1 名の体に 5 箇所に印(肘、肩、腰、膝、足首)をつけて撮影をし、そ れを分解写真にして、動作を3つの局面に分け比較、分析 した。 熟練者(第1局面①~⑤)(第2局面⑥~⑩) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ (第3局面⑪~⑲) ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ 3. 結果及び考察 熟練者は、第1局面において倒立経過の際に体重をバー に乗せて姿勢を作ることによりバーを押した際にスムーズ な抜きへと繋げられていることが考えられる。未熟練者は形 を作った際に倒立から経過しているため、体重がバーにかか っておらず、上手く抜きにいく力がもらえていないことが分 かった。 第2局面において熟練者は、第1局面でもらった力を利用 して、鉄棒の真下で抜ききることによって上手くあふりに繋 げられることができる。その結果、あふりを行った際に肩が 下がり胸をふくめられていることが考えられる。未熟練者 は、第1局面が正確に行えていないため抜きを行った際に力 をもらうことができず、肩、腰と順番に抜きが行えていない。 そのため、足先が先行してしまい胸をふくめる事ができずあ ふりを行った際、既に身体が伸びきった状態になることが分 かった。 第3局面において熟練者は第2局面で胸がふくめている ことにより腕に体重がかかり、しっかりとバーを弾く事がで きる。そのため綺麗な姿勢で肩が止まり伸身姿勢で足を抜く ことが考えられる。未熟練者は、第2局面で既に身体が伸び きっているため腕に体重がかからずバーを弾くことが困難 となる。そのため肩を弾くのではなく、肩でバーを引っ張っ て実施するため身体が入れ替えることが出来ていない。その ため伸身姿勢を保てず腰を引いてバーから足を抜いている ということが分かった。 4. まとめ 鉄棒での伸身トカチェフを正しい技術で行うことにより、 発展技となるモズニク(E 難度)やリューキン(F 難度)、 トカチェフからの連続技などに繋げることが可能となる。こ れらの高い技術に繋げるためには、第1局面から第3局面の 大事な部分を確実に実施する必要がある。伸身トカチェフの 前段階である、おし、抜き、あふりを正確に行うことができ なければ理想的な実施が困難となる。そのため、基本動作を 繰り返し練習し安定させることが、伸身トカチェフを完成さ せるために重要なことである。基本動作を安定させることに よって、演技構成に取り入れた際に単発技と演技での感覚の 違いを軽減することができるため、基本動作の安定は演技の 安定にも繋がる。

鉄棒における「懸垂前振り伸身背面とび越し懸垂(伸身トカチェフ)」

の研究について

(2)

日本体育大学 卒業抄録

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授

学籍番号

13A0079

学生氏名 神本 雄也

<はじめに> 体操競技は、難易度、美しさ、安定性などを基準とし、 採点を行いその得点を競う競技である。男子は、床、鞍馬、 つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒の6種目。女子は、跳馬、段 違い平行棒、平均台、床の4種目の合計点数で競われる。 日本は、1960年から1976年までに、オリンピック、 世界選手権などで男子団体総合で10連覇を成し遂げ、多 くのメダルを獲得した。本研究テーマである懸垂前振り上 がり開脚抜きかつ水平位で懸垂(以後バブサーとする)は、 単棒・両棒での長懸垂振動技の中でも高難度に値する 技であることから近年実施する選手が多くみられる。今 後も取り組む選手が増える技として考えられているため、 本研究テーマにバブサーを取り上げた。 <測定方法> 平行棒から距離10m、高さ2mの位置からiPad で撮影 体の関節部に6つ(手首、肘、肩、腰、膝、くるぶし)に テーピングの目印をつける 場所 日本体育大学体操競技館 日付 平成29年1月7日 対象者 日本体育大学体操競技部男子部員2名 バブサーを撮影し、分解写真にして、第1局面から第3 局面の3つの局面に分けて比較、分析した。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 第1局面 第2局面 <結果および考察> 第一局面の未熟練者と熟練者では、ぬき姿勢の状態での 体の位置が未熟練者に比べて熟練者のほうが下にあるとい う違いがみられた。これは体の位置が早い段階でより下にあ る熟練者のほうが強くぬけていると考えられる。第一局面は あてで高さをだすための勢いをもらう局面だと考えると、未 熟練者より熟練者のほうが強くぬけているため勢いがもら えると考えられる。 第二局面では未熟練者は早い段階で体が上昇し始めてい るのに比べて熟練者はまだ体は上昇しはじめていなかった。 高さをだすためには第一局面でのぬきの勢いを下方向にた めて、一気に上方向へと上昇する力に変えることが重要であ る。また、未熟練者に比べて熟練者のほうが早い段階で足先 を下方向に移動させ、あての動作に入っているという違いが みられた。 第三局面では未熟練者は空中姿勢で大きく腰が曲がり、バ ーを取りに行く姿勢が反った姿勢であるのに比べて熟練者 は空中姿勢が未熟練者に比べ腰の曲がりが少なく、バーを取 りに行く姿勢はバーに水平であることがわかる。この違い は、未熟練者は第一局面での勢いを第二局面で効率よく高さ に変えることができず、さらに体を切り返す動作へとスムー ズに繋げることができなかったため、十分な高さと切り返す 力がもらえずに窮屈な姿勢になったのに対し、熟練者は第一 局面で得た勢いを第二局面で効率よく高さに変え、体の切り 返しに繋げたことにより余裕のある姿勢になったと考えら れる。また熟練者は未熟練者に比べて体が高い位置で技を行 えている。これはやはり熟練者は未熟練者に比べて第一局 面、第二局面で高さをだすための勢い得て、それを効率よく 高さに変えることができたためだと考えられる。 <まとめ> 平行棒におけるバブサーを減点の少ない実施で行うため には、第二局面でのあてが重要になることがわかった。第二 局面は第三局面で余裕のある技の実施をするために高さ、体 を切り返すための勢いを得る局面である。第二局面でのあて で高さと体を切り返す勢いを得られないと、第三局面で余裕 のない窮屈な技の捌き方になり減点の大きい実施になる。ま た、第二局面でのあてでより効率よく高さをだすために第一 局面のぬきで勢いを得ることも重要だとわかった。

「懸垂前振り上がり開脚抜きかつ水平位で懸垂」の技術につい

(3)

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13A0096

学生氏名 木村 涼眞

Ⅰ はじめに 本研究をテーマにした理由として、まず2017年から ルール改正が行われグループが5つから4つに変更され、 グループⅠ:両棒での支持技、グループⅡ:腕支持振動技、 グループⅢ:両棒・単棒での長・逆懸垂振動技、グループ Ⅳ:終末技となった。そのため「D スコア」での点数に差 が付きにくくなり、「E スコア」である美しさ、完成度が要 求されていることがあげられる。平行棒の「片腕支持1回 ひねり支持」(以下ヒーリーとする)は、グループⅠの D 難度の技であり、近年実施する選手が増加傾向にある「前 振り片腕支持3/4ひねり単棒倒立経過、軸手をかえて3/ 4ひねり支持」(以下マクーツとする)への発展性を持って いる技である。「マクーツ」は E 難度であり、実施減点さ れにくい技とされているため、上にあげた「E スコア」で の向上に繋がるのではないかと考え、研究を進めることに した。 Ⅱ 方法 被験者:日本体育大学学友会体操競技部 男子部員2名 熟練者 非熟練者 実施日時:平成28年 12月1日 20:45~ 実施場所:日本体育大学 体操競技館

撮影器具:Apple ipad mini

平行棒からマットの高さ 1m80㎝ 平行棒からカメラの距離 10m30㎝ カメラの高さ 2m30㎝ 撮影結果 熟練者 非熟練者 Ⅲ 結果及び考察 第一局面の1、2では、熟練者と非熟練者の頭の位置・ 肩角度から非熟練者は熟練者に比べ、平行棒を押せておら ず、頭がひねり始めのきっかけになっている。ひねり始めで は、右手を軸に左肩できっかけを作り、足先までひねりが体 全体にかかるように行うことが重要である。4では非熟練者 は手首から腰までが繋がっておらず、肩が後方に倒れ始めて いる。そのため5〜10にかけて非熟練者は肩の倒れ方が大 きくなり、熟練者よりも足先が下がるのが早く、窮屈な着手 になっていると考えられる。非熟練者は平行棒を垂直方向に 押せていないため4の時点で肩に角度がついている。熟練者 のように手首から腰を一直線に保つことが重要である。また 7から腰が曲がり始めている理由としては、2、3のように 非熟練者は頭の垂直線上に足首があり、ひねりが進むにつれ て進行方向への推進力をつける事が出来ていないため肩を 倒して足先を前方へ送っている。その結果、ひねりの後半に つれて体全体の降下するスピードが上昇するため、足先を高 い位置に残すために腰を曲げるという点が挙げられる。 第二局面では、熟練者は着手後から胸を軸に足先を降ろし ているのに対し、非熟練者は腰の曲がりによって胸を軸に足 先を降ろす事が出来ず、上半身と下半身のバランスを取るた めに自ら肩を前方に動かしている。14〜20では、熟練者 は徐々に腰よりも足先が先行し、反りながら倒立へと上げて いくが、非熟練者は腰が先行して倒立へと上げている。非熟 練者は、軸が腰にあるため反り上げるためには、さらに肩を 前方へ動かす必要がある。第二局面の安定性の向上には、第 一局面での肩・足先の動かし方が重要であると考察する。 Ⅴ まとめ 以上のことにより「ヒーリー」を実施するにあたり、第二 局面時の安定した倒立への持ち込みを行うには、第一局面で のひねりへの持ち込みの際に平行棒を肩から押し、着手まで の進行方向への勢いを作ることが重要であると分かった。練 習法として平行棒を使わず、手を床につき、肩の高さほどに 積み上げたマットに向かって「ヒーリー」と同じ動きを行う 方法がある。この方法は着手時には肩と同じ高さで腰の位置 をとどめることができる。 本研究をもとに、高い「D スコア」「E スコア」の実施に なるよう今後の指導に活かしていきたい。

平行棒における「片腕支持 1 回ひねり支持(ヒーリー)」について

(4)

日本体育大学 卒業抄録

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授

学籍番号

13A0181

学生氏名 鈴木 湧

<はじめに> 体操競技は、難易度、美しさ、安定性などを基準とし、 採点を行いその得点を競う競技である。男子は、床、鞍馬、 つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒の6種目。女子は、跳馬、段 違い平行棒、平均台、床の4種目の合計点数で競われる。 日本は、1960年から1976年までに、オリンピック、 世界選手権などで男子団体総合で10連覇を成し遂げ、多 くのメダルを獲得した。本研究テーマである懸垂前振り上 がり開脚抜きかつ水平位で懸垂(以後バブサーとする)は、 単棒・両棒での長懸垂振動技の中でも高難度に値する 技であることから近年実施する選手が多くみられる。今 後も取り組む選手が増える技として考えられているため、 本研究テーマにバブサーを取り上げた。 <測定方法> 平行棒から距離10m、高さ2mの位置からiPad で撮影 体の関節部に6つ(手首、肘、肩、腰、膝、くるぶし)に テーピングの目印をつける 場所 日本体育大学体操競技館 日付 平成29年1月7日 対象者 日本体育大学体操競技部男子部員2名 バブサーを撮影し、分解写真にして、第1局面から第3 局面の3つの局面に分けて比較、分析した。 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 第1局面 第2局面 <結果および考察> 第一局面の未熟練者と熟練者では、ぬき姿勢の状態での 体の位置が未熟練者に比べて熟練者のほうが下にあるとい う違いがみられた。これは体の位置が早い段階でより下にあ る熟練者のほうが強くぬけていると考えられる。第一局面は あてで高さをだすための勢いをもらう局面だと考えると、未 熟練者より熟練者のほうが強くぬけているため勢いがもら えると考えられる。 第二局面では未熟練者は早い段階で体が上昇し始めてい るのに比べて熟練者はまだ体は上昇しはじめていなかった。 高さをだすためには第一局面でのぬきの勢いを下方向にた めて、一気に上方向へと上昇する力に変えることが重要であ る。また、未熟練者に比べて熟練者のほうが早い段階で足先 を下方向に移動させ、あての動作に入っているという違いが みられた。 第三局面では未熟練者は空中姿勢で大きく腰が曲がり、バ ーを取りに行く姿勢が反った姿勢であるのに比べて熟練者 は空中姿勢が未熟練者に比べ腰の曲がりが少なく、バーを取 りに行く姿勢はバーに水平であることがわかる。この違い は、未熟練者は第一局面での勢いを第二局面で効率よく高さ に変えることができず、さらに体を切り返す動作へとスムー ズに繋げることができなかったため、十分な高さと切り返す 力がもらえずに窮屈な姿勢になったのに対し、熟練者は第一 局面で得た勢いを第二局面で効率よく高さに変え、体の切り 返しに繋げたことにより余裕のある姿勢になったと考えら れる。また熟練者は未熟練者に比べて体が高い位置で技を行 えている。これはやはり熟練者は未熟練者に比べて第一局 面、第二局面で高さをだすための勢い得て、それを効率よく 高さに変えることができたためだと考えられる。 <まとめ> 平行棒におけるバブサーを減点の少ない実施で行うため には、第二局面でのあてが重要になることがわかった。第二 局面は第三局面で余裕のある技の実施をするために高さ、体 を切り返すための勢いを得る局面である。第二局面でのあて で高さと体を切り返す勢いを得られないと、第三局面で余裕 のない窮屈な技の捌き方になり減点の大きい実施になる。ま た、第二局面でのあてでより効率よく高さをだすために第一 局面のぬきで勢いを得ることも重要だとわかった。

「懸垂前振り上がり開脚抜きかつ水平位で懸垂」の技術につい

(5)

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13A0186

学生氏名 瀬立 憲翔

Ⅰ.はじめに 日本の体操競技は1960年ローマ五輪から、1976年モントリ オール五輪まで金メダルを獲得し、お家芸へと発展を遂げた。 2016年にブラジルで行われたリオ・デジャネイロ五輪では、ア テネ五輪以来3大会ぶりの団体金メダルを獲得した。現在、国 内外のさまざまな試合であん馬の交差技である「逆交差1/4ひ ねり一把手上倒立経過、下して開脚支持」を行う選手が非常に 多くみられる。そこで、どのような技術を身に付ければ「逆交差1 /4ひねり一把手上倒立経過、下して開脚支持」の倒立に上が るまでを、減点の少ない実施で行うことができるかを今回のテー マとして取り上げ、研究することにした。 Ⅱ.研究方法 ○撮影日時:平成28年 11月22日 ○撮影場所:日本体育大学 体操競技館 ○被験者 :3人

○撮影器材:Apple iPad mini

○カメラからあん馬までの距離:6m10cm ○カメラの高さ:1m45cm 「逆交差1/4ひねり一把手上倒立経過、下して開脚支持」を撮 影し、分解写真にして、3つの局面に分け、比較、分析した。 熟練者(1~8)(9~14)(15~24) Ⅲ.結果および考察 <第1局面> 第1局面では、身体を高い位置まで振り上げ、倒立に 上げるための勢いをもらうこと、重心の入れ替えの為にあらかじ め左の把手の方に重心を移動しておくことが重要だと考えた。 未熟練者は熟練者に比べて腰が曲がり、腰が高い位置まで上が っておらず、重心が十分に左の把手の方に乗っていないことが 分かった。 <第2局面> 第2局面では、第1局面で得た、倒立に上げるための勢いを失 うことなく、効率よく使うことが重要だと考えた。未熟練者は第1局 面で倒立に上げる勢いをもらえなかったため、足の振りをうまく使 えず、腕の力だけで倒立に上げようとしているが、熟練者は第1 局面で高い位置から振り下ろしている分、足の振りをしっかりとも らえ、第1局面での勢いを使って倒立に上げようとしていることが わかった。 <第3局面> 第3局面では、第1局面、第2局面で得た倒立に上げるための 勢いを使い、把手の真上に重心を乗せながら効率よく倒立まで 上げきることが重要だと考えた。未熟練者は第1局面、第2局面 で倒立に上げるための勢いを得ることができず、腕の力だけで倒 立に上げようとしているため、把手の真上に重心が乗らず、倒立 に上がりきった姿勢が反ってしまっており、熟練者は第1局面で 得た倒立に上げるための勢いを、第2局面で失わず、把手の真 上に重心を乗せながら効率よく倒立に上げる動作ができている ので、倒立に上がりきった姿勢も綺麗に一直線になっていること がわかった。 Ⅳ.まとめ あん馬における「逆交差1/4ひねり一把手上倒立経過、下して 開脚支持」を減点の少ない実施で倒立に上げるためには、第1 局面が非常に重要になってくることがわかった。第1局面は、効 率よく倒立に上げるための勢いを得る局面である。第1局面で足 を振り上げた時に腰を高い位置まで上げ、倒立に上げるための 勢いを得ることができないと、第2局面、第3局面では腰の曲がり が大きくなり、腕の力だけで倒立に上げてしまい、減点の大きい 実施になってしまう。「逆交差1/4ひねり一把手上倒立経過、下 して開脚支持」は各局面ごとの練習も大切だが、各局面のつな ぎの部分も重要になってくるため、足を振り上げたところから倒立 までを1つの流れとして、足を振り上げたところから倒立に上げる 練習を繰り返し行うことが非常に重要である。

あん馬における「逆交差1/4ひねり一把手上倒立経過、下して開脚

支持」の技術について

第1局面 第2局面 第3局面

(6)

日本体育大学 卒業抄録

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13A0205

学生氏名 竹澤 周造

Ⅰ.はじめに 日本の体操競技は1960年ローマ五輪から、1976年モントリ オール五輪まで金メダルを獲得し、お家芸へと発展を遂げた。 2016年にブラジルで行われたリオ・デジャネイロ五輪では、ア テネ五輪以来3大会ぶりの団体金メダルを獲得した。現在、国 内外のさまざまな試合であん馬の交差技である「逆交差1/4ひ ねり一把手上倒立経過、下して開脚支持」を行う選手が非常に 多くみられる。そこで、どのような技術を身に付ければ「逆交差1 /4ひねり一把手上倒立経過、下して開脚支持」の倒立に上が るまでを、減点の少ない実施で行うことができるかを今回のテー マとして取り上げ、研究することにした。 Ⅱ.研究方法 ○撮影日時:平成28年 11月22日 ○撮影場所:日本体育大学 体操競技館 ○被験者 :3人

○撮影器材:Apple iPad mini

○カメラからあん馬までの距離:6m10cm ○カメラの高さ:1m45cm 「逆交差1/4ひねり一把手上倒立経過、下して開脚支持」を撮 影し、分解写真にして、3つの局面に分け、比較、分析した。 熟練者(1~8)(9~14)(15~24) Ⅲ.結果および考察 <第1局面> 第1局面では、身体を高い位置まで振り上げ、倒立に 上げるための勢いをもらうこと、重心の入れ替えの為にあらかじ め左の把手の方に重心を移動しておくことが重要だと考えた。 未熟練者は熟練者に比べて腰が曲がり、腰が高い位置まで上が っておらず、重心が十分に左の把手の方に乗っていないことが 分かった。 <第2局面> 第2局面では、第1局面で得た、倒立に上げるための勢いを失 うことなく、効率よく使うことが重要だと考えた。未熟練者は第1局 面で倒立に上げる勢いをもらえなかったため、足の振りをうまく使 えず、腕の力だけで倒立に上げようとしているが、熟練者は第1 局面で高い位置から振り下ろしている分、足の振りをしっかりとも らえ、第1局面での勢いを使って倒立に上げようとしていることが わかった。 <第3局面> 第3局面では、第1局面、第2局面で得た倒立に上げるための 勢いを使い、把手の真上に重心を乗せながら効率よく倒立まで 上げきることが重要だと考えた。未熟練者は第1局面、第2局面 で倒立に上げるための勢いを得ることができず、腕の力だけで倒 立に上げようとしているため、把手の真上に重心が乗らず、倒立 に上がりきった姿勢が反ってしまっており、熟練者は第1局面で 得た倒立に上げるための勢いを、第2局面で失わず、把手の真 上に重心を乗せながら効率よく倒立に上げる動作ができている ので、倒立に上がりきった姿勢も綺麗に一直線になっていること がわかった。 Ⅳ.まとめ あん馬における「逆交差1/4ひねり一把手上倒立経過、下して 開脚支持」を減点の少ない実施で倒立に上げるためには、第1 局面が非常に重要になってくることがわかった。第1局面は、効 率よく倒立に上げるための勢いを得る局面である。第1局面で足 を振り上げた時に腰を高い位置まで上げ、倒立に上げるための 勢いを得ることができないと、第2局面、第3局面では腰の曲がり が大きくなり、腕の力だけで倒立に上げてしまい、減点の大きい 実施になってしまう。「逆交差1/4ひねり一把手上倒立経過、下 して開脚支持」は各局面ごとの練習も大切だが、各局面のつな ぎの部分も重要になってくるため、足を振り上げたところから倒立 までを1つの流れとして、足を振り上げたところから倒立に上げる 練習を繰り返し行うことが非常に重要である。

あん馬における「逆交差1/4ひねり一把手上倒立経過、下して開脚

支持」の技術について

第1局面 第2局面 第3局面

(7)

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13A0218

学生氏名

塚元

貴士

Ⅰ.はじめに 現在、オリンピックや世界選手権などの国際大会では D スコア 6.0 の伸身カサマツとび 2 回ひねり(ロペス) や前転とび前方かかえ込み2 回宙返りひねり(ドラグレ スク)を個人総合で実施する選手が多くみられる。しか し国内大会では個人総合において6.0 の跳躍を実施する 選手が少ない。そこで熟練者と非熟練者の「前転とび前 方屈身宙返り」を比較し、6.0 の跳躍を実施するポイン トを明確にしたいと思い研究を進めることにした。 Ⅱ.研究方法 実験は、日本体育大学において「前転とび前方屈身宙 返り」を行っている選手の中から熟練者1 名、非熟練者 1 名の体に 5 箇所の印(肘、肩、腰、膝、足首)を付け iPad を使用して撮影した。 (撮影時の高さ、距離) 高さ135cm、距離 700cm (撮影機材) iPad、三脚、メジャー ○熟練者の「前転とび前方屈身宙返り」 〇非熟練者の「前転とび前方屈身宙返り」 Ⅲ.結果及び考察 第1 局面(助走から踏み切り)では助走の勢いをロイ ター板に無駄なく伝えることが重要である。熟練者はロ イター板を踏む直前にやや前傾姿勢でロイター板を踏 む際に腰・膝・足先が一直線になり、進行方向に力を伝 えることができている。さらに体が伸びきった状態で踏 み切れてい

跳馬の技術向上における「前転とび前方屈身宙返り」の必要性

るので、力が分散することなく助走の勢いをロイター板 に 伝えることが出来ている。したがって、助走の勢い を上昇力につながることができたと考えられる。この局 面で助走の勢いをロイター板に伝えることが跳馬にお ける一番のポイントであり、動作を確実に行うことで高 難易度の跳躍技に発展させることができる。 第 2 局面(踏み切りから着手)では助走の勢いを落 とすことなく着手することが重要である。熟練者は肩を 支点に腰と足が一直線に振りあがっており、着手時の肩 の屈曲角度が 180°に近く足先の方向に突き放してい ることが分かる。この局面では上半身と下半身を連動さ せて着手しにいくことで高さのある跳躍になる。 第 3 局面(着手から上半身の起き上がり)では跳馬 を突き放しその後、上半身の起き上がり動作が重要であ る。熟練者は跳馬を突き放してから伸びあがる姿勢があ り、その後すぐに抱え込み上半身を起き上がらせてい る。また突き放した後、跳馬の真上に上がりしっかりと 折りたたんだ屈身姿勢になっている。高い位置で回転す ることでひねりや回転につなげることができる。 第 4 局面(空中局面)ではこれまでの局面において 熟練者は助走の勢いを無駄なく伝えてきたため高い位 置を維持したまま回転につなげることができている。そ のため着地の準備姿勢も明確であり着地にも余裕があ った。 Ⅳ.まとめ 今回の研究で熟練者と非熟練者を比較した結果、4 つ の中で最も重要な局面は第 1 局面の助走から踏み切り の部分であった。第 1 局面での助走の勢いが踏み切り で失速することにより、第2 局面の踏み切りから着手、 第3 局面の突き放しから上半身の起き上がり、第 4 局 面の空中局面でも勢いが失われ上昇力や回転につなが らないことがわかった。その為高難易度の跳躍に発展さ せることが難しい。熟練者のような失速することのない 踏み切り方の改善と第2、3、4 局面の練習を行うこと によって国内大会でもD スコア 6.0 以上の跳躍を積極 的に取り入れてくる選手が増えてくるであろう。

(8)

日本体育大学 卒業抄録

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13A0232

学生氏名

中川

達貴

Ⅰ.はじめに 現在、オリンピックや世界選手権などの国際大会では D スコア 6.0 の伸身カサマツとび 2 回ひねり(ロペス) や前転とび前方かかえ込み2 回宙返りひねり(ドラグレ スク)を個人総合で実施する選手が多くみられる。しか し国内大会では個人総合において6.0 の跳躍を実施する 選手が少ない。そこで熟練者と非熟練者の「前転とび前 方屈身宙返り」を比較し、6.0 の跳躍を実施するポイン トを明確にしたいと思い研究を進めることにした。 Ⅱ.研究方法 実験は、日本体育大学において「前転とび前方屈身宙 返り」を行っている選手の中から熟練者1 名、非熟練者 1 名の体に 5 箇所の印(肘、肩、腰、膝、足首)を付け iPad を使用して撮影した。 (撮影時の高さ、距離) 高さ135cm、距離 700cm (撮影機材) iPad、三脚、メジャー ○熟練者の「前転とび前方屈身宙返り」 〇非熟練者の「前転とび前方屈身宙返り」 Ⅲ.結果及び考察 第1 局面(助走から踏み切り)では助走の勢いをロイ ター板に無駄なく伝えることが重要である。熟練者はロ イター板を踏む直前にやや前傾姿勢でロイター板を踏 む際に腰・膝・足先が一直線になり、進行方向に力を伝 えることができている。さらに体が伸びきった状態で踏 み切れてい

跳馬の技術向上における「前転とび前方屈身宙返り」の必要性

るので、力が分散することなく助走の勢いをロイター板 に 伝えることが出来ている。したがって、助走の勢い を上昇力につながることができたと考えられる。この局 面で助走の勢いをロイター板に伝えることが跳馬にお ける一番のポイントであり、動作を確実に行うことで高 難易度の跳躍技に発展させることができる。 第 2 局面(踏み切りから着手)では助走の勢いを落 とすことなく着手することが重要である。熟練者は肩を 支点に腰と足が一直線に振りあがっており、着手時の肩 の屈曲角度が 180°に近く足先の方向に突き放してい ることが分かる。この局面では上半身と下半身を連動さ せて着手しにいくことで高さのある跳躍になる。 第 3 局面(着手から上半身の起き上がり)では跳馬 を突き放しその後、上半身の起き上がり動作が重要であ る。熟練者は跳馬を突き放してから伸びあがる姿勢があ り、その後すぐに抱え込み上半身を起き上がらせてい る。また突き放した後、跳馬の真上に上がりしっかりと 折りたたんだ屈身姿勢になっている。高い位置で回転す ることでひねりや回転につなげることができる。 第 4 局面(空中局面)ではこれまでの局面において 熟練者は助走の勢いを無駄なく伝えてきたため高い位 置を維持したまま回転につなげることができている。そ のため着地の準備姿勢も明確であり着地にも余裕があ った。 Ⅳ.まとめ 今回の研究で熟練者と非熟練者を比較した結果、4 つ の中で最も重要な局面は第 1 局面の助走から踏み切り の部分であった。第 1 局面での助走の勢いが踏み切り で失速することにより、第2 局面の踏み切りから着手、 第3 局面の突き放しから上半身の起き上がり、第 4 局 面の空中局面でも勢いが失われ上昇力や回転につなが らないことがわかった。その為高難易度の跳躍に発展さ せることが難しい。熟練者のような失速することのない 踏み切り方の改善と第2、3、4 局面の練習を行うこと によって国内大会でもD スコア 6.0 以上の跳躍を積極 的に取り入れてくる選手が増えてくるであろう。

(9)

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13A0283

学生氏名

堀野

真志

1. はじめに 近年、日本の体操はリオデジャネイロ五輪において団体、 個人で金メダルを獲得するなど世界トップレベルの活躍を みせている。そこで、本研究テーマである、「懸垂前振り伸 身背面とび越し懸垂(伸身トカチェフ)」(以下伸身トカチ ェフとする)は鉄棒の手放し技であり、これからのルール において発展性が高く、連続技につなげることによって加 点ももらえるため、鉄棒の演技構成においてD スコアの底 上げにつながると考えられる。そこで本研究テーマに伸身 トカチェフを取り上げた。本研究を通して伸身トカチェフ を技術的に分析し、様々な視点から考察していく。 2. 研究方法 実験は、日本体育大学において「伸身トカチェフ」を行 っている選手の中で、未熟練者1 名、熟練者 1 名の体に 5 箇所の印(肘、肩、腰、膝、足首)をつけて撮影をし、そ れを分解写真にして、動作を3つの局面に分け比較、分析 した。 熟練者(第1局面①~⑤)(第2局面⑥~⑩) ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ (第3局面⑪~⑲) ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ⑱ ⑲ 3. 結果及び考察 熟練者は、第1局面において倒立経過の際に体重をバー に乗せて姿勢を作ることによりバーを押した際にスムーズ な抜きへと繋げられていることが考えられる。未熟練者は形 を作った際に倒立から経過しているため、体重がバーにかか っておらず、上手く抜きにいく力がもらえていないことが分 かった。 第2局面において熟練者は、第1局面でもらった力を利用 して、鉄棒の真下で抜ききることによって上手くあふりに繋 げられることができる。その結果、あふりを行った際に肩が 下がり胸をふくめられていることが考えられる。未熟練者 は、第1局面が正確に行えていないため抜きを行った際に力 をもらうことができず、肩、腰と順番に抜きが行えていない。 そのため、足先が先行してしまい胸をふくめる事ができずあ ふりを行った際、既に身体が伸びきった状態になることが分 かった。 第3局面において熟練者は第2局面で胸がふくめている ことにより腕に体重がかかり、しっかりとバーを弾く事がで きる。そのため綺麗な姿勢で肩が止まり伸身姿勢で足を抜く ことが可能となる。対して未熟練者は、第2局面で既に身体 が伸びきっているため腕に体重がかからずバーを弾くこと が困難となる。そのため肩を弾くのではなく、肩でバーを引 っ張って実施するため身体が入れ替えることが出来ていな い。そのため伸身姿勢を保てず腰を引いてバーから足を抜い ているということが分かった。 4. まとめ 鉄棒での伸身トカチェフを正しい技術で行うことにより、 発展技となるモズニク(E 難度)やリューキン(F 難度)、 トカチェフからの連続技などに繋げることが可能となる。こ れらの高い技術に繋げるためには、第1局面から第3局面の 大事な部分を確実に実施する必要がある。伸身トカチェフの 前段階である、おし、抜き、あふりを正確に行うことができ なければ理想的な実施が困難となる。そのため、基本動作を 繰り返し練習し安定させることが、伸身トカチェフを完成さ せるために重要なことである。基本動作を安定させることに よって、演技構成に取り入れた際に単発技と演技での感覚の 違いを軽減することができるため、基本動作の安定は演技の 安定にも繋がる。

鉄棒における「懸垂前振り伸身背面とび越し懸垂(伸身トカチェフ)」

の研究について

(10)

日本体育大学 卒業抄録

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13A0337

学生氏名

芳本

玲央

Ⅰ はじめに 本研究をテーマにした理由として、まず2017年から ルール改正が行われグループが5つから4つに変更され、 グループⅠ:両棒での支持技、グループⅡ:腕支持振動技、 グループⅢ:両棒・単棒での長・逆懸垂振動技、グループ Ⅳ:終末技となった。そのため「D スコア」での点数に差 が付きにくくなり、「E スコア」である美しさ、完成度が要 求されていることがあげられる。平行棒の「片腕支持1回 ひねり支持」(以下ヒーリーとする)は、グループⅠの D 難度の技であり、近年実施する選手が増加傾向にある「前 振り片腕支持3/4ひねり単棒倒立経過、軸手をかえて3/ 4ひねり支持」(以下マクーツとする)への発展性を持って いる技である。「マクーツ」は E 難度であり、実施減点さ れにくい技とされているため、上にあげた「E スコア」で の向上に繋がるのではないかと考え、研究を進めることに した。 Ⅱ 方法 被験者:日本体育大学学友会体操競技部 男子部員2名 熟練者 非熟練者 実施日時:平成28年 12月1日 20:45~ 実施場所:日本体育大学 体操競技館

撮影器具:Apple ipad mini

平行棒からマットの高さ 1m80㎝ 平行棒からカメラの距離 10m30㎝ カメラの高さ 2m30㎝ 撮影結果 熟練者 非熟練者 Ⅲ 結果及び考察 第一局面の1、2では、熟練者と非熟練者の頭の位置・ 肩角度から非熟練者は熟練者に比べ、平行棒を押せておら ず、頭がひねり始めのきっかけになっている。ひねり始めで は、右手を軸に左肩できっかけを作り、足先までひねりが体 全体にかかるように行うことが重要である。4では非熟練者 は手首から腰までが繋がっておらず、肩が後方に倒れ始めて いる。そのため5〜10にかけて非熟練者は肩の倒れ方が大 きくなり、熟練者よりも足先が下がるのが早く、窮屈な着手 になっていると考えられる。非熟練者は平行棒を垂直方向に 押せていないため4の時点で肩に角度がついている。熟練者 のように手首から腰を一直線に保つことが重要である。また 7から腰が曲がり始めている理由としては、2、3のように 非熟練者は頭の垂直線上に足首があり、ひねりが進むにつれ て進行方向への推進力をつける事が出来ていないため肩を 倒して足先を前方へ送っている。その結果、ひねりの後半に つれて体全体の降下するスピードが上昇するため、足先を高 い位置に残すために腰を曲げるという点が挙げられる。 第二局面では、熟練者は着手後から胸を軸に足先を降ろし ているのに対し、非熟練者は腰の曲がりによって胸を軸に足 先を降ろす事が出来ず、上半身と下半身のバランスを取るた めに自ら肩を前方に動かしている。14〜20では、熟練者 は徐々に腰よりも足先が先行し、反りながら倒立へと上げて いくが、非熟練者は腰が先行して倒立へと上げている。非熟 練者は、軸が腰にあるため反り上げるためには、さらに肩を 前方へ動かす必要がある。第二局面の安定性の向上には、第 一局面での肩・足先の動かし方が重要であると考察する。 Ⅴ まとめ 以上のことにより「ヒーリー」を実施するにあたり、第二 局面時の安定した倒立への持ち込みを行うには、第一局面で のひねりへの持ち込みの際に平行棒を肩から押し、着手まで の進行方向への勢いを作ることが重要であると分かった。練 習法として平行棒を使わず、手を床につき、肩の高さほどに 積み上げたマットに向かって「ヒーリー」と同じ動きを行う 方法がある。この方法は着手時には肩と同じ高さで腰の位置 をとどめることができる。 本研究をもとに、高い「D スコア」「E スコア」の実施に なるよう今後の指導に活かしていきたい。

平行棒における「片腕支持 1 回ひねり支持(ヒーリー)」について

(11)

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13B0045

学生氏名

佐藤

凌祐

はじめに 筆者たちは‘後方倒立回転とびにおける理想の形‘につ いて研究することにした。そのきっかけは筆者たちが体操 部に所属しており、部員のほとんどが後方倒立回転とびを 習得しているにもかかわらず、熟練しているものは非常に 少ない。その為、後方倒立回転とびの動作中における怪我 がとても多い。 そこで体操競技選手の中でも多くの選手が実施している 「後方倒立回転とび」に着目してどのように実施すべきな のか、どのような動きが最も綺麗と言えるのか、また理想 の後方倒立回転とびに近づけるための効果的な練習方法な どを研究テーマとして進めていくこととする。 Ⅰ.研究方法 ・使用機材 iPad ・撮影場所 世田谷キャンパス体操場 ・被験者 4 人 〈被験者撮影時〉 服装 半袖、ハーフパンツ(手首、肘、肩、腰、膝、足 首にテーピングで印をつけ撮影した動画を分解画像にし、 共通点や相違点をわかりやすくする。) 距離 8m 高さ 1.3m Ⅱ.結果および考察 熟練者 非熟練者 | 第三局面 | 第二局面 | 第一局面 | 第一局面(直立から飛びだしまで) この局面は後方倒立回転跳びにおける準備段階であり、 この局面が上手く行えないと第二局面、第三局面への影響 は大きいと考える。 熟練者は腰を落とした時膝がつま先より後ろにあるため 重心を後ろにもっていくことができ、腕の振り、膝の伸ばし をタイミングよく行っているため、無駄のない大きく綺麗な 後方回転跳びの第一局面ができている。一方、非熟練者は首 が先に返ってしまうことにより、跳ぶときに腕の振りを最大 限活かすことができていない。 第二局面(飛びだしから着手まで) 熟練者は第一局面が良い形になっているため、この局面の 跳びだしの部分で後ろに水平に跳ぶことができており、蹴り 足から着手の幅が広く、なめらかで雄大な伸びができてい る。一方、非熟練者は第一局面の影響でやや斜め方向に跳ん でしまっており膝も曲がっているため蹴り足から着手の幅 が狭くなり小さく縮こまっている。また、踏切直後から膝、 足首が曲がってしまうことにより力が分散して逃げてしま っている。 第三局面(着手から着地まで) 後方倒立回転とびは正しい倒立姿勢を経由するのが理想 であるが、非熟練者は倒立姿勢のとき肩が出て胸が落ちてし まっている。このため、地面をしっかり押し返すことができ ず、あふりの際にも上半身が起き上がってこないで腰の位置 で折れ曲がってしまっている。そのため、体が遠くへ行かず 手と足の距離が近くなってしまっていることがわかる。 Ⅲ.今後の課題 筆者たちの考える一番重要なポイントは第一局面の蹴り だしの瞬間である。蹴りだしの瞬間に膝が足首より前に出て しまうと後方に十分な力が伝わらず、空回りの後方倒立回転 とびになってしまう。非熟練者は蹴りだしの瞬間に顎が上が り膝が足首より前に出てしまっているため、腕の振り上げの 力が十分に使えていないため後方に力が伝わっていない。そ のため、その後の運動に関しても膝が曲がり着手の位置が近 く空回りしてしまっていることがわかる。 研究の結果これらのポイントを踏まえ、さらに蹴りだしの 瞬間に、膝が伸びきるタイミングと腕の振り上げのタイミン グを合わせることに重点を置き練習することによって熟練 した後方倒立回転とびを習得することが可能である。

後方倒立回転とびにおける理想の形

(12)

日本体育大学 卒業抄録

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13B0091

学生氏名

森川

弘章

はじめに 筆者たちは‘後方倒立回転とびにおける理想の形‘につ いて研究することにした。そのきっかけは筆者たちが体操 部に所属しており、部員のほとんどが後方倒立回転とびを 習得しているにもかかわらず、熟練しているものは非常に 少ない。その為、後方倒立回転とびの動作中における怪我 がとても多い。 そこで体操競技選手の中でも多くの選手が実施している 「後方倒立回転とび」に着目してどのように実施すべきな のか、どのような動きが最も綺麗と言えるのか、また理想 の後方倒立回転とびに近づけるための効果的な練習方法な どを研究テーマとして進めていくこととする。 Ⅰ.研究方法 ・使用機材 iPad ・撮影場所 世田谷キャンパス体操場 ・被験者 4 人 〈被験者撮影時〉 服装 半袖、ハーフパンツ(手首、肘、肩、腰、膝、足 首にテーピングで印をつけ撮影した動画を分解画像にし、 共通点や相違点をわかりやすくする。) 距離 8m 高さ 1.3m Ⅱ.結果および考察 熟練者 非熟練者 | 第三局面 | 第二局面 | 第一局面 | 第一局面(直立から飛びだしまで) この局面は後方倒立回転跳びにおける準備段階であり、 この局面が上手く行えないと第二局面、第三局面への影響 は大きいと考える。 熟練者は腰を落とした時膝がつま先より後ろにあるため 重心を後ろにもっていくことができ、腕の振り、膝の伸ばし をタイミングよく行っているため、無駄のない大きく綺麗な 後方回転跳びの第一局面ができている。一方、非熟練者は首 が先に返ってしまうことにより、跳ぶときに腕の振りを最大 限活かすことができていない。 第二局面(飛びだしから着手まで) 熟練者は第一局面が良い形になっているため、この局面の 跳びだしの部分で後ろに水平に跳ぶことができており、蹴り 足から着手の幅が広く、なめらかで雄大な伸びができてい る。一方、非熟練者は第一局面の影響でやや斜め方向に跳ん でしまっており膝も曲がっているため蹴り足から着手の幅 が狭くなり小さく縮こまっている。また、踏切直後から膝、 足首が曲がってしまうことにより力が分散して逃げてしま っている。 第三局面(着手から着地まで) 後方倒立回転とびは正しい倒立姿勢を経由するのが理想 であるが、非熟練者は倒立姿勢のとき肩が出て胸が落ちてし まっている。このため、地面をしっかり押し返すことができ ず、あふりの際にも上半身が起き上がってこないで腰の位置 で折れ曲がってしまっている。そのため、体が遠くへ行かず 手と足の距離が近くなってしまっていることがわかる。 Ⅲ.今後の課題 筆者たちの考える一番重要なポイントは第一局面の蹴り だしの瞬間である。蹴りだしの瞬間に膝が足首より前に出て しまうと後方に十分な力が伝わらず、空回りの後方倒立回転 とびになってしまう。非熟練者は蹴りだしの瞬間に顎が上が り膝が足首より前に出てしまっているため、腕の振り上げの 力が十分に使えていないため後方に力が伝わっていない。そ のため、その後の運動に関しても膝が曲がり着手の位置が近 く空回りしてしまっていることがわかる。 研究の結果これらのポイントを踏まえ、さらに蹴りだしの 瞬間に、膝が伸びきるタイミングと腕の振り上げのタイミン グを合わせることに重点を置き練習することによって熟練 した後方倒立回転とびを習得することが可能である。

後方倒立回転とびにおける理想の形

(13)

日本体育大学 卒業抄録

運動方法(体操競技)研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13D0056

学生氏名

佐野

貴飛

1はじめに 筆者はこれまで男子新体操競技とクラシックバレエ を行ってきた。男子新体操競技において、体操競技で行 われるような床運動の要素がある点から、その床運動で の最も基本となる倒立姿勢について着目した。そして筆 者達はクラシックバレエを始めて間もないが、クラシッ クバレエにおける正しい姿勢と体操の基本となる正し い倒立姿勢との両者の間には類似する点が多くあると 感じ、またクラシックバレエのバーレッスンが競技力向 上に繋がるのではないかと考えた。この様な理由から、 この両者の関係性に興味を持ち、この両者の背景にはど のような歴史があり、クラシックバレエの要素が競技力 向上に役立てられるのか、またこの両者の関係性の真理 はどこにあるのかを探ることを目的に、本研究のテーマ とした。 2歴史的背景について 時代は旧ソ連が崩壊した時代にまで遡る。ソ連の崩壊 により、各種目のコーチ陣が一斉に海外へ飛び出した。 これにより旧ソ連のスポーツ科学が世界中に広まった。 ソ連崩壊でバレエのコーチも世界に散った。そして様々 なことが輸入されたのである。 日本体操協会は 1993 年に低迷する体操界の復活を試 みて、旧ソ連からコーチを呼び寄せた。コーチの第一声 は「あなたたちは姿勢からなっていない」というもので あった。こうして、日本体操界の復活の一歩は普段の姿 勢直しから始まったのである。そして、コーチはある一 つのポーズを彼らに伝えた。それは、ロシアのクラシッ クバレエの人たちも周知している「ベリョースカ」とい うものであった。ベリョースカ、日本体操界では「白樺 のポーズ」と呼ばれる姿勢である。 3クラシックバレエと倒立による姿勢の関係性 これら両者の姿勢は、特に体幹に関係する骨の使い方 がほとんど同じである。これは、序章でも触れた「ベリ ョースカ」が大きなカギを握っている。つまり、「白樺の ポーズ」のことである。このポーズの特性は、手から足 先までまっすぐになることによって、力が胸や腰、お尻 などで分散せず、身体を自由にコントロールできる、優 れた基本姿勢と考えられてきた。具体的には、地面に対 して前傾している骨盤をなるべく垂直に近づけることで この3つの彎曲が減少する。その代表的な効用として、 反発力の有効利用が挙げられる。この彎曲は地面 からの 衝撃を吸収するためのものであるが、パワーが緩衡され てしまうということでもある。この彎曲が減少すればエ ネルギーをより効率的に利用できる可能性が生まれると いう考えである。そしてこの姿勢は、力を左右に逃がさ ないため、床運動での応用も効くのではないかと考えた。 4競技力向上におけるバーレッスンの有効性 バレエの練習で用いられるバーレッスンには競技力向 上に有効な部分があると考える。このバーレッスンで体 操競技に活かせる部分は足の動かし方である。バーを持 つことにより補助代わりとなって体をしっかりと支える ことができ、より細部まで意識をすることができる。よ って膝やつま先をしっかりと伸ばすことを意識できる。 このバレエにおけるバーレッスンの目的は体操競技の演 技中に膝やつま先を伸ばす事への意識に繋がる事や、床 をしっかり押し体を引き上げることの練習になり、競技 力向上に有効と言える。 5結論 第一に、この理論的根拠は、体操競技やクラシックバ レエの基本姿勢としての役割だけではなく、他のスポー ツにおいても様々な面での応用の可能性がある。第二に、 体操競技もバレエも観客に不快感を与えないといった点 において、膝、つま先の伸ばし方や演技中に体から生み 出される曲線やラインの美しさはバーレッスンで鍛える ことができる。この二つの結果からクラシックバレエと 体操競技には、あらゆる面で共通点があることが分かり、 このことからクラシックバレエの要素は体操競技の競技 力向上に役立てることが大いに期待できる。

研究テーマ

体操競技におけるクラシックバレエの技術の有用性

(14)

日本体育大学 卒業抄録

運動方法(体操競技)研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13D0067

学生氏名

高光

隼人

1はじめに 筆者はこれまで男子新体操競技とクラシックバレエ を行ってきた。男子新体操競技において、体操競技で行 われるような床運動の要素がある点から、その床運動で の最も基本となる倒立姿勢について着目した。そして筆 者達はクラシックバレエを始めて間もないが、クラシッ クバレエにおける正しい姿勢と体操の基本となる正し い倒立姿勢との両者の間には類似する点が多くあると 感じ、またクラシックバレエのバーレッスンが競技力向 上に繋がるのではないかと考えた。この様な理由から、 この両者の関係性に興味を持ち、この両者の背景にはど のような歴史があり、クラシックバレエの要素が競技力 向上に役立てられるのか、またこの両者の関係性の真理 はどこにあるのかを探ることを目的に、本研究のテーマ とした。 2歴史的背景について 時代は旧ソ連が崩壊した時代にまで遡る。ソ連の崩壊 により、各種目のコーチ陣が一斉に海外へ飛び出した。 これにより旧ソ連のスポーツ科学が世界中に広まった。 ソ連崩壊でバレエのコーチも世界に散った。そして様々 なことが輸入されたのである。 日本体操協会は 1993 年に低迷する体操界の復活を試 みて、旧ソ連からコーチを呼び寄せた。コーチの第一声 は「あなたたちは姿勢からなっていない」というもので あった。こうして、日本体操界の復活の一歩は普段の姿 勢直しから始まったのである。そして、コーチはある一 つのポーズを彼らに伝えた。それは、ロシアのクラシッ クバレエの人たちも周知している「ベリョースカ」とい うものであった。ベリョースカ、日本体操界では「白樺 のポーズ」と呼ばれる姿勢である。 3クラシックバレエと倒立による姿勢の関係性 これら両者の姿勢は、特に体幹に関係する骨の使い方 がほとんど同じである。これは、序章でも触れた「ベリ ョースカ」が大きなカギを握っている。つまり、「白樺の ポーズ」のことである。このポーズの特性は、手から足 先までまっすぐになることによって、力が胸や腰、お尻 などで分散せず、身体を自由にコントロールできる、優 れた基本姿勢と考えられてきた。具体的には、地面に対 して前傾している骨盤をなるべく垂直に近づけることで この3つの彎曲が減少する。その代表的な効用として、 反発力の有効利用が挙げられる。この彎曲は地面 からの 衝撃を吸収するためのものであるが、パワーが緩衡され てしまうということでもある。この彎曲が減少すればエ ネルギーをより効率的に利用できる可能性が生まれると いう考えである。そしてこの姿勢は、力を左右に逃がさ ないため、床運動での応用も効くのではないかと考えた。 4競技力向上におけるバーレッスンの有効性 バレエの練習で用いられるバーレッスンには競技力向 上に有効な部分があると考える。このバーレッスンで体 操競技に活かせる部分は足の動かし方である。バーを持 つことにより補助代わりとなって体をしっかりと支える ことができ、より細部まで意識をすることができる。よ って膝やつま先をしっかりと伸ばすことを意識できる。 このバレエにおけるバーレッスンの目的は体操競技の演 技中に膝やつま先を伸ばす事への意識に繋がる事や、床 をしっかり押し体を引き上げることの練習になり、競技 力向上に有効と言える。 5結論 第一に、この理論的根拠は、体操競技やクラシックバ レエの基本姿勢としての役割だけではなく、他のスポー ツにおいても様々な面での応用の可能性がある。第二に、 体操競技もバレエも観客に不快感を与えないといった点 において、膝、つま先の伸ばし方や演技中に体から生み 出される曲線やラインの美しさはバーレッスンで鍛える ことができる。この二つの結果からクラシックバレエと 体操競技には、あらゆる面で共通点があることが分かり、 このことからクラシックバレエの要素は体操競技の競技 力向上に役立てることが大いに期待できる。

研究テーマ

体操競技におけるクラシックバレエの技術の有用性

(15)

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13G0032

学生氏名

坂本

成道

Ⅰ、はじめに 著者たちは床運動における前方倒立回転とびについて研 究することにした。理由として、著者たちが体操部に所属 しており未熟練者から経験者まで幅広く所属しており、実 施演技の中で必ず取り入られている床運動の技のひとつで ある。これらの実施の出来ばえが演技全体の出来ばえに関 わる重要な技のひとつである。 そのなかでも大きく、美しい前方倒立回転とびを行う為 にはどこがポイントなのかを理解することで指導方法を見 直すことができ、美しい技の実施が行う事を目的とする。 Ⅱ、研究方法 <撮影日>平成28年12月10日 <場所>日本体育大学・世田谷キャンパス体育館 <被験者>日本体育大学体操部部員 男子部員4名 <選手撮影時>高さ 1.3m(床からカメラレンズの中 心まで)距離 マットからカメラレンズまで5m <使用器具>Ipad、マット、ホワイトテープ 手首、肘、肩、腰、膝、足首の6 か所にマーキングをし ている。 Ⅲ、結果および考察 熟練者 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 → 第一局面 ← → 第二局面 ← 未熟練者 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 → 第一局面 ← → 第二局面 ← 第一局面 1~4 (助走から着手まで) この局面は前方倒立回転とびにおける準備段階であり、助 走から着手を行う動作は、前方へ勢いをつけるための動作と 考える。研究理由で述べた大きく美しい前方倒立回転とびを 行ううえで重要な動作である。 熟練者は助走から目線は前を向いており腕が床と平行に あるため前足を大きく踏み込むことができ、その勢いで踏み 込んだ足が上がり手を遠くにつくことができているため、助 走を最大限に活かして着手が行えている。それに対し、未熟 練者は目線が下を向いており腕が頭の位置にあるため前足 の踏み込みが浅く、勢い良く足が振り上がらずに踏み込み足 が上がらず手をついている。そのため助走を最大限に活かせ ていない。 第二局面 5~10 (着手から着地まで) 前方倒立回転とびは真っ直ぐな正しい倒立姿勢を経由す ることが理想である。 熟練者は前方への勢いがあるため、着手後に両足とも曲がら ずに大きい軌道で足が通り着地が行えている。それに対し未 熟練者は両足が曲がっている。そのため、振り上げた足の勢 いが活かせずに体が浮き上がっていなく、小さな軌道で前方 倒立回転とびを行っていることが分かる。 Ⅳ、まとめおよび今後の課題 筆者たちの考える一番重要なポイントは、第一局面の足の 振りあげの部分である。踏み込んだ足の振りあげが着手より も遅いと、勢いが活かせず腰が折れて後ろに体重が残ってし まう。熟練者は踏み込み足の振りあげが着手より早く振りあ げられ上に跳ねる力が生まれる。一方未熟練者のように足の 振り上げが遅いと、体重が後ろに残り肩、腰が手首より前に 出てしまい、横だけの力になり浮き上がることができない。 そのため、背中が反れずに大きな回転にならないことがわか る。 研究の結果これらのポイントを踏まえ、着手のタイミング より早く足を振り上げることに重点を置き練習することに より、熟練した大きく美しい前方倒立回転とびを習得するこ とができる。

前方倒立回転とびの動作分析

(16)

日本体育大学 卒業抄録

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13G0070

学生氏名

茂木

智広

1.はじめに 日本の男子選手がオリンピックに出場したのは、193 2年のロサンゼルスオリンピックが最初である。1960 年ローマオリンピックから1976年モントリオールオリ ンピックまで5連覇を達成し、2004年アテネオリンピ ックにて28年ぶりに団体優勝を果たした。さらに、20 16年のリオデジャネイロオリンピックでは、男子団体が 3大会ぶり 7 度目の金メダルを獲得した。本研究テーマで ある「前方浮腰回転振り出しひねり倒立」(以下、アドラー ひねり倒立とする)は組み合わせ技の1つ目としてよく使 われており、アドラーひねり倒立を練習していく選手の少 しでも手助けになれば良いと思い研究することにした。 2. 研究方法 研究方法は、日本体育大学の体操競技選手において、ア ドラーひねり倒立を行っている選手の中で熟練者1名と、 非熟練者1名に技を実施してもらい、選手の体(肩、肘、 腰、膝、足首の五か所)にテーピングで目印を付け撮影し、 分解写真にして3つの局面に分け比較、分析した。 熟練者 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 非熟練者 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 第1局面(1~6) 第2局面(7~14) 第3局面(15~20) 3.結果及び考察 第1局面の1〜3の非熟練者の腰を見てみると、2の 段階で腰の位置が鉄棒の真上を越していることが分かる。こ の時の熟練者は鉄棒の後方に腰は位置していて、非熟練者 は、3で肩や腰の回転が始まっている。さらに熟練者は4, 5で肩に角度がついているが非熟練者には見られない。第1 局面で最も重要なのは前方車輪の勢いを止め、肩や腰を回転 させないで足を両腕の間に入れることだと考える。 第2局面では、7の局面を見ると熟練者は肩や腰はまだ回 転していないが、非熟練者はこの段階で回転が始まってい る。11 の局面は足先の方向が大きく違い、熟練者は足先を 鉄棒より後方へ出そうとしているが、非熟練者はまだこの段 階では前屈姿勢が強く、足先が回転している。13,14局 面の腰の位置に注目して見ると熟練者は腰が鉄棒より前に あるが、非熟練者は鉄棒とほぼ垂直線上に腰の位置がきてい る。第2局面では前屈をしている時間を短くし、肘関節を屈 曲させバーの真上に向かって足先を伸ばすことが重要と考 える。 第3局面は16で非熟練者の方が肩の位置が上にあり、肘 の屈曲が少ないことが分かる。19では、熟練者は肘が伸び ていて体重が軸手に乗っているが、非熟練者は、肘が曲がっ ており体重が軸手に乗っていない。第3局面では股関節の伸 展と合わせて肘関節の屈曲することが重要なことだと考え る。 4. まとめ アドラーひねり倒立を倒立局面で終わり、組合せ技の 1 つ 目として演技に取り入れ高得点に繋げるには、第1局面から 第3局面までの重要なポイントを確実に行うことが必要と なってくる。第1局面で、肩や腰が回転してしまうと次の動 作のタイミングが遅れていまい倒立局面にいくことが難し くなる。腰や肩が回らないように抑制しながら両腕の間に足 を入れ前屈姿勢の時間を短くし、バーの真上方向に向かって 肘で体を引っ張りながら足先を出すことが重要と分かった。

鉄棒における「前方浮腰回転振り出しひねり倒立(アドラーひねり倒

立)」の技術について

(17)

体操競技研究室 指導教員 畠田 好章 准教授 学籍番号 13G0089

学生氏名

今井

菜津美

Ⅰ、はじめに 著者たちは床運動における前方倒立回転とびについて研 究することにした。理由として、著者たちが体操部に所属 しており未熟練者から経験者まで幅広く所属しており、実 施演技の中で必ず取り入られている床運動の技のひとつで ある。これらの実施の出来ばえが演技全体の出来ばえに関 わる重要な技のひとつである。 そのなかでも大きく、美しい前方倒立回転とびを行う為 にはどこがポイントなのかを理解することで指導方法を見 直すことができ、美しい技の実施が行う事を目的とする。 Ⅱ、研究方法 <撮影日>平成28年12月10日 <場所>日本体育大学・世田谷キャンパス体育館 <被験者>日本体育大学体操部部員 男子部員4名 <選手撮影時>高さ 1.3m(床からカメラレンズの中 心まで)距離 マットからカメラレンズまで5m <使用器具>Ipad、マット、ホワイトテープ 手首、肘、肩、腰、膝、足首の6 か所にマーキングをし ている。 Ⅲ、結果および考察 熟練者 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 → 第一局面 ← → 第二局面 ← 未熟練者 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 → 第一局面 ← → 第二局面 ← 第一局面 1~4 (助走から着手まで) この局面は前方倒立回転とびにおける準備段階であり、助 走から着手を行う動作は、前方へ勢いをつけるための動作と 考える。研究理由で述べた大きく美しい前方倒立回転とびを 行ううえで重要な動作である。 熟練者は助走から目線は前を向いており腕が床と平行に あるため前足を大きく踏み込むことができ、その勢いで踏み 込んだ足が上がり手を遠くにつくことができているため、助 走を最大限に活かして着手が行えている。それに対し、未熟 練者は目線が下を向いており腕が頭の位置にあるため前足 の踏み込みが浅く、勢い良く足が振り上がらずに踏み込み足 が上がらず手をついている。そのため助走を最大限に活かせ ていない。 第二局面 5~10 (着手から着地まで) 前方倒立回転とびは真っ直ぐな正しい倒立姿勢を経由す ることが理想である。 熟練者は前方への勢いがあるため、着手後に両足とも曲がら ずに大きい軌道で足が通り着地が行えている。それに対し未 熟練者は両足が曲がっている。そのため、振り上げた足の勢 いが活かせずに体が浮き上がっていなく、小さな軌道で前方 倒立回転とびを行っていることが分かる。 Ⅳ、まとめおよび今後の課題 筆者たちの考える一番重要なポイントは、第一局面の足の 振りあげの部分である。踏み込んだ足の振りあげが着手より も遅いと、勢いが活かせず腰が折れて後ろに体重が残ってし まう。熟練者は踏み込み足の振りあげが着手より早く振りあ げられ上に跳ねる力が生まれる。一方未熟練者のように足の 振り上げが遅いと、体重が後ろに残り肩、腰が手首より前に 出てしまい、横だけの力になり浮き上がることができない。 そのため、背中が反れずに大きな回転にならないことがわか る。 研究の結果これらのポイントを踏まえ、着手のタイミング より早く足を振り上げることに重点を置き練習することに より、熟練した大きく美しい前方倒立回転とびを習得するこ とができる。

前方倒立回転とびの動作分析

参照

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