成熟企業における新規事業開拓
~グローバル市場での更なる成長に向けて~
三井造船株式会社 Mitsui Engineering & Shipbuilding
2013年3月18日
石井正純
Managing Director – AZCA, Inc.
Venture Partner - Noventi
AZCA と Noventi
1
AZCAの概要
1985年シリコンバレーに設立、Menlo Parkに拠点
日米企業の国際的新規事業展開の支援
大企業のコーポレート・ベンチャリング(事業拡大、
新規事業構築)
ベンチャー企業の戦略的提携
ハイテク分野
情報通信、エレクトロニクス
新エネルギー・環境技術(グリーンテック)
ライフサイエンス、バイオテクノロジー
日米のベンチャー企業支援の専門家
シリコンバレーに広い人脈と情報ネットワーク
これまで400 以上のクロスボーダー・プロジェクト
遂行
Noventiの概要
シリコンバレー
Menlo Parkに拠点
Noventi 1号ファンド: $40 Million(2002年組成)
IT・モバイルに投資
Noventi 2号ファンド: $45 Million(2006年8月に
イニシャル・クロージング)
クリーンテック分野に重点投資
(新エネルギー、
環境および資源)
優れた技術と強力な経営陣を有し、将来的に世界
規模で大きい成長が期待される分野を対象とする
早期のベンチャー企業に投資
投資チーム
起業家精神旺盛、新規技術の製品化、事業化の
豊富な経験
日・米・欧の国際的なバックグラウンド
他の一流ベンチャーキャピタルとの協業ネット
ワーク
事業環境の変化
2
各国の名目GDPの世界経済に占める比率
出典: IMF World Economic Outlook; みずほコーポレート銀行
内需
グローバル需要
内需向け生産
輸出
海外生産
時間
量
概念的
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014
米国
日本
中国
グローバル展開の必要性
世界の新造船建造量
製品と製品開発の趨勢
4
0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 1988 1993 1998 2003* *-推定 出典: 経済団体連合会; AZCA推定年
製品のライフサイクル
0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 1988 1993 1998 2003* エンジニアリング パルプ・紙 鉄鋼 医薬品 石油精製・製品 化成品 半導体・デバイス 情報・通信機器 家電機器年
開発リードタイム
Silicon Valley* の立地
5
*- “Silicon Valley” という言葉は1971年にDon Hoeflerが雑誌 Electronic News の中の”Silicon Valley in the USA” という連載記事で初めて使用し
た。
シリコンバレーになる前
ハイテクノロジーの波
7
1950 1960 1970 1980 1990 2000 2005
Telecommunications, Internet
Semiconductor, IC
Computer Systems, Peripherals
Software
Life Science
Nanotechnology
Greentech
世界のデファクト・
スタンダード
1939
米国ベンチャーキャピタルの貢献
(2010年)
イノベーションの
80%
民間雇用の
11%(1190万人)
ソフトウェア雇用の
90%
バイオテクノロジー雇用の
74%
半導体・エレクトロニクス雇用の
72%
コンピュータ雇用の
54%
通信雇用の
48%
米国
GDPの21%($3.08Trillion = 3.08兆ドル)
半導体
/エレクトロニクス売上げの88%
バイオテクオロジー売上げの
67%
コンピュータ売り上げの
46%
ソフトウェア売り上げの
40%
ITサービス売り上げの39%
出典:
Venture Impact by HIS Global Insight
地域別
VC投資
出典: Venture Impact by HIS Global Insight; NVCA 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 1995 2000 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011
100% ($Billion) =
7.3 99.1 23.0 26.6 30.9 30.6 19.8 23.3 28.7
California
Silicon Valley
Other California
New England
Other Region
Mid West
Texas
NY Metro
9
出典:
Thomson Financial/NVCA
148 153 89 121 331 534 524 367 431 577 1,051 905 1,148 893 1,126 916 418 581 952 531 796 1,514 687 817 1,183 966 914 1,222 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 0.0 200.0 400.0 600.0 800.0 1,000.0 1,200.0 1,400.0 1,600.0 Cleantech $M %CleantechへのVC投資額 $Million
VC投資全体に占める割合
環境・エネルギー分野へのVC投資
10
シリコンバレーの特質
多様な文化的背景
人口の36%が外国生まれ
50%が家庭では英語以外の言葉を話す
技術系プロフェッショナルの55%が外国生まれ
高い教育レベル、優秀な大学、研究機関
44%が大学卒以上(全米平均27%)、68%が短大卒以上(全米平均54%)
トップ25の大学院のうち8校がカリフォルニア州(Stanford University, UC Berkeley
など)
LBL、PARC、SRI Internationalなどの研究機関
ベンチャー育成の豊富な資金源
$12BのVC投資(2011年) - 全米$28.7Bの41%
300社以上のベンチャーキャピタル会社 -全米842社(2011年)
ハイテク産業のメッカ
就業人口170万人(全人口260万人)のうち45万人がハイテクに従事
15,000社のハイテク企業
人口は全米の1%、特許出願数は全米の12%
出典:
NVCA; Joint Venture Silicon Valley “The 2012Silicon Valley Index”
シリコンバレーのイノベーション・エコシステム
12
起業家 VC 優れた大 学・研究 機関 弁護士事務所 会計事務所 コンサルタント ヘッドハンター 投資銀行 調査会社 etc.起業家
VC
優れた大学・
研究機関
弁護士事務所 会計事務所 コンサルタント ヘッドハンター 投資銀行 調査会社 etc.イノベーション・エコシステム
AZCA
William Hewlett &
David Packard
Elon Musk
Andy Grove
Pierre Omidyar
(French-born Iranian-American )Larry Ellison
Steven Jobs
シリコンバレーの代表選手
Bill Gates William ShockleySergey Brin
Jerry Yang
Mark Zuckerberg
13
シリコンバレー主要企業の業績と雇用創出
シリコンバレーの主要企業
企業名 本社所在地 設立年 売上げ ($Billion,2011年) 従業員数 (WW、2011年) 業種 Hewlett-Packard Company Palo Alto, CA 1939 127.240 349,600 コンピュータ、エレクトロニクスOracle Corporation Redwood City, CA 1977 37.100 115,166 コンピュータハードウェア、エンタプライズソフトウェア Intel Corporation Santa Clara, CA 1968 54.000 100,100 半導体
CISCO Systems, Inc. San Jose, CA 1984 46.100 71,825 通信システム
Apple Inc. Cupertino, CA 1976 108.300 60,400 コンピュータハードウェア、ソフトウェア、ディジタル販売 Google Inc. Mountain View, CA 1998 37.905 54,604 ウェブサーチ、ポータル
eBay Inc. San Jose, CA 1995 11.700 27,770 電子オークション Yahoo Inc. Sunnyvale, CA 1995 4.980 12,000 ウェブサーチ、ポータル Adobe Systems Incorporated San Jose, CA 1982 4.210 9,925 ソフトウェア
Synnex Corporation Fremont, CA 1980 10.370 8,500 ITサプライチェーン・サービス Intuit Inc. Palo Alto, CA 1983 3.850 8,000 フィナンシャルソフトウェア Electronic Arts, Inc. Redwood City, CA 1982 4.143 7,645 ビデオゲーム
SunPower Corporation San Jose, CA 1985 2.312 5,220 ソーラー・エネルギー Gilead Sciences, Inc. Foster City, CA 1987 7.950 4,000 バイオテクノロジー Facebook, Inc. Menlo Park, CA 2004 3.710 3,539 ソーシャルネットワーク Zynga Games Network, Inc. San Francisco, CA 2007 1.160 3,000 ソーシャルゲーム LinkedIn Corporation Mountain View, CA 2003 0.522 2,447 ソーシャルネットワーク Netflix, Inc. Los Gatos, CA 1997 3.200 2,348 ビデオストリーミング Tesla Motors Palo Alto, CA 2003 0.204 1,400 電気自動車
Twitter, Inc. San Francisco, CA 2006 0.140 900+ ソーシャルネットワーク
イノベーション・エコシステムの源泉
シリコンバレーを支えるカルチャー
キーワード1:
Openness
(
オープンネス)
多様な文化的背景の人たち、初対面の人たちに対するオープンネス
(肩書きや所属先は関係ない)
新しいアイデア(技術、ビジネスモデル)に対するオープンネス
“
Out of the Box Thinking
”
キーワード
2:
Tolerance for Failure
(失敗に対して寛容)
「失敗」は学ぶ良い機会
“Opportunity to learn”
「
1割打者でも大成功」* “Many, many attempts behind a few success”
起業家にとってのリスクは低い
“Low risk, high return”
15
* - 山中伸弥京都大学教授、京都大学での記者会見(2012年10月9日)
シリコンバレーの重要性
ハードウェア、ソフトウェアの先端技術
ハード、ソフト、ビジネスモデルを含むイノベーションのエコシ
ステム
先端的なビジネスモデル
新しいビジネスモデルを世界で一番最初に試すことが出来る
先端市場
シリコンバレーで成功すればグローバル市場での成功の確
率は高いといえる
16
17
頭脳流出から頭脳循環へ
(from “Brain Drain” to “Brain Circulation”)
日本企業の
3つのタイプ
既存の大企業
高度成長時代に作れば売れる右肩上がりで業績を伸ばし
てきた
2000年以降伸び悩んでいる
成長について多くが成り行き予測型
国内の中小・ベンチャー企業を見下すカルチャー?
18
ニューブリード
経営基盤に起業家精神
創業以来、不況下でも急成長を実現してきた
過去のしがらみは無く、成長のビジョンが明確で構造変
革型
グローバル・モデルで事業展開
ニューブリード予備軍
世界に問える技術力
技術を事業に育てる経営力が不足しているケースが多い
金も人材も不足しているケースあり
大企業は邪険に扱う(情報、技術だけ収集し後は無視)
VCが大きく貢献できるはず
今後の成長
?
?
?
?
成長戦略の考え方
19
内部最適化
コストダウン
国内志向
成り行き予測型
これまでの枠組みの延長
構造変化は組み込みにくい
内部資源依存
時間
売上
新たな成長戦略
新規事業分野の積極的展開
グローバルな視点での展開
戦略目標指向型
ゼロベースで目標設定
構造変革型
外部資源を積極的に活用
提携、買収、資本参加
VCの活用
時間
売上
「過去に失敗したからダメ」
「今までやったことが無いからダメ」
「他社に例が無いからウチは出来ない」
「当社のカルチャーになじまない」
「過去の失敗から成功の秘訣を学んで、目標達成に結び
付ける」
「今までやったことが無いからこそチャレンジし、新たなビ
ジネスチャンスを獲得する」
「当社独自のコアコンピタンスを築く絶好のチャンス」
「目標達成は当社のカルチャーを変える絶好のチャンス」
構造変革型成長戦略の考え方
20
現在
将来
1. 今後の世の中の動きを
察知する
2. 将来(たとえば10年後)
ありたい姿を描く
4. どうやったら3.と2.とのギャップを
埋められるかを考える
3. 現在の状況、これまで築いたアセット、スキル
セットを把握する
事業拡大の考え方と例
-1
21
新
規
既
存
技術
市場
既存 新規
技術のS-カーブ
既存事業
将来の
新規事業
ディーゼルエ
ンジン向け排
ガス処理
• PM2.5除去用
集塵機
• 海外生産拠
点確保
事業拡大の考え方と例
-2
22
新
規
既
存
技術
市場
既存 新規
既存事業
将来の
新規事業
ディーゼルエ
ンジン
大型低速ディ-ゼ
ルエンジンの燃焼
最適化技術(省エ
ネ)による差別化
• 新しいアプリ
ケーション
• 新しい市場
事業拡大・新規事業展開の考え方
23
新
規
既
存
技術
市場
既存 新規
技術のS-カーブ
• 新しいアプリ
ケーション
• 新しい市場
既存事業
将来の
新規事業
既存の枠組織・枠組みの中
で可能(「抵抗勢力」の扱い
が課題)
既存の組織をベースに他
の組織とも共同して開拓
新たな枠組み・組織が
必要
海外生産拠点
の確保
省エネ技術に
よる差別化
GEにおけるエネルギー・インフラ事業の成長
24
GEの成長手法
1. GEグローバルリサーチセンター
2. コーポレートベンチャリング
M&A
戦略的提携
企業の継続的成長をサポー
トする企業風土の醸成のた
めの強力な人事戦略
3. 経営戦略と一致する人事戦略
人材・組織レビューのプロセ
ス化
実力主義の徹底
コンピテンシーの明確化
学習する文化とリーダー育
成メカニズム
20年でエネルギーインフラ事業は7.7倍に進展
出典: GE
成長を担う革新の方法
現時点での中核事業はすでに稼ぐ仕組みが出来上がってい
るはず。放っておいても廻るはずのもの。
トップは将来の収入をどう稼ぐかを考えることに集中する。
トップにしか出来ない判断
既存の成功事業とは違うビジネスモデルの新事業のため
に新組織を作り、経営資源を配分する判断
既存部門の反発を抑えて新部門の後押しをするのもトップ
の仕事
利益率と成長のための投資のどちらか大事かという判断
25
AZCA レジデンシー・プログラム
26
顧客企業から派遣された担当要員がAZCAの事務所に一定期間常駐
経営課題についての問題解決方法・プロセスを学ぶ
新規事業開発にかかわる具体的な戦略課題(米国におけるR&D戦略、米国市場参入戦略、米国企業との提携戦略など)に
対する戦略構築のプロジェクトを実施、提言(回答)を出す
AZCAからの直接の指導とサポートを受けながら米国ベンチャー企業のインフラを学び、新規事業展開の実践的方法を身に
つける
シリコンバレーのVC、法律事務所、会計事務所、研究所、大学、ベンチャー企業との人脈を築き、早期にシリコンバレーのイ
ンサイダーになることを目指す
27
AZCAではコンサルティングによる支援やAZCAレジデンシー・プログラムからさらにもう一歩進んで、シリコンバレーの状況
に精通しベンチャーキャピタルの経験も保有するAZCAのメンバーが顧客企業のコーポレートベンチャリングを支援する
「AZCA コーポレートベンチャリング・プログラム」を提供しています。
本プログラムでは、顧客企業の新規事業展開のために、シリコンバレーのイノベーションのエコシステム(生態系)を最大
限に活用する仕組みの検討・構築を行ない、その仕組みの運営をベンチャーキャピタルの手法も取り入れてハンズオンで
支援します。この仕組みは多くの場合、CVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)という形をとります。
このプログラムにおいても、顧客企業から派遣された担当要員がAZCAの事務所に一定期間常駐し、AZCAからの直接の
指導とサポートを受けながら、米国ベンチャー企業のインフラを学び、ベンチャー企業の育て方を習得します。また、顧客
企業から切り出した新規事業案件をシリコンバレーでベンチャー企業的に育成する場合は、ベンチャー企業における技術
開発や事業開発に携わる人材が顧客企業からシリコンバレーに異動することになります。
AZCA コーポレートベンチャリング・プログラム*
* - 本プログラムは Innovation Partners of Japan (“IPJ”)という独立した別のプログラムで提供するケースもあります。 IPJ (AZCAコーポレートベンチャリング・プログラム) 参加企業のCVC (IPJコーポレートファンド) IPJ マネジメント 資金コミットメント (LPまたはSLP) アドバイザリ 技術(IP、人) 大学・研究機関 ベンチャー企業 大学・研究機関 米国のVC 米国のVC 戦略投資 VC投資 技術(IP、人) 参加企業 (御社) SVで育てる 新規事業案件 アドバイザリ 新会社設立 戦略提携、JV SV拠点からグロー バル展開 既存ベンチャー GP 派遣要員 米国(シリコンバレー) 日本