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(1)

人間への信頼とソーシャル・キャピタル

-東京都小平市における研究-

草野 篤子・瀧口 眞央

まえがき

 ソーシャル・キャピタルとは何か?ソーシャル・キャピタル(Social Capital)とは,「ネッ トワーク(社会的なつながり)」「規範」「信頼」といった社会的主体がその特徴によって,

共通の目的を達成するために協調行動をみちびくものとされる。この「ソーシャル・キャ ピタル」という新しい概念が,物的資本(Physical Capital)や人的資本(Human Capital) などと並ぶ概念として,近年,世界的に注目を集めている。

 具体的には例えば,ソーシャル・キャピタルが豊かな地域ほど,失業率や犯罪率は低く,

出生率は高く,また平均寿命も長く,新規開業率も高いという調査結果がある。つまりソー シャル・キャピタルは,地域やコミュニティがかかえる様々な問題を解決する糸口となる ような可能性があると考えられている。

 これまでのソーシャル・キャピタルに関する既存研究によると,結合型ソーシャル・キャ ピタルは社会の接着剤とも言うべき強い絆や結束によって特徴づけられ,内部志向的であ ると捉えられており,この性格が強すぎると「閉鎖性」や「排他性」につながる場合もあ り得る。これに対して橋渡し型ソーシャル・キャピタルは,結合型にくらべ,絆や結束は より薄いが,より「開放的」,「横断的」であり,社会の潤滑油とも言うべき役割を果たす とみられている。多くのソーシャル・キャピタルの議論において,後者の開放的なソーシャ ル・キャピタルが重要であるという基本的認識が展開されている。

 こうしたソーシャル・キャピタルは市民運動の分野を例にとれば,結合型ソーシャル・

キャピタルが自治会・町内会等の地縁的な活動を担う組織,橋渡し型ソーシャル・キャピ タルはボランティア・市のNPO活動を担う組織が主として捉えられることが多い。

 この論文では,「一般的な信頼」と「旅先や見知らぬ土地での信頼」の信頼の度合いによっ て,保護者の日常生活,学校,子どもの生活,社会への関心,属性に違いがあるかどうか をクロス集計の結果を分析しながら見ていく。信頼度の高い「信頼できるグループ」と,他 人に対して,注意することに越したことはないと感じている「注意グループ」に分けて特

東京家政学院大学

Atsuko KUSANO,Mao TAKIGUCHITrust in Human Beings and Social CapitalA Study on Kodaira City in Tokyo

(2)

徴を浮き彫りにし,他人への信頼が強い背景を探り,人間への信頼を高めるソーシャル・

キャピタルについて考察する。

調査の概要

2007年5月から9月にかけて調査用紙を作成し,10月末に東京都小平市立A小学校の全生 徒を通じて各世帯に配布し(460票),11月はじめに回収した。調査用紙は個人情報保護法 に配慮して全て封筒に入れて提出してもらい,配布および回収は担任を介して行った。

 また,同年12月に小平市立B小学校において調査を行なった。なお,回収は当方が行なっ た。東京都小平市は学区制を採用している。一方,東京都区部では,すでに学校選択制を 採用しており,近い将来両制度による差異も考慮したい。

有効回答数及び回収率は,小平A小学校:460票配布,153枚回収(33.3%)・小平B小学校:

412票配布,110票回収(26.7%),合計:872票,回収263票(30.2%)であった。

なお,分析にはSPSS統計パッケージを使用し,単純集計・クロス集計を行いχ2検定を 行なった。

結果と考察

第1章 人間への信頼度 ― 一般的な信頼度と旅先や知らぬ土地での信頼度―

図表1-1 他人への信頼 n=258

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

1.8%

4.7%

0.0% 3.6% 0.0%

2.7%

0.0% 0.0%

0.0%

0.0%

0.0%

1.8%

0.0%

1.2%

0.0%

0.0%

1.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる

注意する 信頼できる

旅先での信頼

6.8% 21.6% 39.2% 9.5% 18.9%

12.5% 66.1%

10.7% 8.9%

12.5% 32.1% 44.6% 5.4%

27.1% 9.4% 18.8% 8.2% 30.6%

一般的な信頼

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

 一般的に人を信頼できると思うか,それともできないと思うか。また,旅先や見知らぬ 土地で人を信頼できると思うか(図表中では「旅先での信頼」と表記),それともできな いと思うかを以下の様に分類する。

 「1」をほとんどの人は信頼できる,「9」を注意することに越したことはないとし,その 中間を「5」としたとき「1」から「9」の9段階に分けて,「一般的」に人を信頼するか注 意するか,「旅先や見知らぬ土地」では信頼するか注意するか,それぞれの状況における 信頼度を表している(なお「10」はわからないと答えた者である)。

 信頼すると答えた人は,「一般的」に或は「旅先や見知らぬ土地」いずれであっても,

それぞれ96%,98.2%の人が「1」から「5」の中間までの信頼度を示している。最も多かっ たのは両者ともに「3」の値の信頼度であったが,「一般的」では6.8%,「旅先や見知らぬ

(3)

土地」では12.5%の人が“ほとんどの人は信頼できる”という,強い信頼度を持っている。

 注意すると答えた者の中で「一般的」では87.5%,「旅先や見知らぬ土地」では67%が「5」 から「9」までの信頼度に当てはまっている。さらに,「一般的」に注意すると答えた人の うち,66.1%が“注意することに越したことはない”と,「旅先や見知らぬ土地」に比較 してもより強い警戒心を持っていることがわかる。

 「一般的」な信頼度と「旅先や見知らぬ土地」での信頼度の比較では,「一般的」なほう が警戒心がより強く現れている(図表1-1)。両者ともに信頼できる群・注意する群に有意 な差がみられた(p<0.001)。

(1)近所の人との日常的な付き合いの程度

図表1-2 付き合いの程度 n=258

0.0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

22.4%

36.8%

19.6%

39.2%

48.2%

42.1%

50.0%

41.9%

29.4%

21.1%

18.9%

0.0%

0.0%

0.0%

30.4% 生活面で協力し合う

立ち話程度 あいさつ程度 全くない

 近所の人との日常的な付き合いの程度を見てみると,「信頼できる」「注意するにこした ことはない」の両群いずれにおいても付き合いが全くないと回答した者はいない。しかし,

付き合いの程度では「立ち話程度」「あいさつ程度」の占める割合が「一般的」にでは,

信頼出来るでは60.8%,注意するでは80.4%,「旅先や見知らぬ土地」での信頼出来るでは 63.2%,注意するでは77.6%と,あまり深い付き合いのないことがわかる。特に「一般的」,

「旅先や見知らぬ土地」の双方において「注意する」と回答した人においては,「生活面で 協力し合う」という付き合いが19.6%,22.4%と,両者共に低いことがわかる。

 近所での付き合いの程度においては,「一般的」に或は,「旅先や見知らぬ土地」の差異 によってもたらされる違いよりも,「人を信頼出来る」かと「注意する」かとの差異によ る付き合いの程度の方が大きな違いが見られる(図表1-2)。両者ともに信頼できる群・注 意する群に有意な差がみられた(p<0.001)。

(2)近所で付き合っている人の数

 近所で付き合っている人数は5~19人と答えた者がいずれも多かった。「一般的」にでは信 頼出来るは31.1%,「旅先や見知らぬ土地」では信頼出来るは31.6%の者が,20人以上の人と付 き合いがあると答えている一方で,「一般的」で注意すると答えた者は33.9%,「旅先や見知ら ぬ土地」で注意する者は32.9%で,近所で付き合う人の数は4人以下という答えになっている。

 近所との付き合いの程度と同様に,人を「信頼出来る」場合と「注意する」場合の比較

(4)

により付き合う人数に大きな差が見られ,「一般的」・「旅先や見知らぬ土地」それぞれの 状況において,共に類似傾向があることが読み取れる(図表1-3)。両者ともに信頼できる 群・注意する群に有意な差がみられた(p<0.001)。

図表1-3 付き合っている人の数 n=258

0.0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

4.7%

31.6%

7.1%

31.1%

61.2%

56.1%

58.9%

54.1%

32.9%

12.3%

33.9%

14.9%

0.0%

1.2%

0.0%

20人以上 5~19人 4人以下 誰も知らない

(3)友人・知人との付き合いの頻度

図表1-4 友人・知人との付き合い頻度 n=257

1.8%

0.0%

1.8%

0.0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

25.0%

38.6%

29.1%

37.8%

28.6%

29.8%

18.2%

33.8%

34.5%

24.6%

34.5%

24.3%

16.4%

4.1%

5.3%

11.9%

日常的 ある程度 ときどき めったにない まったくない

 友人・知人との付き合いにおいても,「一般的」・「旅先や見知らぬ土地」両者において,

付き合いの頻度は類似傾向が見られる。「一般的」で信頼できる者71.6%,「旅先や見知ら ぬ土地」で信頼出来る者の68.4%が「日常的」あるいは,「ある程度」友人・知人との付 き合いがあると答えている。

 「一般的」・「旅先や見知らぬ土地」それぞれにおいて注意すると答えた者は,「ときどき 付き合う」の答えが34.5%と同数で最も多い(図表1-4)。両者ともに信頼できる群・注意 する群に有意な差がみられた(p<0.001)。

(4)友人との付き合いの方法

 友達との付き合いの方法については,「直接会う」についで,「メールの活用」が多く見 られる。「電話」によるコミュニケーションよりも,時間帯や相手のおかれた状況を考え る必要性が低いメールを用いるという,時代背景をうかがわせる結果となった。会話によ るコミュニケーションといった付き合いの手段が減少し,手軽さが主流となる一方で,コ ミュニケーション能力の低下が懸念される(図表1-5-1,図表1-5-2)。

(5)

図表1-5-2 友人との付き合い方法 (旅先での信頼)n=256

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0%

その他 手紙 メール 電話 直接会う

2.4%

2.4%

41.2%

14.1%

63.5%

0.0%

8.9%

55.4%

12.5%

64.3%

信頼できる 注意する

図表1-5-1 友人との付き合い方法

(一般的な信頼)n=256

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0%

その他 手紙 メール 電話 直接会う

1.8%

3.6%

49.1%

18.2%

56.4%

1.4%

4.1%

48.6%

12.2%

66.2%

信頼できる 注意する

(5)同僚との付き合いの方法

図表1-6-1 同僚との付き合いの方法

(一般的な信頼)n=120

0.0%

4.3%

39.1%

4.3%

2.9%

2.9%

22.9%

5.7%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0%

その他 手紙 メール 電話

直接会う 52.2% 71.4%

信頼できる 注意する

図表1-6-2 同僚との付き合いの方法 (旅先での信頼)n=120

0.0%

3.0%

0.0%

8.7%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

その他 手紙 メール 電話 直接会う

30.3%

6.1%

60.6%

26.1%

8.7%

78.3%

信頼できる 注意する

 一方,同僚との付き合いの方法は,電話やメールでの付き合いよりも,「一般的」・「旅 先や見知らぬ土地」共に信頼出来ると思う者は,「直接会う」という割合が多い(図表 1-6-1,図表1-6-2)。

(6)地域で行っている活動

図表1-7-1 地域で行っている活動

(一般的な信頼)n=256

21.6%

80.8%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

その他 NPO 趣味

自治会 67.3%

8.0%

28.0%

13.9%

25.4%

51.4%

信頼できる 注意する

図表1-7-2 地域で行っている活動  (旅先での信頼)n=256

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

その他 NPO 趣味 自治会

8.8%

28.0%

25.9%

67.9%

15.4%

25.4%

52.7%

85.5%

信頼できる 注意する

 地域で行っている活動に関しては,「自治会活動」への参加が他の項目より最も多い。

しかし「一般的」,或いは「旅先や見知らぬ土地」で人を信頼出来ると考えた者の特徴は,

双方の「注意する」者に比べ,自治会活動への参加の割合が高いこと,同時に「趣味」へ の取組みが多く見られる。

 「一般的」・「旅先や見知らぬ土地」において注意するという者の特徴としては,「NPO・ ボランティア・市民活動」などへの参加が顕著であることがあげられる(図表1-7-1, 図表1-7-2)。

(6)

(7)自治会など地縁活動の頻度

図表1-8 自治会など地縁活動の活動頻度 n=169

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

61.8%

61.9%

47.2%

55.8%

30.9%

28.6%

44.4%

36.5%

9.5%

8.3%

7.7%

0.0%

5.5%

0.0%

0.0%

1.8%

年に数回 月に1度 月に2・3日 週に1日

 自治会などの地縁活動では,いずれも年に数回あるいは月に一度活動する者が大半を占 めている。「一般的」では信頼できる,注意すると答えた者は,「年に数回」と並んで「月 に1度」の参加が顕著で,「旅先や見知らぬ土地」の信頼できる又は,注意すると回答した 者に比べ,地縁活動への参加頻度が高い(図表1-8)。両者ともに信頼できる群・注意する 群に有意な差がみられた(p<0.001)。

(8)ボランティア・NPO・市民運動の活動頻度

図表1-9 ボランティア・NPO・市民運動の活動頻度 n=46

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

23.1%

16.7%

23.1%

13.3%

15.4%

16.7%

7.7%

13.3%

23.1%

58.3%

38.5%

53.3%

15.4%

7.7%

15.4%

15.4%

6.7%

7.7%

6.7%

0.0%

8.3%

7.7%

6.7%

0.0%

年に数回 月に1度 月に2・3日 週に1日 週に2・3日 週4日以上

 ボランティア・NPO・市民運動の活動頻度は,いずれも月に2・3回という回答が多い。「一 般的」および「見知らぬ土地」の双方で「注意する」と回答した者は,活動頻度が二分さ れている。週に1日から4日以上の活動頻度も他と比較して多く,活動への積極的な傾向が 伺える(図表1-9)。両者ともに信頼できる群・注意する群に有意な差がみられた(p<0.001)。

(9)自治会など地縁的活動を共にする人

 自治会など地縁的活動については,家族との参加が多い。次いで,学校や職場の人と参 加するという回答が続く。これは,学校や職場が地域との交流事業を行っていることが反 映されているのであろうか(図表1-10-1,図表1-10-2)。信頼できる群・注意する群に有 意な差がみられた(p<0.001)。

(7)

図表1-10-2 活動を共にする人(自治体など地縁活動)

(旅先での信頼)n=186

0.0% 20.0% 40.0% 60.0%

3.4%

6.9%

15.5%

53.4%

2.0%

6.1%

12.2%

46.9%

家族 学校・職 場の人 友人 一人

信頼できる 注意する

図表1-10-1 活動を共にする人(自治体など地縁活動)

(一般的な信頼)n=186

信頼できる 注意する

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0%

2.6%

5.3%

23.7%

47.4%

1.7%

8.3%

6.7%

46.7%

家族 学校・職 場の人 友人 一人

(10)ボランティア・NPO・市民運動を共にする人

0.0%

0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0%

25.0%

20.0%

15.8%

5.3%

26.3%

26.3%

21.1%

図表1-11-2 活動を共にする人(ボランティア・NPO・市民運動)

(旅先での信頼)n=71

家族 学校・職 場の人 友人 一人

信頼できる 0.0% 注意する

10.5%

4.8%

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0%

25.0%

25.0%

28.6%

28.6%

23.8%

図表1-11-1 活動を共にする人(ボランティア・NPO・市民運動)

(一般的な信頼)n=71

信頼できる 注意する

家族 学校・職 場の人 友人 一人

 「一般的」・「旅先や見知らぬ土地」いずれにおいても「信頼できる」と答えた人と,「注 意する」と答えた人の傾向が分かれた。両者共に「信頼できる」と答えた人は,「家族」

や「学校・職場の人」に次いで,「友人」との参加がほぼ同率で多いのに対し,「注意する」

と答えた者は,両者共に「家族」・「学校・職場の人」に次いで,「1人」で参加するという 興味深い結果となった(図表1-11-1,図表1-11-2)。両者ともに信頼できる群・注意する 群に有意な差がみられた(p<0.001)。

(11)活動のきっかけ

図表1-12-1 活動のきっかけ(自治体など地縁的活動)n=164

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

  

67.3%

54.8%

69.4%

56.0%

18.2%

19.0%

16.7%

20.0%

14.5%

26.2%

13.9%

24.0%

慣習・ルール メンバーに勧誘 自身の関心や必要性

 活動を始めたきっかけは,その活動内容によって大きく異なる。自治会などの活動にお いては「慣習やルール」といった,自主性に欠ける結果であった。一方,「スポーツや趣味・

娯楽」,「ボランティア・NPO・市民活動」「その他団体活動」においては,「自分自身の関

(8)

心や必要性」がきっかけとなっており,自主的積極的に参加している。特に,「スポーツ や趣味・娯楽」,「その他団体・活動」において注意する群の「自身の関心や必要性」の割 合が多くなっている(図表1-12-1,図表1-12-2,図表1-12-3,図表1-12-4)。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

10.0% 10.0%

35.7%

10.0%

80.0%

64.3%

90.0%

67.6%

0.0%

0.0%

2.9%

29.4%

自身の関心や必要性 慣習・ルール メンバーに勧誘

旅先での信頼一般的な信頼

図表1-12-2 活動のきっかけ

(スポーツ・趣味・娯楽) n=88

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

旅先での信頼一般的な信頼

23.1%

15.4%

6.7%

30.8%

25.0%

15.4%

26.7%

46.2%

75.0%

69.2%

66.7%

0.0%

自身の関心や必要性 慣習・ルール メンバーに勧誘

図表1-12-3 活動のきっかけ

(ボランティア・NPO・市民活動) n=46

図表1-12-4 活動のきっかけ

(その他団体・活動) n=22

0.0%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 信頼できる

12.5% 12.5%

0.0%

100.0%

75.0%

100.0%

80.0%

10.0%

0.0%

10.0%

0.0%

注意する

自身の関心や必要性 慣習・ルール メンバーに勧誘

(12)活動を通じて得たもの

図表1-13-2 活動で得たもの (旅先での信頼)n=211

信頼できる 注意する

23.5%

8.8%

58.8%

22.1%

22.1%

20.6%

23.5%

18.9%

22.6%

22.6%

24.5%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0%

理解 愛着心 つながり 価値観 貢献 知識 達成感

75.5%

32.1%

47.2%

図表1-13-1 活動で得たもの

(一般的な信頼)n=211

22.7%

50.0%

25.0%

22.7%

20.5%

25.0%

19.4%

20.9%

23.9%

23.9%

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0%

理解 愛着心 つながり 価値観 貢献 知識 達成感

信頼できる 注意する

13.6%

76.1%

46.3%

35.8%

 「一般的」・「旅先や見知らぬ土地」で,「信頼できる」「注意する」のいずれの群におい ても,活動を通じて得たものとして最も多い回答は,共通して,人と人との「つながり」

であった。第2番目には「達成感」が,いずれのカテゴリーにおいても多くなっている(図 表1-13-1,図表1-13-2)。信頼できる群・注意する群に有意な差がみられた(p<0.001)。

(9)

(13)活動を通じて広がった交流・つながり

図表1-14-1 活動を通じて広がった交流・つながり(信頼できる人)n=211

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地域外の人 知らなかった近所の人 違う価値観の人 異なる職業の人 世代間 地域外の人 知らなかった近所の人 違う価値観の人 異なる職業の人 世代間

29.2%

42.6%

25.0%

38.3%

50.0%

28.3%

42.4%

25.0%

37.3%

27.1%

46.8%

39.6%

31.9%

27.1%

23.3%

47.5%

35.0%

32.2%

30.0%

12.5%

10.6%

20.8%

17.0%

14.6%

23.3%

10.2%

30.0%

25.4%

16.7%

10.4%

6.3%

6.4%

6.3%

6.7%

5.0%

3.4%

20.8%

6.4%

18.3%

51.7% 1.7%

0.0%

0.0%

0.0%

1.7%

5.0%

0.0%

0.0%

2.1%

8.3%

大いに思う ややおもう どちらともいえない やや思わない 全く思わない

 信頼できると回答した者のうち,「一般的な信頼」「旅先や見知らぬ土地」の双方で,活 動を通じて広がった交流やつながりの中で,一番割合が高いのは「世代間」の交流で,2 番目が「知らなかった近所の人」,3番目が「異なる職業の人」,4番,5番が「地域外の人」,

「違う価値観の人」という結果になった(図表1-14-1)。

図表1-14-2 活動を通じて広がった交流・つながり(注意する人)n=211

0% 20% 40% 60% 80% 100%

地域外の人 知らなかった近所の人 違う価値観の人 異なる職業 世代間 地域外の人 知らなかった近所の人 違う価値観の人 異なる職業 世代間

20.7%

22.6%

8.1%

8.1%

23.8%

4.9%

17.5%

5.0%

7.5%

14.6%

30.5%

56.5%

37.1%

38.7%

52.4%

36.6%

57.5%

32.5%

40.0%

53.7%

38.8%

12.9%

37.1%

35.5%

14.3%

22.0%

15.0%

45.0%

30.0%

24.4%

28.6%

4.8%

9.7%

8.1%

6.3%

14.6%

5.0%

12.5%

12.5%

4.9%

41.2%

8.1%

9.7%

22.0%

5.0%

10.0%

2.4%

5.0%

3.2%

3.2%

大いに思う ややおもう どちらともいえない やや思わない 全く思わない

 一方,「一般的」「旅先や見知らぬ土地」の双方において注意するにこしたことはないと 回答した者のうち,活動を通じて広がった交流やつながりの中で比較的割合が高いのは「知 らなかった近所の人」,「世代間」の交流があげられるが,「信頼できる」者に比べると低 くなっている(図表1-14-2)。信頼できる群・注意する群に有意な差がみられた(p<0.001)。

文責:草野篤子

(10)

第2章 他人への信頼度と生活環境

 この章では,「一般的な信頼」と「旅先での信頼」の信頼の度合いによって,保護者の 日常生活,学校,子どもの生活,社会への関心,属性に違いがあるかどうかをクロス集計 の結果を分析しながら見ていく。信頼度の高い「信頼できるグループ」と,他人に対して,

注意するに越したことはないと感じている「注意グループ」に分けて特徴を浮き彫りにし,

他人への信頼が強い背景を探り,人間への信頼を高めるソーシャル・キャピタルについて 考察する。

1.他人への信頼度と日常生活の関係について

(1)他人への信頼度と日常生活の満足度との関係

 他人への信頼度と生活の満足感には有意な相関が見られた。信頼できるグループについ てみると,一般的な信頼では,「日常生活に非常に満足」「満足している」と回答した人は 78.9%,旅先での信頼が78.2%で共に約8割の人が生活に満足している様子が伺えた。

 それに対して,注意するグループでは,「日常生活に非常に満足」「満足している」と回 答した人は,一般的な信頼は51.8%,旅先での信頼は52.4%と信頼できるグループよりも 低い結果だった(図表2-1)。

 この結果は,生活に満足感がある人の方が,他人への信頼度が高いことを示唆している。

図表2-1 日常生活の満足度 n=252

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

旅先での信頼一般的な信頼

9.9% 69.0% 16.9%

1.4%

2.8%

3.6% 48.2% 28.6% 10.7% 8.9%

10.9% 67.3% 16.4% 1.8%

3.6%

3.6% 48.8% 27.4% 10.7% 9.5%

非常に満足 満足している やや満足 不満足 どちらともいえ ない

(2)他人への信頼度と日常生活での問題や不安との関係

 日常生活の問題や不安についてたずねた。選択肢は,自分の健康,家族の健康,乳幼児 期の子育て,しつけ,家計,家庭内での人間関係,近所づきあい,住環境,非行や犯罪の 増加についてである。一般的な信頼では有意な相関関係は見られなかったが,旅先での信 頼については,「自分の健康」と「家庭内の人間関係」に相関があった。

 信頼できるグループを見てみると,一般的な信頼,旅先での信頼では,「しつけ(63.5%・

63.2%)」,「家計(58.1%・56.1%)」「自分の健康(43.2%・47.4%)」が不安や心配が高い 傾向にある。同様に,注意するグループも「しつけ」「家計」では50%以上の人が不安を

(11)

抱えていた。また,非行については,注意するグループの方が各々10ポイント以上,不 安な人が多い傾向が見られた(図表2-2,図表2-3)。

図表2-2 日常生活の問題や不安 n=258

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

しつけ 家計 自分の健康 家庭内の人間関係

62.5%

53.6%

39.3%

17.9%

63.5%

43.2%

58.1%

6.8%

一般的な信頼 注意する 一般的な信頼 信頼できる 旅先での信頼 注意する 旅先での信頼 信頼できる

図表2-3 日常生活の問題や不安 n=258

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

しつけ 家計 自分の健康 家庭内の人間関係

61.2%

55.3%

29.4%

21.2%

63.2%

56.1%

47.4%

7.0%

(3)他人への信頼度と日常生活の問題や心配事を相談する人や組織との関係

 日常生活で心配や不安があるときに相談する組織についてたずねた。設問は,市役所,

教育機関,病院,警察,自治会,NPO,勤務先,近所の人々,家族,親戚,友人・知人,

職場の同僚の14項目である。それぞれの設問では,「大いに頼りになる」「ある程度頼りに なる」「あまり頼りにできない」「まったく頼りにできない」「どちらともいえない」の5段 階で回答してもらった。

 一般的な信頼で有意な相関が見られた項目は,「近所の人々」「知人・友人」,旅先での 信頼については,「自治会」「NPO」「近所の人々」と両者には違いが見られた。両方の結 果に有意な相関が見られた「近所の人々 」は,信頼できるグループについてみてみると「大 いに頼りになる」と回答した人は,一般的な信頼が21.6%,旅先での信頼が19.6%,それ に対して注意するグループでは,「大いに頼りになる」と回答した人は,一般的な信頼が 7.4%,旅先での信頼が7.3%と少ない割合だった(図表2-4)。

図表2-4 近所の人々 n=248

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

旅先での信頼一般的な信頼

7.3%

19.6%

7.4%

21.6%

35.4%

48.2%

31.5%

51.4%

37.8%

25.0%

40.7%

20.3%

12.2%

0.0%

13.0%

2.7%

7.3%

7.4%

4.1%

7.1%

大いに頼りに ある程度頼りに あまり頼りにできない まったく頼りにできない どちらともいえない

 信頼できるグループでは,「大いに頼りにしている」組織や人は,「家族」がもっとも多 く,一般的な信頼71.6%,旅先での信頼66.7%,次いで「友人・知人(43.2%・42.1%)」「親 戚(29.7%・26.3%)」だった。血縁関係に相談を求めていることが確認される。

(12)

 「教育機関」について注目すると「あまり頼れない」「まったく頼れない」と回答した人は,

信頼できるグループでは,一般的な信頼が16.3%,旅先での信頼が15.8%,注意するグルー プでは,一般的な信頼が40.7%,旅先での信頼が43.4%というように,注意するグループ の方が学校などの教育機関に相談する割合は少ない(図表2-5)。

頼りになる 頼れない

一般的な信頼

(信頼・注意)

旅先での信頼

(信頼・注意)

一般的な信頼

(信頼・注意)

旅先での信頼

(信頼・注意)

市役所 40.6%・36.3% 45.7%・25.9% 51.3%・54.5% 47.4%・64.2% 教育機関 74.3%・56.3% 73.7%・51.8% 16.3%・38.2% 15.8%・43.4% 自治会 35.2%・20.0% 36.8%・20.7% 54.1%・61.8% 50.9%・54.9% NPO 33.8%・14.8% 36.8%・12.3% 46.0%・57.4% 43.9%・58.1% 家族 95.9%・85.4% 94.8%・89.2% 1.4%・14.5% 1.8%・9.6% 親戚 72.9%・60.7% 66.7%・60.7% 18.9%・39.3% 24.5%・36.9% 友人・知人 89.1%・72.2% 86.0%・73.2% 5.4%・26.0% 8.8%・23.1%

図表2-5  日常生活の問題や不安を相談する組織や人 n=248

2.他人への信頼度と学校との関係について

(1)他人への信頼度と学校と地域の結びつきの関係について

 政府の調査項目にない設問である。研究年報No.13の分析にあるように小平市は,保護 者と学校のつながりが強い地域である。一般的な信頼,旅先での信頼共に有意な相関が見 られた。「地域との結びつきが強い」と考えている人は,信頼できるグループと注意するグ ループでは,信頼できるグループの方が高い割合で分布している。一般的な信頼では 60.3%と32.7%,旅先での信頼が62.5%と33.3%というように差が大きい(図表2-6)。

図表2-6 学校と地域の結びつきの実感 n=254

4.8%

1.8%

1.8%

1.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

旅先での信頼一般的な信頼

33.3%

62.5%

32.7%

60.3%

61.9%

35.7%

65.5%

38.4%

結びつき強い

結びつき弱い 結びつきはある

(2)他人への信頼度と学校への参加の関係について

 今回の調査は,小学校の学区自由化と地域の関係をも浮き彫りにする狙いを持っている。

この設問も地域と学校の結びつきについて明らかにするために,関わり方についてたずね

(13)

た。「地域の人が学校へ行く」「学校公開日に出かけていく」「学校行事に参加する」「教員 が地域の行事に参加する」「その他」について,各々についての参加を聞いた。相関につい て有意差は見られなかったが,カイ2乗検定では,すべての選択肢で有意(P<0.001)だった。

 「学校行事に参加する」に注目すると,信頼できるグループと注意するグループには,

違いが見られた。一般的な信頼では44.4%と22.2%,旅先での信頼が47.3%と36.3%だった。

また,「教員が地域の行事に参加する」に違いが見られた。一般的な信頼では11.1%と7.4%,

旅先での信頼が14.5%と3.8%,というように他人への信頼度で見方が異なっている(図表 2-7,図表2-8)。

図表2-8 学校と地域のつながり方

(見知らぬ土地・旅先)n=246 図表2-7 学校と地域のつながり方

(一般的信頼)n=246

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

教員が地域へ 学校行事 学校公開日 日常的に学校へ

7.4%

22.2%

27.8%

64.8%

11.1%

44.4%

22.2%

59.7%

注意する 信頼できる

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0%

教員が地域へ 学校行事 学校公開日 日常的に学校へ

3.8%

36.3%

26.3%

58.8%

14.5%

47.3%

25.5%

54.5%

注意する 信頼できる

3.他人への信頼度と子どもの生活の関係について

(1)他人への信頼度と回答者の公共施設の利用について

 地域にある公共施設(学校,公民館,図書館,地域センターなど)の利用について4段 階でたずねた。一般的な信頼,旅先での信頼の両方に有意な相関が認められた。「頻繁に 利用する」と回答した人は,信頼できるグループの方が割合は高い。両者を比較してみる と,一般的な信頼では43.7%と18.9%,旅先での信頼が43.4%と25.0%で,信頼度の違い と公共施設の利用頻度に関係があることが分かった。

 埼玉県さいたま市の『ソーシャル・キャピタル向上に向けた基礎報告 2007年3月』の 調査結果は,信頼と「図書館の利用延べ人数」に関係が深いことを明らかにし,クロス集 計から公共施設の利用頻度が高いことと信頼はソーシャル・キャピタル向上に関係が深い 要素であることを提言している(図表2-9)。

図表2-9 公共施設の利用 n=241

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

旅先での信頼一般的な信頼

25.0%

43.4%

18.9%

43.7%

63.8%

52.8%

69.8%

50.7%

8.8%

7.5%

0.0%

0.0%

2.5%

3.8%

頻繁に利用 ときどき利用 あまり利用し ない ほとんどなし 3.8%

5.6%

(14)

(2)他人への信頼度と放課後の過ごし方との関係について

 放課後の小学生の過ごし方についてたずねた。学童クラブ,学校の校庭,公民館・地域 センター,公園,友達の家(参考値),自宅(参考値),その他について複数回答で答えて もらった。カイ2乗検定ではすべての選択肢でP<0.001で有意差が見られた。

 信頼できるグループと注意するグループで,異なる分布が見られた項目は,校庭,公民 館・地域センター,公園である。「校庭」は,一般的な信頼が19.2%と27.3%,旅先での信 頼が21.1%と19.0%,「公民館・地域センター」は,一般的な信頼が23.3%と18.2%,旅先 での信頼が22.8%と14.3%,「公園」は,一般的な信頼が68.5%と54.5%,旅先での信頼が 70.2%と53.6%,というように注意するグループの方が,子どもの遊び場の危険度に関心 があることを推測させる結果となった。参考値ではあるが,「自宅」で過ごすと回答した 人を見ると,注意するグループの方が,一般的な信頼,旅先での信頼の両方とも割合が高 くなっていることから,他人への信頼度が低い人ほど,子どもを外で遊ばせることに不安 を抱いていると言えよう(図表2-10,図表2-11)。

図表2-10 放課後遊んでいる場所(一般的信頼)n=255 図表2-11 放課後遊んでいる場所(旅先での信頼)n=255

0% 20% 40% 60% 80%

友人の家 自宅 公園 公民館 校庭 学童

11.9%

21.4%

53.6%

14.3%

19.0%

15.5%

15.8%

19.3%

70.2%

22.8%

21.1%

15.8%

68.5%

0% 20% 40% 60% 80%

友人の家 自宅 公園 公民館 校庭 学童

9.1%

21.8%

18.2%

27.3%

16.4%

13.7%

13.7%

23.3%

16.4%

19.2%

54.5%

注意する 信頼できる

注意する 信頼できる

4.他人への信頼度と社会への関心の関係について

(1)他人への信頼度と社会の出来事への関心について

 社会で起こっている出来事への関心について,4段階でたずねた。「あまり関心を持って いない」人はひとり,「まったく関心がない」と回答した人は0人だった。ほとんどの人が 何らかの関心を持っていた。カイ2乗検定では,P<0.001で有意差が見られた。

図表2-12 社会的出来事への関心 n=257

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる

注意する 信頼できる

旅先での信頼一般的な信頼

55.3%

70.2%

57.1%

71.6%

43.5%

29.8%

41.1%

28.4%

常に関 持つこと もある

(15)

 信頼できるグループでは,一般的な信頼が71.6%,旅先での信頼が70.2%で,両者共に 7割の回答者が「常に関心を持っている」と答えている。

 一方,注意するグループでは,一般的な信頼が57.1%,旅先での信頼が55.3%,という ように各々約14ポイント回答者が少なくなっている。他人への信頼が強い人の方が,社会 への関心が高いことが推測される(図表2-12)。

(2)他人への信頼度と関心が強い出来事について

 社会の出来事の内容についても尋ねた。国際関係,経済関係,福祉関係,教育関係,平 和と安全,その他について,複数回答で選択してもらった。カイ2乗検定では,すべての

選択肢でP<0.001の有意差が見られた。

 信頼できるグループと注意するグループに違いが見られたのは,国際関係と福祉関係 だった。信頼できるグループの方が割合は高い。「国際関係」についてみてみると,一般 的な信頼が17.6%と12.7%,旅先での信頼が22.8%と13.1%という分布である。「福祉関係」

は,一般的な信頼が31.1%と21.8%,旅先での信頼が36.8%と25.0%,という違いが見ら れた。他人への信頼度の高い人は,「国際関係」や「福祉関係」への関心が強いことが認 められた(図表2-13,図表2-14)。

25.0%

22.8%

36.8%

0% 20% 40% 60% 80%

平和と安全 教育関係 経済関係 福祉関係 国際関係

50.0%

59.6%

31.0%

59.6%

52.6%

29.8%

13.1%

図表2-14 関心を持っている出来事(旅先での信頼) n=257

注意する 信頼できる

0% 20% 40% 60%

平和と安全 教育関係 経済関係 福祉関係 国際関係

52.7%

54.5%

27.3%

21.8%

12.7%

54.1%

48.6%

25.7%

31.1%

17.6%

図表2-13 関心を持っている出来事(一般的な信頼) n=257

注意する 信頼できる

5.他人への信頼度と属性との関係について

(1)他人への信頼度と満年齢

図表2-15 満年齢 n=258

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる

注意する 信頼できる

旅先での信頼一般的な信頼

11.8%

21.0%

10.7%

21.7%

36.5%

35.1%

33.9%

40.5%

28.2%

35.1%

23.2%

29.7%

23.5%

8.8%

32.2%

8.1%

45~49 40~44 35~39 25~34

(16)

 満年齢は,有意な相関が見られた。信頼できるグループは,若い人よりも人生経験があ る45歳以上の人のほうが多く,一般的な信頼が21.7%,旅先での信頼が21.0%だった。そ れに対して注意するグループの25歳から34歳までの若い人に注目すると,一般的な信頼が 32.2%(45歳以上8.9%),旅先での信頼が23.5%(45歳以上11.8%),というように,若い 人のほうが他人への信頼は弱い特徴が確認された(図表2-15)。

(2)他人への信頼度と居住年数,現在の住まいに住み続けたいか

 居住年数や住み続けたい地域か,ということは,内閣府の調査や自治体の調査研究でも,

ソーシャル・キャピタルの向上には深く関わる要素となっている。今回の小平市を対象に した調査でも,有意な相関が見られた。

 「居住年数」について「10年~20年」「20年以上」を合わせて注目すると,信頼できる グループと注意するグループに違う特徴が見られる。一般的な信頼は47.3%と26.8%,旅 先での信頼は45.6%と27.4%,というように居住年数が長いほど,他人への信頼度は高い 傾向が示唆された(図表2-16)。

図表2-16 居住年数 n=256

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

旅先での信頼一般的な信頼

13.1%

10.6%

12.5%

9.5%

19.0%

15.8%

16.1%

10.8%

40.5%

28.1%

44.6%

32.4%

16.7%

29.8%

17.9%

36.5%

10.7%

15.8%

8.9%

10.8% 2年未満 2~5年未 5~10年 未満 10~20 年未満 20年以上

 また,「現在の住まいに住み続けたいか」という設問で「住み続けたい」と回答した人は,

信頼できるグループの人の方が注意するグループに較べて高い割合だった。一般的な信頼 は73.0%と49.1%,旅先での信頼は75.4%と50.6%というように,他人への信頼が高い人は,

今の住まいに住み続けていたいと考えていた(図表2-17)。

図表2-17 現在の地域に住み続けたいか n=255

7.2%

5.3%

9.1%

5.4%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

旅先での信頼一般的な信頼

50.6%

75.4%

49.1%

73.0%

42.2%

19.3%

41.8%

21.6%

住み続けた

どちらでもい

引越しした

(17)

(3)他人への信頼度と既婚・未婚

 「一般的な信頼」に有意な相関が認められた。既婚(現在配偶者がいる),既婚(配偶者と死 別もしくは離別),未婚の3つの選択肢を用意した。今回の調査では,92.2%の人が「配偶者あり」

と答えているが,クロス集計をした結果,一般的な信頼は100.0%,旅先での信頼は98.2%,と いうように配偶者がいる人の方が,他人への信頼度が高いことが明らかになった。

(4)他人への信頼度と最終学歴

 「一般的な信頼」に有意な相関が認められた。小中学校卒,高校卒,専修学校卒,高専・

短大卒,大学卒,大学院卒,その他から選択してもらった。信頼できるグループと注意す るグループには,特徴が見られた。「高校卒まで」について見てみると,一般的な信頼は 16.5%と32.2%,旅先での信頼は19.6%と27.4%,というように高卒の人は,他人に注意す る人の割合が多い傾向にあった(図表2-18)。

 一方,「大学卒以上」について見てみると,一般的な信頼は39.7%と23.2%,旅先での信 頼は43.5%と26.2%で,大学卒以上の人は,人を信頼する傾向が強いことが伺える。

2.4%

3.6%

3.6%

4.1%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

注意する 信頼できる 注意する 信頼できる

旅先での信頼一般的な信頼

23.8%

19.6%

28.6%

15.1%

17.9%

17.9%

19.6%

16.4%

28.6%

25.0%

23.2%

27.4%

22.6%

33.9%

19.6%

35.6% 高校

専修学 高専・短 大学 大学院

図表2-18 最終学歴 n=255

【まとめ】

 内閣府では,2002年,2004年日本総合研究所に委託し,ソーシャル・キャピタルの調査 を実施した。その後,2007年に日本総合研究所が継続調査を実施し,2008年3月に報告書 を作成している。調査に当たっては,「信頼」「つきあい」「社会参加」をソーシャル・キャ ピタルの計測として行っている。本稿では,さらに「信頼」に焦点を当てて,『一般的な 信頼』と『旅先・見知らぬ土地での信頼』での特徴について分析した。そして,信頼度の 高い人と,人に注意する人との間の傾向の違いについて浮き彫りにした。

 政府の分析では,「信頼できる」と回答した人をソーシャル・キャピタル指数が高いと 考えているが,本研究から「信頼できる」グループは,つきあいの程度,つきあっている 人の数が豊かであることが確認できた。また地域での活動については,地縁的な活動とし ての自治会,スポーツ・趣味・娯楽活動に差が認められた。ゆるやかな人とのつながりと

(18)

考えられるNPOは,差が認められなかった。

 自治会の活動のきっかけとしては,「注意する」グループは,「慣習ルール」として参加 する人が多く,「自身の関心や必要性」と回答する人は少ない。また,今後の活動意向で,

「一般的な信頼」と「旅先での信頼」で特徴が見られた。旅先・見知らぬ土地でも信頼す る人の方が,趣味やNPOの活動を現状維持しようと考える人が多い。

 「信頼できる」グループは,日常生活に満足している割合が高く,心配事を相談する相 手として近所の人々を頼りにしていて,人とのつながりが豊かであることが確認できる。

また,ブリッジ型のつながりと言われているNPO,地域とつながっている公共施設の利用 や社会への関心の高さ,居住年数が長いこと,住み続けたい町であること,高学歴が,「注 意する」グループに比べて高いことが,今回の調査から明らかになった。

 小平市は,コミュニティースクールの特区である。今回の調査は,その指定校も含まれ ている。地域の人や保護者の学校への参加も少なくないと考えられる。しかし,「信頼で きる」グループと「注意する」グループでは,学校と地域の結びつき方の実感や結びつき の強さに違いが見られ,とくに「学校行事」への思いの差は大きかった。

 小平市の調査結果から,地域と小学校を中心にしたゆるやかな結びつきが,人と人との つながりをきづき,他人への信頼を高めることに発展していると推測される。今後,今年 実施した品川区と小平市の調査結果を検討して,地域の傾向を明らかにし,小学校を中心 にしたソーシャル・キャピタルを,子どもの最善の利益を保障しながら,育てていく手立 てについて考察していきたいと考えている。

文責:瀧口眞央

【参考論文・資料】

・内閣府国民生活局『平成14年度 ソーシャル・キャピタル~豊かな人間関係と市民活動 の好循環を求めて~』2003年

・内閣府経済社会総合研究所『コミュニティ機能再生とソーシャル・キャピタルに関する 研究調査報告書』2006年

・ソーシャル・キャピタル政策展開研究会『わが国のソーシャル・キャピタル政策展開に 向けて 報告書(案)』2008年2月

・さいたま市政策局政策企画部コミュニティ課市民活動支援室

『ソーシャル・キャピタル向上に向けた基礎調査 報告書』2007年3月

・西出優子『ソーシャル・キャピタル形成政策の国際比較』2005年10月 日本財政学会

・白梅学園大学 短期大学 教育・福祉研究センター 『研究年報 No.13』2008年

くさの あつこ(社会福祉学・生活経営学)

たきぐち まお(子ども学)

参照

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