一71一
農 業地 帯 に於 σ ろ中小 商 業 の実 態
一 北 海 道 紋 別 郡上 湧別 町 の 「商業 者 調 査」 か ら 一
岡 本 理 一
1農 村 建 設 計 画 と 商 業
一 般 に商業 は、 生 産 者(供 給 者)と 消 費 者 く需 要 者)と の中 間 に介 在 して、
商品 の 流通 を円滑 に して い く もの で あ るが 、 これ に よつ て生 産者 も消 費 者 も、
ま た、 そ の地 方 の産 業 も経 済 も、 さ らに大 き くは 国民 経 済 の全体 に わ たつ て う け る利益 はま こ とに大 きい 。す な わ ち、 生 産 者 は商人 や そ の他 の商 業 機 関 の機 能 に よつて 、生 産 に必 要 な原 料 、資材 な どの供給 を うけ、 種 々の商品 を生 産 す ると同 時 に・そ れ らの 販売 を容 易 に して所 期 の 目的 を達 成 せ しめ る こ ζと な る。
ま た、 消 費 者 は 商人 や そ の他 の 商 業機 関 か ら 日常 の生 活 に必 要 な諸 商品 の供 給 を うけて 、 生 理 的 生 存 の ほか 文化 的 な生 活 をお くる ことが で き る。 そ して 、 こ の よ うに、 一 方 、生 産力 の 向上 が お こなわ れ、 他 方 、 消 費生 活 の 安定 が はか ら れ るとい うこ とは 、 と り もなお さず 、 そ の地 方 や 国全 体 の経 済 を発 達 させ て い
くこと とな る。 そ れ ゆ え、一 国全 体 を領 域 とす る国民 経 済 社会 で あろ うと、 ま た、 一地 方 、 一町 村 の よ うな地 域 社 会 で あろ うと、 商 業が質 的 、 量的 に十 分 な 発 達 を と げて い ない場 合 に は、 生 産 力 の 向上 や消 費生 活 の安 定 は望 み難 い し、
もとよ り産 業 や経 済 の飛 躍 的 な発展 を はか るこ と もむず か しい。 い ま、 これ を 農 業地 帯(農 村)の 場 合 につ いて 考 えて み よ う。
い うま で もな く、農 業 は、そ れが水 田稲 作 で あろ うと、 ま た畑 作 で あろ うと、
り
地 味 が肥 沃 で気 候 もよ く、 そ して水 利 の便 に富 み 、 作 物 の生 育 に適 した地 域1こ お いて 経 営 され るこ とが 望 ま しい。.ま た酪 農 や牧 畜 な どに あつ て も、 飼 料 に 富 み、 牛 、馬 、羊 な どの飼 育 に適 した土 地 で な けれ ば な らぬ。 さ らに これ を農 業 経 営 に従事 す る人 々 や 家族 の立 場 か らみれ ば、 気 候 、 風 土 が 日々 の生活 に適 当
し、 交 通 も便 利 で 、 教 育 そ の他 文化 施 設 の整 備 して い るこ とが 望 まれ るので あ る。
この よ うに 、農 業の 経 営 が 可能 と な り、 且 、 そ れが 発展 して い くた め には 、 な に よ り も、 そ の地 域 の 自然 的 、地 理 的 条件 の好 適 で あ るこ とを必 要 とす るの で あ るが 、 さ らに、 そ れが生 産面 で 十分 な発 達 を とげ、 農 家 の人 々の 家庭生 活 を 向上 させ て い くため に は 、 種 々 の経 済的 条件 、 と くに 「商 業 」 の合 理 的 な存 在 や発 達 が 必要 で あ るこ とを忘 れ て は な らぬ。 た とえ ば、 農 業 経 営 に必 要 な農 機 具 や肥 料 な どが 、 そ の地 域 にお け る商 業 組織 の未 発 達 や不 備 の ため、十 分 な 供 給 が お こなわれ ず 、 ま た 、た とえ農 家が購 入で きて も、価 格 の高 い場 合 に は、
そ の支 出 を多 くして 、 結 局 、農 産 物 の コス トを高 か らしめて 販 売 に不 利 を きた す こと と な る。 同様 の こ とは、 農 家の 日常生 活 に用 い る衣 料 品 、 食 料品 、 住宅 用 品 な どにつ いて もい うことが で き、 い わゆ る物価 高 の た め、 家 計 の安定 を阻 む ことが 少 くない。 さ らに、 そ の農 産物 の販売 に あたつ て も、合 理 的 な商 業(
配 給)機 関が 存 在 しな い場 合 には 、 折 角 の農 産 物 を意 外 な低 価 格 で 買 取 られ 不 利 をみ る こと甚 だ 多い ので あ る。
要 す るに 、農 業 が 合理 的 な発 達 を とげて い くため に は、それ に併 行 して 、農 機 具 、肥 料 な どの購 入 を合理 的 に お こない 、ま た農 産物 の 販売 を適切 な価 格 と販 路 の 保持 に よつ て有 利 化 し、もつ て 農 家所 得 の増 加 をは か ると ころ の 「商 業」の存 在 が 必 要 で あつ て 、 同時 に 、 日常 の家庭 用品 を 廉価 に供給 す る商 業(配 給)機
関 も設 け られ ねば な らぬ 。 したが つ て 、 「農 村建 設 計 書 」一 とい うよ うな、
既 存 の農 村 組織 を一 定 の計 書 に もとづ き再 編成 して い くに あた つ て は、 そ こに 存 在す る商 業 につ い て も、 業種 業態別 の適 限数 や適 正規 模 な どを改 め て検 討 す る こ とが 必要 となつ て くる。と くに農 業経 営 の近 代化 が 企 図 され るに際 して は 、 合理 的 な商 業 の存 在 とそ の経 営 が不 可欠 の要件 とな るので あつ て 、 こ こに農 業 生 産 との関連 に お け る 「商 業計蜜 」が樹 立 されね ば な らぬ ので あ る。
の
本稿 に論 述す る と ころは 、 以上 の よ うな趣 旨 に もとづ き、北 海 道 紋別 郡 上 湧 別 町 にお け る 「農村 建 設 計書 」の樹 立 に あた り、そ の基礎 的 調 査 の一 環 と して 、 そ こで 占め る商 業 の比 重 や適 限 数 な どを探究 す るため 、 昭 和29年11月 、 同町 に 存 在 す る商品 売 買 業 を中 心 に、 一部 の サ ー ビス 業 を加 えて151の 商業 者 に つ い
農業 地帯 に於 け る中小商 業の実態(岡 本)‑73一
て 調 査 し た 結 果 を ま と め た もの で あ る。 調 査 に あ た つ て は 、 所 定 の 「商 業 調 査 表 」(後 掲)に あ る諸 事 項 に つ い て 、業 者 の 記 入 を求 め た。 「商 業 調 査 表 」 の配 付 と蒐 集 は 、 町 役 場 職 員 の手 で お こ な わ れ た ので 町 内 の 商 業 者 は 全 部 もれ な く 入 つ て い るは ず で あ る。 しか し、 これ は 、 あ くま で 「商 業 者 調 査 」で あ るに と
ど ま り、 もと よ り、 同 町 の 商 業 の 全 貌 を 示 す もの と は 言 い 難 い ので あ るが 、 一 応 そ の 経 営 の 実 情 を物 語 つ て い る の で 、 今 後 の調 査 と あ わ せ て 、 施 策 上 の 参 考
に 供 した い と 思 う もの で あ る。
因 に 記 す と 、 上 湧 別 町 は 明 治43年4月1日 開 村 され 、 昭 和28年9月29日 に 現 町 名 を もつ て町 制 を 実 施 、今 日 に い た つ て い る。 そ の 人 口 は 、昭 和28年10月1日 現 在(住 民登 録 によ る)で11,064人,世 帯 数1,864を か ぞ え る。 町 の 総 面 積 は16 e,543平 方 粁(16,188.2町)で 、 こ の うち 、田 地357町 、 畑2,875町 、 山 林8,610 町 、 牧 場604町 な どが あ る。 そ の 主 要 生 産 物 は米 、 麦 類 、 馬 鈴 薯 、 ピ ー一トで あ
る 。 ま た 産 業 別 世 帯 数 を み る と(昭 和26年10月1日 現 在)、 総 数1,770の うち 、 農 業857、 林 業 及 び 狩 猟 業8、 漁 業2、 製 造 工 業167、 建 設 工 業66、 鉱 業4、 小 売
・卸 売 商 業134 、 金 融 業 及 び 保 険 業31、 通 信 運 輸 及 び そ の 他 公 益 業216、 公 務 46、 無 業36‑一 一と な つ て い る。
次 に 、 商 業 に 関 連 す る市 場 要 素 の 若 干 を示 せ ば 一 一一昭 和28年 度 の 歳 入 、 歳 出 は と もに70・728千 円 ・租 税 負 担 額 は1世 帯 当 り26・924円(内 訳 一国税10,288円 、 道税3・527円 ・町税13・109円)・ ま た 人 口1入 当 りで は4・435円(内 訳一 国税1,694 円、道税580円 、町税2,159円)と な つ て い る。文 化 教 育 施 設 と し て は 小 学 校6、 中 学 校5、 高 等 学 校1が 設 け られ 、公 民 館 は1、 映 蓋 館 は2を か ぞ え る。 ラ ジ ォ聴 取 者 の 数 は総 世 帯1,864の うち1〜382で 聴 取 率 は74.1%を 示 し、全 道 の 平 均(昭 和28年3月31日 現 在、全 道69.6%、 支 庁6(k.9%、 市77.0%)に く らべ て低 い方 で は な い 。 な お 、病 院 は5、 診i療所 は1を か ぞ え る。 自動 車 総 数 は36で 内 訳 は 乗 用 車1、
貨 物 自動 車19、 小 型 軽 動 車13、 消 防 車3と な つ て い る。
商 業 調 査 表
昭 和29年11月
記入者 の皆 さん へ……
この調査 は上湧別 町の産業 を振興 し、 同時 に町の経 済 を隆昌 を得 る目的 で実施す る もので す 。面倒 な ことをお尋ね して恐
1・ 商 店 名
2.商 店 所 在 地
(電 話 番)
上 湧 別 町 番 地
鏑 店の本支店別1
をつけて下 さい1
該 当の もの に○ 印
4.開 業 の 時 期
該 当の もの に記 入 して下 さい
ω本店(2)支 店 【3)出張所
(1}昭 和 年 ② 大正 年 〔3)明治
当該の もの に○劇(1》個 人 〔2)株式 会社 【3》合 名会社 〔4/合資会社
5・経 営 組 副
}をつけて下さい 鮪 胎 社 鞭 合 脚 他
6.業 態i該 当の もの に○印(1)小 売業2)卸 売業 〔3)卸売兼小売業 四製 造小売業
をつ けて下 さい
年 一一 一一1
7.業 名
8・ 従 業 員 数
9.売 場 面 積
11.資 金 借 入 先
食料品雑貨 ・雛 品 ・住宅用品 その他 櫻 雫雲ま示)
男一女
家族 人 雇1男1
人 用 女
人i合 男 「
1訓 女
商 品保 管施 坪10.
設 の 面 積
人i
人
人
坪}
主 とす る もの に◎ を 従 とす る もの にO印
をつ けて下 さい
1・‑i
i1.拓 銀2.道 銀3.相 互 銀 行
i4 .Pn用 金 庫5商 工 中 金 6.国 民 金 融 公 庫7.問 屋 8.個 人 金 融9.そ の 他
農業地帯 に於 け る中小商業 の実態(岡 本) 一75一
小樽商科木学商業学研究室
させ町 民の生 活向上 をはか る計 画 の樹立 上、 その基礎 とな る資料 縮です が趣 旨 を了章 の上、御協 力下 さ るよ うお願 い致 します。
12・ 商 品 の 仕 入 先
13.商 品 の 販 売 方 法
14.商 品 の 販 売 先
15.商 品 の 販 売 高
料料高
スビ数入
︻
サ手収凪
118・営 業 支 出 額
該 当 の もの に1・ 小 樽 の 問 屋2・ 札 幌 の 問 屋
3・ そ の 他 道 内 の 問 屋4.道 内 の 生 産 者
○ 印 を つ け て 下 さ い5.道 外 の 問 屋6.道 外 の 生 産 者
現 金 売 割 ・ 掛 売 割
小売 の 町 内の消費者へ
場 合画 外の消費者へ
割 卸 売の;町 内の小売商 へ 割
割1場 合 町外 の小売 商へ 割
翻 欝 犠 禺鵬 脚 幟 円円
昭 和?月鳩2髄
28年 度1月 平 均
1昭 和Il月 か ら10月 迄
Si29年i月 平2計 、禺
給
(商品の仕入額と税金を含めない)垂 琢 一 胃
19.帳 簿 組 織
協 同 組 合19 .
加 入 の 有 無 申 合 組 合i 20.
加 入 の 有 無 経 営 困 難 の 21.
理 由
与 劉 その他の営歎 出額
月平均 円
該 当の もの に
○印 をつ けて≠ さい 有 ・複 式 、 単 式
合 計
月平均 円
無
該 当の もの に
○印をつ けて下 さい1 加入 してい る ・加入 していな い 該 当の もの に
○印 をつ けて下 さい1加 入 して い る.加 入 していな い 該 当 の もの に
○ 印 をつ けて下 さい
購 買 力の減 退 、資金難 、 同業 者多数 、 税 金 の過 重 、 貸 倒 の 増 加 、 農 協 の 影 響 、 生‑協(購 買会)の 影響 、
旭 川 ・札幌等 商店 の影響 22.こ の町 の商 業振 興 に必要な施策施設
H商 業 経 営 の 実 情
1業 種 別 商 業 者 の 数(第1表 参照)
商 品 売 買 業 と これ に 関連 を もつ 各 種 サ ー ビ ス業 、 理 容 業 な ど を い れ た 総 数 は 151で あつ て 、総 世 帯 数1,864(昭 和28年10月 ⊥日現 在)と の比 を み る と 、 大 体 、 1つ の 商 店 で 市 内 の 世 帯 数12戸 に あ た る こ と と な る。 これ に 町 外 の農 家 な どか らの 購 入 者 が か な りあ るか ら(後 述、13業 種別業態 別の販売先 の項 参照)、 実 際 は ど の 業 種 と も、 もつ と 多 くの 得 意 先 を もつ こ と と な る。
こ れ を 業 種 別 に み る と、 「食 料 品 雑 貨 商 」が 最 も多 くて21.2%を 占 め 、 全 体 の1を 越 えて い る。32業 者 の うちか ら卸 売 商 の専 業 者5を 除 くと小 売 商 は27業 者(小 売 商 、 卸 売 商 兼 小 売 商 、 製 造 小 売 商2と な るか ら、 市 内 の 世 帯 数69戸 を 得 意 先 とす る こ と と な る。
次 に 多 い の は1住 宅 用 品 商 」 で あつ て全 体 の12.7%を 占 め て い る。 農 業 地 帯 の 人 々 は 家 具 、 建 具 な どを 他 地 方 へ 出 掛 け て 買 求 め る こ と は 困 難 で 、 お の ず か ら需 要 が 本 町 の 商 店 に 集 中 す るた め 、 この よ うに 多 くの も のが 存 在 す るの で あ ろ う。
第3位 は 「飲 食 料 理 業 」 で 全 体 の9.2%を 占 め 、 「理 容 業 」 の7・3%と 共 に や や 多す ぎ る よ うに み られ る。 続 い て 「繊 維 品 商Jの7.9%、 「鮮 魚 ・精 肉 商 脚の 同 じ く7.9%、1洋 服 商 」 の5.3%、 「菓 子 商 」 の 同 じ く5.3%、 「時 計 商 」2.7
%一 と な つ て い る。 通 観 し て繊 維 品 商 は 他 の 業 種 に く らべ て少 い よ うに 思 わ れ 、 菓 子 商 は や や 多 す ぎ る観 が あ る。
な お 、 「そ の 他 の 業 」 と い うの に 含 ま れ る もの が31業 者(全 体の20.5%)あ る が 、 これ らの 業 種 名 と数 と を あ げ る と履 物 商5、 自転 車 商5、 薬 局3、 豆 腐 商3、
文 房 具 商2、 造 花 商2、 小 間 物 商1、 馬 具 商1、 古 物 商1、 石 油 販 売 商1、 煙 草 販 売 商1、 そ の他 の 物 品 販 売 商6一 と な つ て い る。
2本 店 、 支 店 の別(第2表 参照)
ほ とん ど全 部 の商 店 が 「本 店 」 そ の もの で あつ て 、 他 都 市 な ど に 本 店 が あつ て そ の支 店 と な つ て い る もの は ほ とん ど な く、 ま た 他 町 村 な どに 支 店 を 設 け て
農業 地帯 に於 け る申小商 業 の実 態(岡 本)‑77一
い る もの は少 い 。 全 体 の うち 、「支 店 」は 僅 か3(食 料 品 雑 貨 商1、 飲 食 料 理 業1、
理 容 業1)、 あ る にす ぎな い 。
これ らの こ と は 、 上 湧 別 町 の商 業 が ま つ た く地 元 業 者 の手 で 経 営 せ られ 、 そ れ か らあが る収 益 も地 元 業 者 の手 に 入 つ て い る こ とを 示 す もの で あつ て ・ い わ ば 独 立 的 な商 業 地 域 を 構 成 して い る もの とみ て よ い ので あ る。
3業 態 別 商 業 者 の 数(第3表 参照)
「小 売 業 」 が 最 も多 くて94業 者 を か ぞ え 、全 体 の62.2%を 占 め て い る。 「卸 売 業 」 は 少 く て僅 か6業 者 で 全 体 の4.0%に す ぎず 、 内訳 は食 料 品 雑 貨 商 の3、
魚 菜 市 場 の1、 菓 子 商1、 住 宅 用 品 商 の.1一 で あ る。 た だ し 「卸 売 小 売 」 の 兼 営 を す る ものが10業 者(6.6%)も あつ て前 者 と あ わ せ て16業 者(10.6%)と な つ て い る。 ま た 「製 造 小 売 」 を 営 む もの は か な り多 くて30業 者(19.8%)に の ぼ り、
菓 子 商 で は8業 者 の うち6業 者 を 占 め て い る。 洋 服 商 も仕 立 て を なす もの は 同 じ く8業 者 中 、6業 者 と な つ て い る。 住 宅 用 品 商 に も製 造 小 売 を 営 む も のが 甚 だ 多 くて19業 者 の うち8業 者(42.1%)を 占 め て い る。 ・
な お 、繊 維 品 商 に は卸 売 を 営 む もの は1っ も な く、 同様 、 時 計 商 に もそ れ が な い 。 これ は 要 す る に 、 卸 売 商 の経 営 を 可 能 な ら し め る ほ ど の取 引 先 と し て 小 売 業 者 が 同町 並 び に そ の周 辺 に 存 在 し な い こ と に よ るの で あ ろ う。 な お ま た 、 飲 食 料 理 業 が 全 部 小 売 業 で あ る こ と や 、 理 容 業 も同 様 に そ の よ うな性 格 の サ ー
ビ ス業 で あ る こ と は い うま で もな い 。 4開 業 の時 期(第4表 参照)
一 般 に 申 小 商 業 の寿 命 は短 く
、 し たが つ て 開 業 時 期 の古 い もの は 少 い と さ れ て い るが 、本 町 の場 合 に お い て も こ の例 に 洩 れ な い 。 す な わ ち 、 太 平 洋 戦 争 終 了 後(「 昭 和21年 以 降 」)に 開 業 した もの は全 体 の50.3%に の ぼ り、 そ の こ と を 如 実 に示 し て い る。ま た 「昭 和20年 以 前 」 の 昭 和 年 間 に 開 業 した もの は30.4%
を 占 め て い て 、 これ もか な り多 い 。 そ し て 、 「大 正 年 間 」 の 開 業 者 は 僅 か15.2
%に と ど ま り、 況 して 「明 治 年 間'の 開 業 者 に い た つ て は そ の 他 の 業 の2業 者 が あ る に す ぎな い 。 鞠
要 す る に 、 商 業 者 の 過 半 が 終 戦 後 の開 業 に か か り、 営 業 年 限 の短 い もの の 多 い こ と は 、 資 産 、 信 用 、 商 才 、 経 験 な ど の諸 点 に お い て 、 不 十 分 な もの の少 く
な い ことを示 す もの とい わ ねば な らぬ。
5経 営 組 織(第5表 参照)
「個 人 組織 」の もの が圧 倒 的 に 多 くて全 体 の91・3%を 占 め 、申 で も菓 子 商 、 洋 服商 、 時 計商 、 飲 食 料理 業 、 そ の他 の業 はす べ て個 人 組織 で あつ て、 法 人 組 織 の ものは1っ もない。 「法 人 組織 」を と る もの は12業 者 に と どま り、全 体 の 8.7%に す ぎないが 、 うち 多い の は 「株式 会 社 」 で9業 者 をか ぞ え、 業 者別 に み ると 食 料 品 雑 貨 商 の5、 繊 維 品 商 の2な どが 目立 つ て い る。 「合 名会 社 」 は 食 料 品 雑 貨商 に1、 「有 限会 社 」 は住宅 用品 商 に1、 「組 合 」は理 容 業 に1の 各 業 者 と なつ て い て、 いず れ も少 い 。
6従 業員 の数(第6表 参照)
一 般 に中 小商 業 は家族 労 働 に依 存 す る ことの大 きい もので あ るが 、 この調 査 に よつ て もそ の ことが 一 部 の 業種 を除 い て知 られ る。 す な わ ち、食 料品 雑 貨 商 、 鮮 魚 ・精 肉商 、菓 子 商 、 そ の 他 の業 で はf家 族 労働 者 」 の方 が 「雇用 労 働 者 」
の数 よ り も多 くなつ て い る。 しか し、 食 料品 雑 貨 商 で はr雇 用 労働 者 」 と して 男子41人 、女 子14人 をか ぞ え、 規 模 の大 きい商店 で 雇 用 す る店 員 の 多い こ とを 示 して い る。繊 維品 商 、洋 服 商 、 住宅 用品 商 、 そ の他 の業で は、男 子 の 雇 用従 業 者 が 女 子 のそ れ に く らべ て は るか に 多 く、 反 対 に、 飲 食 料理 業、理 容 業で は 女 子 の 雇 用従 業者 が男 子 の それ よ り もず つ と多 くなつ て い る。 これ らはそ れ ぞ れの 業 界 に お け る仕事 の特 殊 性 に よ る もので あろ う。
なお、 本 町 にお け る 「雇用 従 業者 」 の総 数 は男 子154人 、 女子68人 、合 計222 人 とな つ て い る。
7協 同組 合及 び 申合 組合 へ の加 入状 況 く第7表 参照) 佃 商 業 協 同組 合へ の加 入状 況
全 体 を通 じ1加 入 して い る」 もの32.5%、 「加入 してい な い1も の67・5%で 、 未 加 入 者 の方 が ず つ と多 い。 業種 別 にみ ると、 鮮 魚商 と理 容 業 で は 「加 入 して
い る」 もの の方 が 多いが 、 これ ら両 者 の ほか の業 界で は 「加 入 して い ない 」 も の の方が 多 くなつ て い る。'
ま た 、食 料 品 雑 貨商 で は両 者 の割 合 が、 大体 、前 記 の全 業者 のそ れ に近 く34 .3対6r).7で 、 住宅 用品 商 もそ れ に似 て36・8対63・2と なつ て い る・ しか し、繊 維
農業地帯 に於 け る中小商業 の実態(岡 本)‑79一
品 商 で は 「加 入 して い な い 」 も のが 圧 倒 的 に 多 くて91.6%を 占 め 、 加 入 して い る も の は 僅 か8.4%に す ぎな い 。 同 様 に菓 子 商 、 時 計 商 、 飲 食 料 理 業 、 そ の他 の 業 も 「加 入 し て い な い 」 もの が 多 い。
{2)申 合 組 合 へ の 加 入 状 況
上 記 の商 業 協 同 組 合 へ の 加 入 状 況 で は 、 「加 入 し て い な い 」 もの が 多 か つ た の に 反 し、 申 合 組 合 に つ い て は 「加 入 し て い る 」 もの の 方 が 多 く、 両 者 の 割 合
は72.8対27.2と なつ て い る。中 で も繊 維 品 商(加 入者83.3%)、 洋 服 商(同87.5%)、
時 計 商(同100%)、 飲 食 料 理 業(同85.7%)な ど、 商 業 協 同 組 合 へ の 加 入 の 少 い 業 界 に 、 そ れ の 多 い の が み られ る。
要 す る に 、 ど の業 界 もな ん らか 相 互 の協 同 組 織 が 必 要 で あ る こ と は認 め て い る ら し く、 そ の 高 度 の もの と し て1商 業 協 同 組 合 」 が 、 ま た 低 度 の もの と し て
「申 合 組 合 」が つ く られ て い る の で あ る。
8売 場 面 積(第8表 参照)
一 般 に 売 場 は、 面 積 の 小 さい もの が 多 く、 「10坪 ま で 」 の ものが 過 半 を 占 め 、 そ の割 合 は64.2%(内 訳 、 「1坪 一5坪 」 の もの27.8%、 「6坪 一10坪 」 の もの 36.4%と な つ て い る。 と くに 洋 服 商 と菓 子 商 に は 小 面 積 の ものが 多 い 。 鮮 魚 商 と理 容 業 に は 「6坪一10坪 」 の もの が 多 くみ られ る 。
「11坪 以 上 」 の 面 積 を もつ も の は 少 く、 す な わ ち全 業 者 の うち 、 「11坪 一15 坪 」 の もの19.2%、 「16坪 一20坪 」 の もの5.9%と な り、 「21坪 以 上 」 の も の は 僅 か11業 者 、7.3%に す ぎな い。
9保 管 施 設 の 面 積(第9表 参照)
商 品 な ど を保 管 す るた め 》商 店 が 倉 庫 、納 屋 、物 置 な どの 設 備 を もつ こ とが 望 ま れ て も、 業 種 に よつ て は そ れ を あ ま り必 要 と し な い もの が あ る し 、 ま た 必 要 で あつ て も、 資 金 な ど の 関 係 で 、そ れ を 設 け得 な い もの も少 く な い 。151業 者 の うち 、 こ れ を 記 入 し た もの は53に と どま り、 残 り98は 無 記 入 で あつ た の は 、 そ れ を 所 有 して い な い た め と察 せ られ る。 全 然 、 これ を もた な い 業 種 は菓 子 商 、 洋 服 商 、 理 容 業 で あ り、 飲 食 料 理 業 もい た つ て 少 く14業 者 の うち 、 僅 か1業 者 に す ぎ な い 。 ま た 、 割 合 に 多 く もつ て い る の は 住 居 用 品 商 で あ るが 、 これ は 取 扱 商 品 の 性 質 上 、 当 然 の こ とで あ ろ う。
な お 、 記 入 し た 業 者 に つ い て み る と 、 「5坪 ま で 」 の もの が 多 ぐ、 続 い て 「 10坪 ま で 」 の もの 、 「15坪 ま で 」 の もの と な り、 「16坪 以 上 」 の もの は少 く、
僅 か11業 者 に す ぎな い 。
10資 金 の借 入 先(第11表 参照)
今 日 、商 業 者 が 資 金 を 必 要 とす る場 合 、 そ れ を金 融 機 関 か ら借 入 れ る の は必 ず し も容 易 な こ とで な い 。 この 調 査 に よ り、 主 な 借 入 先 と し て 記 入 さ れ た もの を み る と 、最 も多 い の は 「信 用 金 庫 」(42)で あ り、次 い で 「北 海 道 銀 行 」(35)
「相 互 銀 行 」(30)と な つ て い る。 これ ら三 者 か らや や下 つ て 「国 民 金 融 公 庫 」 (19)の 利 用 が み られ 、 「北 海 道 拓 殖 銀 行 」(12)か らの 借 入 れ は さ ほ ど多 くな い 。 本 町 に は ど の銀 行 の 支 店 も設 け られ ず 、 近 接 の中 湧 別 町 に 北 海 道 銀 行 の 支 店 が あ り、 ま た遠 軽 町 に 北 海 道 拓 殖 銀 行 、 北 洋 相 互 銀 行 、 北 海 道 相 互 銀 行 の そ れ ぞ れ の 支 店 が あ る ので 、 地 理 的 関 係 か ら これ ら の 支 店 が そ の 借 入 先 と な つ て い る。
次 に 、F問 屋 」(6)か ら借 入 れ て い る もの は い た つ て少 く、「個 人 金 融 」(9) に 及 ば な い 。 な お 商 工 組 合 申 央 金 庫 か らの 資 金 借 入 は 商 業 協 同 組 合 を 通 じ て な
き れ るが 、 こ の調 査 で は1件 も あ ら わ れ て い な い 。
要 す る に 、 資 金 借 入 先 と して は 、 「信 用 金 庫 」、 「北 海 道 銀 行1、 「相 互 銀 行 」 の 三 者 が そ の主 な もの と し て あ げ られ るの で あ る。
11商 品 の 仕 入 先(第11表 参照)
商 品 の 仕 入 先 は 、 どの 業 者 も1ヵ 所 に か ぎ る こ と な く、 方 々 の 問 屋 や メ ー ガ ー と取 引す る こ とが 多 い。 こ の調 査 に よ れ ば 「小 樽 の 問 屋 」(29)と 「札 幌 の 問 屋 」(29)と か らの 仕 入 は 似 て い るが 、さ ほ ど多 《な い 。 そ し て 、 「そ の他 道 内 の 問 屋 」 と い うのが 圧 倒 的 に 多 くて 記 入 数 が108も あ る の は 注 目 さ れ ね ば な らぬ 。 ま た 「道 内 の生 産 者 」(23)、 「道 外 の 問 屋 」(18)か ら仕 入 れ る もの も 少 々 み られ る。
次 に 、 これ を 業 種 別 に み る と、 繊 維 品 商 と食 料 品 雑 貨 商 と は 「そ の 他 道 内 の 問 屋 」か ら仕 入 れ る もの が 最 も多 い が 、 ま た 「小 樽 の 問 屋 」 か ら仕 入 れ る もの もか な りみ られ る 。鮮 魚 ・精 肉 商 、 菓 子 商 、 住 宅 用 品 商 、 飲 食 料 理 業 、 そ の 他 の 業 で は 「そ の他 道 内 の 問 屋 」に 多 く依 存 し 、 時 計 商 で は 「札 幌 の 問 屋 」 か ら
農業 地帯 に於 け る中小商業 の実態(岡 本)‑81一
の 仕 入 が 多 く、 洋 服 商 で は 「道 外 の 問 屋 」 か らの 仕 入 が 多 い 。 な お 、 住 宅 用 品 商 で は 「道 内 の生 産 者 」 か らの 仕 入 も少 くな い 。
12販 売 方 法(第12表 参照)
商 品 を現 金 で 販 売 す るか 、 掛 で 販 売 す るか 、 これ らの うち 、 どの 方 法 に よ る か は 、経 営 上 、 うけ る影 響 が 大 きい 。 この 調 査 に よ れ ば 、 全 体 を 通 じ 、 「掛 売 」 が 非 常 に 多 く て 「現 金 売 」 と同 数 位 に な つ て い る のが み られ る。 た だ 僅 か に 理 容 業 に お い て現 金 払 を うけ る もの が 多 い 位 で 、 こ れ す ら 「掛 」 が14.6%み られ
る実 情 で あ る。
これ を業 種 別 に み て 、洋 服 商(「 掛 売」65%)や 住 宅 用 品 商(「 掛 売J66.4%) で は 、 そ ρ 取 扱 品 が か な り高 価 な もの で あ るか ら、 月 末 払 の 販 売 や月 賦 販 売 な
ど に よ る こ と は 、 従 来 の 慣 行 上 か ら、 一 応 認 め られ るが 、 日用 の必 需 品 を 扱 う 食 料 品 雑 貨 商(「 掛売!l50.3%)や 鮮 魚 ・精 肉 商(「 掛売 」60%)で 「現 金 売 」 の 少 い の は 、 経 営 上 、 有 利 な こ と と は 言 い 難 い 。 この よ うな 販 売 方 法 は 長 年 の慣 習 に よ る もの と察 せ られ るが 、'掛 売 は ど うし て も売 価 を 高 く し、 結 局 、 物 価 高 の現 象 を 招 くの で 、 これ が 改 善 の た め努 力 す る こ とが 望 ま れ る。
13業 種 別 業 態 別 の 販 売 先(第13表 参 照) ほ}小 売 業 の場 合
小 売 業 が 地 元 の 人 々 を相 手 に し て お こ な わ れ る こ と い うま で もな い が 、 こ の 調 査 に よ れ ば 、 全 体 を 通 じ て 、1町 内 」 と 「町 外 」 と の 比 率 は76.8対23.2と な つ て い る。 つ ま り 「町 外 」 の 人 々 に対 す る販 売 は 少 い こ とが 知 られ る。
これ を 業 種 別 に み る と、 食 料 品 雑 貨 商(町 外11.8%)と 理 容 業(同13%)で は 主 に 町 内 の人 々 を対 象 と して い るが 、 飲 食 料 理 業(「 町外 」18.3%)、 そ の 他 の 業(同21.2%)菓 子 商(同22.5%)、 鮮 魚 ・精 肉 商(同25.8%)、 住 宅 用 品 商(同27 .8%)と な るに した が つ て町 外 の 人 々 へ の 販 売 が 増 加 し て い る 。そ して 、繊 維 品 商(同42.5%)、 時 計 商(同42.5%)、 洋 服 商(同43.7%)に い た つ て は 、 そ れ が
い ち じ る し く多 く、 「町 内!の 人 々へ の 販 売 は相 対 的 に 減 少 し て い る 。
② 卸 売 業 の 場 合
前 記 の小 売 業 の 場 合 と は 逆 に 、 卸 売 業 で は 「町 外 」 へ の 販 売 が 非 常 に 多 く、
全 体 を 通 じ て 「町 内 」 へ の 販 売30%、 「町 外 」へ の 販 売70%と な つ て い る。 こ
れ を 業 種 別 に み る と 、 両 者 の 割 合 が 、 食 料 品 雑 貨 商 で は20対80、 住 宅 用 品 商 で は35対65、 そ の他 の 業 で は55対45と な つ て 町 内 へ の 販 売 の 方 が 少 くな つ て い る。
14販 売 高(第14表 参照)
商 店 の 販 売 高 は そ の 取 扱 商 品 の 種 類 、 性 質 、 用 途 な どに よ つ て種 々 の傾 向 が み られ る 。 この 調 査 に お い て 、記 入 さ れ た ま ま の 数 字 を集 計 した 結 果 に よ る と、
「昭 和28年 度 」(1月 か ら12月 まで)、 「昭 和29年 」(1月 か ら10月 まで)を 通 じ 、各 商 店 の 販 売 高 の 平 均 額 は 、 繊 維 品 商 が 最 も多 く(昭 和28年 度 のiヵ 月 平 均 ユ,302,000円)、 次 い で 食 料 品i雑貨 商(同807,000円)、 続 い て 住 宅 用 品 商(同542, OOON)、 鮮 魚 ・精 肉 商(同347,000円)一 な ど と な つ て い る 。 こ の 状 況 は 昭 和 29年 に お け る 販 売 高 に つ い て も同 様 に み る こ とが で き、 そ の 碩 位 に 変 りは な い た だ 繊 維 品 商(昭 和29年 の1ヵ 月平 均販売 高948,000円)、 住 宅 用 品 商(同429,000円) に お い て 、 販 売 高 に 下 降 の 傾 向 が み られ る の は 、 経 済 界 の 不 況 に も とつ く もの で あ ろ う。
な お 、 時 計 商(月 平均 販売高 、昭和28年 度215,000円 、同29年188,000円)、 洋 服 商 (同 、昭和28年 度125,000円 、同29年87,000円)な どで は 販 売 高 は 少 い け れ ど も、 次 述 の 手 数 料 や サ ー ビ ス 料 の収 入 が あ る の で 、 全 体 の 所 得 は そ れ ほ ど少 い もの で
な い 。
15サ ー一ビス料 、 手 数 料(第15表 参照) ,
こ れ に は 洋 服 商 の 仕 立 料 、 改 修 料 、 時 計 商 の 修 繕 料 、 住 宅 用 品 商 の 加 工 賃 、 理 容 業 の散 髪 料 、 結 髪 料 一 一な どが 含 ま れ る。 「昭 和28年 度 」 と 「同29年 」 の そ れ ぞ れ の月 平 均 を み る と、 繊 維 品 商 で は と もに 同 額(35,000円)で 変 りな い が 洋 服 商 で は い ち じ る し い 減 少 ぶ りが み られ(154,000円 か ら60,000円 へ)、 住 宅 用 品 商 で も少 し減 少 し て い る。 しか し、 反 対 に 時 計 商 で は い ち じ る しい 増 加 ぶ り
を 示 し(140,000円 か ら360,000円 へ)、 理 容 業 で も少 々 な が ら増 加 の傾 向 に あ る。
ま た 、 そ の 他 の 業 で も増 加 し て い る のが み られ るc230,000円 か ら360,000円 へ)。
16営 業 支 出 額(第16表 参照)
営 業 支 出 額 は商 店 の規 模 、 取 扱 商 品 の種 類 、 数 量 な どに よ つ て 異 り、 と くに 雇 用 従 業 員 を もつ か 否 か に よ つ て 増 減 を み る こ と大 きい 。 一 般 的 に 販 売 高 の20
農 業地帯 に於 け る中小商業 の実態(岡 本)‑83‑
%を こ え る こ と は よ ろ し くな い と され て い るが 、 こ の点 、 前 記 、 販 売 高 や サ ー ビ ス 料 、 手 数 料 と対 比 し て み て 、 そ れ ほ ど大 きい もの で な い よ うで あ る。
次 に 、 全 体 を 通 観 し て 、 特 記 す べ き もの を あ げ て み よ う。 給 与額 は雇 用 従 業 員 に対 して 支 払 わ れ る もの で あ るが 、 既 述 の と お り、 雇 用 従 業 員 を もつ 商 店 は 少 い の で 、 こ の方 面 の 支 出 額 の 大 き い商 店 は 多 くな い 。 ただ し 、 洋 服 商 、 時 計 商 、 住 宅 用 品 商 、 飲 食 料 理 業 、 理 容 業 一 一の よ うに 、 多 分 に サ ー ビ ス を提 供 す る もの に あつ て は 、 雇 用 従 業 員 を もつ こ とが 多 い の で 、 営 業 支 出額 の 申 で 占 め る給 与 支 出額 の割 合 は 大 きい 。 給 与 額 は 一 人 当 り1ヵ 月 、 最 低3,000円 か ら上 つ て7,000円 、8,000円 位 に な つ て い る 。 理 容 業 で は 、 理 髪 店 の従 業 員 が 月 給 を 支 払 わ れ て い る の に対 し、美 粧 院(パ ー マネ ン ト店)で は徒 弟 制 度 の た め か 、と く に 給 与 額Q記 入 が な され て い な い 。 な お 、 そ の 他 の 営 業 支 出 額 は 各 商 店 に よ つ て金 額 が 区 々 で あ つ て 、 一 般 的 な 論 述 は で きな い 。
17帖 簿 組 織(第17表 参照)
全 体 を 通 じ て み る と 、 「記 入 し て い る 」 もの47.7%、 「記 入 し て い な い 」 も の52.3%と な つ て 、 後 者 の方 が や や 多 い 。 しか し 、 これ を 業 種 別 に み る と、 食 料 岳 雑 貨 商(「 記入 して い る もの 」68.7%)、 繊 維 品 商(同66.7%)、 住 宅 用 品 商 (同73.6%)に あ つ て は 記 入 し て い る 」 もの の方 が 多 く、 反 対 に 、 菓 子 商 、 時 計 商 で は そ れ が1つ もな く、ま た 、洋 服 商(同37.5%)、 飲 食 料 理 業(同14.3%) 理 容 業(同27.5%)、 そ の 他 の 業(同38.7%)で は1記 入 し て い な い 」 もの の 方 が 多 くて 、 経 営 近 代 化 の 不 足 を 物 語 つ て い る 。
次 に 、 帖 簿 を 記 入 し て い る もの の うち 、 「複 式 」 と 「単 式 」 と の い ず れ で あ る か に つ い て み る と 、 全 体 を 通 じ て 「複 式 」 の もの は27.Z%で 「単 式 」 の もの 72.8%よ り もは る か に少 い 。 これ は 、 今 後 の 記 帖 法 の 普 及 な どに よ つ て改 め ら れ て い か ね ば な ら ぬ 。
18経 営 困 難 の理 由(第18表 参照)
今 日 、 申 小 商 業 は 業 種 、 業 態 の如 何 を と わ ず 、 一 様 に経 営 の 困 難 を つ げ て い るが 、 そ の 原 因 と な る もの に は 種 々 の もの が み られ る。 ζ の 調 査 の 結 果 に よ れ ば 、 最 も多 く記 入 され て い る の は 「資 金 難 」r記 入 数63)と 「購 買 力 の 減 退 」
(同62,で あ る 。 しか し、 業 種 に よ つ て は 順 位 の 異 る もの もみ られ 、 た と え ば 、
/
時 計商 、 飲食 料 理 業 、菓 子 商 で は 「購 買 力減 退 ゴを 第1位 に あげ てお り、 ま た 理 容 業 に は 「資 金 難 」 を 訴 え る もの は1っ もな い 。 反 対 に 、 繊 維 品 商 、 食 料 品
雑 貨 商 、 住 宅 用 品 商 で は一 様 に 「資 金 難 」 を 第1位 に と りあ げ て い る・
これ ら両 者 に つ ず い て 多 い の は 「税 金 の過 重 」(29)で あ り、 下 つ て 「同 業 者 多 数 」(23)、 「貸 倒 の 増 加 」(19)な ど と な つ て い る。 この うち 、 「同 業 者 多i数」 を 大 き くと りあ げ る 業 種 に 住 宅 用 品 商 、 飲 食 料 理 業 、 食 料 品 雑 貨 商 が み られ 、 ま た 「貸 倒 の 増 加 」 を強 調 す る もの に 食 料 品 雑 貨 商 と そ の 他 の 業 とが あ る。
な お 、 少 数 な が ら、 一 部 の商 店 に と り 、 経 営 困 難 の 原 因 と あ げ られ る もの に
「生 活 協 同 組 合 の 影 響 」(記 入 数8)、 「そ の 他 」(同5)、 「売 掛 増 加 」(同4) が あ る。
'
農業地帯に於 ける中小商業の実態(岡 本)
皿 附 表
一85一
第1表 業 種 別 業 者 数 調
業 種 別 業 者 数(%)
)))))))り)))2939377235﹄
LL翫L翫鉱飢9︒牝色㏄
21一21(r曳(((((((((
22828494111
31111135
1
商商商商商商商業業業
具貨肉建理の
雑精.叩鼻
子服計嫁料容他計
品・品維用食の料魚宅
食鮮菓繊洋時住飲理そ
第2表 業 種 別 本 支 店 別 調
匡 翻 「 越 塑Ll本 店数(%刃 支店数(%)
食 料 鮮 魚 菓
繊 維
洋 時
品
子
服 計
雑 精
品
貨 商 肉 商 商 商 商 商 住宅 用品(家 具 ・建具)商
飲 食 料 理 業
理 容 業
そ の 他 の 業
計
31(96.8) ]2(100.0)
8(100.0) 12(100.0)
8(100.0) 4(100・0) 19(100.0) 13(92.8)
10(90.9) 31(100.0) 148(98.0)
1(3.2)
1(7.2) 1(9.1)
3(2.0)
計(%)
L32(100 .0) 12(100,0)
8(100.0)
12(ユ00.0) 8(100.0) 4(100.0) 19(100.0)
14(100.0) 11(100.0) 31(]00.0) 151(100.0)
第3表 業 種 別 業 態 別 業 者 数 調
垂諭 轡i41あ 業 卸櫛 小売業製造小撫 一ビス業 計(%)
「
食 料 品 獺 商22(68.7)1・(9.4)5(・5.6)12(6.3)i
箋 魚,肉 蕩111111:1:1、ll::1:1(8●3㌦75.。)
繊 維 品 商li・(9・ ・6)1・(8・4)・
諮 霧膿:::ll馴
鴇 甲 贔 動7(36・8)1・(5・3)13(15・8)18(42・ ・)1 飲 食 料 理 業14(100.0)li ト
lI
理 容 業Il
l、1(3.4)17〈22'5)!
計
11(100.0)
そ の 他 の 業123(74・2)l
l%(62・2)i6<4・0)110(6・6)130(19・8)i11(7'3)1
132(….・) 12(100.0) 8(100.0)
12(100.0) 8(100.0) 4(100.0) 19(100.0) 14(100.0) 11(100.0) 31(100、0)
151(100.0)
箱4表 業 種 別 開 業 時 期 調
'\
、
\
業種別 \ \
醐 別 明治鞭i大 正年間 哩 和2・年以 昭和2・年以 無記入 (%)(%)
[ 1目u(%) 降(%)
計(%)
食 料 品 雑 貨商
鮮 魚 ・精 肉 商1
菓 子 剛
繊 維 品 商1
洋 服 商
時 計 商 、
住 宅 用 品 酬
轟 暫劃
理 容 剰
そ の 他 の 業12(6.5) 計
12(1・9)i23(15・2)
::1:1:膿:綴ll::} :9・)
1:{ii灘i[ii離iliil灘
3(、4.、)}6(28.2)・ ・(57.6)… ・9(….・)
2(、4.4)13(2、.4)9(da.2)・4(….・)
i5(45.4)5(45.4)1・(9.2)・ ・(….・)
5(16'1)i撒 糊:l/::1:ili1
、:i:ll::::
}il
第5表
農業地帯に於 ける中小商業の寒態(岡 本) 業 種 別 経 営 組 織 調
一87一
\ \ 組 織 別
業種別\
食 料 品 雑 貨商 鮮 魚 ・精 肉 商
菓 子 商
繊 維 品 商
洋 服 商
時 計 商
飲 食 料 理 業
理 容 業
計
剛%)騰 社1合舗 社鋤 騰 社
lI
年繍i・ 鋤 詞1
そ の 他 の 業i3'('00・O),I
l'38(91・3);9(6・6)i1(0・7){
26(81.2)5(15.6)
(91.6)1(8.4)}11
8(100.0)1
10(83.3)2(16.7) 8(100.0)
14(100.0)1
=LO(90.9)
)23(1
組合
(%) 計(%)
1(5・2)1
1(8.1) } 1(0.7)1(0.7)
1
32(100.0) 12(100.O)
8(100.0) 12(100.0)
8(100、O) 4(100.0)
1'g(100・0)
14(100.0) ll(100.0) 31(100.0) 151(100.0)
第6表 業 種 別 従 業 員 数 調
… ̲区 別
男女蔚 一 業種別
食 料 品 雑 貨商 鮮 魚 ・精 肉 商
菓 子 商
繊 維 品 商
洋 服 商
時 計 商
住 宅 用 品 商 (家具 ・建具) 飲 食 料 理 業
理 容 業
そ の 他 の 業 計
家 族 雇 用
男1女1男 女
2gl
12}
.、。}
、3{
81 4i
27i
5}
5i
32 145
7 1 4 0 3 3 5 2 8 2 5 9 臼 ー ユ ■⊥ ■ ⊥ 9 一 A U 1 1 9 2 7 1 6 5 1 2 0 4 4 1 占 ‑ 占 4 9 μ F D 1
410357358可 ⊥ ■ ⊥ ■ ⊥ ‑ ← ∠ U
合 計
男1女
70 2・}
12
3円
19 10 72 6 7 52 299
12406309173412122271
第7表 業種別協同組合及び申合組合加入状況調
辮 劉鵬 編 総 巖 堵(%)綴協 同 組 合 申協 騰 欄合 組 計(%)合
食 料 品 雑 鰍U(34・3)
く
鮮 魚 ・精 肉 商i7(58.4)
菓 子 商12(25・ ・)
繊 維 品 商i1(8.4)
洋 服 商3(37.5)
饗 贔訓;::之::
鎧 食 装 理 菱17(63.6)
そ の 他 の 業 計i
i
2(、4.5)1、2(85.5)1・4(….・)
8(25.8)㌧3(74.2)1 49(32・5)i'02(67・5)
1'51(100・0)[UO(72・8)141(27・2)1151(100・0)
糠:鑑::/糠 鑑:麗:器
6(75画8(・ ・…)i6(75・・)12(25・・)18(・・…) ']:ll::1{11:}:::1:i
lll[:1::)ll:1::1:':1}:1:::
3(75.。)4(、 。。.。)14(、C。.。)14(….・)
19(100.0)12(63.2)19(100.0)12(63.3)'7(36.7)
iI
翻llll::1:にiii;ii}iii〔i/il;{i;i:
{lIl
第8表 業 種 別 売 場 面 積 調
垂♂ 即 圏6酷1坪'禰 埋16謬坪i21瀦上i轡{計(%)
食 料 品 雑 貨商 鮮 魚 ・精 肉 商
菓 子 商
繊 維 品 商
洋 服 商
時 計 商
住 宅 用 品 商 (家 具 ・建具) 飲 食 料 理 業
理 容 業
そ の 他 の 業 計
8(25.。)U(34.3)17(2、.5)13(9.8)i2(6.2)「 ・(3.・)132(….・)
3(25画5(4・ ・6)13(25・・)1・(&4)陥 一)
i羅!lii噛:::::料羅
1}{
1:1::1:1撚i:::1::淵}1鞠)1;:1器
4(36・4)IS(45・4)11(9・1) 1(9・1)1 11(100.0)
コ
麟lll二::鍛:::1:;:1::糊::1:ll:1:1::::1
第9表
農業地帯 に於 ける中小商業の実態(岡 本) 業 種 別 保 管 施 設 面 積 調
一89一
1\ \ 騨 区分
業種別 \ \
1‑5坪6〜10坪111〜15坪16〜20 (%)(%)1(%)坪(%)
の⑬1皐1
じ ゆ る 乞 8
0 4 ■ ⊥
誘 ら G
‑ 5 ー の 3
2 . 3 ︽ 3
⑳焔・ヘ ノ ) ) ) 0 7 5 9 臼
に σ 0 3 9 一 ‑ 義 ' ㌧ r \ ! ㌧ ( ∩δ 9 臼 ¶ ⊥
﹀ ) } ) ) ム コ 0 7 ・ 4
む ( 6 d ( ■ ⊥ ︑ 0 乙 ウ 臼 り 醒
ラ ラ
・ 8 ・ 2 7 ■ く り 7 9 臼 ‑ 占 ( 9 刮 ( ( ■ ⊥ ( O D 7 5
商商商商商商商)業業業︑購轡服轟灘計
食鮮菓繊洋時住(飲理そ 紛Gソt2σ111の7衷ソー
5 ̀ 12 叉 ‑ ゐ ‑ ー
21坪 以上 (%)
無記入 (%)
4(、2.5)1、4(43.7)
、(8.4){
3(15,8)
1(3.2) 9(5.9)
5(41.5) 8(100.0)
9(75.0) 8(100、0)
2(50.0) 8(42ユ) 13(92.8) 11(100.Ol
20(64.5) 98(64.9)
計(%) 32(100.0) 12(100.0) 8(100.0) 12(100.0) 8(100.0) 4(100.0) 19(100.0) 14(100.0 11(100,0) 31(100.0) 151(100.0)
第10表 業 種 別 資 金 借 入 先 調
垂翻 働押齢導謄 暮
食 料 品 雑 貨商 鮮 魚 ・精 肉 商
菓 子 商
繊 維 品 商
洋 服 商
時 計 商
住 宅 用 品 商 (家 具 ・建具) 飲 食 料 理 業
理 容 業
そ の 他 の 業 計
5(1)8(4) 15(3)
3(1)4
1(1) 3(1) 37(2)
3 1 3
12(2)1;}5(11)
相 互 銀 行
望
問金庫民公国融用庫
信金 個 人 その
金 融 他
3(1)!5(3)
2 21(1)
6(1)6(3) 36 32(2) 3(2)7(3)
30(7)i42(17)
)1(
r O ‑ 凸
2115) ) , 4 1 占 ( ( 0 ﹁ ⊥ り 0 ■ ⊥ 1
)3(
ワ ● ¶ ⊥ り ︼
3(1) 19(2)
1(1) 1
1 1(1)
1
1
2(1) 2
1 2
1 1(1)
i6(2)lg(2)
1(1) 3
2
1
1
8(1) 計 40(16) 21(7)
2 17(2)
6(3) 6(1) 31(6) 12
9(2) 17(7) 161(44) (註)括 弧 内の数字 は主 な借入先 とす る ものの数 を示 す 。
,
、