長崎大学総合環境研究 第
6
巻 第2
号pp. 61‑ 69 2004
年6
月多様化す る環境マネジメン トシステムの比較研究
中村 修 (長崎大学環境科学部)
後藤 大太郎 (長崎大学大学院環境科学研究科)
Thec ompar at i ves t udyoft hee nvi r onme nt almanage me nt s ys t e m t odi ve r s i f y
Os a mu Na k a mu r a Na g a s a k iUn i v .Fa c u l t yo fEn v i r o n me n t a lS t u d i e s Da i t a r o uGo t o Na g a s a k iUn i v .Gr a d u a t eS c h o o lo fEn v i r o n me n t a lS t u d i e s
Abs t r a c t
Th ei nt r o du c t i onoft heEn vi r on me n t a lMa na ge me ntSys t e m ( EMS)i spr e va l e n tno tonl yi nl a r ges i z e df i r ms ,bu ta l s oi n s ma l l t o me di u m s i z e d f i r ms , l o c a l go ve mme n t s a n d e du c a t i o na li n s t i t u t i ons . Ma j o r i t y o ft he m a r eI SO1 40 00.
The i n t e ma t i on a ls t a n da r d I SO1 40 00 i sa n EMS c r e a t e d ba s e d on t heBr i t i s h BS77 5 0. Ho we ve r ,i n Eur o pe ,a n EMSha r s he rt ha nl SO1 4000i si nwi d e s pr e a dus e .
Re c e n t l y i n J a pa n, unl que e nvi r on me n t a l ma n a ge me nt
は じめ に
近 年 二 日本 で は
I SO14000
を取 得 す る企 業 が急 激 に増 加 して い る。[ 1 ] (
図 1参 照)I SO14000
取 得 の拡 大 に伴 って、 多 くの課 題 が で て きた。 また、 そ う した課 題 に答 え るべ く、 日本 国 内で は様 々な独 自の環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム の規 格 が で て きた。本 稿 で は環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム規 格 の発 展 の
受領年月 日
2003 (
平成1 5)
年1
1月30
日 受理年月 日2004(
平成1 6)
年2
月1 6
日‑
61‑
s ys t e mss u c ha st heKES( f ors ma l lt ome di u m s i z e df i r m s ) a
nd t he LAS‑ E ( f orl oc a lgo ve mme n t s )ba s e d o n t h e I SO1 400 0h a vea ppe a r e donr e a s o nt h a tt h ei n t r odu c t i ono f t heI SO1 400 0i s・ t ooh e a v yabu r de nf わrs ma l lt ome di um s i z e df i r msa ndha vepa r t i c ul a r st ha ta r eno ta ppr o pr i a t ef or l o c a lg o ve mme n t sa nde duc a t i ona li ns t i t u t i ons .
Ma nyEMSba s e dont heI SO1 40 00ha vea p pe a r e d,bu ti n t hi s pa pe r
,we h a ve c l a r i f i e d t he i r di f fe r e nc e s a nd c ha r a c t e r i s t i c sb ya na l yz l ngt he i rs t a nd a r d si nde t a i
l.経 緯 、 多 様 な独 自シス テ ム を、 そ れ ぞ れ の規 格 を分 析 す る こ とで、 比 較検 討 をお こな った。
残 念 な が ら、 環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム の 比較検 討 とい う先行 研 究 は ほ とん ど事 例 が な く、 規 格 にお いて 比較 検 討 す る とい う先行 研 究 も見 あた らな か っ た。 そ れ ゆ え本 稿 は、 I
SO14001
を 中心 とす る多 様 な環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム の今 後 の展 開 を論 じる た め の重 要 な基 礎 資 料 とな りえ るで あ ろ う。総合環境研究 第
6
巻 第2
号中村 修 。後藤 大太郎
JA
団重合 事 業 者 推 措2003‑3
現 在m 00
和器皿ⅦⅦ
和m
和Ⅶ 器
ⅧⅧ 慧
ⅧⅧ S o
件
数
LnTM︼日加
寸nTauO伽
C凸丁日日別a:凸丁日日NLnT白田別寸nTLOO糾
C凸TLm別 N n T u n 別
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666LC
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666t刊mTEi66L
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866LL凸丁
諜 6 L
寸 凸
丁ト66LC E rI L
66L別凸TL66L
LnTト
6 6 L
寸 凸 丁 9 6 EH
図
1
日本 におけるI SO1 4001
の取得状況ht t p: / / W . j a b. or . j p
よ り引用1章
I SO
の現 状 と歴 史 1‑11 SO
とはI SO(
国 際 的 に は ア イ 。エ ス 。オ ー と呼 ぶ )とは 、 国 際 的 に通 用 させ る規 格 や標 準 類 を制 定 す るた め の 国 際機 関 で あ る。 国 際 交 易 を容 易 に し、 あ らゆ る活 動 分 野 の協 力 を進 展 させ るた め に、 国 際 的 に通 用 す る製 品 、 用 語 、 方 法 な どの規 格 の標 準 化 を推 進 し、そ の 関 連活 動 の発 展 ・促 進 を図 る こ とを 目的 に設 立 され た。 I
SO
の 中央 事 務 局 は ス イ ス の ジ ュネ ー ブ に 置 か れ て お り、 現 在 約135
ヶ国 の会 員 で成 り立 って い る。 ISOは 略 号 で あ り、 I SO
機 関 の フル ネ ー ム はI nt er na t i onalOr gani za t i onf わrSt andar di za t i on
で あ る。通 常 で あれ ば 、 頭 文 字 を と って1
0S
とな るだ ろ う が、 ISOとな っ た 説 と して は い ろ い ろ と考 え られ て
い る。① "相 等 しい" とい う意 味 を表 す ギ リシ ャ語
" i s os
" か ら取 られ た説
②
l SO
設 立 当時 、 既 にIOS
といわ れ る機 関 が あ った 為 にそ の機 関 と混 同す る とい う こ とか らISOとな っ
た説 な どが考 え られ て い る[ 3 ] [ 4
]。日本 国 内で は、 一 般 的 に "アイ 。エ ス ・オー" と 呼 ば れ て い るが 、 "イ ソ" とい う人 も い る。 また、
英 語 を母 国語 と して い る国 々で は "アイ ソ''と呼 ぶ ことが多 い。
1 ‑2 BS
か らISO
設 立 の経 緯l SOは国際標 準化機構 と して 1 947
年 に設立 され た。工 業 製 品 の標 準 化 の必 要 性 につ いて は さ まざ まな地 域 で議 論 され標 準 化 機 構 を求 め る声 は
、 1 9
世紀 後 半まで さか のぼ る こ とが で き る。
当時 、 イギ リス、 ア メ リカ、 ドイ ツ な どで は 各企 業 や 協 会 ご とに、 独 自の標 準 を用 い製 品 を作 って い た が、 そ れ ぞ れ 異 な る 内容 の規 格 が存 在 す る こ とは
「貿 易 の技術 的 障壁」の要 因 とな る とい う こ とか ら、
1 901
年 、 イギ リス で初 め て 国 レベル で の標 準 化 が行 わ れ た。そ の後 、各 国 で標 準化 の動 きは急 速 に進 み、1 906
年 電 気 技 術 に関す るす べ て の分 野 の国 際標 準 ・ 規 格 を作 成 す る機 関I E
C (国 際電 気 標 準 会 議 ) が 設 立 され る。 更 に、 1926
年、 I SOの 前 身 で あ る万 国 規
格 統 一 協 会( I SA)
が 設 立 され た 。 こ のISA
は 機 械多様化する環境マネジメン トシステムの比較研究
工 学 に重 点 が置 か れ て いた が、 第 二 次 世 界 大 戦 によ る会 員 の脱 退 で、1
942
年 にそ の活 動 を一旦 停 止 した。そ の 後 、 国 連 規 格 調 査 委 員 会
( UNSCC)
が 業 務 を 引 き 継 い だ が、 1946
年1 0
月1 4
日にUNSCCは ロ ン ド ンで 会 議 を 開催 し、 「工 業 規 格 の 国 際 的統 一 と調 整 を促 進 す る こ と」 を 目的 とす るISOと い う機 関 を 1 947
年2
月23日に発 足 す る こと とな る[5]
。よ く知 られ るI
SO
規 格 と して は、ISO
ネ ジやISO
フ イル ム 等 の 「製 品」 に関す る規 格 、 そ の製 品 に関す る 「用 語 」 が あ るが、 最 近 で は、 ISO9000
S (品質 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム ) やlSO1 4000
S (環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム) とい った 「方 法」 の規 格 も制 定 し発 行 を行 って い る。表
1BS
か らI SO
へBS7750
とは, 英 国規 格 協 会(BSI ;Br i t i s h St a nda r d I ns t i t ut i on)
が1 99
2年3
月 に 制 定 した 環 境 マ ネ ジ メ ントシス テ ム の規 格 で あ る。
マ ネ ジ メ ン トシス テ ム の考 え方 は 品 質 シス テ ム規 格
( I SO9000
シ リー ズ) に端 を発 す る もので あ り, そ の ベ ー ス とな っ た の が イ ギ リス 規 格 のBS5750で あ っ た 。 環 境 マ ネ ジ メ ン トシ ス テ ム 規 格 に お い て もI SO1 4000
に先駆 けてBS7750が制 定 され た。そ の後 、BS5750
とISO9000
シ リー ズ の 関 係 に 見 られ た よ う に,BS7750
を ベ ー ス に してI SO1 4000
シ リー ズ が 制 定 されI SO
委 員 会 のTC207技 術 諮 問 委 員 会 で 討 議 が 繰 り返 され 規 格 が制 定 され た[6] [ 7]
。マネジメントシステム 英 国 規 格 国 際 規 格
晶質マネジメン トシステム
BS575 0
(1 979)
‑Ⅰ SO9001 ( 1 987)
第
2
章 環 境 マ ネ ジ メ ン トシステ ム規 格 の変 遷 環 境 に関す る規 格 に は様 々な規 格 が 発行 され て い る。 国 際 標 準 化 の 規 格 と して はI SO1 4001
、 英 国 の 規 格 と してBS7750、EC
の 規 格 と して はEMASがあ る。
また 日本 国 内 の独 自規 格 と して は、 京 都 市 が 小規 模 事 業 者 向 け につ くったKES(京 都 ス タ ンダ ー ド)、
LAS‑ E
な どが あ る。l BS7750
」
EMAS
H ⅠS O 1
4001
(国 際 規 格 .国 内 規 格 )∠ チ ‑一 一
一‑‑ 盲 蒜‑ ; 表 読 ‑ ド
RES LAS‑ E l l
そ の他 の痩格図1 EM Sの変遷
‑
6 3 ‑2‑1 1 SO1 4000
の概 要I SO1 4000
の 本 質 は 経 営 管 理 の 概 念 で あ り、 環 境 負 荷 を軽 減 す るた め の 目的 ・目標 を設 定 し、 そ れ をPDCA( Pl an‑ Do‑ Che c k‑ Ac t i on)
の 流 れ に 沿 っ て 運 用 す る こ とで経 営 シス テ ム の改 善 を図 る こ とにあ る[8]
。I SO1 4000
と総 称 され るが、 I SO1 4000
Sに含 まれ る 規 格 と して は、 ISO1 400
1(環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム ー仕 様 及 び利 用 の手 引)[ 9] 、 I SO1 4004(
環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム ‑原 則 , シス テ ム及 び 支 援 技 法 の一 般 指 針 )[1 0] 、I SO1 401 0(
環 境 監 査 の指 針 一一 般 原 則 )総合環境研究 第6巻 第2号
中村 修 ・後藤 大太郎
[11]
、 I SO1 4011
(環 境 監 査 の指 針 一監 査 手 順 一環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム の監 査 )[1 2
〕、 I SO1 401 4(
環 境 監 査 の指 針 一環 境 監 査 員 の た め の資 格 基 準)[ 1 3]
の5 つ の規 格 が あ る。 そ して 、 この 中 のI SO1 4001
の 規 格 要 求 事 項 を満 たす こ とがISO
の認 証 を受 け る必 須 灸件 にな って いる[3]。一般 的 にI
SO
の シス テ ム を取 り入 れ 認 証 を受 け る か ど うか の判 断 は各社 の 自由で あ る。 ISO
の 認 証 を 受 け る場 合 には必ず 第 三 者審 査 (外 部 審査 ) を受 け な ければ な らな い。 日本 にお け る第 三者審査 (外部 審 査 ) とは、 認 定機 関((財 )日本 適 合 性 認 定 協 会 )が 定 めて い る審 査 登録機 関で しか行 う ことが で きず 、2001
年1 0
月現 在、 環境 にお いて は31社 登 録 され て いる[
2]
。2‑2 EMAS
とはEMAS
とはEco Ma na ge me nt皮 Audi tSc he me (
環 境 管 理 、 監査 ス キ ー ム)の略 で あ り、 EC加 盟 国 にお い て1993
年7
月 に施 行 され1995
年 か ら適 用 さ れ た環 境管理 ・監査 の手法 で あ る。 この適 用 の 目的 はEC加 盟 国 の環 境 保 全 の取 り組 み のば らつ き を是 正す る とともに、企 業 の環 境 マネ ジ メ ン トの行 動 に 対 す る社会 的関心 に応 える こ とで あ った[1 4]
。EMAS
は企 業 に対 して環 境 方 針 、 環 境 計画 、 環 境 マネ ジ メ ン トシス テ ム の確 立、 パ フ ォーマ ンス の体 系的、 客観 的 な評価 、 一般 市 民 に対 す る環 境 関連 情 報 な どの提供 を求 めてお り、 このよ うな活 動 を行 いEMAS
に参 加 す る こ とによ りロゴマ ー クの使 用 が 認 め られ る。EMAS
の規 則 は2 1
の条 文 と5
つ の付 属 書 か ら成 り立 っ て お り、EMAS導 入 手 順 は 、 企 業 がE
Uに登録 し声 明書 を提 出 を行 う。声 明書 には、自社 の
CO2
、NOX
等 の 排 出 量 や 減 量 、 エ ネ ル ギ ー 、 騒 音 等 の精 微 な実体 を報 告 し、 環境 を配 慮 した 目標 を立 て、 改 善 され た諸策 のデ ー タ を公 開す る。 これ を、公 認環 境 監査機 構 が監査検 証 し、 認 定す る。 検 証 項 目の 中 には、 火 災発 生時 の消 火用 水 の排 水対 策 な ども入 る とい う大 変厳 しい もので あ る。認 定 の有効 期 間 は三 年 で、 企 業 は三年 ご とに新 しい 目標 を定 め な ければ な らな くISO1 4001
の規 格 よ り厳 し い規 格 に な って いる。EMAS
は 最 近 改 訂 さ れEMASl
、EMAS2
が あ る。比較 は表2で示す[
1 5
〕。2‑3 1 SO1 4000
とEMASの比較I SO1 4000
とEMASの一 番 の違 いは、 環 境 声 明書 で あ る。 ISO1 4000
には な いが、EMASに は環 境 声 明書 が存在 す る。声 明書 には
2
種 類 あ りEMASを適 用 して い る各 サ イ トにお いて、監査 サ イ クル が完 了す る まで の期 間 提 出が求 め られ る簡 略 声 明書 、 そ の後 完 全 に監査 サ イ クル が完 了 した時点 で要 求 され る正 式 声 明書 が あ る。そ の声 明書 には、企 業 のサ イ トにお け る事 業 の概 要 説 明、 事 業 内容 に関連 す るす べ て の重 要影 響 の評 価 、環境 パ フ ォー マ ンス に関す るそ の他 の課題 、サ イ トで運 用 され て いる環 境 方針 、 計画 、 マ ネ ジメ ン トシス テム の概 要、 次 回 の声 明書 の提 出予定 日、検 証 人 の氏 名 を含 まな ければ な らな い。 声 明書 は一般 公 共 の人 が よ く理解 され るよ うに作 成 され な ければ な らな い。口8
〕
中村 修 ・後藤 大太郎
あ らゆる規模 の組織 (企業 ・自治体 ・学校 ・家庭等 を含 めた団体 ・個 人等) に適用で きる中小企業向け の簡 易版であ り、規格 の内容や表現が他 の規格 と比 べ て 比 較 的平 易で取 組 み 易 い ことが特徴 といえ る
[ 1 6]
。具体 的 には、 よ り実態 に即 した取組みができるよ うに、次 のよ うな
2
段 階のSt e p
を設 けて いる。①
st e pl
:環境 問題 に取 り組み始 めた段 階。②
st e p2:将 来 「 I SO1 4001 」
の認証取 得 を 目標 にする段階。
(従 って
St e p2
は、KES
の継 続 がl SO1 4001
につ なが る。)3‑2 l SO1 4000
とKESの比較I SO1 4001
とKES
で の規格 の内容 は同 じで あるが、審査 の負担、維持 費の負担 を考 える と
KES
のシステ ム の 方 が 取 り組 み や す い も の と な っ て い る 。I SO1 4000・KES
の比較 を表3
に示す。表
3 I SO1 400 0
とKES
の比較適 用 規 格
Ⅰ SO1 4001 KES ste p 1 KES ste p 2
段 階
上級 初級 中級
目的 f so14001
に 従 っ た 環 境 活 動 環 境 活 動 の 輪 を 広 げ 将 来Ⅰ SO14001
■の 認 証 取 得 をる . 目指 す
環 境 方 針
○ ○
環 境 側 面
○ ○
環 境 影 響 評 価
○ . ○
法 的 及 び そ の 他 の 要 求 事 項
○
目 的 目標
○ ○
プ ロ グ ラ ム
○ ○
実 施 及 び 運 凧
a
. 体 制 及 び 責 任○
b.
訓 練 、 自覚 及 び 能 力○
C
. コ ミ 土 ニ ケ ‑ シ ヨ ン○
d
. 環 境 マネシ寸メントシステム文 書○ ○
e
. 文 書 管 理○
f. 運 用 管 理
○ ○
g.
緊 急 事 態 へ の 準 備 及 び対 応 ○
点 検 及 び 是 正 措 置
a
. 監 視 及 び 測 定○
b.
不適合並びに是正及び是正措置
○
C
. 記 録○
d.
環 境 マネシ○メントシステム監 査○
経 営 層 に よ る 見 直 し
0
.○
影 響 評 価 独 自 の ロ ジ ッ ク と 手 法 で 最 高 経 営 層 の 決 意 チ ェ ッ ク リス ト法 メ ンバ ー の 討 議 評 価 点 算 定 法
マ ニ ュ ア
ル 独 自 の マ ニ ュ ア ル サ ン プ ル あ り (シ寸)
6
へ○‑ サ ン プ ル あ り( 26
へ〇一シ寸)◆審査登録料は従業員数
100
人未満 の事業所 におけるもの‑
65‑
多様化す る環境マネ ジメン トシステム の比較研究
表
2 I SO1 400 0
とEMAS
の比較Ⅰ SO14001 ( EMASⅠ)1836/1993/ EC
(EMASⅡ) 76
1/200
1/ EC
対象範 囲 全般 製造 業 を始 め と した環境負荷の高 い特定 の分野/ ビジネス 全般
初期環境 レビュー 任 意 要求 され る 要求 され る
組織 自体 による レビュー又 は 組織 自体 によ る レビュー又 は 外部機 関 によ る レビユ'‑が必 外部機 関 によ る レビューが必
要 要
環 境法規制遵守 遵守 の 「仕 組み」が必要 要求 され る 法 規 制 を遵 守 して い な い 場合、環境 声 明は有効 とされ ない 要求 され る 環 境 パ フ ォー マ ンス の 「シス テム 」 の継 続 的 改 善 要求 され る 要求 され る
改善 が必要 現在 の最高技術 を使用 現在 の最 高技術 を使用
環境 声明 (活動 の報告、
方 針 、 目的 と 目標 、 環
境 マ ネ ジ メ ン トプ ログラム を含 む) 不要 (方針 のみ) 要求 され る 等 での公 開が必要印刷物 また はホー ムペー ジ上要求 され る
環境 声明の検証 不要 要求 され る 要求 され る環 境監査 人/認 証機 関 によ る検 証が必要
環境 関連業者 の管理 用 管 理 の範 囲で管 理 o 法 的要求事項が あれば従 う○コ ミ ュニ ケ ー シ ョン及 び運 組織 による監視 組織 によ る監視
間接 環 境 側 面 :設 計 デ ザ イ ン .開発 .包 装 .
輸送 .購入等 企業 の 自主性 にまか され る 不要 明確 に要求
環 境 パ フ ォー マ ンス 評 シス テ ム の結果 と して達 成 不 要 要求 され る
価 され る と考 える 数値 を含 めた証拠が必要
ロゴ (認証マー ク) 無 壬旺
2
認 証 と環 境 声 明 に対 す る 証種 (マ ネ ジ メ ン トシス テ ム明)有第
3
章 環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム規 格 の比 較 日本 国 内 で はI SO1 4001
の 規 格 を ベ ー ス と し た 独 自規 格 が 作 り出 され て い る。 そ れ ぞ れ の規 格 を比 較 す る こ とで規 格 の 内容 の確 認 を行 う。3‑ 1 KES
KES
とは京 都 ・環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム ・ス タ ンダ ー ドの 略 で あ り、 1997
年1 2
月 に 開催 され た 「地球 温 暖 化 防 止 京 都 会 議
( cops) 」
を機 に、 行 政 ・民 間 団体 ・企 業 ・学 識 経 験 者 等 が 中心 とな っ て 設 立 し た 「京 (み や こ) の ア ジ ェ ンダ21フ ォー ラム」 内 に あ る企 業 活 動 ワー キ ング グ ル ー プ が 作 成 した 独 自の 京 都 版 環 境 管 理 認 証 制 度 で あ る。KES
の 認 証 取 得 の 目的 は 、 他 の規 格 と同様 で 、 環 境 問題 に 関心 を持 ち、 日常 的 にそ の取 組 み を して い く こ とで 環 境 負 荷 を低 減 して い く こ と に あ る。また 、総合環境研究 第
6
巻 第 2号多様化す る環境マネジメン トシステムの比較研究
3‑3
費 用 対 効 果 が 求 め られ る環 境 マ ネ ジ メ ン ト シス テ ムこ こまで紹 介 した環 境 マ ネ ジメ ン トシス テ ム は、
BS7750
はイギ リス規 格、ISO1 4000
は 世 界標 準 規 格 、EMAS
はEC規 格 、KES
は 日本 の 中小企 業 とい う こ と が で き るだ ろ う。日本 で はI
SO1 4000
の取 得 が多 いが 、KESを取 得 す る企 業 も増 えて い る。 最 大 の理 由は コス トで あ る。KES
はI SO
の取 得 費 用 よ り安 く取 得 が で き、 企 業 に とって は費用 の面 で は非 常 に メ リッ トが 高 い。但 し、KES
は 国 内規 格 に しか す ぎな いた め に世 界 的 には認 め られ な い。ま た 現 在 日本 で は
、 I SO1 400
1の 自己 宣 言 も増 え て い る。 自己 宣 言 とはISO
の規 格 に沿 って運 用 を行 い、 ISO1 400
1の 審 査 員 に審 査 を して も らいそ れ を宣 言 す る こ とで あ る。 第 三 者 によ る認 証 とい う作 業 はな い。
自己宣 言 が 増 え て きた 理 由は コス トで あ る。 第 三 者 の認 証 機 関 に認 証 を委 託 す れ ば 相 当 の費用 が か か るか らで あ る。
今 後
I SO1 4000
を ベ ー ス に した 独 自規 格 や 独 自 の 手 法 は 多 くな る こ と.が 予 想 され る。 ISO1 4000
認 証 とい う 「看 板 」 を取 得 す る こ とで はな く、 環 境 負 荷 を 削 減 す る こ とがI SO1 4000
の 本 来 の 目的 で あ る こ と を考 え れ ば、 I SO1 4000
に こだ わ らず に独 自規 格 で低 コス トで環 境 負 荷 を減 らす こ とは 、 今 後 の大 き な流 れ にな る と考 え られ る。 環 境 マ ネ ジメ ン トシス テ ム も費 用 対 効 果 が求 め られ るよ うに な って きて い る。表
4 I SO1 4000、EMAS、KES
の対比適 用 規 格
KES
ス テ ップ1 KES
ス テ ップ2Ⅰ SO1 40 01 EMASⅡ
発 行 元 京 都 市 京 都 市 国 際標 準 化 機 構 英 国規 格 協 会 相 互 間 系Ⅰ SO1 40 01
を ベ ー ス とl SOl 4001
を ベ ー ス とEMAS
を ベ ー ス と しし作 成 し作 成 作 成
活 動 取 組 み 環 境 管 埋 活 動 の 輪 を
l SOl 40 01
の 認 証 取 得 資 源 循 環 型 経 済 社 会 の実 現の 目的 広 げ る をめ ざす
対 象 企 業 (工 場 だ けで な く全 産 業 の事 業 所 )
政 府 、 自治体 の公 共 体 全 て (学校 も含 む)
審 査 機 構 環 境 監 査第 三 者 によ る 公 認環̲境 検 証機 構
経 済 的 メ リ ッ ト 廃 棄 物 削 減 、 リサ イ出 の 制 限 、 大 手 メ ‑カ ー の 下 請 け は 、 取得 が 必 要ク ル に よ る コ ス トダウ ン、消 費 者 の支 持 、日本 か ら海 外 へ の 輸 廃 棄 物 削 減 、 リサ イ欧 州 に立 地 して い る証 取 得 が 必 要ク ル に よ る コ ス トダウ ン、消 費 者 の支 持 、日本 メ ー カ ー は 、 認
特 色 徳 とす る 日本 文 化 に は、まな いo・権 限、 責 任 等 を全 て マ ニ ュアル 化・「契 約 社 会「阿 畔 の呼 吸」 とい う感 覚 や 暖」の 文 化 が ベ ー ス に 有基 本 的 に は な じ昧 さ を美り 環 境 影 響 評 価 の 最 高 責 任 者 の 決 意 メ チ ェ ッ ク リス ト法 評 独 自 の ロ ジ ッ ク を構
事 例 ンバ ー の討 議 価 点 算 定 法 築 し評価 す る
総合環境研究 第
6
巻 第2
号‑67
‑中村 修 ・後藤 大太郎
表
5
環境マネジメン トシステム規格の比較要求事項
BS775 0 Ⅰ SO1 40 01 EMASⅡ KESI KESⅡ
環境マネジメン トシステム
○ ○ ○ ○ ○
環境方針
○ ○ ○ ○ ○
組織及び要因
○ ○ ‑ ○ ○
教育訓練の必要性
○ ○ ‑ ‑ ○
予備環境調査
○ ‑ ○ ‑ ‑
コミュニケ‑シヨン
○ ○ ○ ‑ ‑
評価及び登録簿
○ ○ ‑ ○ ○
規則性その他の要求事項
○ ○ ‑ ○ ○
目的及び目標
○ ○ ○ ○ ○
管理計画
○ ○ ○ ○ ○
環境マニュアル及び文書
○ ○ ‑ ○ ○
運営管理
○ ○ ‑ ‑ ‑
検証 .測定 .試験
○ ○ ‑ ‑ ‑
不適合 .是正処置
○ ○ ‑ ‑ ‑
環境管理記録
○ ○ ‑ ‑ ○
環境管理監査
○ ○ ○ ‑ ‑
監査計画
○ ○ ‑ ‑ ‑
監査方法 .手順
○ ‑ ‑ ‑ ‑
3‑4 自治体 向 け規格 と してのLAS‑E
環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム の規 格 と して環 境 自治 体 ス タ ンダ ー ド
( Lo c a l Au t h o r i t y‑ s S t a n d a r d i n En v i r o n me n t )LAS ‑ E(
ラス イ ー )とい うガ イ ドライ ン が あ る[1 7]
。LAS ‑ E(
ラス イ ー )の ガ イ ドライ ン作 成 者 はEMS
で は な く政 策 と して位 置 づ けて い るが、LAS ‑ E
も環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム で あ る ことには変 わ らな い。LAS‑ E
とは、 環 境 配 慮 や 環 境 政 策 に取 り組 む た め の仕 組 み を、 自治体 が確 立 運 用 し、 そ の取 り組 み 内 容 が環 境 自治 体 と して ふ さわ しいか ど うか をチ ェ ッ クす る た め の基 準 で あ る。LAS ‑ E
の メ リ ッ トは、 自 治体 が 環 境 へ の取 組 み にお いて どの程 度 の レベ ル に い るか が わ か り、 よ り上 を 目指 して 取 り組 ん で い く こ とが で き、 小 規模 の 自治体 で も取 り組 め る とい う 点 で あ る。I SO1 4000
と異 な る点 は 、 監 査 時 に、 監 査 チ ー ム の 中 に地 域住 民か事 業 者 を加 え、 地 域 の実 情 を熟 知 した 第 三 者 に よ る監 査 をお こな え る こ とで あ る。共 通 項 目につ いて は
3
ケ 月以 上 取 り組 ん だ 後 、 独 自 目標 につ いて は前 年 度 実 績 値 の確 定 後 に、 そ れ ぞれ 監 査 を し、 判 定 委 員 会 で審 議 し、 監 査 結 果 が妥 当 と判 断 され れば 、合 格 証 を発 行 す る シス テ ム で あ る。
さい ご に
環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム の導 入 は企 業 や 自治体 に お い て は 必 要 な 課 題 とな っ て い る。 I
SO1 4000
は どの よ うな企 業 で も取 り組 め るよ うな シス テ ム にな って い るが、 同時 に 中小企 業 には重 い負 担 の シス テ ム で もあ る。 また、 行 政 や 教 育 機 関 に は不 要 な規 格 も含 まれ て い る い っぽ うで、 教 育 や 啓 発 に関わ る部 分 が不 足 して い る。この よ うな 流 れ の 中で、 日本 国 内で は、 中小企 業 や 自治 体 向 け に多 様 な
EMS
が 提 案 され 取 り組 まれ て い る。EMS
の本 来 の 目的 は、 そ れ 自身 の認 証取 得 で は な く、 環 境 負 荷 の低 減 で あ る。 認 証 取 得 を看 板 に す る た め だ け にISO1 4000
を取 得 す る 時 代 は 、 す で に終 わ った。環 境 負 荷 の低 減 、 環 境 問題 の解 決 の た め の環 境 マ ネ ジメ ン トシス テ ム で あ る。事 業所 の特 性 に合 わ せ 、 よ り費 用 対 効 果 の高 い シス テ ム が求 め られ 、 登 場 す
多様化す る環境マネ ジメン トシステムの比較研究
ー69
‑るの は 当然 の こ とで あ ったO
参 考 文 献
[ 1
]現 場 技 術 者 の た め の 品 質 管 理 とl S
Oポ ケ ッ ト ブ ック 山海 堂1 999
年5
月[ 2
]財 団 法 人 日本 規 格 協 会HP: ht t p: / / www. j ab. or . j p [ 3
]ス ラス ラわ か る環 境I S
Oの取 り方 中経 出版1 996
年9
月[ 4
]対 訳I SO1 400lI SO1 400 4
環 境 マ ネ ジ メ ン ト シス テ ム 日本 規 格 協 会1 99 6
年1 0
月[ 5 ] I S
O規 格 の基 礎 知 識 日本 規 格 協 会20 00
年1 0
月[ 6 ] B
S規 格 の基 礎 知 識 日本 規 格 協 会20 01
年3
月[ 7 ] I SO1 4001
環 境 審 査 員 研 修 コー ス テ キ ス下 財 団 法 人 先 端 建 設 技 術 セ ンター[ 8
]環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム 内部 監 査 講 習 テ キ ス ト 学 校 法 人 明倫 館 九州 理 工 学 院[ 9 ] I SO1 4001
環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム ー仕 様及 び 利 用 の 手 引
日本 規 格 協 会
1 996
年8
月[ 1 0 ] I SO1 400 4
環 境 マ ネ ジ メ ン トシ ス テ ム ‑原 則 , シ ス テ ム 及 び 支 援 技 法 の一 般 指 針日本 規 格 協 会
1 996
年8
月[ 11 ] I SO1 401 0
環 境 監 査 の指 針 一一 般 原 則 日本 規 格 協 会1 996
年[ 1 2 ] I SO1 401 1
環 境 監 査 の 指 針 一監 査 手 順 一環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム の監 査日本 規 格 協 会
1 996
年[ 1 3 ] I SO1 401 4
環 境 監 査 の 指 針 一環 境 監 査 員 の た め の資 格 基 準 日本 規 格 協 会1 9 96
年[ 1 4] I S
Oの環 境 監 査 と地 方 自治 体‑I SO1 4000
シ リ ーズ の導 入 を 中心 に して‑ (1)『経 営研 究 所 論 集 』 第23号 東 洋 大 学 経 営研 究 所
200 0
年2
月[ 1 5 ] EMA
Sの 改 正‑EMA
Sか らEMAS
Ⅱへー とGRI
のガ イ ドライ ン経 営 学研 究 科 博 士 前 期 課 程 萩 原 圏 治
HP: ht t p: / / wwwl. pl al a. or . j p/ kht hagi / emas emas . ht m [ 1 6 ] KE
S・環 境 マ ネ ジ メ ン トシス テ ム ・ス タ ンダ ー ド
HP:ht t p: / / web. kyot o‑ i ne t . or . j p/ or g/ kes ma21 f / [ 1 7 ] LAS‑ E
監 査 ガ イ ドライ ンHP: ht t p: / / www. c ol ge l . Or g / LAS‑ E/ gui de l i ne A̲vO5. pdf [ 1 8
]地 球 環 境 問題 と環 境 監 査 の役 割 一環 境 的公 正の た め の監 査 シス テ ムー 両 備 バ ス (秩 ) 不 動 産 事 業 本 部
HP: ht t p: / / www. r r r . gr . j p/ i s o/ oga wa / paper con. ht m
総合環境研究 第