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き裂を有する弾性体の非定常熱応用問題に関する研 究

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Academic year: 2021

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き裂を有する弾性体の非定常熱応用問題に関する研

著者 松永 泰弘

雑誌名 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告

巻 18

ページ 245‑247

発行年 1997‑03‑29

出版者 静岡大学大学院電子科学研究科

URL http://hdl.handle.net/10297/1240

(2)

氏名・

(本

籍 )   松    永    泰    (静 岡県 ) 学 位 の 種 類   博    (工 )

学位 記 番 号    工博乙第   65   号 学位授与の日付    平 成 8年 3月 23日 学位授与の要件    学位規則第 4条 2項 該当

学位論文題目    き裂 を有する弾性体の非定常熱応力問題に関する研究

(委員長)

論 文 審 査 委 員

 

教 授

 

 

教 授 沢 木 洋 三

教 授 市 川   朗   教 授 野 田 直 剛 助教授   東   郷   敬一郎    助教授       知   章

論 文 内 容 の 要 旨

近年、原子炉、核融合炉や宇宙往還機などの研究・開発における高出力化、高性能化、高精度化 に ともなって、苛酷な熱的環境下で使用 される機械・構造物の耐熱強度が、機械の設計上の重要問題 に なっている。特 に、これらの材料が急激な加熱 または冷却によって激 しい温度変化 を受ける場合 に生 じる衝撃的熱応力は、材料中にき裂の発生あるいはき裂の進展 を誘起 し、時 として機械・構造物の破 壊 に到る。一般 に、機械・構造物中に存在するき裂 は円形 き裂、円環状 き裂、外部 き裂、刃状 き裂、

貫通 き裂などにモデル化 されるように様々な形状で存在 し、 しかもその破壊挙動 もそれぞれに異なる。

したがって、その様々なき裂形状、材料形状 さらには様 々な力学的・熱的境界条件に対 し、 き裂の破 壊進展の代表的な指標 となる熱応力拡大係数の挙動 を明 らかにすることが、耐熱衝撃設計の分野で要 求 されている。

本論文では、様 々な形状の き裂 を有する弾性体が急激な熱負荷 を受ける場合に生 じる非定常熱応力 を理論解析 し、耐熱衝撃設計 を合理化することを目的 とした。最初に、解析モデルとして円形 き裂、

外部 き裂、円環状 き裂 を有する弾性体の非定常熱応力お よび円形 き裂 を有する弾性体の連成熱応力 を 解析 し、続いて刃状 き裂 を有する弾性体の熱衝撃 について解析 し、得 られた応力拡大係数について検 討 した。最終的に、これらの解析結果 を踏 まえて、耐熱衝撃設計の際に使用で きる応用拡大係数の簡 易式等 を提案 した。本論文は、全7章 か ら成 り、以下 に各章の概要を示す。

1章

では、諸論 として本研究の背景 と目的について述べるとともに、本論文の研究内容の概要を述 べる。

第2章 では、材料中に発生 した空かが圧延などにより押 しつぶさた状態、異種材料間の剥離、地熱利

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用 における岩盤中の き裂などをモデル化 して、円形 き裂 を有する無限体の非定常熱応力問題 を理論解 析 した。この種の問題の厳密解 を得ることは困難なので、本論文では温度解析 において、時間変数の みに差分法 を導入 し空間変数については厳密解 を得る汎用的な解析方法 を提案 し、与えられた初期条 件、境界条件の もとで熱伝導方程式の定式化 を行 った。熱応力の解析 においては、三次元軸対称熱応 力問題 を熱弾性変位ポテンシャルとラブの関数を用いて解析する方法 を提示 し、種 々の数値計算 を実 行することにより、応力拡大係数の時間変化 を示 した。本論文での差分解 による値 を厳密解 による値 と比較・検討することにより、本論文での解法が簡便かつ有効であることを確認 した。また、応力拡 大係数の最大値お よびビオ数の影響 を明 らかにした。

3章 では、外周表面 に生 じたき裂 を有する円柱などをモデル化 して、外部 き裂 を有する無限体の非 定常熱応力問題 を解析 し、第 4章 では円環状 き裂 を有する無限体の非定常熱応力問題 を解析 した。解析 により求めた応力拡大係数の時間変化 を示 し、応力拡大係数の最大値およびビオ数の影響 を明 らかに した。

5章 では、熱衝撃における連成項の影響 を調べるために円形 き裂を有する無限体の連成熱応力問題 を解析 した。熱衝撃は、急激な熱負荷 により急激な熱変形 を生 じるため、熱エネルギーの変形仕事 に 関する項

(連

成項

)と

変形 に対する加速度の項 を考慮する必要があるが t両 者の大 きさの比較か ら、連 成項の影響が格段 に大 きいことが知 られてお り、連成熱応力 についてのみ考察 した。この とき、連成 項 を考慮 したひずみ場に関 しては、熱弾性変位ポテンシャルと調和関数を用いる方法を導入 し、また、

第2章 で提示 した差分解法を適用することで、 き裂の連成熱応力問題 を空間変数に対 して厳密な形で定 式化 し、応力拡大係数 を求めた。 また、 き裂問題 における温度場 とひずみ場の連成が応力拡大係数に 及ぼす影響 を明 らかに した。

6章 では、第2章 か ら第 5章 までの結果 を受け、刃状 き裂が存在する平板、円柱、中空円筒がその表 面上で熱衝撃 を受ける場合を解析 し、応力拡大係数 を求め、応力拡大係数の時間変化、応力拡大係数 の最大値 とビオ数およびき裂長 さ等の関数 を示 した。 さらに、各境界条件 に対 して、最大応力拡大係 数 とビオ数およびき裂長 さ、中空円筒 においては内外径比 も含めて、関係 を表す簡単な近似式 を提示

した。

第7章 は結論で、各章において述べた内容 を概括 し、得 られた知見 を整理 して本論文 を総括 してい る。

一 νκ 一

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論 文 審 査 結 果 の 要 旨

近年、原子炉、核融合炉や宇宙往還機 などの研究・開発における高出力化、高性能化、高精度化 に 伴 つて、苛酷な熱的環境下で使用 される構造物の耐熱強度が設計上の重要問題 になっている。急激な 加熱 または冷却により激 しい温度変化 を受ける場合に生 じる衝撃的熱応力は材料中にき裂の発生ある いはき裂の進展 を誘起 し、構造物 を破壊 に至 らしめる。一般に、構造物中のき裂は様々な形状で存在 し、 しか もその破壊挙動 もそれぞれに異なってる。 したがって、様々なき裂形状、物体形状 さらに様々 な力学的・熱的境界条件 に対 し、 き裂の破壊進展の代表的な指標 となる熱応力拡大係数の挙動 を明 ら かにすることが、耐熱衝撃設計の分野で要求 されている。

本論文 は様々な形状の き裂 を有する弾性体が急激な熱負荷 を受ける場合 に生 じる非定常熱応力 を理 論解析 し、さらに解析結果 を踏 まえて、耐熱衝撃設計の際に使用で きる応力拡大係数の簡易式 を提案

している。

1章 では、本研究の背景 と目的について述べ、かつ本論文の研究内容の概要を述べている。

第2章 では、円形 き裂 を有する無限体の非定常熱応力問題の理論解析を行っている。温度解析におい て、時間変数のみに差分法 を導入 し、空間変数については厳密解 を得る汎用的な解析方法を提案 し、

与えられた条件下で熱伝導方程式の定式化 を行つている。本論文で提案 した解法 と厳密解 を比較・検 討 し、本解法が簡便かつ有効 な解法であることを示 している。 さらに数値計算 を実行 し、応力拡大係 数の時間変化 とその最大値およびビオ数が応力拡大係数に及ぼす影響を明 らかに している。

第3章 及び第 4章 では、外部 き裂 を有する無限体の非定常熱応力問題 と円環状 き裂 を有する無限体の 非定常熱応力問題 を解析 し、応力拡大係数の時間変化 とその最大置およびビオ数が応力拡大係数に及 ぼす影響 を明 らかにしている。

第5章 では、円形 き裂 を有する無限体の連成熱応力問題を解析 し、応力拡大係数 を求め、温度場 とひ ずみ場の連成が応力拡大係数に及ぼす影響 を明 らかにしている。

第6章 では、刃状 き裂が存在する平板、円柱、中空円筒が熱衝撃 を受ける場合の非定常熱応力問題 を 解析 し、応力拡大係数の時間変化 を求め、応力拡大係数の最大値 とビオ数およびき裂長 さ等の関係 を 求めている。 また、解析結果 をもとに耐熱衝撃設計の際に使用で きる最大応力拡大係数の簡易式 を提 案 している。

本論文は、様々な形状の き裂 を有する弾性体が急激な熱負荷 を受ける場合 に生 じる非定常熱応力 を

理論解析 し、さらに耐熱衝撃設計 を合理化するため、解析結果 を踏 まえて耐熱衝撃設計の際に使用で

きる応力拡大係数の簡易式等 を提案 している。 これ らの研究成果は工学上寄与するところ大 きく、博

士の学位 を授与するのに十分な内容であることを認定する。

参照

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