奈良教育大学学術リポジトリNEAR
英語の子音と強勢の日本人的解釈
著者 川本 崇雄
雑誌名 奈良教育大学教育研究所紀要
巻 6
ページ 1‑13
発行年 1970‑02‑27
URL http://hdl.handle.net/10105/6199
英語の子音と強勢の日本入的解釈
川 本 崇 雄
語学教育振興会による正T C(工n t e ns i ve Tr a i n i n g Cou r s e)指導教官の報告の中
に,訓練を受けた学生たちには,英語の単語に本来ない母音を挿入したりなどして,全体の音節の 数を増やして発音する傾向が見られることが指摘されている。1)このことは日本語の中の外来語の 発音に現われる傾向と同じである。例えば〔rA∫一aue〕の2音節に対する「ラーヅ・.シュ.ア ワ…一」の6音節など。2)したがって今さら取り上げるまでもないとして昆遇ごしてしまう人 が多いのではなかろうか。しかし考えて見ると,正T Oの訓練を受けるような学生は皆ある程度以 上の英語の実力を具えているはずである。その学生の英語の発音が,一輝の人々が日本語の会話の 中で。外来語としての英語を発音するのと同じように発音しているという事実は見過ごすことがで
きたいと思う、
最近はレコード・テープ・ラジオ・テレビたどを通じて英語の生の青に接することが容易であり また立派な視聴覚教室を備えた学校も多いから,われわれの学校時代に較べるとはるかに恵まれて いる。今の学生は昔の学生よりもずっと発音が上手だと私は考えていたし,当然そのはずであるの に,報告に指摘されているような事実が存続しているのはどう.いうことであろうか。ただしその報 告には,全部の学生の何ハーセ1ノドがそのような発音上の欠陥を示したかというような具体的な数 字がないから,あるいはごく一部の学生の例外的発音であるかも知れない。
しかし数の割合は不明であるとしても,そのように日本語の音韻体系を少しも脱却していない英 語の発音が,選抜された学生の申にあるということは,中学・高校(及び大学?)の教育の不傭を 物語っていると思う。耳を通じての学習ではなく,昔ながらに文字を通じての学習が行われている 結果であることは明らかである。その一つの原因は,恐らく一部の人たちを除けば,音声学的た知 識と関心が薄いことではあるまいか。折角のrLの施設が余り利用されていたいという声もある。
われわれの年代で学生時代に音声学を本格的に習った人はごく少数であるらしいから,現在の英語 教師が音声学に余り興味を示さたいのも当然である。正T Oの報告の中ドも現に音声学上の述語の 誤りがあることは大学における音声学の軽祝を暗示しているような気がする。
英語教育関係の雑誌を見ても,音声の面を特に日本語と比較し,日本人の立場で分析し,日本人 が英語を学習する上に役立たせようとする論文は少いのではあるまいか。『3)英米人の考え出した 方法をうのみにする人が多くて,日本人のための英語教育法は日本人が考え出すべきだと思う人は 少いのではなかろうか。『現代英語教育」の「書きとりと発音」3)はその面で極めて現実的な積 極的な記事である。one−ac t p13yの中のac tが〔k〕も〔t〕もなく,〔第〕しか聞こえ欣
いことを生徒とともに確認しているのは立派だと思う。かくして〔aku t u〕ないし〔艶kh th〕の ような発音が矯正されるばかりでなく、このような事実の積み重ねによって体系的な音声指導法が 生まれなければならない。4)そこで筆者が数年前行ったh、、、i ngのテストの結果5)を再び取
り上げて考え直して見たいと思う。対象学生は約300人,これを設備の関係で50人ずつ6回に分け
て,同じテストを行った。テストの方法は,まず各自のテープに教材を録音させ,次に原文をプリ ントしところどころ一単語を抜いてブランクにしたものを配布し,各自が一定時間内に思い思いにテ ープを再生しながらプランクを埋めることであった。
教材は次のようなものである。
He swi ried so fast ( ) not a d rop of rain fe]1 on hi㎜.
The rain fe11 ( ) and harder.A11 ( )
tbe boy everyt11i l1g was wet・ But he himse]f was as dry
( ) before.
Th・f・th・… w tbi・a・d・・id,1,Y・・わa・・d・・e y…
work best of a l1. The・house is ( ).l1
The two older brothers also thought that the youngest brother ( ) the best of a]1. They were satisfied
( ・ ) their father■s decision.
But the youngest brotber did not want tHe house a】1 ( ) himse1f. He wanted to share ( ) wi th
his brothers. So, they・( ) ]ived happily together。
このh ea r i ngのテヌトは,結果的にはmi s he a r i n gの調査となった。学生の約半数は英
語の一般的能力が低いはカニりでなく,今までに実際の英語の音を聞いたことがなかった口従ってそ の解答は彼らの耳に伝えられた聞き馴れない音の率直な再現であった。意味を理解した上での一単な るs pe11i n g の間違いと見なされるものはすぺて除外し,完全な聞き違いだけをまとめて整理 すると,次のような結果になった。
聞き違 実際
えた音 の音
〔t〕 〔o〕
〔S〕
〔Z〕
〔P〕
〔d〕 〔O〕
〔9〕
〔b〕
〔t〕
実際の一単語(前後の単語)
(acmss)the
㎞th(a)
s ince (thi s)
dr・p・(・f)
as (bef ore)
○胴S)uP
Witb(a)
there 辿at
(captai n)93ve
(started)back front
have to
聞き違いを現わすspe川ng
cost,crost,croft,&c.
bu t,a t,wh at,Pu t,&℃・
Se叫
graf二・9ro f工 a工・i工
at,out,that
god〃。d・h糺伽・
亘ay 旦id
d ave,dead,deave,day,&c.
亘a汰
fomLfa㎞
had
78!
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P12,
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71
戸
5」
1117
441
32.
22,215
87 24 19
12
一2一
〔工〕
〔f〕
〔r〕
Sure1y nai1s
Wi辿ha1f (of)
trade
shou1d made
WOα,
h迫 t畦y
5:
41
1
101
7i
11160
〔9〕 〔W〕
〔d〕
〔V〕
←fid)with
(few)drq〕s
Of rai皿gaVe (the)
屋・d
graps.graft。&c・
grain,9ren bag・bac
651 30−
1。・≡ 1
.!、、j、、。
〔v〕 〔f〕
〔t〕
ha1f (of)
al l to i t紡i th)
have of of
1O i 3!
70
13」 83
〔m〕 〔n〕
〔1〕
聾ar
nai lS fe棚Cj皿g
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nai l s
mayOrm已rem三a1mヨ,&C.
nlales∫n巳als,n=lade,&c.
S㎝創hi㎎血・
n聖
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n響S
25
17 20 10
3, 75−i
l!、1、。
〔s〕 〔f〕
〔d〕
〔o〕
(・)f…1㎎
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f帥 fo㎜d indeed thi吐 mi th
亘(mething.s0丁記 thiI1k as.has t,fas t,ask
s1〔㎜地,s1出,sn㎝能,&c.
ho阯se,has
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sound in tbiS
si皿k Smi SS24
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2一」 56 1
51
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〔Z〕 〔O〕
〔1〕
〔t〕
〔V〕
〔d〕
〔9〕
wi th(a)
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(aH)to Of rain indeed
(captain) 9ave
柵S,aS
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生e the rain i皿this they
6!
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5ノ 「
63
〔nt〕 〔1〕 ㎡リ(富・・)
Want.W(m t451
〔0〕
〔d〕
〔b〕 〔w〕
〔d〕
〔9〕
〔W〕 〔r〕
〔f〕 〔s〕
〔P〕
〔b〕
〔k〕 〔P〕
〔f〕
〔t〕
〔P〕 〔t〕
〔f〕
〔W〕
〔n〕 〔O〕
〔d〕
〔1,r〕〔d〕
〔V〕
smi th
・・i皇
仕㎜)with
(y㎝)what
(shoe)wi th indeed
(f ew) d r ops
(capt ai n) 9ave
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agreed
cross (the)
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except drops
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㎞th
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i ndeed
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S皿正nt,血児ant Sent
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」生een・りe りr㏄ks bag,bac
which,watch,&c.
即…9岬・g叩・
c r o f t.c ra f t,c ough,&c.
af ter,enough
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… 6,1
111 81
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21
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8〜
3 56
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6
3 31
31
251 51
・」・1
21
6
3 30
「
9 7
18
4
l!
ゼロ 〔r〕 cross the f工㎝t st ruck ・g王eed St王an煕r t工ade
〔n〕 h型d ieamed〔h〕 He found haVe t0 虫㎞
〔s 〕 st ruck
〔P〕 heaped 〔d 〕 k i ndness
〔 t〕 exceP t (αle)cost,coft.cough,&c.
f舳t.fun,fent,f㎝d,統.
t ack,t o d{,s t ock
gee Stanger taid h射 rad・rag
i f㎝e
a f t e r I ou t,a s
and
tack,track,took&c.
heat
kinenes,ki皿es excep
52
45
72
11/ 108
661
・∫閃
二1/、29 11
52 298
上の表で気が付くことは,聞き違えた音と実際の音とは調音点が共通である場合が多いことであ る。すなわち〔O〕,〔s〕,〔z〕を〔t〕;〔O〕、〔t〕,〔1〕を〔d〕;〔1〕,〔t〕を〔z〕;〔1〕.
〔d〕を〔n t〕と聞くなどである。〔w〕を〔g〕と聞いた伊蜥非常に多いのは興味ある事実である。
〔w〕がb i1ab i a lであると同時にve l a rでもあることがこのようた結果をもたらすものと思 われる。6)中世のフランス人がゲルマン語のw,d j。,w、、d、、,w,r、、,w,kt、、などを
g a ge.g a rd e r,gu e r r e,gu e t t e rとして輸入した事実ア)を考え合わせると,ゲルマン語
の〔W〕は過去も現在もVe1a rの要素が強く,日本人の耳にも〔g〕と聞こえるのがむしろ当然 なのかも知れない。とにかく英語の〔W〕は日本語のワ行音とは比較にたらないほど強いひびきを 持った音であることを,今さらながら痛感させられる。
次に気が付く点は,閉鎖・破擦・摩擦など,調音の程度が共通している場合が多いことである。
すなわち数の多い順に,〔m〕←〔n〕;〔s〕←〔f〕;〔9〕←〔d〕:〔f〕←〔s〕;〔d〕
←〔g〕;〔t〕←〔p〕;〔k〕←〔p〕;〔d〕←〔b〕;亡p〕←〔t〕など。末尾の音の〔p〕
を〔t〕と聞いたのは〔p〕が内破的で,実際にはほとんど聞えないためではなかろうか。また語頭 の〔p〕を〔k〕と聞き違えたのがn例あることは,全く意外な現象である。閉鎖音に伴う帯気性の みが印象に残ったと考えてよいであろうか。
〔m〕と〔n〕の間違いが圧倒的に多いが,これは調音上の差異が区別できず,鼻音性のみを聞い たことを示してい糺次に多い〔s〕と〔f〕の誤りは,ロンドン。ockneyの〔fエP〕(th1ng),
〔f、θ五〕(t h、、e),〔fヨ、t〕(t h i、、t)8)やアメリカ南部の黒人の〔b o,f〕(b.t h)9〉を 連想させる。これらの事実を逆用して,発音指導を行うことはできないだろうか。
さらに注目すべき点は,〔r〕を〔W〕に聞き違えた例が31もあったことである。英語の〔r〕が 円属性があり,半母音的であ40)ことを強調すべきことが削る。
英語の子音のきこえ度(、。、。、i。。)は,兼飛甑の実験結果11去整理しなおすと,以下の ようになる。
一5一
1工1〕68.5 2騎〕67.6 3.〔j〕67 4.〔5〕60−8 5.〔d〕66 6。〔b〕65.8
7』二m〕65.7 8j:v〕64 9.〔曲〕63,8 10」:n〕63,6 11一〔g〕63,6 12.〔∫〕63.1 13」〔w〕62,3 14.〔r〕61,3 15工k〕59,2 16」=z〕59.1 17一〔h〕59 18.〔t∫〕58,9 19』二t〕57∫ 20.〔O〕57−3 21一〔P〕56 22.〔O〕56 23.〔hw〕56 24工s〕55,4 25.〔{〕544 (単位は7オン)
すなわち一番よく聞こえる音は〔1〕で,一番聞きにくいのは〔f〕であるが,筆者のテスト結 果で聞き違いの少なかった順に子音をならぺると,
1工b〕20例2.〔・〕23例3.〔g〕28例41〔・〕32例5〔O〕33例6〔p〕59例
7.〔t〕62例 8.〔d〕64例 9.〔b〕70例10.〔w〕94例11』:1〕1OO例12工s〕1O1例 13.〔r〕141例14、〔n〕148例15.〔f〕148例16工O〕248例
以上のように,〔f〕が間違いやすいという点ではきこえ度の調査と一致しているが,他の音に 関しては大分違った結果を示している。兼子氏の実験は恐らく機械によるものであろうが,これは 日本人の耳による印象,いわば主観的なものであるからであろう。客観的なきごえ度も勿論それ自 体重要であるが,直接英語の発音指導に参考となるのは,非科学的に思われるかも知れないが,む
しろ日本人的なひずみを含んだものではないだろうか。
このテストは誠に大ざっぱで,また貧弱で,その上方法についても色々問題があるから,残念だ がら何ら決定的なことは言えないが,英語教師は〔1〕と〔r〕,〔6〕と〔s〕の区別くらいで満足 することなく,もっと細かい神経を他の音にも使って指導すべきことは明らかになったと思う。英 語音の日本人的解釈をもっと正確に調査するためには,例えばローマ字は正しく書けるが英語はま だ学習したことのない小学生などを対象に聞き取りテストを行うことが考えられる。しかし聴き違 いの現象をこれ以上深く探求することは,音声学的な興味を満足させることはできるけれども,果
してどれ程英語教育に役立つかは疑問であるかも知れない。正常な聴力を持った者にとってさえ,
〔t〕が〔p〕にも〔k〕にも聞こえる可能性があるということは,外国語の聴き取りは,単に音の みに頼っていても解決されず,そのC on t eX tを正確に把握することの重要性を示している。そ のためには,音声の面のみではなく,英語の総合的な能力が要求されることは言うまでもなかろう。
‡ } } ‡ ホ
ある学生に英文を読ませたところabout two or th ree hundredの発音がどうもお
) ) )
かしい。ab ou t two o r t h r e eという具合にs t r e s sがずれているのである。twoと
ノ ㌧ソ ノ ) ノtbreeを強く言うとabout two or threeとなってaboutがいけなくなる。一bout を強くすると,次のtwoがどうしても弱くなってしまう。5,6回やらせてできないので,あき らめて止めてしまった。
一体この原因は何であろうか。またどうしたら矯正できるだろう。ただこの学生は音痴だという 診断を■Fすだけでは,少々無責任だと思う。原因は日本語のアクセントの組織にあるに違いないが,
その前に考えられることは,先ず第→こその学生は英語のS t r e S Sを正しく判別できないのだと いうこと。第こに判別はできるのだが自分の発音が思うようになら欣ということである。
一6一
第一の可能性が一般的に存在するかどうか,また存在するとしたらどの位の割合で存在するかを 調査するために次の実験を行った。上に述べた聞き違いテストに用いたのと同じグリムの「三人兄 弟」の1節,120語ばかりを各自のテープに録音させ,原文をプリントしたもの,今度はプランク なしのものを渡して,やはり一定時間内に各自のテープを再生しながら自分の判断で強く発音され ていると思う単語にO印を付けさせたのである。ただ強い所に印をと言っても,程度問題でやりに
くいから,各行ごとにそのO印の数を限定した。例えば第1行は4箇所,第2行は5箇所を選ぶこ となど。最後の1O行目は単語が一つしかないので,9,1O行合わせて5箇所というふうに,あらか じめ決めておいたのである。
次は学生の答案の1例である。
0 0 0 0
1)Hヨtock o口t six1ittle golden horseshoes fr㎝his p㏄ket.He quick1y fitt刮the
o o o o o
2)beewith the littIe horseshoes,one for each f⑪ot.He fastened eaeh sh㏄with
O 0 0
3)tw㎝ty・…㎝1ittl・mil・・A11thi・timth・b・・h・db・㎝flyi㎎・b・・t.
O O O O 0
4)IIS pl㎝did!Il cri刮the father・ 1IY ou have d㎝e y㎝r work as wel l as your brother.
5)Well,r don■t㎞㎝whiεh of y乱㎝ght to煕t the h㎝se.一1
6)Th昌・・f㎝d。・p。・f・£・b・g・・t・f・ll.Th.y㎝艮。。tb。。。。。。。g。。。。d。呈d.
7)IlN蒜、工111・h㎝Wwhεtfh…1・・m曲。■IHεd。・。α、thi。。w8.d.H。砧gi・
8)。・㎜d.b。。。h臨、。。d。。t.d晶・f。ヨ言。f.l1㎝hi.h。。d.
9)Th・・昂・・㎜d㎝h・品・・.Th・b8y・・。㎎hi。。w。。d。。撮。。d。晶d.b。。。hi.
1O) head.
上のような解答を便宜上Aクラスから30枚取り,各行ごとに整理すると,例えば第1行は次のよ うになった。
諾・・t…㎝t・i・li・tl・・。1・・{・・…㏄・f・㎝・i・・・…t・…i・・1・・i舳・・
I O O
O ○
2 0 0 3 0 0
4 0 5 0 0
○ ○
○ O O
O O O 6 0 0
7 0 0 8 0 0 9 0 0 1o O O
○ O ○ O ○
O ○
○ ○ 11
12 0
13
○ O O一7一
諾㎞伽・㎝t・i・littl・商㎞・・㈹㎞・i・・㏄㎞出納・舳舳
170
○○O O○
1800 ○0
1900 20
22 00
23 0 24 0 0 26 0
○O
○○28000 ○0
290 300
○○計0197173 9 81024122 70
土のように作った表のO印を各単語ごとに数えて出た数字は,次のように面白い結果となった。
1)Hい。て汰㎝t six litt1e golden horseshoes fr㎝his p㏄ket He quickly fitted the
0 19717 3 9 8 1 0241 22 7 0
2)beewi≡h the1ittle horseshoes one for each foot He fastened each shoewith
1O OO lI 3 25 114130 29 1413 0
3) twen t y−sc、円n l i t t l e na i l s A11 th i s t in正 t he bee had been f I y i ng ab ou t
12 6 8 203 8030 4 20 1
4)S p1endid cr i ed the father Y ou have d㎝e your work as we11as y㎝r brother
29 2I 0 6 3 2 23 5 16 1 7 1 1 205)Well I d㎝lt㎞wwhich of you㎝ght to get the house
412612577301501
6)Then a fewdr叩s of rain began to fa−l The youngest boy sprきmgup and said
4 05 10 019 180 4 1 28 4 13 5 0 8
7)N(w I■11sh研youwhat T have leamedHedr冊。ut his swordHe swung it
30 19 10 0 2 18 3 3 6 19 10 3 I3 2 25 5
8)ro㎜d ab㎝e him a』1d not a drop of r日in fell on his head
11 82000291128008
9)The rair■came d㎝皿harderThe bqy酬ung his sword round an」round above his
01388300115002922580
一8一
1O)head 4
面白いと思ったのは,大体S t r e S Sの強い所は数値が高く,弱くなるに従って数値が低くなっ ていることである。こういう結果は考えて見れば極めて当然のことかも知れないが,とにかく学生 は概して正確にSt reSSの判別ができる,と云えることになると思う。
しかしよくその椥直の割合を検討すると,次のような一般的傾向が分る一 1)p i t chの高い所は多少s t r e s sが弱くても強く感じ,逆にp i t c hの低い所は多少・
St reSSが強くても弱いように感じる。
例1.
例3.
例5.
例7.
第2行 1i川ehnrSeShOeS
11 3
第4行 criedthefather
21 0 6筆5行 9etthehouse
15 0 1第9,1O行 地。vehishead 8 0 4
例2、第3行 flyi㎎痂。t
20 1
例4.第5行 Id㎝■t㎞cw 12 6 1
例6.第7行 have le3med 3 3
例1と2の二つの一単語,例3と例5の動詞と名詞,例4のd{川 tとkηow及び例7のa b ov eと h e adはそれそれ同じ程度のs t r e s sがあると思われるのに,いずれも前の話すなわちp i t c h の高い方が断然数値が高くなっている。また例6の場合はl e a r n edの方が強いのに,h av eと 同じ数値を示している。
2)弱いs t res sの次に急に強いs t res sが現われると,その次にさらに多少強いs t r ess が現われてもそれほど強く感じられない。同じくらいの強さのStreSSが続くと,後の方が弱く 感じられる。
例L 第1行 倒2.第2行 倒3.第6行 倒4.第7行
tOdk out six −itt1e go1den horseshoes
19 7 1? 3
H e fas te rled each
0 29 14 boy sPrang uP 4 13 5 H三drew out
6 Ig IO
9 8
例1のtookと。ut,例2のfastenedとeach,例3のsprangとup,例4のdrewと。ut はどれも同じ程度のs tressがあるのに,数字は御覧の通りであるし,例1のgoldenと
h o r s fl s h・e sは後者が実際には幾分強いのに数字は逆になっている。
別の日にBクラスに対して同じテストを行った結果は,Aクラスとは多少異ったものとなった。
比較する都合上やはり30枚の答案を取り出し,前と同様に整理すると,次のようになった。
1)He took o11t sixいttle golden horseshoes fr㎝his p㏄ket He qu1ck1y fitt討the
1 181119 0 9 10 00 24 2 24 5 0
2)beew1tb出εlitt一εhorsesb㏄s㎝e for each foot He f3stened each sh㏄w川1
8 0 0I5 10 2511433 30 24110
3)twenty−seven l i t t le na i l s Au t hi s t ime the bee had beerl f1ying about 16 5 9 23 5 16 0 4 0 1 28 5
−9一
4)Sp lendid c ri ed the father You have d㎝e your work as we11as your brother
20 13 3 11 2 1 26 7 17 1 13 1 2 14
5)Well I d㎝・t㎞㎝which of y㎝㎝ght to get the h㎝se 11 10 9 4 25 2 6 5 1 15 0 4
6)Then a few drops of ra i n began t o fa11 The y ounges t bqy sprang uP and s a id
lO O 1 15 0 14 9 0 3 0 29 5 20 14 2 18
7)N㎝r I I l l sh㎝・y㎝what I have1eamed He d r㎝out hi s sword He s、柵mg i t
27273 1122119 2132030244
8)round above him㎜d not a drqp of rain fel l on hi s head 20 13 6 0 4 0 28 0 9 7 1 2 1
9)The rain伽d㎝hardeピ皿e boy舳ng his sword romd and md ab㎝e his
0 7 5 4 28 0 10 19 0 4 30 2 30 2 0
10)head 8
Aクラスに対して実施した時と同じ条件のつもりであったが,こちらが罰れたためか,学生に準 備させるのにそれ程暗闇が掛からず,手際よく行ったので,Aクラスに与えた時間が20分足らずで あったのに対し,Bクラスの場合は25分を少々越える結果となった。この5分か6分の差が前より も良い成績を生むことになったように思う。そうした点を幾つか拾って見ると,
Aクラス Bクラス
第1行 tさ。kふs1xgらld・nh6・…h…
第2行 1…ttleh6rsesh㏄s
o e for e4ch fδot
f6stenede6chshもe 第3行f1今i㎎ ・bら・t
第4行 cr油thef;ther
第5行 壷tthehホse
第6行 spr全g名P第9,1O行ab㌦e his h6ad
19−7−17 18−11−19 9−8 9−10 11−3 15−10
25−1−14−13 25−1−14−3 29−14−13 30−24−11 20_1 28−5
21−O−6 13−3−11 15−O−1 15−O−4 13−5 20−14
8−O−4 2−O−8上に示したように,幾分良くなったとはいえ,Bクラスの場合もAクラスと同じような誤りを犯 している点は変りがない。少数の異常な解答,例えばAクラスの第1行のf r om,第I行と第7行
のHe,Bクラスの第1行,第2行のHe,第4行のt heなどにO印がついている例は,そうなった原因について,音声の流れについて行けずにずれてしまったものとも考えられる。しかし中には不 真面目な無責任な態度の現われと見なすべきものが混っていたかも知れない。従って少数の異常な 例を取り上げて,日本語と英語のアクセント組織の差異に関係づけようとするのは無意味であ一ろう。
とにかく全体的に見れば,子音についての聞き違いのような極端な傾向は,S t re S Sに関して は発見されないと思う。上に述べた二つの大きな弱点も,A,B両クラスの数値の違いから想像さ れるように,時間をかければ比較的容易に是正されるに違いない。
さて以上でS t r e S Sに対する聞き違い現象については余り心配がないことが判ったが,次に実
際自分で発音する場合,自分の意図通りに,または指導される通りにStreSSを置くことが,果
一10一
して識こでも容易にできるものであろうか。
上に用いたのと同じ教材の句や節の切れ目にポーズを置いたものを各自のテープに録音させ,そ のポーズの所へ各自の音声を直前の例にならって吹き込ませて調べて見たが,はっきりした結論は 出せない。もとの英語の発音と学生の発音とを機械で測定し,比較分析することができれば面白い
と思う。筆者の耳で判断したところでは,大部分の学生はお手本通りにS t re S Sを置くことがで きるようだ。ただし,1例をあげれば,as we l l asの場合にwe l lに特にs t r e s sを置か ず,ただa sよりも僅かにp i t chを高めるだけで,強弱の差のない平板な発音をしている者が多
い。a Sに○印を付けた答案があったのも,原因はそこにあるのかも知れない。結局は日本語の
intonationがstressよりもpitchの差によって成り立っていることが根本的な原因で あろう。また少数ではあるが,工d㎝It knowが「強弱弱」であるのに「弱強弱」式に発音し U ・ U ノ )
ている者があった。これこそ,冒頭のabou t two o r t h re eと関連するのではなかろうか。
世界には昔から3拍子の曲が発達していた国が多いのに,日本には2拍子ばかりしかたく,その 点では一単純で原始的である,ということをある人から聞いたことがある。工d on t kn owと
、ソ \ /
ab ou t two はそれぞれ「強弱弱」と「弱強強」または「弱弱強」の3拍子になっているのに.
) ) ) ノ )
それを2拍子セ表わそうとするから,I d on t kn owやab ou t twoなどが生じるとは考え られないだろうか。
) ノ )
ab ou t t wo 式の発音は関西に限ったことではない。関東でも何度か同様の癖を聞いた覚え がある。大抵の者は少しの努力によって是正されるが,少数の者にとっては絶望的に困難である。
その点に関しては,関東も関西も同じであるらしい。異った方言を身につけているとはいえ,やは り日本人に共通なリズム感覚に支配されているのであろう。
日本語のアクセントと英語のアクセントの違いはと言えば,大抵の人は,日本語は高低アクセン トであるのに英語は強弱であると答える。しかし日本語にも強弱の要素が含まれているから,この 事は英語学習の上にそれ程障害にはならたいと思う。筆者の考えでは,アクセ:/トについての日本 語と英語のもっと大きな違いは,前者に2段階しかないものが,後者には4段階もあるということ である。例えば
XoX oX X ×oX Xo o OO
l h a r e ru l(晴れる),l s o r a ga ha re ru l(空が晴れる),l k i r i ga h a r e
X
rΨ1(霧が晴れる)のように,一単独の場合にl x.x l「低高低」の型をなす動詞は,前に低い
X o X O
l g a lが立つときはそのまま保持されるが,高いl ga lに引かれて第1拍1ha1がl ha lにな ○
ると,第2拍1relはもはやそれ以上高くなることができず,結局第1拍と第2拍は同じ高さトなり,単独のときの型は失われる。あくまで本来の型を保持しようとすれば,l ga lの次に休止 が生じるのである。
X o O X O X
l k i r i g a,h a r e r u l(霧が,晴れる)
X o
つまり休止を置かなければ,l ha lとl re lの高さの差を保つことはできないのである。
英語には,例をあげるまでもないが,
) ノ 、 )) へ ・
TheWhite H㎝se is a white h㎝se・
のように1ノ,〈,㌧}!の4段階もあるから,一且強くなってからまたさらに強くなること
が頻繁に起こり得るのである。英語に馴染めたい日本入は,a b ou tをa−ba−rt oと4拍に発 音しているかも知れないが,その日本語的アクセントはl b u t a n i k u l(豚肉)や1 ame d a
ma l(飴玉)などと同じく,ごくありふれた1舳。 o1型で表わされる。これだけでも問題がな いわけではないが,とりあえずこれまでは英語に近いものとしよう。ところがその後がどうにも続 かないのである。l XOO・1の高い後へもっと高いものを付け加えることはできないから・強いて o × × × o ×
差を付けようとすれば逆に下げるか,またはl rb a−u−t o t u−u lのようにする他ない。
以上は日本人でも東京地方の人について言えることであるが,他の地方の別の方言に属する人に ついてはどうであろうか。今,京阪方言の例を取り上げて見ると,
OO× O00 00× O×X XO×
lhitori」(1人),1 oso i hitor一(遅い1人),lwakパi hitorリ
(若い1人)12)
単独の場合r1人」は1・ 1であるが,このi hリは前の語のアクセントの高さをそのまま受け 継ぐ性質がある。これは東京方言の例でさきに説明した中にもあったように,単語の連接に際して
000 00× 00
起こる日本語に共通の現象がも知れない。l I os o I i lとl h i t o r i lが相接すると,1 o s o
o O 00× 00X
・i lの1・i lはl h i t o r11のl h i lと偶然同じ高さであるから・l h i t o r i lは一単独の場合
oX× OOX OO
型をくずさないですむが,lwaka i lの後に来るとそうは行かない。l hi tor i lのlhi tol
o X X × X
はl wak a i lの1 i lと同じ高さを保つと同時に,後続のl r i lより高くなければならないの
× O X O X
である。そこで本来の型を破り,l h i t o r i lのようにl t o lを一旦上げておいてからl r i lを下
げるという結果になる。とにかく了クセントが高低の2段階しかない所でやりくりするのであるか ら,一度上がったらその上さらに上がることはできないし,一度下がったらそれ以上低くなれない のが,日本語のアクセントの重要な特徴であると思う。
色々考えて見たが,英語のi m t on a t i Onを習得するためには,リズム感覚と音階に対する順 応性がいかに必要であるかを痛感せざるを得ない。それには楽器を利用することが効果的ではない だろうか。
注
1) 「英語教育」第18巻第6号,1969大修館
2)楳垣実「日本外来語の研究」昭和38年研究社 96ぺ一ジ以下参照
3)若林俊輔r書きとりと発音』「現代英語教育」Ap r i 11968,研究社,35ぺ一ジ 4)鳥居次好・兼子尚道著「英語の発音_一研究と指導」1967大修館書店62ぺ一ジ以下に はかなり詳細な組織的な指導法が示されている。
5)川本崇雄「英文に現われる子音の異聴率」「音声学会会報」第116号で要旨を発表した。
6) I,The fo㎜t i㎝of W my be expressθd short1y by defin1ng the so㎜d as a1abi oI
ve1ar s01口i−vo〃e1 ,19
Daniel Jones.A口Out1ine of English Phonetics P・206
?) A1bert Dauzat,几es6tapes de1a二雌j型陸と旦…,Presses Umversltalres de FrきmceP.34
一12一
8)C1audeMert㎝Wise,ApplidPh㎝etics・1957Pr帥ic開a11,Inc王・253
9)同上299ぺ一ジ1O)A.C.Gim;on,An Intrducti㎝to thePr叫u向。iati㎝o{Eng1ish.1964r㎝don,
P.201参照
たお今井邦彦『音の聴き取りと意味の聴き取り』「英語教育」第18巻第7号大修館には ホThe冊thωyie1ded god without.κresults)の例がある。
11)鳥居・兼子31ぺ一ジ