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「絵本の読みあいにおける大人の役割とは? : 幼児と母親の絵本の読みあい場面の観察研究からの示唆」報告(2014年度 聖学院大学総合研究所 : 【子どもの人格形成と絵本】研究プロジェクト 子どもの育ちと絵本研究会主催 絵本研究講演会) 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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「絵本の読みあいにおける大人の役割とは? : 幼児 と母親の絵本の読みあい場面の観察研究からの示唆

」報告(2014年度 聖学院大学総合研究所 : 【子ど もの人格形成と絵本】研究プロジェクト 子どもの 育ちと絵本研究会主催 絵本研究講演会)

著者 齋藤 有

雑誌名 聖学院大学総合研究所Newsletter

巻 Vol.24

号 No.2

ページ 16‑16

URL http://id.nii.ac.jp/1477/00002780/

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Title

「絵本の読みあいにおける大人の役割とは? : 幼児と母親の絵本の読みあ い場面の観察研究からの示唆」報告(2014年度 聖学院大学総合研究所 :

【子どもの人格形成と絵本】研究プロジェクト 子どもの育ちと絵本研究 会主催 絵本研究講演会

Author(s)

齋藤, 有

Citation

聖学院大学総合研究所

Newsletter

, Vol.24No.2, 2015.1 :16-16

URL

http://serve.seigakuin-univ.ac.jp/reps/modules/xoonips/detail.php?item_i d=5257

Rights

聖学院学術情報発信システム : SERVE

SEigakuin Repository and academic archiVE

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16

報 告 報 告

 本研究講演会では、母親と幼児期の子どもの間 でなされる絵本の読み合いを対象とした観察研究 および実験研究によって得られた知見をふまえ、

幼児期の絵本の読み合い場面において大人が果た す役割について議論した。

 まず、本研究の出発点として、岡本夏木著「幼 児期―子どもは世界をどうつかむか―」(岩波新書、

2005)に触れた。現代の子どもは早くから効率を 求める大人社会の強大な圧力にさらされて、出来 事とじっくり向き合い、そこにある意味を自分自 身で見出そうとする力が十分に育まれていないと いう岡本氏の指摘から、講演者は、日常的に母親 と子どもの間で行われている絵本の読み合いは、

子どもが絵本の世界を繰り返し旅し、そこにある 意味を時間をかけてじっくりと見出す体験のでき る格好の機会なのではないかと考え、そこでの母 子相互作用に着目をして研究を行ってきたことを 紹介した。

 そして、絵本の読み合いの観察研究では、子ど もが率直な驚きや疑問を呈する行動を、子ども自 身が絵本の世界を意味づけようとする試みと考え て抽出し、その驚きや疑問に対する母親の反応を 分析した結果を発表した。そこでは、子どもの驚 きや疑問に共感し、子ども自身に考える余地を残 すようなものと、子どもの驚きや疑問に対して答 えを明示するようなものとがあること、次の読み 合い場面の観察からは、子どもは、母親から共感 的で考える余地のあるような反応を得た同じ箇所 で、繰り返し自発的に反応し、その驚きや疑問を 追及していくことが明らかになった。このような 実証データから、幼児期の絵本の読み合い場面に おいて、子どもの意味づける力を育み、援助する ためには子どもの疑問や驚きを大事にする大人の 関わりが重要であると指摘した。

 また、観察研究において、幼児期後期になると、

子どもと母親の読み合い中の言語的な相互作用が 減少し、絵本に書かれたテキストを読む朗読中心 になることも明らかになった。そこで講演者は、

朗読の質による子どもの物語理解の違いについて 検証した実験研究を紹介した。すなわち、大人が 感情をこめ、抑揚のある朗読をした場合に、感情 がこもらず、抑揚のない朗読をした場合よりも、

子どもの物語理解、特に、登場人物の気持ちの理 解が促されたという結果を紹介し、母親のことば かけや言語的相互作用がなくとも、読み手の心の こもった抑揚のある朗読が子どもの世界を意味づ ける援助になっていることを指摘した。

 最後に、現在行っている乳児期における読み合 い場面の観察研究のデータの一部を紹介し、乳児 期における読み合いは、最初、絵本を読みたい母 親と、絵本を食べたい子どもの間で葛藤があるが、

次第に母子相互作用が調和的になり、絵本を読み 合うようになることから、絵本が子どもにとって 意味あるものになっていく発達的プロセスについ ての検証を今後の課題として発表を終えた。

(文責:齋藤 有 [サイトウ・ユウ] ルーテル学院 大学総合人間学部助教)

2014年度 聖学院大学総合研究所

【子どもの人格形成と絵本】研究プロジェクト 子どもの育ちと絵本研究会主催 絵本研究講演会

「絵本の読みあいにおける大人の役割とは?

~幼児と母親の絵本の読みあい場面の観察研究からの示唆~」報告

    左上:齋藤 有先生(講演者)

    右下:石川由美子教授

参照

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