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曲げを受ける鋼

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(1)

長野工業高等専門学校紀要 ・第28 (1994) 51

曲げを受ける鋼 H形断面の 塑性限界幅厚比に関す る実験的研究

永藤壽宮 羽田政浩

(平成6930日 受理)

Experimental Investigation On Plastic Limiting Width‑Thickness  Ration Of Steel H‑Sections In Bending

Tosimiya NAGATO Masahiro HANEDA

Thelimitingwidth・thicknessratiosforyieldstrength,fullplasticstrengthand plasticanalysisarealsoin月uencedbythecouplingofflangeandweb.

Inthispaperthelimitingwidth・thicknessratiosforplasticstrength ofsteel H‑Sectioninbendingareinvestigatedbytheexperimentofwellselectedmodelsfrom readymaderolledsteelsH‑sections.Testresultsarediscussedbythecomparisonsof thecu汀entdesigncodes.

1. ま え が

現在の道路橋示万雷を力学条項の拠 り所 としている r鋼構造物設計指針Jは,鋼構造一般 の設計 に用いるので,道路橋以外の構造物 には安全側に偏 ってしま う傾向にあ り・,以下 に述 べ る規定については修正を必要 としている.

1) 断面構造要素の幅厚比に関 しては塑性解析限界幅厚比,塑性限界幅厚比及 び降伏限界 幅厚比 の規定.

2) 部材座屈に関す る細長比 に対 しては,塑性解析限界細長比 と塑性限界細長比 の規定.

ただし塑性限界細長比 は,中厚肉断面部材に対 しては降伏限界細長比 とす る.

そ こで本研究では,現行の許容応力度設計法において強度の基準 となっている初期降伏強 度から終局強度間での挙動特性 を整 えるために必要な板要素の幅厚比の塑性限界 につ いて検 討するために実験 を行 った.

2.実 験 概

(1) 構造区分

骨組構造 の構造区分 は部材断面の局部座屈に関す る幅厚比パ ラメータと部材の細長比パ ラ メータに応 じて分けられる.図‑ 1では最 も詳細 な構造区分を模式的に表 している.領域1 と領域2に対 して適用する構造醸析法及び強度照査法は以下の通 りである.

●長野工業高等専門学校 環境都市工学科 助教授

= 東 日本鉄工株式会社

(2)

52 永藤詩宮 ・羽田政治

領域1:極厚内のス トッキ‑な部材によ り構成 された構造で,塑性解析

(塑性設計法)の適用が可能な 領域

領域2:厚肉断面のス トッキ‑な部材に よ り構成 された構造で,構造解 析 は弾性解析 によるが断面の塑 性強度 について照査す る.

領域3:厚肉断面のスレンダーな部材に 構成 された構造で,安全照査式 と塑性断面強度について照査す る.構造解析は弾性解析 による.

領域4:中厚肉断面のス トッキ‑な部材 で構成 された構造物で断面強度 は降伏強度にとる.構造解析は 弾性解析による.

]JqJt'YSB3uJaPt)7tSStJq3nqT3q1

Helberslenderne55OrI/r 図‑ 1 構造区分

領域5:中厚肉断面のスレソダーな部材で構成 された構造物で,部材の強度 については安定 照査式 と降伏強度で照査す る.構造解析 は弾性解析 による.

領域6:薄肉断面のス トッキ‑な部材で構成 された構造物で,局部座屈強度を照査す る.構 造解析 は弾性解析 による.

領域7:薄肉断面のスレンダーな部材で構成 された構造物で,部材座屈 と局部座屈の達成強 度を照査す る.構造解析 は弾性解析による.

(2)供試体

断面構成要素の限界幅厚比 として塑性設計限界幅厚比,塑性限界厚比が領域12に入 る ようなH型断面鋼を規定の構造用鋼材か ら4種類計8体 を製作 した.テス トパネルの断面諸 元を表‑ 1, フラソクとウェブの幅厚比 を表‑ 2,供試体Aの一般図を図‑ 2に示す.

表‑ 1 供試体のテス ト (ネル寸法 (2体平均)(cm) ‑ 2 フラソジとウェブの幅厚

供試体番号 A B C D

h 15.172 19.368 17.438 24.625 tw 0.662 0.570 0.480 0.553 b 15.078 15.020 8.963 12.353 tll 0.952 0.842 0.745 0.787 tE2 0.947 0.825 0.737 0.755

(2体平均)

フラソジ幅厚比 ウエブ幅厚比

B 0.576 0.275 C 0.381 0.295 D 0.509 0.370

(3)載荷方法

供試体のスパ ソ長 はすべて2mとし両点単純支持で支 え,載荷板 スパ ソ長16cm・58cm 点に2点集中荷重を載荷 し,テス トパネルを含む中央部分を等曲げ状態 とした.テス トパネ ルの両側の隣接パネルの支点側垂直補剛材の位置2箇所で,横倒れ防止枠により面外変位 を 拘束 した.載荷用装置は耐圧試験機200tを用いた.(写‑ 1)

(3)

IuJげを受け る網 目形断ITM).qJ.十川州 )I/比にrW・r/J七LW J研'3% 53

‑1

(4)測定項 目

位 :桁 の鉛直変位 はテス トパ ネルの両端垂直補 剛材部及 び中央点 のlt'i.抑 こLP,Htj刑・ない ずれ も上 プラソジ ヒ面に取 り付 けて測定 した. ( 3)

ひずみ :テス ト/1ネルにつ いてB(] Ll 1‑ 3に示す配位 で ひずみ ゲージなhIJIりト什Tて,

働 ひずみ測定韻 に よ り:糾 した.

】0‑8 110 ⊂l l10 ロ

1 .

上フラ ノL)(也什位tE 107

⊃072 75Cl⊂ 710⊂l

コ078 7601 790 【

Aプ 末世什t雨 (0)

‑ 3

コ48

⊃Ia コ47 50

⊂⊃44 コ18 51

⊃50

コ80 ⊃ 57 53【

コ 61 コ58 54【

ウ エ ブ 右

‑ 4‑ 3

つ I .コI は ⊂コ

つ 2 J̲ T I2亡>

⊂〕 l コI

⊃17 ⊂⊃21 25E:)

⊂⊃16 L 28 24ロ

上 フラ ンノ★

区ト 4‑ 1

E

173Z ■l l)ll Pl

Li m 1」 血 上L

E

]

図‑ 4‑ 2

秦‑ 3 初期たわみの最大値 (mm) 上 フラノジ 下 フラソジ ウエブ A 0.1 0.1 0,3 B 0.4 0.2 ‑0.4 C 1.0 ‑0.1 ‑0.3 D ‑0.4 ‑0.2 ‑0.6

(5)初期たわみ

テス トパネルの フラソジ及 び ウェブにつ いてメ ッシ ュ割 りを行 い初期たわみを測定 した.

各供試体 の フラソクとウェブにつ いて計測 した初期たわみの最大値 を表‑3に示す.供試体

Aの初期 たわみ の解析結果 を図‑5,図‑6に示す.

(4)

54 永藤毒宮 ・羽田政浩

(6)残留応力度

テス トパネルの断面寸法をもつ供試体 に鉄球を打ち込み,切断法で距離を コン タク トゲージ (1/1000)で測定 し算出 し た.残留応力度分布 は図‑7に示す.

(7) 材料試験

供試体のテス トパネルに使用 したすべ ての板 厚 (SS400)につ い て材 料 試験 (JIS5号試験片)を行 った.試験結果 の平均値を表‑ 4に示す.

S.0 2.5

.0

2.

.0

.0.a.Ll.LI,2rrLP

=▼

IBERH +R暮 FLRNGE

VrrLo.x= .1

FIG SH∩PE【F INITIRLDEFLECTION ‑5

4 9 4 9 4.8

トEIEFIN 4Ll● yE8

VNMLJ(I .3

FIG SHRP亡OFINITIRLDEFLECTION

‑6

‑ 4 材料試験結果

0 9

E ¢ u OTyl OTt

2.139EO6 0.283 3594.44 3342.55 4622.35 3i.5 (1) 荷重一桁たわみ

各供試体の荷重 と桁の鉛直変位の関係を図一8‑図‑15,に示す. ここで荷重は,作用モ ーメン トMを降伏モーメン トMyで徐 した無次元量で表 し,鉛直変位は桁中央断面の鉛直変 位か ら両側荷重載荷点の鉛直変位の平均値を差 し引いた等曲げを受 ける区間の変位量Yを, 同区間の降伏モーメソ トに対応す る鉛直変位Yyで徐 した無次元量で表 している.

(2)残留たわみ

測定方法は初期たわみの時 と同様に行 い測定 した.極限状態時での断面 の変形状態 におけ CLUIIUN■fl

L1 78I

・3 S 7 tT/W l・g

FIG. LC)RDIDEFLECTIDNCURVE I

‑ 8供試体Aの桁‑たわみの関係

CCLUNUNl∩●

I・0 3 15 7 【T/Tr) I・O

FIG. L(R【トDEFLECTIONCURVE

図‑ 9 供試体Aの桁‑たわみの関係

(5)

曲げを受ける鋼H形断面の塑性限界幅厚比に関する実験的研究 55

cEILUPIUN +Dr

0 3 ,5 ? tT/Tr〉 1・O

FIG. LCIRDDEFLECTIONCURVE

‑10 供試体Dの桁‑たわみの関係

CロLUHUN88I

I)D 3 S 7【T/Yl) 1・O

FIG. LORDDEFLECTICIN CURVE

‑12供試体Bの桁‑たわみの関係

M ・3 S 7 (▼′†1) l・l)

FZG. LFID‑DEFLECTleINCURVE ‑14供試体Cの桁‑たわみの関係

る各供 試体 の残留 たわみの最大値 を表‑5に,

LUNUN●DI

〇・〇 3 S ・? tT′TrI LO

FIG. しORt]DEFLECTIDNCURVE ‑11 供試体Dの桁‑たわみの関係

【OLlJMUNIa+

B・0 13 S 7t′Tl) l・O

FIG. L8RDIDEFLECTIE]NCURVE ‑13供試体Bの桁‑たわみの関係

【亡LUMUll*CI

M 3 S 7 lY/Yl) l・D

FIG. LCIElD‑DEFLECTIONCURVE ‑15供試体Cの桁‑たわみの関係 各供試体 の解析結果 を図‑16‑23に示 す.

解析結果 の図 よ り,下記(3)で述 べ る よ うに フラ ンジ とウェブの崩壊 はそれ ぞれ の幅厚比 に よる 影響 が支配 的要素 を持 つ と観察 で きる.

(3)断面 内の軸 方向直 ひず み分布

各供 試体 のテス トパ ネル中央 断面 の軸 方 向直 ひずみ の分布 を極 限強度 に至 るまでの各荷 重段 階 につ いて図‑24‑31に示す.供試体A

‑ 5 残留たわみの最大値 上 7ラシジ 下 フラソジ ウエブ

B 48.1 ‑5.3 ‑22.5 C 34̲.1 ‑5.8 「16.5

(6)

56

IBEFM ◆R暮 FLRNGE

VmAx王22.3

R1010al

永藤寿宮 ・羽田政浩

トBEFH 暮R● YEl)

VJW =‑2.5

FIG SHPECIFRESUDIRLDEFLECTION FIG SHRPE8FRESDUALDEFLECTZeIN

‑16供試体Aの残留たわみ (ウェブ) ‑17供試体Aの残留たわみ (フランジ)

トEIERH*D+ FLRNGE

VnAx=21.9

トE)11+D+ vEB

IITI3m。m霊心〇日▼

FIG SHIIPE8FRESUDIRLDEFLECTlDN FIG SHRPE8FRESDURLDEFLECT川N

‑18供試体Dの残留たわみ (ウェブ) 図‑19 供試体Dの残留たわみ (フラソジ)

I8ERN8B◆ FLRNGE

Vmaxコ41.7 トBERH●B* vEE)

Vmax=‑20.0

'‑'‑1I

3o・lI

>

三享

‑20供試体Bの残留たわみ (ウェブ) ‑21供試体Bの残留たわみ (フランジ)

18EM C● FL帥GE

V仙XZ27.3

..01..01..0IJIa1010al̲

8ERll+C● yEB

FIG SHRPECIFRSUDIRLDEFLECTION FIG SHflPECIFRESDUFILDEFLECTI8N ‑22供試体Cの残留たわみ (ウェブ) ‑23.供試体Cの残留たわみ (フランジ)

(7)

曲げを受 ける鋼H形断面の塑性限界幅厚比 に関す る実験的研究

[EFMfR●

2.0 10 .0 1.0 2.0 E t仰J)‑STRFuNCURYEtYED)

‑24供試体A(ウェブ)

IBEFM+t]+

2.0 1.0 .8 I.0 12.t) Ejb

LOFIDlSTRFllNCUFEYEIVEEI)

‑26供試体D(ウェブ)

I‑BEFIN●8

2O LC 8 11g 五〇 EJb L8fIEIIST帥 lNCURVEtVEB)

‑28供試体B(ウェブ)

ト8EFMIC●

2.0 1.0 .0 I.0 10 E LRDIST尺FllNCLJRYELYEEI)

‑30供試体C (ウェブ)

トE)EFMfR●A

/ ::'

i i

.;f

‑25供試体A(フランジ)

千零 .

図一27供試体D(フラ ンジ)

LpJ

‑29供試体B(フ ラ ソジ)

ト8EFIN8C+

∴ 脂 l'IT:tn

L帥D3TRFllNCIJRYElFL州GEl

‑31供試体C (フ ランジ)

57

(8)

58 永藤喜宮 ・羽田政治

供試体Dはフランジ幅厚比 が等 しく, ウェブ幅厚比が異 な り,供試体Bと供試体Cは ウェブ 幅厚比 が等 しく, 7ランジ幅厚比が異なるため, このこらづつの試験結果を対比する.

(》 供試体A,供試体Dについて 1) 供試体A

フラソクの初期 の最大たわみは,0.1mlnとな り無次元たわみ量 は,最大1/721.ウェブの初 期 の最大たわみは,0.1mmとな り無次元たわみ量は,最大1/1327となっている.

ウェブの荷重 ひずみ曲線 (‑24)に於 いて, 目盛 りの1.0は塑性域 に達 した ことを示 し てお り, この図二24竜は20tの時 に塑性域 に入 っている.それにひきかえフランジの荷重 ひ ず み曲線 (一25)では,18.75tの時 に塑性域 に達 してい る. この2つの図かち フランジ の方が ウェブよ りも先 に塑性域 に達 した とい うことが分かる.

この結果か らフラソジが塑性域 に達 した後 に,その影響で ウェブが塑性域 に達 した とい う ことが観察で きる..この事 は, フランジとウェブの荷重たわみ曲線 (‑ 8. 9)を比較 し て もわ か りる; ブラ与 ジ融 8.75tの時 に局部変形を起 こしてお り,そ の影響 を受けた ウェ ブが21.25tの時に局部変形を起 こし始めている事 か らも観察で きる.

破壊後の残留変形 は上 フラソジに於 いては,sin半波長の変形 となった.

2) 供試体D

フランジの初期 の最大たわみは,10.2mmとな り無次元たわみ量 は,最大1/295.ウェブの 初期の最大たわみ は,‑0.6mmとな り無次元たわみ量 は,最大1/385となっている.

フランジの荷重 ひずみ曲線 (‑27)では,22.50tの時 に一部が塑性域 に達 してお り, ウェブの荷重 ひずみ曲線 (‑26)を見 ると,おな じ22.50tの時に塑性域 に達 してい る.

この2つの図か らフランジ, ウェブとも同時 に塑性域 に達 していることが観察で きる.

この事 は, フランジ, ウェブの荷重たわみ曲線 (‑10,ll)‑に於 いて フランジ, ウェブ 共 に22.50tの時に局部変形 を起 こし始めていることか らも推測で きる.

破壊後の残留変形 は上 フランジに於 いてはsin半波長 の変形 とならた.

3) まとめ

A,D供試体の相違点で参 るウェブの幅厚比の違いは荷重 ひずみ曲線 (‑24,26)に現 れてお り,A供試体 は,最終段階に於 いてまだ圧縮側,引張側両方 とも同 じよ うにひずみが 生 じているが,D供試体 は,A供試体 はA供試体 に比べて ウェブの肉厚が薄 いため圧縮 フラ ンジの有効断面の減少が原因 となって ウェブの剛性低下が見 られ,図心軸が徐々に下 が って いるのがわか る.

変形能力す なわち塑性域 に達 してか らの直線の長 さを見 るとAは非常に変形量が多 く,D は変形量が非常 に小 さ.い ことがわかる. また,耐荷力 は,rADに比べて大 き く変形 しつつ も荷重 に耐 えていることが良 くわ かる.

これ らの結果 よ りウェブの幅厚比が小 さい程,す なわち厚肉部材でぁるほどフランジのひ ずみ拘束効果が減少 してゆ き,変形能力が高 くなるとい うことがいえる.

@ 供試体B,供試体Cについて 1) 供試体B

フラソジの初期 の最大たわみは,0.4mmとな り無次元たわみ量 は,最大1/181.ウェブの初 期 の最大たわみは,0.4皿 とな り無次元たわみ量 は,最大1/443となっている. ̲

(9)

曲げを受ける鋼H形断面の塑性限界幅厚比 に関す る実験的研究 59

7ラソジの荷重 ひずみ曲線 (‑29)に於いて23.75tの時 に,引張側 は既 に全体 が塑性 域 に達 しているのに対 し,圧縮側 は約半分 しか塑性域 に達 していない.主に引張側 の有効断 面が減少す ることによ り,有効断面 の中立軸が上昇す ると推定 され る.

しか し, ウェブの荷重 ひずみ曲線 (「28)に於 いて,荷重段階が増すにつれて中立軸 が 降下 していると観察 され る.す なわち圧縮側の剛性低下が始 まっている. これはフラソジ同 23.75tの時 に, ウェブ圧縮側 中央部 が塑性域 に達 していることか ら, ウェブの剛性低下 が著 し く,中立軸 が降下 した と推 定 され る. また荷重 たわ み 曲線 (‑12,13)か ら も

23.75tを境 にM/My1.0近傍で局部変形を起 こし始めていると推測 され る.

さらに荷重段階を進め ると,引張側 の塑性域 の拡大が始 ま り,それによって逆 に中立軸 を 上昇 させている.同時 に ウェブにもひずみ増加 が始 ま り, フラソクの剛性が もともと低 tLl で圧縮側 フランジの塑性域の拡大が顕著に始ま り,圧縮側 の局部変形を誘発 し, フラソクの ひずみ拘束効果によ りウェブの変形 を引 き起 し,′崩壊 に至 った と推定 され る.

また26.25t以降,荷重 ひずみ曲線がはば水平 で断面 を二等分す るよ うな直線 であ ること か ら,全断面塵性であると判断 され る.

破壊後 の残留変形 は上 フランジに於 いてはSin半波長 の変形 となった.

2)供試体C

フラソ̀ジの最大初期たわみは0.1mmとな り,無次元たわみ量 は最大1/424.ウェブの最大初 期たわみは,‑0・.2m とな り無次元たわみ量 は最大1/798となった.

ウェブの荷重‑ ひずみ曲線 (‑30)をみると,8.75tまでは弾性範囲内にあ り,剛性 を 保持 しているが,10tで引張側が塑性域 に達 していることがわかる.

これは,供試体Cの フラソクとウェ、プの幅厚比が相対的に小 さ く,す なわち圧縮部材 であ るためにフランジの剛性が大 きいので,圧縮側 フランジはひずえ拘束効果の影響が大 きいの に対 し,引張側 は拘束効果が小 さいので,荷重段階が増大す るにつれ フランジの剛性 が低下 しそれによって有効断面が減少 し,中立軸 の上昇を招いて崩壊 に至 った と推測で きる.

この ことは フラソクの荷重‑ひずみ曲線 (‑31)において10tの部分を観察 して も,引 張側 フランジは圧縮側 に比較 して顕著 なひずみ増大 をもた らしていることが分 かる.

また, ウェブの荷重‑たわみ曲線 (‑14)においては,8.75tM/M,が1.0近傍 で局 部変形を生 じている.

フラソジの荷重‑たわみ曲線 (‑15)からは,10tで局部変形が生 じていることが観察 で きる.

3) まとめ

以上の ことか ら, フラソクの幅厚比が大 きい と, ウェブの剛性変化が,耐荷力 に対 して支 配的にな り, ウェブとの組合わせによ り崩壊 して行 くと推定 され, また フランジゐ幅厚比 が 小 さい と構造物の崩壊 に対 して, フランジが非常 に支由的な要素をもっていると推定 され る.

4.塑性限界幅厚比に関す る考察及び結論

実験結果 により, 曲げを受けるI形断面 の塑性限界幅厚比 は, ウェブとフランジの相互作 用の影響 を顕著に受 けることが明 らかになった.、そ こで実験値 と,現行 の代表的鋼構造設計 基準 における塑性限界幅厚比規定 とを比較すると,次の よ うな考察 をす ることが出来 る.

(10)

60 永藤詩宮・羽田政治

A,D供試体の結論 として, フラソジの幅厚比が等 しくウェブの幅厚比が低いほどフラン ジのひずみ拘束効果が減少す ると共に,変形能が高いことが観察で き得 る. また,B,C 試体 の結論 として, ウェブの幅厚比が等 しくフランジの幅厚比が低いほど構造物 の耐荷力 に 対 して, フランジゐ剛性変化が支配的 となることが観察でき得 る.それに比べて,フランジ の幅厚比 が高いとウェブの剛性変化が耐荷力に対 して支配的 となる.

ここで本研究での供試体 を○で プロッ トし,西村,大崎,長谷川 らの研究 の供試体 を(

〜(勤で示す.(図‑32,表‑ 6 参照)

図‑32の実験は,本研究代の実験結果 と西村,大崎,長谷川 らの実験結果 より求め られた 塑性限界1.0の曲線 であ り代表的鋼構造設計基準 は,CAS,SIA,AISC,LFRD,AASHTO,BS, DIN,AIJなどのスペ ックを併記 して比較す る.

‑6 実験結果

No. My [t.m] 叩p [t.m] Pu [t] Mu [t.m] Mu/My Mu/Mp

A 1 6.935 7..778 21.25 8.713‑ 1.256 1.120 平均 21.25 8.713 1.26 1.120

B 12 8.279 9.247 227.6.3600 1l0.l.731836 1.1.303627 i.1.2162L6i 平均 26.95 ll.050 1.335 i.195

C 12 4.160 4.726 113.3.0600 5.5.020356 1.1.2d2539 1.1.015098 平均 13.30ー '5.121 1.236 1.084

D 21 8.795 .10.055 239.0.4100 110.0.46377‑8 1.1.211874 1.1..003682

L LJ

図‑32各国スペックにおける塑性限界幅厚比 と 各供試体のM/Mp

(11)

曲げを受ける鋼H形断面の塑性限界幅厚比に関する実験的研究 61 実験 に よ り検証 された塑性限界 (実験) にほぼ対応す る限界幅厚比 が規定 され てい る基準 は,CSAのみ で あ る.AASHTO及 びBSは, ウェブ とフ ランジ両方 の限界 幅厚比 を厳 し く制限 してい るため安全側 に偏 ってい る.AIJは1.0の曲線 に平行 しているが同様 に安全側 に偏 ってい る. これ に対 してSIA,AISC,LFRD及 びDINの限界幅厚比 は, ウェブとフラソ ジの両方 に対 して大 きな幅厚比 の採用 を認 めてお り,実験 で示 した塑性限界 の外側 になる板 要素で構成 された断面 を使 用す る可能性が ある と予想 され る.

以上 の ことか ら, ウェブとフランジの相互拘束効果 を考慮 した塑性限界 を導入す る こ とに よ り,基準 に よって個 々に規定 され ている塑性 限界 に統一性 を与 えることが出来 る と解 った.

最後 に,今 回は, 4種類 を2体ずつ計8体の供試体 でデータを供給 したが,詳細 な塑性限 1.0の曲線 を引 くためには,更 に領域1におけ る実験 データが必 要であ る.

参 考 文 献

1) 西村宜男,大崎史浮,長谷川徹雄 :曲げ受ける鋼 Ⅰ形断面の局部座屈強度 と限界幅厚比 に関す る実験的研究,構造工学論文集,Vol.37A,pp,135144,1991.

2) 小松定夫,北田俊行 :初期不整を含む自由突出圧縮鋼板の極限強度特性について,土木学会論 文報告集,No.314,pp.1527,1981.

3) 福本噴士,伊藤義則 :フランジの局部座屈強度 とフランジの幅厚比制限,土木学会論文報告 集,No.160,pp.27‑38,1968.

4) 日本道路協会 :道路橋示万苦 ・同解説,1980.

5) DIN18800:Stahlbauten,Stabllitwtsfalle,KnickenYonStabenundStabwerken,Tell2,1988. 6) CSA:Specificationfordesignofhighwaybridges,1978.

7) SSEA:SIAI61,SteelStructures,1979.

8) 日本建築学会 :鋼構造塑性設計指針,1975.

9) BSI:BS5400,Part3,Codeofpracticefordesignofsteelbridges,1982.

10) AISC:Spesi丘cationforthedesign,fabrication,anderectionofstructuralsteeforbulld・

lngS,8thEd"1978.

ll)土木学会 :座屈設計ガイ ドライソ (福本噴土編)第3章 構造物の材料強度 と初期不整 ,技報 堂,pp.6768,1987.

12)小松定夫,北田俊行,宮崎清司 :残留応力と初期たわみ有す る圧縮板の弾塑性解析 ,土木学会 論文報告集,No.244,pp.114,1975.

13)西村宣男,吉田信博 :鋼H形断面柱部材の達成座屈強度特性 と設計公式,土木学会論文集, No.398,pp.31ト318,1988.

14)前田幸雄 ,大倉一郎 :プレー トガーダーウェブの初期たわみ と疲労亀裂発生の相に荷関す る研 究,土木学会論文報告集,No.319,pp.1ll,1982.

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