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シュナイダーの交換の一般均衡にづいで

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(1)

本稿ほ︑シュナイダー■の還済理論入門﹄の第二巻︑第四篇︑第三章︑第二前における﹁生産のない静態的流通  

︵1︶ 経済における表均衡−純粋交換の場合−﹂を紹介し︑交換の表均衡が成立しうるためには︑当事者間の直  

接交換のみでは不可能であって︑間接交換をも必要とすることを明らかにし︑併せて貨幣の本質的機能と交換の脚   般均衡との関係についていくらか考察を加えようとするにある︒壷は前者の問題は︑すでに堅剛紅おいて高田保馬  

︵2︶ 博士やその他の人々によって論じ尽されておって︑いまさらここに新しく何ものも付け加えるわけでほない︒ただ  

これまでの論証が︑ワルラスにしたがって︑忘的数式の形で展開されていたのに対して︑シュナイダーは簡単な   モデルによって︑表的な形式ぼかりでなく︑数値例を用いて︑この間題を懇切丁寧に説明しているのが特色とい  

︵3︶ ぇよう︒したがって新しい結論が得られるわけでほないが︑教育的な意義から︑これを紹介することにした︒   

︵1︶ ScFneider■EricF∵空nf旨旨giPdi2Wir−邑註s−訂Or苗∴F→2i−∵r七erb.告d erw.A邑.畠岸S.望.   

︵2=昌保馬著︑﹃新利子論研究﹄︑第十四章︑第十玉章︑および栗村雄吉著︑置幣と価格﹄を参照されたい︒なお筆者もか   って︑経済論叢︑第吏十七巻︑第喜て﹁交換の柵般均衡に就いヱでこれを論じた︒   

︵3︶ 本稿の目的は主として学生のために︑貨幣論の講義を補うにある︒  

レユナイダーの交換の鵬般均衡について   シュナイダーの交換の一般均衡にづいで  

森  

︵山五七︶   

匝  

(2)

二 

シュナイダーほ二人の経済主体間の交換の均衡の説明から始めているが︑ここで堅一一人の主体間の交換の場合を  

取り上げる︒まず前提を明らかにしておこう︒ある期間のはじめに︑主体1はA財をa単位︑主体2はB財をb単  

位︑主体8はC財をC単位︑それぞれ所有していて︑その期間に自由に処分しうるものとする︒ただし彼等が期首  

に︑一これらの財の〟定数量をどうして所有するようになったかは︑ここでは山応問わないものとしよう︒さてこれ  

らの三財ほ︑いずれもその所有者にとっては︑直接の効用をもたないものとする︒したがって︑各主体は他の主体  

の所有する財を得ようと欲し︑その欲する財に対して︑彼等の所有する財のすべてと交換しようとする︒なお︑この  

場合︑彼等が交換によって得た財は︑飽満畳の限度に達しないものとする︒次に価格はそれぞれ九︑あ︑九と︑一  

般に認められた計算単位︑たとえば円で表わされ︑経済主体ほこれらの財の価格を︑与えられた常数とみなして︑  

所謂数最適応者︵meロgenanpaSSer︶として行動するものとする︒そこで当面の問題は︑以上の前提のもとで︑一二  

人の経済主体の効用函数または需要構造が与えられた場合︑彼等の所有する一定数最の財がすべて残ることなく交  

換されうるためには︑すなわち与えられた供給がそれに対する需要と丁度均等となるためには︑財の価格はどのよ  

うな高さをもたねぼならな小かということである︒  

そこで︑主体1の8財とC財に対する需要数屋をそれぞれ侮︑馳︑主体2のA財とC財に対する需要数鼠をそれ  

ぞれ払︑侮︑主体3のA財とB財に対する需要数盛をそれぞれ侮︑侮で表わし︑また飢︑鮎︑釣をそれぞれ主体1︑  

2︑3の計算単位︵円︶で表わされた所得を表わすものとする︒さて個々の主体は︑経済学の消費者行動の原理にし  

︵1︶  

たがって︑所与の価格とT定の所得のもとで︑その効用を極大ならしめるように︑その惑要数轟を決定するものと    第三十五巻 第二号   ︵血五八︶  二  

(3)

仙∵長計=−ぎ入︾一︾一票︶   

ここでわれわれは︑経済主体は貨幣錯覚︵Ge巨Fsi旦から煽由であると仮定する︒その意味は︑各主体の常襲  

数量は財の価格と所得の絶対的な高さに依存しないで︑価格と所得の比に︑すなわち︑その実質所得にのみ依存す  

るということである︒たとえば価格と貨幣所得が比例的に変動した場合︑彼等の需要数量が変化しなければ︑彼等  

︵2︶   は貨幣錯覚から自由であるといわれる︒したがってこの仮定のもとでは︑山式の需要函数は次の形をとるであろう◇   附き室町蒔u吐または寄丈津軽且  

後者ほ需要数量が︑財の相対価格とその初期保有急に依存することを表わしている︒そこで三人の需要函数ほ次  

の六つの式で表わすことができる︒   する︒との仮説から︑各主体の需要数盈は︑財の価格と所得との函数として表わされる︒・たとえば次の  

主体1の需要函数  

ぎ=Å津軽︶⁝むど=這ざ︵如∵坪︶  

② 主体2の需要函数  

雫眉︵函∴慧=零−Å蝉\翌  

主体8の寓要函数   雷且津坐妄‖Å沖波  

シュナイダーの交換の劇般均衡について   ︵二阜九︶  三    セある︒  

(4)

次に︑われわれの仮定にしたがって︑三主体の所得は次の定義式で表わされる︒  

甘 こ㌻㌢・ミ⁚︻㌧H‖⊥て○ごご﹁・モ︻.   終りに︑均衡状態においては︑一つの財に対する全体としての需要数最は︑その供給数最に等しくなければなら   ないという関係にあるから︑次の需給均等の条件式が成立しなければならない︒  

怒声+頴冨n畠  

は ぎ廿+ぎ01−ひ  

訣−Q+鴇誓∴=−C  

ここで未知数の数は︑財の需要数畳が六つ︑価格が三つ︑所得が三つの合計十二個である︒これに対して方程式 の数は︑宴函数が六つ︑所得方程式が三つ︑財の雷均等式が三つの合計十二個である︒したがってこの方程  

式体系は劇義的な解が得られるように思われるが︑実は㈲の方程式の中の任意の一つは独立でない︒すなわち︑   昭感養よび㈲の任意の二つの方程式から︑自動的蒜の残りの警の式が導き出される︒次に︑この警の式を︑  

ぎ十ぎ=Cとして︑このことを証明しよう︒    ㈲式の第一式の両側に九を︑第二式の両側に如をかけると︑次の式が得られる︒  

㌣・亀=㌢・寿Pヰき・賓冒  

さて墓経済においては︑盲体の総所得ほ消費覧出されるのであるから︑その主体の貨幣需要の全体は︑常   粧その所得に等しいという︑次の収支的等式が成立しなければならない︒    第三十五巻 爵二号  

5   きふけ曾・き甘+bミき○   ︵州六〇︶  四  

(5)

号訂㌣爵i号ぎ   

この二つの式ほ︑実は恒等式であって︑′静態経済においてはインプリ∴yツトに需要函数の中にふくまれ︑静態経  

済において需要函数が常に充たしていなければならない条件を表わしている︒したがって︑この二つの式によっ  

て︑独立の方程式が付け加えられるわけでない︒そこで︑㈲︑㈲における二つの式をそれぞれ合計すると︑  

㈲から ㌣・鶏+曾ふ=b象・おざ+㌣・おざ+曾・き廿+曾・患廿  

㈲から.㌣ぶ十曾・ひ=訝・き廿+︾・きq+︾よぎ十︾・ざQ  

となり︑これから次の式が成立する︒  

b白・おざ+bn・ぎ払+曾・決忘+宮・き廿=曾・さ廿十㌢・さQ+︾・怠斡+︾・唇曾   これを整理すると  

刑 ba・半冒十︾・寿廿=︾︵きQ+患q︶   

m式の左側は︑主体8の貨幣欝要の総額を表わし︑それは前述のよう紅主体8の所得に等しいという関係にあ  

る︒すなわち︑  

︾よぎ十︾三ぎ力料・へ   

したが︵一てこれを用いるとm式は次のように表わされる︒  

︾昌=︾・︵さQ十きc︶Y または・へ=さQ+恕Q   

この式はいうまでもなく㈲式の第三の式である︒以上︑㈲式の第三の式は決して独立の方程式を表わすものでな  

︵さ︶  

く︑刷︑㈲およぴ㈲の他の二つの方程式に従属していることが証明された︒  

レふナイダーの交換の仙般均衡について   b串・誉丼㌢左ぎ十︾・きQ  

︵二ハこ︑五   

(6)

︵一六二︶  六    第三十五巻 第二雪   いまや再びわれわれは︑十二個の変数の均衡値を決定するのに︑十一個の独立な方程式をもつにすぎない︒した  

がって︑われわれのこの十⊥個の方程式体係ほ一の﹁自由度︵句r2ih2itsgrad︶﹂をもつということができる︒ここ  

に脚つの自由度とは︑変数の山つの値︑たとえば一つの財の価格かまたは脚つの所得が任意に自由に選ばれるうる  

ことをいう︒したがってこの方程式体系は︑価格七所得の比のみの決定を与えるが︑価格と所得の絶対的水準を決  

定することはできない︒    この結論は極めて重要であるので︑これを明瞭ならしめるために︑㈲式を脚式の需要函数に代入することによっ  

てもう皮説明しておこう︒そうすると︑榔式は次のように書き改められる︒  

一■⁚÷∴∵︑・ご∵二・二・︵ミ一∵︑・ご   

⁚・一=−︵︑:㍗︑∴こ=⁚辛い∵∴﹁︶  

き烏︵へ・津c・軽︶忘・︼阜沖c・吐   

この方程式には︑.独立変数として次の六つの価格比が現われる︒  

㌣  ㌢  ︾  b象  ︾  ︾   曾こ+︾:+︾:∵b:▼ bQ u b−   

しかしこの六つの価格比の中で︑主に二つは逆数の関係にある︒それゆえ次の三つの価格比が未知数として現わ  

れることになるが︑更に一般均衡においては︑次の裁定方程式︵arbitrage2q畠tiOn︶が満足されていなければな   

(7)

これは︑A財のC財で表わもた交換比率は︑A財のB財で表わした交換比率とB財のC財で表わした交換比率の  

積に等しいという関係を表わしている︒すなわち︑A財を直接にC財と交換した場合も︑A財をB財と交換し︑さ  

らにこのB財でC財と交換するというような間接的交換による場合も︑その交換比率が同じ値をもつことを意味す  

る︒もし価格の比が㈲式の裁定方程式を満足していない場合は︑裁定取引︵arbitrage︶︑すなわち間接交換が発生  

し︑交換の表均衡は成立しないであろう︒たとえば上記の場合に︑∨・の関係にあれば︑直接交換  

の場合におけるC財で表わしたA財の交換比率は︑C財をB財に換え︑それからB財でA財を得るという間接交換  

による交換比率よりも大であるから︑主体8ほ直接交換によっ・てA財を得るよりも︑間接交換によってA財を得る  

方が有利となる︒主体1︑主体2についても同様なことがいわれうる︒したがつて交換の一般均衡が成立しうるた  

めには︑裁定取引の発生しないように︑価格比は裁定方程式を満足していなければならない︒そうすると︑一二つの   ヽヽ   価格比の申の山つは独立でなくなり︑任意の劇つは他の残りの二つによって表わされることになる︒換言すれば︑  

二つの財の第三の財に対する交換比率のみが互に独立の変数となる︒この第三の財は後に述べるように︑ワルラス  

によってニュメレールと呼ばれる︒それゆえ︑㈲式疫±つの価格比︑たとえば  の函数として表わすこ  

とができる︒  

いまやわれわれは︑㈲︑制︑㈲からなる十劇個の独立の方程式に対して︑㈲と㈲からなる八つの独立の方程式を  

得ることができた︒しかも未知数の数は二つの価格比と︑六つの需要数量である︒それゆえ︑上記の八つの方程式  

ほ︑この八つの未知数の値を同時に決定することができる︒したがって︑供給された財の数量α︑∂︑Cが︑その  

シュデイダーの交換の山般均衡についで   ︵二ハ三︶︑ 七    別.恰.−陸上.トぬ㌣   ︵︑︾︼︾ bQ  

(8)

︵二ハ四︶  八   第三十五巻 第二号  

期において残ることなく売り尽されるべき場合は︑価格比またはニュメレールで表わされた交換比率は︑これらの  

方程式によって決定された値をもたねばならない︒   

以上︑われわれは三人の主体間の三財の交換という簡単な場合について︑均衡価格比がいかに決定されるかを説  

明した︒シュデイダーはここで導き出された解決は︑多数の主体間の多数の財の交換の場合にも同様に拡張するこ  

とができるという︒もらろん方程式の数が決定されるぺき未知数の数と一致するという確認だけでもって︑その問  

題が完全に解決されたわけではない︒仙般に方程式体系が解を持つことができるかどうか︑またその均衡状態が安  

定した性格のものかどうか︑という問題が残されていることはいうまでもない︒しかしこれらの問題に答えること  

︵4︶  

は︑現在の入門的研究の儀域を遇えるものといえようぺ  

︵1︶ 消費者行動の原理については︑ヒックス著﹃価値と資本﹂︵安井・熊谷共訳︶︑笛二巻︑第山部︑﹁主観的価値の理論﹂を  

参照されたい︒なお︑各主体が所有する財をすべて供給するという仮定は︑説明の簡単化のためで︑必ずしも必要でない︒  

各主休はその所有する財のこ鱒を自己の消費のために留保し︑残余を供給するという仮定を設けることも可能である︒   

︵2︶ パティンキンも﹁貨幣結党﹂について︑人々の経済行動がもっぱら計算価格︵計算単位で表わされた価格︶の比に依存す  

るが︑貨幣価格の比にもっぱら依存しない場合︑その人は貨幣錯覚から自由であると述べている︒したがって︑われわれの  

当面の交換経済蔽おいては︑いまだ仙般的交換手段としての貸幣ほ存在していないが︑貨幣交換経済においては︑貸幣錯覚  

のない場合とほ︑パティンキンによると︑﹁すべての貨幣価格と初期貨幣保有畳の比例的変化に関して︑商品の超過需要函  

数が0の弾力性を持つ場合﹂ と定義される︒したがって︑かかる貨幣交換経済においては︑人々の経済行動が単に貨幣価  

格の比︑すなわち相対価格にのみ依存する場合は︑その人は貨幣錯覚に陥っているといわねばなら五い︒たとえば︑目下の貨  

幣のないモデルでは︑′すべての商品の計静価格が祥に比例的匿変化した場合︑その人の需要数量転変化を生じない場合︑   

(9)

係は次のような単純な形をもつものと仮定する︒  

シ∴㌻ナイターの交換の山般均衡について   その人は貸幣錯覚から自由であるといってよい︑︒しかし貨幣経済性おいては︑もし人々が上記の様粧すべての商品の計欝価   格が一律に比例的に変化した場合︑その需要数畳を変化させないときは︑却?て貨幣錯覚に陥っているといわれる︒なんと   なれはこの場合︑貨幣の計算価格が一定であるから︑その人の保有貨幣畠の実質価値は低下している筈であり︑この貸幣の   実質残高効果︵rea−訂−ance effect︶ 紅よって︑貨幣鋒覚のないときは需要数量は減少するのが普通だからである︒.この   ように実物経済と貨幣経済とにおいて︑貨幣錯覚について若干ニューアンヌの相異がみられるので注意する必要がある︒こ   のことは現在のわれ/\の阻題とは直接の関係がないが︑後に述べるような古典的な二分法にもとづく貨幣数量説の世界   は︑パティンキンの定義からは︑貨幣錯覚を前提とするものと思われるので︑こヱ紅その区別を述べたわけである︒いずれ   この区別を利用する機会が生ずるであろう︒なお詳しくは︑Patinkin⁝MOn2yこnte完St−and Price00一ppN∽〜NA・を参照さ   れたい︒   

︵3︶ このよう堅一面の中で任意の二財について︑その需給が均等するとき︑第三財の需給の均等も同時に成立する関係は︑山般  

にワルラスの法則︵War︼asu Law︶として知られているもので︑これは実物交換におけるそれの適用である︒   

︵4︶ 交換の劇般均衡条件を表わす聯立方程式体系に︑解が存在するかどうかの問題については︑たとえばドーフマン・サミふ  

エルソン・ソロー著︑﹃線型計画と経済分析﹄︵Ⅱ︶︹安井・福間・渡部・小山・共訳︺︑第十三童︑﹁線型計画と一般均衡理  

論﹂を参照されたい︒また均衡の安定条件については︑ヒックスの前掲番︑第二部︑般均衡﹂を参照されたい︒  

こ  

さてシュナイダーは︑上述の思考過程を次の数値例によって︑もう一度明瞭に論証しょうとする︒しかしここで  

は︑計算を簡単にするために︑山主体の山財に対する需要は︑この財の価格と彼の所得にのみ依存し︑その依存関  

︵二ハ五︶  九   

(10)

中︵○∧呈    苛⁝   

また  て︑その期に自由に処分しうる財の数塩については︑主体1ほA財を86単位︑主体2はB財を20単位︑主体3はC  

財を50単位︑それぞれ所有しているものとする︒そこで三主体の需要函数ほ次の如くに表わされる︒  

∵1‡三い   ・r−⊥⁝ 

!lい・ご:P=・∵1∵三ト  

・一∵≡・∵r・1U・∵㌧      ︾  

また︑三つの所得方程式は次の如くである︒  

け 二=・・き・ゝ∴︑h・に・\−.:.∵い〇・†   

したがって︑㈹を㈹に代入すると︑  

∴㌻蓋ナ   寄生ヤ  第三十五巻 第二号  

㈹∵牒=・−始・⁚雫00   

焉−∽・妄=ひ研   眉   bQ    ︾  

到    ︵血六六︶  劃○  

(11)

芦の+学=琶  

簡単化のために︑嘩‖デ軽‖eとすると︑讐は次の如くなる︒  

一恒⊥亭.ド00の   なお︑㈲式のはじめの二つの方程式が︑㈹の場合にも用いられる︒したがって密給均等の条件式は次の如くにな   る︒  

陀−.の・蛍十む研el−柏○   

そこでこの聯立方程式を解くと  

b象−餌.︾−設   営1⊥−︑k訂∴忘  

またはLざ⁚曾∵賢旦詣∵芸⁝岩である︒   

このようにして︑われわれは交換の一般均衡を解くことができた︒しかしここで注意すべきは︑われわれの方程  

ヽヽヽヽヽヽヽ   式からは︑三つの価格の比のみが決定されうるにすぎないことである︒すなわち三つの価格は脚つの乗常数人eine  

mu−tip−ikatiくeKOnStante︶をふくめて決定されるのであって︑それは次の形で表わすことができる︒  

㌣=誤・ヾ⁝L訝=設・↓⁝L賢−−−の・↓  

シュナイダーの交換の山般均衡について   ー?エア‖麗  

記  

︵二ハ七︶     

(12)

第三十五巻 第二号   ︵山六八︶ 山二   

この場今γは︑任意の比例因子︵prOpOrtiOna−it警sfaktOr︶を表わしている︒したがって︑この条件を満足する  

すべての価格の組合せにおいて︑われわれの交換システムは均衡状態にあるわけであり︑絶対的な価格永準は不確  

定といわねばならない︒なお︑Ⅷ式から均衡取得が得られる︒  

き=爪岩〇・↓ ∵雷I−0〇・ぺい雷=讐〇・↓  

如甘か+昏+か=呈g↓  

したがって所得またほ国民所得もまた乗常数をふくめて決定されるにすぎない︒  

次に㈹から︑均衡状態における需要数盈をそれぞれ求めることができる︒  

さ∴・∴芋・ほ  

吉象=Nの.サい∴夢㌦エ顎.餌  

・r∵﹁∴=∵r÷;   

財に対する需要数量は︑価格や所得と逼って︑与えられた価格比のもとで仙義的に決定される︒しかし上述のよ  

うに︑財の価格の絶対的水準は︑このま1では求めることができない︒それを決めるには様々の仕方が考えられる  

であろう︒たとえば︑これらの財の価格の中山つを選んで︑これを1とおくことも仙つの方法である︒したがっ  

て︑もし告1とおけば︑あは∽︑倉嘩所得勘︑勉︑詣それぞれ36︑44︑舶とその絶対的水準が決定される︒  

またわれ′〜は一つの価格の代りに︑所得または国民所得を自由に選ぶこともで㌢る︒たとえば︑勘を900とすれ  

ば   

(13)

P苫○⁝雷=00⁝雷=M岩○  

︾笥蒜馴⁝︾=父W ⁚﹂ぎ=−の  

となるであろう︒   

要するに︑シュナイダーのように計算単位で価格を表わした場合︑計算価格の絶対的水準はこのシステムからは  

一義的に決定されえない︒これを求めるためには︑価格と所得のいずれか脚つを︑計算単位で予め外生的に一定に確  

定しておかねばならない︒しかしいかなる場合でも︑計算単位で表した価格の比は劇義的に決定される︒換言すれ  

は︑ある特定の財︵ニュメレール︶の血定数崖で表わしたすべての他の財の交換比率は︑血義的に決定される︒た  

とえば︑A財をニュメレールとして︑これが金とすれば︑金の重畳単位︵劇匁︶で表わしたB財とC財の交換比率  

は一義的に決定されるが︑計算単位︵円︶で表わした各財の価格は︑予め金山匁を何円︵たとえば五円︶と規定し  

ておかねば決定されえない︒かつてわが国の貨幣法第二条が︑﹁純金の量目七百五十︑\︑リグラムを以て価格の単位  

と為し之を円と称す﹂と規定したが︑それほかかる関係によるものであった︒しかもこのこふメレールの計算価格  

を二倍にすれば︑他の財の計算価格もまた比例して二倍になるが︑しかしそれによって︑ニュメレールで表わされ  

た交換比率も︑財の寓要数量も全く変化を受けない︒したがって︑ここに計算価格とニュメレールで表わした価格  

︵1︶   との間には︑一種の﹁二分法﹂が成立する︒  

︵1︶ これはパティンキンによって﹁正しい二分法﹂と呼ばれるものの一つに属するものといってよいであろう︒Patinkinい  

Op.Cit.一p.ひ¢.pp−吉−磨pp−○¢〜−○■  

シふナイターの交換の血般均衡について   ︵二ハ九︶  血三   

(14)

三    レふサイダーはこれまで展開してきた交換の表均衡の理論ほ︑均衡状態において交換がどのような形態で行わ  

れるかについては︑何事をも述べていないという︒交換竺休その場合︑実物交換︵冨tu邑tausch︶ の形態で行  

われるのか︑または一般的に認めちれた支払手段を利用して︑売買という形態で行われ・るのかについては︑いま何  

も明らかにされていない︒もちろんこれまでのところでは仙般的な計算単位︑またはワルラスのニュメレール︵劇般  

的価値尺度︶の存在が︑一応認められていたといえよう︒しかし一般的交換手殴としての貨幣はまだ現われていな  

い︒そこでシ↓∵ナイダーは︑交換を実行するにほ︑二つの形態が可能であるとして︑これを実物交換と貨幣交換の  

二つの場合に分けて説明する︒    まず交換が実物交換の形態で行われる場合から考察を始めよう︒この場合に見出される結論は極めて重要であ  

ヽヽヽヽヽヽヽヽ る︒というのは︑この場合には︑交換は一般的には︑財の最初の所有者の間の直接的な交換取引のみによっては実  

ヽヽヽヽヽヽ 現されることができないからである︒直接的な交換取引ほむしろ間接的な交換取引と結合されねばならない︒すな  

わち︑いくらかの人々は︑ある財を直接に消費するためでなく︑その財によって間接的に︑自己の欲する財を必要  

監だけ得るために︑その財と交換するといった間接的な交換取引を行わねばならない︒次に︑このことを前述の数  

値例の結果を利用しながら証明しよう︒   

均衡状態においては︑三人の主体間で交換される財の数量︑すなわち交換比率は︑いうまでもなく次のような関  

4. 係にある︒すなわち︑B財1単位はA財の2・2単位に対して︑C財の1単位はA財の0・6単位に対して︑C財の1単位  

はB財の官位に対して︵反対にB財1単位はC財の晋位に対して︶交換される︒この場合問題は︑貢の主体  

間の交換過程が︑相互に直接的な交換取引の形態で行われるものとすると︑上記の交換比率のもとでは需給が血致    第三十五巻 第二号   ︵仙七〇︶ 一四  

(15)

しないこノとである︒これは次のように容易に示される︒   

いま主体1が主体2から得ようとするB財の︒喘単位に対して︑上記の交換比率の場合には︑主体1はA財の  

桟単位喜えねばならない︒しかるに主体孟A財に対する室数量は管位であって︑主体是A財を堵 2  

単位なお不足する︒また主体1はC財については︑辻㍑単位を得ようと欲する︒それに対して主体3との交換にお  

よって得  

不足    余剰  

主体1B財の9芸単位C財の7喜単位A財の4‡単位   C財の15単僅  

主体2A財の21‡単位A財の4‡鞘珊の2孟鞘   c別の27単位  

主体3A財の9喜郎B財の2孟鞘C財の7喜鞭  

B財の 8 単位  

シュナイダーの交換の劇般均衡把ついて   nム   ︑  いて与えるA財の数量は4・4単位であり︑T万重体8の方は9・6単位のA財を欲 l   しているに過ぎない︒したがって主体aの欲する9・6単位のA財を供給するとき   ほ︑主体1は15単位だけC財が得られるのみで︑なお一桟単位のC財が不足す   る︒同様なこと.は︑主体2︑主体3についてもいわれる︒このようにして直接   的交換取引のみによって︑実物交換が行われるときには︑上の表のような状況   が生ずることになる︒したがって︑このような場合にほ︑直接的な交換のみで   ほ均衡状態は達成されないのであって︑間接交換によって楓充されることが必   要となる︒たとえばいま︑主体8が余っている弦単位のC財を︑主体1のな   お所有している産︒単位のA財と交換し︑更にこの︒年単位のA財でもって︑   主体2のなお所有している塙単位のB財と交換を行うならば︑最初の交換に   ょって主体1ほ均衡状態に達し︑また次の交換によって主体8と2も均衡状態   に達することがで軒る︒主体3は結局中間取引のために止︒単位のA財を獲得   し︑この際A財は交換手段としての機能を営んだわけである︒このように交換   が実物交換の形態で行われる場合︑交換の叫般均衡の実現は︑直接交換のみで   

︵山七こ  二五   

(16)

︵仙七二︶ 山六   第三十五巻 第二号  

は不可能であって︑間接交換を伴わねばならない︒シュナイダーほ︑これは交換理論における非常に重要な帰結で  

あると述べている︒   

なお︑シュナイダーはこれ以上は述べていないが︑私はここに脚般的交換手段としての貨幣の発生する論理的根  

拠が見出されるものと思う︒もちろん︑私は一般的交換手段がなければ交換の一般均衡が成立しえないなどと決  

して主張するのではない︒多数の財の交換において︑全面的な・間接交換は種々の財が仲介となることによって可絶  

だからである︒しかしそのような間接交換は不便であり︑色々の困難をもち︑特定の財が仙般的交換手段として使  

用されるとき︑交換は最も容易に行われるものといえよう︒特に交換手段となる財が多数あるとき︑その仲介とな  

る程度は財の性質によって違いがある︒その違いによって受優性の間に優劣が生じ︑その中最も受領性の高いもの  

が︑山般的交換手段として勝残ってきたものと思われる︒現実に何が仙般的交換手段として選ばれるかは︑もちろ  

ん経済的要因のみでなく︑政治的・文化的・社会的な諸要因によって決定されるであろう︒歴史的にほ貴金属︑特  

へ1︶   に金がそれに勝残ってきたが︑今日では銀行券や銀行の預金などの︑銀行信用が支配的となりつつある︒要する  

に︑交換の劃般均衡の成立には間接交換を必要とするが︑しかしこの間接交換の必然性から︑山般的交換手段の必  

然性を論理的には証明できないものと思う︒その意味では︑血般的交換手段としての貨幣は︑いわば便宜の所産で  

︵2︶   ぁゎて︑交換の劇般均衡と必然的に結びつくものとは考えられないといわねばならない︒   

︵1︶ 間接交換は後にも述べるように︑山般的交換手段の利用によって最も容易紅行われるであろう︒金︑銀が特に交換手段と  

して使用されるようになった理由として︑ハルムは次の諸性質をそれが備えていたためであるという︒すなわち︑  

Ⅲ貴金属瀦交換手段として歴史上早くから採用されたのは︑おそらく装飾上の有用性から︑広く劇般に受領されたことに  

よるであろう︒金︑銀は富のレンポルであって︑不滅の形態で富な蓄積し︑それを誇示しょうとする人間の根深い欲望を満足   

(17)

のことは他の商品の場合は困難である︒この性質によって︑金︑銀は適当に小さい単位に分割ぶれて︑交換されるべき商品の  

価値の大きさに調整されうる︒したがって︑それは異なる呼称︵DenOmina−iOn︶の貨幣単位紅対する要求を満足せしめる︒   望見金属ほ完全に同質であり︑同じ重量と品質のものほそれ﹀ぐ使用価値が等しい◇これは非常に重要な性質で︑これ紅よ  

って交換手段と計算単位の夷瞭上の同産︿Iden−ifica−i旦が達成される︒したがって︑計算価格と貨幣価格との姦が   可能となり︑交換において実際に用いる交換手段の単位誓って人々は計罫することができる︒㈲貴金属は少くとも現在の  

呑金の形態では︑使用によって破壊されない︒盟豊属はそれふ〜異なる社会の社会様式からはむしろ独立しているため  

紅︑それは国際間に広く受領される︒㈲賃金属は少くとも短期間には︑比較的安定した価値を維持する︒︵Ha官G.翠∴  

E︒︒冒mics︒fMOneya邑二厨nkingこ諾¢も∽N.︶   

︵2︶ 高田保馬︑前掲苔︑二九こ貝および三〇四頁︒   

四   

シュナイダーは次に貨幣交換経済の場合に分析を進めているが︑ここで少しわれわれは披から離れて︑これまで   の成果を顧みながら︑交換と貨幣との関係︑癖に蒜的価値尺度またほ計算単位と呼ばれる貨幣の機能との関係に   っいて考察を加えることにしたい︒そのために︑われわれはもう一度︑交換の一般均衡は直接的交換取引のみで   実現されえないものかどうかを尋ねてみよう︒これによって裁定方程式のもつ意義が一層明らかにされるであろう︒  

言でこれまでと前提を変えて︑市場を﹁A財対B財﹂︑﹁A財対C財﹂︑﹁B財対C財﹂︑の三つの部分市場に分   割し︑各主体ほこの三つの部分市場に現われて︑お互に自己の欲する財を直接的に交換するものとしよう︒これま    ン五ナイダーの交換の忘均衡誓いて   ︵壱三︶ 壱   貴金属は運搬と貯蔵が容易である︒盟釜属は使用価値を損ずることなく︑いくらでも小さい単位匿分割が可能である︒こ    せしめる︒②貴金属は比牧的稀少であ︑つて︑   そのために非常紅伴僧が啓ぐ︑比較的少壁  

(18)

︵脚七四︶ 小八   第三十五巻 第二号   でと同様に︑各市場で財の需給が均等となるところで財の交換比率が決定され︑均衡状唐が成立する︒しかしここ  

で注意すべきほ︑このようにして各部分市場で決定される交換比率ほ︑先述の裁定方程式を同時に満足するという  

保証のないことである︒以下︑これを先述の数億例にもとづいて証明しよう︒  

需要函数については︑これまで通り㈹の式で表わされるものとする︒それらは計算単位で表わされた価格の比の  

函数として表わされている︒しかしこの価格の比は︑それぞれの期で表わされた名々の財の交換比率を表わしてい  

るにすぎない︒たとえば告はB別の単位数㌢表わされA財一単位の交換比率またほ交換価値︵価格︶を表わし  

ている︒言でこれから告︑告︑告は︑そのようなそれぞれの財で表わした交換比率簑わすものと解  

することにする︒したがって︑このモデルにほ抽象的な計算単位は実際上は必要としない︒  

以上を前提として︑﹁A財対B財﹂の市場に注目しよう︒この市場で主体1のB財に対する霹要諾当然その反  

面とし孟体1によるA財の去体2に対する供給を伴う㌣それゆえ︑主体1の主体2に対するA財の供給数遍を抽  

とすると︑それほ次の式で表わされる︒  

−   

.一ご㌔芋・   

この市場で常給が均衡するためにほ︑せ冨長野が成立しなけれほならない︒そこでこれを前掲式に代入する  

︵1︶   と︑次の需給均等式が成立する︒  

写軽l−ぎ   

同線に︑﹁A財対C財レの市場において︑   

(19)

BC⁝⁝⁚.仁 −︼至︶︵月し一﹁竜     研︒  庵    宮  むbQ  ∞   

これから容易にわかるように︑これらの各部市場の交換比率は︑次の裁定方程式  

\こ.\︑︑⊥︑・・   曾 ㌢=+︾  

︵2︶   を満足していない︒し慕って各部分市場が豊に孤立していればとにかく︑それらが相関達している場合は︑先  

にも述べたように裁定取引が有利となり︑義援交換が・行われる︒したがって︑このようにして成立した各部分市場  

︵3︶ の均衡は破られ︑交換比率は再び変動をつづけることになる︒それゆえ交換の均衡が忘的に成立しうるぬめに  

ほ︑交換比率ほ裁定方程式を満足していなければならない︒しかし交換比率が裁定方程式を満足せしめながら︑なお    シュナイダーの交換の表均衡について   ︵壱五︶ 完   ㈹守‖ぎ  

の関係が成立しなければならない︒そこでこれらの式に︑㈹の式をそれぞれ代入すると︑各市場において次のよう   な交換比率がをれぞれ決定されるであろう︒  

﹁A財対B財﹂市場⁝⁝・:−佃戸 ︾  

﹁A財対B財﹂市場⁝⁝⁝・Pl−      ㌣  

﹁財対財﹂市場   ㈹守  ぎ  

﹁B財対C財﹂の市場において︑  

00   bO  ∽研   

(20)

︵毒ハ︶    竺十墓竺号   ︑⁚    扁 同時に各部分市場において需給の均等を求めることは︑蒜的には不可能といわねばならない︒なぜならば︑その  

場合は方程式の数が未知数の数よりも多くなるからである︒したがって裁定方程式の条件が満足せしめられる雷 ︵5︶ には︑各部分市場における露均等の条件は断念されなければならない︒このよう逼接交換による場合は︑琴定 方程式の条件が満足せしめられず︑裁定方程式の条件を満足せしめる場合は︑直接交換のみによって交換の忘均  

衡は成立しない︒しかも交換の蒜均衡の成立には︑裁定方程式の条件は必須である︒■この意味において︑われわ   れの交換の忘均衡は・︑間接交換を必然的に伴わざるをえなかったわけである︒間接交換はしばしばいわれるよ   うな直接交換における﹁欲望の壷の欠如﹂といっ蛋なる笠的な理由からでなく︑裁定方程式という価値関係  

の中に︑その必然的な根拠をもつものといわねばならない◇もともと裁定取引︵間接交換︶の発生を阻止すべき使   命をもっ完走方程式の条件が︑却って問要換の必然性を内在せしむるとは︑まことに皮肉な現象といわねばな   らないであろう︒   われわれは先に︑交換の均衡における間接交換の必然性と︑蒜的交警段己ての貨幣の生成との関係について   触れるところがあっ袈︑次にこの裁定方程式と蒜的価値尺管しての貨幣の槻能との関係を考察し孟こう︒  

さて裁定方程式は三財の場合は極め晶単であ′つた︒すなわち任意の二つの財の間の交換比率が︑竺の撃表わさ ︵6︶ れたこれらの二財の交換比率の比に等しいという関係である︒このことは多数の財の場合にも妥当しなければなら  

ない︒すなわち︑をれは任意の二つ宛の財の交換比率は︑任意の竺の財で表わされたをれぞれの財の交換比率の ヽヽ︑︑  

比に等しい︑という条件で雪︒いまこの関係を〝財について式によって表わしてみよう︒説明の便宜上︑1か  

ら好まで琴をつけ︑・7財で表わした・晶の交換比率を如で表わすと︑各財間の交換比率を次のように表わされ   

(21)

㌢ふ苧−=叩−   

これが乃財の場合の裁定方程式であり︑この式が成立するとき︑1から記Ⅰ−までの財の間の相互の交換比率は︑  

第符番目の財で表わされた1から記1−までの財の交換比率で十分に表わされることになる︒したがって好個の財  

の交換においては︑独立の交換比率はこの乃番目の財で表わされた3Y−−個の交換比率であって︑それらは三財の  

場合と同様に︑需給均等条件から劇義的に決定される︒ワルラスはこの第形番目の財をニュメレール人n仁mかraire︶  

と呼ぶ︒これは価値の単位︵標準︶財あるいは価値の表示手段︑更に正確にほ価格表示手段とも呼ばれるものであ  

シュデイダーの交換の一般均衡について   ︵劇七七︶ 二劇    そこで裁定が生じないためには︑これらの    ㌻ぎ⁝:  十†二号芋す丼鍔  

bPゐu︾こ∴⁚⁝・⁚⁝⁚・u︾芸﹀  

b−>柑1−   他山トド  

︾富:   ︾云=  

bHリび=  

転ばド  

bH一︸−一   

博げ.  

b山一3■  

b〒N﹀苧ごb〒㌘誉  

:⁝  :⁝:㌢・・−  Y   b〒−﹀ぎ 旦ゞ1−︶  

㌢芸l−=   個の交換比率は︑次の関係式を満足しなければならない︒  

b︸誌  

︾㌣富:  

(22)

︵劇七八︶ 二二   第三十五巻 第二号  

﹁丁し ろうが︑普通にはま忘二般的価値尺度︵財︶ともいわれる︒それはニュメレールの単位で表わされた他の財の交換  

比率は︑ニュメレールの単位の交換価値で測った他の財の交換価値を表わすものと解されるからである︒そして論  

者の劇部にはこのニュメレールが真の貨幣であって︑貨幣の根本的機鹿蒜二般的価値尺度であるという︒しかも彼等  

は上記の裁定方程式の関係に注目して︑ニュメレール︑すなわち二般的価値尺度としての貨幣は︑交換の劇般均衡  

の成立と論理的必然性をもつものと主張する︒なるはど交換の一般均衡が成立しうるためにほ︑交換比率は裁定方  

程式の条件を満足していなければならない︒しかしこのことから︑すべての財の交換比率乃至交換価値が︑ある特  

定の財︑すなわちニュメレールの単位によって︑嶺わさなければならないという論理的必然性は少じも存在しな  

い︒なぜならば︑一部の財のグループはある特定のニュメレールで交換比率が表わされ︑他の部の財のグループ  

は別のニュメレールでその交換比率が表わされ︑しかも前のニュメレールと後のニュメレールとの間に︑先に述べ  

た裁定方程式の関係が満足されていれば︑それで全体の裁定方程式は十分満足されている筈であって︑何も唯一つ  

のニュメレールだけで︑すべての交換比率が表わされなければ︑交換の一般均衡が成立しえないという論理的必然  

︵8︶ 性は存在しないからである︒この点︑裁定方程式の交換における必然性からニュメレールの必然性を導出し︑東に  

これによって山般的価値尺度としての貨幣生成の論理的必然を証明しようとする試みは︑全く支持されないものと  

思う︒仙般的価値尺度としての貨幣は︑劇般的交換手段としての貨幣と同様に︑交換の劇般均衡の成立と必ずしも  

必然的に結び.つくものとは考えられない︒    もちろん︑われわれはこのことによって︑劇般的価値尺度は全く偶然の所産であるというつもりはない︒裁定方  

程式には︑山般的価値尺度の成立を生せしめるだけの十分な根拠が見出される︒というのは一般的価値尺度の存在  

は︑当然に裁定方程式の条件を満足せしめるからである︒ただわれわれは︑仙般的価値尺度は裁定方程式の成立に   

(23)

このように交換の劃般均衡の成立には︑山般的価値尺度または計算単位なるものを必ずしも必要とはしないが︑  

とにかくこれまでのシュナイダーの交換経済には︑計算単位また高二般的価値尺度としての貨幣の存在は認められ  

ていた︒しかしそれはまだ二般的交換手段としての貨幣の存在しないところの︑いわゆる実物交換の経済であった  

ことはいうまでもない︒もちろんそれは直接交換のみを前提とするものではなく︑間接交換の補充を必要とするもの  

であった︒その意味では︑間接交換が行われる限り︑あるいほこの経済には全く交換手段が存在しないとはいえな  

いかもしれない︒特に同じく間接交換を必要とするのであれほ︑はじめからある特定の財がもっぱら間接交換の手  

段となって︑全く直接交換によらないでヾ交換が実現されることも考えられる︒たとえばA財が山般的交換手段と  

して選ばれ︑主体8はその所有するすべてのC財をA財と交換し︑その中自己の必要とするものを手許に残して︑  

そ凱残りでB財を獲得し︑また主体2ほ同じくその所有するすべてのB財をA財と交換し︑その部を手許にして  

その残りでC財を獲許するかもしれない︒そして主体1はA財をすべて供給することによって︑自己の必要とする  

B財とC財を必要量だけ獲得するであろう︒このように︑主体2と主体8との間に︑B財とC財との直接交換が全  

く行われることなく︑すべてA財を媒介として交換が行われることも可能である︒そしてその場合︑同時にA財が  

一般的価値尺度の機能をもかねるのが普通であって︑A財で表わされたB財とC財の均衡交換比率が決定されるで  

あろう︒このように考えてくると︑この実物交換経済にもー般的交換手段が存在するのであるから︑これは貨幣交  

換経済でないかといわれるかもしれない︒   

しかしここで注意すべきことは︑そのような仙般的交換手段として使用される財といえども︑々れほそれ自体直  

︵血七九︶ 二三    シュナイダーの交換の劇般均衡について   とって︑十分条件で嘉こ∵ても必要条件でないと述べ七い  且つ十分な条件は︑裁定方程式の成立であっでY一般的価値尺度の存在ではない︒  

(24)

第三十五巻 第二号   ︵一八〇︶ 二四  

接の効用をもった財であって︑しかも単にこの直接的な効用のためにのみ需要されることによって︑それは交換価  

値をもつにすぎないということである︒したが・つて︑その特定の財︑たとえばA財が仙般的交換手段に選ばれるこ  

とによって︑その財の交換価値はもとより︑その他の財の交換価値も需要数最も変化を受けるようなことは︑全く  

起らないものとされる︒したがって︑このような交換では︑交換手段として利用されるA財は︑交換の過程におい  

ていかなる主体のもとにも滞留するととなく︑直ちにその媒介作用を完結すると同時に︑そのような交換手段とし  

てでなく︑固有の意味秒財として常要されて買手の手中に存在していなければならない︒このように考えると︑か  

かる交換経済においてほ︑A財は間接交換の仲介としてもっぱら使用されているとはいえ︑それほ今日われわれが一  

般に認めているような固有の意味の血般的交換手段であるとはどうしても認め難く︑われわれはやはりかかる交換  

経済は貨幣経済でなくして︑実物交換経済であると規定せざるをえない︒   

さて以上のように︑貨幣経済をど伊ように把えるかは︑貨幣理論にとって極めて重要な問題であって︑貨幣本質  

観にまで湖る根本的課題といわねばならない︒すなわち商品説 ︵cO已mOdity tFeOry︶と名目主義︵nOmina−ism︶  

のいずれをとるかによって︑その解答ほ全く分れるところとなる︒商品説に立つ者は︑貨幣を普通の商品の劇つと  

みなし︑その価値は他の商品の価値を決定するのと全く同じ法則によって︑たとえば需要と供給︑限界効用︑ある  

いは貨幣素材の生産費などによって決定されるものと解する︒貨幣の素材が貴金属からなるときは︑貨幣単位の価  

値は︑その本位金属の生産費によって決定されるというのが︑金属主義︵meta−−ism︶ の立場であって︑商品説の  

代表的形態とされている︒しかし︑商品説の立場からは︑効用説と生産費説とによってそれぞれ立場ゐ相違による  

違いはあっても︑究極のところ︑それの対象とする世界ほ実物交換の経済であって︑そこで決定される交換価値  

は︑原理的にはこれまで述べた交換の劇般均衡理論およびここでは述べていないが生産の仙般均衡理論などで︑十   

(25)

金属主義の立場からは︑貨幣とほその名目的価値と素材価値の等しい実価貨幣︵fu宇b邑ePきne甘︶を意味し︑  

かかる貨幣の根本的機能は山般的価値尺度であって︑貨幣ほこのことによって同時竺般的交換手段の機能をもか・   ねるものとされる︒   

しかしこのような考え方で︑今日の貨幣交換経済の本質的構造が真に把握されうるであろうか︒少くとも商品説  

の立場は︑実物交換経済の構造を明らかにできても︑今日の貨幣交換経済における貨幣の作用を十分に説明できな  

いのではなかろうか︒そこで名目主義は少くとも貨幣を︑商品または実物財とは違った特別の財として区別する︒  

貨幣はたとえそれが実価貨幣であっても︑それほ一般的交換手段として︑すなわち実物財とは違った直接的な効  

用をもたない特別の交換財として︑実物財に対立せしめられる︒そしてかかる劇般的交換手段が存在し︑それが  

人々によっていわゆる現金残高として保有され︑もっぱらそれを媒介として交換が行われる経済が︑貨幣交換経済  

というわけである︒したがって︑この経済でほかかる山般的交換手段の単位で表わされた財の交換比率︑すなわち  

貨幣価格または貨幣の価値がどのように決定されるかが重要な問題となる◇そして名目主義者の多くは︑この貨幣  

の価値の決定を説明するのに︑貨幣数鼠説を利用する︒しかしこれらの問題についてほ後に検討することにして︑  

次に再び本論に戻ってシュナイダーの貸賢父換の説明を考察することにする︒   

︵1︶ ここでほA財の需給均等の条件式を求めたが︑B財の需給均等式を求めても同じ結果が得られる︒これは﹁A財対C財﹂  

と盲財対C財﹂の市場についても同様であって︑㈹式から需給均等式は六っある様であるが︑その中独立のものは三つに   すぎない︒   

︵2︶ 各部分市場での均衡交換比率が裁定方程式を満足することが全く不可能とはいえない︒しかしそれは偶然であって︑必ず   ジュナイダーの交換の劇般均衡について   ︵劇八﹂︶ 二五    分その説明が尽されるわけで∵改めてこれ以上に貨幣の価値の避論を追加する必要を認めないこと ︵ 

9︶  

(26)

それを満足しめるという保証はない︒  

︵3︶この場合︑軽・軽∨軽︵錮・飛∨む︒したがって︑主体3はC財でB財を直接に得るよりも︑これをA財   

と交換して︑それでB財を得るという間接交換のカが有利となる︒主体1も同様に直接にC財を得るよりも︑B財を仲介と   

する間接交換が有利となり︑主休3もまた同様に間接交換の方が有利となる︒このようにして︑﹁A財対B財﹂市場にはB   

財疫対する超過需要が生じ︑告は←昇する︒同様に︑﹁A財対C財﹂市場でほA財転封する超過妻が苧て告は→  

落し︑﹁B財対C財﹂市場では︑C財に対する超過需要から  

を成立せしめる方向に向っている︒   

︵4︶ これも註︵2︶と同じく︑全く不可能とほいえない︒  

︵5︶ この結果︑㈲式でほ全体として需要と供給が均等すればよいとされた︒  

︵6︶中津軽から容易に︑空車叩が得られる︒  

︵7︶ 価値尺度の意味も︑労働価値説とそうでない立瘍とによって︑その意味内容を異にすることはいうまでもない︒ここでは   

山般の慣行紅したがって価値尺度の用語を使用した︒なおここにいう仙般的価値尺度は︑具体的な特定の財の劇定数畳また   

はその価値の意味であって︑シュナイダーのいう単なる抽象的な計算単位︵円︶ではない︒このニュメレールで表わされた価   

格を普通︑相対価格︵邑ati諾price︶またほ実物価格︵rea−price︶と呼ぶ︒論者の中には抽象的な計算単位が貨幣であると   

いうものもある︵たとえば︑RObertLiefmann︶︒かかる討静単位は︑単独でほ交換価値を測定できないが︑他の計算価格が   

知られること紅よって︑両者の比によってその財の交換価値を測定することができる︒その意採でほかかる計算単機も価値   

尺度の機能を営みうるといわれるが︑これは先のニュメレールの意採での価値尺度とはやはり区別すべきであろう︒引算単股   

で表わされた価格ほ計算価格と呼ばれる︒以上ほ実物交換の場合であるが︑貨幣交換経済においてほ二般的交換手段の単位が   

同時にまた一㌦ユメレール︑すなわち二般的価値尺度の機能を営む︒この貨幣は抽象的計算単位と異なって︑具体的に実在す    第三十五巻 第二号  

A九   は上昇する︒このような交換比率の変動は︑裁定方程式   ︵二八二︶ 二六  

(27)

Op.Cit●V pp−00−−P︶  

︵8︶ この間題については︑高田︑前掲番︑二九八頁︑および栗村雄吉︑経済学原論︑二三九頁を参照されたい︒なお︑これに  

シュナイダーの交換の仙般均衡について   れを図示したのが下図である︒もし宛が1であれば︑すなわち交換手段の単   位の計算価格が1であれば︑計算価格と貨幣価格とは等しくなる︒この場合   計算単位と交換手段とは仙種の共生を形成し︑抽象的な計算単位が交換手段   の単位の価格でもある︒したがってわれわれは支払をなす場合に実際に用い   るところの︑交換手段の単位で計算することになる︒もちろんこの場合交換   手段の各単位がすべて完全に同︼であることが必要とされる︒︵Patinkin−   いるからである︒このように一般的価値尺度の概念も︑抽象的引算単位︑実   物財的ニュメレール︑一般的交換手段の単位等︑人々によ?てその意味内容   を異にし︑また価値そのものの概念もまた異なっている︒   

次に以上の関係を参考までに︑式と図表で示しておこう︒いまこの経済は  

A︑B︑Cの三財と交換手段Mとからなるものとする︒計算単位︵U︶で表  

わしたA︑B︑C︑Mの計算価格はぁ︑あ︑塾九で表わされる︒次にA︑  

B︑Cの貨幣価格は︑怠︑惹∵意で表わされ︑Mの貸幣価格ほ︑1  

である︒Aで表わさたA︑B︑Cの相対価格は1︑   るものであるが︑また先の実物財的ニュメレールとも違って︑商品としての固有の価値を必ずしも必要としない︒この貨幣   の単位で表わされた価格が貨幣価格または絶対価格である︒貨幣価格ほ計算価格と違って単独で烏オぺレーショナルな意義   をもっている︒すなわち﹁一財の貨幣価格が2﹂ということは︑その財二軍位と貨幣2単位とが交換されることを意味して  

告︑A九である︒こ  

︵仙八三︶ 二七   

(28)

︵仙八四︶ 二八   第三十五巻 第二号  

関する過去の栗村博士の見解︑ならびに甘吼田博士との論争についてほF価格と貨幣﹄と高田博士の前掲書を読まれたい︒   

︵9︶ これまでの純粋の交換理論では︑財の生産はいまだ考慮されていない︒したがってこれまでの交換価値の理論でもって︑  

生産費説の貨幣理論までが説明されえないことほいうまでもない︒ここでほその実物交換的性格を強調したまでである︒  

五  

シュナイダーは上記の実物交換の過程は︑貸弊の形態で︑すなわ正二般的に認められた支払手段の使用によっ  

て︑より簡単に行われうるという︒そして支払手段としては︑素材価値をもたない︑したがって所有者にいかなる  

直接的効用をも与えない貨幣︵たとえば紙幣︶で十分であるとする︒そこでこのような血般的支払手段の仲介によ  

って交換がなされるわけであるが︑その場合均衡状態において交換取引を遂行するために︑どれだけの数量の支払  

手段が必要であるかは︑財の価格の高さと支払手段︵貨幣︶ の所得循還速度に依存するという︒そこでレネナイダ  

トは説明を簡単にするために︑支払手段の単位と脚般に認められた計算単位とは同山であると仮定す  

る︒す・ると計算単位で表わされた討算価格と貨幣単位で表わされた貨幣価格は同山となる︒したがっ  

て︑A︑B︑Cの財の計算価格がそれぞれ㌣=−u訝=P㌘︾=P監であるならは︑所得循還速度を1と仮定  

すれば︑主体1︑主体2︑主体8の貨幣需要は︑それぞれ86︑44︑鍍の貨幣単位となるであろう︒そこですべての  

支払が期末になされると仮定すると︵したがって売買はその期間内では信用で行われるとする︶次の如き﹁支払表﹂ が表わされる︒この場合︑この経済の総所得はm貨幣単位であって︑それは丁度総消費支出の価値に等しい︒した  

がって所得循還速度が1であれば︑全体として12単位の貨幣数藍が必要となる︒そしてこの.額は価格がb象−−−﹀ l  

︾=Pや∴㌣りP監の場合における均衡状態にある静態経済の貨幣密要を表わし︑しかもそれは先述のように三人   

(29)

以上のように︑交換過程は一般的支払手段としての貨幣の使用によって︑極めて簡単に  

実施される︒しかもそれによって︑実物交換においで決定された財の相対価格と需要数崖は全く変化していない︒  

ただ所与の計算︵貨幣︶価格に対応して︑取引に必要な貨幣数監が︑所得循遼遠度が与えられることによって決定  

されたにすぎない︒それでは貨幣は︑かかる貨幣経済において︑い 

ーほ次にこれを一般的に分析する︒  

一定期間の総所得をE︑支払手段の数最︑すなわち貨幣数量を〃︑所得循還速度をyとすると︑これらの間には  

次の関係が成立する︒  

仙川 軸=竃●く  

シュナイターの交換の一般均衡について   の主体間に分配されているわけである︒   

さて︑この﹁支払表﹂からも︑われわれは次のことを直ちに容易に知ることができる︒す  

なわち主体1からの主体2への支払額は︑主体2からの主体1への支払額より4・8貨幣単位  

少ないことと︑また主体1から主体8への支払額は︑主体8から主体1への支払額よりも  

貨幣単位多いことである︒したがって主体1は主体2に対す克販売超過額を︑主体3に  

対する購入超過額の支払に利用することによ?て︑丁度収支均等となっていることが分  

る︒このことは主体2︑主体3についても同様である︒交換の一般均衡は︑一一ぢの各部分  

︵1︶   市場における均衡を同時に伴わないことほ︑貨幣交換の場合においてもまた同様である︒  

各部分市場の均衡をも同時に求めるならば︑相対価格は裁定方程式を満足できないであろ  

う︒  

︵山八五︶ 二九   

(30)

︵劇八六︶ 三〇    第三十五巻 第二号  

この場合yは制度的に定められた常数である︒さて匝−Ⅰ㌣・q十曾・㌣十bQ・Cの関係が成立するから︑これを㈹  

式に代入すると  

㈹ kざ忘十㌢・ひ十bQ・へ==−竃・く  

が得られる︒この式は取引方程程式︵宕rkeFrsg−eicFung︶またほ数量方程式 ︵Quantit警sg−2icFung︶ と呼ばれ  

るものである︒それは一期間の総取引は支払手段の量と制度的に与えられた所得循還速度の積に等しいという自明  

の命題を表わしている︒しかしもしこの所得循還速度が制度的に与えられた大きさでないならば︑この㈹式は所得  

循還速度に対する定義式を表わす︒   

さて︑すでに示したように︑均衡状牒においてほ︑財の価格は一定の比で確定されている︒われわれの数値例で  

は  

︾∴宮⁚㌣=父ごふ函⁚忘  

であった︒それほ一般的には次のように表わされる︒  

.∵︑−︑︑†⁚﹂−−・㌣⁚ト・∴F   

または  

川−ゝこ・⁚トJ︼∴\⁚・Fぺ⁚\⁚・ト∵r   

いうまでもなく︑γほ未定の比例常数また乗数因子であって︑この値によって価格の絶対的水準が決定される︒  

いま捌式で与えられた価格を取引方程式に代入すると︑それは次のように表わされる︒  

蝕 ︵評・屯十計・か+㌣・C︶・1=竃・く   

この式において︑明らかに︑‰︑‰︑‰︑α︑∂︑CおよびⅤは︑与えられた常数であるから︑この式から乗数   

(31)

因子γの大きさ︑または財の価格の絶対的水準は︑‖貨幣数最肘の大きさに︑ある′いは逆に︑貨幣数量ガの大きさほ  

γまたほ財の価格の絶対的水準に依存することが分る︒このことから︑レ∴∵ナイダーは次の根本的には同じことを  

表わすところの二つの命題を導き出す︒   

闇 静態的交換経済において︑貨幣の所得循還速度が与えられている場合︑貨幣数量が均衡状態における財の価  

格の絶対的水準を決定する︒したがって︑均衡状態にある静態的交換経済において︑一定の貨幣数量が投入される  

ならば︑均衡価格ほ馴と飢とによってえられる絶対的水準をもたねばならない︒   

㈲ 静態的交換経済において︑均衡価格の絶対的水準は︑交換過程の遂行にとって心要な貨幣数量を決定する︒   

さて︑シュナイダーは︑われわれの静態的交換経済における貨幣数量の役割を理解するためには︑ここにあげた命●  

題を十分に注意して理解すべきであをという︒というのは︑われわれほこの命題において︑貨幣数鼠の増加が冊式  

には対応する均衡価格の上昇の原因であるとは決して述べていたことである︒われわれは︑ただもしより多くの支払  

手段の数量がわれわれのシステムに投入されるならば︑財の価格は捌式にしたがって上昇されねばならないと述べ  

ているにすぎない︒要するに︑われわれの考察は比較静学的であって︑それ′ぞれ異なった大きさの貨幣数量のもと  

での︑相異なる二つの均衡状態を比較して︑その場合における均衡価格がそれぞれいかなる水準でなければならな  

いかを問題としているにすぎない︒したがって︑い啓二定の貨幣数量のもとで︑均衡状態にあるところの一つのシ  

ステムにおいて︑貨幣数量がある一定の仕方で︑たとえば二倍にぜれたような場合︑そのシステムが新しい均衡状  

態にどのようにして移行してゆくかについては︑われ′〜は全く何も尋ねていないのである︒このような問題に対  

しては︑動学理論または過程分析のみが︑はじめてそれに十分答えてくれるであろうと︑シュナイダーは述べてい  

るが︑そのような因果関係の考察は︑彼自身はここでは全く行っていない︒その意味では︑ここでの彼の貨幣の役  

︵劇八七︶ 三劇    シュナイダーの交換の劇般均衡について  

参照

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