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ソロモンの利益測定論について 幸

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Academic year: 2021

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(1)OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ. ソロモンの利益測定論について 幸. 正. 木 I はじめに. 戦後のアメリカ会計学発達史の中で,とりわけ利益測定論に関して卓越した 理論を展開した者として,. s .アレキナシダー,. D.ソロモン, H.スクィニ ー ,. エドワーズ=ベノレ, R. スターリングで,井尻, N.ベッドフォード,. l. 等を指摘. することができる。こちした人々のうち,ソロモンやスターリングの利益測定 論については,筆者の知る限りほとんど紹介されていない。そこで本稿は,. ソ. ロモンの利益測定論をとりあげ,彼の特徴ある見解を析出しようとすることを (1). 目的としている。 ソロモンの利益測定論に関する基本的見解は次の文献において展開されてい る 。. ①. Y ロモンの改訂による. s .ア レ キ サ ン ダ ー 論 文 「 動 的 経 済 に お け る 利. 益 測 定 j1962 年 (1) ソロモンの利益測定論といっても,それは「体系化された理論」ではない。したが って,ソロモシの利益測定論の理解には特別の注意を要することは云うまでもない が,たとえ「無体系な 理論"と云えども利主主測定の本質的諸問題を深く論じ得てい る点で「ソロモシの利益測定論 Jとして取り上げることは許されると思う。なお , ロモシの利益測定論」において,価格変動に伴う諸問題については,本稿では割愛せ ざるを得なかったことを付言しておきたいと思う。 (2) DavidS o l o m o n s 'r e v i s i o no fS i d n e yA l e x a n d e r, Income Measurementi na "W. T. BaxterandSidneyDavidson ( e d i t o r s ),S t u d i e si n DynamicEconomy, AccountingTheory(London,1 9 6 2 ) pp.126‑199 アレキナシダーの論文「動的経 9 4 8 年に,当時の AIA (アメリカ公認会計士協会 AICPA 済における利益測定」は, 1 の前身〕によって組織された「企業利益に関するスタッディーグループJの 5つのモ ノグラフの 1つとして執筆されたものである。その後アレキサンダーは他の出版物で 自らの見解を修正するととも,より精致なものへと発展させることもしていない。し かし,ソロモシは,上記のアレキサンダー論文をより明確にするために随所で字句を. r ;.

(2) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 0 7. ‑207‑. ソロモンの利益測定論について ②. ソロモン稿「利益の経済的概念と会計的概念 J1961 年. ③. 年 ソロモン稿[原価と価値の経済的概念と会計的概念J1966. これらの文献のろ払われわれはソロモンの見解はとくに①と②において顕 著に表出しているものと考え,本稿はこれらに文献的基礎をおいている。. I I 利益概念の有用性. Y ロモンは,種々の利益概念の根底にある利益の本質を「利益の基礎的概念」. r. と称し,この基礎的概念を検討するに先立って. 利益概念の有用性 Jについ℃ 検討を行っている。利益概念の有用性とは,そもそも利益なる概念は必要なの か,否か,. もし必要ならば,それは何のために必要・なのかといろ問題である。. たしかに,利益概念が会計上無用の長物であるならば,利益の基礎的概念を 検討することも,また利益の定義を試みることも不必要であるから,利益の基 礎的概念の検討に先立って有用性を検討することは,会計の本質を損益計算に 求める立場であるか否かにかかわらず,当然に論理的前提をなすものである。 ではソロモンは利益概念の有用性についてどのように考えているのであろラ か。まず,. r 動的経済における利益測定」においてソロモンは, r 利益の決定が. アカクンタントの主要な任務」であると認識し,次のように指摘している。 「アカウンタントの計算の最終的結果は,個別企業,実業界,全体経済に対 して重要性をもってさまざまな方法で利用される。とくに利益は. 1つ の 主 要. な課税形態の基礎とし℃片~\,、られている。利益は,株主や投資家大衆に対して. は,企業の業績の尺度や配当の利用可能性の基準として用いられている。料金 決定の合理性,公 1性の有無を調査する料金規制当局によっても用いられてい 修正しているばかりか,司変所得の節で重大な修正を加えている。また,ソロモンは ②と③の論文で自らの見解を展開させている。したがって,修正されたアレヰサンダ ー論文は,ソロモシの見解であると考えて差しっかえないであるラ。 (3) D avid Solomons,"EconomicandAccounting C o n c e p t so f Income" The AccountingReviewvoL XXXVI, J u l y1 9 6 1p p .374‑383 (4) David Sol o m o n s, Economic and Accounting C o n c e p t so fC o s t and V a l u e " ModernAccountingTheory" E d i t e dbyMortonBacke r . EnglewoodC l i f f s,N. J .Prentice‑Hall,I n c . ., 1 9 6 6.

(3) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 4 巻 第 1号 第5. ‑208‑. 208. る。(さらに),資本維持をはかる反面,財産からの利益の分配責任をもっ資本 受託者の指標として利益は用いられている。おそらし利益の最も重要な用途 は,経営者の業務の遂行?と際しての指様としてであり,また,そうあるべきで ある。 J つまり,ソロモンは,利益概念は経営者が経営管理を行ってゆく場合の指針 として必要であると考えている。. r. 一方, 利益の経済的概念と会計的概念Jにおいては,利益概念が租税目的や 配当方針の決定に役立ちうるという立場には否定的見解をとり,株主の投資目 的や経営者の経営管理目的に対する有用性を認め,その場合,利益概念を現在 価値 ( p r e s e n tv a l u e )の増加であると把えている。すなわち,租税目的に対す. る有用性については,利益が担税カの良き尺度であるとするにはなお概念的欠. v e rc a p i t a lr e s o u r c e s ) 陥を有するから,①資本財に対する支配力 (commando に基礎を求ゐるか,②「消費」もしくは「支出」に基礎を求める方がはるかに 合理的であるとして,利益概念の有用性に否定的立場をとる。また,配当方針 の決定に対する有用性については,①利益の存在は十分な資金の存在を保障し ないから取締役の配当方針の決定に役立たないこと,②配当前の株主資本の維 持を要請するか,もしくは,配当前に債権者の請求権を充足してなお超過する ととろの明確に定義された. 資産の剰余"を要請する方が利益概念によるより. も債権者保護に有効である,とする。 また,利益概念の投資政策に対する有用性についてソロモンはつぎのよラ?と 考えている。 投資家は投資収益の極大化を追求し,それは,投資家が現在,投資を行えば 得られる利益(配当)によって導かれる,といわれ ている。他方,競争経済に l. おいて経営者の経営管理の成功をはかる最ー普の尺度は利益であるという議論も ある。. これら 2つの利益に対するニーズは,. 閉じ方向にむかっている。つま. り,投資家にとって最も魅力ある投資は,現在,投資を行うことによって将来. (5) S o l o m o n s,1 9 6 2p .1 3 1 1 9 6 1ppω374‑375 (6) S o l o m o n s,.

(4) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ソロモンの末) 1 主主測定論について. 2 0 9. ‑209ー. 受けとることのできる貨幣収入の現在価値が最大となる投資である。投資の選 択に際して歴史的データーが役立ちうるならば,現在の投資の現在価値がどの よラに増加したかに関するデーターである。他方,経営者にとっても,所定の 期聞に投資家から委託された資本の現夜価値を最大限に増加させることが成功 であると云える。それゆえ,いずれの場合にも,現在価値の増加ということが 重要である。. f. 以よのように,利益概念の有用性に対するソロモンの見解は,経営者の経営 管理目的のための有用性であり,しかも,現在価値によって測定された利益概念 であるという点に大きな特徴をもっている。しかし問題は何故にソロモンが現 在価値によって利益を把えるかであり,これが本稿の究明すべを課題でもある。. I I I 利益の基礎的概念 利益の基礎的概念に入る前に,ソロモンの研究課題のアプローラについて確 認しておきたいと思う。ソロモンはヒックスの所得の核心的定義である「彼が 一週間のうちに消費し得て,しかもなお週末における彼の経済状態が週初にお けると同ーの裕福さであると期待できる最大額である」というのを前提として, 「裕福さ」とはいかなる意味であるかに研究課題をみい出してし 「動的経済における利益測定Jにおいては,. : Lそして.. 1 純粋に理論的観点から接近できる. 利益概念を分析し,その分析結果をアカワン}が伝統的に測定している利益概 (8). 念と比較すること」を研究目的としている。そして,この研究目的を達成する ために,経済理論的アプローテを採用する。では,経済理論的アプローチの特 質は何か。ソロモンによれば,資本や利益に関しては,エコノミストの閣でも 多くの議論があるが,少なくともアカクンタントの接近法とは,次のような点 で重要な差異があるとい ①. j :. エコノミストは, リアノレ・タームで利益を考える欝慣があるが,アカク. (7) Solomons,1 9 6 2p .1 2 7 (8) Solomons,1 9 6 2p . .1 3 2 (9) Solomons,1 9 6 2p 1 3 3 刷.

(5) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 4 巻 第 1号. ‑210ー. 2 1 0. ンタントは通常貨幣額で利益測定を行う。 ( 室 ) エコノミストは,通常,資産価値を当該資産の将来の純受取額の現在価. 債で測定するのに対し, アカクンタシトは,主として歴史的原価で評価を 行う。 ③. 所与の期聞における財・用役に対する受取人の エコノミストは,利益を J 支配力の変化であると考えるのに対し,アカワンタントは,取引を選択し, 取引に関する損益に 関心を限定している。 l. とのよろに,アプローテが相違しているために,エコノ tストの利益概念は, 変化する「不確実な世界 Jに妥当するが実際に適用可能な概念とはならないの に対し,アカワンタントの利益概念は,活動の「正確な測定Jを追求するが, 不確実な世界」では妥当しない概念となる。この結果,資本や利益 変化する i の測定に差異を生じるが,ソロモンは,経済理論的アプローチによって,利益 概念を「個人の所得」と「企業利益Jに分けて分析する。このよろに利益概念 を 2分して検討する理由は,1実際的な適用におい℃呉なる利益概念となるから であお)としている。しかし,より本質的には,ソロモンは, このような検討 を通じ 亡利益の基礎的概念を推論し,それをもって実際的な利益拠定の批判の l. 恭i 謎を得んとしているものである。. (1) 個人の所得 ソロモンは「個人の所得 Jという概念に対して大きく 2つのアプローデを示 している。 1つは,所得の本質的要素として「満足」といラ観念が存すると考 え , この「満足」によって│裕福さ」の解釈をしようとするアプローチである。 もう 1つは,主観的な「満足」といろ概念ではなく,満足を与えるところの「財 ・用役」といラ概念によって「裕福さ」の解釈をしようとするアプローチであ る。以下,この 2つのアプローテについて説明し,ソロモンのとる立場を明ら カ吋としよう。 まず最初のアブ。ローテから述べ. ( 1 0 ) S o l o m o n s,1 9 6 2p .1 3 5 ( 1 1 ) S o l o m o n s,1 9 6 2p 1 3 5. 2 7一般に「所得」概念は明らかに「宮」概.

(6) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 1 1. ソロモンの利益測定論について. ‑211‑. 念とは区別して使用され,個人がある年に支出として利用した金額を意味して いる。「富 J~土ストックであり「所得-' ~土フローであるといわれている。また, 個人所得のうち消費せずに貯蓄した所得部分は富に加えられるので,個人の寓 は期首の富に所得と消費の差額を加減したものといえる O このような「所得」 概念に対する説明は余りにも漠然としており,とうてい厳密な分析のためには 有効ではないが,利益概念の本質を例示するためには役立ちろる。ソロモンは, 所得概念の日常的な説明の中に含意されるべイヰ/ックな観念に注目する。つま り,上記の/レーズな説明の中に含怠されるべイ. νックな観念とは,人間は具体. 的な事物の利用,自己もしくは他人の行為,によってある種の「経験 lを願望 しているという観念でo5る。そして, にの願望された「経験 Jを「満足一│と称 し,満足を与える具体的事物を「財 J ,満足を与える行為を「用役Jと称する。 かくして,ある所与の時点における人間の満足に対する支配力をその時点での 「裕福さ」と称するならば,ある期間の所得は当該期聞に獲得した「裕福さ│ の i 純額」であるといえる。 ところで,ある人が彼の支配下にある満足を現実に享受するとき,彼は満足 を与えているところの「財・用役」を消費しているのである。つまり, 1"消費」 は満足に対する支配力の行使であり,そうした支配力の行伎を通じて「裕福さ」 は消費に見合う額だけ減少しているわけである。したがっ‑C,年閣の「裕福さ」 の純額(つまり, i [ 1 沫変化)は,所得マイナス消費である。これは明白である から,これを用いて,所得の概念規定をすれば,. r ある年度のある人の所得は,. 消費プラス彼の裕福さの正 l 床変化である」ということになる。乙うして J満足」 なる観念を基礎とする最初のアプローテである所得概念が得られるのである が , この概念規定は,所得概念に浬論的に接近しえても, 1"満足J(それゆえ, 裕福さ)の客観的測定は出来ないから,ソロモンは事実上,その概念に到達出 来ないものとしている。そこで,. ζ. の主観的な│満足j という概念に代えて,. ( 1 2 ) ここで「裕福さ」の「純額」という言紫が用いられ℃いるのは,別の「裕福さ」を. 得るために,ある「裕福さ」を断念せざるを得ないこともあるからそれを考慮に入れ るために用いられている。 ( 1 3 ) Solomons,1 9 6 2p" 1 3 6.

(7) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 1 2. 第5 4 巻 第 1号. ‑212‑‑. 満足を提供するところの「財・用役」といラ概念で所得概念や「裕福さ」の解 釈に接近しようとする第 2のアプローデが考えられる。 第 2のアプローチによれば,所得は,財および用役といラ 2つの集合の聞の 差異で構成されると思考する。また,このアプローチでは,財および用役が共 通の単位でもってiJl.1j定される必要はないといろ立場をとる。こラした観点か ら,このアプローチの所得概念の規定をすれば, 当該年度に消費 年度末に所有され 年度初めに所有し 所得=された財・用役十ている財・年度末一ている財・年度初 の集合 に支配している用 めに支配している 役の集合 用役の集合 となとこの概念規定は,ソロモンによれば,もし所有または支配している 財・用役の一覧表が完全であれば,ベイ. νックな所得概念に厳密に接近できる. のであるが,何らかの│ヨ的のために,所得の測定値を得よろとする場合には, 役立たないといろ。といろのは, こうした場合には,所得を異質な事物や行為 の複雑な相互関係として把握するのではなしある明確な単位で表現された単 一の測定偽を必要とするからである。いいかえれば,所得の測定な複雑な多次 元現象としてではなく. 1次元の測定値として把鑓する必要があるからであ. る。そこで,そした単一の測定値を得るためには,上記の概念規定で使用した 「財・用役の集合」から,通常貨幣と交換されない財,特に j 羽役を除外し,共 通の評価因子である貨幣によって測定するということ,つまり,先の所得概念. r. の概念規定を歪曲せしめることが必要となるのである。こうして, 財・用役の 集合」から,貨幣と交換されない財・用役を除外すれば,残りの財・用役の集 合は,経済的な裕福さを構成するところの富である。ソロモンは,この「富」. P所得は直接貨幣で. といラ概念を用いて個人所得を定義する。すなわち,個合. 測定できる当該個人の支配下にある財・用役の総計である。あるいは,個人の 所得は,. 当該年度の消費プラス期末の富マイナス期首の富であると定義す. 1 1を構成する諸要索は,貨幣によって測定可能な財・用役であるから,寓 る 。 7 一 リ P. ↑叩側. 一m m 一 OO 一 QMQM.

(8) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 1 3. ソロモンの利益 i W J定論について. 一 218ー. r. の総言│も貨幣による測定が可能となる。そして, 消費 iは,所得を獲得した期. r. 間の満足の総計と考えるのではなく, 消費」という宿の破壊を通じて満足を { j l 供するさいに使用したところの間以同 l i J能 則 。 用 役 の 侃 備 と 開 解 す ど こ うして,利益測定の実際的燦作においては句「総指iさ」という主観的でかつ抽象 的概念よりも,具体的でかつ相対的により客観的な i 寓!といち概念が用いら れるに到るとソロモンは述べている。しかし, この「富 Jの概念で所得の本質 を把握するにしても,. r 宮」は「裕禍さ」のあくまで大雑把な近似値にすぎず,. あるいは,宮の貨幣的測定織が際福さの近似備とはなりえないという事態も生 じる場合がある点に注意されなければならない。とりわけ,物価水準の変動に 際しては然りである。 さて,このように所得の本質を官という概念で限定してしまうと,関心の焦 点を個人所得に制限すーる必要性はなくなり, '{吉の増加をもたらす資産価値の jF 昧変化すなわち「資産の所得」についても議論することができるし,企業を資 産の集合と見倣して,. r 企業の所得(利益 ) J につい亡も議論することができる. のである。 このように, ソロモンは「個人の所得」の本質に関して 2つのアプローチを 示しつつ,自らは,所得の本質をややゆがめることにはなるが,貨幣によって 交換された財および用役の集合に限定し,それに対する支配力を富と規定し, この宙なる概念で所得概念を把えようとしているものと理解されるのである。. (2) 企業の利益 「企業の利益」も「個人の所得 Jと密接な相互関係があり,企業の利益は, 個人の所得決定の一局面と見倣すこともできる。しかし,実際の適用に際して, 両者は異なるアプローチをとるので別個に検討する必要があることは先に指摘 した。ソロモシによれば,①企業の利益は,株主に対して報告するという目的 以外に,他にいくつかの目的があるから,個人所得の測定ノレーノレをそのまま企 業の利益測定に適用することは,必ずしも常に妥当しないこと,②企業利益の. ( 1 6 ) Solomons,1 9 6 2p.1 3 8.

(9) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 214. 第5 4巻 第 1号. ‑214‑. 考察には,人間としての個人の主観的誤差によって生じる問題を回避できるこ と,を指摘してい. Zそして,. この企業の利益に対するアプローチとして,0). 持分変化アプローチ ( equity‑changea p p r o a c h ) と @経営利益アプローチ. ( o p e r at i n g . . p r o f ita p p r o a c h ) の 2つがあると述べている。. 持分変化アプロー. r. テによれば, ある年度の企業利益は,企業の持分所有者に分配でき,期末にお. r. いて期首と同等に裕福である額Jと定義される。ここで, 期末において期首と 同等に裕福である│ということは,期末における株主の持分価値が期首におけ る株主の持分価値と等しくならなければならないといちこと,つまり,資本の 完全な維持を意味している。このアプローチでは,企業の利益は, (持分所有者 への分配は,期末持分に加算されているから),期首と期末の持分の正味価値の 差異として接近するものである。したがって,このアプローテでは,とくに, 財の期間的評価が決定的に重要となるのである。 もち一つの経営利益アプローチは ることによって,すなわち. 1期間の企業の経営活動の損益を分析す. 1期閣の売上収主主から,その収益獲得に要した費. 用を控除することによって,利益に接近しようとするアプローチである。 ソロモンは,このように. 2つのアプローチを示しているが, これはあくま. で企業の利益に対する一般的な接近法を説明したにとどまり,それ以上の意味. r. を有するものではないと考えられる。あえていえば, 動的経済における利益測 定」では,純粋に浬論的観点から接近できる利益概念を分析し,その分析結果 を伝統的な会計の企業利益と比較することであるから,企業利益に対するアプ ローチの確認は,そうした分析や比較検討のための前提条件ともいえるのであ る。もとより,ソロモンは,個人の所得というより,アカワンタシトの企業利 益に関心をもっているので,企業利益の分析については後述するところに委ね られているのである。. I V 種々の利益概念 企業の利益概念については,すでに述べたアプローチの相異や測定基準の相 ( 1 7 ) S o l o m o n s,1962p .139 o l o m o n s,1962PP 139‑140 ( 1 8 ) S.

(10) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 1 5. ‑215‑. ソロモンの利益測定論について. 異によって種々の概念が派生する。ソロモンは,そろした点に関し‑C,単純化 した異体例を用いて説明している。 く例〉. ネバロース製造会組は,部品の製造を行っている。 19x5年の初めに,年. 100, 000個の部品を製造し,それを 100, 000ドル(総費用 9 0, 000ドル)で販売し, 1 0, 000ドノレの利益を予想している(もしくは, 1 0, 000ドルの配当を将来継続的 に行えるものと予想している〉。現在,長期利子本 l ま5 %であるので,年 1 0, 000 ドノレの利益配当の現在価値200, 000ドルが当社の持分価値となる。. しかし,. 実. 際には会社は 19X5年に, 1 30, 0 0 0 1 闘の部品を製造し,購入時点で通常の会計 基準で測定したインプットのコス fは単位i O . 8ドノレであり,したがって,総額で は , 1 0 4, 000ドノレであった。製造時点の価格によれば, 130, 000 個の部品製造に, j 単価 0.9ドノレつまり総額で 1 1 7, 000ドノレ,かかっていたであろう。. 19x5年に会. 社はパ完成した部品のー古T ¥ 2 2, 5 0 0 1 闘を残し), 1 0 7, 500 価の部品を単価 1 ドノレで 販売した。かくして,売上原価は, 86, 000ド ノ レ (=0.8ドル x107, 500 伺)とな. 500ド ノ レ (=0.9ド ノ レ X107, り,販売時点の条件を考慮すると,売上原価は, 96, 500 偲となるであろう。 当社は, 19x5年 1 2月3 1日に,. 21, 500ドノレの配当を支. II 味財産の増加は,期首・期末の棚卸資産を,取得原価で評価すれば, 払った。 j. 25, 000ドノレとなり,取替原価で評価すれば, 2 7, 500ドノレとなり,見積られた市 場価格で評価すれば 30, 000ドノレ,となる。これらの評価数値は,たとえそれが 会社の記録と一致していなくても,合理的な数値として受け入れられるであろ ろ 。 19X6年 1月 1日現在で,会社は将来毎年 1 2 0, 000個の部品を総額 1 0 9, 000 ドノレで製造し,. その 1 2 0, 000個の部品を単価 1 ドノレで販売するものと期待され. る 。 1 1, 000ドルの利益は全部,毎年末に分配される。したがって,当社の期末. 1, 000ドノレの現在価値である 220, 000ドルとなる。 の持分価値は, 1 この単純化された製造会主!の事例をもとに, 19x5年の同社の利益を計算す れば,ソロモシは次の 4つのカテゴリーになるとしている。. ( 1 9 ) Solomons,1 9 6 2pp.140‑141 ( 2 0 ) Solomons,1 9 6 2pp" 141‑142.

(11) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 4 巻 第 1号. ‑216‑. 216. 持分変化アプローチによる利益概念. 1 . 混合的経済利益 ( mixede c o n o m i ci n c o m e ) 期末持分の変化・ ・・ 1. 1. 0 ゆ. " . . … …. 配当. 20, 0 0 0 ( 1 ) 21, 500. 41, 500. く分 W f >. (a)純粋経済利益. 11, 5 0 0 ( 2 ). (b) 期待せざる利得. 30, 000向. 2 . 1 ' J 形持分変化利益 ( t a n g i b l ee q u i t y‑ c h a n g ei n c o m e ) (a) 完成品の歴史的原価による評価. 25, 000. (b) 光成品の取替原価による評価. 27, 500. (c) 完成品の市場価格による評価. 30, 000. 経営利益アプローチによる利益概念. 3 . 会計的利益 ( a c c o u n t i n gi n c o m e ) 21, 5 0 0 ( 4 ). (=販売による混合的利益〉 く 分1 9 1 1 1 >. (a) 純 粋 先 t利 益. 1 0, 7 5 0 ( 5 ). (b) 売上原価にチャージ される価格変動利得. 1 0, 7 5 0 ( 6 ). 4 . 生産による混合的利益 (mixedp r o f i tonp r o d u c t i o n ) 26, 000(7) く分解〉. (a) 純粋生産利益. 1 3, 000ぬ. くb) 製造原価にチャージさ れる項目の価格変動利得 1 3, 000向 ( 沿 っ. 計算方法:. (1). (配当後)期末持分価値2 2 0, 0 0 0ドノレ一期首持分価値2 0 0, 0 0 0ド ノ レ. (2) 期末正味財産241 , 500 ドル一期首正味財産 2企!~盟一ドノレ=純粋経済利益 1 .0 5.

(12) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ソロモンの利益測定論について. 2 1 7. ‑217ー. 1 1, 5 0 0ド ノ レ. 事後的に計1B1.された~2.!1.~~QQ. (3) 詰 期首.iI味財産. ー. 1 .0 5. 事前的に計 期待せざる ドルー算された期2 0 0 . 0 0 0ドノレ=利得 首持分価値 3 0, 0 0 0ド ノ レ. (4) 19X5年の売上高1 0 7, 5 0 0ドノレー股史的原価による売上原価8 6 . 0 0 0ドル官. 会計的手J I 議2 , 15 0 0ドル (5) 売上高1 0 7, 5 0 0ドルー販売時点て守山lされた売上原価9 6, 7 5 0ドル z 純粋売. 上利益1 0, 7 5 0ドル (6) 販売による混合的利益2 1, 5 0 0ドノレー純粋売上利益1 0, 7 5 0ドル =10.750ドル. (7) 製品の l 仮売価俄1 3 0, 0 0 0ドルー製品製造@価1 0 4, 0 0 0ドル=生産利益26, 0 0 0. ド / レ (8) 製品の販売価値1 3 0, 0 0 0ドノレー製品の取替原価1 1 7, 0 0 0ドノレ=純粋生産利益. 1 3, 0 0 0ト ツ レ (9) 製品の取替原佃i 1 1 7, 0 0 0ドノレー歴史的原価による製品製造原価1 0 4, 0 0 0ド ノ レ. =価格変動利得1 3, 0 0 0ドル 上記の各々の利益概念について,簡単に説明を加えておこう。混合的経済利 益は,持分の変化,いいかえればストックの変化にもとづく利益計算の方法で あり,現在価値を基礎にした配当前の期末持分と期首持分の差異によって計算 される。配当前の持分棋をとるのは, 配当によって企業の持分総額は減少する からである。 この企業の配当前の持分総額は 241, 500 ドルであり,期首持分は 200, 000ドルであったので混合的経済利益は. 4 1, 500ドノレとなった。. この混合的. 経 済 利 益41, 500ドノレを全額配当にあてると仮定すれば, この企業の期首の正味 財産は一体どうなるか。 これについては, ドノレの配当を行っても,. 2つの見方がある。 1つは, 41, 500. この企業は期首におけると同等に裕福であるとみる見. 方であり,他は, 41, 500ドノレの配当を行えば,期首よりも裕福でなくなるとみ る見方である。 このように,見方が 2つに分かれる原因は, この企業の 19x5 年期首の正味財産を期首時点で測定した200, 000ドjレとみるか,あるいは,実際 の支払配当21, 500ドノレを考慮した期末正味財産の測定時点で回顧的に計算した 241, 500 期首の正味財産230.000ドノレ(=一一一一一〕である, とみるかの相違によるの 1 .05 である。後者の見方に!立てば, 241, 500ドノレと 230, 000ドノレの差額である 10, 500 ドルが利益(これを純粋経済利益 p u r ee c o n o m i ci n c o m eと称する〉で,残りの.

(13) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑218‑. 30, 000ドノレは,. 第5 4 巻 第 1号. 218. 予測と実際の相違によって生じた l期待せざる利得 J ( u n e x ‑. p e c t e dg a i n )となる。純粋経済利益は, 配当に当亡ることのできる額であるか ら,こうした見方に立てば, 2 1, 500ドルの実際の配当支払は,期首資本を損っ ていると考えられるのである O このように,期首および期末の各々の時点で評価された持分価値と利子率が 与えられるならば,混合的経済利益は純粋経済利益と期待せざる利得に分解さ れるのである。 つぎに有形持分変化利益酬であるが, この利益概念は無形資産を除外した企業 の資産価値を評価し,持分価値を決定し,その持分価値の変化によって測定し た利益概念である。したがって,企業の将来期待できる収益力の資本化した価 値が利益測定と直接関係づけられているのではなし、。 L叫、かえれば,何らかの 評価基準で企業の資産価値を測定すればよいのである O 資産評価には種々の方 法があるので,持分価値の決定もそれに応じて種々異なってくる。しかし,測 定された持分価値と将来期待された支払配当の資本化した価値との聞には,い ずれの場合にも差異が生じるのが通常である。この差異をソロモシは「継続企 業価値 J ( g o i n gv a l u e ) と称している。これについては後に触れることにしよ う 。. 0 7, 500ドノレから歴史的原価による売上原価 会計的利益は 19X5年の売上高 1 8 6, 000ドルを控除して求められる。. ζ. の売土原価は購入時点、における原価にも. 6, 750ドノレとなる。会計 とづいているが,もし販売時点の原価で計算すれば, 9. p r i c eg a i n ) から構成され℃いる。純粋 的利益は,純粋売上利益と価格利得 ( 売上利益は売上収益と販売時点で測定した売上原価との差額である。また価格 利得は通常の売上利益と純粋売上利益との差額,いいかえれば,売り上げられ た製品の取得原価と販売時の取替原価の差額である。価絡利得は伝統的な会計 上の利益の中に混入されていることはいうまでもない。 混合的生産利益は,販売という行為に適用して計算されたものではなく,企 業の意図的な生産という行為に適用して計算された利益である。すなわち,そ れは一定期閣の生産物の価値に,生産に要した費用をチャージすることによっ.

(14) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 1 9 て算定される。. ソロモンの利益測定論について. ‑219‑. ネバロース製造会社の 19X5年の生産物の販売価値は 1 3 0, 0 0 0. ドlレであり,それを生産するために,. 歴史的原価で総額 1 0 4, 0 0 0ドル要したの. で,混合的生産利益は 2 6, 0 0 0ドルとなった。混合的生産利益は,純粋生産利益 と価格変動利得に分解される。純粋生産利益は,生産物の販売価値と現在の価 格による総費用,すなわち,販売時点の取替 j 京価との差額である。また,価格 変動利得は,生産物の取替原価と歴史的原価の差額である。各々の年度に生産 された生産物が同じ年度に全部販売されると仮定すれば,混合的生産利益も会 計的利益も同額となる。また,構成内容,金額も全く│可ーとなる。しかし,通 常は一部在庫が生じるので,混合的生産利益と会計的利益は翠離することにな る 。 ソロモンはこのように 4つの利益概念を示した後に,つぎの 2点に関し℃注 喚起している。まず第 1に,これらの利益は,あくまで貨幣的利益として 意を I の測定値であって,期首・期末の貨幣購買力や製品の製造に要した品目の取得 時点と販売時点の貨幣購買力が度外視されているので,貨幣購買力を考慮に入 れれば,上記の各々の利議概念に対応した実質利益概念が存するといちことで ある。そして第 2に,経営利益アプローチは,持分変化アプローチよりもより 限定されたアプローデであるが(つまり,持分変化アプローチは,営業活動の 結果か,それ以外の理由のいずれかによって,持分変化が,生じていると見倣 しているので),このことは,各々の利益概念の聞に必ずしも優位性をもたらす ものではないという点である。つまり,どの利益概念も. 真の利益"だと主張. することはできず,各々の利益概念が利点と欠点を有していること,さらに, ある利益概念がある目的に対して有用であることは,当然他の目的に対して必 ずしも有用ではないこと意味するから,各々の利益概念が利点や欠点を有する といっても,それ稜明確ではないということをソロモンは指摘している。 ソロモンの上記の指摘のうち,第 1の実質利益概念については,われわれは, いささかの疑念をさしはさむ余地もな l、。しかし,第 2の指摘は,目的に応じ. ( 2 1 )S o l o m o n s,1 9 6 2p .1 4 6.

(15) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑220ー. 2 2 0. i'\'~54巻第 1 号. た利益概念の主張であると理解されるが,それならば,ソロモンは何故に経営 管理目的を強調する現在価値にもとづく利益概念の提唱に至ったか,その論理 が一応問題となるであろう。つまり,目的に応じた多様な利益概念の存在を承 認するならば,各々の利益概念の測定方法の選択基準は何か,あるいは,何故 に経営管理目的に役立つ現在価値法による利益概念を選択するかが問題となる のである。 この点に関するわれわれの解釈は,. 第V I I 節にゆずり,. さらに議論. をすすめることにする。. V 確実性の条件下における利益 つぎに,われわれは穣々の利益概念のうち,将来の予見可能性を前提とした 経済的利益をとりあげ,経済的利益の本質的な特‑質,会計的利益との差異,会 計的利益に対する批判に関するソロモンの見解を析出することにする。. (1) 経済的利益の持分言平価 ソロモンはヒックスの所得.の核心的定義を前提としていることはすでに触れ たが,ソロモシはこのヒックスの観念に最も適合する利益概念は,企業の株主 持分の将来の受取高を資本化した持分価備に基づいて計算した経済的利益であ ると考えてい. 2 ;そして,. ζ. の経済的利益の計算における持分価値の決定方法. にとそ経済的利益の本質的な特質を求めうるものであると考えている。会計的 利益概念やその他の利益概念も形式的にみれば, ヒックスの定義を充足してい ることはソロモンも否定はしない。しかしながら,たとえば,伝統的な会計の 持分計算において,利益が企業の資産総額ーから負債‑総額を控除することによっ て求められているならば,その持分計算においては「企業ーの所有者の持分が所 有者に対する将来の支払高の現在価値に等しくなるという保証がないので不適 切であ. 5 ?とする。また, ‑1企業の全体価値から離れてライ悶別的に資産や負債の. 価値を評価し,それに基づいて持分価値を決定し得たとしても,持分の i E . 1 床有 {且〉. 高 (networtho fequity) の決定には役立たなしづ。なぜなら,そのような独 ( 2 2 ) Solomons,1 9 6 2p 1 4 7 9 6 2p .1 4 8 ( 2 3 ) Solomons,1 ( 2 4 ) Solomons,1 9 6 2PP 148‑149 刷.

(16) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑221‑. ソロモシの利益測定論について. 2 2 1. 立した評価からの持分価値計算は, I 継続企業価値 J(すなわち暖簾〕を無視し ( 2 め. ているので,経済的観点からは誤っている,と考えるのである。. では確実性の条件下における経済的利益の計算における持分価値の決定方法 は,どのよろな思考や諸条件に支えられているのであろうか。まず確実性の条 件下には, 1 )企業の経営者は,完全な洞察力をもっ℃合理的に行動するという 仮定と 2 ) 企業にとっての利子率は株主にとっても適切な利子本となるという ζ いる。それゆえ,企業の経済的利益は,持分所有者の利益でも 仮定がおかれ '. あると考える。そして,その利益計算に必要な持分価値の評価は,全体として の企業の将来の正味受取高の現在価値によって行なわれる。つまり,所;宵者に 対する将来の支払高の現在価値によって持分評価が行われるので,会計的概念 としての資産・負債・費用・収主主は全く不必要とされるのである。 ソロモンによれば,確実性の条件下では,将来の受取高の流れと利子率が与 えられるならば,. (1)企業の期間利益と (2)資本からの受取高(または支払. 高)を計算でぎるとする。そして,そうした利益や資本からの受取高(または ( 2 6 ). 文払高)は,つぎのような諸条件を充足していると考え‑cいる。 a) 期間の受取高は利益プラス資本からの受取高(または支払高〉に等しい。. b) 資本からの受取高(または文払高)は将来の受取高の価値変化の額に等. しいが反対の符号になる。 c) 期間利益は期間の受取高プラス(マイナス〉将米の受取高の資本化した. 価値の変化に等しい。 d) 期間利益は前期末の将来の受取高の資本価値に利子本を乗じたものに等. しい。 ソロモンは確実性の条件下の経済的利益をこのような諸条件を充足せしめる ところの利益であると考えているのであるが,上記の諸条件につい℃若干われ われの解釈を付するならば,以下の通りである。. ( 2 5 ) Solomons,1 9 6 2p 1 4 9 9 6 2p.1 5 4 ( 2 6 ) Solomons,1.

(17) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑222ー. 第5 4 巻 第 1号. 2 2 2. ヒックスの所得の定義を企業利益にあてはめ等式化すると . Ye=C十 (R η‑. Rn ‑ l ) の恒等式 で表現される(ここで .Yeは経済的利益.Cは消費 l. 末の持分価値 .R ト. lは期首の持分価値をあらわず〉。また. Rnは期. .R n ‑ l,Rnはそれぞれ. 企業が将来期待される各期聞の受取高すなわちキャツ乙/コフローを利子率(i) で割ヨ│いたものであるとする。上記の条件 a ) においては,各期間の受取高は 利益それ自体ではなく,利益と元本たる資本の期間的報酬と一般に言われると にろの期首資本の維持に必要な再投資額との混合であることを指摘したもので ある。上記の記号で表わせば. C‑Y ‑ eである。したがって,にれは. Rn‑Rn 1 の変化部分であるけれども , Rト l ‑ ‑ Rη となるから,符号が反対となると条件. b ) で言っ℃いるのである。ソロモンが「資本からの受取高」といっているの は,にの C‑Y η ‑ Rn‑l) となるこ eを 指 し て い る 。 条 件 め で は, Ye=C十 (R と,条件のでは,各期聞の経済的利益は期首の資本価値(持分価値)に利子 ト 1・ tとなることを示している。後者はつぎ 率を乗じたもの,すなわち Ye=R. のようにして導出される。. Ye=C十 (Rn‑R 1 ) r .ム R .n ‑ 1 =一一 とまたは R η =Rn̲l・ c 1 十i )ーC 1+ z Ye=C十 C R n ‑ l・ (1+ i )ーC)‑Rn‑l ト. 4 =Rー1・ η. なおソロモンは,将来の受取高と利子率が与えられれば,経済的利益を決定で きるとしており,時間要因すなわち割引期聞を特に明示していなし、。しかし, これは.[""将来の受取高」という文言に含くまれているものと,われわれは解釈 る 。 して L、 やや脇道にそれたが,ではソロモンは以上のような特質をもっ経済的利益が ( 2 7 ) T" A" Leeは,経済的利益決定のそF 続として, 1 ) 将来の効益の源泉を識別すること 2 ) との源泉からその有効年数にわたって得られる効益を予測すること 3 ) 投資の行われた源泉が最善の方策であるならば,その個人が得るであろう収 益と近似した割引率を適用すること, をあげている。 T" A" Lee, IncomeandValueMeasUI 叩 l e n t :Theo I 'Ya nd P r a c t i c e . "U n i v e r s i t yParkP r e s s .1 9 7 5p 2 7 三木正幸訳「利潤と価値の決定」 一理論と計算一白桃沓房昭和 5 4 年3 4 頁 ゎ.

(18) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ー ‑223. Yロモンの利益測定論について. 2 2 3. 会計的利益とどのような相違点をもっていると考えるのか,つぎにこの点に関 してみてみよう。. (2) 会計的利益との相違点 ソロモンによれば,経済的利益と会計的利益は,つぎのよろな関係にあると いろ。すなわち,. Ya."""会計的利益 [7,い固定資産の減価償却や棚卸資産の評価切り下げとして認識される 価値変化に加えて,当該期聞に生じた有形資産の未実現変化. R 川・・・・前期において生じたが,前期に認識されていない有形資産の価値 変化で当該期閣に実現した額 G. … 当該期間における無形資産の価値変化(これは,いずれ暖簾の価 t. 偽変化となる) Y e •••••• 経済的利益. とすれば,. Y α十 [ 7‑ ‑ R十 G=Ye の関係が成立する。)そして,経済的利益と会計的利益がこのように相違し℃ くる原因として,彼は,①利益に対するアププ。ロ一チチ、の相途 の相違. ②利益の測定方法. [ { 自 i 治3 お苦よび固定資産の評{価而損益の取扱い上の相途, といラ ③継統企業{価曲削他. 大きく 3つの観J 値変化の認識におい"t,会計的利益が発生の 1寺点では原則として認識を行なわ ず,実現の時点まで延期するのに対し,経済的利益は,発生の時点で認識する ということである。②の測定方法の相違は,会計的利益が基本的には歴史的原 価によって資産と負債から持分を計算し,期首持分と期末持分の差異もしくは 期間収益に対してそれを獲得するに要した原価をチャージするのに対し,経済 的利益は原価や収益の測定は不必要であり,過去の支出にもとづく原価といラ ( 2 8 ) Solomons,1 9 6 2p.1 5 8 9 6 1p .3 7 6 記号化は筆者が行ったものである。 Solomons,1 ( 2 9 ) Solomons,1 9 6 2pp 156‑159 刷.

(19) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑224ー. 224. 第54 巻 第 1号. よりも,将来の期待される受取高にもとづいて計算された期首持分と期末持分 の比較によるという相違である。③の継続企業価値や国定資産の評価損益に対 する認識は,経済的利益においてすべて包摂されているのに対し,会計的利益 {. の場合,継続企業価値は通常の期間損益計算では認識せず,固定資産の評価l益 の計上も毎期認識せず売却等による処分時点で認識するといろことである。 以上,経済的利益の持分評価と会計的利益との相違に関するソロモンの見解 を叙述したのであるが,彼の分析や説明は経済的利益の確実性の条件下におけ る特質を的確に叙述していると思われるので,われわれは全面的に首肯するも のである。しかしながら,そうした説明を彼の特徴ある見解として評価するこ とにはわれわれは臨踏せざるを得なし、。彼の特徴ある見解は,むしろ,つぎに 述べる会計的利益に対する批判の中に,より端的にあらわれ ていると思われる l. からである。. (3) 会計的利益に対する批判 われわれは,経済的利益と会計的利益の相追についてソロモンが 3つの観点 から指摘していることについては,さきに述べたのであるが,そこでは「何故 に」エコノミストとアカワンタントの立場が異なるかについては触れられてい ない。つまり,エコノ三ストは, ["何故に」継続企業価値を利益概念に含め,ア 何故に」利益の カクンタントはそれを排除するのか,また,エコノ 3ストは, i 発生に固執し,アカクシタントは利益の実現に固執するのか,と言った両者の 立場の依って立つ根拠については,不聞のままにしていた。そこで Y ロモンは, 両者の立場の相違してくる根本的な根拠を, ["継続企業価値J ,i 発生と実現 J , 「変動する利益と安定した利益」といラ 3つの観点から,. 確認せんとする。. そ. して,その確認の作業を通じて伝統的な会計的利益に対する批判を行うのであ る 。 ①. 継続企業価値. ソロモンは,エコノミストの経済的利益概念にお t、て,継続企業価値や無形 資産の価値が何故に包摂されているか,その根拠を確認する作業よりも,アカ ワンタントの会計的利益において,何故にそれらが排除されるのか,その根拠.

(20) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 2 5. ソロモンの利益測定論について. 町 一. 225‑‑. を確認する方が容易であるとして,アカワンタントの主張を検討する。そこで は ,. ベイトンの「アカクシタント・ハンドブックJ . , ぺイトシコリトノレトンの. 「会ネ士会計基準序説ムヤングの「暖簾とその他の無形固定資産J といった会計 上の古典的文献を使用して,綿密な検討を行っている。しかし,われわれは,. っ きF のように問題点を整理して,それぞれの問題に対し℃ソロモンがどのよう な見解をとるか,に注目してろえることにしよろ。. a) 会計の職能は取得隠価主義で資産の評価を行い,資産の収益力を実現主 ;誌によって測定表示することである。それゆえ,見積られた要素の資本価 値にもとづく経済的利益は,会計の一般的な職能と首尾一貫しない。. i i 会計の基本的な目的は,原価と収益を組織的に対応させることによっ て,期間利益を測定することである。収益に対して対応される要素は, [ " 記 録された原価」である。「記録された原価」に代え‑C,見積られた現在的な 市場価値を使用するならば,標準的な利益決定方法に急激な変化をもたら す。見積られたリプレースメント・コストあるいはカレント・クァリコー の使用が利害関係者のニーズにより適合するであろうという仮定には,明 確な根拠がない。原仰は客観的に決定されたデーターであるが,カレント ・ヴァリューは大旨意見の問題である。. b) 購入による場合以外の無形回定資産の認識は,経営管理のために必要と は認められない。つまり,そのような無形固定資産を認識することが厳密 な意味での生産費に影響を及ぼすわけではないし,経営方針変更の基縫と もならない。. c) 購入による場合以外の無形固定資産の価値は変化や差異を伴う単なる収 益力を表らわず。それゆえ,時閣の経過に伴って,収益力を絶えず上下に 修正をしなければならないという問題がある。また,そのような収益力を 表示する貸借対照表は誤解を招く。. ( 3 0 ) S o l o m o n s,1 9 6 2pp.1 5 9 ‑ 1 6 7.

(21) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 226. 第5 4巻 第 1号. ‑226‑. d) 収益力 ( e a r n i n gp o w e r )は,一般に,投資収益 ( r e t u r noni n v e s t m e n t ) すなわち投資原価の価値といろ観点、から表されるべきであり,投資原価の 価値プラスその見積要素の資本価値によって表わされるべきではない。暖 簾形成要因(たとえば,所有者の技術など〉や購入によらない無形闘定資 産を資本化することは,収益力の表示に混乱を招くばかりでなく,貸イ昔対 照表と損益計算書の関係を不適切なものとさせる。. e) 線形固定資産の資本化は,利益の企業間比較を不可能にするし,同一企 業の期間比較も非常に不満足なものとさせる。. r. 以上の問題は, 継続企業価値 jを利益計算の要素として組み込むにとに対す るアカクシタントの側における典型的な主張であり,同時にエコノミストの経 済的アプローチに対する批判であるとも言えるのである。ソロモンはにラした アカワンタントの主張に対して反論するがその骨子は以下の通りである。 a). 資産を取得 l 京価主義で評価することが会計の職能であるか否かは,それ 自体未解決の問題である。アカクンタントが貸借対照表上の資産を経済的. 佃 i 1 直によらず取得原価(またはそれを修正した原価)によっ て繰越すべき 1. l. であるとするのは,取得原価に賛成して理論的に明確に解決した結果から. p r a c t i c a lc o n s i d e r a t i o n s ) によるのであ ではなし強力な実用的配慮 ( る。したがって,取得原価主義によって資産を評価することが会計の職能 であるとする原理を確立するものではない。. i i. この主張(アカクンタントの a )の i i )は,取得原価主義の使用が会計の. ]徹能であるから,継続企業価値を排除すべしとする a )の iの議論と首尾ー 貫していない。そればかりでなく,原価よりもカレント・グァリューを基 礎とする方が原理的にはより好ましいけれども,実際的理由から改善に反 対しているように思える。主観的要業を取り入れれば,利益決定方法に急 激な変化をもたらし,法的見地から不満足なものとなるといラ主張も,理 論上の議論ではなく,まさに便宜主義の議論である。より基本的には,. r カ. レント・ヴァリューの使用が利害関係者のニーズにより適合するであろう.

(22) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ソロモンの利益測定論について. 227. ‑227‑. といラ仮定には明確な根拠がない。」という文言である。 これは,会計の基 磁として原価を用いるか,価値を用いるか, という問題が利益測定の目的 適合性に依存するということを暗黙に意味している。そのことは, 原怖を 用いるか,価値を用いるかの考察に先立って,利益概念は,継続企業価イl 在 の変化を含むべきか否かについて問ラている。もし会計の主要な目的が利 益の測定にあるならば, まず最初に利益の本質を議論すべきであって, し かる後に,原価が適当であるか,カレントヴァリコーが適当であるかを決 定でさる。アカワンタントは会計の職能に訴えて継続企業価値を含ましめ ることに反対するが,このよろな議論は,馬の│前に馬車をおく議論である。 利益概念が継続企業価値にもとづくべぎか否かの議論は,われわれがどの ような利益概念を用いるべきか否かの議論から直接決定しなければならな. し 、 。 b) 資本化した現在価値の認識は経営管理それ自体のために考慮すべき問題 である。経営者に利益極大化の義務があるとするならば, その利益は,会 計的利益ではなく,経済的利益に妥当する。経営者は長期的観点に立ってサ 現在の利益ばかりでなく,将来の利益(すなわち, これは継続企業価値の 問題)を考慮しなければならない。 無形回定資産の価値認識に伴って生じる修正には 2種類ある。 lつは, 不確実性の条件下で,期待の変化によって行われる修正である。もう 1つ は,確実性の条件下で,今年の受取高と今年の利益との差異である。 これ らの修誌は"利益概念を正確で有用なものとするための修正であるから, 望ましい修iLである。収益力の表示に関しては" エコノミストの観点から 言えば,伝統的会計における持分の簿価と表示資本との差額を正しい剰余 であると認めることはできない。. d) 収益力をいろいろな目的のために最善に表現するといラことと,収益そ れ自体が最善に測定されているということとは, ほとんど無関係である。 すなわち,収益力の表現方法は,. 1つないしそれ以上の生産諸要素, それ. に関連する収益要素をどのように選択するかという問題である。一方,収.

(23) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑228‑. 第5 4 巻 第 1号. 2 2 8. 益の測定は,測定の主要な要索とし‑c,将来の正味受取高の現在価値の変 化を含んでい怠ければならないという問題であり,ソロモンは,かかる立 場をとっている。 e) 企業聞の合理的比較は,燈史的原価を基礎とするよりも,資本化した収 益を基礎とする方がより大きーな慈・味をもっている。この場合,収益率は利 子率となり,収益率の計算自体不必要となるが,その代り資本価値が情報 として提供され,同様な役割を果たす。 確実性の条件下で l 土,同一企業の利益の期間比較を不可能にするといラ 主張は確かである。しかし,不篠実性の条件下では,持分が資本化された 将米の収益で評牟価される場合も歴史的原価で評価される場合と同様に意味 がある。だが,期間比較の場合には,後に議論する「可変所得」が一関;適 切である。 以上は J継続企業価値」という観点から伝統的な会計的利益に対して加えら れたソロモシの批判である。彼の見解は,要するに,伝統的な会計におい℃ア カワンタントが継続企業側{砲を排除する根拠は,原理的な根拠からではなく, 実際上の便宜主義からであるとし,自らは将来期待される収益を資本化するこ とによって算定された経済的利益概念を積極的に支持するといろ立場をとって いるのである。 ②. 「発生と実現」. 伝統的会計における収益認識基準は実現主義であり,より具体的には販売基 準として展開されている。ブロモンは,そろした伝統的な会計の収益認識基準 に対して,つぎのような見解をとっている。 「 第 1に , ~'販売』が客観的測定値を与えるという議論は,. 便宜主義の議論. ( a nargumento fc o n v e n i e n c e ) である。この議論は,理論的には利益は発生 によって稼得されるが,実務上,実現したときに測定する方がより便利であ る。さもなくば,市場の判断ではなく,所有者の意見に依存しなければならな くなる,という見解と首尾一貫する。発生という主観的判断とは対照的に,販 売の客観的性質によって,発生利益でなく実現利益の使用に対する実際的議論.

(24) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 2 9. ソロモンの手J I 議測定論について. ‑229‑‑. がなされているのである。 j そして,. i ‑ m 2に , '"販売 1が企業活動の r [Jで最も市必な活動ぐあるといち議論は,以 初の議論よりもはるかに理論的な市みをもっている。なぜなら,一一回販売の不 確実性という観点から,製品が生産されても,販売されていなければ,生産費 以上では評価できず,一一販売活動乙そ企業の直面する困難な問題であるから, 販売が為されるまで利益の計算を待つ,という強力な意見であるからである。 しかし,その場合,製品を原佃1で繰越すと王子「の誤りが生ずる。というのは, 製品を一般の普及価格で販売すれば,利益があるだろうし,もし販売できなけ れば損失があるからであるりという見解をとるのてあょう)しかし,われわれ は,価値発生過程における収益の認識は,測定司能性という観点、からすれば, 到底実行可能性を有するものではないし,また企業活動の客観的な説明として の会計の役割という観点からすれば,来たしてそれは街用性をもちえるだろう かという点に多いに疑問をもつものである。ソロモンは,販売基準が便宜主義 の所践であるとしつつも,収益の認識に販売という事実が重要な制約を与えて いることを完全に否定するものではない。とりわけ,通常の経営利益 (operat‑ ing p r o f i t ) に対しては,. 販売基準は妥当性を有するものと考えている。. しか. し,保有利得 (holdinggains) を考慮に入れれば,もはや販売基準は妥当性を 有しえなくなるとする。つまり,収益の認識基準としての実現主義は,販売基 準という枠組を超えて,広範囲な領域の議論とな. Z ?と考えているのである。. そして,伝統的な会計におい℃アカクンタシトが用いてきた実現主義は主とし て,貨幣利益のみを計算すべしとする主義であり,その主義自体はアカクンタ シトの客観性の追求からである,と考えている。そして,客観性の追求に対し て,次のように述べている。 「客観性を実行可能な利益概念の不可欠な性質と考える限り,会計的利益は ( 3 1 ) Solomons,1 9 6 2p "1 7 2 7 2 ( 3 2 ) Solomons,1962p"1 ( 3 3 ) Solomons,1 9 6 2p "1 7 3.

(25) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 3 0. 第5 4巻 第 1号. ‑230‑. まったく実用的である。だが,もしわれわれが測定したいものを測定していな けれど,それはほとんど意味をもたない。目的適合性のない客観性は,たいし た利点がない。」 このよちに,ソロモンは,客観性の追求よりも,目的適合性の追求に主眼を おさ,しかも,目的適合性という基準を利益概念選択の最高規範としているも のと理解されるのである。しかし,利益概念から客観性をソロモシは排斥して しまっていると考えてはならない。ソロモシの立場は,伝統的な会計における 利益概念では明確な解答を与えることのできないところの, 1 企業実体は一期聞 にいかに裕福になったか」といラ間いに答えつつ,なお,伝統的会計の利益概 念の客観性の全部もしくは一部を保持できうるか,という問題を追求せんとし ているのである O. (3). ‑ 1 変動する利益と安定した利益」. つぎに,ソロモシは,利益の期間比較,あるいは期間帰属性といろ観点から, 会計的利益と経済的利益を対比しつつ,アクティビイティ・プロプィトとして の会計的利益は異なる利益概念の構成のためには基本的な概念であるが,一期 間の持分の斗. l 床変化とし℃の利益の定義と首尾一貫しないとしている。. 会計的利益においては,企業の業績を期間比較できうるように保証がなされ 巨人経済的利読は,将来の変化する受取高を比較的安定した利益と変 ている反 I ) に分解して算定されたものであるから, 動する資本受取高 (C‑Y e. 利益の期. 間比較可能性は全くないといっても過言ではない。また,会計的利益は,一期 間に行われた特定の営業活動の結果の価値とその犠牲としての費用の差額であ るところのアクグイビイティ・プロブィトあるいは,セーノレズ・プロフィトであ る。そして,アクティビイティ・プロブイ}の期間帰属性は,一期聞に特定の 取引が特定の段階に到達しているという点に求められる。これに対し,経済的 利益は. 1期聞における企業の所有者持分の純増加分であり,その増加分とし. ( 3 4 ) Solomons,1 9 6 1p.3 7 8 9 6 1p.3 7 8 ( 3 5 ) Solomons,1 9 6 2p.73‑174 ( 3 6 ) Solomons,1.

(26) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ソロモシの利益測定論について. 231. 281‑. ての利益の期間帰属性は,当該期閣の期首および期末の持分価値の差額を当該 期聞において処理しているという点、に求められる。つまり,経済的利益では, 異なる 2時点聞における純資産の比較に関係づけられ,会計的利益では,アウ トプットとしての収益とインプットとしての費用の対応に関係づけられてし、る ので,経済的利益は「企業が一期聞にどれだけ裕福になったか」の怠識があり, 会計的利益では,. 1 いくぶん期間関連性を有する戎る種の活動を遂行した結果,. 現在どれ程裕福であるか」の;章識にすぎない,とソロモンはしている。 そして,. このようにみれくれば,アカワンタシ}が「継続企業価値 j を排斥. する論理は, アクティビイティ・プロブィトとしての利益概念と首尾一貫し, エコノミストの経済的利益概念の本質とは首尾一貫しないものであるとする。 また,アカクシタントが実現主義を採用する根拠も,アクティビイティ・プロ フィ fの測定として, 1 販売」がアクティビイアィの決定的段階であるとみる点 に求められるとする。しかし,アクティピイティ・プロブィトにおいては,も はや,将来の正味受取高の現在価値として定義された持分価値を測定するもの ではなく,また,そのよラな持分価値の変化としての利益概念とは,確実性の 条件下では首尾一貫しなくなるというのがソロモンの見解である。というの は,ソロモンは,確実性の条件下では,期首持分は企業に、よって正確に予測さ. E 味受取高の現在価値に等しくなる,と考えるからである。 れた将来のOl ソロモシは,このようにアカクシタントの立場とエコノ tス}の立場を対比 しながら吟味し,不確実性の条件では,もっと両者は接近しうるかもしれない として,つぎに不確実性下における利益概念を検討する。. VI 不確実性の条件下における利益 これまでの議論は,物価水準が安定しており,利子本が一定であることと, 将来の正味受取高に関する完全予見を前提としている。そこでソロモンは後者 の完全予見という前提条件を除去し,会計的利益概念により接近した経済的利 益概念としての「可変所得」という概念を提唱している。 不確実性の条件下では,将来の受取高に関する期待が実際には相迭するとい.

(27) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ ‑‑232‑. 2 3 2. ~~54巻第 1 弓. ろ事態が生じる。すなわち,われわれが期待した将来の受取高(見込額)はあ くまで不確実であるから,それは時閣の推移とともに変化するという事態が生. J (changeo fe x p e c t a t i o n s ) と称せら じる。これは通常, 1""期待の変化(変更) れる。不確実性の条件下では.1""期待の変化」は,必然的に, 1""持分価般の評価」 の変化をもたらす。しかし,. この「期待の変化」に伴う「持分価値の 3 干価の変. 化; t l )分 j を利益に含くめることが適切であるか否かは,確実性の条件下におけ る経済的利佳概念の議論では解決できない問題である。. この場合, 1""期待の変. 化 Jは,共J I首における「裕福さ」に対する意見を変更することを意味るから, 期首において符価された「裕福さ」をそのまま容認するか,あるいは,期首に おいてはどの程度r‑1 < f rt 国」であったか知り得なかった,という立場をとるのか,. 2つの立場が考えられる。 IV釘i で示したネパローズ社の例でいえば,期首にお 000ドノレであったが,期末におい℃は, 241, 500ドノレと ける所有者持分は, 200, 評価されるようにそこに期待の変化が生じているならば,所有者は期末に 4 1, 5. 00ドノレ裕福になっているといってよいだろうか,あるいは。所有者は期首にい. V節の計算にお かほど裕福 1きあったかは知らなかったというべきであろうか。 I いては,ネバロース析の期末持分価値 ( 2 4 1, 500ドル)から期首における持分の ̲ 241, 500 事後的価値 ( 2 3 0, 000ドノレー 一一… ドノレ) を控除して得られた 1 1, 500ドノレを 1 .05 「純粋経済利主主Jとし,期首における持分の事後的価値 230, 000ドノレと期首にお. 000ドノレの差額 30, 000ドルを「期待せざる利 いて評価された期首持分価値 200, 得J ( u n e x p e c t e dg a i n ) として処理.した。これは一つの見解である。 不確実性の条件下では,この「期待せざる利得」を「富の実際の増加」と見. r. 倣し,利益に含くめるか,あるいは, 富の単なる改訂」と見倣して,利益から 排除するかと,いう問題に商問する。しかし,ソロモンはこの議論を当面留保 し,たんに利益測定の目的に従って,如何にニーズを最も満足せしめるかにか かっ亡いるとのみ述べている。 では,ソロモンの提唱する不確実性下における司変所得概念とはいかなるも. ( 3 7 ) S o l o m o n s,1 9 6 2p.1 7 7.

(28) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 2 3 3. ソロモシの利後測定論について. ‑233ー. のか,について次に吟味してみることにしよう。. (1) 可変所得概念 ( t h econcepto fv a r i a b l e income) ソロモシの可変所得概念は,経済的利益の基本的な考え方を犠牲にせずにア カウンタン↑の会計的利益に極力接近しようと試みた結果生じた概念である。 すなわち, にの概念は,経済的利益の測定値から人閣の抱く将来の期待の変化 を凱除しようと試みるものである。以下,ソロモンの例に即して説明してみょ. 。 っ 例1. ある国の政府がつぎの条件で恒久的な僚券を発行する。但し長期利子. は 5%と仮定する。 ①. ノ レ 発行価額 100ド. ②. 0ドノレ文払れ,裏がでれ 毎年コインを投げ表がでれば,証券所有者に 1. ばその年には支払れなし、。 この例は,実際上は奇妙であるが,将来の受取高が完全に予測できるという 仮定に比べれば,はるかに現実に接近している。さてこの条件下で,利益は元 本の影響を受けずに可変的になる。利子率に変化がなく,毎年初めに, ある限り,資本価値は 100ドノレである。. 5%で. そしてこの資本価値はコイシを投げた¥. 結果によって全く影響されなし、。証券所有者が各年に受領する額は 1 0ドノレか零 であるが,もし 1 0ドノレ受領した年には,たとえ,将来同額が期待できなくとも 1 0ドノレの利益があったと見倣してよいであろう。したがって,確実性の条件下. で述べた,各年の利益は期首資本価値に対する利子率である,という命題は, ここで町は不適切となる。 例 2 例 1と同じ国で別の種類の証券が次の条件で発行されている(利子率. 5%と仮定する〉。 条件. ①. 発行価額. ②. 毎年コインを投げ,表がでれば証券所有者に 10ドノレ支払れ.裏. 100ド ノ レ. がでればその年には支払れない。 ( 3 8 ) S o l o m o n s,1 9 位 p p .178‑181 9 6 1p p .379‑380 S o l o m o n s,1.

(29) OLIVE 香川大学学術情報リポジトリ 第5 4 巻 第 1号. ‑234ー. ③. 有効期間. 234. 2 0年. 例 2は例 1に類似しているが,条件 3が異なっていて,例 1よりも一層現実 に接近し℃いる。では,. この債券の最初]の資本側備はいくらであろろか。それ. a n u n i t y ) が2 0 年間あると考えればよ は,利子率 5%で,毎年 5 ドノレの年金 ( いのであるから,その年金現価は,. 1ー(1+ i ) ‑ n. A=R・ a n ] i = R・‑‑‑‑‑‑ー コ 5 ドJ レx1 2.4622=62.31ド ノ レ となる。 1年後には 1 9年の年金現価であるから, と減少する。つまり. 証券の資本価値は 6 0. 4 3ド ノ レ. 1年後の資本価値の減少分は1.8 8ドノレであるから, この. 0ドノレ受け取ったならば, この年の利益は差引き 8.11ド 年にコイシの表が出て 1 ノレとなり,もしコイシの裏が出て何も受け取らなければ, 1 .8 8ドJレの資本損失 が生じたことになる。 以上の 2つの例から,ソロモンは,可変所得(少なくとも証券からの可変所 得) =証券の I E昧受取高十(またはー〉期首時点で当該期聞に生じると期待され た証券の価値変化,であるという等式を導出している。そして,. この正味受取. 高が将来の受取高を犠牲にして支払われるような場合には,当該年度の受取額 のうち将来の犠牲部分の現在価値を超過する額を利益とするべく修正が必要と なるとし,そうした場合には,可変所得=証券からの正味受取高土期首時点 で期待された証券の価値の変化土当期の受取高の水準によってもたらされた 期待された将来の受取高の必然的変化の割引現在価値,であるといろ等式を選手 出している。. (2) 可変所得と期待せざる利得 つぎに,先の証券の例にもとづきながら,可変所得と可変的な期待せざる利. 得 ( v a r i a b l eu n e x p e c t e dg a i n s ) の関係,可変所得と純粋利益との関係,につ いて検討しよう。 ある期間の期待の変化は可変所得概念に深刻な問題をもたらす。もし,資 産の本体と所与の期間の受取高を区別できる場合には,可変所得と可変的な期 待せざる利得との区別は可能である。.

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