秋 田大 学教 育 学 部研 究 紀要 教 育科 学部 門 48pp1‑25 1995
国語科 単元学習 にお ける単元 開発 と教材 開発
一説明的文章の指導 を中心 に
一
後 藤 恒 允
UnitDevelopem entand Teaching M aterialsin Japanese LanguageTeachersCourse
TsuneyoshiGoTOH Abstract
Theaim ofthispaperistoclarifyhistoricalreviewsofunitlearningandtodiscuss teachingmaterialsandmethodologiesofunitlearning. Inthe丘rstplacenew tripartite classificationisintroduced:"protounitlearning","new unitlearning",and"comprehensive unitlearnlng".SecondlyIwillelucidatethemainthemeofthispaperbydiscussingtheories andpracticesintermsofitshistoricalcontext.Lastlyslgnificanceandsomeproblemsof present‑dayunitlearningaretobetreatedindetails.
‑ は じ め に
終戦後 ア メ リカ軍の 占領下 で 日本の教育 改革 が断行 され た。 その一つ に学習括導要領 の編成 があ り,昭和22年4月に 『学習指導要領 ・一般 編 (試案)』として刊行 された。学習指導要領 の 編成原理 になったのが単元学習の理論 であ る。
これ と並行 して教科書編集 も行 なわれ,戦前の 国民学校時代 におけ る国定教科書が検定教科書 に切 り替 え られた。
この学習指導要領 の編成 と検定教科書 の編集 とは どの よ うな意味で 日本 の教育 に改革 をもた らしたのだ ろ うか。学習指導要領 の編成原理 に なった 「単 元学習」の定義 は多義 であ るので, 仮に次の よ うに規定 した としよ う。
生徒 の生活の領域 (areaofliving)と教材 の分 野(subject‑mattaer丘eld)の交渉す る 座標 に,興味 あ る題 目が とり出され, それ が機縁 となって,生徒 は関心 を持 ち問題 を 作 り,解決 の意欲 を起 こ し, 自律 的 な活動
(例 えば,problem solveの活動)を継続す るもの(1)
この とき, 改革 の意味は以下 の ように説明で きよ う。学習 目標 につ いていえば, 国民科 国語 では学習活動以前に 「国民的感動 ヲ通 ジテ国民 的精神 ヲ滴養 スル」 とい う国家主義的教育 目的 が あってそれ を教 師が外側 か ら トノブダウン方 式 で与 えたのに対 して, まず学習者の生活実態 に即 して問題意識 を把握 しそれ を学習課題 に転 化 させ,学習者が 自らの力で解決 していけ るよ
う目標 の 自覚化 とその達成 を支援す るボ トムア ップ方式に切 り替 え られたのであ る。つ ま り, 中央集権的 な国家 目標 に よる教育 内容 の統制か ら学校裁量に よる教育課程 の 自主的 な編成‑ の 制度的転換 と,学習者の生活経験 ・言語生活の 実 態に即 して学習経験 ・学習活動 を組織 し言語 生活力 を高めていこ うとす る実践的発想の転換 が なされたのである。教材 (研究)面 につ いて は,戟前 は国定教科書が絶対唯一 の教材 であ り 教 師はそこか ら国家主義 的教育 目標 を掛酌 し教 育 内容 として学習者 に理解 させ るこ とに専念 し
‑ 1 ‑
秋 田大学教育学部研 究紀要 教 育科 学部 門 第48集
たの であ る。しか し戦後 は,「まず教 材が あ って, それ を学 習者 との関 わ りにお いて研 究す るので は な く, まず学 習活動 の展 開が あ って, その学 習活動 の展開過程 で必要 にな る資料 (教 材) が 学 習者 の言語能 力 を育 て る とい う視点 に照 らし て収集 もし くは作成 され る(2)」 こ とに なった。
世 情 の混乱 した戦後 の 日本 で, この急激 な教 育 改革 は, 多 くの条件 が整 わず必ず しも成功 し た とは いえない。 また, ア メ リカか ら 「輸入」
され た経験主義 的単 元学 習が必ず しも 日本 の教 育 の思潮 とな りえず,実践 に定着 しなか った こ とも歴 史の事実 が示 す ところであ る。殊 に経験 主義 的単 元学 習が方法論 として系統 的 な言語能 力育成 の明確 な手立 て を欠 いていたため,昭和 30年代 は単 元学 習 が 国語 の教 室 か ら退潮 した。
しか し,昭和40年代 以降情報化社会 の到来 と ともに,単元学 習 は情報処理能 力の育成 ・自己 学 習力育成 に有効 な一つ の学 習指導法 として再 認識 され,単 元学 習的発想す なわ ち, 学 習者 の 内的欲求 を必然的 な学習意欲 に転化 し価値 あ る 話題 をめ ぐって具体 的 な言語 活動 として展 開 さ せ その過程 で言語能 力 を身につ け させ よ うとす る発 想 が 国語 の授 業 に生 か され る よ うに な っ た。
さて,昭和20年代 に単 元学 習が わが国 に取 り 入れ られてか ら自律 的 な学習活動 を展 開 させ る ため にはいか な る単 元 を新 たに開発 し, いか な る資料 (教 材) を発 掘 もし くは作成 して具体 的 な学習活動 を展 開 させ るか が一つ の重要 な課題 となって きたo もとよ り学 習指 導計画 の構成要 素 としては指 導 目標 ・指 導 内容 ・指導方法 ・評 価 が不可 欠であ るけれ ども,指 導 目標 を達成 す るの にふ さわ し くしか も生 き生 き とした学習活 動 を引 き起 こす 資料 (教材)の開発が,単 元学 習 にあ っては と りわけ重要 な課題 であ る。単 元 学 習が再 評価 され てい る今 日,単元開発 とそれ に伴 う教 材開発 は 目的や 方法 をよ り明確 に して 自覚 的に な されねば な らない。 この ため本稿 で は単元学習の理論 的展 開 をた どる とともに,実 践 の事実 か ら単 元開発 とそれ に伴 う教 材 開発 の 目的や 方法 の原理 を帰納 し, 国語 の授業実践 の 一つ の参考 に供 しよ うとい うのであ る。
本稿 ではそ こで,単元学 習の理論 的変遷 を仮 説 的 に三 つの時期 に区分 して考 察 し, それ ぞれ の時期 の理論 が本稿 の テーマ に示 唆す る もの を 汲み取 るこ とに したい(3)。 その第一期 を開拓期 とし,昭和20年代 に書かれ た輿水実 の著作 でた どる。 この時期 に単元学 習の理 論的祖 形が形成 され た ととらえたい。単 元学習が唯一 の国語教 育 の方法論 た りうるはず は ないが, ともか くも 単元学習 に よって国語教 育 の方法論 をよ り科学 的に し,戦前の精神 主義 的 国語教育 を克服 しよ うとした点 に歴 史的意義 を見 出だ したい。 この ため, この時期 の単 元学 習 は一般 的 には次期 の
「新 単元学習」 に対 して 「旧単 元学習」 と呼ば れ るこ ともあ るが, ここでは 「原単 元学 習」 と 仮称 したい。外来 の教育 思潮 を岨噂 してそれ を 土着 の実践原理 に転化 し定着 させ よ うとした草 創期 の創造性 を積極 的 に評価 したいのであ る。
第二期 を転換期 として,昭和40年代 に書かれた 倉澤栄吉 の著作 でた どるこ とに したい。倉淳が 情報化社会 に対応 した情報処理 能 力 を養 う必要 感 か ら説明的文章 の機能 が重要視 し, その学習 指導 を単 元学習 として再 生 させ 「新単 元主義」
を提 唱 した時期 であ る (ただ, 輿水実 も倉津栄 吉 も昭和20年代 以 来 その理 論 は変化 し発展 し てお り,特定 の短 い時期 区分 に限定 してその理 論 を一 義 的 に規 定 で きな い の は い うまで もな い)。第三期 は,平成 元年 に学習指 導要領 が告示 され た以後 とし,「総合単 元学 習」の提 唱 と実践 を対 象 に考察 したい。
つ ま り,「原単元学 習」‑ 「新 単 元学 習」‑ 「総 合単 元学 習」 とい う変遷 ととらえ,教 育思潮の 変遷 ・当代 の実践課題 の要 請 に単 元学 習が どの よ うに関 わ ってい るのか とい うこ とを視 点 に し て考察 を進 め よ うとい うの であ る。
そ して,終章 では これ らを踏 まえて整理 を試 み,単 元学 習におけ る単 元開発 と教 材開発 の課 題 を明 らか にす る とともに,今 後 の展望 を試み
た い 。
ニ 開拓期の単元学 習論 につ いて
昭和21年9月にCIE (民間教 育情報局)か ら
後藤 国語科単 元学習 におけ る単元開発 と教 材開発
教科書 とコー ス ・オブ ・スタデ ィを作 るよ う文 部省に指令が 出され た。 コー ス ・オブ ・ス タデ ィとは教育課程 の編成 と教科書の編集基準,毎 日の学習指導計画 と実践の よ りどころ となる も のであ り,後 に 「学習指導要領」 と訳 され た。
輿水実が昭和20年代 に国語科 の単 元学 習 に ついて考察 したのが 『国語の コー ス ・オブ ・ス タデ ィ』 であ るO前述 した よ うに単元学習は一 義的には規定 で きないが,本書 は仮 説的にでは あるに しろ単元学習 とい うもの を今 日の我 々が メタ認知す る視点 を提供 してい る。つ ま り,本 書は次 の点につ いて単元学習の原理 を形成す る のに寄与 している。
第‑点は,「単元構成 の原理」につ いて考察が 加 え られてい るこ とであ る。この こ とは,「ア メ
リカ的 な単元の方法」 に関 して輿水が まとめ た 次の一節か らうかが える。(4)
‑ 単元の方法のね らいは,学習の機会 と 経験 とを与 えるこ とであ る, また,読 み か た,書 きか た,話 しか た,作文等の言 語学習 を統合的 に行 な うこ とである。
二 単元は児童生徒 が興味 を持つ問題 を選 び, そ こに豊富活発 な言語行動が予想 さ れ るのでなければな らない。
三 日本の国語教科書の各課 は 「読 む」 と い う経験 を与 えるこ とが 目的ではあった が,作業単元 としては, これ を通 してい ろいろの言語 活動が期待 されなければな らない。
四 そのためには読 みか た本位 の教材か ら 言語活動 の教材 にあ らため, また もっ と 大 きな単位 にす る必要が あ る。‑ (新 教科書 は既 に大部 この傾 向に傾 いてい る が)
五 単元は児童生徒 の興味か ら自発的 に選 ばれていい。む しろそれが本体 であろ う。
六 単元 は必ず しも質問の形 で提 出 されな い。
七 単元はか な り大 きな学習単位 で,学習 の結果 として評価 とい うこ とが予想 され ていなければな らない。
ここには,昭和57年 に桑原隆が「単元構成の
原理」 として仮 説的に提 唱す るこ とにな る 「学 習論 に立つ単元構成」「学習者主体 の原理」「個 別化 の原理」「生活化 ・活動化 ・課題化 の原理」
「学習材の 多様化 と創造 の原理」が原型 として 示 されてい る (倉津栄 吉他編 『単元学習の進め 方』教育 出版)。 とりわけ 「生活化 ・活動化 ・課 題化 の原理」 につ いていえば,単元学習 では学 習者が生活体験 の中か らとらえた問題 を解決す る過程 を とり, その ため四つ の言語活動 が統合 的に行 われ るこ とが強調 されてい るのが注 目さ れ る。後 に述べ るよ うに,「関連学習」を意図 し た単元学習の発想 も,「総合単元学習」の発想源 もここにある。「総合 単元学習」では, ある問題 (話題) を解 明 した り言語作 品 を作成 してい く 過程 ですべ ての言語 活動 と思考作用,すべ ての
ジャンル を総合 して学習者 の認知構造の豊かな 変容 を目指 そ うとす る。「関連学習」に しろ 「総 合単元学習」 に しろ,統合 的 な言語学習がなさ れ るように単元 と教材が一体 として開発 されて お り, その意味で輿水 の 「ま とめ」 は単元学習 の進路 を示唆 していた といえよ う。
第二点は,「(教科書)教材単元」 と 「作業単 元」 との関連 につ いて論 じてい るこ とである。
前述 の 「ま とめ」 には 「作業単元」が提 唱 さ れていた。「作業単元」とは問題 の組織化 に始 ま り, その解決 の遂行過程 を経 て,結果の評価 に いた る‑ まとま りの学習活動 であ り, この 「学 習の経験 を与 える機会 をつ くる」 こ とがね らい となる。 この 「作業単 元」(「経験単元」)か 「教 材単元」か とい う争点 も,単元学習の原理 につ いて考 えてい くときの一つ の手がか りとなるO 以下,次 に述べ る「作業単元の決定原理」 (作業 単元 を教 師 自身が作 り出す基準) と関連づ けな が らこの こ とに少 し触 れてみ たい。(5)
一 作業単元の主題 は, 児童生徒 が興味 を もつ ものでなければな らない。
二 主題 の解決 をめ ぐって, ひ とま とま り の学 習経験 が提 供 され なけ れ ば な らな い。
三 学習経験 を内面的に支持す るこ とばの 生長が考 え られていなければな らない。
四 この学習経験 は, 国語諸分科 の どれに
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属 し, どれ を受持つ ものであ るか を明瞭 に しなければ な らない。
五 右 の四つの立場 か らその効果が評価 さ れ なければ な らない。
「教材単元」 と 「経験単元」 (「作業単元」)と の関係 は,厄介 な問題 をもっている。
「教材単元」 には輿水 の考 え とは違 い,一課 が‑教材か らなる教材 の ま とま りを 「単元」 と す る見方が あ る。 これは,‑ ルバ ル ト派のチ ラ ーが唱 えた 「分析 ・総合 ・連合 ・系統 ・方法」
といった 「方法単元」 に よって一つの教 材 を取 り扱 い, この 「教授段 階」 に即 した‑ ま とま り の学習活動 を 「単元学習」ととらえて,「教材単 元」 と同一視 しよ うとす る考 え方で もあるO こ の単元学習観 は,昭和20年代 に進歩的 な「経験 単元」 を否定す る人々か ら出 された もので, 当 時 「教材単元」か 「経験単元」 とい う二者択一 の論争が な された。 この論争 は現在 で も, た と えば小学校 の国語教科書 ではほ とん どの「単元」
が一つの 「教材」 もし くは 「題材」か らなって い るので,指導案 の単元名欄 に「題材」(「教材」)
名 を書 くのか 「作業単元 (もし くは話題単元)」
を書 くのか とい う奇妙 な論争が同僚 間で起 きる こととつ なが ってい る。
しか し, 問題 は国語 の教科書教材 中心 の 「教 材単元」か, それ とも日常 の生活体験 に基づ く
「経験単元」(「作業単元」)か とい う名前の選択 にあ るのではな く,教科書教 材 であれ 日常 の生 活体験 であれ, それがいかに学習者の学習意欲 を喚起 し学習活動 を継続 させ るよ うに組織 され てい るか否か とい う点 にあ る。
この こ とは,単元学習の計画 を立 て るこ とと も関連す る。 この点 につ いて輿水 は教科書教 材 との関係か ら三つの方法 を考 え, それ らの特質 を論 じてい る。(6)
(1) 「学習指導要領」 に したが って 自由に 単元計画 を立て る。
(2)何 かの教科書 に したが って, その単元 的活用 を考 えてい く。
(3) 大体,何 かの教科書 に よ り, それ を自 発的 な単元 で補 ってい く。
(1)は 「それだけ具体 的な場 を もち,興味 と必
要 に応 じるこ とはで きる」けれ ども,「言語の練 習の面 で非常 な準備 が必要 になる」。 (2)は,「学 習活動 の全体 の均衡 とい う点 で もす ぐれ てい て」,「言語 の練 習の面にお いて心配はない」が
「具体性 か らは遠 ざか る」。そこで(1)と(2)の長所 を取 り入れ, (3)の よ うに 「教科書の教 材 を F中 核』 として, その まわ りに学習活動 を組織 し, 時々 自発 的 な もの で補 って行 くのが適 当で あ る」。
教 材開発 は,輿水 が上 に述べ るように,理論 的には教科書教材か ら 「自由」 に発想す ること
も可能 であろ う。 しか し,現実的には教科書教 材 を捨 て るこ とで もな く教科書教材か ら全 く触 れ るこ とで もない。教科書教材 を単元の中に包 み込み,活用 し,教科書教材 と密接 にかかわ ら せ なが ら 「自発的 な単元で補 ってい く」のが常 道 であ る。 この こ とは後述す るよ うに倉洋栄吉 が 「脱教科書」論 を唱 えた真意 で もあった。
学習意欲 の喚起 と生 きた学習活動の組織化 ・ 系列化 とい う点 は国語科 の単元開発 と教材開発 を行 なってい くときに留意 しなければ な らない 観 点であ る。単元開発や教材開発 といったか ら とて, 必ず しも教科書教材 中心の 「教材単元」
を否定す ることではな く, それ を学習意欲の喚 起 と生 きた学習活動 の組織化 ・系列化 とい う観 点か ら有効 に取 り込み活用す ることが単元開発 や教材開発 の眼 目であ る。
第三点 は,単元学習の内的構造が考察 されて いるこ とであ る。
輿水 は上述の単元計画の方法 と関連 して,「単 元 を組み立てて行 く上 に必要 な項 目」 として次 の七つ の項 目をあげているD これは,単元 を組 み立て学習過程 を組織す る原型 となってお り, 本稿 のテーマに もさまざまな示唆 を与 える.(7)
(」 必要 のた しかめ‑ その単元学習が意 義 のあるこ とを証明 す る。
⊂) 目標指示‑ その単元 を通 して成 しと げ られ る重大 な 目標 を列挙 す る。
(ヨ 単元の概観‑ この学習にはいって く るなすべ き色々 な仕事,
後藤 国語科 単 元学習 におけ る単元開発 と教 材開発
色 々 な経験 を大観 す る。 (四)資料 の蒐集‑ 子 どもたち と教 師 とが
参考 に しうる材料 をあつ め て表 にす る。
担 動機化‑ 子 どもたち をこの単 元 の学 習 に導 き入れ,興 味 を もたせ
る方法 を考 案 す る。
(77)学習活動 (作業段 階)‑
(a) 話 し合 いな どに よって興 味や態度, 知識 を見 てお く。
(b) 問題 を導 き出 した り,何 をなすべ き かの表 を作 った りす る。
(C) 参 考 書 の書 き抜 きや 調 査 研 査 をす る。
(d) 集 め られ た考 え をま とめ る。 そ して 正 しい解 決 の得 られ た問題 に しる Lを つ け た りす る。
(e) 全体 の学 習 をま とめ る。
㈲ 評価 ‑ 全 体 の作 業 単 元 の 評 価 をす る。この評価 は教 師がす るの で, (a) 子 ど もた ちに起 こった成長 と変化。
(b)個 々人の強 さ弱 き, 更 に注意すべ き 問題 につ いて注意す る。
まず全体 的 に見 る と, 単 元計画 の構 成要素 と 単元 の展開過程 が秩 序づ け られ,単 元 の内的構 造が 明 らか に され てい る。 この七項 目は, 昭和 26年 度 の新 しい学 習指 導要領 の編集 に あ た っ ては, (1)理 由, (2)目標, (3)内容 (この単元 の ス コー プ とシー クエ ンス), (4)学習活動 (導入 ・計 画 ・展 開 ・総 括), (5)評価, (6)資料 と整序 され, 学習指 導計画 の座標 とな った。 この六項 目は, (4)の学 習活動 が 「導 入 ・展 開 ・整理 」 の古 い タ イプ になってい るな ど今 日か ら見 て検 討 の必要 な点 もあ るが,新 しい単 元 を開発す る とき展 開 の仕 方 として一 つ の 目安 にはな るO
また,「作業単元 の原理 」では最初 の項 目が学 習者 の 「興 味」とな っていたのが, ここでは 「必 要 の た しかめ」が あげ られて い るこ とであ るO その単元学習が学 習者 に とって いか な る意義 が あ るか を単 元 を構 成す るに当た って まず検 討せ ねば な らない。学 習が真 に継続す るため には, 課題 が追究せ ざるをえない必然 的 で実質 的 な要
請 に変 わ り, 学習者が それ を追究す るこ とに生 きが い と成就感 を もち, その成果 が 自分 に とっ て意義 の あ る もの と感 じられ る ときであ る。 ま た, この 「必要」 は,学習者個 人の内的 な もの と,社会 が学習者 に身につ け るべ き学 力 として 要 請 してい る 「社会 的要 請」 との調和 に よって 形成 さるべ き もので あ る。
したが って,単 元や教 材 を開発す る ときには, 学習者 の発達段 階 に即 した個 々 人の 内的 「必要」
感 とその時代 時代 の 「社会 的要 請」 との調和 を 図 るよ うに留意す るこ とが肝要 であ る。学 習者 の 「興 味」 を過 大評価 し迎合 す るのではな く, その学習者が その ときどさに真 に身につ け るべ き事 項 を確実 に習得 させ ねば な らない。
さ らに,「資料 の蒐集」や 「学習活動 (作業段 階)」 の項 目で教材 の発掘 ・蒐集 が教 師 だけでは な く学 習者 に よって もな され るべ きこ とが提 唱 されてい るこ とであ る。
教 材 を学 習者 の手 で作 らせ た り, 学習者 の言 語作 品 を教 材化 した り,学 習者 とともに教 材 を 発掘 し発 見 し創造す る柔軟 な姿勢が教 師に求め
られ る。
さ らには, 診断的評価 ・形成 的評価 ・総括 的 評価 が単元展 開の 中に織 り込 まれてい るこ とで あ る。 また,個性,個 人差 に応 じた教 師の手 に よる評価 も配慮 されてい る。 ただ, 問題解決 の 過程 , 自己実現 の過程 で,学 習者 が 自らの立 て た 目標 に照 ら して達成度 をモニ ター しなが ら確 実 に学 ん で い く自己評 価 の観 点 が こ こに は な
い。
単元や教 材 の開発 にあた っては,教 師が学 習 者 の 自己評価 表 を考案 し, それ に よって学 習の 進 度 と達 成度 を確 かめ させ て, 成就感 ・効 力感 を もたせ つつ学習 を継続 し発展 させ る工 夫が必 要 なのであ る。
以上,輿水実 が昭和20年代 にた どった単 元学 習論構築 の跡 を概 略見 て きた。輿水 の論 は行政 的立場 か らの発 言 であ り, 当時の実践家が経験 主義 的単元学 習 をよ く岨噂 で きない まま授業 に 取 り入れ ざるをえなか ったその苦悩や苦 闘 をつ ぶ さに拾 いあげて い るわけではない。 また, そ の理 論 に して も今 日か ら見 る と言語 能 力 の分
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柿,評価観点の体系化 具体的 な実践例 の提示, 話題や教材 の豊富で具体 的提示,学習者の実態 把握 な ど不十分 な点は多い。しか し
,
『昭和 国語 教育個体 史(8)』に窺 えるように,輿水 が国語の学 習指導要領編集委員長 とい う立場か ら,単元学 習 をよ り合理 的 に計 画 して い く方法論 を中心 に,単元の定義 ・単元の種類 ・単元学習,単元 学 習 と教科書 との関係 な どさまざまな観点か ら 考察 しよ うとした意図が うかが えるO その記述 か ら本稿 のテーマ を追求す る うえで も多 くの示 唆 を与 え られ るのであ る。なお, この時期 に輿水実 とは違 った立場か ら 単元学習の方法論 を開拓 した論者 として,倉洋 栄吉 をとりあげないわけにはいか ない。
倉洋 は 『国語単元学習 と評価(9)』で,「単元学 習は, もはや理論 とい うよ りは,実践の問題 と なっているように思 う。 そ して中核 をなす 目標 決定,学 習指導,評価 のい となみは,実際家の 現在 の研究 ・調査 ・くふ う ・努力の前 にひ らけ ているのであ る。 これ を解決す るか どうかは, 国語教育が しっか り立 ち上 がれ るか どうか を左 右 す る」 (序文)と述べ て,単元学習 を実際指導 上 の当面の課題 として とらえる。倉澤は この立 場か ら,単元学習におけ る評価 を論 じ,評価 と は学習活動 の結果 を見 るのではな く学 習者の成 長の価値 を発見す る営みであるとして, 目標決 定か らその遂行 までの学習過程全体 を一貫 して 評価す る方法 を,単元の 目標設定 ・言語能力の 分析 ・学習活動 ・評価項 目の設定 と評価方法 な どの観点か ら具体 的に提 唱 してい る。本書 は倉 淳 自身があ くまで 「方向づ けの参考」 だ とこ と わ るように, さまざまな理論 を渉猟 しての模 索 の書 であ り必ず しも一つの理論 で貫かれてい る わけではない。 しか し, 当代 におけ る単元学 習 の実践的成果 をも実証的論拠 として取 り込みな が ら 「指導の方法」 に直接触れている点 に意義 があ る。
三 転換期の単元学習論 について 倉揮栄吉 と単元学習 との関係 は深い。 わが国 の単元学習は,理論 には倉淳に よって,実践 は
大村 は まに よって戦後ず っ と先導 され啓発 され て きた, といって も過 言ではない。倉洋 にはす でに昭和23年 の『国語学習指導の方法』と 24年 の 『国語単元学習 と評価』があ る。戦後の混乱 期, わが国の教育 は理想的 な単元学習 な ど行 な お うに も行 な え なか った劣 悪 な条件 に置かれ た。 しか し,倉樺はその中にあって も,単元学 習 をア メ リカか ら出来合 いの思潮 をその まま受 容す るのではな しに, わが国の 「現段階におけ る単元学習 ・実際の学習指導 を考 えての単元論」
に仕立てをお し現実的に授業改善 を図 ろ うとし た。 その志が両著 に込め られている。以後,倉 津は一貫 して単元学習 を核 に した国語教育論 を 提唱す る。この姿勢は,昭和30年代 に系統主義 的国語教育論が唱え られて単元学習が教 室か ら 退潮 した ときに も貫かれ た。昭和43年版学習指 導要領が契機 となって読書指導論が台頭 した と
き,倉淳は 「新単元主義」 を唱えて,情報化社 会 に適合 した新 たな単元学習に転換 させ えたの ち,昭和20年代以来単元学習につ いて省察 して きた実績が背景 にあったか らであ る。「新単元主 義」では 「情報化社会 を生 きぬ く能力(10)」 を目 指す。 「情報化社会 を生 きぬ く能力」とは 「文献
を主体 的に処理 し,文献か ら情報 を受容 し,加 工 し,修正 し,変容 してい く能力(ll)」である。
学習者 自らも情報 を創造 し発信 で きる能力であ る。 そ うした能力 を養 うために今後の国語教育 は説明的文章 を中心 とす る読書指導 となるべ き だ とい うのが倉洋の主張 である。 この主張 は当 時文学的文章 を教材 に した読解指導が主流 であ った国語教育 の世 界に大 きな影響 を与 えた。 し か も, ここでい う 「説明的文章」 とは 「文章構 成 の論理」 と等価 に見倣 されが ちな 「説明的文 章」 ではな く,「自然 ・人文 ・社会の各科学に材 を求めて, あ る筆者が,特定 の (ときには不特 定)の読者 に向けて, あ る目的の もとに提供 し た 『情報』」 であ る とい うよ うに,「情報に関す る用語 として」 とらえなお している ところに特 色がある(12)。つ ま り,文章産 出の書 き手側か ら 見 ると,説明的文章 とは 「筆者」が ある対象 と か か わ っ て 何 か を 表 現 し よ う と し た 意 図
(mesage)を読み手 との間に コ ミュニケー トす
後藤:国語科 単 元学 習 におけ る単 元開発 と教材開発
るために産 出 した意味的記号 だ といえる。
したが って読む作用 とは,叙述 に即 して文章 の意疎 (meaning)をとる過程 で,読 み手主体 と
して思考 力 ・判断力 ・想像 力 ・評価 力 を働 かせ つつ 「筆者」の表現意図 を読み取 り,「筆者」と 出会 い 「筆者」 とコ ミュニケー トす るこ とであ った。 それ を通 して 自ら認識 を拡充 し人間 とし て 自らを深め るこ とであったo
教材 につ いては次の よ うにいえ る。情報化社 会では氾濫す る情報 を的確 に処理 し価値判断す る能 力が求め られ る。情報化社会 に育 っている 学習者 に とっては,教科書は もはや絶対唯一 の 固定 した情報源 ではな く,一つの有力 な資料 に す ぎない。 身の回 りの無数 の情報が豊か な価値
をもつ教材 にな りうるのであ る。 また,情報化 社会 では氾濫す る情報 の中に埋 没す るのではな く,読み手 としての主体 を確 立す るために,処 理対象 としてい る情報か ら少 し高 い ところに立 って価値判断す る必要 があ るoか くて,倉淳は
「脱教科書論」 (ポス ト教科書論)を唱えて,質 料 としての教科書 を活用 しなが ら,教科書以外 の多 くの資料 を教材化 した学習指導の有効性 を 主張す る。
以上 の よ うな主張 を背景 に した「新単元主義」
のね らいは次の点にあ る。
「新単元主義」 とい うのは,子 どもたちが 多様 な情報 を選 んで,使 って,整理 して, 自分 の役 に立て る とい うときに,現在 の状 況か らどんな話題 が適切 であ るか, どうい う問題 を設定 して, どう展開 してい くのが 適 当であ るか とい うこ とに主 としてかかわ
る問題 であ る。(13)
この発言は学習資料 ・文献 に触れ た一節 であ る。 しか し,文 間か ら倉樺の国語教育 に関す る さまざまな思想が うかが える。第一 に小学校 の 学習者 た りといえ ども情報化社会 を生 き抜 く一 人の人間 として育 成 しよ うとい う発想が根底 に ある。単 なる情報操作能力育成以上 の 「重大 な 人間的 な成長」 を図ろ うとす る願 いが込め られ ている。 これは 目標論 に属す。第二に,状況 を 生 きぬ くた くま しさを培お うとす る現実的生活 的発想が根底 にあ る。 これ も目標論 に属す。第
三 に,学習過程 が情報処理 の過程, 問題解決 の 過程 として展開 されてい る。 これは学習過程論 に属す。第匹削こ,情報源 ・話題源が学習者 を取 り巻 く状況か ら収集 されてい るこ と。 これは教 材論 に属 す。第五 に,教材が一人一人の学習者 に とって異な るこ とo 多様 な教 材 であるこ とO 教 材が一 人一 人の学習者 に とって価値 あ る話題 を喚起 し,個別 的 な多様 な学 習 を可能 にす るこ とを想定 させ る。これ ら五つ の項 目は昭和20年 代 の単元学習には見 られ なか った ものであ り,
「新単元主義」 たる所以が指摘 で きる。
倉津栄吉は実践家 と研修や共 同研 究に よって 交流 してお り,「新単元主義」論 も授業 に よって 検証 され改善 された。倉洋の影響 をうけた団体 や個 人は多 く, その発表資料 は,本稿 のテーマ であ る単元開発 と教材開発 につ いて具体 的に示 唆 を与 えて くれ る。 その中か ら説明的文章 を扱 った二人の実践記録 を取 り上 げて考察 したい。
第‑例 は,桑原正夫の実践理論 である。桑原 は中越 国語教育 同好会 の主力 メンバー として倉 滞栄吉の影響 をうけつつ独 自の実践研究 を続け てお り,昭和52年 に『子 どもの側 に立つ 国語 科単元学習の展開』 (新光 閣書店) を刊行 した。
本書の中で桑原は次の よ うな 「単元づ くりの 手順」 を提 唱 してい る。
(1) この学年, この学級 の子 どもたちに何 が必要 か, それ を国語科 におけ る言語活 動 の姿 として探 りだ してみ る。
(例 えば, 同一作家 の作 品 を併読 させ, 作者の存在 に 目をむけ させ る。社会科学 習で学 んだ 日本歴史につ いて学習 レポー
トを書かせ るな ど。)
(2) 子 どもの必要 を満 たす活動 を支 え うる 教 材が,教科書の どこにあ るか を洗 い出
してみ る。
(教科書教材 を子 どもの実態か ら見直 してみ る と,活用 しうる教材 と不必要 と 思 われ る教材, あ るいは手 を加 えなけれ ば な らない教材 な どに分類整理 で きる。) (3)教科書単元の全面的解体 を行 い, (1),
(2)をもとに, 言語活動 を中心 に新単元 を 仮 設す る。
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秋 田大学教育学部研究紀要 教育科学部 門 第48集
(す ぐにで も設定 され そ うな単元 こそ, 子 どもに必要 な重要 な単元 と言え る。 こ の とき,学年,学級に即 さない教科書単 元,教科書教材 は淘汰 され る。)
(4)仮設 した単元 を「総合単元」「教材単元」
「練習単元」 の三種類 に分類 し,単元間 の関連 をお さえて達 成すべ き目標 を定 め るo
(単元の性格づ け を行 い達成可能 な 目 標 を分析 して,年 間カ リキュ ラム を作成 す る。)
(5)単元 ご とに,教科書以外 の教材発掘 を 含めて教 材 の取捨選択 を し,単元構成 を す る。
(子 どもの作文,轟 音 テープな ど,既 成 の教材文 に とらわれ ない幅広 い教材発 掘が必要 であ る。)
桑原の提 唱では, まず 「(1)目標‑ (2)学習内容
‑ (3)教材‑ (4)学習活動」 といった トップ ダウン 方式の単元設定 の手順 を逆転 させ て,「①や らせ たい活動 の想定 (診その活動 をうながす教材 の 選定 ③教材 にかか わ る言語活動 の想定 ④達 成可能 な 目標 の分析 G)単元の設定 と,他 の単 元 との関連検討 ⑥単元の構成」 とボ トムア ッ プ方式に転換 してい る。 この方が 「子 どもたち の流動的 な言語活動 を組み入れてい く弾力性」
を単元 に もたせ うるか らで, あ くまで も子 ども の 「必要」 とい う学習の原動 力 を基軸 に して単 元 を設定 してお り,単元学習の原則 にか なって いる。教材 の面 で もまた この原則が生か され, 教 科 書教 材 は これ に よって筋 にか け られ て い る。倉津の 「脱教科書論」 (ポス ト教科書論)が ここに生 きてい る。教 材の発掘が, その「学年」
の, その 「学級」 の, その 「子 ども」の実態に 即 した 「必要」 とい う現実的 な視点 に よってい る。 さらに,単元の内部構造 も 「教科書単元」
は解体 されて さまざまな種類 の単元 を組み合 わ せ て 目標 が達成 され るよう組織化 されてい る。
桑原は この単元設定 の手順 に したがい,例 え ば 「情報 を獲得 し,報告す る単元学習」として, 5年生 を対象 に 「自然 と人間 とのたたかい」とい
う単元 を組 んでい る。 その 「学習内容 の構造」
はB]Iの ご とくであ る。先述 した 「文献 を主体 的 に処理 し,文献か ら情報 を受容 し,加工 し, 修正 し,変容 してい く能力」‑情報処理能力の 育成が 目指 されてい る。
また,教材開発 の面か ら単元構成 と教科書教 材 との関係 を見 る と表 Ⅰの ご とくである。教科 書教材 (単元)が 「情報 を獲得 し,報告す る」
とい う単元 目標 に向か って統合 され関連づ け ら れてお り,情報 を整理す るな ど情報処理能力 を 構成す るさまざまな能力や 四つの言語活動がそ の分節 の必要 に応 じて動員 されてい るO
第二の例 は,諸橋晃 の 「『観察』か ら 『説明』
‑ と伸 び る単元‑ 三年教材 『子 どもの ころの ファーブル』・『ふ しぎな くもの糸』 を活用 して
‑ 」 とい う報告 で,桑原正夫 ・諸橋晃 ・山田 茂が著 した 『能力関連 を図 る国語科新単元学習 の展開』 (明治図書 昭和62年) に収め られて い る。諸橋実践 を単元構成に したが って要約 し, 単元展開の どこで, どの ような教材開発が なさ れたか を整理す る と次の ようになる。 なお表 中 の傍線部 は私が新学力観 ない しは問題解決の学 習過程 に関係 してい る と判断 した部分 であ り, ゴチ ックの部分 は言語能力の育成 に関係 してい る。
諸橋実践の第‑の特色 は,表 ⅠⅠの発想①②③
④ に見 る通 り,小動物 に対 して子 どもたちが非 常 に興味関心 を示 した とい う実態把握か ら自然 発生的に生 まれてい るこ とであるO子 どもの「問 題 意識が連続的に発展す るよ う」 に,教科書単 元 を大胆に組替 えた単元 を開発 し, それ を具体 化す るための教材 を開発 している。
43時 間 に もわた る大単 元 の指 導 計 画 を思 い至 ったのは,教科書会社 の年 間指導計画 に準拠す る形 で作成 されてい る学校 の年 間 指導計画 をその まま使用す るこ との不都合 さにあった。 その中の一番 の不都合 さは, 単元 と単元 (教科単元の 多 くは題材的 な単 元であ る)の関連性が薄 く,子 どもの問題 意識 が その たび に断 ち切 られ るこ とで あ る。大単元構想 に よる指導計画の作成 は, 年 間におけ る単元の配列 を子 どもの追求 に 即 して検討 し直 し, その問題意識が連続的
後 藤.国語科単 元学習 におけ る単元開発 と教材 開発
に発展す るよ うに組替 える試み であった。
そ して, その検 討 の過程 で新 し く組 み入れ る必要性 が生 まれ て きた単 元 を作 った り, 教 材 を取 り替 えた りしたのであ る。
諸橋 実践か ら示 唆 され るのは,教 材 開発 とは, 教科 書単 元本位 の論理 を学習者本位 の論理へ組 替 え,子 どもの学習 意欲 に沿 った 目標 を設定 し,
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その 目標 を達 成す るのにふ さわ しい教 材 を教 師 自身の手 で選定 した り産 出す る教 育的行為 だ, とい うこ とであ る。子 ど もの実 態や 反応 を的確 に とらえて彼 らの学 習意欲 が どこに向か ってい
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秋 田大学教 育 学 部研 究紀要 教 育 科 学部 門 第48集
表ⅠⅠ 単元の 目標 と指導計画
単元の目標と指導計画 (全配当時間43時間) ‑‑教材開発の発想との関連 教材開発 ‑発想 と教材 大単元の総括 目標 少年 ファーブルの よ うに注意深 い観察 眼 を働か
せ て身近 な動物の生態 を観察 した り, 文献で調べ た りす る活動 を通 して,叙述 に即 して読 んだ リ, や さ しい説明文,観察記録文 を善 いた りす る技能 を伸 ばす とともに, 身近 な動物が営んでい る生命 活動 の不思議 さに対す る畏敬 の心情 を高め る。
一一十莞想②(5)④(参 小単元1 「子 どもの ころのファーブル」を読 もう(配 当時 間8時間)
一一一一一発想⑥⑦ 目標 自分 の生活や考 え と比べ なが ら叙述 に即 して 「子 どもの こ ろのファーブル」を読 むこ とに よ り,「昆虫記」を書 いたファ ー ブルの少年時代 は, 昆虫が大好 きで,「なぜ だ ろ う ?」「な んだろ う」 と不思議 に思 ったことは どこまで も調べ抜 くねぼ り強い性格 であったこ とを理解 させ, 自分 の身近 な小動物 の 世 界 を観察 しようとす る意欲 を高め る。
第一次 「ファー ブル昆虫記」の一節 を読 み聞かせ てフ ァー ブル‑
の興味関心 を喚起 させ るとともに,伝記 「子 どもの ころのフ ァーブル」 を読 んで学習計画 をたて させ るO (2)
第二次 虫の正体 を調べ ようとす る熱 中す るファー ブルの ようす と 気持 ちを くわ し く読 み取 らせ るO (4)
第三次 少年時代 の ファー ブル と自分 の生活や考 え とを比べ なが ら 読後感想 を話 し合 うこ とに よ り, 身の回 りの小動物 を注意深
く観察 しようとす る意欲 を高め る。 (2)
小単 元2 オタマジャクシの観察記録文 を書 こう。 (配当時間10時間) 一一一発想⑧ 目標 オタマ ジャ クシの成長の様子 を注意深 く観察 させ るこ とを 通 して観察の観点や観察記鐘文の書 き方 を理解 させ, その成 長 の過程 を的確 なことばで文章表現で きるように させ る。
第一次 オタマ ジャ クシにつ いて調べ たい問題 を話 し合 い,豊 里童 画 をたて させ るD (1)
第二次 オタマ ジャ クシの成長 を記録す るための観察の観点 と表現 方法 を話 し合 い,的確 に表現 で きるように させ る。 (8)
・オ タマ ジャ タンの色,形,大 きさを観察 し,観察 カー ド に記録 す る。
・オタマ ジャクシの動 き方 をよ く観察 し,比噴表現等 を使 って的確 に表現 す る。
・比噴表現法 を使 いなが ら前の記録 と変 わ った ところを的 確 に表現す る。
・今 までのオタマ ジャ タンの観察記轟 文 を整理 してオクマ ジヤクシの成長 をまとめ る0
第三次 観察記鐘文 の発表会 を開 き, オ タマ ジャ クシの成長 に対す る感想 を話 し合 う。 (1)
◎新学期
子 どもたちが カエルの卵, 7 ナ, ドジ ョウ,ザ リガニ, カナ
‑ どな どの小動物 を教室に持 ち 込 んだ。
‑小動物 に寄せ る子 どもの興味 関心の強 さ とた くましい行動力 に接 し,ふ と, それ を国語 の授 業のなかに生かせ ないだろ うか
と考 えた。 (発想①)
‑小動物が営 んでい る生命活動 を観察 させ るこ とに よ り,生物 への関心 を高め,生命 あ るもの を大切 に しようとす る心情 を深 め させ たい。 (発想②)
◎年間におけ る単元の配列 を子 どもの迫 求に即 して検討 し直 し その問題意識が連続的に発展す るよう組み替 える。 (発想(卦)
‑ 「観察」か ら 「説明」‑ と伸 びてい く単元の構 想 を具体化 し よう。 (発想④) ‑ 関連指導
‑ 「読解」か ら 「表現」 に まで 伸 びてい く単元の構想 を具体化 しよう (発想⑤)‑ 関連指導
◎「子 どもの ころのファー ブル」
‑二つの教科書教材 をつ な ぎそ れ らを学習す る目的感や必要感 を引 き出す働 きをす る補助的な 教材 として 目に とまった。(発想
@)
◎「子 どもの ころのファーブル」
の提示 の仕方の修正‑子 どもの 実態に合 わせ て臨機 応変 に教材 の内容 を修正 した り,作 った り す る教 師の創意工夫が必要 (発 想⑦)
◎ 「おたま じゃ くしのかん きつ 日記」の提示‑範例文 として提 示 し,観察 の観点 を認識 させ, 比喰表現 として例示 (発想⑧)