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陸上競技の統十的分析

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(1)

陸上競技の統十的分析

    一一100m記録に対する

      体力要素の貢献度一

体育研究室野田洋平

      東京教育大学塩田正俊

研 究 目 的

 我々は,これまで工業高等専門学校生徒を中心にして陸上競技各tw 9をとりあげ,競技成績に関連の深 い諸体力要素の抽出と検討とによる記録の予測という作業をしてきた(即ち,運動局面での発育発達段階 に応じて競技成績に貢献する要素を確かめ,かXわりあう要素間のバ・テリーを検証」個々人それぞれ の能力に応じた目標記録の予測,設定,評価という課題の解決に意を尽してきた。

 本研究でに先の一t連の研究を女子中学生徒に移しかえ,100m走の記録を支えるであろうと思われ る体力要素を筋力,敏捷性,瞬発力(パワー),柔軟性,調整力,持久性,形態ととらえ,それらの要素・

を代表できるテスト(21テスト)をえらの現場で手軽るに追試もしくは利用できる一般的方法と手続 きで100m走の記録と対応して測定した。その結果を重回帰分析し,中学校女子生徒が学年進行に伴い,

どのような体力要素が100ηz走記録にどのように貢献しているかということを貢献度(net−co簸t一一 ribution)という概念を用いて発育発達という側面に着目して統計的分析と検討をした。

研  ︵  ︵

!星㍉ 

 一 9臼 0り  ラ 

  モノ

究 方 法

対象・…・水戸市立中学校(女子生徒1年生35名,2年生60名,

測定期間……昭和48年10月 測定種目と方法

         測 定 種 目

3年生26名,計12X名)。

ス筋敏 素 ド力捷

跳躍(パワー・)

柔平形総他投持 軟衡態合技力久

Test

2 077t dash, 5 OM dash 脚筋力,背筋力,斜懸垂 反復横とび,シャトルラン

垂直跳砥立巾と砥連続片足とび

開脚前後開き,立位体前屈,伏臥上体そらし 閉眼片足立ち

身長,下肢長

体力診断テスト,運動能力テスト 煮麺跳,走高跳砲丸投

ハンドボール。スロー一 踏台昇降

一29 一一

(2)

 測定の方法は,大部分文部省スポーツテストに準拠して齢り,他も同様に一般的なテスト方法をとって いる。な k・,種昌の選択については①各要素を代表する性質を顕著にあらわすもの,(2)現在広く利用され ているもの,③中学校の現場で特定の器具もいらずに追試できるもの,(4)スポーツテストの利用も考慮し たなどを一応の目安としてテストを決定した。

(4)手続き

i)

ii)

iii)

iv)

V)

 vD

貢献度(%)ゆい礪東晶山によるBj,cj.avの鵬を用L。、k.

 統計的概念に一般化されているかどうかは議論の余地があるにしても,東大青山のnetcontribut−

ionの概念とそれを表わす式が意味あるものと判断し本回の研究の指標としたQ

 青山は,Bjrcj/R2を示してこれを次のように説明している,卸ち「標準偏回帰係数のそれぞれの値 は,その予測変量の相関係数の値との積により,他の予測変量を固定して考えたときの基準変量に対する 貢鞭をあらわすmeである」である.畝筑波寒松灘d,g,,e。f。◎。t,ib、,、.ti。nとして,

入1→入2/R×豆OQ=Cという式で説明している。一般的には相関係数(r)の2乗で貢献度(%)を言う ことも多い。その他にも偏相関係数(一つの変量を固定したときの関係),関与率(R2)で説明すること もある。

テスト種目の決定と測定方法の検討,実施。

結果の分析,平均値(X),SD, rの計算:,相関分析。

 r値e. 30以上のテスト種目間で相関行列表の作成。

重回帰方程式。

重相関係数(m,寄与率(R2),偏相関係数(・ 12・eg r・、・1,・・、, 、),標準偏回帰係数(b Y!・、

b Y2.1),標準偏差(SY12 ),貢献度(%),の計算と分析。

各係数の有意性の検定と差の検定。

研究結果と考察

1. 100m走記録とテストとの相関

表1 100走とテストとの相関係数

1 2em dash 2 50m dash

3脚  筋  力 4背  筋  力

5反復横とび

6 シヤトルラ ン 7垂  直  跳 8立  巾  跳 9連続片足とび

10斜  懸  垂

11立位体前屈

12伏臥上体反らし

1年

O.605 e.7go e.2e3 0.270

e.4 7 2

e.5 4 3

0.592 0.368

0.4 e 3

0.398

0.1 O 4

0.egg

2年

O.665 e.sgo O.313

0.4 7 e

O.443

0.3 6 3

0.6e3

0.4 2 7

0.4 16

0.373 0.247 0.036

3年

O.406 0.808

0.2 24

0.178 0.591 0.554 0.514

0. 64 8

e.468

0. 523

0.136 0.138

13開脚前後開き 14閉眼片足立ち 15走  巾  跳 16走  高  跳 17砲  丸  投 18ハンドボーノ毅げ 19踏 台 昇 降 20下  肢  長 21身     長

t Test

1年

O.297

0. 371

0.683

0. 727

一〇.162

0.066

0.638 巌※O.4182  X O.3246

 2年

O.063 0. 095

0.700 0.450 0.751 0.436

・H). O 5 7

0.O 74

0.422

0.3541 0.2732

3年

D. 237

0.048 0.632 0.seg

O.731

0.569

e. sel

e.147

0.118

0.4869 0.3809

(3)

 21テストと100m走記録の相関関係は表1のとおりである。この表から, r値が有意を示したテス トは各学年多少の変動・相異はあるもののスピード・パワー・敏捷性に関するテストが多い。な凝陸上競 技種昌(走巾跳,走高跳,砲丸投)とのr値もかなりの相関を示している。しかし,この21テストの中 で,1・2・3年を通して平均的に1%水準で有意であるテストは50mdash,反復横とび,シャトルラ ン,垂直跳であり,走巾跳,走高跳も同様である。5%水準で有意なものを含めると,20mdash,立 巾跳,連続片足とび,斜懸垂を加えられる。50m da shは非常に高V・r値であり,学年進行をしてもそ の値はほとんどかわらない。きわめて10◎itL走との関係が高いことと,その関係が全学年変動なぐつづ くこと,即ち影響力がかわらないことを物語っている詞じスピードを測るテストであbながら,20mdashは3年で 低ぐなる。筋力要素では,脚筋力が5%水準で有意であるのが2年だけで他は無相関,背筋力も同様に2 年でかなりの相関を示しただけである。したがって,r値でみる限り2種のテストのいずれもが2年だけ に有意性がある。反復横とび,シャトルランの敏捷性テストは2年でわずかに低く,3年が一番高い値を 示している◎垂直跳立巾跳では,前者が1,2年に比らべ3年で減少しているのに,後者では学年進行

とともにr値が上昇している。また連続片足とびは各学年平均してe. 4程度でかわらない。斜懸垂は,i,

2年より3年で高く,柔軟性を測る三つのテストはし(ずれも無相関であった。閉眼片足立ちは1年で有意 を示したが学年進行に伴v・無相関,踏台昇降は3年だけva o.5である。下肢長はいずれも無相関,身長は 1年でかなりの相関があり,2,3年と低下現象を示す。陸上競技の各種目は,かなりの相関,高い相関 を示している。

 学年進行とともにr値が低下,上昇するテストが表1のように確認された。

2. 100・m.走記録に対する体力要素の貢献度  (1) r翠による寄与率(貢献度)について

   r値の自乗,即ちr2を一般的に寄与率,または予測率,関一与率などといい,相関の程度を解釈する   のに用いる。Yの分散のうちXから推定される割合,つまりδY2のうちで,推定値傘の分散(δ9)

  が寄与する割合を表わしている。な拘 1−r廿不関率であり,相関によって説明されない部分の割   合を表わす。

  表2はrの分散のうち,線型回帰により体力要素と100・m.走記録が関連する部分の割合の推定値を 表2 寄与率r2(割合)

12345678901          1←

ーム

20m dash sOm dash

脚  筋  力 背  筋  力

反復横とび

シ ヤトルラン 垂  直  跳 立  巾  跳 連続片足とび 斜  懸  垂

立位体前屈

1年 G366

0. 624

0.041

0.e73 e.223 e.298 0.3se e.135

0.162

e.158

e.o 1 1

2年 G442

0.792 0.egs

e.221 0.1 96

0ユ32

0.364 0.182 e.173

0.139

0,061

3年

O.1 65

0.653

0.050

e.e 32

0. 34 9

0.307

e.264 e.420 0.219

0.274

0.018

12伏臥上体反らし 13開脚前後開き 14閉眼片足立ち 15走  巾  跳 16走  高  跳 17砲  丸  跳 18ハンドボール投げ 19踏 台 昇 降 20下  肢  長 21身    長

一3 1一

1年

O.010

0.088 0.1 38 0.466

0.529

0026

0.oe 4

0.407

2年

O.OOl o.eo4 0.eog O.490

e. 2e 3

0.564

0.1 9 O

O.OO3 0.OOs e.269

3年

e.01s O.056 0.O 02

G399

0.259

0.534

0.324

0.2 5 1

0.022

0.og4

(4)

 あらわしてk・ b,これをみると、体力要素の100m走記録を予測する範囲はきわめて狭い。即ち.

 1−r埜示される不関率がきわめて高くなっている。r値が5%水準で有意であるところをみても,

 1年で17. 5%.2年12.5%.3年23.6%が関連する割合であり,したがって,1−r2は82.5  %,87.5%,76.4%となり有意である範囲でさえこのときの変動の約80%は,100m記録と  の関係を説明できるものではないことを示している。

  1年では50m dash(62.5%),走高跳(5ag%),走巾跳(4a6%),身長(40.7%)

 20ne dash(36.6%),垂直跳(35,0%)である,2年では,50耽dash(792%),砲丸 投(56.4%),走巾跳(49.0%),20椛dash(442%),垂直跳(3e4%)である。3  年では50耽dash(65. 3%),砲丸投(53.4%),立巾跳(41.・9%),走巾跳(39.9%),

 反復横とび(34.9%)である。各学年ともに50%の推定値を示すものは極ぐかぎられてte b,50  肌dashが平均して60%以上を100・ne走記録に寄与している。他のテストでは50%以上を示し  たものは陸上競技種目をのぞいてはなh。各テストの分散のうち,100m走記録に対する線型回帰  で説明しうる部分の割合はこれら2つのものをのぞいては50%以下である。寄与率による学年差は  50耽dashが60%.以上全学年で示し100m走記録に対してきわめて高い予測率をもっている。

 20m,dashは3年で低下現象,筋力要素は不関率が高すぎ予測力をもたない。敏捷要素は20〜3  0%程度,2年生ではその割合は低下している。垂直跳は1,2 年が30%以上 3年置は低下,逆  に工率跳は3年で上昇現象を示している。連続片足とび,斜懸垂は学年進行とともにわずかに上昇し  ているものの高くなっても30%以下である。柔軟テストは不関率がいずれも高すぎしたがっ℃各学  年の推定値は低い。下肢長も同様である。陸上競技種目は走高跳が2年,3年になるにつれて低下,

 並巾跳,砲丸投は40〜50%の推定値を示している。ハンドボール投げが約30%(3年),踏台  昇降は3年が高ぐて25%を示した。

  r2と1−r2という関連する象含でみると,概括的には,1年,2年生ではパワー系統テストが100  m走記録に対して寄与率が高ぐ,かなりの予測能力をもっていることを示し,3年生では敏捷要素の  貢献する割合が上昇していることが言える。しかし,50mdashと,陸上競技各種目は100椛に  対してきわめて高い寄与率を示している。

(2) Ret一一contionによる貢献度についで

  先に説明した東大青山によるBjrcj/R2を用い,他の予測変量を固定して考えたときの基準変量  に対する貢献度をあらわす指標とした,Bjは標準偏回帰係数であり,ピY1・2=rY1−rY2r 12/

 1−r㌔,りY2・1=rY2−rY!r瑠/1−f!2であらわされる。 rcjは基準変量との相関係数であり,

 R二は重相関係数の自乗即ち関与率である。

  1年生から3年生までの発育発達側面をとらえるために21のテストによる100椛走への関連をさ  ぐる方法として重回帰分析を試みた。100・nzを基準変量とし,それに関連の深い要素をr値で判断  し9テストを採用L,Bj,rcj,R2を算出し貢献度(%)を検討する。表3は学年別のr,R,

 Rセ)比較表である。X1, X 2の組合せによる100mとのRは予測値と実測値との相関係数である  ので回帰方程式の予測の精度をあらわしている。したがってRが高ければそれらの組合せによる予測  精度が高いと言える。表3でみると,同じスピード要素でも20m dashと50dashではR値でか  なりの質の相異がある。20肌dashでは同じ組合せでるR値は2年が高く次いで1年,3年である。

 3年ではかなbの低下がみられる。50mdashでは同傾向ながら,2年では0.90をこえるRを示

(5)

表3 学年別相関係数(「23. 〉,重相関係数(R),関与率( 2)の比較 組合せ

Xl

 1

X2

 2  3  4

 5  6  7  8  9

    (1年)

Y23 R R2

0.79 O.80 O.64 e.47 G66 O.43 e.54 e.74 O.55 g.59 O.67 O,45 e.40 o.63 o.40 e.40 o.63 o.4e O.68 O.74 O.55 0.73 O.80 O.64

r 23 e.89 0.44

e.36 0..60

e.42

0.37 0. 70

0.45

(2年)

R

O.89

G.69 0. 66 0. 80 0. 67 0. 67

G77

0.68

Rz O.79

e. 4 7

0.44 0.64

0.4塁

O,44 0. 60 0. 46

T 23

e. si

e.59 0.55 e.51 e.47

0.52

0.63 0.5i

(3年)

R

O.8正

O. 62 0.57 0, 59 0. 47 0. 56 0.65 0. 53

O.66

0.38 0.33

0. 34

0.22

0. 31 0. 42 0. 28

2 3456789

O. 80

e.79

0. 79 e. 84

0.79

0. 82 e. 86

e.64

0. 6 2

0. 62

0.71

0. 63

0.67

0.73

O.90

0. 89

0.91 0.89

0. 89 0. 92 0. 89

e. 81

G79

0. 84

e.79

0. 79 0. 86 0. 79

O. 82 0, 81

0.85

0.81

0.81

e. 81 e. g1

O. 67 0. 66

0.72

e. 66

0.66

e. 66 0. 66

3 456789

O. 6k

e.61 0. 55

0.51 e.74

0. 75

O. 37

0.37 0.3三

〇.26 0.54

G56

O. 49

e.65 0.52

0. 52 0. 72

0.53

e.24

0.42 0. 27

e.27

0. 51

G28

O.62

e. 63 0.61

e.65 0.67

e. 61

O.38

0. 39 0.37

0。墨2 0.46 0.37

4 56789

O.64

0.58 0.58

0. 72 e. 77

e. 42

0.34

0. 34

0.52 0.59

O.63

0. 42

0.45 0.70

e. 48

o. 4e

O.17 0.20 e.49

0. 23

O.62

e.60

0. 71

0.66 0.59

O. 38

0.36 e.so O.44

0. 35

5

6789 O. 60

e.63

0. 7 4

e.se

e.36

0. 4e

O.55 0.65

O. 65

0.69

e. 75

0.63

O.42

0. 48 0. 57 0, 40

e. 55

0.70

0. 6 3 e. 56

O.30 e.49 0.4e

O.3k

6

789 e. so

e.74

e.81

O.25 0.54 e.66

O.49

0. 7e e. 55

O,24

0. 49 0. 30

e.58 0.65 0.5婆

e.33

0護2

e.30

7

Ω09 G68

e. 79

G47

0. 6 2

O. 72

0.58

O. 52

0.33

e. 66

0.69

0護4 0.48

8 9 O.76 O.57

O. 71 O. 50 O. 64

e.41

   「23・=XOOmと予測変量との「

1…20mp 2…50m,3…反復横とび,4…シヤ5ルランe 7…斜懸垂,8…押下跳,9…走高跳

5…垂直跳 6…連続片足とび

一3 3一

(6)

し,3年になってもe.80を下らない。50m dashを含む組合せは関与率から言ってもきわめて予測 精度が高いと言える。スピード要素2テストをのぞいた他のテスト間での組合せでO, 80を示すもの は少なく6−9,5−9の2つの組合せだけである。

 同じ組合せによるRの学年別比較をするとそのRの変化から20mdashとの組合せではその予測 精度は3年で低下現象を示す。せいぜい2年生までがその範囲ということができる。極端に低下する 組合せは1−9,1−6でありその関与率もO. 28,0.22ときわめて低い値である。組合せにより 2年まで上昇し,3年で低下するもの,2年,3年と漸減するものがみとめられ,3年までRが上昇 傾向を示す組合せは存在しない。

 50肌dashとの組合せは前述のように平均して高い予測精度をもつ組合せであり,その関与率は 2年で最高を示し学年進行にともなってその影響力は低下していない。

 反復横とびの組合せでは,先に示した1−3,2一一一 3の組合せをのぞき,囚型傾向(2年で低下)

を示している組合せが3一 4,3−9,漸減する組合せが3−8,3年で上昇する組合せに3−6,

3−7がある。3年で1,2年より高いRを示す組合せがあることが先のスピード要素との組合せと ことなるところである。組合せにより3年での予測精度が高いものがあり,反復横とびの影響力が3 年でも上昇することを確認できる。

 シeeトルランは,凹型傾向を示すものは,3−4,4一一一 6,4−7,.4−9などであり,凸型を示 す組合せは2−4,1−4がある。漸滅する組合せは4−8,平均してO.・60程度のRを示したも のに4−5がある、2年低下現象の凹型傾向を示す組合せが多く,そのとき関一与率はきわめて低い。

 予測精度は2年でとくに低ぐ,全体として反復横とび同様決して高いとはいえない。50椛dash との組合せは平均して高いことは前述の通りであり,同種のテストとしての反復横とびの組合せでは

(3−4),100mの記録予測の程度はO. 60がせいぜいでありそれらの組合せの限界があるよう

である◎

 垂直跳との組合せで賎平均型が3−5,4−5,上昇型5−7,低下型5−9,3年で低下する ものに,5−8,5−6がある◎凸型は2−5,1−5でありいずれもスピードとの組合せ,凹型は ない。2−5という組合せをのぞいては0,80を示したのが1年での5−9だけであり,あまり高

いR値ではない。関一与率も同様である。

 連続片足とびは1年での6一一 9の組合せが0.81と高い,他では2−6だけ高く,6−8が1,2 年までではα50程度の関与率を示している。平均型2−6(高いレベル),6−7(低いレベル)

がある。低下型には,1−6(3年で低下),5−6(3年で低下),6−8(3年で低下),6−

9は1年だけ高く2年以降急低下している。凹型4−6がある。50椛dashとの組合せをのぞいて は予測機は高くなく,したがって関与率も低い傾向である。

 斜懸垂は3−7,4−7(3年で急上昇),5−7,6−7が上昇を示しs学年進行とともに予測 精度は上昇傾向である。わずかの凸型が2−7,7−8,凹型では4−7,7−9がある。低下現象

を示すものは,1−7がある。低い予測程度をもつ組合せ,低い関与率であるのは2年に高く,3年 でまた斜懸垂の関与率が上昇する組合せもある。

 走巾跳との組合せは,その組合せの大部分が3年生でRの低下現象を示し,学年進行とともに予測 精度,関与率が低下していく傾向がみとめられる。しかし,安定してO.70程度のRと関与率50%

前後であることがこの組合せの特徴である。

(7)

 走高跳との組合せは,2−9の組合せをのぞいて学年進行にともないRの低下現象がみられる1−

9,5 一一 9,6−9,8−9◎その他は凹型を示し3−9,4−9,7一一一 9,2年で訟ちこむ傾向,

予測精度,関与率ともに低くなる。2−9は3年になってもO.・81のRを示している。

 以上から,予測精度,関一与率ともに高い信頼性をもつ組合せぱ本回抽出した9テストの中で50 m. da :g hを核とする他テストとのバッテリーが常にRでO.80以上を示し,その謡も高い。したがっ

て,学年進行にとらわれない要素は50mdashとなるべきである。

 また,各学年ごとに特徴ある組合せもあり,α8◎程度のRをもつバッテリーは発育,発達的なと らえ方,予測の仕方などから使用できようし,その特徴を把握して1oOm走の指導や評価,目標記 録等の設定や提示がかなり個人レベルで可能になる。

 前述したrユ2,r13,r23, R, R2を基礎データとする貢献度の計算はBjrcj/督の式から導かれ る。表4はその結果である。組合せは,表3と同様である。同 一一バッテリーに於ける,学年ごとの比 較を中心にのべることにする。

 20椛dashとの組合せから,一般的には,その貢献度は学年進行とともに低下現象を示し,2年 生が早でも一番高し(,4,6,7との組合せでは2年で高率を示していながら,3年では激減してい

る。とくに7との組合せで斜懸垂の100mへの貢献度が71%を示したことについてな澄検討の必 要もあろう。また1一一 2という組合せで3年で一2.76を示したがそれはマイナス貢献度ではなく,

50肌dash三献度が20mdashよりはるかに大きいためにそのような値:を示したと考えられる。

実際には1一一一 2の組合せは不用となり,2だけの回帰評価で充分であろう。

 50mdashとの組合せでは,1,2,3年と学年進行してもその貢献度の変化はみられない。

いずれの段階でも80%以上の貢献度を示し,他のテストの影響はきわめて低いことが推察される。

しかし,その貢献度にしても上昇タイプ,低下タイプがあることがみられる。この項でのマイナス%

は,先と同様に四捨五入時の誤差,それと影響が消去された場合の2つが考えられるがいずれにせよ 50ne dashの貢献度がきわめて高い証拠と言えそうである。

 反復横とびと他テストの組合せでは,貢献度の低下傾向を示すものはなく(50肌dashをのぞレ・

て)加令的に影響力がつよくなっていくことがわかる。貢献度の高い組合せは3一一 6,3−7であり,

60〜70%を示した。スピード要素との組合せでは50mdashの貢献度の方がすぐれている。そ れぞれの組合せにより,漸増していく組合せ,2年から上昇する組舎せ,3年で急上昇する組合せ等 があb概観すると学年進行がその貢献度を上昇させていき,このテストに関しては,発育発達が100 mへの貢献を進行させているとみられる。

 シwトルランについては,反復横とびと同種の敏捷性を測るテストであるが,この2つのテストの 組合せでは1年でシャトルランが,2年以後は反復横とびの貢献度が上昇する。4 ・一・6,1−4,4

−5,4−8の組合せは2年で診ちこみが激しい。1,5,6,8はそれぞれ走力主体のテストであ り2年でとぐにその影響がつよいと思われる。3−4では2年から低下現象を示し,4−9では3年 で上昇している。走高跳(9)は他の係数をみても3年で低下しているところがら,シャトルランと の組合せでも貢献度は3年で低下を示した。

 垂直跳は学年進行とともにその貢献度が低下現象を示している。上昇を示すものはない。低下して いぐ組合せには(イ),1,2年まで優i位で3年で低下する組合せ(5−6,5−7。5一一8),(ロ)2年 から低下を始める組合せ(3−5),←92年で貢献度が高い凸型の組合せ(5−9,4−5)の三つ

一35一

(8)

表4 100m走に対する体力要素の貢献度と学年比較(%)

  X1    1年 1.2e mdash 14.51        6{洗66        5{瓦41        5 2.5e        79.95        7{気61        3 7.3 9        3 4.38

2.50mdash 88.98

       9 7.e3        101.50        8333       ao 4.ig        70.96        5{瓦84

3.反復横とび  38.4・5        2 2.7 9        6 o.6e        2 5.24        ×7.38        66.56

4.シャトルラン   40.31

       7 2.6 8        7 3.4 0        27.6魂        2 5.4 9 5.垂 直跳  86.15        7 6.4 2        3 6. 17

       33.88

a連続片足とび  50.80        2 O.8i        22.e4

7.斜懸 垂   1.8墨        X 9.86

&走 

市 

跳   37.78

 2年   3年

 4.X3 一一一Z76 81.38 21.e2 99.e9 18.8e 56.52 34.50

×06.01 2.78 92.69 28.76 44.e2 15.66 83.68 24.74 91.45 86.67 99.34 9e.92 82.66 8e.3k le2.27 94.57 98.2e 91.70 75.23 95.62 96.46 XOO.52 65.88 61.43 26.85 66.55 54.90 75.03

×4.68 40.76 48.44 73.08 6X.33 6ZXI X8.30 57.57 k5.20 65.68 47.96 53.46

 0.el 3218

29.04 6i.82 75.56 62.54 73.44 48.99

34.82 一一一1.70

76.04 5L27

58.03 39.42  4.02 19.93 44.80 38.87 12.36 28.90

40.41 5L49 89.36 8Z97

 833448G109069390◎6687316144779507559

 834422661  一1一2凄673783522771266477986 1aαaZααa翫L2La49︒αL乳9︐42鼠駄乳624aaaa9︒獄乞&αa 年 .43140366095610.162376填635358570129111

2年   3年 95.88 102.76

i 8,61 78.97  0.95 80.19 43.47 65.49

一一一・

U.ei 97.3e  7.35 71.23 55.95 84.43

×6.33 75.22  8.58 13.31  0.68 8.98

17.33 19.68

−2,20 5.42  1.76 8.29 24.77 4.41

 3.53 一一一〇.52

34.il 38.54 73.16 33.44 45.17 24.88 85.37 59.23 51.52 26.91 38.62 37.88 81.71 42.4e 84.79 34.31 51.98 46.55 99.99 67.5G 7Lee 38.23 24.43 37.48 26.53 51.G1

65.2e g el.77

24.43 48.82 4200 60.57 95.93 8e.03 55.2,6 61.15 87.65 71.06 59.6g 48.48 10.67 S7.04

のタイプに分けられる。総体的には100・m・への貢献度が年々低下し,Powerの貢献限界がありそ

うである。

 連続片足とび・との組合せでは,低下現象を示す組合せには6−7,3−6,2…一 6があリスビード,

敏捷,筋待久力がその対象の組合せである。上昇傾向を示すものには漸増5−6,6−9,そして,

(9)

1−6では3年で急増しこれらはジヤンブ系統テストとの組合せである。しかし,1−6の組合せで 97%の急上昇を3年で示し,2−6では3年でわずか5%の貢献度しかない。全体的に連続片足と びの貢献度は低い(4−6の84%,1一一・ 6の97%をのぞいては)。

 斜懸垂との組合せでみると,貢献度が決して高いとは言えないにしても,低いなりに,それでも学 年進行とともに低下現象を示した組合せはない。わずかであるが上昇傾向を示している。7−1の3 年での71%が最:高であり,7一一 6の60%が次いでいる。走力にまったぐ関連のないテストが20 ne,連続片足とび,垂直跳との組合せで少くとも貢献度で優位を占めでAる原因は不明である。そして3 年忌一一一一as高い値を示しているQ平均して30%を保持している組合せは3−7である。反復横とびも

テストとしては,3年で貢献度が高くなるものであり,斜懸垂も同様の傾向をもつテストである。そ のとき反復横とびの方が斜懸垂をしのいでいると言えよう。6−7も学年進行とともに変動の少ない 組合せとなっているが他の組合せは貢献度の変動峨3年で急増するもの,漸増するものに分類でき

る。

 走巾跳との組合せでは,貢献度が学年進行とともに低下したものは50m dashとの組合せだけで あり,他のテストとの組合せでは,やX上向きの貢献度を示す組合せもあるが(8−9,1−8,5

−8),他の組合せでは低下傾向である。上昇のバ・テリーは20m,走高跳垂直跳が対象であり,

単独でもこれらの種目は3年好影響が低下してto b,それに比して走巾跳が上昇するのは二一でき る。50mの貢献度は走義心をしのぎ,3年になってもな鉛上昇している。シャトルラン,斜懸垂,

反復横とびも走玉容の貢献度を3年でわずかに侵食している。しかし,いずれにせよ走巾跳がこれら のテストとの組合せでかなりの貢献度を示したことは事実である。それには並巾跳が20m前後の助 走と踏切りで使うpowrが100neとの関連で高いことを証明している。

 走高跳との組合せからみるとその貢献度は学年進行とともに低下現象を示す。走高跳は1年で一番 著しく100肌に貢献し順次低下する。その中で4−9のシャトルランとの組合せでは2年まで70

%の貢献度を維持している。走高跳は一一年が限界で2年で急減少を示す典型的例である。スピードよ bは技術優先の種目特性があらわれたのではないだろうか。

ま  と め

 100m走記録に対する貢献度を本研究で検討した9テスト間の組合せで分析すると,

(1) 50mdashは学年進行しても貢献高は変動しないし高い値を示している。

(2)20m dashは50m dashより貢過度で劣り,他のテストとの組合せからみても学年進行とと  もに貢献度は低下している。

(3)スピード要素との組合せをのぞいた,他のテスト間の組合せで反復横とびは加令的に貢献度が上昇し  60〜70%を示した。シャトルランは反復横とびとその組合せから貢献度で劣ると判断できる◎

(4)垂直跳(power)をみると,1年だけ,もしくは2年まですぐれていながら,2年もしぐは3年に  なると貢献度の減少が著しい。制令的に増加することはない。

(5)筋持久力をみる斜懸垂は最高71%の貢献度を示す。平均では5◎%以下であるがその位置でも加令  的に上昇を示している。筋持久力の貢髄度は上昇傾向であり,特に3年で署しい。

(6)連続片足とびでは,スピード,敏捷性,筋持久力テストとの組合せで低下現象を示し,跳躍系テスト  とは増加傾向を示した。

一37一

(10)

(7)競技種目では走巾跳が全体的にはや、横ばい気味の傾向であり,走高跳はより急速に低下していく。

今 後 の 課 題

1. net−contributicn の計算から,まる目の誤差と思われるマイナス値が出現したことについ  ての概念,式のもつ信頼性とその限界を検討すべきであると思う。

2.重回帰分析でとくにその方程式(予測式)が現実に成立する成立の信頼限界,範囲を確認し,常に種  目間の因果関係を追試していくことが重要である。

3.被験者を多く求め,小学校児童から,中学,高校,大学に於ける貢献量を発育発達の指標として把握  したい。

な勘論文の一部は第27回日本体育学会(天理大学大会)に於て発表したものである。

参考引 用文献

(1)青山昌g大学生の体格・体力の統計的分析,体育学紀要第8号,P47〜74。

(2)松浦義行 行動辞学に於ける因子分析法 不昧堂,p461

(3)畑村三好,奥野忠一,津村善郎共訳,スネデカー,コクラン 統計的方法 岩沼書店

(4)水野忠文

  青少年体力の標準表 東京大学出版会

(5)松浦義行

  発達運動学,適遙書院

(6)野田,大山,古藤,山西,吉村,鶴田   陸上競技の指導に関する研究

   第墨報(教育学部紀要1971年第21号,第6報1972年第22号),第7報(1973年第

  23号)s第8報(1974年第24号)Q

参照

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