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ウ暗麟潔鴇こ丁麟付

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Academic year: 2021

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(1)

4.4 ポリエチレン繊維メッシュおよびシートを用いた既存鉄筋コンクリート    部材の耐爆補強工法の開発

(1)研究目的

 前節までに,高分子量ポリエチレン繊維を用いた短繊維補強コンクリートの耐爆構造部 材への応用を目的とした一連の実験的研究について述べた。但し,これらはいずれも新設 構造物への適用を想定したものであり,既存鉄筋コンクリート構造物の耐爆性能向上を目 的とした補強工法を検討することは,特に既存構造物の長寿下腿や施工の合理化,省力化

といった社会的要請を考慮した場合有意義であると考える。また,第2章でも述べた通り,

鉄筋コンクリート構造物の耐爆設計における要点は裏面剥離片の飛散による2次被害を防 止することにあり,この面で,コンクリートよりも引張強度が高い材料による裏面補強が 有効な工法の1つとして考えられる。

 ところで,既存鉄筋コンクリート構造物の補強,特に部材の靭性を図るための耐震補強 工法として連続繊維シート補強工法が1995年の阪神大震災を境に実用化されており,施工 実績も豊富である。また,連続繊維メッシュ補強も,コンクリートの剥落防止を目的とし た工法として実績を有しており,裏面をメッシュ補強することにより鉄筋コンクリート版 の押抜きせん断耐力を向上させることが可能であること等も明らかにされている28)。これ

ら連続繊維補強材を用いた補強工法は,重機を必要とせず手作業による迅速な施工が可能 であること,既存構造物の形状に柔軟に対応できること,積層数の調整により適切な補強 が可能であること等の利点を有しており,既存鉄筋コンクリート構造物の耐爆補強の面で も有用な工法となる可能性が考えられる。

 そこで,本節ではJ既存鉄筋コンクリート構造物の耐爆補強工法の開発を目的に,ポリ エチレン繊維(Polyethylene fiber,以下PEFと称する)メッシュ, PEFシートおよび炭素 繊維(Carbon fiber,以下CFと称する)シート等の各種連続繊維補強材により裏面を補強

した普通鉄筋コンクリート版の接触爆発に対する耐爆性能に関して実験的検討を行った。

(2)実験方法

(2.1)使用材料

 表4.4.1に使用材料,写真4.4.1に使用した連続繊維補強材の外観をそれぞれ示す。母 材コンクリs一一一トには,レディーミクストコンクリート(普通一30−18−20−N)を用いた。連続

繊維補強材としては,PEFメッシュ, PEFシートおよびCFシート(高強度および高弾性 タイプ)の4種類を用いた。以上の連続繊維補強材の素材特性について概説すると,

  ①ポリエチレン繊維:密度が0.97g/cm3と非常に小さく,炭素繊維と比較して引張弾    性率が1/3程度と小さいが,耐衝撃性,配光性に優れており,破断伸びが大きく,

   柔軟性に富んでいる。また,せん断やねじりに対しても強い特長を有する。

  ②炭素繊維:軽量,高耐食:性,高強度,高弾性率,高耐薬品性等の特長を有するが,

   直接せん断やねじりに対して弱く,また,高弾性タイプは破断ひずみが0.4〜0.8%

   と非常に小さく靭性に乏しいため,補強材として使用する際には注意を要する。

なお,PEFメッシュの積層にはポリマーセメントモルタル, PEFシートおよびCFシート

(高強度および高弾性タイプ)の接着にはエポキシ樹脂系接着剤をそれぞれ用いた。

一224一

(2)

表4.4.1 使用材料

普通コンクリート レディーミクストコンクリート(普通一30一畳8−20−N)

(実験シリーズA)実測スランプ:17.3cm,実測空気量:3.9%

(実験シリーズB)実測スランプ:17.7cm,実測空気量:55%

連続繊維補強材 ポリエチレン繊維メッシュ

目付量:44g/m2(繊維:279/m2),厚さ:0.27mm,

ピッチ:10mm(経・緯),強力:1。36〜1.37kN/5cm ポリエチレン繊維シート

目付量:250g/m2,公称厚さ:0.258mm,

引張強度:1850N/mm2,引張弾性率:70kN/mm2 炭素繊維シート (高強度タイプ)

目付量:300g/m2,公称厚さ:0.167mm,

引張強度:3430N/mm2,引張弾性率:230kN/mm2 炭素繊維シート(高弾性タイプ)

目付量:300g/m2,公称厚さ:0.152mm,

引張強度:1940N/mm2,引張弾性率:704kN/mm2 接着材 ポリマーセメントモルタル

エマルジョンの内訳(質量比)

ポリアクリル酸エステル:ポリスチレン:水=19:13:68 コンパウンドの内訳( 量比)

白色セメント:水=40:60 プライマー,接着剤 エポキシ樹脂(無溶媒,2液型)

(a)PEFメッシュ

(c)CFシ・一一一ト(高強度タイプ)

(b)PEFシート

(d)CFシート(高弾性タイプ)

写真4.4.1 使用した連続繊維補強材の外観

(3)

(2.2)素材特性

 素材試験用供試体として,圧縮試験および割裂引張試験にφ100×200mm円柱供試体を 各3体ずつ作製し,現場湿布養生材齢28日後,試験時まで気中養生とした。素材試験方法

に関して,圧縮試験では圧縮応カーひずみ曲線,割裂引張試験では割裂引張強度をそれぞ れ測定した。以上のようにして得られた普通コンクリートの素材特性を表4.4.2に示して

いる。

(2.3)接触爆発試験方法

(2.3.1)試験体条件

 図4.4.1〜3に接触爆発試験体の各種連続繊維補強材による補強のフローチャートとそ の施工状況をそれぞれ示す。

 本実験で検討対象とした接触爆発試験体は,以下の5種類である。

  ①無補強試験体:比較用の普通鉄筋コンクリート版

  ②PEFメッシュ補強試験体:格子目と霞目のPEFメッシュを,ポリマv一一・セメントモ    ルタルを用いて普通鉄筋コンクリート版裏面に積層・接着したもの

  ③PEFシート補強試験体:2枚のPEFシートを,繊維方向のなす角度が90。となる    ように普通鉄筋コンクリート版裏面に貼付したもの

  ④高強度CFシート補強試験体:2枚のCFシート(高強度タイプ)を,繊維方向の    なす角度が90。となるように普通鉄筋コンクリート版裏面に貼付したもの

  ⑤高弾性CFシート補強試験体:2枚のCFシート(高弾性タイプ)を,繊維方向の    なす角度が90。となるように普通鉄筋コンクリート版裏面に貼付したもの

なお,母材となる単語は幅600mm,長さ600mmおよび厚さ100mmの普通鉄筋コンクリー ト版であり,現場湿布養生材齢28日後,数日の気中養生を経て各種連続繊維補強材を積

層・貼付した。

 PEFメッシュ積層方法に関して,普通鉄筋コンクリート版裏面を下地処理後,格子目と 菱目のメッシュを,ポリマー・セメントモルタルを用いて積層・接着した。なお,ここで使 用したポリマーセメントモルタルは,無機系コンパウンドと複合高分子エマルジョンを現 場調合して用いる材料であり,母材との接着強度が高い特長を有する(下塗り用調合の場 合,母材コンクリートとの接着強度1.5N/mm2以上(母材破壊),建制式接着力試験:機によ

る)。ここでは,下塗りおよび仕上げ用と中塗り用の2種類の調合を併用した。また,積層 の結果,試験体の合計版厚はII1(=100+ll)mmとなった。

 PEFシート貼付方法に関して,下地処理した普通鉄筋コンクリート版裏面にプライマー を塗布した後,シート接着面に含浸塗布した接着用樹脂によりPEFシートを接着した。な

表4.4.2 普通コンクリートの素材試験結果(平均)

 実験

Vリーズ

 σB

iN/mm2)  E

ikN/mm2)

 σt

iN/mm2) 使用した試験体

A 41.6 31.9 3.48 無補強,PEFメッシュ補強

B 37.9 27.3 2.30 PEFシート補強,高強度CFシート補強,

re性CFシート補強

*σB:圧縮強度,E:ヤング係数,σt:割裂引張強度

一226一

(4)

下地処理

清 掃

下塗り用PCM塗布

PEFメッシュ積層

仕上げ用PCM塗布

養 生

○グラインダー等を使用してコンクリート表面を研  塗し,汚れやレイタンスを除去する。

○研磨時に生じたほこり,ごみ等を除去する。また,

 水で洗浄するときは洗浄後十分に乾燥させる。

○下塗り用ポリマーセメントモルタルを,刷毛を用い  てコンクリート表面に均一に塗布する(厚さlmm)。

①中塗り用ポリマーセメントモルタルを,刷毛を用い  て下塗り用ポリマーセメントモルタル塗布面に均  一に塗布する(厚さ2mm)。

②PEFメッシュを所定の位置に積層した後,再度中塗  り用ポリマーセメントモルタルを塗布し(厚さ  2mm), PEFメッシュに十分に含浸させる。

③24時間のオープンタイムを経た後に,2層目を同様  の方法により積層する。

○仕上げ用ポリマーセメントモルタルを,刷毛を用い  てコンクリート表面に均一に塗布する(厚さlmm)。

O14日間現場湿布養生とする。

(a)施工手順

1[≡≡≡≡≡≡≡≡1≡≡≡≡≡≡≡≡≡1≡鵜:欝1二瀞

・一一 │リマーセメントモルタル(下塗りおよび仕上げ用,Em:Co−1:3.5,厚さlmm)

一一一 │リマーセメントモルタル(中塗り用,Em:Co=1:4.0,厚さ2mm)

一PEFメッシュ

      *Em:エマルジョン, Co:コンパウンド        (b)試験体の構成

下塗り用PCM塗布  中塗り用PCM塗布     PEFメッシュ積層

     (c)施工状況

図4.4.1 PEFメッシュの施工要領

(5)

下地処理

清 掃

プライマー塗布

PEFシート貼付

○グラインダー等を使用してコンクリート表面を研  磨し,汚れやレイタンスを除去する。

○研磨時に生じたほこり,ごみ等を除去する。また,

 水で洗浄するときは洗浄後十分に乾燥させる。

○プライマーを刷毛またはローラー等を用いてコン  クリート表面に均一に塗布する。

①PEFシートをあらかじめ所定の寸法に裁断してお  く。混合したエポキシ樹脂系接着剤をシートに刷毛  等を用いて繊維方向に沿って塗布し,樹脂を十分置  シートに含浸させる。

②PEFシートを所定の位置にしわができないように  貼付し,へらで気泡が入らないように圧着させる。

③2層目は,12時間程度の間を置き,シ・・一・Lト上層の表

 面保護用シートを剥がしてから同様の方法により  貼付する。

○ほこり,ごみ等が付着しないように,ビニールシー  ト等を被せて養生を行う。

  (a)施工手順

=響『=響『=響『===警『==『一=

ウ暗麟潔鴇こ丁麟付

・一一 vライマー 一一一接着剤  一PEFシート

(b)試験体の構成

表面処理         PEFシート貼付     (c)施工状況

図4.4.2 PEFシートの施工要領

一228一

(6)

下地処理

清 掃

プライマー塗布

CFシート貼付

○グラインダー等を使用してコンクリート表面を研  辛し,汚れやレイタンスを除去する。

○研磨時に生じたほこり,ごみ等を除去する。また,

 水で洗浄するときは洗浄後十分に乾燥させる。

0プライマーを刷毛またはローラー等を用いてコン  クリート表面に均一に塗布する。

①CFシートをあらかじめ所定の寸法に裁断してお  く。混合したエポキシ樹脂系接着剤をプライマー塗  布面に刷毛等を用いて均一に塗布する。

②CFシート表面のポリシートを剥がし,所定の位置  にしわができないように貼付する。ゴムへらまたは  金属ローラーを繊維方向に沿って上から当て,樹脂  をシートに十分に含浸させる。

③2層目は,数分の間をおいて同様の方法により貼付  する。

○完全に硬化するまで外力が加わらないように注意  し,5〜14日間ビニールシートを被せて養生を行う。

  (a)施工手順

≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡≡i驕:騰窩騰と灘付

    ・■…■…プライマー 一一一接着剤  一CFシート

(b)試験体の構成

鍵γ冨鋪

誌璽

プライマー塗布

ノ.

呼詐鋤

諺ツ

        CFシート貼付     (c)施工状況

図4.4.3 CFシートの施工要領

罵駁

F/.一・:

(7)

お,接着用樹脂は,PEFシートに含浸した後に硬化してポリエチレン繊維強化プラスチッ クを形成するための結合材となることと,プライマー塗布後の普通鉄筋コンクリート版裏 面とPEFシートとの接着剤となることの2つを目的として用いられるものであり,ここで は2液混合型のエポキシ樹脂を用いた。また,2次元的な補強を可能とするために,シー

トはその繊維方向のなす角度が90。となるように2層貼付とした。

 CFシート貼付方法は基本的にPEFシートの場合と同様であるが,下地処理した普通鉄 筋コンクリート版裏面にエポキシ樹脂を塗布してシートを貼付する点でPEFシートの場合

とは異なっている。

 なお,以上の試験体の表面には所要の養生期間を経た後に白色塗料を塗布し,爆発面お よび裏面に間隔50mmのグリッドを記入した。

(2.3.2)試験設備および装置

 試験設備および装置は4.2.1項と同様とした。但し,爆薬量Wは,すべての試験体につ いてW=100および200gの2水準とした。

(2.3.3)外部損傷寸法の測定方法

 外部損傷寸法の測定方法は,4.2.1項と同様とした。

(2.3.4)シート剥離の非破壊診断方法

 接触爆発試験の結果,裏面に貼付した連続繊維シートの剥離が認められたため,剥離診 断器29)を用いてシート剥離の非破壊診断を実施した。使用した剥離診断器の仕様を表 4.4.3,本器打撃部の外観と診断状況を写真4.4.2にそれぞれ示す。

表4.4.3 剥離診断器の仕様 適用条件:

@タイル

@モルタル

@下地

厚さ30mm以内

アて仕上げ,弾性塗装の無い壁面 S筋コンクリート構造

検出深度 40mm以内

診断目安 3色ランプ(LED)表示 ランプ表示色

目安 剥離なし 剥離の恐れ有り 完全に剥離

使用環境 0〜40℃,85%R.H.以下

i

  ノ

ハンマー

ひ5﹁9

3色ランプ

(LED)

マイクロフォン

   写真4.4.2 剥離診断器打撃部の外観と同工による診断状況

一230一

(8)

 本器は,打撃による振動音をマイクロフォンで検出・解析することにより,剥離状況を 青(剥離なし),黄(剥離の恐れ有り)および赤(完全に剥離)の3色ランプで表示するも ので,打撃部,診断部およびバッテリーにより構成されている。なお,表4.4.3中に示し ている通り,本器は本来タイルおよびモルタルの剥離診断を目的としたものであり,シー

ト剥離の非破壊診断法としての適用性は未知であるが,ここでは試験的に,弾性塗装を許 容するタイルを対象とした仕様により診断を実施した。診断要領としては,先述の通り試 験体裏面に記入した間隔50mmのグリッドの交点に打撃部を当て,そのときのランプ表示 色を記録した。また,以上の非破壊診断法の妥当性を調べるために,診断後に試験体を切 断し,その切断面におけるシート剥離状況の目視観察結果と非破壊診断結果との対応性に ついて検証した。

(3)実験結果および考察

(3.1)接触爆発試験体の破壊性状

(3.1.1)外部損傷状況

a)爆薬量100gの場合

 写真4.4.3に接触爆発試験体の外部損傷状況(爆薬量IOOg 一定)を示す。なお,同期真 中において支持位置は左右両端である。また,同写真中では,外部損傷寸法の測定にあた

り除去した部分を破線で囲んで示している。

 爆発面の損傷状況に関して,5試験体すべてにおいて爆発点近傍の普通コンクリートが 粉砕され,ほぼ椀飯のクレータを生じているが,その規模に試験体間で顕著な差異は認め

られない。また,いずれの試験体においても,熱によるコンクリートの脱水に起因するも のと思われるクレータ内部の白色化の傾向が認められる。

 裏面の損傷状況に関しては試験査問で差異が認められ,その特徴を損傷程度ごとに分類 して説明すると,以下のようになる。

  ①無補強試験体:裏面中央に顕著なスポールを生じ,中央に配した鉄筋の露出が見    られる。また,比較的開口幅の大きなひび割れがスポールを起点として放射状に    発生している様相が観察される。

  ②高弾性CFシ■・・一一ト補強試験体:爆発点直下を基点として十字型にシートが破断し,

   スポールの発生が見られた。発生した裏面剥離片に関して,質量198.6gの比較的    大きな剥離片が1つ見られたが,他の剥離片は一様に細かく,質量20g以下の範    囲に多く分布していた。また,シート破断部を目視により観察したところ,シー     トには多量のコンクリート片が付着しており,スポールを生じてもなおコンクリ    ートとの接着力が保持されている様相が観察された。

  ③PEFメッシュ補強試験体:スポールは完全に抑制された状態にあったものの,爆発    点直下を中心とした円形状のひび割れが生じており,その直径は約30cmと,後述    する無補強試験体のスポール直径(277mm)に比して若干大きい程度であった。

   これは,版内部で生じたコンクリート片の版からの分離をPEFメッシュが抑止し    た結果生じたものであると推察される。

  ④PEFシート補強および高強度CFシート補強試験体:爆発点直下近傍に円形状の浮    き部が観察されたものの,スポールは完全に抑制された状態にあった。

(9)

一爆発面一

i蝉

懸飛

一裏 面一

(a)無補強

,1,i}il−1

一爆発面一

.勲

一裏 面一

(b)PEFメッシュ補強

   一爆発面一      一二 面一       (c)PEFシート補強

写真4.4.3−1 接触爆発試験体の外部損傷状況(爆薬量IOOg 一定)

       一232一

(10)

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一爆発面一      一裏 面一       (d)高強度CFシート補強

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   一爆発面一        一喝面一

         (e)高弾性CFシー一・・ト補強

写真4,4.3−2 接触爆発試験体の外部損傷状況(爆薬量100g 一定)

b)爆薬量200gの場合

 写真4.4.4に接触爆発試験体の外部損傷状況(爆薬量200g一定)を示す。なお,同写真 中において支持位置は左右両端である。また,同調真中では,外部損傷寸法の測定にあた

り除去した部分を破線で囲んで示している。

 爆発面の損傷状況に関して,クレータの規模はいずれの試験体においても爆薬量100g の場合に比して拡大しているが,爆薬量100gの場合と同様,その形状および規模に試験体 間で有意な差異は認められていない。

 裏面の損傷状況に関して,写真より以下のような説明が得られる。

  ①無補強試験体:スポールの規模は爆薬量100gの場合に比して顕著に拡大しており,

   版側面にまで至る開口幅の大きなひび割れの発生が見られる。なお,後述するよ    うに,見掛け上貫通は生じていないものの,全損傷深さは丁丁に達していた。

  ②PEFメッシュ補強試験体:PEFメッシュの破断により爆発点直下に噴火口に類似し

(11)

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一爆発面一

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一裏 面一

(a)無補強

一爆発面一 一裏 面一

(b)PEFメッシュ補強

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   一爆発面一      一裏 面一       (c)PEFシート補強

写真4.4.4−1 接触爆発試験体の外部損傷状況(爆薬量200g一定)

一234一

(12)

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一爆発面一        一三面一

      (d)高強度CFシート補強

   一爆発面一      一裏 面一          (e)高弾性CFシート補強

写真4.4.4−2 接触爆発試験体の外部損傷状況(爆薬量200g 一定)

 た剥離を生じ,メッシュ破断口から質量20gに満たない細かなコンクリート片の剥  落が多量に観察された。また,スポール部を起点とした放射状のひび割れの発生が  確認される。

③高弾性CFシート補強試験体:爆薬量100gの場合と同様に,爆発点直下を基点と  した十字型のシート破断が見られるが,その規模は爆薬量100gの場合に比して顕  著に拡大しており,一部で版側面付近にまで及んでいる。この場合も,シート破  断により発生したコンクリート片のほとんどが質量20g以下と非常に細かく破砕  されていた。

④PEFシート補強および高強度CFシート補強試験体:爆薬量100gの場合と同様に,

 スポールは完全に抑止されていたものの,爆発点直下を中心とした円形状の浮き  部が見られ,その規模は爆薬量100gの場合よりも大きく,版側面付近にまで及ん  でいた。

(13)

(3.1.2)内部損傷状況

a)爆薬量100gの場合

 写真4.4.5に接触爆発試験体の内部損傷状況(爆薬量100g一定)を示す。なお,同写真 中において,支持位置は左右両端,爆発面は上面である。

 無補強試験体の場合,爆薬量100gの時点で顕著なスポールを生じ,スポール破壊面に沿 ったひび割れの発生が認められるが,シート破断により爆発点直下にスポールが生じた高 弾性CFシート補強試験体の場合にはそれと概ね同様の内部損傷状況を呈していることが 判る。一方,スポールが完全に抑止されたPEFメッシュ補強, PEFシート補強および高強 度CFシート補強試験体の場合には,版裏面の爆発点直下近傍で普通コンクリートが著し

く破壊されている様相が観察され,その規模は(a)に示す無補強試験体のスポール破壊の 規模と良く一致している。なお,爆薬量100gでは,連続繊維補強材を積層または貼付した 4試験体すべてにおいて,母材一補強材間の層間剥離は認められなかった。

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(b)PEFメッシュ補強

      一(c)PEFシート補強獣趨・

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(d)高強度CFシート補強

写真4.4.5

   (e)高弾性CFシート補強

接触爆発試験体の内部損傷状況(爆薬量100g 一定)

一236一

(14)

b)爆薬量200gの場合

 写真4.4.6に接触爆発試験体の内部損傷状況(爆薬量200g一定)を示す。なお,同写真 中において,支持位置は左右両端,爆発面は上面である。

 各試験体の内部損傷状況をその損傷程度ごとに分類して説明すると,以下のようになる。

  ①無補強およびPEFメッシュ補強試験体:内部損傷状況は爆薬量100gの場合に比し    て顕著に拡大しており,断面全域にわたってひび割れが進行している様相が観察さ    れる。また,スポール破壊面に沿った複数のひび割れに加えて,版側面に平行なひ    び割れの発生が認められる。

  ②高弾性CFシート補強試験体:①の場合に比して版側面に平行なひび割れがやや低    減される傾向にあるものの,スポール破壊やそれに沿ったひび割れの発生程度は①    と同等に進行していることが判る。

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(b)PEFメッシュ補強

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(c)PEFシート補強

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(d)高強度CFシート補強

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         (e)高弾性CFシート補強

写真4.4.6 接触爆発試験体の内部損傷状況(爆薬量200g 一定)

(15)

  ③PEFシートおよび高強度CFシート補強試験体:裏面に貼付した連続繊維シートが    破断していないためにスポールの発生は完全に抑止されているものの,試験体内部    の損傷は①および②の場合と同等に進行していることが確認される。

 以上の内部損傷状況の目視観察結果を総合すると,連続繊維補強材を用いた裏面補強に より裏面剥離片の飛散を抑止することは可能であるが,内部から損傷を抑制することはで きないことが明らかである。また,このことに関係して,版内部で生じた裏面剥離片の飛 散圧により連続繊維補強材が破断した場合には急速に補強効果が失われ,損傷程度が無補 強の普通鉄筋コンクリート版と大差なくなる傾向にあるものと考えられる。

 なお,爆薬量200gにおいて, PBFシート補強および高強度CFシート補強試験体では母 材一補強止血の層間剥離が認められたが,PEFメッシュ補強および高弾性CFシート補強 試験体ではそれが認められておらず,このことから,連続繊維補強材の破断の有無が母材

一補強材間の層間剥離の発生状況に影響している可能性が考えられる。

(3.2)シート剥離の非破壊診断結果

 図4.4.4にシート剥離の非破壊診断結果を,試験体切断面の目視観察結果と対比させて 示す。なお,同図中において支持位置は左右両端,診断において表示されたランプの色は,

0:青,△:黄,×:赤,空白はスポール発生により測定不可能であった箇所である。

 図より,試験体切断面における内部コンクリートの破壊状況およびシート剥離状況の目 視観察結果と剥離診断器による非破壊診断結果とは非常に良い一致を示しており,本非破 壊診断法を適用することで,接触爆発による損傷領域(シート剥離領域と内部コンフリー

1譲畿灘難叢

    シート剥離領域 内部コンクリート破壊領域

・M・

内部コンクリート破壊領域

一・ 一

3

Σ切断線 9

(a)爆薬量100gの場合      (b)爆薬量200gの場合 図4.4.4−1 シート剥離の非破壊診断結果(PEFシート補強の場合)

一238一

(16)

響藻

シート剥離領域 内部コンクリート破壊領域 内部コンクリート破壊領域

一・

■切断線

 (a)爆薬量100gの場合      (b)爆薬量200gの場合 図4.4.4−2 シート剥離の非破壊診断結果(高強度CFシート補強の場合)

スポール発生領域

・一・

  スポール発生領域

一・

3

x切断線

 (a)爆薬量100gの場合      (b)爆薬量200gの場合 図4.4.4−3 シート剥離の非破壊診断結果(高弾性CFシート補強の場合)

(17)

ト破壊領域)を良好な精度で検出することが可能であると判断される。

 本非破壊診断の結果より,以下のような傾向が認められる。

  ①スポール破壊を生じなかったPEFシ・一・一ト補強および高強度CFシート補強試験体に    関して,爆薬量100gの場合は内部コンクリートの破壊,爆薬量200gの場合はシー    ト剥離によってそれぞれ損傷領域の規模が決定されていることが判る。このことか    ら,シート剥離は爆薬量が大きい,すなわち内部コンクリート片の飛散圧が大きい    場合に顕著となる損傷形態であることが推察される。なお,爆薬量200gの場合に    は,両試験体ともにシート剥離が非常に広い範囲に及んでおり,コンクリートとの    接着が保持されているのは版側面近傍の僅かな部分のみであることが判る。

  ②スポール破壊を生じた高弾性CFシート補強試験体の場合,目視観察および非破壊    診断のいずれにおいてもシート剥離はほとんど認められておらず,このことから,

   シート剥離の規模はスポール発生の有無によっても大きく影響される損傷形態で    あると考えられる。

(3.3)外部損傷寸法の測定結果

 表4.4.4に外部損傷寸法の測定結果,図4.4.5に各種連続繊維補強材による裏面補強が 外部損傷寸法に及ぼす影響,図4.4.6および7に普通コンクリートを対象とした損傷深さ 予測式と本実験データの対応をそれぞれ示す。なお,図4.4.5中では,クレータおよびス ポールの直径をそれぞれ版の長さで除すことで無次元化した値(C/しおよびS/L)および全 損傷深さを版厚で除すことで無次元化した値((Cd+Sd)/T)について比較している。また,

図4.4.6および7中に示す式の詳細は4.2.1項を参照されたい。

表4.4.4 外部損傷寸法の測定結果  T

imm)

W︵9︶ T/Wml/3 icm/gl/3)

 C imm)

 Cd imm)

 S imm)

 Sd imm)

無補強 100 100 2.26 161 34 277 48

100 200 1.79 194 39 304 61

PEFメッシュ補強 111 100 2.51 154 30 0 0

lll 200 1.99 214 44 278 67

PEFシート補強 100 100 2.26 153 35 0 0

100 200 1.79 201 41 0 0

100 100 2.26 159 31 0 0

高強度CFシート

站ュ 100 200 1.79 208 41 0 0

100 100 2.26 137 34 259 45

高弾性CFシート

站ュ 100 200 1.79 200 41 310 59

*T:版厚,W:爆薬量, T/Wml/3:修正換算コンクリート厚さ, C:クレータ直径,

Cd:クレータ深さ, S:スポール直径, Sd:スポール深さ

*修正換算コンクリート厚さT/Wml/3は,前掲の式〔4.2,9〕(4.2.1項参照)により算出  した。但し,KTNT==4.29MJ/kg, KpETN ・5.71MJ/kgであり,本実験で使用した爆薬の成分  はペンスリット(PETN)65%であるから, K=3.71(=5.71×0.65)MJ/kgとした。

一240一

(18)

 図より,連続繊維補強材により裏面を補強した試験体におけるクレータ損傷程度は無補 強の普通鉄筋コンクリート版と同程度であり,従って普通鉄筋コンクリート版を対象とし たクレータ深さ予測式〔4.2.5〕により各種連続繊維メッシュおよびシート補強鉄筋コンク

リート版のクレータ損傷の規模を推定することが可能であると考えられる。

 各接触爆発試験体の全損傷深さに関して,連続繊維シートにより補強した試験体に着目 すると,補強効果は高弾性CFシート〈高強度CFシート≒PEFシートの順に高くなってお

り,すなわち,エネルギー吸収性が高い繊維素材を適用することが普通鉄筋コンクリート 版の耐爆性能向上の面で有効であると考えられる。一方,PEFメッシュとPEFシートを比 較した場合,PEFシート補強試験体の方が補強効果は高くなっており,このことから同一 繊維素材であれば目付量が大きいほど補強効果が高くなるものと考えられる。

 ところで,スポールが生じたPEFメッシュ補強試験体(爆薬量100g)および高弾性CF シート補強試験体(爆薬量100および200g)の全損傷深さは無補強の普通鉄筋コンクリー

ト試験体のそれとほぼ同程度となっており,これは,内部で発生したコンクリート片に飛 散圧により裏面の連続繊維補強材が破断するとそれまで内部に停留していたコンクリート

↑\︵唱︒o+δ︶︑日\oo︑日\O↑\︵δ+唱Q︶︑日あゴ\Q

1.0

O.8

O.6

O.4

O.2

o.o

1.0

O.8

O.6

O.4

O.2

口 CIL ヘ S/L

。(Cd+Sd)/T

無補強       PEFシート補強     高弾性CFシート補強    PEFメッシュ補強   高強度CFシート補強

       (a)爆薬量100gの場合

 o.o

    無補強       PEFシート補強     高弾性CFシート補強         PEFメッシュ補強   高強度CFシート補強

       (b)爆薬量200gの場合

図4.4.5 各種連続繊維補強材による裏面補強が外部損傷寸法に及ぼす影響

P

(19)

  1.4

曳1.2

駆 1.0 1 A O.8 農 0.6 IR O.4

di{

  O.2

  0.o

   O.O O.5 1.0 1,5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0

        修正換算コンクリート厚さTIWm1/3(cm/gl/3)

 図4.4.6 修正換算コンクリート厚さで整理したクレータ深さ

●無補強

nPEFメッシュ補強

「PEFシート補強

?kュ度CFシート補強 檮re性CFシート補強

  1.4

房1.2

9

駒  1.0

駆 0・8

  0.6 豆 0.4 1R 農 0.2

  0.o

   O.O O.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0

        修正換算コンクリート厚さT/Wml/3(cm/gl/3)

  図4.4.7 修正換算コンクリート厚さで整理した全損傷深さ

o     ∋

●無補強

nPEFメッシュ補強

「PEFシート補強

?kュ度CFシート補強 檮re性CFシート補強

・筑驚・

1鷲 .

…猟 9

〔4.2.7

ド・Fビ了蛛f「継 ・

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¥㌦

璽ζ

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ス小 一ノレ } じて 、よい

繿フ

一242一

(20)

片が飛散に至り,また補強材の破断により急速に耐爆効果が失われるためである。このこ とに関連して,図4.4.7に普通コンクリートを対象とした全損傷深さ予測式と本実験デー タとの対応について示しているが,連続繊維メッシュおよびシート補強試験体における無 次元化された全損傷深さはいずれもクレータ深さ予測式〔4.2.5〕または全損傷深さ予測式

〔4.2.7〕および〔4.2.8〕による計算値とほぼ一致していることが判る。すなわち,連続繊 維補強材による裏面補強は,スポールを完全に抑止できるかまたは補強材が破断して無補 強の場合と同等となるかの二者択一の補強方法であり,メッシュやシートを破断させるこ となくスポールを完全に抑止するためには,補強材の種類や爆薬量に応じた適切な補強量 を確保する必要があると考えられる。本実験の範囲内でその定量化には至らないが,今後 更なる実験データの蓄積により明らかにしていく必要がある。

(4)まとめ

 本節では,既存鉄筋コンクリート構造物の耐爆補強工法の開発を目的に,PEFメッシュ,

PEFシート,CFシート(高強度および高弾性タイプ)等の各種連続繊維補強材により裏面 を補強した普通鉄筋コンクリート版の接触爆発に対する耐爆性能に関して実験的検討を行 った。本節の範囲内で得られた知見を要約すると,以下のようになる。

1

2

3

4

エネルギー吸収性が高い繊維素材を適用することが,普通鉄筋コンクリート版の耐 爆性能向上の面で有効であると判断された。また,連続繊維メッシュとシートとの 比較より,繊維素材が一定であれば目付量が大きいシートを用いた方が高い耐爆性 能を得られることが判った。

連続繊維補強材を用いた裏面補強により,スポールを完全に抑止することは可能で あるが,版内部の損傷は無補強の普通鉄筋コンクリート版と同等に進行する。また,

このことに関連して,裏面に積層または貼付した連続繊維補強材が破断した場合,

急速に耐爆効果が失われ,その損傷程度は無補強の普通鉄筋コンクリート版と大差

なくなる。

接触爆発を受ける連続繊維シート補強鉄筋コンクリート版の損傷領域(内部コンク リート破壊領域およびシート剥離領域)は,剥離診断器を用いた非破壊診断により 精度良く検出することが可能である。

シート剥離は,特に爆薬量が大きい範囲において,スポールが完全に抑止された場 合に広域に進行する傾向にある。逆に,シートの破断によりスポールを生じた試験 体においては,シート剥離がほとんど進行しない傾向が認められた。

(21)

第4章の参考文献

1

2

3

4

5

6

7

︶︶8Qノ

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(23)

一246一

(24)

第5章

結論

(25)

 本論文は,高分子量ポリエチレン繊維を用いた繊維補強コンクリートの靭性確保を目的 とした調合の検討と,その実用化を想定した上で必要と考えられる基礎物性の評価,耐爆 構造材としての有用性の検証ならびにそれを用いた耐爆構造部材の開発を目的とした一連 の実験的研究をとりまとめたものである。

 第1章「序論」では,コンクリート補強用繊維としての新素材繊維導入の背景とそれに 際して考慮すべき課題点を提示し,また,社会的に重要な施設・構造物における耐爆防護 の必要性について明らかにした。また,以上の背景に基づき,本研究の目的として,以下 に示す5項目を設定した。

(1)

(2)

(3)

(4)

(5)

高分子量ポリエチレン繊維を用いた高靭性繊維補強コンクリートの開発 ポリエチレン繊維補強コンクリートの各種力学的特性および基礎物性の評価 ポリエチレン繊維補強コンクリートの耐爆構造材としての有用性の検討 ポリエチレン繊維補強コンクリートを用いた耐爆構造部材の開発

ポリエチレン繊維メッシュおよびシートを用いた既存鉄筋コンクリート部材の 耐爆補強工法の開発

 第2章「既往の研究」では,繊維補強セメント・コンクリートの構成要素,強化理論,

各種力学的特性等に関する基礎的事項ならびに爆発荷重を受ける鉄筋コンクリート構造物 の破壊形態,接触爆発を受ける鉄筋コンクリート版の損傷予測法等に関する既往の研究を 調査した結果を取りまとめた。

 第3章「ポリエチレン繊維補強コンクリートの靭性確保を目的とした調合とその基礎物 性に関する研究」では,高い靭性とプレキャストコンクリV一一・Lトへの適用を想定した上で十 分なスランプを有するポリエチレン繊維補強コンクリートの調合を得るための一連の研究

について述べた。また,得られたポリエチレン繊維補強コンクリートに関して,鋼繊維補 強コンクリートとの比較による各種力学的特性の評価ならびに主に繊維無混入のプレーン コンクリートとの比較による耐久性等に関わる基礎物性の評価を実施した。本章の範囲内 で得られた知見を要約すると,以下のようになる。

1 粉体霊智流動コンクリートの使用材料(高炉スラグ微粉末と高性能AE減水剤)に 準じたマトリックスの調合と,せん二歩絆時に局所的に解面する集束タイプのポリ エチレン繊維を適用することにより,10cm以上の目標値を満足するスランプと,

40kN・mm以上の良好な曲げタフネスを有するポリエチレン繊維補強コンクリート が得られることを示した。また,上記性能を確保するためのポリエチレン繊維補強 コンクリートの最適調合として,下記を提案した。

Vf

i%)

WIB

i%)

Sg/B i%)

s/a

i%)  W

ikg/m3)

Sp/B i%)

4.0 33 50 65 325 0.5

*Vf:繊維体積率, W/B:水結合材比, Sg/B:高炉スラグ微粉末混入率,

s/a:細骨材率,Wl単位水量, Sp/B:高性能AE減水剤添加率

*PP/PE集束タイプのポリエチレン繊維を使用

一248一

参照

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