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高圧海水中マイクロアーク放電の特性

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Academic year: 2021

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高知工科大学システム工学群エネルギー工学専攻 学士論文要旨 2019 年 2 月 14 日

高圧海水中マイクロアーク放電の特性

1190013 伊藤彰悟 (プラズマ応用研究室)

(指導教員 八田 章光 教授)

1. 背景と目的

熱水鉱床など海底資源の開発が期待されているが、資源探 索と採掘の時間とコストが課題である。熱水鉱床近傍では資 源物質イオンが海水中に溶存し、海水組成をその場分析する ことができると、短時間に広く資源探索が可能になると期待 される。筆者らは、導電性の高い海水中で放電プラズマを生 成し、プラズマの発光分光分析によって海水中の組成を分析 することを目的とし、天然や人工の海水中でマイクロアーク 放電によるプラズマ生成と発光分光測定を行ってきた[1][2]。

先行研究では放電に必要なエネルギーの低減と放電電極の損 耗による再現性低下が課題として挙げられている[3]。

本研究では海水中マイクロアーク放電に必要なエネルギー 低減と放電の再現性向上のために回路のパラメータや電極構 造の改善を行う。

2. 実験方法

図1に高圧海水中放電の実験装置と放電回路図を示す。海 水の加圧容器は、耐圧20MPa以上の1インチステンレス配 管部品(Swagelock)、内径約25mmで構成した。今回は窓 材の制約により12MPa(水深1,200m相当)までの加圧実験を 行った。

放電回路は、直流高圧電源(~1kV50mA)から抵抗を通

して220nFのコンデンサに充電し、インダクタ136µHを通

して海水中の電極間にインパルス電流を流す回路である。ジ ュール加熱によって放電前の海水温度が上昇すると放電条件 が再現しなくなるため、放電は間隔を十分に(30秒程度)

空けて、それぞれ単発で行った。電極間電圧は高圧プローブ で、放電電流はロゴスキーコイルの電流プローブ(SS- 281、岩通)を用いて検出し、デジタルオシロスコープ

(LT364、岩通レクロイ)に取り込んだ。火花放電開始まで の間に海水のジュール加熱で消費されるエネルギーを電流電 圧の波形から積算した値をPre-heatingエネルギーと呼ぶこ とにする。

図 1 高圧海水中放電実験装置 3.結果と考察

図2に圧力0.1MPa(大気圧)と12MPa(120気圧)で、

電源電圧(コンデンサの充電電圧)800Vで火花放電させたと きの、電極間電圧と放電電流の時間波形を示す。圧力0.1MPa の場合約2μs、12MPaでは約3μsの間は、電極間の海水が一 定の抵抗として作用し、固定抵抗の場合と同じように回路の インパルス波形が立ち上がる。

圧力0.1MPaの場合は約2μs、12MPaでは約3μsで電圧が 急激に低下すると同時に電流が急激に増加する。電流、電圧

の急激な変化は強い音と発光を伴う火花放電である。放電中 の維持電圧は 10~20V 程度であることから放電はマイクロ アーク放電と推測される。

火花放電に移行するまでは放電電流が海水中を流れ、電力 は海水のジュール加熱に消費される。電極の構造により電極 間で局所的な電流集中が生じ、電極間にバブルが形成された 後、バブル内やバブルと海水の界面でマイクロアーク放電が 生じていると考えられる。海水中マイクロアーク放電の開始 には、Pre-heatingエネルギーが重要な条件と考えられる。

図 2 海水中放電の電圧電流の時間変化 図3に水圧0.1~12MPaにおけるPre-heatingエネルギ ーの圧力依存性を示す。図3のエラーバーは、5回測定した 標準偏差を表している。測定した圧力範囲では圧力に対して ほぼ比例するようにPre-heatingエネルギーが増加してい る。圧力が高いほどバブル形成に必要なエネルギーが大きい ことになる。

図 3 Pre-heatingエネルギーの圧力依存性 4.まとめ

深海中を模擬し 12MPaまでの加圧人工海水中でマイクロ アーク放電によりマイクロプラズマを生成した。火花放電の 開始条件は電圧よりも電極間の海水をジュール加熱するエネ ルギーが重要と考えられる。圧力の増加と共に Pre-heating エネルギーが増加する。

参考文献

[1]Vladislav Gamaleev, Jun-Seok Oh,Hiroshi Furuta,Akimitsu Hatta: "Investigation of Effect of Needle Electrode Configuration on Microplasma Discharge Process in Sea Water",IEEE Transaction on Plasma Science,45,754-760 (2017).

[2]Vladislav Gamaleev,Hiroshi Furuta,and Akimitsu Hatta:

"Detection of metal contaminants in seawater by spectral analysis of microarc discharge",Jpn. J. Appl. Phys.,7,0102B8-1-5 (2018).

[3]Vladislav Gamaleev, "Elemental composition analysis of seawater using atomic emission spectroscopy of micro-arc discharge,"高知工科大学,博士論文,2018

謝辞

本研究は科研費(課題番号26600129)によって行われた。人

工海水10ASWは岡村慶教授(高知大学)より提供して頂いた。

-1 0 1 2 3 4 5

-100 0 100 200 300 400 500 600

-5 0 5 10 15 20 25 30

Voltage[V] Current[A]

Time[s]

0.1MPa Voltage 0.1MPa Current 12MPa Voltage 12MPa Current

参照

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