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充電法に よる放電開始電圧の測定

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(1)

研 究 論 文

=日 日l M MM l m M 川 川 川 l

静電気感度試験におけ る火花放電開始現象

(Ⅱ)

充電法に よる放電開始電圧の測定

黒田英司* ,永石俊幸* *

充電法による針一平面電極,空気間隙のときの放喝開始電圧の下限界は,電源電圧が電櫨間 際に放電開始電圧の下限界に近い電圧を与えたときに生 じ.そのときは明確に定まる電瞳間隙 長‑放電開始電圧の関係を与えた。それ以外は放電開始電圧は電極間隊長 と電源 屯 圧によって 決 まる範酔 こわたって大 きくばらつ く。樺一平面電塩,空気間隙のときは棒電唾の直径の

0.5

‑2

倍の長 さの電壇間隙長征国にわた. ?て.針一平面電塩の場合よりも高い放電開始電圧 とな り,その標準偏差は小 さい。針一平面電塩,アル ミナ間隙のときは,明確に定 まる電極間隙長 一放電開始喝圧の関係を示さず,電奄間隙長が長 くなるほどばらつきが大きくなる。ばらつ き は充電法に伴 う本質的なものと,電塩襲面状態の変化によるものがある。

1 . まえがき

一般に,火花放電開始条件を油定する方法 としては, 電壇間隙長変化法,印加電圧変化法及び充電法が考え られるl t 電壇間隙長変化法では.壊近電軽装位を用 いて,既に報告 2 )した ようにば らつ きの少ない,再 現性のある火花放屯開始条件が決定された。印加喝圧 変化法は固定電機鵜匠のときに使用するが,ばらつき のある放電開始電圧 しか決定できなかった3) .

充屯法に もとづいた静電気感度試験法は現在は用い られていないが

,Lewis

らが可燃性ガスの最小発火エ ネルギーを測定す る方法・ 4 )として用いたことがある。

充電勤 ま電極間隊長変化法に相対する方乾であ り,固 定電極装置において使用する。, 充電法は電極間隊長変 化法 と同 じように,放電回路定スイ ッチを用いず,放 電回路の全長を短 くすることができ,他の影響田子が 少ないとい う利点がある。 また充電法による放電現象 は,実際の作業環境において,運動によってまたは粉 体輸送のときのように,静電気が連続的に発生す る場 合の放電開始現象を シ ミュレー トすると考えられ る。

1995

3

月1

5

日受理

+日本工摸株式会社白河研究所

961

福島県西白河郡西細村長坂土生

2‑ 1 TEL O248十22‑3802

FA

X 0248‑224252

"九州産業大学工学部

〒813

,福岡市東区松春台

2‑ 3l l TEL 092‑673‑5655

FAj t0 9 2

‑6735699

ここでは,充喝まによって,主 として針‑平面電極 系,空気間隙のときの火花放電開始電圧を油定 し.樺 一平面電極系や,喝唾間隙に就料 としてアル ミナが置 かれたとき,および充電法 と電擾間隙長変化法による 火花放電開始現象の違いなどを比故検討する。

なお,ここに火花放電 与い う用語を用いた。 これは

CR

放電回路に数

10

致100k

Oの直列抵抗を按統 し た ときには,ほ とん どの場合定常なアー クまたは グ F ,一放電

5)・6)

となるが,それ以外の場合には.非定 常のいわゆる狭親の火花放電77となる。 また屯橿間 隙が空気ではなく,粉体試料が位かれている場合には, 前記条件のときでも非定常の火花放電 となる場合があ

8)

.そのために,ここでは稔称する用語 として,火 花放屯 とい う用帯を標題に用いたが,本文中では単に 放電 と略記す る。

2.

夷 験

2.1

静電気感度就放装置

静電気感度就験装置は,前報

2)

と同 じ接近電極及 び固定電壌兼用の装置を固定電塩島匿 として使用 した。

上部電執 事スチール t ,コー ド針の針先を用いた針電極 か,または t ,コI一針の頭の方 ( 直径

1・38

m)を用い た棒屯極I Cあ り,下部電瞳は直径

20

皿のステ ンt 'ス 円柱の頂面の平盤面か らなる平面屯極である。

2.2

充放電回路 と測定回路

充唱法では.高電圧電源の出力スイ ‑ Jチを

ON

にす

ることによって.高抵抗の充屯抵抗を通 して,ある一

定花壇間隙長に設定 した放電屯壇に壊鼓 されたコソデ

Kay8ku GakkaishL Vol・57・No・2・1996 ‑ 77

(2)

ChrBillg

LtCh5b reM tr

kY C叩aCit○r liBhy○ltABe

prb 6‑I

ToDATA6

100

Fig.1 Charging,dischargingandmeasuring

c

i

r

cuit

ンサを充電 し. コンデンサの電圧

が徐々に高 くなって.

ある電圧で放喝を発生する。その

ときの電圧を測定 し.

電極間隙長 と放電を発生 した電

圧 との関係を求める。

Fig.

1に充放電回路 と測定回路

を示す。放電回路は.

回路にスイ ッチを用いないので

喝軽部を収納 した発火 箱内に設促 した。放電回路の全長

は約

30

c nである。

直流高電圧喝源は菊水電子工英( 秩) の

PH

S35K‑3(0

‑35kV)

を使用 した。 コンデンサ

は村田製作所( 秩) の セラミックコl /ヂ' /サ.抵抗は

充奄抵抗,直列抵抗 と ち,多摩電気工業 ( 株)の高電圧抵

(PHS

タイプ)で ある。電極間喝E Eは.岩通電子 ( 秩)

の高電圧 ブF ・‑プ

HVIP30

( 入力抵抗

100MQ

,

応答周波数帯域

DC〜

30MHz)

を用 いて.波形 解 析装

C

EDATA‑6100

(Andogic

C0. ,

ud.)

に記録 し

,放電発生直前の電圧 ( 以後放電開始電圧とい う)を改み とった

2.3

充電抵抗が 実験条件

10M

Oと

100M

Q, コ. 。

/ヂソサ容鹿が

280 pF,500pF

及び

1000pF

.上部電

壇が針電壇 と停電壇.

電極間酸が空気およびアル ミナ (

西尾工業( 秩) 製,千 均粒度 ;

3pm)

,電圧竜也マイナスの場合

について突 放

3.

した。 臭験結果

3.1

充電

法における充放電波形 針‑平面電極.空気間際.充電

抵抗

100M

B, コン チ‑ /サ容

丑1000pF

,電塩間隙長

2

t 泣

.直列抵抗

10k

Q, 電源電

圧15kV

のときの充放電波形を

Fig.2

に示す。

これは

4

回の同一条件で得られ

た波形を重ね宙 きした ものである。放電を先生するま

での充電波形は全 く重 なっているが.回申に矢印で声

した放電の発生時間 と その直前の電圧 ( 放電開始電圧)は実験

毎に異な って いる。 当実験では.充電回路は放電

回路に蛭辞 したままで ある。 したがって放電が終了す

るとす ぐにコソヂソサ への再充電が始 まり,そ してあ

る電圧で再度放旬を発

生 し,普通には以下充放電過程を繰 り返 し持庶政旬 と

)24

i I H

I l

I,, I

t 一 t H

0.0 0.l O.2 l 0.3 TIILe8)

Fig.2 Typicalch

a r

ging

a n d

d

isch

a r

gingwaveforms

(multiplerecordin

gwith 4experiments)

なる場合

が多い。充放電波形で

,2

回 日以後の充電波 形はは

CR

タイプの形状で,充電時間が

50ms

かそ れ以下 で

あるのに対 して,1回 目の波形は

CR

充電波 形 とは大 きく異

な り,充電時間は

0.12‑0.22

Sの長い 時間と

なっている。 この時間は電源電圧が高 くなるに つれて短

くなるが,充電抵抗によっては大 きく1 1変化 しない

。また

2

回日以後の充電時間は一定ではな くだ んだんと

短 くなっている。放喝開始電圧は

1

回E lと2 回 日.またそれ以後ではそれぞれに異なっ

てお り,さ らにそれ らは突放毎に異な

3.2Fig

同一条件での凍 t

.2

の集魚 )返 し就敦 った。

と同 じ就験回路{・ .・ 電源屯

正25kV

, 電極間隙

2mで,一定の就験条件における放奄開始

電圧のば ら

つきを調べるために, 1回毎に針を交換 し, かつ電

櫨面なみがいた場合 と,突放の間は電梅部に全 く触れなかった場合について. 1シ. )‑ズ

10

回の就 敦をそれぞれ 毎

10

シ. )‑ズ行い比較 した。

回喝唾を新鮮に した とき.平均放唖的始電圧は

3465‑5328V

,標準偏差の屯田は

492‑942V

,電塩に ふれなかったと

きは, 平均放電開始電圧は

3030‑5028

V ,標準偏差の

特用は

376‑827V

{・ あった。 また毎回 電極を新鮮

に Lf = . ときの二番 目の放電の平均放喝開始 電圧お

よび標準偏差 も同程度であった。 この他に,持 続放喝を生 じた場合の

10

回 日までの放電の平均

放電 開始馬匹の標準偏差 も同程度であった。 この

ように平均放電開始喝圧および標準侶豊 とも広 い範西

にわたってお り,それ らの範臥 王電奄状感によ らずほぼ重複 している。そ

れ ら間で本質的な盛典はな いと判断される。 針 ‑平面

喝極.空気間隙.充電抵抗

100M

B. コt / デ l /サ容量

1

000pF

.直列抵抗

10k

oの稚 魚件で.電

橿間隙長

05‑45

z z t z D ,電源電

圧10‑25kV

(3)

(Aq)83to

A

188t

r0

Iq98!PtltlaX

Fig.3 Reladonofmeandischargeonsetvoltageto gapleng

t h i

nrepeatedtes

tonneedleplate elec

trodeswith airgap

10

回の繰 り

返 し試験を行 った。電極間隙長 と平均 放電開始電圧の関係

Fig.3

に示す。各就験条件にお けるシ

リーズ数は放電を発生 しない場合があるので同 じではな

い。国中の曲線は電庵間隙長変化法で得られ た印加電

圧‑50%

放電開始電極間隙長の関係である ( 以下の

国でも同 じ曲線を示す

)

。‑ 電極間隙長が長 く なると.低い電源

電圧では放電を発生 しない。

ここに,喝唾間隙長

0.5

m

のときを除 くと,電竜間 隙長が長 く.電源電圧が渇 くな

るにつれて,放電開始 電E Eは高 くなる債向が認め られ

る。ただ電極間隙長

1.0‑3.

Od nの場合は

放電開始電圧が大きくばらついて いる。 また電極間隙長

0

.5

t z nのときは大 きく不規則で あるがその ときを

除けI f,喝源電圧の高い方が規則的 ではないが放屯

開始電圧が高 くなっている場合が多い。

これ らの

1

シ リーズ

10

回の就鼓の放電開

始電圧の 標準偏差は

225‑985V

と大 きな値 となっ

た。 これ ら の うち電源馬匹が低 く,放喝開始電圧がその下限界

に 近か ったときには標準偏差は小さくなった。そのとき 以外は,標準偏差 の大 きさは電擾間隙長や屯源電圧 と はほ とんど関係がなか

3.3

針一平面電極.空気間隙の個別就験 と った。

継続試験 充電抵抗

100M

幻, コンデ ンサ容

丑10

00pF

,直列抵 抗

10k

Qで,電竜間隙長

0.5,

1

0,2・0.3・0

mにおい て,それぞれ

5‑3 0kV(5kV

間隙)の 屯源 電圧

‑つの条件につ き9 で,

回の釈放を行 った。 この武臣を個 別試験 と呼ぶ. この

場合に少な くとも

3

回に

1

回は針 を交換 し,かつ電撞執 土毎回きれいにみがいた。得ら

T(AI

)

1

亀 t ,

O

1

0JtlA

0 冨

qO8 7

4

4 6

2

Ⅰ ■

0 1 2

6叩 leBgth(

m )

3 4

Fig・4Relationofdischargeo

nsetvoltagetogap lengthinindividualtestonneed

le・plateelec trodesw

ith airgap

れた電極間隙長 と放電開始電圧

の関係を

Fig.4

に示す。

次にある一定の初期

電撞間隙長に設定 し,電源電圧 を

5kV

間隔で放電を発生

した電圧から

25kV

または

30 kV

まで各

1

回づつ席次就鼓 し.引き続 きその電源電 圧のもとで,

電梅間隙長を順次

0.5

m mづつ長 くして放 電を発生する

乾田の電極間隙長について各 1回づつ試 鼓 した。この就鼓を継宏武

負 と呼ぶ。このとき 1 シ1 )‑

ズの試鼓の間.電極部には全

く触れなか った。

この継続試験を.充電時定数と電源電圧の放電 開始 低圧への影響を調べるために.充電抵抗

100M

E l , コ . /

. /サ容

丑1000pF

,直列抵抗

100k

Q,電源電圧

5

‑25kV

の場合 と,充電抵抗

10M

O

, コ1 /デ l /サ容丑

500pF

,直列抵抗

100kO

,電源電圧

5‑30kV

の場合 について行った。後者の場合の

電壇間隙長 と放電開始 電圧の鞘係を

Fig.5

に示す

。電極間隙長 と故喝開始電 圧の関係には大 きなばらつ

きが認められる。充電抵抗

100M

E 2 の場合 もプ p ッ ト位

促 とばらつ きははば同様 で,充電抵抗による放電開始電圧の

違いは温められな

3

かった。

.4

捧 一平面電極.空気間隙の個

別試験 と抵抗試験 梓一平面屯極について

3

税額の乗

験で得 られた電極 間隙長 と平均放喝開始電圧の関係を

Fig.

6

に示す。一 つは充電抵抗

10M

B, コソヂt /サ容

280pF

の回路

i: て,電源電 I ,直列抵抗

10K

Q,電極間隙長を

0・15‑4・0

m とし

(4)

‖リ(Aq)oatIttOA

1 0

8

t) 0

J q O

S

T q

08

6 4 2

0

1

2GBP l3ength(4m )5

6 7

Fig.5 R

elationofdischargeonsetvoltagetogap len

g

也incontinuoustestonne

edleplateelec trodeswithair

gap■l・(^

q

)35TO

A I a S tJ 0

33JqOS!C2086

4

201Gap2

3 4

5 6

lenSth(Am)

Fig・6 Relationofmeandischargeonsetvoltaget o gaplengthinrep助tedtestonrod‑plateelec

trodeswithairgap

し,電撞間隙

長を

0・2‑3.O

n z n 間で拭験 した

(B)

。他 の一つは充電抵抗

100M

Q,コソデ. /サ容

丑1000pF

. 直列抵抗 で就鼓した

(C)

100k

D,電源 喝圧

5‑25kV

3

の場合よりも , 広範囲の就験条件で得られた 結果であるが . 電極間隙長

1.0‑3.0

mにわたって. 平均放電開始電圧のばらつきは針一平面電瞳の場合に

(Aq)

tI

l

t

O

A

I08trOJt

これらはそれぞれの条 件で各

10

回就験した 。

Fig・ ,q99

7 4

̲2

8

6. 68plength(m) 4

2 1 2345 67

F ig.7Relationofdischarge onsetvoltagetogaplengtateelecttrodeswithair hinindividualtestonrod‑pl

gap

比べて小さく , また棒一平面電極の方が凸状に高い放 電開始

圧とな っていることがわかる。

樺一平面電極の場合につい ても . 充電抵抗

100M

Q . コソヂt/サ容

丑1000pF

, 直列丑

坑100k

Q , 電源電圧

5‑25kV

で ,個別就鼓を行った。結果を

Fig.7

に示 す 。 電撞間隙長

1.0‑3.0

皿では放電開始電圧のばら つきが少なく .

かつ 政局開始電圧の高い方に大きく膨

らんでいることがわかる 。

3.5

針一平面電極.7ルミナ試料の継続試 験・

Fi g.8

には , 針一平面電壇 , 充喝抵抗

100M

Q ,コ

ンデンサ容

丑1000pF

, 直列抵抗

10k

Q , 電源電

圧5‑25kV

で . 電橿間隙にアルミナ試料を旺いた場合の継 成就敦で得られた電檀間隙長一放電開始電圧の関係を 示す

Fig.5

の空気間隙の場合の継続釈放の冶栗とは

データの集中位庇とばらつきが異なっている。

4.

考察 喝壇間隙長変化法による針‑平面喝短のときの印加 笥

EE‑50

%放電開始喝痘間隙長の関係において , ある 一つの安定な関係から別の安定な関係に移る転移現象 はいくらか認められたが

2

) , ほとんどの場合に , 印加 電圧一放電開始電塩間隙長の関係は , その

標準偏差が

0

(5)

1 2 3 4 5 6 7 68P let)gtb(At)

(Aq)03gltO

A

108tZ003J

q

O8!4 →■64

Fig.8 RelationofdisdlargeOnsetVOltagetogap lengthincontinuoustestonneedle‑plateelec

t

rodeswith alumina

1 2 3 4 5 6 7

6叩 IeJlgth(

I ) J l )

(Aq)tFltO

A

861eStLO 40一

hqDBTq

Fig.9 Relationsofdischargeonsetvoltagetogap lengthincontinuoustestOTLneedle‑plateelect trodeswi thairgapandaltmina

姶電圧は本質的にばらついていると考えられるが,そ の詳細を網べるとい くつかの娩別姓が乾められた。

Fig.9

1

土Fig.5

に示 した針 一平面電軌 継続試敦 データの うちの二つのシl )‑ズの放電開始屯正の変化 状況を示 している。初期設定電極間隙長が

0・5

mのと

きは,その偲擾間隙長において電源電圧が高 くなると 放電開始電圧は高 くなる便向を示す場合が争いが・た

だ全 く不規則に変化する場合 もあった。

電源電圧

30kV

の銑鉄の後の塀次電壇間隙長を長 く する棄敦では,放電開始電圧はその高 くなった放電開 始 屯 圧か ら,屯壇間隙長が長 くなるにつれて,さらに 高 くなる便向を示 している。初期のある改定喝瞳間隙 長で,電源電圧につれて放喝開始電圧が高 くなったも のほど,次の屯底間隙長変化乗験で,高い放電開始電 圧や不規則な変化を示す ものが多い。 これ らの不規則 変化は,電撞間隙長が長 くなると急に軽移 して.下限 値の変化に一致するようになる。

ほとんどの条件で以上のような変化が認められたが, 電撞間際長

3.0

mの ときは

,Fig.9

に示す ように初期 設定電極間隙長で電源電圧を高 くしても,放電開始電 圧は一定で.その後の電塩間隙長を長 くす る実験では 下限の放電開始電圧と一致 し,放電開始電圧は電極間 隙長につれて規則的に高 くなった。 このようなことか ら,下限近 くのデータは一つの安定な状態のときの電 塩間隙長‑放電開始電E Eの関係とみることができる。

Fig.4

及び

5

で,放電開始電圧の全体的なばらつ き をみると,放喝開始電圧には上限界 と下限界があって, 電壇間隙長が長 くなるにつれてその両方 ともだんだん

と高 くなるが.下限界の方がより傾きが大 きいので, それ らの間の垂はだんだんと小さくなる。 しかも放電 開始電圧の下限界はすべての喝源電圧でほぼ共通であ るが,上限界は電源電圧が低いと低い電圧範田にあ り, 屯源電圧が高 くなるにつれてだんだんと高い電圧の方 に移 っていることがわかる。

このことは,ある電壇間隙長において電源 屯 正が低 くなるにつれて;また一定電源電圧では電壇間隙長が 長 くなるにつれて,放電開始電圧の上限界 と下限界の 轟は小さくな り,つまりばらつきが小さくな り,はば 一定値を示す ようになるといえる。その中さいばらつ きない し一致 したところの同種間隙長一故喝開始電E E の関係が

.Fig.4

および

5

の下限界近 くのデータであ

り,これは電源電圧が電極間隙に放電開始電圧の下限 に近い電圧を与えたときに生 じる。 これは花壇間際長 変化まで得られた印加電圧

‑50%

放電開始電軽間隙長 の関係 よりも.放電を発生 しやすい側にある。

つぎに放電開始電圧の電源屯圧に対す る比 ( 電源電 圧比 と呼. ぶことにす る)を検肘す る。針 一平面電直系, 空気間隙,充喝抵抗が

10M

Bと

100M

nの ときの継銑 鉄鼓 と,充電抵抗が

100M

Qのときの個別拭験の場合 について,屯擾間隙長 と電源電圧比の関係を

Fig.10

に 示す。電蘭

正比は,電極間隙長が短い ときは

0・05

〜0.5

の範蹄にあるが,電唖間隙長が長 くなるにつれ てその範臥 土だんだん と狭 くな り

,0・25‑0・3

に漸近 している。電源電圧比は充屯抵抗によらず.かつその

K8Yaku Gakkaishi・Vol・57・No・2・1996 1 81

(6)

0810● 8.42

0 . 0 .

m

a

ll,ha叫一1tOA03JTLOS

2

68

P3

l en

gt4h

( t I J ) ) 5 6

7 Fig.1

0

Relationo

f

s o

urc

ev

oltag

er at et o

gap

l e n

gth

on needle‑

pl a

tee

l e c

trode

sw i t

h

air

g a p ばらつ き範囲は限定されてお

り.低い比例に集中 し高 い比側にあるものは継続銑鉄

のデータが多い。

喝擾間隙長一電源奄圧比の関係を

.放電開始電圧の コンデンサに痕大に充電 されたとき

の電圧に対する比 ( 以下充電電圧比と呼ぶ)の関係に変換するには.充 電抵抗

10M

Qの ときは

.Fig.10

の縦軸 E l 盛を

1 1

/l

o唐,

100M

Qの ときは

2

倍すれば よい。電源

電圧比は充電 抵抗に よって変わらないので

,10M

B

の方が電撞間隙 長が長 くなるほ ど低い充電電圧比 となることが

わかる。

このことは,充喝抵抗

10M

Qの方が

,1

00M

i ) の とき よりも充電過程の早い段階で放喝を発生すること,電 圧の立ち上が りが速い方がより早 く放電を発生するこ

とを示 している。 棒一平面電極の場合の放電開始電

圧は,棒電極の直 径と等 しい電撞間隙兵前後では.針

一平面電櫨の場合 とは大 きく異なって.棒電極の方は低い放電開始

電圧 となっているものがなく,かつばらつ きが小 さいこと

がわかる。 すなわち,樺花壇の直径の

0.5

2

倍の長 さの筒底 間隙長範囲にわたって.放電開始電

圧は,針電壇の場 合に比べて凸状に高 くなってお り.その間

の標準偏差 は

250V

以下 と小さく.その うちでも

2

5‑150V

のも のが多い。 この堀田はほぼ平等電界を生

じていると考 えられる.電撞間隙長

35

也を越えるとだ

んだk, とば らつ きが大 きくな り.

4.0

血以上で

は針 一平面電極の 場合 よりもば らつきが大きくな り.

また標準偏差 も大 きくなる場合がある。 これは棒電壇

の直径に比べて電

極間隙長が長 くな り.針電極 とみなせるようになるた め と考えられる。一方電掻間隙長の短い

0.5

1.0m

では.ばらつきが大 きくなっている。理由

は不明であ

る。

針一平面電極系,アル ミナ試料中での放電

開始電圧 の分布は.

Fig.8

に示 されるように

空気間隙の場合 と 同 じく大きなばらつきが認められた

。ただそのばらつ きの様子は異なってお り,電塩間隙

長の短い方の放電 開始喝圧の

ばらつきよりも,電極間隙長の長い方がば らつ きが大きくな

っている。

放尾開始電圧の変化状況の詳細をみるために

,Fi g.

8

の中の二つのシ1 )‑A' の放電開始喝圧

の変化 も

Fig.

9

に示 した。 この場合には,初期設定

の電極間隙長の もとで,電源電圧を変化させたときに,

電塩間隙長

0.

5

お よび

2.0

皿のときも,放電開始

屯正はほ とんど一 定か,わずか しか変化せず,引 き続い

た電塩間際長を 変化 させる試敦では.電極間隙長が長

くなるにつれて, 放奄開始電圧は高 くなってい くが,

必ず しも規則的で はない。そ して空気間隙の場合のよ

うに明確に定まる 電極間隙長一放電開始電圧の関係が

存在 していない。

放電開始電圧は,電極間際長変化法

による針 一平面電 檀.空気間隙のときの印加電圧一放

電開始電榛間隙長 の関係よりも高い屯正側にあった り

.低い電圧側にあ った りして一定 していないが,平均値

ではほぼ同 じで ある。 この場合には途中で転移現象を示す場

合が多い。

これ らが

Fig.8

のの電極

間際長の長いところにおける プF ,ットの広が りの原田とな

っている。

針一平面電極.空気間隙の場合には.

Fig.4

5

に 示 されるように.放電開始電圧のばらつ きが大

きく, さらに

Fig.4

の個別釈放の場合 よ りも

,

Fig.5

の継続 試験の方がばらつきが大きくな り.

放電電圧の高いも のが多 くなっている。ばらつ きは二

つに分け られると 考えられる。一つは充電法で特別な

条件にない限 り普 通に生 じるばらつきで,

他の一つは電極表面が変化 し て.放電開始電圧が高 く

なる場合である。

充現法,針‑平面電撞,空気間際で

普通に生 じるば らつ きは.電壇間際長と電源電圧で決

まる屯田にある。

他のば らつきは継続釈放のときに生 じた高

い放電開始 電E Eや,棒一平面電梅の電極間隙長

0.

5

1.0

mのと きのば らつきで,これは電極表面の変化

,いわゆる不 整現象9

u O

)で生 じた ものと考えられる

。 この場合は, 不整現象が生 じれば突然に別の放電開

始電圧に変化 し, その後その状態を維持 し,そ して突

然にもとの放電開 始電圧 または他の別の放電開始電圧

に変化す る。 この ような突然の放電開始電圧の変化を転移

現象と呼んで いる. これは.

Fig・9

に示されて

いる現象にみ られ

また樺 一平面電軽の短い電壇間隙長における同

での繰 一条件

(7)

不盤現象は普通のば らつ きの屯田内でも生 じていると 考えられ る。

電塩間際に砂倖就科がある場合には,もっとしば し ば不整現象が起 こっているが.空気間隙pときのよう には,その状感が安定な状感では維持 されないために, 小さい転移現象が数多 く生 じたと考えられ る。

乗用の静電気感度筑鼓の電気回路 としては使用 され ていないが,充電法では放電開始現象は大 きくばらつ くことがわか った。針 一平面電壇,空気間隙.棒一平 面電壇,空気間隙.および針一平面電極,アル ミナ間 隙の ときは.明確に放電開始

圧が定 まる領域 とばら つきはそれぞれに異なった。 これ らのことは静屯気感 度妖艶 静現先放電発生乗験.そ して実際の静屯気発 生現場で.静電気放電開始現象を検肘するときに考慮 する必要がある。

5.ま と め

1)充電法では.針‑平面電極,空気間際のときは放 電開始

正は大きくばらつ く。一定電極間隙長で は電源

正が低 くなるにつれて,また一定旬源屯 圧では花壇間隙長が長 くなるにつれて,放電開始 電圧の上限界 と下限界の盛は小さくな り.つま り ばらつ きの範臥 i狭 くなる。

2

)一つの明確に定まる電底間隙長一放電開始唖圧の 関係は,喝源電圧が電極間隙に放電開始喝圧の下 限界に近い電圧を与えたときに得 られ.その関係 は電壇間隙長変化法で得られた印加電圧一放喝開 始電撞間隙長の関係よりも故喝を発生 しやすい側 にある。

3)

樺‑平面喝軽,空気間際のときは.電極間隙長が 棒電軽の直径の

0.5‑2

倍の長 さの範E E l にわたっ て,放電開始電圧は針一平面喝櫨の場合 よりも高 くな り,標準偏筆は小さい。ただ電竜間隙長の短 いところと長いところ{・ l i,放電開始電圧は電圧

の高い方に大 きくばらつ く。

4

)針一平面喝塩.7ル ミナ間隙のときは,電極間隙 長が長 くなるにつれてばらつきが大きくな り,明 確に定 まる電種間隙長一放電開始電圧の関係を示 さない。平均的にみれl 柁 瞳間隙長変化法の空気 間隙のときの印加電圧一放電開始電底間隙長の関 係に近

5)放電開始電圧のばらつきには.普通に生 じる限 ら

れた範田内のばらつきと,偶発的に生 じる不婁現 象によるばらつきがあ り,鮭続就験.棒一平面電 転の短い電極間隊長及びアル ミナ間隙の場合は後 者のばらつきによると考えられる。

文 献

1 )黒田英司.永石俊幸,火薬学会秋季研究発表溝浜 会要旨 平成

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2)

黒田英司.永石俊幸,火薬学会箆

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(8)

OnsetofsparkdischargeineLectrostaticsensitivitytest(Ⅱ) Measurementofonsetvoltageofsparkdischarge bythechargingmethod

byEishiKURODA*andToshi

yu

kiNAGAISHI

Dischargeonsetvoltagewasmeasuredbythechagingmethod.Twopairsofelectrodes

wereused.Oneisneedle‑plateelectrodesandtheotherisrod‑plateelectrodes.Thetest wascarriedoutunderal一gapOrfilledalum inabetweenthem.Wh enthesourcevoltagewas setaroundthelowerlimitofdischargeonsetvoltagewithneedle‑phteelectrodesunder

a i

r gap,thedistinctrelationbetweenthegaplength andthelowerlimitofdischargeonset voltagewasrecognized.Otherwisedischargeonsetvoltagewasveryscatteredintherange dependonboththegaplengthandthesourcevoltage.Withrod‑plateelectrodesunderair gapofwhichlength 0.5to2timesoftheroddiameter,dischargeonsetvoltagewashigher t

hanwithneedle‑plateelectrodesandthestandarddeviationwassmau.Thedistinctrela Lionbetweenthegaplengthanddischargeonsetvoltagewasnotrecognizedinexperiments

w

ith needle‑plateelectrodesf血edwithalumina.Thelongerthegaplength,thelargerthe s現tterWas.Thescatterwasoriginatedfromboth characteristicsofthechargingmethod andfluctuationoftheelectrodesurface.

('ShirakawaR

良D

Center,NipponKokiCo.,Ltd.,2

I 1

NagasakaNishigoh‑

mura,Nishish

i r

akawa‑gun,Fukushima961,Japan

…FacultyofEngineering,KyushuSangyoUmiversity,2‑

I

‑ 3Matsuka‑dai, Higashi

k u

,Fukuoka813,Japan)

‑ 84‑ 火薬学会誌

参照

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