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Microsoft Word - 【jigyou_syoukei_02】事業承継対策・経営承継円滑化法_ _.doc

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CONTENTS

Ⅰ 中小企業の事業承継に関する問題を解決する経営承継円滑化法 1.オーナー経営者に生じるさまざまな問題 2.納税資金確保の必要性 3.円滑な事業承継を行うための経営承継円滑化法 Ⅱ 納税資金の確保対策 1.保険料による納税資金対策 2.収益不動産の購入による納税資金対策 Ⅲ 経営承継円滑化を活用した事業承継対策 1.遺留分に関する民法特例の活用 2.金融支援措置の活用 3.相続税の納税猶予制度の活用 4.贈与税の増税猶予制度の活用

事業承継対策

経 営 改 善 ナ ビ

(2)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 オーナー経営者の場合、自社株式の大部分を所有しているケースがほとんどです。そのよ うなオーナー経営者が事業承継の際、以下のような様々な問題が起こり得ます。 ●相続税負担額の問題 ●遺産分割の問題 ●後継者の財産が自社株しか残らない問題 ●相続税の納税資金問題 ●会社の相続税負担問題

中小企業の事業承継問題を解決する経営承継円滑化法

1 オーナー経営者に生じるさまざまな問題

(3)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 中小企業がその事業を次世代に円滑に承継することは、その事業の 継続・発展を通じ、地域経済への貢献や雇用の確保など国・地方自 治体、そして多くの国民にとって非常に重要になります。しかし、 多くの中小企業の経営者が円滑な事業承継を困難な課題として捉 えているのは、事業承継の際に生じてくる納税の問題です。 後継者候補がいる場合であっても、事業承継の段階から後継者に多 額の税金が課されるということになれば、その重い負担に尻込みし てしまう企業も現れるでしょう。実際、事業を承継するまでは自ら の生活基盤を築き上げた人にとっては、その安定した生活を捨てて 多額の税金を払ってまで敢えていばらの道に進むことについて、現 実的ではないと判断する人間がいても不思議ではありません。 実際に事業を承継した場合を考えてみても納税による負担は、後継 者に大きな影響を及ぼすことになります。中小企業庁が実施したア ンケートによると、中小企業経営者の個人財産に占める自社株式や 事業用資産の割合は、平均で約3分の2と非常に高くなっています。 生前贈与による贈与時、または現経営者の相続開始時に自社株式や 事業用資産を相続した後継者にとって、多額の贈与税や相続税が課 税された場合、取得した自社株式はそれ自体に換金性がなく、また 事業用資産はその後の事業活動に必要不可欠である状況を考える と、どのように調達していくのかということが大きな課題となって きます。 仮に後継者が納税資金に相当する現金等を持ち合わせていても、中 小企業の経営者は、会社の債務を個人的に保障している場合が多く、 単純にその資金を納税に充ててしまうと、その後の会社運営に悪影 響を及ぼす可能性が強まります。納税資金を抽出するために事業用 資産を切り売りし、事業承継前よりも事業規模の縮小が余儀なくさ れ、結果的に承継後衰退していく会社が生まれてしまうことも十分 に考えられます。 そのため、あらゆる角度から考えても事業承継の際に生じる税負担 円滑な承継を阻害 する納税による負担 納税の影響による事 業規模縮小の危険性

2 納税資金確保の必要性

(4)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 めるためには、納税資金の確保のための対策が、重要な役割を果た すことになります。 平成 20 年5月に「中小企業における経営の承継の円滑に関する法律」が成立しました。 この法律は、中小企業が円滑に事業承継を行い、その結果として安定した雇用を保障する ことを目的に制定されました。我が国の中小企業を取り巻く環境は将来にわたって、事業 を継続することは極めて困難な状況にありましたが、経営承継円滑化法の制定により、文 字通り円滑な承継が可能となりました。 経営承継円滑化法の要となる3本柱は、以下のようになります。 ●遺留分に関する民法特例 ●金融支援 ●相続税・贈与税の課税についての措置 これらは中小企業経営者にとっては極めて重要であり、経営承継を円滑化させる有効な制 度といえます。 なかでも、経営承継円滑化法の制定によって最も大きな影響・効果をもたらすのは、贈与 税・相続税を中心とした税制に係る部分です。 中小企業庁が制度創設によって考える事業承継の全体的流れは、次のとおりです。 我が国の経済・雇用の中心を担う中小企業の成長・発展には、将来にわたる継続的な承継 が必要不可欠です。そのため、経営承継円滑化法の制定によって、上記の図のような理想 的な承継モデルを構築することが可能となりました。 具体的には、1代目の経営者が2代目の経営者に自社株式の生前贈与を行った場合には、

3 円滑な事業承継を行うための経営承継円滑化法

(5)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 贈与税が課税されることになります。ただし一定の要件を満たす場合には、贈与税の納税 猶予制度の適用が可能となります。その後、1代目の経営者が死亡した場合には、2代目 の経営者が1代目の経営者から相続または遺贈により自社株式を取得したものとみなされ、 相続税が課税されることになります。 しかし、経済産業大臣の確認を受け、かつ一定の要件を満たす場合には、その自社株式に ついて相続税の納税猶予制度の適用を受けることができます。 また、2代目経営者から3代目経営者に対して自社株式の生前贈与を行った場合には、贈 与税が課税されることになりますが、こちらも一定の要件を満たす場合には、贈与税の納 税猶予制度の適用を受けることができます。 このようなモデルにより事業承継を進め、贈与税と相続税の納税猶予制度を組み合わせて 利用することにより、贈与税と相続税の納税の機会を継続して繰り延べることが可能とな ります。この繰り延べ効果により、事業承継の際の税負担を回避することができるため、 円滑な事業承継の実現が可能となります。経営承継円滑化法の創設により、このようなモ デルを構築することができました。

(6)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 どのような形で事業承継対策を行ったとしても、相続税は必ず発生するものです。納税時 に資金繰りに困らないよう、事前に納税資金の確保を行っておかなければなりません。延 納や物納が可能な場合もありますが、相続税の納付は現金一時納付が原則となっています。 相続発生時に相続人(子)が受け取る保険金は一時所得になります。 受取保険金 課 税 税 額 相続人(子) 一時所得 所得税等 一時所得の算式 (受取保険金 - 支払保険料 - 50 万円)÷ 2 オーナーが高齢の場合、多少の贈与税を支払ってでも相当高額な保険料を支払い実行しま す。変額保険(終身型)に加入した場合、以下のようになります。 【相続人等(子、孫)への贈与金額】 ①70 歳のオーナーで、相続人が年払保険料 250 万円を支払い、10 年後に相続が発生した 場合で、保険金額は 3,700 万円とします。 ②一時所得の計算は (3,700 万円-2,500 万円-50 万円)÷ 2 = 575 万円 ③一時所得税等は約 290 万円 ④相続人(子)の手取額は 保険金額 3,700 万円-所得税 290 万円 = 約 3,410 万円

納税資金の確保対策

1 保険料による納税資金対策

(7)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 オーナーは現金2億円を出資して株式会社を設立するとします。 ①払込資本金は1億円とし、1億円は資本準備金とします(会社法により可能です)。ま た資本金を減資して、小さくすることも可能です。 借 方 貸 方 預 金 2億円 資 本 金 1億円 資本準備金 1億円 ②会社は2億円の借入れを行い、4億円で収益不動産(賃貸ビル、マンション等)を購入 します。 借 方 貸 方 土 地 建 物 2億円 2億円 借 入 金 2億円 資 本 金 1億円 資本準備金 1億円 合 計 4億円 合 計 4億円 イ)借入金は3年間元本据置きとします。 ロ)本件のように自己資金が 50%もある物件では、諸経費を差し引いても利益が生じます。 ハ)株式会社の3年後の年間収支例 借入金返済 1,000万円 400万円 家賃収入 2,400万円 支払利子 役員報酬等 1,000万円 合 計 2,400万円 合 計 2,400万円 ●家賃収入はネット(諸経費差引後)利回り6%とします。 ●借入金の返済は元本据置き後 20 年払いとなります。 ●借入金の金利は年利2%とします。

2 収益不動産の購入による納税資金対策

(8)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 【株式会社の株式の評価】 不動産取得の3年後に株式会社の株式の評価が下がります。 ① 土地の相続税評価額 借地権割合70%、借家権割合30%の地域とし、路線価等の相続税評価額が、1億8,000 万円になります。 ② 18,000万円×(1-70%×30%)=14,220万円 ③ 建物の相続税評価額建物の固定資産税評価額が1億2,000万円(時価の60%~70%が おおよその固定資産税評価額になっている)とすると8,400万円になります。(借家 権割合30%) 12,000万円×(1-30%)=8,400万円 ④ 不動産所得の3年後の相続税評価額による株式会社の純資産価額 (3,700万円-2,500万円-50万円) ÷ 2 = 575万円 土 地 14,220 万円 借入金 20,000 万円 建 物 8,400 万円 (純資産) (2,620 万円) ※3年間の利益金による剰余金の増加はないものとする。 このように当初のオーナーの株式出資の額2億円が3年後には 2,620 万円に下がるこ とになります。

(9)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 この特例は、民法に定められている「遺留分」に関する特例です。 中小企業の経営を円滑に承継するための要素の一つに、議決権(株 式)の承継があります。後継者が議決権を相続することが、円滑な 事業承継には最も望ましい形です。しかし、中小企業経営者の中に は、事業に関係する資産(株式や事業用不動産等)が、財産の大半 を占めている場合があり、遺留分の規定により後継者に十分な財産 を相続できなくなる可能性があります。 後継者への円滑な事業用資産の相続を支援することを目的として、 経営承継円滑化法では遺留分の規定に一定の特例を設けることにな りました。 遺留分とは、相続における遺産分割の際に、最低限遺産を相続する ことができる権利を言います。自分の財産は自由に処分できるもの とされており、それは生前に限らず、死後でも同様と考えられてい ます。死後の場合、遺言という方法により財産の処分を指示するこ とが出来ます。 しかし、「全財産を親族以外の人に相続する」という遺言があったら どうなるでしょうか。残された遺族は住む家や他の財産の全てを奪 われ、その後の生活に大きな支障をきたす可能性があります。そこ で、民法ではこのような事態を回避するために、遺留分として最低 限相続できる権利を定めています。

遺留分に関する

民法の特例の概要

遺留分の概要と遺留分 算定の基礎財産価額

経営承継円滑化を活用した事業承継対策

1 遺留分に関する民法特例の活用

(10)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 遺留分の権利者 原則として法定相続人ですが、兄弟姉妹及びその子(甥・姪)は除かれます。 遺留分の比率 原則として法定相続分の2分の 1 となります。ただし、父母、祖父母等の直系尊属の場 合には3分の1となります。 遺留分の計算の基礎となる財産の範囲 遺留分の計算の基礎となる財産については、死亡時に所有していた財産だけではありま せん。民法では、以下の財産から債務を控除した金額が、遺留分算定の基礎財産とされ ています。 ●相続開始時の財産 ●相続開始前1年間に行われた贈与 ●特別受益 遺留分の算定を行うには財産の範囲の他に、その評価額が重要となります。 民法において評価額は、贈与時ではなく相続開始時とされています。つまり、過去の贈与 等により取得した財産についても、贈与時の価額ではなく相続開始時の価額となり、大き く変動している可能性があります。 例えば、10 年前に後継者である息子に 1,000 万円で贈与をした株式が、息子の努力によ り業績が向上し、相続開始時に1億円となっていた場合には、1億円が遺留分算定の基礎 財産となってしまいます。現在の規定では、贈与後の企業貢献による価値の増加について は、一切、考慮されないこととなっています。 経営承継円滑化法における中小企業者は、次のように規定されてい ます。 資本金 従業員数 製造業・その他業種 3億円以下 または 300 人以下 卸売業 1億円以下 または 100 人以下 小売業 5,000 万円以下 または 50 人以下 サービス業 5,000 万円以下 または 100 人以下

遺留分に関する

民法特例の適用要件

+ + - 被相続人が相続開始時に おいて有した財産 相続前1年以内の 生前贈与 特別受益 負債

(11)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 また、特例として下記の業種については、その範囲が拡大されてい ます。 資本金 従業員数 ゴム製品製造業 ※1 3億円以下 または 900 人以下 ソフトウェア業又は 情報処理サービス業 3億円以下 または 300 人以下 旅館業 5,000 万円以下 または 200 人以下 ※1 自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く この特例を受けるためには次の3つの手続きが必要となります。 ①推定相続人全員による合意 ②経済産業大臣の確認 ③家庭裁判所の許可 しかし、家庭裁判所の許可を受けた後でも、次のような事由が生じ たときには、その効力が失われます。 ●経済産業大臣の確認が取り消されたこと ●旧代表者の生存中に後継者が死亡し、又は後見開始若しくは補佐 開始の審判を受けたこと ●本件合意の当事者以外の者が新たに旧代表者の推定相続人と なったこと ●本件合意の当事者の代襲者が旧代表者の養子となったこと

特例の適用を受ける

ための具体的手続き

(12)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 現経営者の退任や死亡により事業承継をした代表者個人やその会 社にとって、次のようなケースに遭遇した場合、多くの資金が必要 になると考えられます。 ①相続税・贈与税の納税 ②自社株式・事業用資産の買い取り ③MBOなどの親族外承継の際の株式の買い取り ④経営者の交代による取引先、金融機関の信用低下による資金繰り の悪化 現経営者の個人財産が、自社株式や事業用資産が中心となる場合に は、換金性が乏しく今後の事業活動を考えても、売却することがで きない資産であるため、資金調達が困難となる後継者や会社が多く 見受けられます。このような状況が続けば、今後の会社運営に問題 が生じてくることは当然です。スタートからこのような負担が後継 者の肩に重くのしかかるようでは、後継者としての実力を発揮する どころか、資金調達がうまくいかず最悪倒産という事態を招いてし まう可能性もあります。 そこで、事業承継後の事業運営の円滑化を資金調達の面からバック アップする目的で、経営承継円滑化法の2つ目の柱として、金融支 援措置の活用をご紹介いたします。この経営承継円滑化法における 金融支援措置は、大きく中小企業自体に行われる金融支援と中小企 業の代表者個人に行われる金融支援の2つ対象者を念頭に制度化 されています。 ここからは、経営承継円滑化法における金融支援措置を2つの法律 をもとに説明していきます。 中小企業自体または中小企業の代表者個人に対する金融支援措置と して創設されたものが、中小企業信用保険法の特例になります。こ の制度は、経済産業大臣の認定を受けた中小企業者が事業承継に関 連して、金融機関から借り入れを行う際に、信用保証協会の保証を 拡大しやすくすることで、従来よりも借り入れをしやすくするため の制度となります。具体的には、中小企業者の事業に必要な資金に

融支援措置の活用

中小企業信用 保険法の特例

2 金融支援措置の活用

(13)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 ついて、中小企業信用保険法に規定されている普通保険(限度額2 億円)、無担保保険(限度額 8,000 万円)、特別小口保険(限度額 1,250 万円)を別枠化します。これにより信用保証協会の債務保証 も実質別枠化され、中小企業者が当該債務保証を受けることで金融 機関からの資金調達が行いやすくなるという仕組みになります。 現行制度では、㈱日本政策金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫から 代表者個人が融資を受けることはできませんでした。しかし、事業 承継に際しては後継者自身が、借入れをしなければならない場面も 多いのが実情です。 そこで、認定を受けた中小企業者の代表者個人が必要とする資金で あって、当該中小企業者の事業活動の継続に必要なものについては、 日本政策金融公庫等から代表者個人が融資を受けることができるよ うにする制度が、㈱日本政策金融公庫法等の特例となります。この 場合の金利については、通常の金利よりも特別に低い利率が適用さ れます。 相続に伴う、株式等の承継による相続税の負担を軽減するために、 代表者であった被相続人の所有する会社の株式等を後継者である相 続人が相続した場合、その相続した議決権株式等の評価額の 80% に対応する相続税の納税が猶予される制度が設けられました。 この制度は、平成 20 年 10 月1日以後の相続に遡って適用されま す。 対象となる会社は民法特例と同様ですが、下記の条件に該当する会 社については、対象外となります。 ●風俗営業会社 ●資産保有型会社

相続税の

納税猶予制度の概要

対象となる中小企業等 の要件 ㈱日本政策金融 公庫法等の特例

3 相続税の納税猶予制度の活用

(14)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 ●常時使用する従業員の数がゼロの会社 ●特別子会社が大法人等又は風俗営業会社である会社 ●拒否権付種類株式(黄金株)を発行している場合にはその株式を 経営承継相続人以外が保有していない場合 ●一定の現物出資等資産の割合が70%以上の会社 相続税の納税猶予制度の適用をうけるためには、相続発生前に経済 産業大臣の認定をうけることが必要となります。しかし、年齢的に 事業承継計画を立てることが困難等、次のような場合には、経済産 業大臣の確認は不要とする例外規定が設けられています。 ●代表者が被相続人の親族であり、被相続人が60歳未満で死亡 した場合 ●代表者が被相続人の親族であり、かつ、死亡の直前において役員 であった場合において、死亡直前において、その代表者が所有し ていた株式と公正証書遺言により取得した株式等の合計が議決 権の50%超となる場合 経営承継相続人の要件 ●後継者であり、かつ役員に就任していること ●同族株主で過半数の議決権を有すること ●同族株主の中で筆頭株主であること等で認定がなくても、 制度の適用を認められる場合もある 被相続人の要件 ●会社を経営していたこと ●同族株主で過半数の議決権を有すること ●同族株主の中で筆頭株主であること等

(15)

事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 次のような場合、相続税申告時に納税猶予された税額が免除されま す。 また、納税猶予制度の適用を受けた場合、経済産業大臣の認定の有 効期間(5年間)は毎年1回、その後は3年ごとに税務署へ届出を 行う必要があります。 ●経営承継相続人が、特例適用株式等を死亡の時まで保有し続けた 場合 ●相続税の申告期限から5年経過後で、特例適用株式等を継続して 所有しており、次のいずれかに該当する場合 ・対象の会社について、破産手続開始の決定又は特別清算開始 の命令があった場合には、猶予税額の全額を免除する (※参照)。 ・次の後継者へ特例適用株式等を贈与した場合で、後述する贈与 税の納税猶予制度の適用を受ける場合には、猶予税額の全額を 免除する。 ・同族関係者以外に、特例適用株式等を一括して譲渡した場合に おいて、その譲渡対価又は時価のいずれか高い額が、猶予税額 を下回る場合には、その差額分を免除する(※ 参照)。 ※過去5年間の経営承継相続人及び生計を一にする者に対して支 払われた配当及び過大役員給与等に相当する額は免除しない。 上記条件を満たさなかった場合、納税免除となった猶予額の全額納 付や一部納付となる場合があります。 ①猶予額の全額納付 事業承継相続人が相続税の法定申告期限からの5年間で、代表者で なくなる等、事業を継続していないと認められる場合には、その時 点で猶予税額の全額を納付することとされています。具体的には次 の要件を満たす必要があります。

納税猶予額の免除

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事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 ②猶予額の一部納付 相続税の法定申告期限から5年を経過した後に、納税猶予の対象と なった株式等の譲渡等を行なった場合には、その納税猶予の対象と なった株式等の総数に対する譲渡した株式等の割合に応じて、猶予 税額を納付することとなります。 ③利子税の納付と担保提供 相続税は、本来、法定申告期限までに納付しなければなりませんが、 特例として納税猶予の規定が設けられています。しかし、上記に挙 げたような理由によって猶予税額の全部または一部の納付が必要と なった場合には、本来の支払期日からの利子に相当する利子税を納 付することとなります。また、納税猶予の対象となった株式等につ いては、その全てを担保に供することとなります。 後継者が、経営承継円滑化法に基づく経済産業大臣の認定を受けた 非上場会社を経営していた親族から、贈与によりその保有株式の全 部を取得し、その会社を経営する場合には、その猶予対象株式等に 係る贈与税の納税を猶予する規定が設けられました。 【贈与税の納税猶予制度の具体的要件】 対象株式 贈与前から既に所有していたものを含めて、発行済み議決権株式の 総数の3分の2に達するまでの部分の株式が贈与税の納税猶予の 対象となります 適用を受けるための要件 ●先代経営者の要件としては、会社の代表者であったこと、役員を 退任すること等が挙げられます ●後継者の要件としては、会社の代表者であること、先代経営者の 親族(6親等以内の血族、配偶者、3親等以内の姻族)であるこ と等が挙げられます ●贈与に関する要件としては、先代経営者が所有している株式の全 部を括で贈与すること3分の2を超える部分については、通常の 贈与(相続時精算課税との併用も可能)として取り扱うこと

贈与税の納税猶予

制度の概要

4 贈与税の納税猶予制度の活用

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事 事業業承承継継対対策策 経営経営承承継継円円滑滑化化法法のの活活用用策策 贈与税の納税猶予の適用を受けた後に、先代経営者に相続が発生し た場合には、次のように取り扱われます。 ① 先代経営者が死亡した時点で猶予税額は免除される ② 贈与を受けた特定株式等については、相続財産に含めて相続税 を計算する ③ その際の評価額について、相続時の評価額ではなく、贈与時の 評価額とする ④ ②で計算した相続税額については、相続税の納税猶予制度の適 用を受けることが出来る ⑤ 5年間の事業継続要件は、贈与時から発生していることとなる

相続税の納税猶予

との関係

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