繊維/ ウ レタン樹脂複合型研磨パ ッ ドの試作 と加工特性
ATr i a lPr od uc ta ndI t sPr oc e s s l ngCha r a c t e r i s t i coft hePol i s hi ngPa dUs i ngFi be r Co mpos i t e dpo l yu r e t ha n
田辺克行l* 土肥俊郎2
Ka t s uyukiTa n abel , Tos hi r ohK・ Doy2
1ユニチ カ株 式会社 中央研究所
UNI TI KALTD
2埼玉大学教 育学部
Fa c ul t yofEd uc a t i o n, Sa i t a maUni ve r s i t y
Abs t r ac t
Thene wt y pePol i s hi ngPa df o rCMPi sc o mpos e dt woma t e r ia l swhi c ha ref ibe r sa ndno n‑ f oa m e dpol y m e t ha ne ・ Fi be
rsa r epe r pe ndi c ul a rt ot hef a c eoft hepo l i s hi ngpa d.
A ne w pa ds howshi g he rr e mo va lr a t eofSi O2f il mf o r m e do ve rs i l i c o n. wa f e rt ha n c o nve nt i o na lpa d,bu tt he e f fe c t sofr l be r sa r eu nkow n .Wewi l lma nuf a c t u r epa dst ha r c o nt a i n Va ri o usf l be r so ri nc r e a s eq ua nt i t i e sof f
ibe r s , a nde x ma mi nee f fe c t soff ibe rf o rCMP.
Ke yWo r ds:C M P , Pol i s hi ngPa d, Fi be r , I LD, Re mova lRa t e , Sur f a c eRo ug h ne s s ,
1.緒言
近年、超
L SI
は配線 の微細化 ・多層化技術 によ り、 さらなる高集積化 ・高速化 が進 んでい る。多層配線 プ ロセスにおいては、 CM P (C he mi c alMec hani c alPl an ari z ati o n)
が不可欠な技術 とな ってい る l)。CM Pプロセ スでは、研磨パ ッ ド上 に研磨 スラ リーを供給 しなが ら、 ウエハの表面 を平坦化加工す るが、
高能率で高精度 な平坦化 を実現す るため に研磨 パ ッ ドや スラ リーへ の要求 はます ます厳 しくな ってい る。
研磨 パ ッ ドは、硬質発泡 ウ レタン製 の ものが一般的 に使用 されてい るが、加工能率、加工精度、加工安 定性、消耗品 コス トな ど多 くの課題 が挙 げ られ てお り、新規 な研磨パ ッ ドの開発が切望 され てい る。
本研究 では、繊維 を樹脂 と複合 させ ることで構造均一性や機械的特性 を向上 させ、良好 な
CM P
加工 を 達成 で きると考 え、繊維構造体 にウ レタン樹脂 を含浸 させ、繊維が研磨面 に垂直 に配列 した無発泡 タイプ の繊維/ ウ レタン樹脂複合型研磨パ ッ ドを試作 し、酸化膜 のCM P加工 の基本特性 の評価 を行 ったので報 告す る。* 〒 6
11‑ 0021
京都府宇治市宇治小桜23
ユニチ カ株式会社 中央研究所開発2G
電話 :0774・ 25‑ 2282 Fax:0774・ 25・ 2350 E‑ ma
il :k t ‑ t a na be @u ni t i ka . c o. j p
25
2.
試作研磨パ ッ ドFi g.1
は本研究で用いた試作研磨パ ッ ドの模式図である。繊維 が研磨パ ッ ドの研磨面に垂直に配列 した 構造 となっている。Fig. 2
は試作研磨パ ッ ドの概観写真、Fi g. 3は研磨パ ッ ド表面の S EM
写真の一例である。研磨面において ウレタン樹脂 中に繊維の断面が配列 していることがわかる。
研磨面 繊維
\ / \
Fi g. 3試作研磨パッド表面のSEM写真 Fi g. 2
試作研磨パッドの概観写真試作研磨パ ッ ドは、パイル構造 を有す る特殊 な繊維構造体にウレタン樹脂 を密封容器内において減圧下 で含浸硬化 させ、スライス工程の後、研磨紙 (
#60)
で表面仕上げを行っている。本研究で使用 した試作研磨パ ッ ドを
Ta bl e
lに示す。 ウレタン樹脂は無発泡のものを使用 した。なお、研磨パ ッ ド
D
では特殊 な形状の中空繊維 を使用 した為、繊維含有量が小 さくな り、斑が大 きくなった。Ta bl el
試作研磨パ ッ ド構成 繊維含有量 シ ョア
A
硬度研磨パ ッ ド
A
綿繊維/ウレタン樹脂20Vo1 % 95
度 研磨パ ッ ドB ポリ エ ス テ
ル繊維/ウレタン樹脂20Vo1% 90
度 研磨パ ッ ドC
ナイロン中空繊維/ウレタン樹脂2 Vo1% 90
度3.
実験及び評価Ta bl e 2
に加工条件 を示す。研磨圧力 を1 00,300,500 g/c m
2、加工時間を2 mi n、5 mi nと変えて、酸化膜の
加工速度及び加工後の表面粗 さの測定を行った。試作パ ッ ドは研磨定盤 に両面テープで貼付 け、#1 40
のダ イヤモ ン ドドレッサーで30 mi n
間前処理 を行 った。それぞれの研磨の前にはダイヤモ ン ドドレッサーで1 mi n
間処理 を行い、ブラシ洗浄後、スラリーを1 mi n
な じませてか ら研磨 を行 った。研磨試料である酸化 膜付 シ リコンウエハはバ ッキングパ ッ ド付プ レー トに3
枚 を同時保持 した。加工速度は、加工前後の酸化膜の厚 さを干渉式膜厚計
( S ENT EC H
社製FTP500)を用いて測定 し、膜厚の
変化 を加工時間で割 ることで求めた。酸化膜 の表面粗 さ
R a
は、非接触式干渉式顕微鏡( Y Y K O
社製T O P O ‑ 2 D )
で測定 した。T a bl e 2
加工条件加工試料 酸化膜付 シ リコンウエハ
( p ‑ T E O S
膜、D1 5 m m )
装置 1)ンデ式小型ホ○1)シンダ装置ラヴ70マスタ‑社製
L M1 5
(定盤¢3 4 0 m m )
研磨パ ッ ド 試作研磨パ ッ ド
A , B , C , D
回転数3 0 r p m
圧力
1 0 0 、3 0 0 、5 0 0 g / e m
2スラ リー シ リカ分散 スラ リー
S S 「 2 5
(キ ヤポ ッ ト製)( si O 2 1 2 . 5 ふ t % 、p H1 2 . 8 )
加工時間2 mi n 、5 mi n
4.
実験結果及び考察4. 1
加工速度Fi g . 4
に加工圧 力 を変化 させ た場 合 の加工時 間2 mi n
での加工速度 の比較 を示す。研磨 パ ッ ドB
が約1 5 0 n m / mi n
と高い加工速度 を示 した。 同 じ加工条件 で市販 研磨パ ッ ドでは加工圧 力5 0 0 g / c m
之の場 合 に約1 2 0 m m / mi n
であ り、研磨パ ッ ドB
は高い加工能力 を有 してい ることがわか った。Fi g . 5
に加工時間 を変化 させた場合の加工圧力1 0 0 g / c m
2での加工速度 の比較 を示す。加工時間 2min及び5 mi n
でほぼ同等 の加工速 度 が得 られ、いずれの試作研磨パ ッ ドも安定 した加工 が行 えることがわか った。繊維 の加工速度 に及 ぼす 影響 については、 よ くわか っていないが、加工速度 の向上 に寄与す る可能性 が示 され た。4.2
表面粗 さR a
Fi g . 6
に加工圧力 を変化 させ た場合の加工時間2 皿i n
での表面粗 さの比較 を示す。研磨パ ッ ドC
で加工圧 力5 0 0 g / c m 2
の場合 を除いて、いずれ の場合 も表面粗 さR a
が1 m m
以下 と良好 な加工表面 が得 られた。研磨 パ ッ ドC
で は繊維 の含有量 が小 さ く、斑 が あ り、研磨 パ ッ ド表面 に段差 が生 じていたため、加工圧 力 を5 0 0 g / c m
Zと大 き くした場合 に表面粗 さR a
が約1 . 2 m m
と悪化 した と考 え られ る。 Fi g . 7
に加工 時間 を変化 さ せた場合の加工圧力1 0 0 g / c m
2での表面粗 さの比較 を示す。加工時間2 皿i n
及び5 mi n
でいずれ の場合 も表面 粗 さR a
が1 m m
以下 と良好 な加工表面 が得 られ、安定 した加工 を行 え ることがわか った。繊維 の表面粗 さ に及ぼす影響 については、よ くわか ってい ないが、繊維 と樹脂 間での段差 を小 さ くす るで表面粗 さへの悪 影響 を避 けることが可能であ ると考 え られ る。2 7
1 5 0
( 、
)也帯月. ≡ 1 J t
⊂= ヽ ≡ 0 5 0 0 0 十 研辞バッド A 一 一 〇 ‑研磨バッド B + 研磨バッド C 一 一 . 汁 . . 一 一 . 研きバp Jド D
1 0 0 3 0 0 5 0 0
F i g . 4各種研磨パッドでの加工速度の比較 ( 加工時間
2min)1. 5
(≡ 1 )【=一g:
重
也輔恒 0. 5 0 + 研 J#パ ッ ドA
+ 研 さ バ tJ ド.
C
・+ 研 J#J{ツFD
竃
1 0 0 3 0 0 5 0 0
F i 9 . 6 各種研磨パッドでの表面粗さの比較 ( 加工時間
2min)4 0
? 3 ヽ
一一 ⊂
≡ヽ ≡ 0
、 ノ 20
世潤良 l o
→一一 一一・..‑研 き J一研 JBバ p{t.JFAJ ド8 妻十 研 き バ ッドC
0
‑一汁‑ 研 # J{LJFD.2 5
F i 9 . 5 各種研磨パッドでの加工速度の比較 ( 加工圧力 1 0 0 9 / c m2 )
1
′ヽl≡ …
⊂
ヽ■′ i
一
〇 蒜 0. 5 蛋
恒蛸
0
■‑ ‑F i 9 . 7各種研磨パッドでの表面粗さの比較 ( 加工圧力 1 0 0 g / c m2)
5.
結言ウレタン樹脂中に繊維を垂直方向に配列 させた新 しいコンセプ トの研磨パ ッ ドを提案 し、研磨パ ッ ドの 試作を行 った。試作研磨パ ッ ドを用いて、酸化膜の基本的な加工特性 について検討を行 った結果、加工速 度 において市販研磨パ ッ ドと同等以上の結果が得 られ、良好な加工表面が得 られ ることがわかった。繊維 の効果 については、不明な点が多いが、加工特性 に良い影響を与える可能性が示唆された。
今後は繊維の種類や含有量を変えた研磨パ ッドを作製 し、繊維 と加工特性 との関係を明 らかに し、より 高性能な研磨パ ッ ドの開発を 目標 に研究を進めてい く。
謝辞
本研究 を遂行す るにあた り、 ご協力いただきま した埼玉大学土肥研究室の方 々に深 く感謝いた します。
参考文献