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上部消化管内視鏡検査の苦痛に関する実態調査

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Academic year: 2021

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(1)

上部消化管内視鏡検査の苦痛に関する実態調査

保 本 美

藤 塚 近 代 和 築 友 中央内視鏡部

O 奥 宋

子 さっき 揮 友

' 性 別 内視鏡技術の進歩や性能の向上は目覚し 検査回数

胃カメラの苦痛についての感想(単項選 択)

⑤  検査前に苦痛に感じたこと(多項選択)

⑥  検査前処置で、苦痛に感じたこと(多項選 択)

⑦  検査中に苦痛に感じたこと(多項選択)

⑧  検査後に苦痛に感じたとと(多項選択)

⑨  検査前から検査後までの各時期で、もっと よる声かけや検査中のタッチング(背中・肩

をさする、手を握るなど)は有効であると述 べている。当内視鏡部で、も、日々患者の苦痛 の緩和に努めてきたが、被検者が感じる苦痛

もつらい時期(単項選択)

検査前・中の看護師の声かけで不安や緊 を明らかにし、苦痛緩和を図るために、苦痛

の強い時期、苦痛の内容、現在の緩和方法で ⑮ 

張は和らいだ、かどうか(単項選択) 検査中のタッチング、は有効だ、ったかどう

⑪  外を除いて)基本的に行っていないが、緩和 か

鎮静剤・鎮痛剤の使用希望について (単項選択)

⑬  胃カメラで苦痛を少なくするために重要 と考えるもの(多項選択)

結果

胃カメラの感想は、『今のままでよい』が 49 人、『もう少し楽にしてほしい J98 J 人 、

『もっと楽にしてほしい J J 5  5 人、「二度と受 225 名。男 136 名。女 89 名 。

平均年齢 6 1 . 2 歳 : 1 : : : 1 1 . 2 

けたくない J J 1  0 人だった。

自由記載には、自分のためだから苦しいが (研究期間) 2003 年 8 月 4日

我慢する、病気だからしょうがないなどの記 載があった。

‑81‑

② 

③  はじめに

く、今日では上部消化管内視鏡(以後、胃カ ④  メラ)は、ごく一般的な検査となっているが、

被検者は緊張し、苦痛を訴えることが多い。

平安山ら 1) や前田ら 2) によると、看護師に

緩和できているかについて調査した。また、

当院では鎮静剤や鎮痛剤の使用を(一部の例

の方法として患者がとれらの薬剤の使用をど ⑫  の程度望んでいるかを調査した。

研究方法

(方法)質問紙調査

(対象)当院上部内視鏡検査の被検者に検査 後、調査の趣旨を説明し同意を得られた

~2003 年 9 月 14 日

(質問内容)

①  年齢

司 '

(2)

胃カメラの段階別の苦痛の比較では『検査 中 j ] 114 人で最も多かった。次いで「検査 日決定から来院まで』が 22 人、『待ち時間』

1 7 人『前処置j] 1 4 人だった。

そ S 丹 両

‑二度と受 けたくな い 4 弘

ロ今のまま でよい

22 出

と こ 判 つ 1 2

4LU 

ロ今のままでよい Eもう少し

楽に 44% 

圃もう少し車に 固もっと楽に .二度と畳けたくない 回その他

図1 カメラの苦痛について

検査中の苦痛では、特に苦痛を感じない人 は 29 人(1 3%) で、何回頭不快j] 69 人『唱

回 検 査 後 0 %  

園来院ま で

13%  ロ待ち時 問 1 0 目

目前処置 8% 

図2 各 段 階 の 比 較

気 j ]64人、『胃の中でカメラが動く違和感』

33 人『腹部膨満感j] 26 人だった。カメラの すべが悪いや、医師に対する、カメラの操作 をゆっくりしてほしい・検査中に相談されて いると不安になるなど具体的な指摘が 8 人

(4%) あった。

目目頭不快

医 特にな L

O  40  60  8 0 人)

(n=229) 

20 

図3 検 査 中 の 苦 痛

検査中以外の苦痛には、検査前では、『検 査に対する不安』が、 54 人 (24%)0 ~検査 結果に対する不安』が 38 人 (17%) だ、ったが、

120 人 (53%) が特に苦痛を感じないとした。

前処置では、 108 人 ( 4 8 人)が苦痛を特 に感じないとしたが、キシロカインピスカス は 65 人 (29%) の飲みにくさを訴え、ガス コンシロップの飲みにくさは 1 3 人 (6 % ) 、 キシロカインスプレーによる咽頭麻酔は、 9 人 (4%) 、筋肉注射は 6 人 (3%) だ、った。

検査中の声かけやタッチングが苦痛の緩和 に役立つているかどうかは、声かけでは『和 らいだj] 185 人『少し和らいだj] 33 人、タッ チングでは『和らいだj] 1 8  7 人『少し和ら いだj] 29 人だった。安心した、つらさが減っ た、緊張がほぐれたという感想だった。

しかし、背中のさする位置を変えてほしい という希望や、検査の経過や、後どれくらい

円 ム

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(3)

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しい らい

で終わるかを伝えてほしいや、自分自身の緊 張のとり方を教えてほしいなどがあった。

苦痛を少なくするために重要と思うものは

『医師の技術~ 135 人『カメラの性能~ 100 

人『看護師の援助~ 56人『鎮静剤・鎮痛剤』

2 8 人だった。

0% 

図 4 検査中の声かけ 周和らいだ 図少し和らいだ

‑効果がない 圏不安緊張が増し

た 国その他

(n=225) 

日 目

図 5 検査中の告ッチング

図和らいだ 図少し和らい

聞効果がない

・不安緊張が 増し T こ

圃その他

(人) 医師 カメラ 薬剤 看護飾

(n=319) 

図 6 検査の苦痛を減らすために重要なもの

鎮静剤・鎮痛剤の希望について『①意識を なくして知らないうちに終わってほしい』が

2 2 人、『②意識はあるが、苦痛だけを取って ほしい」が 95 人、『①②どちらともいえな いが使用を希望する』が 1 5 人の、合わせて 58.6%が鎮静剤・鎮痛剤の使用を希望して おり J 希望しない』は 37人の 16.4%であっ た。『どちらともいえない~ 55人だった。

‑①意識もなくしてほ│

し い

・②苦痛だけ取って ほしい

圃①②どちらともい えないが希望する 口鎮静圃痛剤は希望 4 3 1   しない

B どちらともいえない 自胃カメラが苦痛で

はない

図7 鎮静剤・鎮痛剤の使用希望

n

︿U

口 口

(4)

考察

被検者の感想から胃カメラは苦痛を伴う検 査であるといえる。

胃カメラは、悪性腫療や食道静脈癌といっ た致死的な疾患の精査に必要な検査であり、

検査結果に対する不安を強く感じると想像し ていたが、検査中の苦痛を訴える人が多く、

検査で身体に受ける苦痛が勝っていた。

検査中に苦痛を感じる部位は、日目喉部と腹 部が大半を占めた。検査前処置の苦痛では、

筋肉注射を施行時に、よく痛みの訴えをきい たが、キシロカインピスカスの飲みにくさを 訴える人数と筋肉注射の苦痛を訴える人数を 比較するとキシロカインピスカスを苦痛と感

じる人が多かった。

咽頭の苦痛が強いことやカメラのすべりが 悪いという意見もあり、早急に咽頭麻酔の改 善が必要である。

検査中の苦痛緩和の援助として声かけや タッチング、は安心感を与え有効だが、ただ漫 然と背中をさするのではなく、さする位置や 強さの工夫、手を握るほうがより安心感が与 えられるなどの状況判断が求められており、

咽喉部や腹部の苦痛が最も少ない体位のオリ エンテーションをもっと積極的に取り入れる など、咽喉部や腹部の苦痛を緩和する方法を 検討しなければならない。

また、検査中の医師の会話に不安を感じて いることについては、施行医と責任者の医師 が報告と確認を行っているため、その趣旨を 伝えることで、安心感を与えられると考えられ る。さらに、胃カメラの検査は概ね一定の流 れがあるため、その流れに沿って検査の進行 状況、経過を伝えることで検査の苦痛を我慢

しやすいと考える。

8 4  

鎮静剤・鎮痛剤は、医師の技術、カメラの 性能、看護師の援助と比べると苦痛を少なく する方法として重要と思う人数は、最も少な いものの、鎮静剤・鎮痛剤の使用は全体の 225 人中 133 人が希望している。医師の技 術は、当 i 誌が医育機関であること、カメラの 性能、看護師の援助には各々限界があるため であると考える。副作用の問題があるものの、

今後、考慮していかなければならない課題で ある。

結論

質問紙調査により胃カメラは苦痛を伴う検 査で、検査中の咽喉部、腹部の苦痛を緩和す ることが望まれている。緩和策として現在の 声かけ、タッチングは有効であるという結果 が出たが、苦痛を強く感じる部位への緩和策 を考慮し、また、鎮痛剤・鎮静剤の使用を求 める人が半数以上おり、検討が必要である。

参考文献

1)平安山香代子:内視鏡検査における苦痛・

不安をサポートする看護の役割、日本内視 鏡技師会会報、 23 、36‑37 、1999 2) 前田千秋:上部消化管内視鏡検査を受

ける患者に対するタッチの有効性につい

て、日本内視鏡技師会会報、 23 、38‑39 、

1999 

参照

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