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精神病患者に於けろ血液中鷺野葡萄酸量
金沢大学医学部日置内科敏室(主任 B置教授)
金沢大学医学部精棘科教室(主任 秋元敏授)
坪 坂 勉
Ts?Ltomu Tsu60saka
戸 部 俊 雫
To8塩海?・α Tobε (昭和26年3月5日 受附)
緒
近時林敏授の細読1)に衰えば,同教室藤原氏 は精紳分裂病患者に於て血申焦性葡萄酸値が動 脹血,脳血共に増量を示すが如き成績を得たり と云う.因果の帰趨は何れにあるにせよ,果し て然りとせば同疾患の代謝考究上甚だ興味ある 成績であるとせざるを得ない.
言
偶々余等は最近焦性葡萄酸値の測定に從事し ており同上成績に興味を覚えたので,少数例で はあるが,本学精祠1科敏室入院患者に就き同酸 の測定を行い,叉この際同酸に及ぼすビタミン Bl(以下:B1と略記す)静注の影響を槍する機 会を得た.今その成績を鼓に録さんと欲する.
i実験材料並に実験方法 被樵患者症例: ・
被検患者として金沢大学医学部精瀞科に入院せる症 例を之に当てた.几て実験前少くとも,1週間以上Bl 剤亜に酵母剤の使用を嚴重に禁ず.
探 血:
書食前室腹時に行5.静脈血採取に際し,上腕の緊 縛は殆ど之無きよう留意した.上掲被繊例中分製病患 者に於て電墜療法を行いたるものあり,凡て電撃後1 時聞を経て(電撃施行は午前11時,探血12時,午後1
時の2回)之等採血を行う.
焦性葡萄酸測定法:
專ら目置・埣坂焦性葡萄酸簡易定墨計を使用す,萌 報「日置・埣坂焦性葡萄酸藺易定量計に就て」及び「内 i科的諸疾患に於ける血液申焦性葡萄酸量に就て」なる 著者の論著に詳記せるを以て今之を略す.面表中試験 即値,後値とあるは夫rk B15mg静注前及び荘射1時 闇後の血中焦性葡萄酸直である。
実 験成績
(」〉躁轡病
躁灘病患者4例の成績は表に示せるが如く
で,試験前値の最:高は14・3γ/cc・,最:低は5・87/
cc.であった.吉○の1例に於て14・3γ/cc・の 高値を示しF。而もB1静注によりその値3.8γ/
CC・の低下を示したが,之は余が先に報告しfc ように血行器疾病患者に於て往々同酸の増量を
示すものあb,偶々本患者には高血圧の合併が あったから:或はそれによるものと解してよいの ではなかろうかと考えられる.その他の躁轡病 患者に於ては全て正常値であり,叉B,静注に
より何等の影響をも受けなかった.
(2)進行性麻痺
同患者5例中試験前値の最高は11・7γ/cc,:最
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120 坪 坂・戸 部
低値は,8・2γ/cc・で,1例に於て 10γノcc・以上 を示した.而してBl静注により1γ/cc・以上 の低下を示せるものは2例で,何れも軽度なも のであった.
(3)精乖中分裂病
一般同患者斗例の試験二値の最高は7.9γ1cc.,
最低は5.3T/cc.で,何れも他の患者と比較し て低く,三叉:Bl静注による影響もさしたるも のを認めなかクた.
(4)電撃療法を行いたる精紳分裂病
氏 名 四 ○ 櫻 ○ 檜 ○ 埠 ○ 内 O 片 ○ 西 O 架 ○ 蓮 ○ 小 O 湯 O 志 ○ 杉 ○ 高 ○ 茶 ○ 海 0 奥 O 藤 ○ 川 O 松 O
年 性 診 断 名 64 6
27 6 24 6 38 6 40 S 39 S 38 6 27 6 55 6 72 9 18 24 25 17 28 21 21 24
Pd4
26
躁 欝 病 躁 病 tl 軽 躁 病 進 行 廣 痺 st ll il lf
試験前値
14.3 y/cc.
8.4 7.4 5.8
9A
11.7 9.0 8.2 9.2
精神鑑定i5・1 精融分裂病
7.95.8 5.3 5.3 13.4 12.3 11.2 11.2 9.4 12.6
11
11
tt
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亨
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ll tl
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/1
1/
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試験後値 差 合併症亜備考
11.5 r/cc・i
8.4 7.4 5.8 8.3 10.7 9.0 7.9 9.2 5.1 7.7 4.9 4.7 4.5 12.6 11.6 10.6 10.1 8.3 14.4
3.81高
・;
創
i:1
。.1・
溜、
.9:勾
。.♂
0・81 0・8 電 0・7 電 0・6 電
L1 電
L・噛
一一 @i・8 1電
血 圧
15 回
ユ5 回 9 回 6 回 3 回 18 回
曜
表中電何回とあるは電気シヨツクを起した回数を表はす.
電撃療法を行った同患者の試験前門の最高は 13.4γ/cc.,最低は9.4γ/cc・で,明かに電撃療 法を行lbなかった同患者のそれと比較して高値 を示し允.然るにB1静注により1γ/cc.以上 の低下を示したものは6例中2例に過ぎす,而 も何れも軽度であった.禽試験二値の:最も高か ったものに於て却ってBl融注後その上昇をさ
え認めたが,tの1・8γ/cc・と衰う増量は. B、5mg 静注後30分の後連口上の不用意から電撃を行っ たもので,之は例外とせねばならぬ。而して川
○の例に於て試験前値が最低の9.4γ/cc.を示 したのは,最後の電撃後2日を経て楡査された ことに依るものである.
考 佐々木等2)は精祠1分裂病患者に於ける血液中 焦性葡萄酸を上二二三二,旧臣静脈血に就き測 定し,急性期ではその値,動,静脈血共に増加 し,慢性期では減少し,:寛解に向えば何れも正
案
常値に近づいたと言っている.之に対し乾2)は 同上患者脳脊髄液に就き同じく同酸の二三を行 い,対照例と比較して有意な差がなく,且病 型,病像の変化,罹病期間と竜深い関係を認め
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精瀞病患者に於ける血液申焦性葡萄酸屋 121
なかったと報告している.余が同症例1⑪例に就 ての得たる測定値は,專ら肘正申静脈血に係る ものであり,上記諸成績と直接比較し難V・かも 知れないが,而も之を爾余の精紳病患者のそれ に比し決して値が増加していたと云うことは出 來なかつ%.寧ろ一般に低値を示した(余の健 康人測定値の最低線であった.)何分少数例で あるので確実な結果と言えないが,省將來充分
三野すべきヒと1,,思う.
然るに上記の如く,電撃療法を施行せるもの に於ては明かに甚だ高い値を得たが,tの事に 関してはGoldsmith 4、,林1)も既に言及してIO
る所であって,氏等は電気シヨソク後5 一15分 に於で同じく同製の増量を見たと報告してい
る.然らば同酸増量の原因は偏に全身筋肉の痙 攣による代謝産物の停滞に因するものと考えら れるが,恐らく亦その一部は脳の代謝自身にも 関係することX思われる.更に余に於て初め て之等に対しBi 5mg静注による影響を槍した が,前後差1・0γ/cc・以上に及び:Bl不足と思わ れたものは中2例に過ぎす,ヒれ増量の原因が
:Bl不足によるものでないことを物語るもので ある.余の成績に從えばと.の増量はシヨソク施 行後1時聞を経ても尚認められた.1例ではあ
るが,同療法施行後2日の後測定せる所では略 ζ正常値に帰ってV・たので,之は明かにショッ クそのものの直接影響にまるものと思われる。
結 精神病患者20名に就き血中焦性葡萄酸:量及び 之に及ぼす:B1静注の影響を楡討し,凡そ次の 如き結果を得た.
(1)精紳分裂病,躁蜜病,進行麻痺患者に於 て,その静脈血中焦性葡萄酸量の増加を認め す,精神分裂病では健常値の最:低線を彷催して VOるととが知られた.
(2)但し特に精神分裂病患者に於て電撃療法 施行後明かに同酸値の上昇を追認したが,その
論
影響は著者の測定により同法施行1時聞後にも 之を見るtとが出來だ.二更にB1負荷試験に より同工の増量はB・の欠乏と直接関係しない eとを明かにし得た.無論痙攣による一時的代 謝産物の停滞に基くものである.
欄筆するに臨み御懇篤な御指淳御校闘を賜った恩師 日置教授に深謝すると共に,種々御便宜を賜った精紳 科佐竹講師に深甚なる謝意を表する,
文 1)林:精示申融経学雑誌,51,6,1950・
2)佐dy木箏:岡山医学会難誌,61,76,1949・
3) 乾 :精下等示申i籍…興国誌, 51, 5, 1950・
献
4)Gold呂皿ith:Am・J・Med・sci・,215,182,
1948.