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.講演会より
〈 コンビューターネ ットワーク新時代 〉
九州大学工学部情報工学科 牛 島 和 夫
コンピューターネットワークの新時代という題目で,まずコンピューターネットワーク で何ができるのかということをお話ししで,それが世界につながっているという実感をお 持ち頂き,そして支援環境,あるいは人材の育成ということが非常に大切であるという話
をして,最後に今後どんな風に展開するかという順序でお話ししたいと思います.
1
キャンパス情報ネ ットワーク
1 .1 ネッ トワーク整備状況
まず,国立大学におけるキャンパス情報ネ ットワークの整備状況がどうなっているかを,
文部省の資料を見ながら説明いたします.
(講演中の牛島教授)
1987
年(昭和
62年)に,いわゆる大型計算機センターのある
7つの大学から整備を始め ようというのが文部省の方針であったように思います.
昭和
62年に東北大学と京都大学から始まりまして,それぞれ
3ヶ年計画で来たわけです が,平成
5年度に九州大学にもやづと予算が付きました.平成
5年度には追い風が吹いて 第
l次,第
2次,第
3次の補正予算でほとんどの国立大学に予算が付きました.
‑54‑
追い風のもとになった事柄として,総理大臣の下に科学技術会議というものがありまし て,そこの政策委員会に,情報ネットワーク懇談会というのが昨年
7月
30日に発足いたし ました.メンバーは,科学技術会議の会員であります東大元総長の森先生と大沢先生,文 部省学術情報センターの猪瀬所長,目立の副社長の三浦さん,
NTTの副社長の宮地さん という
5人の方で,日本の情報ネットワークに関する基本政策をここで話し合ったわけで す.それが,平成
5年度補正予算で一斉に情報ネットワーク構築することにつながってい るのではないかと思います.
1.2
ネットワークの活用
そこでの報告の中で,ネットワークというものが出来上がったときにどういう風にそれ を活用するか,これを非常にうまく説明している図
(OHP1)があります.これを中心にし てお話ししたいと思います.
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一 一
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i研究情報ネットワーク
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1
空
lfネットワークインフラ ;
l層
光ファイバー網、 CATV 網、無線回線 衛星回線等物的伝送装置 ;
l 層 l i ‑研究開発のほか、家庭、産業、教育、行政、医療等全ての国民活動の基盤
t研究情報基盤とそれを利用する研究開発活動の位置付け
I 科学技術会議政策委員会 l
{育報ネットワーク懇談会(I 993.7~
1994.6)}(OHP 1)
一番下にあります第一層というのはこれがいわゆる光ファイパー網であるとか,衛星 通信のラインであるとか,要するにハードウェアにあたります.それに対して今キャンパ
55 ~
スネットワークとして敷かれたものは,この第二層にある構内ネットワークであり,それ からつながる利用元であるスーパーコンピューターであるといったものが第二層にあたり ます.長崎大学,あるいは九州大学に出来ましたキャンパスネットワークというのは,こ の第二層の基盤整備が出来たということであります.
その中で何ができるのかといいますと,遠隔ログインとか,電子メールとか,電子ニュー スとか,ファイル転送とか,そういう 4つのことが出来るわけです.
これらの機能をどう上手く使いこなすかということで勝負が決まってくる訳ですが,そ れがこの第三層です.うまい使い方をしていくと,ここに研究活動の変革と書いてありま すけれども,教育活動や社会活動などさまざまな活動スタイルがどう変わるか.ワープロ が1980年頃に発明されまして,それによって私共の研究スタイルですとか,事務のやり方 ですとか,仕事のやり方が変わって来た事をちょっと想い出して頂ければいいと思います.
ネットワークの場合には,それよりもっと広がりが大きいのではないかと思います.折 角の機会ですので,先程何ができるか4づ挙げましたが,その4つを今ここで簡単にデモ
をやってみたいと思います.
パソコン画面によるデモンストレーション内容
・九州大学のマシンに直接ログインし,近着のメールを表示
・同じく九州大学のマシン上で,今回の講演準備のために長崎大学・小山センター長,野 崎先生とのメールのやりとりを表示
• Mosaicを用いて長崎大学のデータベースを表示
• Mosaicを用いて国立がんセンターの「ひまわり」からの画像を表示 .電子ニュースで研究会の開催通知を表示
ここまでの話は何が出来るかということでして それをどう使いこなすかということが 重要なわけですので,それを 2,3例お見せしたいと思います.
第三層と書きましたけれど, 1番目は昨年九州大学の大型計算機センターで国際会議を 致しました時に,電子メールをどう使ったかというお話です.それから 2番目は,九州大 学の航空学科が教室の運営にどんどん電子メールを使っているということです.3番目に 私の例を書いてありますが,これを先に申しますと,研究室内で,先程のデモで私の講座 の助教授から「どうしましょうか」という内容のメールがありましたけれども,それ以外 にも学生から,r論文がここまで仕上がったんですけれど見て頂けませんかj とか,r
ゼミ旅
行に行くんだけれども,参加者はいつ何時までに何万円払ってくれ」とか,そういう様な ありとあらゆる事を情報交換しています.
1.3 実際の電子メール利用例
これ (OHP2)は先程の国際会議なのですが,昨年の9月末に「次世代データベースシス テムとその応用に関する国際シンポジウム」というのを,大型計算機センターで開催しま した.ご承知の様に文部省の予算が決定するのは2月の末です.2月の末に国際会議が出来 ることがわかって,実際にやるのは 9月ですから, 5ヶ月間しか準備期聞がないわけです.
56
電 子 メ ー ル の 活 用 法 の 一 例
などに電子メールを活用
(OHP 2) •
そこで,これまでの研究スタイルだととても半年で準備するのは無理な相談です.そこで この電子メールを駆使いたしまして,見事,とにかくやれたというわけです.ここに数字 がでていますけれども これはセクレタリーを担当した先生の
l
人分のメール数なのです が, call for paperだとかも含めまして,送信分で700通.それに対して,直接受け取った のが半年の内で600通.九州大学が主催してるわけですから,やはり委員は九州大学の人 が多いので,学内のメールのやりとりが一番多いわけです.しかし・,囲内の論文委員とか,組織委員とかをお願いしている方にもメールが行くわけですが,それよりも海外に発信し,
海外から受信したメールの方が多いということをご覧頂ければと思います.
これを実際に手紙やFAXでやりとりしたら,お金や時間の問題もあるし,果たして同じ ことが出来たかどうかを考えるわけです.結果として圏内から 93人,圏外から 27人の御 参加を頂きました.国外は 16ヶ国に及び,その内イギリス,スウェーデン,スペイン,ト ルコ,ノルウェー,マレーシアといった固から来られた方は全く私共の面識のない方で,い わゆる電子メールで出したcallfor paperに対して投稿してきて下さったという方々です.
(OHP 3)長崎大学のパンフレットにもありますが,私が今日のようによそに出掛けてい て,学生諸君が直接私とアポイントメントを取ることが出来ないという時に,電子メール に書き込んでおくと,出張先からでも,外国にいても自分のホームアドレスを覗くと学生 諸君と連絡を取ることが出来ます.私が不在でも取り込み中でも大丈夫です.それから同 報通信,これはこれから情報を送るときに他の人にも同じ内容を知らせておきたい場合に,
カーボンコピーということで名前を書やておくと同報通信が簡単に出来ます.
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電子メールの特徴を生かしたコミュニケーション
(1)相手が茶話もも取返半期:女子あ送れる
海外の相手の場合に時差を気にする必要がない
→ 会議の時間の打ち合せ
海外からの招待講演者との交渉
(2)間報通傷心カ~.~ンコヒ斗機能
一度に複数の相手に送る,関係のある人にコピーを回す
→ 実行委員聞の連絡
→ プログラム委員会での討議(会議そのものは聞かれなかった)
(3)送られてきたタ..;:;.セ.~ててジ百再利用が容易
→ メーノレで送られてきた招待者の経歴から書類作成
(4)太規模メ「アリング'fJ
Xドの存在データベース研究者メーリングリスト
dbjapan,
dbworld!こ論文募集を送付
→ 全国各地・世界各国の研究者に伝達される
(5) LaTeX
文書・ポストスクリプトファイルなどの送付も可能
f麗品単産め一時属物の雰設さぞを送イ言,先方でプリントアウト
→ メールによる論文投稿
会場の地図の入った案内ゼ参加者に送付
(OHP 3)3
番目の「送られてきたメッセージの再利用が容易」というのは,むこうから送られて くる情報は,計算機がそのまま読める形になっているから,むこうが言った事を引用しな がら再利用することが非常に容易です.ここが
FAXと大いに違うところです.
4
番目に大規模メーリングリストの存在です.これは先に紹介した国際会議の場合は,デー タベ}スが主題ですから,データベースの研究者のメーリングリスト,
dbjapan,
dbworldと いうリストがあります.そこのリストを宛先にしてメールを
l本投げておくと,研究コミュ ニティーの人達に関心を持ってもらえて,先程も述べたように,・私共と全く面識のない方々 にもメールが届いて投稿や参加してもらえるということです.それからネットワークを経 由して論文の投稿だとか,査読だとかも出来るということです.
1.4 KITE(
九州大学内のネットワーク例)
九州大学のネットワークは
KITEと言います
.Kは
KyusyuuUniversity,
1は
Integrated,
T
,
Eは
TransmissionEnviromentです.
KITEは
1月末に発足しました.それに先立って 前年の
11月に皆様にご協力を願い,是非使いましようという内容のニュースを発刊しま
した.
その中の「学内ネットワーク初体験」 これは先に紹介した航空学科の先生の例です.航 空学科ではそれまで全くネットワークは使っていなかったわけですが,九州大学にネット
ワークが出来るというので教室を挙げて
KITEシステムが出来上がる前にネットワークを 作り上げて,教授以下,ドクターコースの学生に及ぶまで自分のアドレスを公開しました.
それは,大学の職員名簿には名前も電話も住所も書いてあるのだからかまわないではない かという考えなのです.ネットワークを使うようになって非常に世界観が変わったという
58 ‑
事を書いて頂きました.
次は「文系研究者のためにjという題で,言語文化部に所属する樋口先生というドイツ語 の先生のものです.先生は九州大学の大型計算機センターにトーマスマンの全集や,ゲー テの全集を機械可読の形でデータベースにして世界中からネットワークを通じてそれを利 用できるようにしています.
ネットワークというものは何となく理工系という感じがしますが,実はそうではない.文 系の人もどんどん使うべきであるという話を書いています.
トーマスマン,ゲーテのデータベースの事がドイツの学術雑誌に載った時,樋口先生の電 子メールのアドレスをそこに書いた.そうしたら知らない人から樋口先生に問い合わせの メールがどんどん飛び込んできたという事が書いてあります.ネットワークのような新し いやり方を知らなくても,十分これまでやれてきたのだからというような理由だけで,新 しい芽を摘んでしまうようなことはしないでほしいと樋口先生はお書きになっているわけ です.
2 次世代につなぐコンビューターネットワーク 2.1 構内LAN
まず始めに九州大学の構内LANはどうなっているのかという事をお見せします.九州大 学には4つの主なキャンパスがあり,一番大きいのは箱崎地区でここが病院地区.ここは 筑紫地区といって太宰府の近くにある理工系の研究所とか大学院のキャンパスがあります.
それから元は福岡高等学校があった六本松キャンパス.この4つのキャンパスを結ぶ線で,
紫色の線はNTTの専用回線を借用していて,筑紫地区と箱崎地区の聞が1Mb/s.箱崎と 病院の間が768Kb/s.それから六本松と箱崎の聞は 512Kb/sという線で結んでいます.
先程の長崎大学の例では坂本地区と文教地区の聞が384Kb/sという話ですが,九州大学 の場合にはこういう専用線を使用しています.
赤いところはいわゆる光ファイパーの基幹の部分です.そこから建物の中に支線をヲ│いて いるわけです.それぞれの建物の所にノードがあって,そこから各教室へと行っています.
さて九州大学あるいは長崎大学などそれぞれの構内 LANがどのようにつながるかとい うと, KARRN(Kyusyu Area Rβgional Research Network)という地域ネットワークをちょ
うど 2 年前に発足させたのですが,それを介して現在約 50~60 位の機関がネットワークに
つをがるようになりました.これ(OHP4)は先程KARRNというのをお話しましたが,例えば北では NORTHとい うのがあり,東北地区にはTOPICというのがあり,東京地区にはTRAINというのがあ るとかいったような地域ネットワークがそれぞれ組織されて活動しております.九州地区 は北九州地区に集中しているけれども,相当活発だと思います.
2.2 NOC(Network Operation Center)
この(OHP5)四角で囲んであるのが箱崎NOCです.これは福岡にあります.この戸畑 NOCは北九州にあります.NOCというのは, Network Operation Centerの略です.長崎 と鹿児島にはありませんが,長崎大学と鹿児島大学は直接箱崎NOCにつながっています.
それぞれの大学,例えば大分地区では大分大学が世話をしてその地区をまとめています.佐
‑ 59
地域研究情報ネットワークの構成図
‑バヮヲポー〉への
l 華経世 l
・インターネット11障された檀関 ーバッタポー〉・ネットワーヲ
(JPN I Cr:o.揖されているIPネヲトワークを唖揖) ω""酬 の 脚 色 凪 且E鵬E
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tjp>(OHP 4)
量
K A ̲抱懐統量
平成 ~llJ.在
(OHP 5)
賀では佐賀大学と佐賀県の工業技術センターがまとめています.熊本は非常に熱心で,熊 本工業技術センターから九州大学までのネットワークの電話回線用の予算を,県議会で予 算化して頂いています.実はここには熊本大学は入っていません.これはそれぞれの大学 の考えだと思いますが産と学が入り乱れるのはどうかという事で 熊本大学は直接九州 大学につながっており,熊本地区の産と官は熊本県工業技術センターがまとめているとい
う状況です.
2.3 ネットワーク組織の発展
これは九州地区のネットワーク数がどの位で いつ頃から立ち上がったのかという事を 示す図です.この横軸の一番向かつて左側が,
86
年になっています.ここの縮尺が( 8 6
の 次が89で)短くて,後は l年おきになっていることから,この89年頃までなかなかネットワークが立ち上がらなかったという事が見て頂けると思います.
慶応大学の村井純さんという方が中心になって,電話をつないでコンピューターネット ワークの実験を始めたのがお年位だったわけですが,その時に「ネットワークというのは,
九州から北海道までつながってないと意味が無い」という事で,九州、│の方は私どもの研究 室に話があり,おおいにやろうということで始まったのです.しかし 89年までの3年で,
12~15 しかつながる組織がなかったわけです.
今ここに点線がありますが この点線はいわゆる電話の公衆回線を使ってつないでいま
60
す.それに対して専用回線というのは非常に太い線で,コンピューターとコンピューター をつないでいます.この一点鎖線がそれに当たります.これらの両方を足したものがこの 実線で,いわゆる主線となります.93年に,新社会資本ということでネットワークがかな
り広がったのに応じて 九州地区の接続も 1年間で30ぐらい増えたという状況です.
2.4 日本におけるネットワーク
ここまでが九州地区ですが,今度は九州からさらに外に出ていかなければなりません.圏 内ではどの様になっているかというと,科学技術庁の科学技術会議のまとめによれば,一番 の老舗はWIDEといい,慶応大学の村井純先生が主催しておられる産学共同プロジ、ェクト です.あまりサポートのない時期に,日本にネットワークを広げたWIDEの功績というの は大変なものだと思います.公的なものとしましては,文部省の学術情報センターSINET があります.長崎大学の場合には,長崎市から九州大学に行き,九州大学からこのSINET に乗って遠くまでいくというわけです.この他に農林水産省のネットワークや工業技術院 のネットワーク等があります.それから TISNという名の,東大の理学部が主催している 理学ネットワークもあります.
各研究情報ネットワークの構成図
予術伺僧ネヲトワータ
(5INET)
の徳氏問. SINET
(Juoa: ....~陸ンター 0: J ‑I'
ー ー ー 一 ・ . . . . . . ー ー ー ‑ " ・1
..・
(OHP 6)
WI DEのネヲトワーク柵雄図
(OHP 7)
61
これ(OHP6)が今の文部省ネットワーク,つまり学術情報センターが主催しているネッ トワークの図であり,この真ん中の太い線が基幹といって,色々な所からの大学の情報が 相乗りするわけです.
今まで, 512Kbjsだったのが,平成6年度の予算で,それを
6Mbjs
,つまり 12倍の速 度にするという事です.長崎大学の場合には,長崎から九州大学までが64Kbjs
だ、ったのを
1Mbjs
にすることで16倍になりました.一方アメリカでは,この基幹の部分が実は
45Mbjs
あります.今までの日本が0.5Mbjs だったので,基幹の回線の太さを比べると,アメリカは日本の 100倍の太さがあるわけで す.こういった事情に鑑みて,とにかく0.5Mbjs
を6Mbjs
にしたいということになりまし た.ところが,アメリカの方は今度は 155Mbjsもしくは600Mbjs
にしようとしています.技術的には日本でも不可能ではないのですが, NTT等が実際にこの様に太いものを使って もユーザーが使ってくれるだろうかと心配をしており,踏み切れないでいます.先程画像が なかなか送られてこないという様な事がありましたが,例えば,ここにいらっしゃる先生 方が全員自分の写真をコンピューターに入れてやり取りをする様な事になれば, 155Mbjs でも
600Mbjs
でもあっという聞に一杯になるであろうと思われます.そういう状況をご覧 いただければと思います.'WIDE
それからこれ(OHP7)が,先ほどちょっと紹介したWIDEという慶応大学の村井先生が 中心になっておられる産学協同プロジェクトです.これは札幌・仙台・慶応の藤沢・京都・
大阪・奈良・広島・福岡といった所にネットワークがつながっていまして,これに九州地 区のネットワークがつながるわけですから長崎が分断されているというわけではなく,基 幹がつながっているというわけです.
3
世界につながるネットワーク
次は日本から外に出た時に,どうつながっているかというお話です.
直接私共からコネクトできる国 Bitnetでないとつながらない国, Emailしかつながら ない固とありますが,中国がその Emailしかつながらない国になっています.世界の主要 な固にはつながっているという事です.アフリカではエジプトと南アフリカと,チェニジ アといった所しかないというような事がご覧頂けるかと思います(OHP8).
次にコンピューターがネットワークに世界でどれ位つながっているかという話です.
この下側が,つながっているコンピューターの数が1993年の末で大体220万台まで達し ているという事を示しています.ですからそれに人の数がl台に 10人位と考えると, 2000 万人位の人が直接コンピューターでつながっているという事になります.ネットワークの利 用が,つながっているコンピュータ}の数と比例して,どんどん増えているという例です.
それからこれは,九州大学からMITまで電子メールを3つ送りまして,それがどの位の 時間で届くものかを3回計測した時のものです.1回目は358ms,2回目は760ms,3回目 が440ms. 760msというのはちょっと時間がかかっていますが,いずれにせよ 1秒以内で MITまで届いているという事であります.
その時の経路ですが,福岡から直接行けませんので東京にまず中継され,そこから西海
62
γ抽叩明日山由町一・,
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TERNATIONALCONNEC羽
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(OHP 8)
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抽 叩・‑一 一 一
岸に行って,西海岸から大陸を横断して東海岸に行きます.またこの西海岸からアラスカ だとか,ハワイ大学に行き,あるいはメルボルンに行くとか,ニュージーランドに行くと か,そんな風になっているわけです.それから西海岸から東海岸に行って,そこからイギ
リスやヨーロッパに行っているという事で,要するに日本から見れば西回りが欠落してい るという事がおわかり頂けるかと思います.
4 コンビューターネットワークの支援・環境整備
さて最後に,コンピューターネットワークの支援・環境整備のお話です.九州大学でネッ トワークを作った時の状況をお話するつもりだったのですが,時間がないので簡単にご紹 介して次に移りたいと思います.
4.1 これからの課題
先程お見せした第四層の絵なのですけれども,要するに第一層というのは,単なるハー ドウェア・コンピューターであって,第二層というのが今,長崎大学あるいは九州大学に できたネットワークで,何が出来るかというだけであります.第三層というのはそれをど う使うかということだったわけですが,一方この右側を見て頂きますと,それをきちんと 運営するためには様々な問題を解決しなければいけないという事です.
その中で特に利用性,操作性,教育,訓練,普及活動とありますが,特に人材が重要課 題だと思います.共同利用施設というものをどういう形で皆でサポートするか.制度面と いうのはセキュリテイなどが含まれると思います.制度面から言えば,それを使うための 制度が今まで何もなかったわけですから,制度を相当考えなければならないという事です.
63
4.2 九州大学におけるネットワーク構築にあたっての歴史と運営
そういう事も含めて九州大学でネットワーク構築にあたって色々と考えたことを,ここ で紹介しょうかと思ったのですが余り時間もありませんので,簡単にヒストリーだけ述べ てみようと思います.
昭和57年に筑紫地区というキャンパスが九州大学に出来ましたので,箱崎地区と筑紫地 区の聞で,例えばテレピ講義とか,テレビ会議とかが出来るシステムを作ろうじゃないか
という事で発足したのがそもそもの始まりです.
しかし昭和62年でしたか,東北大学と京都大学にネットワーク設置予算が付きまして,
それに合わせて九州大学でも全学的ネットワークの設置準備委員会を総長を委員長として 作りました.
概算要求をつづけておりましたが, 1991年(平成3年)には 1992年(平成4年)度の予 算は確実だと 6月頃感じていたわけですが,キャンパス移転計画というのが発表されまし た.キャンパスを移転するような所にはぞんな予算は付けることは出来ないという事で,平 成3年の夏にはせっかく盛り上がっていたものが駄目になり,私共もがっかりしたわけで す.九州大学全体も,大学が移転するという中で,何か新しい物を作るという概算要求す るのはもっての他だというようなムードが覆い尽くしていたわけです.しかし私共として は,ネットワークが無くては,これから 10年先, 20年先という事ではなくて, 3年先, 5 年先の研究,教育面での立ち遅れは著しいものがありますから,とにかく縮小してでもい いから立て直しを図ろうという事で色々苦労いたしました.
実際にこれは文部省の国際学術国際局の学術情報課 これは図書館と同じ所管の課です けれども,そこの課長さんがわざわざ九州大学にみえて,九州大学の施設部長や主計課長 や私共と一緒に議論しました.九州大学のネットワークはいうなれば地域的な中心でもあ る.大型計算機センターという施設がありますので,全国的な視野に立った時にネットワー クが無いのは非常に困るということで,一方移転という問題もあって,文部省とも協議を して,何とか九州大学にネットワークをということで,次の年に規模をうんと縮小して復 活しました.
こういうことで,平成5年度の予算では,九州大学だけにとにかく予算がついたわけで す.ところがその後は神風というか,追い風というかあっという聞にほとんどの国立大学 にネットワーク予算がつく事になって,まあ随分苦労したものだなあというのが私の実感 です.
これがネットワークを作る話ですが,それはものの話でありまして,次に人とお金に関係 する話です.実は九州大学の大型計算機センターは全国共同利用施設でして,九州大学だ けをサービスエリアにしているわけではなくて,全国をサービスエリアにしています.一 方構内ネットワークというのは,九州大学内だけをサービスエリアにしていますから,大 型計算機センタ}がもっぱら学内のネットワークの面倒見るということは主旨に反するの ではないかというのが私の考えです.全国共同利用の他の大学の方に迷惑をかけないとい う事をきちんと表明する事が大事ではないかと思いまして,総合情報伝達システムという 機構を作って頂いて,その上で一番上の責任者に総長になって頂きました.(OHP 9)そし てネットワーク運用センターというのを作り,大型計算機センターはその後押しをして,よ
64
運営組織図
(OHP 9)
その大学には迷惑をかけないと表明しました.
大 型 計 算 機 セ ンター ( 事 務 部 ) 庶 務 掛 会 計 婚 共 同 利 用 掛 システ ム 運 用 婚 システム管理 婚 ヰ ッ トワーク 掛
「漏函盤題曲盤滋寂聾準語鴇滋画蝿盟
11それからもう
lつは,ネットワークというのはやはり,それぞれの部局がそれぞれの使 いやすいよう独自に考えてやるべきです.運用センターの管理の下に各部局があるという 事ではなくて,運用センターというのはそういうネ ットワークを運凋する上での,色々な 手伝いや企画とかい った事をやるという事で,各部局と運用センターとは同等の立場にあ るという仕掛けにしてもらい,そしてネ ットワーク運用センターに全学運用で助教授を
1人あてて頂く事にしました.もちろん助教授が
1人専任でいればそれだけで運用できると いうわけではありません.
その他にこの 4つの地区の聞は, NTT又は QTNetの専用回線を借用しなければならず,
そのために年間
700万円のお金がかかります.それ以外を全部含めると
1700‑1800万円の お金がネットワークの運営にかかるわけです.そういう予算が文部省から く るわけでもな く,全学の共通経費を何とかこのために支出して頂けないかお願いしましたけれども,結 局それは出来ませんでした .
なぜ出来なかったかというと,教養部が廃止になるとか,大学の移転調査のために共通 経費を拠出するとか,図書館のための費用が必要であるとかいうのに共通経費をとられて,
ネットワーク運用 ためのお金を全学共通経費からは認めてもらえなかったのです.しかし 共通経費の委員会がありまして,その委員長の経済学部の先生が,評議会で,
r全学共通経
‑ 65
費はこれに充てる事は出来なかったけれども,全学共通経費と同じ重要さを持った内容だ から,各部局の共通経費を分に応じてこちら側に移管してくれるようお願いしますJとい
う発言をして下さり,私共もほっとしたというわけです.
これだけでネットワークが進むという事ではありませんが,とにかく全学的な支援,あ るいは人の手助け無しではなかなか進まないという事です.
5 コンビューターネットワークの今後の展開
5.1 政府機関におけるネットワーク利用
4.コンピュータネットワークの今後の展開
クリントン大統領へのメール
平成目安箱から ka
nt
e へ初等中等教育での利用
の め た の 習 学 の 学
五ロ
エEU
ぴ
及J
理と処こ
報る情 す
ノ¥
・と
ベの 8
るも第 な る 綱
︑ え 要 は 備
置にを設 舎 設 学 校 施
大﹁
2 0 1 0
年までに各家庭に光ファイパー(電気通信審議会答申)
その他
「ネットワークから情報をとろう
J
1•
「ネットワークに情報を提供しよう
J ~
nXE>> 1
(OHP 10)
最後に4番目ですが,コンピューターネットワークの今後の展開という事で,ここ (OHP 10)にちょっと挙げましたのに, rクリントン大統領へのメール」というのが書いてありま す.これは 1993年の 1月1日にクリントン大統領とゴア副大統領の連名で,クリントン 大統領の電子メールアドレスを全世界に公開して,色々な問題をどんどん言ってきてくれ という事です.実際にクリントン大統領が見てるかどうかわかりませんが,少なくともス タッフがきちんと見ていることでしょう.
強調したいのは,電子メールは全部MachineReadable(機械可読)な形でやって来るとい うことです.ですからどういうデータが,あるいは申し出が来たのかという事を,機械処 理するのが非常に容易であるという事が言えると思います.
2番目の「平成目安箱から Kanteiへ」というのは,ちょうど羽田さんが総理になった時 に, FAXで平成目安箱というのが始まったかと思いますが, FAXで気に入ったのがある
← 66
と,よく記者会見等で言っていたようです.しかしFAXの場合は MachineReadableでは ありません.だからやって来た情報はそこの紙に印刷されて何枚という事でしかありませ んが,最近Kanteiという名前で,要するに日本の内閣にもメールアドレスが出来上がった という事です.ただ,まだ首相宛に直接メールが出せる状況にはなっていないようですが,
いずれにせよ日本でもそういう事が始まるようです.
5.2 学校教育におけるネットワーク利用
次に初等,中等教育での利用というのを紹介します.これは例えば,長崎大学でも付属 の小,中学校にネットワークがつながったという話を聞いていますが,山梨大学の教育学部 の付属小学校の例です.5月27日にここで公開授業が行われました.その公開授業の中で 1つだけ,r知ろう知らせようJという公開授業を,奥山先生という方がMacintoshのある 部屋に子供達を連れて行き,そこで電子メールでやり取りをするという授業を行いました.
その時の話がちょっと面白いのでご紹介します.その世話をなさっている成田先生の投.
稿記事を読みますと, r5月27日の公開研究会, 4年1組jとあります.それでそのために r5月16日に2時間, 5月18日に 2時間,子供達に 3人1組で 13台のMacintoshを割り 当てて,公開授業の準備をしている j とあります.27日の公開授業の日にネットワークに つなげて授業をやるわけですから「誰か子供の相手をしてくれる人はいませんか
j
という 事を,電子ニュースにボランテイア募集という事で投稿なさっています.それから身近な例では,佐賀大学の情報科学科の近藤先生という方のイニシアチプで,佐 賀県の武雄北中学と大和中学の2つの中学校の3年生と 1年生の各々1クラスづつを,イ
ンターネットで結んで公開授業をいたしました.私も 7月13日の公開授業と 7月14日の 公開授業を九州大学の自分の研究室から, 45分ずつ見させて頂きました.音声と画像,画 像は非常に届くのが遅いのですが,音声の方は割合にクリアに入ってきます.
この授業は環境問題を扱っていて, 2つの中学の聞で色々な討論をしていたのです.そ こで例えば, NOx, SOxの問題ですとか,それが硝酸や硫酸になる話ですとか,自然の浄 化能力の話ですとか,いわゆる理科的な議論抜きで討論していました.最後に, rこの授業 を見ている先生の中で何かコメントがありましたらJというので,r今,理科離れという事 が言われてますが,そういう事もきちんと押さえるようぜひお願いしますj というような 事をネットワークの彼方から私が一言申しましたら,子供達が大変びっくりしていました.
それで今,初等,中等教育の話ですが,そういう子供達が後 2,3年あるいは数年すると 大学に来るわけです.数年前に大学の設置要項,設置基準の改訂がありましたが,その第 8番目に「校舎にはなるべく情報処理,及び語学学習のための施設を備えるものとするこ とJと,書いてあるわけです.rせよJと書くと予算が伴いますから,文部省もそれだけお 金を持っているかどうかという事になりますが.
つまりこれは大学で努力して概算要求してかまわないという事を書いてあります.ただ しこの要項は,ネットワークがこれほど急激に伸びるという事を見通していなかったと思 います.平成3年の時点でこういう要項が出ているわけですが,いずれにしても下からは そういう子供達が上がってきますし,私共もうかうかしていたら子供達からばかにされる
という事に成りかねないという事を申じ上げたいのです.
それからついこの 5月には, 2010年までには各家庭に光ファイパーをヲ│くんだという,
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電気通信審議会の答申も出ております.
6 ネットワークの有効な利用を
最後にまとめです.今世界各国に情報が散らばっていて,それをネットワークを通じて どんどん取ってくる事が出来るという受信側ばかりが強調されていますが,情報を取って くるばかりではなく,先程の例えば眼鏡橋の絵でもいいし,あるいはここにいる花田助手 の研究業績でもいいですし,そういうものを個々にコンピューターに蓄えておく,そこに n X Eの「イプシロン(E )J と書いたのはそういう事です.rイプシロンjずつでも自分の 情報を外に対して発信できる用意をすると,この nXEのnというのは,先程言った200 万だったり, 2000万だったりするわけですが, 2000万と Eを掛けたものです.1というの は1人の人が取って来ることが出来る情報の量と考えるとよいのですが,このnX Eとい うのは,その 1に比べれば非常に大きなものになるわけで,ぜひその情報を取ってくると いう事だけではなくて,自分も情報を他の人に提供するという事を考えて頂きたいという 事で,私のまとめにさせて頂きます.
質疑応答
Q:これからこのネットワークを盛り上げていくために 各部局色々なことをやってい かなければならないと思いますけれども,九州大学の場合,各部局色々な企画だとか,そ
ういったことをやっているという話はあるのでしょうか.
A:実は先程説明しなかったのですが 移転という話があって予算を随分絞られたので すが,それで移転に関係する部局は建物の入口まで,移転に関係ない所は研究室の入口ま でネットワークを整備しようということにしました.
実際にはいろいろ全学的な共通経費を頂いて,光ファイパーの値段がぐんと下がったと いうこともあって,文科系と旧教養部は本来移転に関係するのだけれども,研究室までと
しました.
実際は理学部と工学部と農学部だけが割を食っているのです.理,工,農学部所は,自分 でお金を都合して,ネットワークを立ち上げなければならないというところがあって,ま だおっしゃるような所までいっていません.先程航空学科の例を紹介しましたが,むしろそ ういう教室サイドの独自性というか独立性を認めようじゃないかという形になっています.
ただしそういう情報をキャッチしたら,先程のKITEニュースのような場でどんどんお 知らせするという風なスタイルを採ろうとしていると思っています.
九州におりますと,日本の一番端つことか,辺境の地だとかいう言葉が枕調にいつも付 くような気がしていますが,それはおかしいと常々思っています.色々な国際会議などが 日本で行われる場合や東京に行った時など,九州を中心にした図を見せることにしていま す.長崎は文明開化の最先端の地です.ネットワークがあれば,日本の一番端ではなくて,
むしろ長崎が中心だという形で物事ができるのではないかということを,蛇足ではありま すけれども,つけ加えたいと思います.
(平成6年7月19日講演)
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