• 検索結果がありません。

養護教諭の慢性疾患の子どもへの支援に関する研究

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "養護教諭の慢性疾患の子どもへの支援に関する研究"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

  佐賀県佐賀市立松梅小学校

   Matsuume Elementary School, Saga-city, Saga-prefecture  弘前大学教育学部教育保健講座

   Department of School Health Science, Faculty of Education, Hirosaki University 弘前大学医学部附属病院看護部

   Division of Nursing, Hirosaki University School of Medicine and Hospital

Ⅰ.はじめに

 近年、医療技術の向上に伴い、慢性疾患の子どもの 死亡率は減少傾向にある。しかしその反面、その療養 が長期化することにより、慢性疾患をもちながら小学 校や中学校に通う子どもが増加している。厚生労働省 の小児慢性特定疾患対策調査結果によると、学齢期の 小児慢性疾患のおおよそ85%の児童生徒が普通の小学 校、中学校に在籍している1)と報告されている。ま た、教育現場においては、平成14(2002)年4月に 就学基準の見直し2)が示された。このことによって、

就学基準に該当する児童生徒の就学手続きが弾力的に 行われるようになり、その障害の状態に照らし、市町 村の教育委員会が認める場合には、小・中学校に就学 させることができるようになった。

 また、平成14年6月の厚生労働省雇用機会均等・児 童家庭局母子保健課「小児慢性特定疾患治療研究事業 の今後のあり方と実施に関する検討会」報告書3)

は、「小児の慢性疾患の児童にとっての教育は、学習 の遅れの補完、学力の向上、積極性・自主性・社会性 の滋養、心理的安定などの意義があり、また、長期の 自己管理能力の育成など治療上の意義が認められてき ている。教育は慢性疾患のある子どもが自立し、社会 参加するために欠くことのできないものである。」と まとめており、慢性疾患の子どものための教育の重要 性を述べている。

 これらのことから、普通学校における、慢性疾患を もつ子どもへの教育や支援の充実は、今後より一層求 められていくものと思われる。

 養護教諭は、医療などとの連携や特別な配慮を必要 とする子どもへの特別支援教育において期待される役 割にある4)。そのため、病気の子どもに対して、学校 生活における

QOL(quality of life:生活の質)を高め

ていけるように、医療的管理や看護的ケアである疾病 管理において、養護教諭としての専門性を発揮するこ

養護教諭の慢性疾患の子どもへの支援に関する研究

―保護者への面接調査からの考察―

A Study of Yogo Teachers’ Support for Children with Chronic Diseases

― Consideration Based on the Parents’ Interview Survey ―

角掛 奈緒美・葛西 敦子**・松田 和子***

Naomi TSUNOKAKE

・Atsuko KASAI

**

・Yoshiko MATSUDA

***

要旨

 近年、医療技術の向上に伴い、慢性疾患をもちながら小学校や中学校に通う子どもが増加している。そのため、

養護教諭には、医療的管理や看護的ケアである疾病管理において、その専門性を発揮することが求められる。慢性 疾患をもつ子どもの保護者を対象とした半構成面接調査により、子どもの学校生活での制限や必要な支援、学校へ の病気の報告、養護教諭との関わりなどの現状を明らかにした。それをもとに、養護教諭として、その専門性を発 揮し、慢性疾患の子どもを支援するために、今後どのような方策をとることが必要であるかを提言することを目 的とした。その結果、1.慢性疾患の子どもの保護者との面談には、養護教諭が同席するという校内体制を作ること、

2.保護者や児童生徒には、養護教諭は児童生徒の心身の健康を担当する学校内での専門職であることを理解しても らうことが重要であるということが明らかとなった。

キーワード:養護教諭、慢性疾患の子どもへの支援、保護者

(2)

とが求められる。

 本研究は、慢性疾患をもつ子どもの保護者を対象と した半構成面接調査により、子どもの学校生活での制 限や必要な支援、学校への病気の報告、養護教諭との 関わりなどの現状を明らかにする。それをもとに、養 護教諭が、その専門性を発揮し、慢性疾患の子どもを 支援するために、今後どのような方策をとることが必 要かを提言することを目的とした。

Ⅱ.研究方法および対象 1.研究の手続き

 本研究は、H大学大学院医学研究科倫理委員会に、

臨床試験・研究に関する倫理審査申請をし、審査の結 果、2008年7月31日に承認されたものである。

2.調査対象

 対象は

H

大学医学部附属病院小児科外来に通院中 の慢性疾患の子ども(小学生、中学生、高校生)の保 護者のうち、本研究への協力要請に対し同意を得られ た保護者15名であった。

3.調査期間

 2008年8月13日から12月19日まで。

4.調査方法

 調査は、選択肢式と自由記述式を併用した質問紙資 料を用いた半構成面接調査法であった。面接は、対象 者への倫理的配慮として、病院内の個室で行った。倫 理委員会の規定に基づき、説明文書を用いての研究の 説明を行い、同意が得られた場合、同意書に署名をし てもらった。なお、同意書に記入した後でも、研究同 意を撤回できることも説明した。

5.調査内容

(1)対象者および子どもの属性:子どもの年齢・学 年・性別・学校種、子どもとの続柄

(2)学校生活での制限や必要な支援

(3)学校へ病気を伝えているかについて:①病気の ことを伝えた相手、②学校に伝えている内容、

③養護教諭と面談できなかった保護者の意見

(4)養護教諭との関わりについて:①養護教諭と保 護者の関わりについて、②養護教諭と子どもの 関わりについて、③保護者が養護教諭へ望むこ

6.インタビュー内容の分析方法

 対象者によって語られた内容を、具体的な内容例と して挙げた。複数の意見については、カテゴリー化し た。

Ⅲ.結果

1.対象者および子どもの属性

 保護者15名の内訳 は、母親14名、祖母 1名であった。子ど も15名(男子7名、

女子8名)の年齢は 7歳から17歳、平均 年齢は10.8±3.4歳で あった。通学してい る学校種は、小学校 9名、中学校4名、

高等学校2名であった。子どもの疾患は、急性リンパ 性白血病4名、ネフローゼ症候群3名、他であった

(表1)。

2.学校生活での制限や必要な支援

 学校生活での運動制限や食事制限の有無について、

何らかの制限があると回答した保護者は9名であっ た。9名は運動制限があり、そのうち6名は食事制限 もあった(表2)。

 学校生活を送るうえで支援が必要であると回答した 保護者は15名中9名であった。教科学習への参加での 支援が必要であると回答した保護者は4名であった。

いずれも、学習の遅れや進学についての不安があると 述べていた。体育への参加について支援を望む保護者 は3名であった。この中で、体育の後の掃除をするこ とで参加したことにされており、適切な対応が行われ ていないと保護者が感じているものもいた。2名の保 護者は、行事への積極的な参加を望んでいた。

3.学校への病気の報告

(1)病気のことを伝えた相手

 保護者15名全員が子どもの病気のことは学校側に伝 えていた。保護者との面談時の同席者は、「担任のみ」

5名、「担任、養護教諭」4名、「担任、養護教諭、校 長、教頭」2名、「担任、養護教諭、特別支援学級の 担任」、「担任、養護教諭、学年主任」、「担任、養護 教諭、体育教師」、「担任、学年主任」が各1名ずつで あった。15名全員の保護者が面談時担任は出席してい

表1. 子どもの疾患名

(3)

たと回答した。養護教諭については、9名は出席して いたが、6名は出席していなかった。

(2)学校に伝えている内容

 学校に伝えている内容は、「現在の病状」14名、「現 在の治療状況」12名、「生活制限などへの配慮」11名 であった(図1)。「他の子どもへ伝える」では、8名 が他の子どもに伝えることに同意していた。「周りが 知らないことで子どもが危険だから」、「クラスみんな で子どもを見守るため」、「周りの理解を得るため」、

「以前いじめがあったので、伝えるようにしている」、

「先生がよく説明してくれていることで、子どもや保 護者が安心して学校生活を過ごせている」との意見が あった。

(3)養護教諭と面談できなかった保護者の意見 養護教諭と面談できなかった保護者は9名、面談でき た保護者は6名であった。養護教諭と面談できなかっ

た保護者の意見としては、「問題ないと思う」と回答 した保護者が3名、面談できなかったことから「でき れば話したかった」と回答した保護者が3名だった

(表3)。「できれば話したかった」の保護者3名は、

「面談に養護教諭が参加しなかったため直接伝えられ なかった」と話していた。また、「大規模校である」

ことや「自分の子どもだけをみてもらっているのでは ないので、わざわざ呼び出すのは申し訳ない」という 理由をあげていた。

4.養護教諭との関わりについて

(1)養護教諭と保護者の関わりについて

 日頃の養護教諭と保護者との関わりについては、十 分関われていると「思う」8名、次いで「あまり思わ ない」2名、「思わない」5名であった。「思う」保護 者は、「関わりは少ないが、病気への配慮が必要ない ので十分だと思う」、「子どもに十分関わってくれてい る」、「親と十分関わりは持てている」、「信頼してい る」と述べていた。「あまり思わない」保護者は、「関 わる機会がない」と述べていた。「思わない」保護者 は、「関わりを期待していない」、「関わりへの遠慮が ある」、「困ったこともないので関わらなくてもいいと 思う」、「関わる機会がない」と述べていた(表4)。

(2)養護教諭と子どもの関わりについて

 日頃の養護教諭と子どもの関わりについては、十分 関わっていると「思う」と答えた保護者は7名、次い

㪈㪋 㪈㪉 㪈㪈

㪈㪇 㪈㪌

ᧄੱ䈻䈱ኻᔕ

੍ᗐ䈘䉏䉎∝⁁䈫ಣ⟎

ઁ䈱ሶ䈬䉅䈻વ䈋䉎

✕ᕆᤨ䈱ኻᔕ

↢ᵴ೙㒢䈭䈬䈻䈱㈩ᘦ

⃻࿷䈱ᴦ≮⁁ᴫ

⃻࿷䈱∛⁁

㫅㪔㪈㪌䋨ⶄᢙ࿁╵䋩

図1. 学校に伝えている内容 㩿ੱ㪀

表2.学校生活上で必要な運動制限や食事制限とその内容 内容(疾患名)

運動制限

(9人)

・野外活動やプールに参加できない。(血球貪食症候群)

・激しい運動,マラソンなどは本人の体調を見ながら参加する。(単心室)

・医師の指示よりにより体育はすべて見学する。(左冠動脈起始異常)

・学校生活管理指導表に基づき,運動部への参加は禁止。疲労感を訴える場合は 休息させる。(大動脈弁上狭窄)

・走る事を禁止されているが,患児の入部している卓球部への参加は制限されて いない。体育は見学している。(急性リンパ性白血病)

・水泳への参加を禁止されている。(急性リンパ性白血病)

・IVHが留置されているため,体育は見学している。(急性リンパ性白血病)

・運動が全般的に禁止されている。(急性リンパ性白血病)

・体育は見学している。(ネフローゼ症候群)

食事制限

(6人)

・グレープフルーツが食べられない。(血球貪食症候群)

・給食は普通に食べられるが,塩分濃度の高そうなものは食べないなど,意識的 に塩分を控えている。(左冠動脈起始異常)

・加熱調理したものしか食べられない。なまものは禁止されている。

 (急性リンパ性白血病)

・野菜以外のなまものは食べられない。(急性リンパ性白血病)

・加熱調理したものを食べるように言われているので,給食は食べられない。

 (急性リンパ性白血病)

・塩分の高そうなものは食べないようにしている。(ネフローゼ症候群)

(4)

で「やや思う」2名、「わからない」6名であった。

「思う」「やや思う」と答えた保護者は「養護教諭は子 どもとよく関わってくれている」、「わからない」と答 えた保護者は「学校生活のことはよくわからない」、

「養護教諭の特別な対応は必要ない」と述べていた

(表5)。

(3)保護者が養護教諭へ望むこと

 保護者が養護教諭へ望むことが「ある」と答えた保 護者が5名、「ない」が10名であった。「ある」と答え た保護者は、「話したい」、「関心を持って欲しい」と 述べていた。「ない」と答えた保護者は、「養護教諭に 見てもらうほど困っていることがない」ことから「な い」と回答した保護者と、「現状で満足している」こ とから「ない」と回答した保護者がいた(表6)。

Ⅳ.考察

1.学校生活における慢性疾患の子どもへの支援  慢性疾患の子どもが良好な学校生活を送るために は、疾病管理が重要となり、そのために様々な配慮が 必要となってくる。養護教諭は、医学的素養・看護 的技能等の専門的な知識技能を有した専門職である5)

ことから、その専門性の発揮が求められる。

 学校における疾病管理の目的6)は、疾病に罹患し ている子どもの早期の回復や治癒を目指した治療への 支援を行うこととともに、運動や諸活動への参加の制 限を最小限にとどめて、可能な限り教育活動に参加で きるように配慮することにより、快適で楽しい学校生 活を送ることができるように支援することである。こ のような疾病管理の目的達成のためには、全教職員の

共通理解のもと、保護者や主治医、学校医、地域の関 係機関等との連携が大切である。その中で、養護教諭 は、中心的役割を担っている。

 「学校生活での運動制限や食事制限の有無」につい ての質問では、15名中9名が、なんらかの制限がある と答えていた。運動制限のある子どもは9名であり、

そのうち6名は食事制限もあると答えていた。運動制 限のある子どもの中には、「体調を見ながら」「疲労 感を訴えたら休息させる」といった、一部に制限のあ る者もいた。この「病気による学校生活上の制限や対 応」については、学級担任が患児に関わる上で困難に 感じる理由としてあげられている7)。また、「学校生 活を送る上での支援」についての質問で、支援が必要 だと感じている9名の保護者のうち、3名は体育への 参加について支援を望んでいた。3名はいずれも体育 のほとんどを見学という形で参加していた。そのうち の1名は、体育の後の掃除をすることで参加したこと にされており、適切な対応が行われていないと保護者 は感じていた。運動や諸活動への参加の制限を最小限 にとどめて、可能な限り教育活動に参加できるように 配慮すること6)が重要となる。また、医師を対象と した調査9)では、学校での心疾患児への体育指導に は問題があると考え、特に過剰な体育指導を強要して いる場合と必要以上に運動制限している場合があるこ とを指摘している。これらの問題解決のためには、学 校生活において管理の必要な疾病等については「学校 生活管理指導表(小学生用、中学・高校生用)」によ る管理が望まれる8)

 慢性疾患の子どもが学校生活を送る上では、保護者 から病気の報告を受け、担任や養護教諭など学校側が 表3.養護教諭と面談できなかった保護者の意見

内容(件数) 具体的な内容

問題ないと 思う(3)

・養護教諭と直接話したことがないが,担任に病名を伝えているし,保健調査票 にも書いているので,知っていると思う。

・担任から,養護教諭と全職員に伝えてもらっているので大丈夫だと思う。

・保健調査票に病気のことを書いているので,病気のことは伝わっていると思う。

特に何も聞かれることがないので,直接会うことはない。今子どもはひどい状態 でないし,急に悪くなる病気ではない。普通に学校に通えているので養護教諭に 伝えるほどでもないと思っている。

できれば話 したかった

(3)

・中学校のときは退院時,担任と養護教諭と3人で面談した。しかし現在高校では,

入学して間もなく担任と面談したが,養護教諭は参加していないので病気のこと を把握しているかもわからない。

・発病後初めて登校する前に,担任と養護教諭に面談を要請したが,養護教諭は 出席せず,その後も何の連絡もなかった。担任に病気のことなどを伝え,このこ とを副担任と養護教諭に伝えてもらえるよう頼んだ。

・面談は担任と学年主任と行い,養護教諭には会ったことはない。(保護者と)学 校との関わりに関しては,中学校は規模の大きい学校なので,関わりにくいかな と感じている。養護教諭との面談をあらためてお願いするのも気が引ける。

(5)

その子どもと病気のことを理解することが支援の始ま りとなる。本研究では、保護者全員が子どもの病気 のことは学校側に伝えていた。学校に伝えている内 容は、「現在の病状」14名、「現在の治療状況」12名、

「生活制限などへの配慮」11名であった。本研究対象 の子どもは、表1に示したような疾患であった。しか し、病気によっては学校に伝えないということもあ る。てんかんの子どもをもつ保護者への調査10)では、

19名のうち1名ではあるが「学校に病気を伝えていな い」と答え、「病気を知られたくない、特別扱いされ たくない、差別やいじめにあうのが怖い、病院の先生 から伝えなくてもよいと言われた」と述べていた。

 慢性疾患の子どもが学校生活を送る上では周囲の子 どもの理解が重要となる。病気のことを「他の子ども へ伝える」と答えた保護者は8名であり、「周りが知 らないことで子どもが危険だから」、「クラスみんなで 子どもを見守るため」、「周りの理解を得るため」な

どと述べていた。周囲の理解の不十分さ等により症状 の悪化を増長することもある11)。逆に、周囲の子ども の理解が教育効果を高めることにもつながる。養護教 諭が、慢性疾患の子どもへの〈教育的支援〉を展開す るためには、〈周囲の子どもへの指導〉が重要となる

12)。また、「他の子どもへ伝える」と答えた保護者の 中には、「以前いじめがあったので、伝えるようにし ている」と話す保護者が1名いた。患児がクラスの他 の子どもたちと違うことをするために、周りに「他の 子どもと違うこと」が理解されないと、いじめにつな がるのではないか、ということを心配していた。小児 がんや腎疾患のように、薬の副作用によって容貌が変 化したりすることや、他の子どもたちと違っているこ とを、からかわれたり詮索されたりする体験は、子ど もの心を傷つけるだけではなく、学校が安心して通え る楽しい場所でなくなってしまうことから、学業の不 振や不登校の原因にもなりうる13)。保護者のなかには 表4.保護者が日ごろ養護教諭と十分関われていると思うかとその理由

内容(件数) 具体的な内容例

思う(8)

関わりは少ないが,

病気への配慮が必要 ないので十分だと思 う(3)

・困ったこともないし,特別に何かをしてもらうこともないので,

いいかなと思っている。

・参観日の時などに話す程度で関わる機会は少ないが,今のところ 制限も特にないので,十分だと思う。

子どもに十分関わっ てくれている(3)

・治療のことなどを伝えている。保護者としては関わる回数は多 くないが,子どもには十分関わってくれていると思う。

・入学の時に面談した。具合が悪くなった時は,電話をくれる。

関わりは少ないけれど,対応は十分だと思う。担任といっしょに よく関わってくれていると感じる。"

・日頃からたくさん関わっているわけではないが,十分関われて いると思う。子どものことをよく見てくれ安心感がある。

親と十分関わりは持 てている(1)

・今年養護教諭が変わったということで,養護教諭の方から面談 を持ってくれた。それ以来十分関わりは持てている。

信頼している(1)

・話したいときに話せるような関係を作ってくれたと思う。とて も信頼している。担任に話さないことも養護教諭には話せるとい うこともある。

あまり

思わない(2) 関わる機会がない(2)

・発症時から担任が対応してくれている。担任との関わりが十分 取れている。養護教諭とは会ったことがない。

・養護教諭とは話す機会がない。話し合いたいとは思っている。

思わない(5)

関わりを期待してい ない(2)

・小学校 3 年生の時から入院退院を繰り返し,現在高校生であるが,

養護教諭のことをよく知らない。

・今は病状が安定していて特別困っていることもないので,直接 関わらなくてもいいと思っている。面談のとき,養護教諭にも出 席して欲しいとお願いしたが,出席してくれなかった。その後特 に養護教諭からは何もないので,期待しないようにしている。

関わりへの遠慮があ る(1)

・機会があれば話したいが,大規模校なので,わざわざ養護教諭 と関わることに遠慮がある。

困ったこともないの で関わらなくてもい いと思う(1)

・中学校,高校ともに養護教諭の顔も知らない。今のところ困っ たこともなく,何となく関わりを持たなくてもいいのかなと思っ てしまう。

関わる機会がない(1)・退院の後,前の養護教諭とは話をできたが,現在の養護教諭と は直接話をできていない。話したいが,関わる機会がない。

(6)

「先生がよく説明してくれていることで、子どもや保 護者が安心して学校生活を過ごせている」と話す保護 者もいた。

 学校生活における慢性疾患の子どもへの支援では、

疾病管理が重要となり、全教職員の共通理解のもと、

養護教諭にはその中心的役割が期待される。

2.養護教諭の慢性疾患の子どもへの支援

 養護教諭が、慢性疾患の子どもを支援するためにそ の子どもと病気のことを理解するには、保護者と連携 することが重要である。その始まりが保護者と学校側 の面談である。保護者15名全員が学校側との面談を持 ち、担任は全員の面談に出席していた。保護者との連 携は担任が第一に行う立場にある14)ことから、当然 の結果ではある。しかし、養護教諭は9名の面談には 出席していたが、6名には出席していなかった。養 護教諭と面談できなかった保護者は、「できれば話し たかった」、「面談に養護教諭が参加しなかったため 直接伝えられなかった」と話していた。また、「大規 模校である」ことや「自分の子どもだけをみてもらっ ているのではないので、わざわざ呼び出すのは申し訳 ない」と述べていた。このことから、病気への配慮が 必要として面談が行われる際には、養護教諭から積極 的に面談に参加することが望まれる。保護者15名のう ち6名の面談が養護教諭の参加がなく行われていたこ

とは、学校全体の慢性疾患の子どもへの支援の体制が 十分整っていないということも推察される。養護教諭 は、保護者との連携において健康問題を取り扱うには 欠かせない存在である。そのために、養護教諭は児童 生徒の心身の健康を担当する学校内での専門職である ことをあらゆる機会(入学時のオリエンテーションや 案内文書、PTAの会合や会誌、個人・学級・学年懇 談会、保健だより等各種のたより、学校保健委員会)

に保護者や児童生徒に対して働きかけていかなければ ならない。保護者が児童生徒の健康問題を察知したと き、養護教諭や保健室の存在が頭に浮かぶよう日ごろ から、心掛けておくことが必要である15)。子どもに関 して家族と学校が話し合う場合には、学級担任だけで なく養護教諭も同席するのが望ましい。しかし、本調 査で面談に参加した養護教諭が9名のみの場合であっ たのは、家族や学級担任等への養護教諭の働きかけが 十分でなかったためではないかと考えられる。「健康 問題を抱えた子どもの話し合いには養護教諭が同席す る」という体制が学校内で確立されることが望まれる

16)

 日頃から養護教諭と十分関われていると「思う」と 答えた保護者は8名であった。その具体的な内容とし て、「関わりが少ないが、病気への配慮が必要ないの で十分だと思う」、「子どもに十分関わってくれてい る」、「親と十分関わりは持てている」、「信頼してい 表5.日ごろ養護教諭と子どもは十分関わっていると思うかとその内容

内容(件数) 具体的な内容例

思う(7) 子どもとよく関わっ てくれている(7)

・運動会,スキー教室などで,声かけをしてくれり,子どもとか かわっている様子を見ていて,普段から関わってくれているとい う感じがした。

・養護教諭が普段から声をかけてくれていると子どもから聞いて いる。

・日頃から子どものことをよくみてくれていると思う。

・行事のときに子どもと関わっている姿を見た。声かけをしたり,

対応してくれていて安心した。

・子どもは普段からよく話すということだった。

やや思う(2) 子どもと関わってく れている(2)

・具合が悪くなったときに関わる程度。子どもといつも関わるわ けではないようだが,よくハグしてくれると子どもから聞く。

・会うと,声をかけてくれるという。

わからない(6)

学校生活のことはよ くわからない(5)

養護教諭の特別な対 応は必要ない(1)

・学校生活のことはよくわからない。

・保健室での関わりはないと思うし,よくわからない。

・他の子どもと変わらず接してくれているようだけど,よくわか らない。

・保健室に,友達と遊びに行ったりするようだが,病気のことに ついてどのように関わってくれているかはわからない。

・薬を飲むとか,治療があるとか,養護教諭の特別な対応は必要 ない。

養護教諭の特別な対

応は必要ない(1) ・薬を飲むとか,治療があるとか,養護教諭の特別な対応は必要ない。

(7)

る」と答えていた。また、適切な支援を受けていると 捉えている保護者は、「信頼関係が築けており、担任 の先生に話さないようなことも養護教諭には話せると いうこともある(病気の不安や体調のこと、母親が感 じている不安など)」と話しており、保護者から相談 的な役割を求められていた。

 一方、「思わない」と答えた保護者5名は、「関わり を期待していない」、「関わりへの遠慮がある」、「困っ たこともないので関わらなくてもいいと思う」、「関 わる機会がない」と述べていた。「関わりはないが、

困ったこともないのでいいと思う」と答えていた保 護者の中には、「大規模校だし、わざわざ呼び出して 話しにくい」と感じていた者も見られた。「担任が関 わっているし、伝え聞いていると思うから病気のこと や配慮のことは多分分かっていると思う。」と述べて おり、養護教諭と関わることへの遠慮が見られた。慢 性疾患をもつ児童の保護者への調査17)では、「保護者 との関わりでは、半数が文書あるいは学級担任を通し ての関わりが主である」という報告も見受けられる。

 日頃から養護教諭と子どもは「十分関わっていると 思う・やや思う」と答えた保護者は9名であった。そ の具体的な内容として、「子どもによく声をかけてく れている」、「子どもの話をよく聞いてくれている」と 答えており、日頃からそのように子どもと関わってく れている姿をみて「安心した」と述べていた。養護 教諭と子どもの関わりについて「分からない」と答 えた保護者6名は「学校生活のことはよく分からな い」「養護教諭の特別な対応は必要ない」というもの であった。

 保護者が養護教諭へ望むことがあるかどうかの質問 では、「ある」と答えた保護者は5名であり、「(養護 教諭と)話したい」、「関心を持って欲しい」、「大袈裟 にしないで欲しい」というものであった。「普段から もっと話したい(相談したい)」といったような、特 別なケア以外での関わりを求めている保護者もいた。

谷川らの行った調査18)では、がんの子どもの保護者 が「子どもの学校のことで悩みを話せる場所がなかっ た」と述べていた。本研究では、「子どもの学校のこ 表6.保護者が養護教諭へ望むかどうかとその内容

内容(件数) 具体的な内容

ある(5)

話したい(3)

・行事のときの子どもへの対応を見てきちんと支援してくれてい ると感じた。養護教諭が変わったとの連絡が担任からあっただけ で,直接話す機会を得られていないので,直接話したい。

・話す機会があれば,話したいと思う。

・養護教諭と直接話をしたり,相談したりしたい。

関心を持って欲しい

(1)

・子どもが病気をもって学校生活を送っていることに関して,も う少し関心を示して欲しい。

大袈裟にしないで欲 しい(1)

・養護教諭の先生によって,子どもに対して見方,関わり方が違 うと感じる。以前の養護教諭は,子どもが毎週コンピューターの 時間の後に具合が悪くなることから,電磁波アレルギーではない かと連絡してきた。大袈裟にしないで欲しい。

ない(10)

養護教諭に見てもら うほど困っているこ とがない(5)

・学校で特別に何かをしてもらうということがあれば話す機会も 必要だと思うが,養護教諭に関わってもらうような特別に困った ことがないので,望んでいることはない。

・養護教諭と会う機会も話す機会も全然ない。何か困ったことが あったら話そうかとも思うが,今は特にない。担任と十分関われ ているから問題はないと思う。

・高校の養護教諭は,顔も知らないし,望むことはない。高校生 にもなったら,具合が悪くなったら帰るので,保健室に行くこと もない。

・薬を飲むとか,治療があるとか,制限もないので養護教諭の特 別な対応は必要ない。

・養護教諭と直接話したことないが,病気については保健調査票 などを通して知っていると思う。特に望むことはない。

現状で満足している

(5)

・現状で満足している。

・学校に行く機会があると,話を聞いてくれる。コミュニケーショ ンが取れていると感じる。

・今のかかわりで十分だと思うので,特にない。

・十分関わってもらえていると思う。とても感謝している。

・養護教諭の先生は本当によくしてくれている。

(8)

とで悩みを話せる」存在として、養護教諭が求められ ていた。また、「ない」と答えた保護者が10名であっ た。「養護教諭に見てもらうほど困っていることがな い」と答えた保護者は、薬を服用したり、学校でのセ ルフケア(自己注射や導尿など)があったりした場合 のように、保健室での特別な対応が必要でないかぎ り、養護教諭とは関わることはないと認識していた。

「現状で満足している」と答えた保護者は、「十分対応 してくれている」「感謝している」と述べていた。病 気への特別な支援を必要とする子どもについては、保 護者と養護教諭との関わりは十分とられているもので あった。保護者(家族)と養護教諭の連携の重要性は 様々報告されているところでもある19-22)。また、養護 教諭調査23)では、病気療養児の実態把握、配慮に対 する考え方、具体的援助は学校や養護教諭によって 様々であり、色々な取り組みも個別には行われている が、教育的な困難を抱える子どもの増大の中で養護教 諭の仕事が多く、病気療養児に対する指導・援助に対 する共通認識は形成されていないという。

 保護者が、養護教諭へ「望むことがある」というこ とは、慢性疾患の子どもへの支援における養護教諭の 役割を理解し、期待を寄せているものと考える。逆に 養護教諭に「望むことがない」ということは、慢性 疾患の子どもへの支援における養護教諭の役割が理解 されていないことが推察される。保護者や児童生徒に は、養護教諭は児童生徒の心身の健康を担当する学校 内での専門職であることを理解してもらうように働き かけることが重要となる。

Ⅴ.まとめ

 A

H

市内の

H

大学医学部附属病院に通院してい る、慢性疾患の子どもをもつ保護者15名を対象に、半 構成面接調査を行った。子どもの学校生活での制限や 必要な支援、学校へ病気を伝えているかについて、養 護教諭との関わりについてなどについて調査した。

1.学校生活において、15名のうち9名が運動制限が あり、そのうち6名は食事制限もあった。

2.学校生活を送るうえで支援が必要であると回答 した保護者は15名中9名であった。教科学習への参 加での支援が必要であると回答した保護者は4名で あった。

3.保護者15名全員が子どもの病気のことは学校側に 伝えていた。面談の参加者は、「担任のみ」が5名、

「担任、養護教諭」が4名、「担任、養護教諭、校 長、教頭」が2名、「担任、養護教諭、特別支援学

級の担任」、「担任、養護教諭、学年主任」、「担任、

養護教諭、体育教師」、「担任、学年主任」が各1名 ずつであった。養護教諭に対して病気のことを直接 伝えていない保護者は6名おり、「問題ないと思う」

3名、「出来れば話したかった」3名であった。

4.学校に伝えている内容として、「現在の病状」14 名、「現在の治療状況」12名、「生活制限などへの配 慮」11名などであった。

5.養護教諭と保護者との関わりについては、十分関 われていると「思う」8名、次いで「あまり思わな い」2名、「思わない」5名であった。

6.養護教諭と子どもの関わりについては、十分関 わっていると「思う」と答えた保護者は7名、次い で「やや思う」2名、「わからない」6名であった。

7.保護者が養護教諭へ望むことが「ある」と答えた 保護者が5名、「ない」が10名であった。「ある」と 答えた保護者は、「話したい」、「関心を持って欲し い」と述べていた。「ない」と答えた保護者は、「養 護教諭に見てもらうほど困っていることがない」、

「現状で満足している」などであった。

 以上の結果より、養護教諭が慢性疾患の子どもへの 支援をより良いものにするためには、1.慢性疾患の 子どもの保護者との面談には、養護教諭が同席すると いう校内体制を作ること、2.保護者や児童生徒に は、養護教諭は児童生徒の心身の健康を担当する学校 内での専門職であることを理解してもらうことが重要 である。

謝 辞

 本研究にご協力くださいました保護者の皆様、病院 の先生方、看護スタッフの皆様に心より感謝申し上げ ます。

1)島治伸:特別支援教育の現状.1―5,学校保健の動 向(平成18年度版),2007.

2)文部科学省:学校教育法施行令の一部改正について

(14文初特第148号)(平成14年4月24日).Available

at:http://gauguin.nise.go.jp/db1/ html /tk@61.html Accessed August 25, 2007.

3)厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課:「小児 慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施に関 する検討会」報告書(平成14年6月28日).Available

at: http://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/06/h0628-1.

html#3 Accessed February 2, 2007.

4)文部科学省中央教育審議会:子どもの心身の健康を 守り,安全・安心を確保するために学校全体として

(9)

の取り組みを進めるための方策について(平成20年 1 月 17 日 答 申 ).Available at:http://www.mext.go.jp/

b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/gijiroku/08011804/001.

pdf Accessed June 10, 2008.

5)三木とみ子編集代表:改訂 養護概説.2,ぎょうせ い,2002.

6)采女智津江編集:新養護概説.第2版1刷,70,少年 写真新聞社,2008.

7)吉川一枝:通常の学級に在籍する慢性疾患子どもへの 学級担任教師のかかわりかかわりにおける困難感の 有無に焦点をあてて―.日本小児科看護学会誌,12

(1):64~70,2003

8)弓倉整:学校生活管理指導表 区分の理解と解説(学 校保健の動向 平成20年度版).日本学校保健会,27,

平成20年11月3日.

9)藤原寛,井上文夫:心疾患児の体育指導に関する小 児循環器医の見解.学校保健研究,43(3):242 ― 250,

2001.

10)神田美咲・葛西敦子・野村由美子

: 養護教諭のてんか

んの子どもへの支援に関する研究―保護者のニーズ からの考察―.弘前大学教育学部紀要,100:75―85,

2008.

11)笹嶋由美,芝木美沙子,飯塚一:学校生活がアトピー 性皮膚炎の児童・生徒におよぼす影響.小児保健研 究,58(4):450―457,1999.

12)葛西敦子:養護教諭の「慢性疾患の子どもへの支援」

に関する因果的構造モデルの構築.学校保健研究,50

(5):371―378,2008.

13)全国特別支援学校病弱教育校長会,独立行政法人 国 立特別支援教育総合研究所:病気の児童生徒への特 別支援教育 病気の子どもの理解のために .Available

at: http://www.nise.go.jp/portal/elearn/shiryou/byoujyaku/

book/00.pdf   Accessed November 17,2008.

14)小林冽子:第5章5組織活動の運営(大谷尚子・中桐

佐智子・盛昭子:養護学概論).155-156,東山書房,

2003.

15)徳山美智子:第5章5保護者との連携(森田光子・

三木とみ子:健康相談活動の理論と方法).116―117,

ぎょうせい,2000.

16)棟方恵実・葛西敦子

: 養護教諭の脊柱側弯症の子ども

への支援に関する研究―家族のニーズからの考察―.

弘前大学教育学部紀要,98:107―115,2007.

17)中下富子,佐光恵子:M市における慢性疾患を有す る児童に対する養護教諭のかかわり.日本養護教諭教 育学会誌,8(1):66―73,2005.

18)谷川弘治,稲田浩子,鈴木智之,他10名:小児がん寛 解・治癒例の学校生活の実態からみた学校生活支援の 方法的諸問題.小児がん,37(1):32―38,2000.

19)堀内久美子・濱嶋奈美恵:慢性疾患をもつ児童生徒の 支援における学校内外及び家庭との連携.東海学校保 健研究,27(1):69―79,2003.

20)石走知子・福田博美・天野敦子:慢性疾患を持つ子ど もをめぐる家庭および医療機関と学校との連携に関す る研究.愛教大養護教育講座研究紀要,6(1):3―11,

2001.

21)田中丈夫:小学校養護教諭へのアンケート調査よりみ た糖尿病・慢性疾患をもつ児童の養育管理上の問題 点-学校・病院・家庭の連携について-.小児保健研 究,50(3):384―388,1991.

22)堀内久美子:慢性疾患をもつ児童生徒の支援-学校,

家庭,地域の連携-.保健の科学,46(10):742―748,

2004.

23)猪狩恵美子:病弱教育と教育保健-通常学級在籍病気 療養児の教育的ニーズの視点から-.日本教育保健研 究会年報,10:15―23,2003.

(2010.2.1.受理)

参照

関連したドキュメント

, Graduate School of Medicine, Kanazawa University of Pathology , Graduate School of Medicine, Kanazawa University Ishikawa Department of Radiology, Graduate School of

2)医用画像診断及び臨床事例担当 松井 修 大学院医学系研究科教授 利波 紀久 大学院医学系研究科教授 分校 久志 医学部附属病院助教授 小島 一彦 医学部教授.

医学部附属病院は1月10日,医療事故防止に 関する研修会の一環として,東京電力株式会社

 少子高齢化,地球温暖化,医療技術の進歩,AI

54. The items with the highest average values   were:  understanding  of  the  patient's  values,  and  decision-making  support  for  the  place  of 

2.認定看護管理者教育課程サードレベル修了者以外の受験者について、看護系大学院の修士課程

また、学内の専門スタッフである SC や養護教諭が外部の専門機関に援助を求める際、依頼後もその支援にか かわる対象校が

The purpose of the Graduate School of Humanities program in Japanese Humanities is to help students acquire expertise in the field of humanities, including sufficient