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パルスエコー法による欠陥検出

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Academic year: 2021

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パルスエコー法による欠陥検出

知能材料学研究室 岩本 顕 1. 緒言

社会基盤の多くが建設後30年以上経過しており,その老 朽化が問題となっている.これらを放置しておけば自然災害 などにより致命的な損壊,あるいは人命にかかわる重大な事 故につながりかねない.そこでこのような社会基盤の点検や 検査が重要になるが,これにかかる時間や労力は大きな課題 となっている.

この対策として,自動的なヘルスモニタリング技術の開発 に関心が高まっている.そこでは機械―電気のエネルギー変 換が可能な圧電材料への期待は大きく,その応用に関する研 究が行われている.

本研究では,圧電素子を用いたパルスエコー法によって,

欠陥を検出するヘルスモニタリングに関する基礎的研究を 行った.

2. 材料および実験方法

実験に用いた材料は,センサおよびアクチュエータ素子と して,板厚0.2mmの市販のPZT分極材(日本セラテック社 D材)を,試験片として120x30x2(mm)のアルミニウム合金

A2014 を用いた.センサおよびアクチュエータは,所定の

寸法にダイヤモンドカッターで切り出し,試験片と導電性接 着剤(ドータイトXA-519B)で接着した.PZT はいずれも分 極時の正極を表とした.

アクチュエータには,信号発生器と高圧アンプを用いて,

最大電圧51Vの矩形波を入力した.センサ出力はオシロス コープでモニターした.

3. 実験結果および考察 3.1センサ出力

パルスエコー法の原理は以下のとおりである.アクチュエ ータに正の電圧を印加したとき,PZTは分極方向に伸びるよ うに変形する.このとき平面方向にはポアソン効果により縮 む変形が生じる.そのため入力により,材料中に弾性波が伝 播することになる.一方、センサ部では,弾性波が到達する と圧電効果によりアクチュエータと逆の電界が生じる.アク チュエータとセンサ間に欠陥があると弾性波が変化するため,

センサ出力波形に差異が生じる.

実際の入出力波形の例を図1に示す.アクチュエータに正 の電圧が印加されると,センサには負の電圧が出力されてい ることがわかる.

1 入出力波形

次に図2に示す位置にアクチュエータとセンサを接着し,

センサそれぞれの出力をモニターした.この時のアクチュエ ータ,センサ間の距離とセンサ最大電圧の関係を図3に示す.

2 試験片接着寸法

3 距離と最大電圧の関係

センサとアクチュエータ間の距離が離れるほど,最大出力 電圧が減少しており,距離の増加による影響を受けているこ とがわかる.ただし,より遠方のセンサでは,途中のセンサ の影響も存在する.

3.2円孔欠陥の影響

2に示すセンサ位置Cのみにセンサを張り付けた試験片 について,34.6mmの位置の直径10mm円孔の有無が出力に 及ぼす影響を調べた.有無による比較を図4に示す.

健全状態(円孔なし) 不健全状態(円孔あり)

4 円孔欠陥による比較

健全状態の最大電圧は約 22.5mV,不健全状態の最大電圧 は約20mVという結果が得られた.微小ではあるが,円孔に よる影響がみられる.しかし,損傷を評価できるほどの差異 は見られなかった.これは損傷とセンサとの距離が近いこと が原因ではないかと考えられる.

4. 結言

圧電素子を用いたパルスエコー法では,出力電圧はアクチ ュエータとの距離により影響を受けることが分かった.円孔 欠陥による影響は微小であった.

30 35 40 45 50 55 60 65

0 20 40 60 80

中心間距離[mm]

最大電圧[mV]

50mV 10ms

出力

入力

アクチュエータ

センサ

A B C

20ms

20mV 20mV 20ms

出力 入力

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